JP2005060173A - アルミノフォスフェート類の製造方法 - Google Patents

アルミノフォスフェート類の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 吸着材として使用した場合に、吸着容量が大きく、かつ過酷な条件での繰り返しの使用に伴う結晶構造の破壊やそれに伴う吸着容量の低下が起こらないアルミノフォスフェート類の製造方法を提供する。
【解決手段】 アルミノフォスフェート類製造原料混合物の水熱合成によりフレームワーク密度(FD)が13T/nm3以上20T/nm3以下のテンプレート含有アルミノフォスフェート類を製造する方法において、水熱合成に際して原料混合物を最高到達温度まで昇温する過程で、75℃以上115℃以下の温度領域に1.3時間以上おかれることを特徴とするテンプレート含有アルミノフォスフェート類の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アルミノフォスフェート類の製造方法に関するものである。
ゼオライトは、触媒、吸着材、分離材等の種々の用途に広く用いられており、ゼオライトの合成方法としては、ゼオライトの骨格構造を形成しうる金属元素の化合物とテンプレートを用いて水熱合成することが一般に行われている。
例えば、特許文献1は置換アルミノリン酸塩の製造方法について開示している。該公報は、90℃以上での水熱合成と、90−120℃での加熱、150−250℃で2週間までの加熱が教示されているが、水熱合成の条件の詳細と、その効果については言及が無く、実施例は全て200℃ 24時間の加熱であり、昇温過程については一切記載がない。
特許文献2は、収量の増加と、カチオン交換能の増大を目的として、FAU構造を有するシリコアルミノフォスフェート SAPO−37の合成方法を開示している。反応混合物を5℃/hr〜200℃/hrの速度で80〜200℃に加熱し、SAPO−37の核生成が起るまでその温度範囲に保持し、次に5℃/hr〜200℃/hrの速度で、SAPO−37の結晶が形成されるまで、5〜500時間、100〜300℃に更に加熱することが教示されている。しかしながら、フレームワーク密度が12.7T/nm3と低い
FAU構造を有するアルミノフォスフェートは、構造の安定性が低いことが知られている。即ち、例えば、特許文献3によると完全にテンプレートを除去したSAPO−37は、大気中の水分で結晶構造が破壊されることが知られており、このような合成方法の改良によっても、産業上の利用は極めて困難であると考えられる。
特開昭60−186409号公報 特開昭61−151021号公報 米国特許第4681864号公報
上述のように、従来のアルミノフォスフェートの製造方法は、水熱合成時の昇温過程の記載が全くないか、あるいは、昇温過程の開示があっても、対象としているアルミノフォスフェートが本質的に構造破壊を起こしやすく、工業的な利用、特に繰り返し使用に適さないものであった。
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであって、その目的は、繰り返しの使用或いは長時間の使用に伴ってその性能の劣化が少ない、特に、吸着材として使用した場合に、吸着容量が充分に大きく、かつ繰り返しの使用に伴う、結晶構造の破壊やそれに伴う吸着容量の低下が起こらないアルミノフォスフェート類の製造方法を提供することにある。又、本発明は、上記アルミノフォスフェート類の製造に有利な、テンプレート含有アルミノフォスフェート類の製造方法を提供することにある。
本発明者等は鋭意検討の結果、フレームワーク密度がある範囲のアルミノフォスフェート類を水熱合成により製造するに際し、アルミニウム源、必要により使用されるMe原子源、リン源およびテンプレートを原料として用い、それらを混合して得られた水性ゲル(材料混合物)を、アルミノフォスフェート類合成の最高到達温度まで昇温する過程で特定の温度領域にある時間以上おかれることにより、前記目的を達成できることを見出し、本
発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の要旨は、アルミノフォスフェート類製造原料混合物の水熱合成によりフレームワーク密度(FD)が13T/nm3以上20T/nm3以下のテンプレート含有アルミノフォスフェート類を製造する方法において、水熱合成に際して原料混合物を最高到達温度まで昇温する過程で、75℃以上115℃以下の温度領域に1.3時間以上おかれることを特徴とするテンプレート含有アルミノフォスフェート類の製造方法に存する。
他の要旨は、上記の方法で製造されたテンプレート含有アルミノフォスフェート類を焼成することを特徴とするアルミノフォスフェート類の製造方法に存する。
上記の方法で製造されたテンプレート含有アルミノフォスフェート類を焼成することを特徴とするアルミノフォスフェート類の製造方法
本発明のアルミノフォスフェート類の製造方法によれば、特に吸着材として使用した場合に、吸着容量が大きく、かつ過酷な条件での繰り返しの使用に伴う結晶構造の破壊やそれに伴う吸着容量の低下が起こらないアルミノフォスフェート類が製造できるという優れた効果を有する。
<本発明のアルミノフォスフェート類の説明>
(アルミノフォスフェート類の基本構成)
本発明において、アルミノフォスフェート類とは、International Zeolite Association (IZA)の規定による結晶性アルミノフォスフェート類を意味し、骨格構造を構成する原子が酸素、アルミニウム及びリンであり、その一部が他の原子(Me)で置換されていても良い。他の原子(Me)としては、周期表の2A族、7A族、8族、1B族、2B族、3B族(但し、Alを除く)及び4B族元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の原子が挙げられる。中でも、I)アルミニウム原子がヘテロ原子(Me1:但し、Me1は、周期表の2A族、7A族、8族、1B族、2B族、3B族(但し、Alを除く)元素から選ばれる少なくとも一種類の元素を示す。)で一部置換されたMe−アルミノフォスフェート、II)リン原子がヘテロ原子(Me2:但し、Me2は周期表の4B族元素)で置換されたMe−アルミノフォスフェート、あるいは、III)アルミニウムとリンの両方がヘテ
ロ原子(それぞれMe1、Me2)で置換されたMe−アルミノフォスフェートが吸着特性、触媒性能の点から好ましい。
アルミノフォスフェート類の骨格構造を構成しているMe、Al及びPの構成割合(モル比)は、通常、下記式1−1〜3―1のモル比であり、好ましくは、下記式1−2〜3−2である。xが上記範囲より小さいと、吸着質の圧力が低い領域での吸着量が小さくなったり、合成が困難となる傾向があり、上記範囲より大きいと、合成時に不純物が混入しやすい傾向がある。
又、y、zが上記範囲外であると、合成が困難となる傾向がある。
0≦x≦0.3 …1−1
(xは、Me、Al、Pの合計に対するMeのモル比を示す)
0.2≦y≦0.6 …2−1
(yは、Me、Al、Pの合計に対するAlのモル比を示す)
0.3≦z≦0.6 …3−1
(zは、Me、Al、Pの合計に対するPのモル比を示す)
0.01≦x≦0.3 …1−2
(xは、Me、Al、Pの合計に対するMeのモル比を示す)
0.3≦y≦0.5 …2−2
(yは、Me、Al、Pの合計に対するAlのモル比を示す)
0.4≦z≦0.5 …3−2
(zは、Me、Al、Pの合計に対するPのモル比を示す)

他の原子Meは、1種でも2種以上含まれていても良い。好ましいMe(Me1,Me2)は
、周期表第3又は第4周期に属する元素である。Me1は2価の状態でイオン半径が0.3以上、0.8Å以下であるのが好ましく、更に好ましくは2価、4配位の状態でイオン半径が0.4以上、0.7Å以下である。上記の中でも、合成の容易さ、吸着特性、触媒特性の点から、Fe,Co,Mg,Znから選ばれる少なくとも一種類の元素であるのが好ましく、特にFeであるのが好ましい。Me2は、好ましくは周期表第三または第四周期に属する4B族元素であり、更に好ましくはSiである。
また、このアルミノフォスフェート類は、骨格構造を構成する成分とは別に、他のカチオンとイオン交換可能なカチオン種を持つものものを含んでいてもよい。そうした場合のカチオンとしては、プロトン、Li、Na、Kなどのアルカリ元素、Caなどのアルカリ土類元素、La,Ce等の希土類元素などが挙げられる。中でも、プロトン、アルカリ元素、アルカリ土類元素が好ましい。
又、本発明のアルミノフォスフェート類は、そのフレームワーク密度(以下、FDと略すことがある。)が、13T/nm3以上20T/nm3以下、好ましくは、13.5T/nm3以上であり、更に好ましくは14T/nm3以上であり、一方、19T/nm3以下
が好ましく、17.5T/nm3以下が更に好ましい。ここで、フレームワーク密度(T
/nm3)は、ゼオライトの単位体積nm3あたり存在するT原子(ゼオライトの骨格を構成する酸素以外の元素の原子)の数を意味し、この値はゼオライトの構造により決まるものである。上記範囲未満では、構造が不安定となり耐久性が低下する問題があり、一方、上記範囲を越えると吸着量、触媒活性が小さくなり、触媒や吸着材としての使用に適さない。
又、本発明のアルミノフォスフェート類は、その構造としては、International Zeolite Association(IZA)が定めるコードで、AEI、AEL、AET、AFI、AFN
、AFR、AFS、AFT、AFX、ATO、ATS、CHA、ERI、LEV、VFIが挙げられるが、中でも、吸着特性、触媒活性の点から、AEI、AEL、 AFI、C
HA、LEVから選ばれるいずれかであるのが好ましく、特にCHAが好ましい。
<アルミノフォスフェート類の製造方法>
以下、アルミノフォスフェート類の製造方法を説明する。
(構成原料)
アルミノフォスフェート類は、アルミニウム源、Me原子源(特に好ましくは鉄源)、リン源およびテンプレートを原料として用い、それらを混合した後、水熱合成により製造される。
アルミニウム源:アルミニウム源は特に限定されず、通常、擬ベーマイト、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムトリエトキシド等のアルミニウムアルコキシド、水酸化アルミニウム、アルミナゾル、アルミン酸ナトリウムなどが使用される。中でも、取り扱いやすさ、反応性の観点からは擬ベーマイトが好ましい。
Me源:Me源も特に限定されず、通常、前記Me原子の硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、
塩化物、臭化物等の無機酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩、ペンタカルボニル、フェロセン等の有機金属化合物などが使用される。これらのうち、水に対する溶解性の観点からは無機酸塩、有機酸塩が好ましい。場合によってはコロイド状の酸化物、あるいは微粉末状の酸化物を用いても良い。
リン源:リン源は通常リン酸であるが、リン酸アルミニウムを用いてもよい。
テンプレート:テンプレートとしては、アミン、イミン、四級アンモニウム塩が使用できるが、好ましくは(1)ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物、(2)シクロアルキル基を有するアミン、および(3)アルキル基を有するアミンからなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を用いることが好ましい。それらは入手しやすく安価であり、さらに、製造されたMe-アルミノフォスフェートの取り扱いも容易で構造破壊も起
きにくいという効果がある。
好ましく用いられる上記(1)ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物、(2)シクロアルキル基を有するアミン、および(3)アルキル基を有するアミンは、単独で用いても2種以上を併用しても良く、上記アミン類の中から1種用いる場合は、合成の容易さ、ゼオライトの耐久性の点から、(1)ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物の中のモルホリン、または、(2)シクロアルキル基を有するアミンの中のシクロヘキシルアミンが好ましく、その中でもモルホリンが特に好ましい。
一方、所望の組成のものを純度良く合成するため、2種類以上のアミン類を組み合わせて用いるのが好ましい。
これらのうち、好ましい組み合わせとしては、テンプレートとして(1)ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物、(2)シクロアルキル基を有するアミン、および(3)アルキル基を有するアミンからなる群の2以上の群からそれぞれ1種以上の化合物を用いることが好ましい。このように組み合わせることにより、所望の元素割合のものや、結晶性の高いゼオライトの合成がしやすいという利点がある。中でも、(1)ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物を含む2種以上の組み合わせの場合は、所望の元素割合のものや、結晶性の高いアルミノフォスフェート類の合成がしやすいというの観点から、より好ましい。具体的な好ましい組み合わせとしては、モルホリン、トリエチルアミンあるいはN,N−ジエチルエタノールアミンおよびシクロヘキシルアミンから2種以上、中でもモルホリンを含む2種以上の組み合わせの場合がより好ましい。
これらのテンプレート各群の混合比率は、条件に応じて適時選ぶ必要があるが、混合させる2種のテンプレートのモル比は1:20〜20:1の範囲であり、所望の元素割合のものや、結晶性の高いゼオライトの合成がしやすいという観点からは1:10〜10:1が好ましい。なお、その他のテンプレートが入っていても良いが、その場合には、モル比で通常20%以下であり、10%以下が好ましい。これらのテンプレートは、価格的にも安く、従来のもの(例えばテトラエチルアンモニウムヒドロキシド)等に比べて扱いやすく腐食性等も少ないという利点がある。
(水熱合成)
次に、アルミノフォスフェート類の製造方法における水熱合成について説明する。
先ず、Me源、アルミニウム源、リン酸源、テンプレートおよび水を混合して水性ゲルを調合する。混合順序は制限がなく、用いる条件により適宜選択すればよいが、通常は、まず水にリン酸源、アルミニウム源を混合し、これにMe源、テンプレートを混合する。
水性ゲルの組成は、所望のものの合成しやすさに影響し、アルミニウム源、Me源およびリン酸源を酸化物のモル比であらわすと、MeO/Al23の値は、通常0より大きく1.0以下であり、好ましくは、0.02以上であり、一方、好ましくは0.9以下、さらに好ましくは0.8以下である。
また、P25/Al23の比は、所望のものの合成しやすさに影響し、通常0.6以上、好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1以上であり、通常1.8以下、好ましくは1.7以下、さらに好ましくは1.6以下である。 テンプレートの総量は、所望のものの合成しやすさ、経済性に影響し、P25に対するテンプレートのモル比で、通常0.2以上、好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1以上であって、通常4以下、好ましくは3以下、さらに好ましくは2.5以下である。また、2種以上のテンプレートの混合比は、所望のものの合成しやすさに影響し、条件に応じて適宜選ぶ必要があるが、上記にすでに記したように、例えば、モルホリンとトリエチルアミンを用いる場合、モルホリン/トリエチルアミンのモル比が0.03から20、好ましくは0.05から5、さらに好ましくは0.1から2、最も好ましいのは0.2から1である。
前記2つ以上の群から各群につき1種以上選択されたテンプレートを混合する順番は特に限定されず、テンプレートを調製した後その他の物質と混合してもよいし、各テンプレートをそれぞれ他の物質と混合してもよい。
また、水の割合の下限としては、Al23に対して、モル比で3以上であり、合成のしやすさの観点からは5以上が好ましく、10以上がより好ましい。水の割合の上限としては、200以下、合成のしやすさ、生産性の高さの観点からは150以下が好ましく、120以下がより好ましい。水性ゲルのpHは、4〜10であり、合成のしやすさの観点からは5〜9が好ましく、5.5〜7.5がより好ましい。pHの調整は、テンプレート類の量の調節、あるいは塩酸、硫酸等の酸の添加により行われる。
なお、水性ゲル中には、原料の溶解性を向上させる、あるいは鉱化剤等の効果を期待して、上記以外の成分を共存させても良い。このような成分としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物や塩、アルコール等の親水性有機溶媒があげられる。共存割合は、所望のものの合成しやすさに影響し、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物や塩の場合は、Al23に対してモル比で通常0.2以下、好ましくは0.1以下であり、アルコール等の親水性有機溶媒の場合は、水に対してモル比で通常0.5以下、好ましくは0.3以下である。
上記条件下で調製した、水性ゲルを耐圧容器に入れ、自己発生圧下、または結晶化を阻害しない気体加圧下、昇温して所定温度範囲内に保持する事により水熱合成を行う。かかる温度範囲は、通常、下限は120℃以上であって、好ましくは130℃以上、さらに好ましくは140℃以上である。上限は200℃以下、好ましくは195℃以下、さらに好ましくは180℃以下、最も好ましいのは170℃以下である。本発明においては、この温度範囲のうち、最も高い温度を最高到達温度と称するが、該最高到達温度は、所望のアルミノフォスフェート類の合成しやすさに影響し、上記範囲から選択される。
本発明の方法において重要な点は、最高到達温度まで昇温する過程において、75℃から115℃までの温度範囲内に1.3時間以上おかれる点である。この時間(昇温時間)は、1.5時間以上が好ましく、2時間以上がさらに好ましい。昇温時間が1.3時間未満であると、得られたテンプレート含有アルミノフォスフェート類を焼成して得られるアルミノフォスフェート類の耐久性が不十分となる。一方、上記時間の上限は特に制限はないが、長すぎると生産効率の点で好ましくなく、通常50時間以下、好ましくは24時間以下である。
前記温度領域の間の昇温方法は、特に制限はなく、例えば、単調に増加させる方法、階段状に変化させる方法、振動等上下に変化させる方法、およびこれらを組み合わせて行う方式など様々の方式を用いることができる。通常の場合、制御の容易さから、昇温速度をある値以下に保持して、単調に昇温する方式が好適に用いられる。
又、本発明では、最高到達温度付近に所定時間保持するのが好ましく、最高到達温度付近とは、該温度より5℃低い温度乃至最高到達温度を意味し、最高到達温度に保持する時間は、所望のものの合成しやすさに影響し、通常0.5時間以上、好ましくは3時間以上、さらに好ましくは5時間以上であって、通常30日以下、好ましくは10日以下、さらに好ましくは4日以下である。
最高到達温度に達した後の温度の変化のさせ方は、特に制限はなく、階段状に変化させる方法、最高到達温度以下で、振動等上下に変化させる方法、およびこれらを組み合わせて行う方式など様々の方式を用いることができる。通常の場合、制御の容易さ、得られるアルミノフォスフェートの耐久性の観点から、最高到達温度を保持した後、100℃から室温までの温度に降温するのが好適である。
水熱合成後、生成物を分離する。生成物の分離方法は特に限定されない。通常、濾過またはデカンテーション等により分離し、水洗後室温から150℃以下の温度で乾燥して生成物であるテンプレートを含有したアルミノフォスフェート類を得ることができる。
<アルミノフォスフェート類の製造>
上記に従って、製造されたテンプレートを含有したアルミノフォスフェート類は、通常、その使用目的に応じて、焼成、抽出等により、細孔構造に取り込まれた有機テンプレートの全部または一部を除去して活性化することにより使用される。
焼成後のMe−アルミノフォスフェートは、Me−アルミノフォスフェートを窒素、空気等の流通下、あるいは減圧下で焼成することにより得ることができる。焼成温度は、通常、200℃以上800℃以下であり、250℃以上が好ましく、280℃以上が更に好ましく、300℃以上が特に好ましい。一方、700℃以下が好ましく、500℃以下がより好ましく、450℃以下がさらに好ましい。焼成時間は、1分から15時間であり、2分から10時間が好ましく、5分から8時間がより好ましい。焼成時の圧力は、減圧でも加圧でも良いが、通常は大気圧付近で行われる。
焼成ガスは、空気等の含酸素ガス、窒素等の不活性ガスとも使用可能であるが、温度制御の容易さ、テンプレート除去率制御の容易さの観点から、酸素濃度20vol%以下の不活性ガス希釈酸素が好ましく用いられる。
酸素以外の含有ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスが用いられるが、場合によっては水蒸気、窒素酸化物を体積比で10%まで混合させてもかまわない。
焼成ガスは、処理装置内を流通させてもよいし、させなくてもよいが、流通させる場合は、焼成する試料に対する空間速度(GHSV)がある範囲であることが好ましい。その空間速度(GHSV)としては、10hr-1以上、10000hr-1以下が好ましく、20hr-1以上、3000hr-1以下がより好ましい。GHSVが小さすぎると有機テンプレートの除去が遅くなり、GHSVが高すぎると焼成に要するガス流量が大きすぎ、経済的には好ましくない。焼成装置としては、マッフル炉や、管状炉、キルン等の任意の加熱装置を用い、固定床、または流動床形式で行われる。
本発明の製造法で得られたアルミノフォスフェートは、吸着材、酸反応や酸化反応用等の触媒、分離材、量子ドットや量子ワイヤーなどの光学材料、磁気材料となる半導体微粒子や蛍光体、色素などのホストとして広く用いられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
尚、以下の実施例及び比較例において、下記の物性測定、処理については、下記条件で行った。
XRD測定条件
X線源 :Cu−Kα線(λ=1.54184Å)、
出力設定 :40kV・30mA
測定時光学条件 :
発散スリット=1°
散乱スリット=1°
受光スリット=0.2mm
回折ピークの位置 2θ(回折角)
測定範囲 2θ=4〜50度
スキャン速度 :0.05°(2θ/sec)、連続スキャン
試料:めのう乳鉢を用いて人力で粉砕した試料約100mg
同一形状のサンプルホルダーを用いて試料量が一定となるようにした。
炭素及び窒素分析(CN分析)
PERKIN ELMER 2400 SeriesII CHNS/O Analyzerを用いて行った。
元素分析
試料を空気流通下、550℃で6時間焼成し、塩酸に溶解した後、ICP法により組成分析
を行った。
吸着特性(55℃)
試料を120℃で5時間、真空排気した後、55℃における水蒸気吸着等温線を水蒸気吸着量測定装置(ベルソーブ18:日本ベル(株))により以下の方法で測定した。
空気恒温槽温度 :60℃
吸着温度 :55℃
初期導入圧力 :3.0torr
導入圧力設定点数 :0
飽和蒸気圧 :118.11torr
平衡時間 :500秒
耐久性試験
試料を90℃に保たれた真空容器内に保持し、5℃の飽和水蒸気雰囲気と90℃ 飽和水蒸気雰囲気にそれぞれ90秒曝す操作を繰り返した。90℃の飽和水蒸気雰囲気に曝されたときに試料に吸着した水は、5℃の飽和水蒸気雰囲気で一部が脱着し、5℃に保った水だめに移動する。m回目の吸着からn回目の脱着で、5℃の水だめに移動した水の総量(Qn;m(g))と試料の乾燥重量(W(g))から一回あたりの平均吸着量(Cn;m (g/g))を以下のようにして求めた。
[Cn;m]=[Qn;m]/(n−m+1)/W
以下の方法で出発反応物を得た:
水210gに85%リン酸86.5gを加え、これに擬ベーマイト(25%水含有、コンデア製)40.8gをゆっくりと加え、3時間攪拌した。これに、硫酸第一鉄7水和物41.7gを水218gに溶かした液を加え、さらにモルホリン19.0g、トリエチルアミン65.9gをゆっくりと加えてさらに3時間攪拌した。そして以下の組成を有するゲル状の出発反応物を得た。
0.4FeSO4:0.8Al23:P25:0.5モルホリン:1.5トリエチルアミ
ン: 70H2
上記の出発物質をテフロン(登録商標)製内筒を有するステンレス製オートクレーブ(内容積約1L)に仕込み、以下のように水熱合成を行った。100rpmで攪拌しながら室温から140℃まで、14℃/hrの昇温速度で直線的に昇温し、最高到達温度140℃で72時間反応させた。最高到達温度に昇温する過程で、75℃〜115℃の範囲におかれた時間(昇温時間)を表1に示す。
反応後冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、120℃で乾燥した。元素分析の結果、沈殿物中のアルミニウム(Al)、鉄(Fe)とリン(P)の合計に対する各元素の構成割合(mol%)は表1に示す通りであった。上記沈殿物のXRD測定の結果、上記沈殿物はCHA構造を有する鉄アルミノフォスフェート(FD:14.5T/nm3)であることが確認された。
この鉄アルミノフォスフェート3gを採取し、縦型の石英焼成管に入れ、空気175ml/分、窒素325ml/分の混合ガス(酸素濃度 5 vol%)を流通させながら、0.
35℃/分で315℃まで昇温し、そのまま315℃で6時間焼成を行い、アルミノフォスフェート焼成物を得た。CN分析の結果、炭素、窒素含有率はそれぞれ、3.16重量%、1.3重量%であった。55℃における吸着量測定の結果、相対蒸気圧0.3における吸着量は0.23g/gであった。この鉄アルミノフォスフェート焼成物を吸着耐久性試験に供した。表1に1回目から1500回目までの平均吸着量[Q1;1500(g/g)]、および1501回目から2000回目までの平均吸着量[Q1500;2000(g/g)]を示す。平均吸着量に大きな低下はなかった。また、耐久性試験後の55℃における吸着量は、相対蒸気圧0.3において0.2g/gであり、水蒸気吸着量の大きな低下はなかった。又、試験後のXRD測定では純粋なCHA構造が確認され、試験前後で結晶性に大きな変化は観測されなかった。
実施例1において、室温から140℃まで10.8℃/hrの昇温速度でほぼ直線的に昇温し、140℃で96時間反応させた以外は、実施例1と同様に水熱合成を行った。最高到達温度に昇温する過程で、75℃〜115℃の範囲におかれた時間(昇温時間)を表1に示す。
実施例1と同様に沈殿物の分離、乾燥、分析を行ったところ、沈殿物中のアルミニウム(Al)、鉄(Fe)とリン(P)の合計に対する各元素の構成割合(mol%)は表1に示す通りであった。上記沈殿物のXRD測定の結果、上記沈殿物はCHA構造を有する鉄アルミノフォスフェート(FD:14.5T/nm3)であることが確認された。この
鉄アルミノフォスフェートを、焼成温度を340℃とした以外は実施例1と同様に焼成し、アルミノフォスフェート焼成物を得た。この鉄アルミノフォスフェート焼成物を耐久性試験に供した。
1回目から1000回目までの平均吸着量[Q1;1000(g/g)]、1001回目から2000回目までの平均吸着量[Q1001;2000(g/g)]を表1に示す。平均吸着量の大きな低下はなかった。試験後のXRD測定では純粋なCHA構造が確認され、試験前後で結晶性に大きな変化は観測されなかった。
実施例1において、最高到達温度を130℃とし、室温から130℃まで10℃/hrの昇温速度でほぼ直線的に昇温し、130℃で96時間反応させた以外は、実施例1と同様に水熱合成を行った。
最高到達温度に昇温する過程で、75℃〜115℃の範囲におかれた時間(昇温時間)を表1に示す。
実施例1と同様に沈殿物の分離、乾燥、分析を行ったところ、沈殿物中のアルミニウム(Al)、鉄(Fe)とリン(P)の合計に対する各元素の構成割合(mol%)は表1に示す通りであった。上記沈殿物のXRD測定の結果、上記沈殿物はCHA構造を有する鉄アルミノフォスフェート(FD:14.5T/nm3)であることが確認された。この
鉄アルミノフォスフェートを、焼成温度を340℃とした以外は実施例1と同様に焼成し、アルミノフォスフェート焼成物を得た。この鉄アルミノフォスフェート焼成物を吸着耐久性試験に供した。耐久性試験の結果を表1に示す。
平均吸着量の大きな低下はなかった。また、試験後のXRD測定の結果、純粋なCHA構
造が確認され、試験前後で結晶性に大きな変化は観測されなかった。
実施例1と同様に、ゲル状の出発反応物を得た。出発反応物をテフロン(登録商標)製内筒を有するステンレス製オートクレーブ(内容積約1L)に仕込み、以下のように水熱合成を行った。100rpmで攪拌しながら室温から100℃までほぼ直線的に25℃/hrの昇温時間で昇温し、100℃で1時間保持した。その後、100℃から130℃まで直線的に30℃/hrで昇温し、130℃で96時間反応させた。最高到達温度に昇温する過程で、75℃〜115℃の範囲におかれた時間(昇温時間)を表1に示す。
実施例1と同様に沈殿物の分離、乾燥、分析を行ったところ、沈殿物中のアルミニウム(Al)、鉄(Fe)とリン(P)の合計に対する各元素の構成割合(mol%)は表1に示す通りであった。上記沈殿物のXRD測定の結果、上記沈殿物はCHA構造を有する鉄アルミノフォスフェート(FD:14.5T/nm3)であることが確認された。この
鉄アルミノフォスフェートを、焼成温度を300℃とした以外は実施例1と同様に焼成し、アルミノフォスフェート焼成物を得た。この鉄アルミノフォスフェート焼成物を吸着耐久性試験に供した。耐久性試験の結果を表1に示す。平均吸着量の大きな低下はなかった。試験前後のXRD測定結果をそれぞれ、図1、図2に示す。試験前後で結晶性に大きな変化は観測されなかった。
実施例1において、最高到達温度を140℃とし、室温から140℃まで5.8℃/hrの昇温速度で直線的に昇温し、140℃で96時間反応させた以外は、実施例1と同様に水熱合成を行った。
最高到達温度に昇温する過程で、75℃〜115℃の範囲におかれた時間(昇温時間)を表1に示す。
実施例1と同様に沈殿物の分離、乾燥、分析を行ったところ、沈殿物中のアルミニウム(Al)、鉄(Fe)とリン(P)の合計に対する各元素の構成割合(mol%)は表1に示す通りであった。上記沈殿物のXRD測定の結果、上記沈殿物はCHA構造を有する鉄アルミノフォスフェート(FD:14.5T/nm3)であることが確認された。この
鉄アルミノフォスフェートを、焼成温度を320℃とした以外は実施例1と同様に焼成し、アルミノフォスフェート焼成物を得た。この鉄アルミノフォスフェート焼成物を吸着耐久性試験に供した。耐久性試験の結果を表1に示す。平均吸着量の大きな低下はなかった。また、試験後のXRD測定の結果、純粋なCHA構造が確認され、試験前後で結晶性に大きな変化は観測されなかった。
実施例1において、モルホリンの量を38g、トリエチルアミンの量を43.9gとした以外は、実施例1と同様にして、以下の組成を有するゲル状の出発反応物を得た。
0.4FeSO4:0.8Al23:P25:1.0モルホリン:1.0トリエチルアミ
ン: 70H2
上記出発反応物を、最高到達温度を160℃とし、室温から160℃までほぼ直線的に12.3℃/hrの昇温速度で昇温し、160℃で72時間反応させた以外は、実施例1と同様に水熱合成を行った。最高到達温度に昇温する過程で、75℃〜115℃の範囲におかれた時間(昇温時間)を表1に示す。
実施例1と同様に沈殿物の分離、乾燥、分析を行ったところ、沈殿物中のアルミニウム(Al)、鉄(Fe)とリン(P)の合計に対する各元素の構成割合(mol%)は表1に示す通りであった。上記沈殿物のXRD測定の結果、上記沈殿物はCHA構造を有する鉄アルミノフォスフェート(FD:14.5T/nm3)であることが確認された。この鉄
アルミノフォスフェートを、焼成温度を330℃とした以外は実施例1と同様に焼成し、アルミノフォスフェート焼成物を得た。この鉄アルミノフォスフェート焼成物を吸着耐久性試験に供した。耐久性試験の結果を表1に示す。
平均吸着量の大きな低下はなかった。試験前後のXRD測定結果をそれぞれ、図3、図4に示す。試験前後で結晶性に大きな変化は観測されなかった。
室温から160℃までほぼ直線的に26.7℃/hrの昇温速度で昇温し、160℃で72時間反応させた以外は、実施例1と同様に水熱合成を行った。
最高到達温度に昇温する過程で、75℃〜115℃の範囲におかれた時間(昇温時間)を表1に示す。
実施例1と同様に沈殿物の分離、乾燥、分析を行ったところ、沈殿物中のアルミニウム(Al)、鉄(Fe)とリン(P)の合計に対する各元素の構成割合(mol%)は、表1に示す通りであった。上記沈殿物のXRD測定の結果、上記沈殿物はCHA構造を有する鉄アルミノフォスフェート(FD:14.5T/nm3)であることが確認された。こ
の鉄アルミノフォスフェートを、焼成温度を320℃とした以外は実施例1と同様に焼成し、アルミノフォスフェート焼成物を得た。この鉄アルミノフォスフェート焼成物を吸着耐久性試験に供した。耐久性試験の結果を表1に示す。平均吸着量の大きな低下はなかった。また、試験後のXRD測定の結果、純粋なCHA構造が確認された。試験前後で結晶性に大きな変化は観測されなかった。
(比較例1)
実施例1において、水熱合成を行う際に、室温から140℃に35℃/hrの昇温速度でほぼ直線的に昇温した以外は、実施例1と同様に水熱合成を行った。75℃〜115℃の範囲におかれた時間(昇温時間)は、表1に示すとおりであった。実施例1と同様に沈殿物の分離、乾燥、分析を行ったところ、沈殿物中のアルミニウム(Al)、鉄(Fe)とリン(P)の合計に対する各元素の構成割合(mol%)は、表1に示すとおりであった。上記沈殿物のXRD測定の結果、上記沈殿物はCHA構造を有する鉄アルミノフォスフェート(FD:14.5T/nm3)であることが確認された。この鉄アルミノフォス
フェートを、焼成温度を340℃とした以外は実施例1と同様に焼成し、アルミノフォスフェート焼成物を得た。CN分析の結果、炭素、窒素含有率はそれぞれ、2.76重量%、1.1重量%であった。この鉄アルミノフォスフェート焼成物を吸着耐久性試験に供した。耐久性試験の結果を表1に示す。
平均吸着量の大きな低下が観測された。試験前後のXRD測定結果をそれぞれ、図5、図6に示す。試験後に結晶性の大幅な低下が観測された。このことから、昇温時間が短いと耐久性が劣ることが明らかである。
(比較例2)
最高到達温度を140℃、室温から140℃までほぼ直線的に35℃/hrの速度で昇
温し、140℃で72時間反応させた以外は、実施例6と同様に水熱合成を行った。最高到達温度に昇温する過程で、75℃〜115℃の範囲におかれた時間(昇温時間)を表1に示す。
実施例1と同様に沈殿物の分離、乾燥、分析を行ったところ、沈殿物中のアルミニウム(Al)、鉄(Fe)とリン(P)の合計に対する各元素の構成割合(mol%)は、表1に示すとおりであった。上記沈殿物のXRD測定の結果、上記沈殿物はCHA構造を有する鉄アルミノフォスフェート(FD:14.5T/nm3)であることが確認された。
この鉄アルミノフォスフェートを、焼成温度を350℃とした以外は実施例6と同様に焼成し、アルミノフォスフェート焼成物を得た。この鉄アルミノフォスフェート焼成物を吸着耐久性試験に供した。耐久性試験の結果を表1に示す。平均吸着量の大きな低下が観測された。また、試験後のXRD測定の結果、試験後に結晶性の大幅な低下が観測された。このことから、昇温時間が短いと、耐久性が劣ることが明らかである。
(比較例3)
最高到達温度を180℃、室温から180℃までほぼ直線的に45℃/hrの速度で昇温し、180℃で24時間反応させた以外は、実施例6と同様に水熱合成を行った。最高到達温度に昇温する過程で、75℃〜115℃の範囲におかれた時間を表1に示す。
実施例1と同様に沈殿物の分離、乾燥、分析を行ったところ、沈殿物中のアルミニウム(Al)、鉄(Fe)とリン(P)の合計に対する各元素の構成割合(mol%)は、表1に示すとおりであった。上記沈殿物のXRD測定の結果、上記沈殿物はCHA構造を有する鉄アルミノフォスフェート(FD:14.5T/nm3)であることが確認された。
この鉄アルミノフォスフェートを、焼成温度を320℃とした以外は実施例6と同様に焼成し、アルミノフォスフェート焼成物を得た。CN分析の結果、炭素、窒素含有率はそれぞれ、3.02重量%、1.23重量%であった。この鉄アルミノフォスフェート焼成物を耐久性試験に供した。耐久性試験の結果を表1に示す。平均吸着量の大きな低下が観測された。また、試験後のXRD測定の結果、試験後に結晶性の大幅な低下が観測された。耐久試験前後のXRDパターンをそれぞれ図7、8に示す。このことから、昇温時間が短いと、耐久性が劣ることが明らかである。
Figure 2005060173
実施例4の鉄アルミノフォスフェートの耐久性試験前のXRDパターンである。 実施例4の鉄アルミノフォスフェートの耐久性試験後のXRDパターンである。 実施例6の鉄アルミノフォスフェートの耐久性試験前のXRDパターンである。 実施例6の鉄アルミノフォスフェートの耐久性試験後のXRDパターンである。 比較例1の鉄アルミノフォスフェートの耐久性試験前のXRDパターンである。 比較例1の鉄アルミノフォスフェートの耐久性試験後のXRDパターンである。 比較例3の鉄アルミノフォスフェートの耐久性試験前のXRDパターンである。 比較例3の鉄アルミノフォスフェートの耐久性試験後のXRDパターンである。

Claims (7)

  1. アルミノフォスフェート類製造原料混合物の水熱合成によりフレームワーク密度(FD)が13T/nm3以上20T/nm3以下のテンプレート含有アルミノフォスフェート類を製造する方法において、水熱合成に際して原料混合物を最高到達温度まで昇温する過程で、75℃以上115℃以下の温度領域に1.3時間以上おかれることを特徴とするテンプレート含有アルミノフォスフェート類の製造方法。
  2. 最高到達温度が200℃以下である請求項1に記載のテンプレート含有アルミノフォスフェート類の製造方法。
  3. アルミノフォスフェート類の骨格構造を構成するMe、Al、Pのモル比が下記式1〜3である、請求項1または2に記載のテンプレート含有アルミノフォスフェート類の製造方法。
    (但し、Meは周期表の2A族、7A族、8族、1B族、2B族,、3B族(但し、Alを除く)、4B族の元素から選ばれる少なくとも一種類の元素を示す。)
    0≦x≦0.3 …1
    (xは、Me、Al、Pの合計に対するMeのモル比を示す)
    0.2≦y≦0.6 …2
    (yは、Me、Al、Pの合計に対するAlのモル比を示す)
    0.3≦z≦0.6 …3
    (zは、Me、Al、Pの合計に対するPのモル比を示す)
  4. MeがFeである請求項3に記載のテンプレート含有アルミノフォスフェート類の製造方法。
  5. アルミノフォスフェート類の構造が、IZAが定めるコードで、AEI、AEL、AET、AFI、AFN、AFR、AFS、AFT、AFX、ATO、ATS、CHA、ERI、LEV、VFIから選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のテンプレート含有アルミノフォスフェート類の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかの方法で製造されたテンプレート含有アルミノフォスフェート類を焼成することを特徴とするアルミノフォスフェート類の製造方法。
  7. 焼成を300℃以上450℃以下で、0.5時間以上100時間以下行うことを特徴とする請求項6に記載のアルミノフォスフェート類の製造方法。
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