JP2006245286A - フレキシブルプリント回路基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 耐熱性ポリアミック酸接着剤を介して、金属箔とアラミドフィルムとを加熱ロールプレスにてラミネートし、加熱処理により接着剤層の残溶剤を除去、熱硬化してなることを特徴とするフレキシブルプリント回路基板。
【効果】 本発明によれば、高弾性率、加熱時の低寸法変化率を有するアラミドフィルムの特性と、耐熱性に優れたポリイミド接着層の特性とを有し、高温屈曲性に優れ、加熱時の寸法変化率の小さい薄型のフレキシブルプリント回路基板が得られる。
【選択図】 なし
【効果】 本発明によれば、高弾性率、加熱時の低寸法変化率を有するアラミドフィルムの特性と、耐熱性に優れたポリイミド接着層の特性とを有し、高温屈曲性に優れ、加熱時の寸法変化率の小さい薄型のフレキシブルプリント回路基板が得られる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、プリント基板などの電子部品に使用されるフレキシブルプリント回路基板、及びその製造方法に関するものである。
携帯電話や薄型テレビの需要増に伴い、これらに使用されるフレキシブル銅箔ポリイミド積層板においては、年々高密度化への対応が強く要求されてきており、回路のファインパターン化、積層板の薄肉化が求められている。これらを解決するために、極薄銅箔を導体層に用いて、色々な接着剤を介してポリイミドフィルムと積層させた前記積層板が提案されており、例えば、特開平4−340791号公報(特許文献1)にあるナイロン/臭素化エポキシ/フェノール樹脂を主成分とした接着剤を用いたもの、特開平8−162734号公報(特許文献2)にある熱可塑性ポリイミドを接着層に用いたもの、特開2001−102693号公報(特許文献3)にあるエポキシ/ニトリルゴム系接着剤を用いたものなどが開示されている。しかし、これら極薄銅箔を積層させたフレキシブル銅箔ポリイミド積層板であっても、接着層が10μm以上であり、かつ使用されるポリイミドフィルムも20μm以上ないと得られる積層板の屈曲性や柔軟性が劣るものとなるため、積層板自体の厚みが大きいものとなるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高温屈曲性、柔軟性に優れ、加熱時の寸法変化率の小さい薄型のフレキシブルプリント回路基板、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、耐熱性ポリアミック酸接着剤を介して、金属箔とアラミドフィルムとを加熱ロールプレスにてラミネートし、加熱処理により接着剤層の残溶剤を除去、熱硬化してなるフレキシブルプリント回路基板が、高弾性率、加熱時の低寸法変化率を有するアラミドフィルムの特性と、耐熱性に優れたポリイミド接着層の特性とを有し、高温屈曲性に優れ、加熱時の寸法変化率の小さい薄型のフレキシブルプリント回路基板となり得ることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示すフレキシブルプリント回路基板及びその製造方法を提供する。
〔1〕耐熱性ポリアミック酸接着剤を介して、金属箔とアラミドフィルムとを加熱ロールプレスにてラミネートし、加熱処理により接着剤層の残溶剤を除去、熱硬化してなることを特徴とするフレキシブルプリント回路基板。
〔2〕接着剤成分が、ピロメリット酸無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの縮合物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物とp−フェニレンジアミンとの縮合物又はそれらの混合品から選ばれるポリアミック酸である〔1〕のフレキシブルプリント回路基板。
〔3〕ラミネートの時点における耐熱性ポリアミック酸接着剤が、イミド化率5%以下であり、かつ軟化点150℃以下である〔1〕又は〔2〕のフレキシブルプリント回路基板。
〔4〕金属箔が厚さ5〜18μmの銅箔であり、アラミドフィルムが厚さ4〜15μmであり、耐熱性接着剤硬化層が厚さ5μm以下である〔1〕,〔2〕又は〔3〕のフレキシブルプリント回路基板。
〔5〕金属箔上に耐熱性接着剤としてポリアミック酸溶液を塗工乾燥し、半乾燥状態でアラミドフィルムを加熱ロールにてラミネートした後、更に加熱キュアすることにより溶剤乾燥及びイミド化を行うフレキシブルプリント回路基板の製造方法であって、加熱キュア時における接着剤層の残溶剤分及びイミド化に伴う脱水分の除去を、アラミドフィルム層を通して行うことを特徴とするフレキシブルプリント回路基板の製造方法。
〔1〕耐熱性ポリアミック酸接着剤を介して、金属箔とアラミドフィルムとを加熱ロールプレスにてラミネートし、加熱処理により接着剤層の残溶剤を除去、熱硬化してなることを特徴とするフレキシブルプリント回路基板。
〔2〕接着剤成分が、ピロメリット酸無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの縮合物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物とp−フェニレンジアミンとの縮合物又はそれらの混合品から選ばれるポリアミック酸である〔1〕のフレキシブルプリント回路基板。
〔3〕ラミネートの時点における耐熱性ポリアミック酸接着剤が、イミド化率5%以下であり、かつ軟化点150℃以下である〔1〕又は〔2〕のフレキシブルプリント回路基板。
〔4〕金属箔が厚さ5〜18μmの銅箔であり、アラミドフィルムが厚さ4〜15μmであり、耐熱性接着剤硬化層が厚さ5μm以下である〔1〕,〔2〕又は〔3〕のフレキシブルプリント回路基板。
〔5〕金属箔上に耐熱性接着剤としてポリアミック酸溶液を塗工乾燥し、半乾燥状態でアラミドフィルムを加熱ロールにてラミネートした後、更に加熱キュアすることにより溶剤乾燥及びイミド化を行うフレキシブルプリント回路基板の製造方法であって、加熱キュア時における接着剤層の残溶剤分及びイミド化に伴う脱水分の除去を、アラミドフィルム層を通して行うことを特徴とするフレキシブルプリント回路基板の製造方法。
本発明によれば、高弾性率、加熱時の低寸法変化率を有するアラミドフィルムの特性と、耐熱性に優れたポリイミド接着層の特性とを有し、高温屈曲性に優れ、加熱時の寸法変化率の小さい薄型のフレキシブルプリント回路基板が得られる。
本発明のフレキシブルプリント回路基板の形成に用いるアラミドフィルムとしては、下記一般式(I),(II)で表される芳香族ポリアミドが好ましい。
(式中、Ar1,Ar2,Ar3は、二価の芳香族炭化水素を含有する有機基である。)
ここで、上記式中のAr1,Ar2,Ar3としては、例えば、
(式中、X,Yは−O−、−CH2−、−CO−、−S−、−SO2−又は−C(CH3)2−から選ばれるものである。)
で表されるものが例示され、上記ベンゼン環は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基などの置換基で置換されたものでもよい。更にベンゼン環の結合も、パラ位またはメタ位で結合したものでよく、1種又は2種以上組み合わせたものであってもよい。
で表されるものが例示され、上記ベンゼン環は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基などの置換基で置換されたものでもよい。更にベンゼン環の結合も、パラ位またはメタ位で結合したものでよく、1種又は2種以上組み合わせたものであってもよい。
本発明において好適に使用されるアラミドフィルムとしては、上記芳香族ポリアミドの中でも、高弾性率で寸法安定性のよいパラ置換芳香族ポリアミドフィルムであり、特にはパラフェニレンテレフタルアミドである。また、本発明においては、アラミカ(帝人アドバンストフィルム社製)等の市販のアラミドフィルムを使用することもできる。
また、アラミドフィルムの厚さは4〜15μm、特に4〜9μmのものが好ましく、この場合、厚みが15μmより厚いと、得られる積層板自体の厚みが厚いものとなるため、薄肉化に対応しにくくなる場合があり、また4μm未満では、本発明の方法によるラミネートが困難となる場合がある。
一方、本発明に用いられる金属箔の種類には特に限定はなく、通常は銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼、ベリリウム銅合金等が使用されることが多く、印刷回路を形成するための金属箔としては銅箔が多く用いられる。銅箔については、圧延銅箔、電解銅箔及びキャリア付極薄銅箔のいずれも使用でき、銅箔の表面処理等においては特に限定はない。
金属箔の厚さも適宜選定され、特に制限されるものではないが、通常5〜18μm、特には5〜12μm、更には5〜9μmが好ましい。5μm未満ではラミネートが困難になる場合があり、18μmを超えると薄型の回路に対応できなくなる場合がある。
また、本発明に用いられる耐熱性ポリアミック酸接着剤は、芳香族テトラカルボン酸又はその無水物並びにその誘導体等と芳香族ジアミンとを反応させることにより得ることができる。
本発明にて使用されるテトラカルボン酸又はその無水物並びにその誘導体等としては、下記のものが挙げられる。なお、以下ではテトラカルボン酸を具体的に例示するが、これらのエステル化物、酸無水物、酸塩化物も勿論使用できる。即ち、テトラカルボン酸としては、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,4,9,10−テトラカルボキシペリレン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸等がある。また、トリメリット酸及びその誘導体等も挙げられる。
更に、反応性官能基を有する化合物で変成し、架橋構造やラダー構造を導入することもできる。
更に、反応性官能基を有する化合物で変成し、架橋構造やラダー構造を導入することもできる。
一方、本発明で使用されるジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2’−メトキシ−4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス(アニリノ)エタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノベンゾエード、ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(p−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,5−ジアミノナフタレン、ジアミノトルエン、ジアミノベンゾトリフルオライド、1,4−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−(p−アミノフェノキシ)ビフェニル、ジアミノアントラキノン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)ジフェニルスルホン、1,3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(アニリノ)オクタフルオロプロパン、1,5−ビス(アニリノ)デカフルオロプロパン、1,7−ビス(アニリノ)テトラデカフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(p−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(2−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジトリフルオロメチルフェニル]ヘキサフルオロプロパン、p−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、オクタフルオロベンジジン、3,3’−メトキシベンジジン、o−トリジン、m−トリジン、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロトリジン、4,4’’−ジアミノターフェニル、4,4’’’−ジアミノクォーターフェニル等のジアミン類並びにこれらのジアミンとホスゲン等の反応によって得られるジイソシアネート類、更にジアミノシロキサン類等がある。
また、ここで使用される溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルフォキサイド(DMSO)、硫酸ジメチル、スルホラン、ブチロラクトン、クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノール、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ダイグライム等が挙げられる。
なお、本発明者らは、熱硬化することで、市販されているポリイミドフィルムと同じ化学構造及び同等の特性を与えるポリイミド接着層となるポリアミック酸を接着剤に用いる方法を鋭意検討した結果、接着剤としては、特にピロメリット酸無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの縮合物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物とp−フェニレンジアミンとの縮合物又はそれらの混合物からなるポリアミック酸が特に好ましく、縮合反応は極性溶媒としてDMAc、NMPそれぞれ単独液中又は混合液中で行い、反応温度10〜40℃、反応液の濃度30質量%以下、芳香族テトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンとのモル比が0.95:1.00〜1.05:1.00の範囲でN2雰囲気下で反応させたものが好ましいことがわかった。なお、原料の溶解方法及び添加方法に特に限定はない。
更に、本発明においては、前記縮合物等を用いて共重合あるいは得られたポリアミック酸をブレンドして使用することも可能である。また、種々の特性改良を目的として、無機質、有機質又は金属等の粉末、繊維等を混合して使用することもできるほか、導体の酸化を防ぐ目的で酸化防止剤等の添加剤あるいは接着性の向上を目的としてシランカップリング剤を加えることも可能である。更には、接着性の向上等を目的として異種のポリマーをブレンドすることも可能である。
本発明におけるフレキシブルプリント回路基板の製造方法においては、耐熱性ポリアミック酸接着剤を介して、金属箔とアラミドフィルムとを加熱ロールプレスにてラミネート後、加熱処理により接着剤層の残溶剤を除去、熱硬化するものであるが、前記ポリアミック酸をイミド化後の膜厚が5μm以下となるように銅箔等の金属箔上にキャストし、イミド化が進行しない(好ましくはイミド化率5%以下)120℃以下の温度で溶剤含量が3〜150質量%となるまで乾燥後、加熱ロールプレスにてアラミドフィルムのラミネートを行い、更にポリアミック酸の溶剤乾燥及びイミド化を行うことが好ましい。
即ち、本発明の製造方法で接着剤として使用されるポリアミック酸は、ラミネートの時点においてイミド化率5%以下、より好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下のものであり、かつ溶剤を含有するため軟化点が150℃以下、より好ましくは80〜150℃、更に好ましくは80〜120℃となるものである。該ポリアミック酸は芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸無水物とを極性溶媒中で反応させて得られるものであり、反応液をそのままワニスとして接着剤に用いることができる。
ここで、上記ポリアミック酸ワニスを銅箔等の金属箔の処理面に塗布、乾燥を行う装置及び方法は特に限定はなく、塗布はコンマコーター、Tダイ、ロールコーター、ナイフコーター、リバースコーター、リップコーターなどを使用すればよく、イミド化後の膜厚が5μm以下、より好ましくは1〜4μmとなるように銅箔等の金属箔上に塗布する。
また、乾燥は加熱ロールプレスに通す時点で、溶剤含量が3〜150質量%、好ましくは50〜120質量%であり、かつイミド化が進行しない(イミド化率5%以下)ポリアミック酸のままであるように、120℃以下、より好ましくは80〜120℃の温度で適宜乾燥させればよい。
溶剤含量が150質量%を超えると、加熱ラミネート時、又はラミネート後の残溶剤除去時に発泡するおそれがあり、また、溶剤含量が3質量%を下まわるまで熱履歴をかけると、部分的にイミド化が始まり、かつポリアミック酸層の軟化点が150℃を超えるようになるため、熱ロールプレスにてラミネートする際に高温、高圧が必要となり、設備コストが高くなる場合が生じる。また、乾燥温度が120℃を超えると加熱ラミネート時に発泡するおそれがある。
ロールプレスの加熱方法は、ロールを直接オイルやスチーム等で加熱する方法が挙げられる。またロール材質もカーボンスチール等の金属ロールや、耐熱性のフッ素ゴムやシリコーンゴムからなるゴムロールが使用される。
ロールプレス条件についても特に限定はないが、温度は乾燥後の溶剤含有ポリアミック酸の軟化点以上の範囲で、かつ使用される溶剤の沸点以下である100〜150℃、線圧は5〜100kg/cmの範囲で行うことが好ましい。
ラミネート後の溶剤乾燥及びイミド化の方法については、溶剤乾燥温度はワニスに使用される溶剤の沸点以下、通常30〜200℃、特に40〜150℃が好ましく、溶剤乾燥時間は貼り合わせたアラミドフィルムを通して溶剤が除去されるため、適宜溶剤がなくなる時間、通常3〜30時間行えばよい。
また、イミド化は溶剤除去後、引き続き行ってもよく、従来の方法通り、銅箔等の金属箔が酸化しない酸素濃度(2質量%以下)で減圧下又は窒素雰囲気下、250〜350℃で3〜20時間行えばよい。該溶剤除去及びイミド化を行う際の形態は、シート状でもロール状でもよく、ロールの巻き方についても特に限定はなく、銅箔等の金属箔を内側にしても外側にしてもよく、更にはスペーサーを挟んだロール状でもよい。
この場合、本発明の方法においては、溶剤除去及びイミド化においてラミネート後の残溶剤やイミド化時の脱水分が発生するため、好ましくはゆる巻きを行うか、他の材質のスペーサーを挟んだロール状態で加熱処理を行うことが好ましい。
なお、上述した製造方法は、片面金属箔フレキシブルプリント回路基板の製造方法についてであるが、本発明は、両面金属箔フレキシブルプリント回路基板の製造方法にも好適に適用される。両面金属箔フレキシブルプリント回路基板の製造においては、アラミドフィルムのラミネートを行った片面品のフィルム面と、別の金属箔上にポリアミック酸層を形成し、溶剤除去を行ったもののポリアミック酸側とを互いに熱ロールラミネートにより接着させ、両面金属箔フレキシブルプリント回路基板とする。ラミネート条件及びキュア(イミド化)条件等は片面品の製造方法と同じであってよい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
ポリアミック酸の合成
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.5gをN,N−ジメチルアセトアミド2kgに溶解し、N2雰囲気下で攪拌し、10℃に保っているところへ、ピロメリット酸無水物218.5gを内温が15℃を超えないように除々に添加した。10〜15℃で2時間反応させた後、更に室温で6時間攪拌し、反応を行った。反応終了後の対数粘度は0.8dl/gであった(ウベローデ粘度管使用、0.5g/dl濃度、30℃での粘度)。
ポリアミック酸の合成
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.5gをN,N−ジメチルアセトアミド2kgに溶解し、N2雰囲気下で攪拌し、10℃に保っているところへ、ピロメリット酸無水物218.5gを内温が15℃を超えないように除々に添加した。10〜15℃で2時間反応させた後、更に室温で6時間攪拌し、反応を行った。反応終了後の対数粘度は0.8dl/gであった(ウベローデ粘度管使用、0.5g/dl濃度、30℃での粘度)。
積層板の作製
30cm×25cmにカットした厚さ12μmの圧延銅箔に、上記で合成したポリアミック酸ワニスを、液の厚さで60μmとなるようにアプリケーターにより塗工し、オーブンで120℃×3分乾燥を行った。ポリアミック酸層の残溶剤量50質量%、イミド化率1%、軟化点120℃であった。これに30cm×25cmにカットした帝人アドバンストフィルム社製のアラミドフィルム アラミカ(厚さ6.5μm)を重ねて、西村マシナリー社のテストロールラミネート機にて、120℃×15kg/cm×4m/minでラミネートを行った。これをN2イナートオーブンにて、160℃×4時間、250℃×1時間、350℃×1時間連続的に加熱処理を行った。得られた積層板は、銅箔12μm、ポリイミド接着層3.5μm、アラミド層6.5μmからなるものであった。
30cm×25cmにカットした厚さ12μmの圧延銅箔に、上記で合成したポリアミック酸ワニスを、液の厚さで60μmとなるようにアプリケーターにより塗工し、オーブンで120℃×3分乾燥を行った。ポリアミック酸層の残溶剤量50質量%、イミド化率1%、軟化点120℃であった。これに30cm×25cmにカットした帝人アドバンストフィルム社製のアラミドフィルム アラミカ(厚さ6.5μm)を重ねて、西村マシナリー社のテストロールラミネート機にて、120℃×15kg/cm×4m/minでラミネートを行った。これをN2イナートオーブンにて、160℃×4時間、250℃×1時間、350℃×1時間連続的に加熱処理を行った。得られた積層板は、銅箔12μm、ポリイミド接着層3.5μm、アラミド層6.5μmからなるものであった。
寸法変化率測定
IPC FC 241に準じ、サンプルをエッチング処理して完全に銅箔を除去したものを、通風乾燥機にて150℃×0.5時間熱処理を施し、アラミドフィルムとポリイミド接着層からなるフィルムの熱処理前後の寸法より、次式を用いて寸法変化率を求めた。
寸法変化率={(熱処理前の寸法−熱処理後の寸法)/熱処理前の寸法}×100%
表1中、+;伸び、−;収縮を示す。
IPC FC 241に準じ、サンプルをエッチング処理して完全に銅箔を除去したものを、通風乾燥機にて150℃×0.5時間熱処理を施し、アラミドフィルムとポリイミド接着層からなるフィルムの熱処理前後の寸法より、次式を用いて寸法変化率を求めた。
寸法変化率={(熱処理前の寸法−熱処理後の寸法)/熱処理前の寸法}×100%
表1中、+;伸び、−;収縮を示す。
IPC屈曲性
得られた積層板の銅箔層に、(極薄銅箔の場合はキャリア層及び剥離層を除去した後)IPC FC 241に定められた回路パターンを作製形成した。回路パターン形成面(回路パターン銅箔面)にカバーレイ(商品名:CN261 信越化学工業(株)製)を160℃、4.9MPaで30分熱プレスし、更に160℃×4時間アフターキュアを行い、IPC屈曲性試験片を作製した。このIPC屈曲性試験片を用いて、温度80℃、屈曲半径1.5mm、屈曲速度1500回/分、ストローク20mmで繰り返し屈曲を行い、回路の抵抗値が10%を超えた回数又は回路が破断した回数を屈曲回数とした。
得られた積層板の銅箔層に、(極薄銅箔の場合はキャリア層及び剥離層を除去した後)IPC FC 241に定められた回路パターンを作製形成した。回路パターン形成面(回路パターン銅箔面)にカバーレイ(商品名:CN261 信越化学工業(株)製)を160℃、4.9MPaで30分熱プレスし、更に160℃×4時間アフターキュアを行い、IPC屈曲性試験片を作製した。このIPC屈曲性試験片を用いて、温度80℃、屈曲半径1.5mm、屈曲速度1500回/分、ストローク20mmで繰り返し屈曲を行い、回路の抵抗値が10%を超えた回数又は回路が破断した回数を屈曲回数とした。
[実施例2〜4]
表1に示した厚みのアラミドフィルム(帝人アドバンストフィルム社製、アラミカ)及び銅箔を使用した以外は実施例1と同様の方法で行った。なお、実施例4では、厚さが5μmの銅箔のキャリア付極薄銅箔を用いた。
表1に示した厚みのアラミドフィルム(帝人アドバンストフィルム社製、アラミカ)及び銅箔を使用した以外は実施例1と同様の方法で行った。なお、実施例4では、厚さが5μmの銅箔のキャリア付極薄銅箔を用いた。
[比較例1〜4]
アラミドフィルムの替わりに表1に示した厚みのポリイミドフィルム(カネカ製アピカルNPI、東レデュポン社製カプトンEN)、及び表1に示した厚みの銅箔を使用した以外は実施例1と同様の方法で行った。なお、比較例4では、厚さが5μmの銅箔のキャリア付極薄銅箔を用いた。
上記実施例及び比較例の結果を表1に併記する。
アラミドフィルムの替わりに表1に示した厚みのポリイミドフィルム(カネカ製アピカルNPI、東レデュポン社製カプトンEN)、及び表1に示した厚みの銅箔を使用した以外は実施例1と同様の方法で行った。なお、比較例4では、厚さが5μmの銅箔のキャリア付極薄銅箔を用いた。
上記実施例及び比較例の結果を表1に併記する。
Claims (5)
- 耐熱性ポリアミック酸接着剤を介して、金属箔とアラミドフィルムとを加熱ロールプレスにてラミネートし、加熱処理により接着剤層の残溶剤を除去、熱硬化してなることを特徴とするフレキシブルプリント回路基板。
- 接着剤成分が、ピロメリット酸無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの縮合物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物とp−フェニレンジアミンとの縮合物又はそれらの混合品から選ばれるポリアミック酸である請求項1記載のフレキシブルプリント回路基板。
- ラミネートの時点における耐熱性ポリアミック酸接着剤が、イミド化率5%以下であり、かつ軟化点150℃以下である請求項1又は2記載のフレキシブルプリント回路基板。
- 金属箔が厚さ5〜18μmの銅箔であり、アラミドフィルムが厚さ4〜15μmであり、耐熱性接着剤硬化層が厚さ5μm以下である請求項1,2又は3記載のフレキシブルプリント回路基板。
- 金属箔上に耐熱性接着剤としてポリアミック酸溶液を塗工乾燥し、半乾燥状態でアラミドフィルムを加熱ロールにてラミネートした後、更に加熱キュアすることにより溶剤乾燥及びイミド化を行うフレキシブルプリント回路基板の製造方法であって、加熱キュア時における接着剤層の残溶剤分及びイミド化に伴う脱水分の除去を、アラミドフィルム層を通して行うことを特徴とするフレキシブルプリント回路基板の製造方法。
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JP2005058877A JP2006245286A (ja) | 2005-03-03 | 2005-03-03 | フレキシブルプリント回路基板及びその製造方法 |
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JP5447365B2 (ja) * | 2008-02-28 | 2014-03-19 | 東洋紡株式会社 | 積層体の製造方法 |
CN109842992A (zh) * | 2019-03-05 | 2019-06-04 | 广州联茂电子科技有限公司 | 一种无胶单面挠性覆铜板的生产方法 |
-
2005
- 2005-03-03 JP JP2005058877A patent/JP2006245286A/ja active Pending
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