ゼォライト、 その製造方法、 該ゼォライ トを含む吸着材、 熱利用システム、 吸着 ヒートポンプ、 蓄冷熱システム及び調湿空調装置
<技術分野〉
本発明は、 特定のゼォライト、 その製造方法、 該ゼォライトを含む吸着材、 熱 利用システム、 吸着ヒートポンプ、明蓄冷熱システム及び調湿空調装置に関するも のである。 書
<背景技術〉
ゼォライトは、 吸着材、 酸反応や酸化反応用等の触媒、 分離材、 量子ドットゃ 量子ワイヤーなどの光学材料、 磁気材料となる半導体微粒子や蛍光体、 色素など のホスト材料として広く用いられている。 ゼォライトには、 International Zeol ite As sociation (国際ゼォライト協会。 本願にぉ ヽて、 I Z Aとレヽう。 ) の規定による結晶性シリケ一ト類、 結晶性アルミノフォスフエ一ト類などが含ま れる。
ゼォライトは、 通常、 ゼォライト原料と構造指示材 (s tructure- directing agent0 有機テンプレートともいう。 ) を用いて水熱合成した後、 焼成、 抽出な どの方法で有機テンプレートを除去することにより製造されるが、 一般的には、 可能な限り有機テンプレートを除去したゼォライトが、 工業的に有用なゼォライ トとして触媒や吸着材等に供されている。 有機テンプレートを可能な限り除去す る理由としては、 水熱合成等によって得られた有機テンプレート除去前のゼオラ イト (本願において、 ゼォライト前駆体という。 ) は、 細孔内の空間が有機テン プレートで占められており、 反応基質又は吸着物質がその細孔に入り込むことが できず、 触媒や吸着材としての機能が発現しないからである。 従って、 工業的に 有用なゼォライトは、 通常、 ゼォライト前駆体から有機テンプレートが可能な限 り除去された形態のものである。
ゼォライトのうち、 特にへテロ原子としてケィ素を用いたシリコアノレミノフォ スフエートの製造方法として、 下記特許文献 1には、 シリコアルミノフォスフエ ートのゼォライト前駆体から有機テンプレートを除去するに際し、 空気流通下に ゼォライト前駆体を加熱して有機テンプレートを分解除去する (焼成) 方法が記 載されている。 又、 焼成前の炭素含有量が 6. 9重量%の SAP O— 5 (フレー ムワーク密度 (FD) : 1 7. 3 T/nm3) を製造したことが記載されている。 しかしながら、 ここで得られる S APO— 5は、 フレームワーク密度が比較的大 きく、 我々の検討によれば、 吸着材として使用した場合の吸着量が不十分のもの である。
また、 下記特許文献 2には、 ゼォライトの細孔構造の一部が有機テンプレート 又は有機テンプレートの分解物により占められている場合、 保存又は輸送中に大 気中の水分の吸着が妨げられるので触媒活性が低下しないことを教示し、そして、 その実施例には、 炭素原子が 8. 20重量%又はそれ以上残存している例が示さ れている。 一方、 ゼォライトを触媒として使用する際には、 活性化処理として、 含酸素雰囲気で焼成又は燃焼処理を行い、 ゼォライトの細孔構造から有機テンプ レート等を完全に除去することが教示されている。
また、 ゼォライトのうち、 特にへテロ原子として鉄を用いた鉄アルミノフォス フェートの製造方法として、 下記特許文献 3には、 鉄アルミノフォスフェートの ゼォライト前駆体から有機テンプレートを除去するに際し、 空気流通下又は窒素 流通下でゼォライト前駆体を加熱して有機テンプレートを分解除去する (焼成) 方法が記載されている。
一方、 本出願人は、 先に、 熱利用システムに適した吸着材として、 フレームヮ ーク密度 (FD) が 10〜1 8 T/nm3であり、 吸着等温線で特定の吸着特性 を有するゼォライト、 より具体的には、 上記特性を有する鉄アルミノフォスフエ 一ト、 シリコアルミノフォスフエ一ト及び鉄シリコアルミノフォスフエ一トを提 案した (下記特許文献 4) 。
また、 下記非特許文献 1は、 炭素原子を 3. 99重量%から 6. 09重量%、 窒素原子を 4: 83重量。 /0から 6. 09重量%残存している G I S構造を有する
シリコアルミノフォスフェート (SAPO— 43) 力 C02、 H20、 H2S等 の選択的な吸着能を示すことを報告している。 し力 しながら、 そのゼォライトは 有機テンプレートを完全に除去した状態では本質的に不安定であり、 有機テンプ レートを除去するに従って結晶構造の崩壌が進行し、 有機テンプレートを完全に 除去した状態では吸着能をほぼ完全に失うことが示されている。 さらに、 そのゼ ォライトにおいて、 有機テンプレートを残存させることによって構造を保ちつつ 得られたゼォライ トの吸着容量は、 吸着水が水の場合、 8重量%と極めて低いも のであった。
〔特許文献 1〕
米国特許第 4, 440, 871号公報
〔特許文献 2〕
米国特許第 6, 3 9 5, 674号公報
〔特許文献 3〕
米国特許第 4 , 554, 143号公報
〔特許文献 4〕
E P 1 391 238号公報
〔非特許文献 1〕
R.T .Yangら、 Langmuir, 2003, 19, 2193-2200
<発明の開示 >
上述の従来のゼォライトは、
(1) ゼォライト中に有機テンプレート又はそれに由来する物質が比較的多量に 残存しているか、 可能な限り除去されているか、 あるいは、
(2) 有機テンプレートを完全に除去した状態では安定に存在できないゼォライ トであって、 完全には結晶構造が崩壌しない程度に有機テンプレートを除去した ものである、 あるいは
(3) フレームワーク密度が比較的大きい、 即ち、 細孔容積が比較的小さい ものである。 従って、 従来のゼォライトは吸着材として使用する場合の吸着容量
が不十分であるか、 吸着量が十分の場合には、 吸着材として繰り返し使用した場 合の耐久性が不十分なものであった。
これに対し、 本発明者らは、 ゼォライト中の有機テンプレートを完全に除去し た状態で安定なゼォライトでさえも、 細孔中の有機テンプレートが完全に除去さ れていると、 初期の吸着容量あるいは触媒活性は高いが、 使用に伴い粒子の粉化 や結晶構造の破壌が起こり、 それらに伴い吸着性能が低下する場合があることを 見いだした。 そしてかかる問題は、 比較的フレームワーク密度の小さい (細孔容 積が比較的大きい) ゼォライトにおいて顕著であることを見出した。 一方で、 有 機テンプレートの一部がある含有量以上ゼォライトの細孔中に残留している場合 には、 保存中に大気中の水分等により触媒活性が低下するのを防ぐには有効であ つても、 そのままでは初期から吸着容量等が充分に得られない問題が判明した。 本発明は、 上記の問題を解決すべくなされたものであって、'その目的は、 繰り 返しの使用又は長時間の使用における性能劣化が少ないゼォライト及びその製造 方法を提供すること、 特に吸着材として使用した場合に、 吸着容量が充分に大き く、 且つ繰り返しの使用に伴うゼォライト粒子の粉化、 結晶構造の破壌、 及びそ れに伴う吸着容量の低下が起こらないゼォライト及びその製造方法を提供するこ とにある。 また、 そうしたゼォライトを含む吸着材、 その吸着材を利用した熱利 用システム、 吸着ヒートポンプ及び蓄冷熱システムを提供することにある。
本発明者らは、 上記課題について鋭意検討した結果、 フレームワーク密度及び 炭素含有量がそれぞれ特定の範囲にあり、 特定の元素を骨格構造に有するゼオラ ィ トであって、更に窒素含有量が特定の範囲にあるアルミノフォスフエ一ト又は、 焼成により構造が維持されるシリコアルミノフォスフェートであることにより、 上記課題を解決することを見出した。
より具体的には、
( 1 ) ゼォライトが、 フレームワーク密度 1 O TZ n m 3以上 1 6 TZ n m 3以 下であり、 M e (ただし、 M eは、 周期表 2 A族、 7 A族、 8族、 1 B族及び 2 B族の元素から選ばれる少なくとも 1種類の元素である。 ) を含有していてもよ いアルミノフォスフェートであって、 そのゼォライ ト中に残存する有機テンプレ
一ト又はそれに由来する物質の量をコントロールし、 結果としてゼォライト中の 窒素含有量及び炭素含有量を特定量にコントロールしたゼォライト、 又は
(2) ゼォライトが、 フレームワーク密度 1 OTZnm3以上 16 TZnm3以 下であり、 Me (ただし、 Meは、 周期表 2 A族、 7 A族、 8族、 1 B族及び 2 B族の元素から選ばれる少なくとも 1種類の元素である。 ) を含有していてもよ ぃシリコアルミノフォスフェートであって、 その中に残存する有機テンプレート 又はそれに由来する物質の量をコントロールし、 結果としてシリコアルミノフォ スフエート中の炭素含有量を特定量にコントロールしたシリコアルミノフォスフ エート
が上記課題を解決することを見出した。
更に、 本発明者らは、 上記ゼォライトを用いた吸着材が耐久性に優れることを 見出した。 更に、 本発明者らは、 その吸着材を、 熱利用システムや蓄冷熱システ ムに利用することが有効であること、 具体的には、 蓄冷熱システム、 吸着ヒート ポンプ、 除湿や加湿の調湿空調装置用等の吸着材として有効に利用できることを 見出した。
上記課題を解決する本発明のゼォライトは、 フレームワーク密度が 1 O TZn m3以上 16 TZnm3以下であり、炭素含有量が 1重量%以上 6重量%以下であ るゼォライトであって、 下記 (1) 又は (2) を満足するゼォライト、 であるこ とを特徴とする。
(1) 窒素含有量が 0. 5重量。/。以上 1 2重量%以下であり、 アルミニウムが Meで一部置換されていてもよいアルミノフォスフェートである。
(2) アルミニウムが Meで一部置換されていてもよいシリコアルミノフォス フエ一トであり、当該シリコアルミノフォスフェートを焼成して炭素含有量を 0. 3重量0 /0未満とした場合に焼成前の骨格構造が保たれるシリコアルミノフォスフ エートである。
(ただし、 上記 (1) 及ぴ (2) に於ける Meは、周期表 2 A族、 7 A族、 8族、 1 B族及び 2 B族の元素から選ばれる少なくとも 1種類の元素である。 )
上記本発明のゼォライトは、 例えば吸着材として使用した場合に、 吸着容量が 大きく、 繰り返しの使用に伴う結晶構造の破壌やそれに伴う吸着容量の低下が起 こらないという優れた効果を有する。
上記課題を解決する本発明のゼォライトの製造方法は、 上述したゼォライ トを 製造するための方法であって、 少なくともゼォライトを構成する金属元素の化合 物を構造指示材の存在下で水熱合成し、 得られたゼォライト前駆体を酸素濃度が
2 0 V o 1 %以下の雰囲気で焼成することを特徴とする。
これらの製造方法の発明によれば、 上記効果を奏する本発明のゼォライトを安 定して製造することができる。
上記課題を解決する本発明の吸着材は、 上述した本発明のゼォライトを含むこ とを特徴とする。.
これらの吸着材の発明によれば、 その吸着材を構成するゼオライトは、 繰り返 しの使用に伴う結晶構造の破壊やそれに伴う吸着容量の低下が起こらないという 好適な特性を持つので、 吸着材自体も優れた耐久性を持っている。 そのため、 こ の吸着材を、 熱利用システムに、 吸着ヒートポンプに、 蓄冷熱システム又は、 調 湿空調装置に好ましく使用できる。
上記課題を解決する本発明は、 上述した吸着材を用い、 該吸着材への吸着物質 の吸着により発生する吸着熱、 及び/又は、 該吸着物質の蒸発潜熱を利用する熱 利用システム、 上述した吸着材を用いた吸着ヒートポンプ、 蓄冷熱システム及ぴ 調湿空調装置からなるものである。
この発明によれば、 上述した本発明のゼォライトを含有する耐久性に優れた吸 着材を用レ、るので、 システムの耐久性に優れてレ、る。
<図面の簡単な説明 >
図 1は、 本発明の蓄冷熱システムの一例を示す概念図である。
図 2は、 本発明の吸着ヒートポンプの一例を示す概念図である。
図 3は、 本発明の除湿空調装置の一例を示す概念図である。
図 4は、 除湿空調装置であるデシカント空調装置の一例を概念図である。
図 5は、 実施例 1一 1で得られたゼォライト前駆体の熱重量分析結果である。 図 6は、 実施例 1一 1で得られた焼成物の耐久性試験一 1前の XRDパターン である。
図 7は、 実施例 1—1で得られた焼成物の 55 °Cにおける水蒸気吸着等温線で ある。 ,
図 8は、 実施例 1一 1で得られた焼成物の耐久性試験— 1後の XRDパターン である。
図 9は、 実施例 1一 1で得られた焼成物の耐久性試験— 2後の X R Dパターン である。
図 10は、 比較例 1一 1で得られた焼成物の耐久性試験一 1前の XRDパター ンである。
図 1 1は、 比較例 1一 1で得られた焼成物の耐久性試験一 1後の XRDパター ンである。
図 1 2は、 比較例 1— 2で得られた焼成物の耐久性試験一 1前の X R Dパター ンである。
図 1 3は、 比較例 1一 2で得られた焼成物の耐久性試験一 1後の XRDパター ンである。
図 14は、 比較例 1一 3で得られた焼成物の耐久性試験一 2前の XRDパター ンである。
図 1 5は、 比較例 1一 3で得られた焼成物の耐久性試験一 2後の X RDパター ンである。
図 16は、 実施例 2— 1で得られた焼成物の XRDパターンである。
図 1 7は、 実施例 2— 1で得られた焼成物の 25 °Cにおける水蒸気吸着等温線 である。
図 1 8は、 実施例 2— 1で得られた焼成物の耐久性試験一 3後の XRDパター ンである。
図 1 9は、 実施例 2— 2で得られた鉄アルミノフォスフェート前駆体の熱重量 分析結果である。
図 20は、 実施例 2— 2で得られた焼成物の XRDパターンである。
図 21は、 実施例 2— 2で得られた焼成物の 55 °Cにおける水蒸気吸着等温線 である。
図 22は、 実施例 2— 2で得られた焼成物の耐久性試験— 3後の XRDパター ンである。 - 図 23は、 実施例 2— 4で得られた焼成物の XRDパターンである。
図 24は、 実施例 2— 4で得られた焼成物の耐久性試験 _ 3後の XRDパター ンである。
図 25は、 実施例 2 _ 4で得られた焼成物の耐久性試験— 2後の XRDパター ンである。
図 26は、 比較例 2— 1で得られた焼成物の X R Dパターンである。
図 27は、 比較例 2— 1で得られた焼成物の耐久性試験一 3後の X R Dパター ンである。
図 28は、 比較例 2— 2で得られた焼成物の XRDパターンである。
図 29は、 比較例 2— 2で得られた焼成物の耐久性試験— 3後の XRDパター ンである。
図 30は、 比較例 2— 2で得られた焼成物の耐久性試験一 2後の XRDパター ンである。
図 3 1は、 比較例 2— 6の水熱合成によって得られた生成物の XRDパターン である。 なお、 図中の符号は、それぞれ、 1 1は蓄冷熱システム、 1 2、 26、 27は、 循環水供給器、 1 3、. 22、 23は吸脱着器、 14は蒸発器兼凝縮器、 2 1は吸 着ヒートポンプ、 24は蒸発器、 25は凝縮器、 28、 29、 30、 3 1は開閉 バルブ、 6 1は除湿空調装置、 62は空気、 63は吸着材再生機構、 70はデシ カント空調装置、 7 1は処理空気経路、 72は再生空気経路、 73はデシ力ント ロータ、 74、 75は顕熱交換器、 76は熱供給機構、 77は加湿器、 78は空 調空間、 79は外部を示している。
<発明を実施するための最良の形態 >
以下、 本発明のゼォライト、 その製造方法、 該ゼォライトを含む吸着材、 熱利 用システム、 吸着ヒートポンプ及び蓄冷熱システムについて、 順次説明する。 本発明に係るゼォライトは、アルミノフォスフェート系のゼォライトであって、 アルミニウムが Me (ただし、 Meは、 周期表 2A族、 7 A族、 8族、 1 B族及 び 2 B族の元素から選ばれる少なくとも 1種類の元素である。 以下、 かかる元素 を Meと略する。)で一部置換されていてもよいアルミノフォスフエ一ト又はシリ コアルミノフォスフエ一トである。 アルミニウムが Meで置換されていても良い アルミノフォスフエ一ト又はシリコアルミノフォスフェートは、 比較的低い相対 蒸気圧範囲で、 わずかな相対蒸気圧変化で、 大きな吸着量差を達成する傾向があ る点で、 特に吸着材として使用する場合に適しているものである。 かかるアルミ ノフォスフエ一ト又はシリコアルミノブオスフエートの詳細は、 後述する。
本発明に係るゼォライトは、 そのフレームワーク密度は、 1 0T/nm3以上 16 TZnm3以下である。 フレームワーク密度が小さすぎると、 ゼォライ トの 構造が不安定となり、 一方、 フレームワーク密度が大きすぎると吸着量が小さく なる。 フレームワーク密度は、 1 2 TZnm3以上であることがより好ましく、 1 3 TZnm3以上であることが更に好ましい。 一方、 フレームワーク密度は、 1 5 TZnm3以下であることが更に好ましい。 ここで、 Tとは、 ゼォライ トの 骨格を構成する酸素原子以外の原子であり、 T/nm3は、 nm3あたり存在する T原子の個数 '(フレームワーク密度) を示す単位である。 上記範囲の場合に、 特 に後述の炭素原子、 又はこれと窒素原子の含有量をコントロールすることによる ゼォライトの繰り返し使用による性能劣化の改善効果が顕著となる。
本発明のゼォライ トは、 International Zeolite Association (国際ゼ ォライ ト協会: I ZA) の規定による分類で、 結晶性シリケート類、 結晶性アル ミノフォスフェート類などに属する構造を有するものであるが、 特に後述する吸 着材としての耐久性と吸着特性の観点から、 その骨格構造が、 I ZAが定めるコ
ードで、 通常、 AE I、 AFR、 AF S、 AFT、 AFX、 ATS、 CHA、 E R I、 LEV, LT A及び VF Iから選ばれる構造である。 中でも、 吸着特性と 構造安定性の点からは、 AE I、 CHA、 LEVから選ばれる構造であることが 好ましく、 特に CH Aが好ましい。
又、 本発明のゼォライトは、 吸着材としての耐久性と吸着特性の観点から、 以 下に記載の (A) 特定のへテロ原子で置換されていても良いアルミノフォスフエ ート、 又は (B) 特定のへテロ原子で置換されていても良いシリコアルミノフォ スフエートである。
(A) 特定のへテロ原子で置換されていても良いアルミノフォスフェート : 該アルミノフォスフェートは、 アルミノフォスフエ一ト中のアルミニウムがへ テロ原子 (本願においては、 Meで表している。 ) で一部置換されていてもよい
(Me—) アルミノフォスフェートである。 なお、 以下において、 Meを含有し ていてもよいアルミノフォスフェートを、 「 (Me一) アルミノフォスフェート」 で表すことがある。
上記 (Me—) アルミノフォスフェートにおいては、 その骨格構造を構成する Me、 A 1及び Pの各モル比が、 下記式 1一 1〜1一 3を満足することが好まし レ、。 なお、 このとき、 Meのモル比が、 下記式 1— 1 ' を満足することがより好 ましい。
0≤ ≤ 0. 3 ··· 1 - 1 ( Xは、 Me、 A 1及び Pの合計に対する Meの モル比を示す)
0. 2≤y≤0. 6 ··· 1 -2 ( yは、 M e、 A 1及び Pの合計に対する A 1のモル比を示す)
0. 3≤ z≤ 0. 6 ··· 1 - 3 ( zは、 Me、 A 1及び Pの合計に対する P のモノレ比を示す) -
0. 001≤x≤0. 3 ··· 1 - 1 ' ( Xは、 Me、 A 1及び Pの合計に対 する M eのモル比を示す)
Meのモル比を示す xが大きすぎると、 不純物が混入する傾向がある。 一方、 Xは 0であっても本発明の効果を奏するが、 その下限が 0に近い場合には、 吸着 材に用いた場合において吸着物質の圧力が低い領域での吸着量が小さくなったり 合成が困難になる傾向があることから、 Xの下限は上記式 1— 1 ' で示したよう に 0. 00 1である'ことが好ましい。 また、 A 1のモル比を示す y及び Pのモル 比を示す zが上記範囲外になると、 合成が困難になる。
Me、 A 1及ぴ Pの各モル比については、 下記式 1一 4〜 1一 6を満たすこと がより好ましく、 (Me _) アルミノフォスフェートの合成をより容易にし、 ま た、 不純物の混入を抑制し、 吏に、 所望の吸着特性が得やすくなる。
0. 0 1≤ ≤ 0. 3 1 -4 ( Xは、 Me、 A 1及ぴ Pの合計に対する
Meのモル比を示す)
0. 3≤ y≤ 0. 5 - 5 (yは、 Me、 A 1及び Pの合計に対する A
1のモノレ比を示す)
0. 4≤ z≤ 0. 5 —6 (zは、 Me、 A 1及び Pの合計に対する P のモノレ比を示す)
Meは、 周期表 2A族、 7 A族、 8族、 1 B族及ぴ 2 B族の元素から選ばれる 少なくとも 1種類の元素であればよく、 2種以上含まれていてもよい。 好ましい Meは、 周期表第 3周期に属する元素である Mg、 及び第 4周期に属する元素で ある C a, Mn, F e, C o, N i, Cu及び Z nである。 これらのうち、 2価 の状態でイオン半径が 0. 3 A以上、 0. 8A以下でぁるMn, F e, C o, N i , C u, Z n及び Mgが好ましく、 更に好ましくは、 2価であり且つ 4配位の 状態でイオン半径が 0. 4 A以上、 0. 7 A以下のものである F e, C o, Cu, Z n, 及び Mgである。
その中でも、 合成の容易さと吸着特性の点から、 F e, C o, Mg, Z n力 ら 選ばれる 1種類又は 2種類の元素であることが好ましく、 特に F eであることが 好ましい。 なお、 1 Aは、 10 nmに換算される単位である。
(B)特定のへテロ原子で置換されていても良いシリコアルミノフォスフエ一ト: 該シリコアルミノフォスフエ一トは、 シリコアルミノフォスフエ一ト中のアル ミニゥムがへテロ原子 (Me) で一部置換されていてもよい (Me—) シリコア ルミノフォスフェートである。 なお、 以下において、 Meを含有していてもよい シリコアノレミノフォスフェートを、 「 (Me—) シリコアノレミノフォスフェート」 で表すことがある。
その (Me—) シリコアルミノフォスフェートの骨格構造を構成する Me、 A 1、 P及び S iの各モル比が、 下記式 2— 1〜2— 4を満足するのが好ましい。
0≤ X≤ 0. 3 ··· 2- 1 ( Xは、 Me、 A 1、 P及び S iの合計に対する M eのモル比を示す)
0. 2≤ y≤ 0. 6 ··· 2 - 2 (yは、 Me、 A 1、 P及び S iの合計に対 する A 1のモル比を示す)
0. 3≤ z≤0. 6 ··· 2 - 3 (zは、 Me、 A l、 P及び S iの合計に対 する Pのモル比を示す)
0. 00 1≤w≤ 0. 3 ··· 2 - 4 (wは、 Me、 A l、 P及び S iの合計 に対する S iのモル比を示す) 各モル比について、 Meのモル比を示す Xが大きすぎると、 上記炭素含有シリ コアルミノフォスフェートの合成が困難となる傾向がある。 なお、 Xは 0であつ てもよく、 その場合にはシリコアルミノフォスフェート中に Meは含まれない。 伹し、 Xを含有することにより、 本発明のゼォライトを吸着材として使用する 場合の吸着特性 (相対湿度と吸着量の関係) のコントロールが容易となるため、 Xは、 下記式を満足するのが好ましい。
0. 0 1≤x≤0. 3 ··· 2 ' — 1 ( Xは、 Me、 A l、 P及び S iの合計 に対する Meのモル比を示す)
また、 A 1のモル比を示す yが上記範囲より小さいと、 前記同様その合成が困 難となる傾向があり、 上記範囲より大きいと、 不純物が混入する傾向がある。 ま た、 Pのモル比を示す zが上記範囲より小さいと、 前記同様その合成が困難とな る傾向があり、 上記範囲より大きいと、 不純物が混入する傾向がある。 また、 S iのモル比を示す wが上記範囲より小さいと、 前記同様その合成が困難となる傾 向があり、 上記範囲より大きいと、 所望の吸着特性が得難い傾向がある。
Me、 A l、 P及び S iの各モル比については、 下記式 2— 5〜 2— 8を満た すことがより好ましく、 本発明の炭素含有シリコアルミノフォスフェートの合成 をより容易にし、 また、 不純物の混入を抑制し、 更に、 所望の吸着特性が得やす くなる。
0≤ X≤ 0. 3 ··· 2 - 5 ( Xは、 Me、 A 1、 P及び S iの合計に対する M eのモル比を示す)
0. 3≤ y≤ 0. 5 ■·· 2 - 6 ( yは、 M e、 A 1、 P及び S iの合計に対 する A 1のモル比を示す)
0. 4≤ z≤ 0. 5 ··· 2 - 7 (zは、 Me、 A l、 P及び S iの合計に対 する Pのモル比を示す)
0. 0 1≤ w≤ 0. 25 ··· 2 - 8 (wは、 Me、 A l、 P及び S iの合計 に対する S iのモル比を示す) 尚、 Meは、 の例示及び好ましい Meは前記と同じである。 上記の (Me一) アルミノフォスフェート及び (Me—) シリコアルミノフォ スフェートは、 その骨格構造を構成する成分とは別に、 他のカチオンとイオン交 換可能なカチオン種を持つものものを含んでいてもよい。 そうしたカチオン種と しては、 プロトン、 L i、 N a、 K等のアル力リ元素、 Mg、 C a等のアル力リ 土類元素、 L a、 C e等の希土類元素、 F e、 C o、 N i等の遷移金属元素など が挙げられる。 中でも、プロトン、 アル力リ元素、アル力リ土類元素が好ましい。
本発明のゼォライトは、 前記 (M e _) アルミノフォスフエ一ト及び (M e—) シリコアルミノフォスフェートである力 これらは、炭素原子の含有量が 1重量% 以上 6重量%以下である。
これを満足しない場合、 例えば吸着材として使用した場合に、 繰り返しの使用に 伴う結晶構造の破壌やそれに伴う吸着容量の低下が起こることとなる。
以下、 (M e—) アルミノフォスフェートと、 (M e—) シリコアルミノフォ スフエートに分けて説明する。 本発明のゼォライトが (M e—) アルミノフォスフェートの場合には、 上述し たように、 窒素を 0 . 5重量%以上1 2重量°/。以下含有し、 炭素を 1重量%以上 6重量%以下含有する。 この範囲の窒素と炭素を含有する (M e _) アルミノフ ォスフェートは、 例えば吸着材として使用した場合に、 繰り返しの使用に伴う結 晶構造の破壌やそれに伴う吸着容量の低下が起こらないという優れた効果がある。 特に、 結晶構造の破壊が起き難く、 耐久性が向上するという効果を奏し、 そのた め、 各種の実用用途に好ましく適用することができる。 実用用途としては、 後述 の熱利用システム、 吸着ヒートポンプ、 蓄冷熱システムなどが挙げられる。
窒素含有量及び炭素含有量が多すぎると、 特に吸着材として使用する場合に吸 着量が低下し、 吸着材としての性能が不十分となる。 一方、 窒素含有量及び炭素 含有量が少なすぎると、 特に吸着材として使用した場合に、 繰り返しの使用によ る耐久性に問題が生じることがある。
窒素含有量は、 0 ·. 5重量%以上が好ましく、 0 . 8重量%以上が特に好まし く、 1 . 0重量%以上が最も好ましい。 また、 この窒素含有量は、 5重量%以下 がより好ましく、 3重量%以下が特に好ましい。 一方、 炭素含有量は、 1 . 5重 量%以上がより好ましく、 2重量%以上が特に好ましい。 また、 この炭素含有量 は、 6重量%以下がより好ましく、 5重量%以下が特に好ましい。
こうした範囲の窒素及ぴ炭素を含有するゼォライトの耐久性が向上する理由は 充分に明らかではないが、 吸脱着時における結晶構造の変化、 格子定数の変化、 及び結合状態の変化がいずれも小さいためであると考えられる。
本発明の (Me—) アルミノフォスフェートにおいては、 窒素に対する炭素の 重量比 (CZN重量比) 力 0. 8以上、 6. 5以下であることが好ましく、 1. 0以上、 4以下特に 3. 5以下であることがより好ましい。 この CZN重量比が 上記範囲内にあると耐久性が高く且つ吸着容量がも大きい傾向がある。 一方、 C ZN重量比が 0. 8未満になると耐久性が低下する傾向がある。
(Me -) アルミノフォスフエ一トに Meが含まれる場合における Meに対す る窒素のモル比(NZMe比) は、 0. 1以上、 10以下であることが好ましい。 中でも、 NZMe比が 0. 2以上であることが好ましく、 特に 0. 5以上である ことが好ましい。 一方、 N/Me比は、 5以下が好ましく、 特に 2以下が好まし い。 NZMe比が上記範囲の上限を超えると、 吸着量が低下する傾向があり、 N /M e比が上記範囲の下限未満では、 耐久性が低下する傾向がある。 一方、 本発明のゼォライ トが (Me _) シリコアルミノフォスフェートの場合 には、上述したように、 0. 8重量%以上、 6重量%以下の炭素を含有している。 この範囲の炭素を含有する (Me—) シリコアルミノフォスフェートは、 例えば 吸着材として使用した場合に、 吸着容量が大きく且つ水熱安定性に優れ、 繰り返 しの使用に伴う結晶構造の破壌やそれに伴う吸着容量の低下が起こらないという 優れた効果を有する。 特に、 結晶構造の破壌が起き難く、 耐久性が向上するとい う効果を奏し、 そのため、 各種の実用用途に好ましく適用することができる。 実 用用途としては、 後述の熱利用システム、 吸着ヒートポンプ、 蓄冷熱システムな どが挙げられる。
炭素含有量が多すぎると、 特に吸着材として使用する場合に吸着量が低下し、 吸着材としての性能が不十分となる。 一方、 炭素含有量が少なすぎると、 特に吸 着材として使用した場合に、 その吸着材が水蒸気共存下で高温に曝された場合の 耐久性 (この耐久性を 「水熱安定性」 という。 以下同じ。 ) 及び、 吸脱着の繰り 返しに対する耐久性に問題が生じることがある。この炭素含有量は、 1. 8重量% 以上がより好ましく、 2重量%以上が特に好ましい。 また、 この炭素含有量は、 5重量%以下がより好ましい。
こうした範囲の炭素を含有する (Me—) シリコアルミノフォスフェートの耐久 性が向上する理由は充分に明らかではないが、 吸脱着時における結晶構造、 格子 定数、 及び結合状態の変化がいずれも小さいためであると考えられる。
なお、 前記 (Me—) シリコアルミノフォスフェートは上記 (Me—) アルミ ノフォスフェートの場合と異なり、 アルミノフォスフェートが珪素原子を骨格構 造に有することに起因して、 炭素含有量が上記範囲である限り窒素を含有する必 要はないが、 窒素を含有していても構わない。 窒素を含有した場合において、 窒 素含有量による上記の水熱安定性に対する影響は少ないが、 あまり多すぎると吸 着性能が低下する。 そのため、 窒素を含有する場合であっても、 通常、 2重量% 以下であることが好ましく、 1. 5重量%以下であることが更に好ましい。 本発明に係るゼォライトは、 その細孔構造のうち、 吸着物質 (吸着質というこ ともある。 ) が出入りできる部分の割合 (下記式 3で定義される細孔利用率 1又 は、 下記式 4で定義される細孔利用率 2を意味する。 ) 力 0. 6以上 0. 99 以下であることが好ましい。 この細孔利用率は、 0. 7以上であることがより好 ましく、 0. 8以上であることが特に好ましい。 一方、 この細孔利用率は、 0. 95以下であることより好ましく、 0. 93以下であることが特に好ましい。 な お、 本発明においては、 上記細孔利用率は、 式 3の細孔利用率 1で定義されるも のであっても、 式 4の細孔利用率 2で定義されるものであってもよく、 いずれか を満足すればよい。 細孔利用率 1 =Q 1ノ Q s -3
ここで、 Q sは構造指示材を完全に除去した場合の水蒸気吸着量であり、 Q 1は 本発明に係るゼォライトの水蒸気吸着量である。 但し、 この水蒸気吸着量は、 相 対蒸気圧 0. 5、 室温 (25°C) における単位重量あたりの水蒸気吸着容量を表 す。 細孔利用率 2=W1/Ws '·'4
ここで、 W sは構造指示材を完全に除去した場合の有効水吸着量であり、 W 1 は本発明に係るゼォライトの有効水吸着量である。ここでいう有効水吸着量とは、 25 °Cの飽和水蒸気雰囲気で一 β飽和吸着させた試料を、乾燥空気流通下、 10°C /m i nで昇温した場合に、 昇温前の試料重量に対する、 25でから 100°Cま でで脱離した水の重量である。
本発明のゼォライトは、 25°Cの吸着等温線から測定される水蒸気吸着量が 1 0重量%以上であるのが好ましく、 特に 1 5重量%以上、 更に好ましくは 20重 量%以上である。 上限は高い方が好ましいが、 通常、 40重量%程度である。 本発明に係るゼォライトが (Me—) シリコアルミノフォスフェートである場 合、 これを焼成して炭素含有量を 0. 3重量%未満とした場合に、 焼成前の骨格 構造が保たれるものである。 焼成後に焼成前の骨格構造を保たない (Me—) シ リコアルミノフォスフェートの場合には、 その骨格構造に起因して、 例えば吸着 材として繰り返し使用した場合に結晶構造が極めて容易に破壌し易く吸着特性が 速やかに低下することとなる。
ここで、 炭素含有量を 0. 3重量%未満とした場合に焼成前の骨格構造が保た れるとは、 その (Me—) シリコアルミノフォスフェート固有の骨格構造が保持 されることを意味し、 下記の (1) 又は (2) を満足する場合にその固有の骨格 構造が保持されているとみなし、 好ましくは下記の (1) 及び (2) の両方を満 足する場合である。 以下、 (1) 及び (2) について説明する。
(1) 理想的な骨格構造を保っていると仮定した場合の理想的な水蒸気吸着量 を Q i とし、 炭素含有量が 0. 3重量%未満になるまで焼成した後の水蒸気吸着 量 (25°C、 相対蒸気圧 0. 5) を Q cとしたとき、 Q c/Q iが 0. 4以上で ある。 但し、 Q iは、 下記 (1— 1)又は (1— 2) に従って決定される。 なお、 ここでいう構造骨格とは、 I ZAが定めるコードを指し、 骨格を構成する元素が 異なっていても同一のコードで記載されるものは同一の骨格構造とみなす。
(1 - 1) 水和状態のゼォライトの骨格構造の構造解析がなされている場合; 水和状態の結晶の式量に対する、 含有されている水の割合を Q iとする。
( 1一 2)水和状態のゼォライトの骨格構造の構造解析がなされていない場合; D.W.Breck, "ZEOLITE MOLECULAR SIEVES: STRCTURE, CHEMISTRY, AND USE", A WILEY- INTERSCIENCE PUBLICATION, 1974, の 48頁〜 50頁及 ぴ表 2. 4において、 該当する構造を有するゼォライトの Void Fraction を もって Q iとする。
(2)粉末 X線回折パターンにおいて、焼成前の状態で測定したピークのうち、 該当する結晶構造に由来する強度比の大きい 3本のピークの少なくとも一つが、 焼成により炭素含有量及び窒素含有量の両方を 0. 3重量%未満とした後も焼成 前の 50%以上のピーク高さを有する。 なお、 ピーク強度の測定は、 同一のサン プルホルダーを用いて同一のサンプル重量で行うものとする。 ピーク強度の測定にあたっては、 測定精度の点から、 以下の (A) 又は (B) の方法で行う。
(A) 内部標準物質を使用しない場合:同一条件で測定を行い、 測定対象試料 のピーク強度の絶対値を比較する。 測定対象試料のピーク強度を測定する前後に 同一サンプルを測定したとき、 ピーク強度の絶対値の変化が 1 0%以下であるの が好ましい。
(B) 内部標準物質を使用する場合:内部標準物質を一定重量比で混合し、 測 定対象試料のピーク強度と内部標準物質ピーク強度との比 (ピーク強度比) を測 定し、 測定対象試料のピーク強度比を比較する。 より具体的には、 例えば、 以下の手法が挙げられる。
(a) 同一装置を用い、 サンプルを乳鉢等で人力でよく粉碎し、 測定サンプル 量を同一とし、 同一の条件で測定する。 この際、 強度の比較を行うサンプルの測 定は、 可能な限り時間的に近接していることが望ましい。 その他、 X線源の状態
が可能な限り一定に保たれるよう、 一般的な X R D測定を行う者にとって周知の 配慮がなされるものとする。 また、 比較測定の前後で同一サンプルを測定して回 折強度の変化が 1 0 %以下であることを確認するものとする。
( b ) 同一の装置を使用できない場合、 あるいは同一装置でも X線源の状態が 著しく変化している可能性がある場合は、 測定サンプルに一定重量比で同一の内 部標準物質を添加し、 乳鉢等で良く混合した後、 X R D測定を行う。 サンプル間 のピーク強度の比較は、 内部標準物質由来のある回折ピークの強度と、 ゼォライ ト由来の回折ピーク強度の比をもって行う。 内部標準物質は、 強度比較をしょう とするゼォライト由来の回折ピーク位置に回折ピークを有さないことなど当業者 に公知の知見をもって選択するものとする。
なお、 焼成して炭素含有量を 0 . 3重量%未満とするとの指標は、 (M e—) シリコアルミノフォスフェートの製造に使用される有機テンプレートを除去した 状態を指す指標であって、 検出限界によって決定された値である。
また、焼成して炭素含有量を 0 . 3重量%未満とする場合の焼成条件としては、 例えば、 含酸素雰囲気中、 4 5 0 °C以上で 2時間とすることができる。 尚、 本発 明のゼォライトが (M e—) アルミノフォスフェートである場合には、 上記 (M e— ) シリコアルミノフォスフェートの場合に準じて、 炭素含有量及び窒素含有 量の両方を 0 . 3重量%未満とした場合に、 焼成前の骨格構造が保たれるのが好 ましい。
本発明のゼォライトは、 下記に従って繰り返し耐久性試験を行った場合、 該試 験前の結晶構造が保持されるのが好ましい。 繰り返し耐久試験:ゼォライトを 9 0 °Cに保たれた真空容器内に保持し、 真空状 態と 9 0 °Cの飽和水蒸気雰囲気にそれぞれ 9 0秒曝す操作を 5 0 0回繰り返す。 ここで、 結晶構造の保持とは、 同一装置、 同一測定条件、 同一サンプルホルダ 一、同一サンプル重量で X R D測定を行った場合に、試験後の最強ピーク強度が、 試験前の最強'ピーク強度の 5 0 %以上であることを言う。ただし、ピーク強度は、
ピーク高さであり、 ピークトップのカウント数からパックグラウンドのカウント 数を差し引いたものである。
又、 本発明のゼォライ トは、 上記と同様にして繰り返し耐久性試験を行った場 合、 25°Cにおける相対蒸気圧 0. 5における水蒸気吸着量が試験前の 80%以 上であるのが好ましい。
又、 本発明のゼォライトは、 200°Cから 350°Cに加熱した場合の重量減少 率 (g 1) が好ましくは、 0重量%以上 3重量%以下である。 重量減少率 (g 1) は、少ないのが好ましく、その上限は、好ましくは 2重量%、更に好ましくは 1. 5重量%である。 重量減少率 (g l) が大きすぎると、 熱安定性が不十分となる 傾向にある。
一方、 本発明に係るゼォライトを 350°Cから 700°Cに加熱した場合の重量 減少率 (g 2) は、 (Me—) アルミノフォスフェートの場合、 2重量%以上9. 5重量0 /0以下が好ましく、 (Me—)シリコア/レミノフォスフェートの場合、 2重 量0 /0以上 6重量0 /0以下が好ましい。 (Me—)アルミノフォスフエ一トと(Me—) シリコアルミノフォスフェートの重量減少率 (g 2) の上限が異なる理由は、 ゼ ォライトの骨格構造にケィ素を含有するか否かで、 その物性が異なるためと推定 される。
重量減少率 (g 2) は、 (Me—) アルミノフォスフェート及ぴ (Me—) シ リコアルミノフォスフェートのいずれの場合も、 好ましくは 2. 5重量%以上、 更に好ましくは 3以上重量%である。 重量減少率 (g 2) が小さすぎると耐久性 が劣る傾向がある。
一方、 (Me—) アルミノフォスフェートの場合の重量減少率 (g 2) は、 9 重量0 /0以下が好ましく、 (Me—) シリコアルミノフォスフェートの場合の重量 減少率 (g 2) は、 より好ましく、 は 5. 5重量%以下である。 重量減少率 (g 2) が大きすぎるとゼオライトを吸着材として使用した場合、 吸着量が不十分と なる傾向がある。
尚、 重量減少率は、 200°Cでの重量を w 1、 SScfCでの重量を w 2、 700°Cでの 重量を w 3とするとき、 下記で算出される。
重量減少率 (g l ) = (w 1 - w 2 ) /w 1 X 1 0 0 重量減少率 (g 2 ) = (w 2 - w 3 ) /w 1 X 1 0 0
(本発明のゼォライトの製造方法)
次に、 本発明のゼォライトの製造方法について説明する。
本発明に係るゼォライトの製造方法は、 上記の組成及び構造上の特徴を有した 本発明に係るゼォライトを製造するための方法であって、 少なくともゼォライ ト を構成する金属元素の化合物を構造指示材の存在下で水熱合成し、 得られたゼォ ライト前駆体を酸素濃度が 2 0 V o 1 %以下の雰囲気で焼成することにより製造 される。
そのなかでも、 ゼォライトが (M e—) アルミノフォスフェートの場合には、 好 ましくは酸素濃度が 0 . 1 V o 1 %以上の雰囲気で焼成することにより製造され る。
最初に、本発明に係るゼォライトを製造するための構成原料について説明する。 使用される構成原料としては、 ゼォライトが (M e _ ) アルミノフォスフェート である場合には、 アルミェゥム源、 M e源 (特に好ましくは鉄源) 、 リン源及び 構造指示材としての有機テンプレートが用いられる。
又、 ゼォライトが (M e―) シリコアルミノフォスフエ一トである場合には、 アルミユウム源、 M e源 (特に好ましくは鉄源) 、 リン源、 ケィ素源、 及び構造 指示材としての有機テンプレートが用いられる。
そして、 これらの各原料を混合した後、 水熱合成することによりゼォライ ト前 駆体が得られる。 アルミニウム源;
アルミエゥム源は特に限定されず、 通常、 擬ベーマイト、 アルミニウムイソプ ロポキシド、 アルミニウムトリエトキシド等のアルミニウムアルコキシド、 水酸 化アルミニウム、 アルミナゾル、 アルミン酸ナトリウムなどが使用される。 中で も、 取り扱いやすさと反応性の観点から、 擬ベーマイトが好ましく使用される。
M e源;
用いることがある M e源も特に限定されず、通常、硫酸塩、硝酸塩、 リン酸塩、 塩化物、 臭化物等の無機酸塩、 酢酸塩、 シユウ酸塩、 クェン酸塩等の有機酸塩、 ペンタカルポエル、 フエ口セン等の有機金属化合物などが使用される。
これらのうち、 水に対する溶解性の観点から、 無機酸塩又は有機酸塩が好まし く使用される。 場合によってはコロイド状の酸化物を用いてもよい。 M e源とし て、 M eの価数が 2価のものが好ましい。 M eの種類については上記記載の通り である。
リン源;
リン源は、通常、 リン酸が使用されるが、 リン酸アルミニウムを用いてもよい。 ケィ素源;
ケィ素源は、 シリカゾル、 フュームドシリカ、 ケィ酸ェチル等の有機ケィ素化 合物が使用される。 これらのうち、 取り扱い容易さから、 シリカゾル又はフュー ムドシリカが好ましく使用される。
有機テンプレート ;
水熱合成において構造指示材としての役割を持つ有機テンプレートとしては、 ァミン、 ィミン、 四級アンモニゥム塩を使用できるが、 好ましくは、 (1 ) へテ 口原子として窒素を含む脂環式複素環化合物、 (2 ) シクロアルキル基を有する ァミン、 及び (3 ) アルキル基を有するァミンからなる群から選ばれた少なくと も 1種の化合物を用いることが好ましい。それらは入手し易く安価であり、更に、 製造された (M e—) アルミノフォスフェートの取り扱いも容易で構造破壊も起 き難いという効果がある。 ここで、 有機テンプレートとして好ましく用いられる上記の各ァミン類につい て更に詳しく説明する。
ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物;
ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物は、 通常 5〜 7員環であり、
好ましくは 6員環である。複素環に含まれるヘテロ原子の個数は、通常 3個以下、 好ましくは 2個以下である。 含まれるヘテロ原子の種類は、 窒素以外は特に限定 されないが、合成のし易さの観点からは窒素に加えて酸素を含むものが好ましい。 ヘテロ原子の位置は特に限定されないが、 合成のし易さの観点からはへテロ原子 が相互に隣り合わないものが好ましい。 分子量としては、 2 5 0以下であり、 合 成のし易さの観点からは 2 0 0以下が好ましく、 1 5 0以下がより好ましい。 このようなヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物としては、 モルホ リン、 N—メチルモルホリン、 ピぺリジン、 ピぺラジン、 N, N '—ジメチルビ ペラジン、 1 , 4—ジァザビシクロ (2, 2 , 2 ) オクタン、 N—メチルピぺリ ジン、 3—メチルビペリジン、 キヌタリジン、 ピロリジン、 N—メチルピロリ ド ン、 へキサメチレンィミンなどが挙げられる。 これらのうち、 合成のし易さの観 点から、 モルホリン、 へキサメチレンィミン、 ピぺリジンが好ましく、 モルホリ ンが特に好ましい。
シクロア/レキノレ基を有するアミン ;
シクロアルキル基を有するアミンにおいて、 そのシクロアルキル基の個数は、 ァミン 1分子に 2個以下であることが好ましく、 1個であることがより好ましい。 また、 シクロアルキル基の炭素数は、 通常 5〜 7個で、 好ましくは 6個である。 シクロアルキルのシクロ環の数は特に限定されないが、 通常 1個が好ましい。 ま た、 シクロアルキル基がアミン化合物の窒素原子と結合しているのが、 合成のし 易さの点で好ましい。 分子量としては、 2 5 0以下、 合成のし易さの観点からは 2 0 0以下が好ましく、 1 5 0以下がより好ましい。
このようなシクロアルキル基を有するァミンとしては、シク口へキシルァミン、 ジシクロへキシノレアミン、 N—メチノレシクロへキシノレアミン、 N, N—ジメチノレ シク口へキシルァミン、 シクロペンチルァミン等が挙げられ、 特にシク口へキシ ルァミンが好ましい。
アルキル基を有するァミン ;
アルキル基を有するァミンにおいて、 そのアルキル基は、 ァミン 1分子に何個 入っていても'よいが、 好ましくは 3個である。 アルキル基の炭素数は、 4個以下
が好ましく、 1分子中の全アルキル基の炭素数の合計が 1 0個以下がより好まし い。 分子量としては、 2 5 0以下であり、 合成のし易さの観点からは 2 0 0以下 が好ましく、 1 5 0以下がより好ましい。
このようなアルキル基を有するァミンとしては、 ジ一 n—プロピルァミン、 ト リー n—プロピルァミン、 トリーイソプロピルァミン、 トリェチルァミン、 トリ エタノールァミン、 N , N—ジェチルエタノールァミン、 N , N—ジメチルエタ ノーノレアミン、 N—メチノレジエタノーノレアミン、 N—メチノレエタノーノレアミン、 ジ一 n—プチルァミン、 ネオペンチルァミン、 ジー n—ペンチルァミン、 イソプ 口ピルァミン、 t—プチルァミン、 エチレンジァミン、 ジーイソプロピル一ェチ ルァミン、 N—メチル _ n—プチルァミン等があげられ、 ジ一 n—プロピルアミ ン、 トリ一 n—プロピルァミン、 トリ一イソプロピルァミン、 トリェチルァミン、 ジ一 n—ブチルァミン、 イソプロピルァミン、 t 一プチルアミン、 エチレンジァ ミン、 ジ一ィソプロピル一ェチルァミン、 N—メチルー n—ブチルアミンが合成 のし易さの点で好ましく、 N , N—ジェチルエタノールァミン、 N , N—ジメチ ルエタノールァミン、 トリェチルァミンが更に好ましい。 最も好ましいのは N , N—ジェチルェタノールァミン、 トリェチルァミンである。
好ましく用いられる上記 (1 ) ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合 物、 (2 ) シクロアルキル基を有するァミン、.及ぴ (3 ) アルキル基を有するァ ミンは、 単独で用いても 2種以上を併用してもよい。 上記アミン類の中から 1種 用いる場合は、 合成の容易さの点から、 (1 ) ヘテロ原子として窒素を含む脂環 式複素環化合物の中のモルホリン、 又は、 (2 ) シクロアルキル基を有するアミ ンの中のシクロへキシルァミンが好ましく、 その中でもモルホリンが特に好まし い。
一方、 所望の組成のものを純度よく合成するため、 2種類以上のアミン類を組 み合わせて用いるのが好ましい。 これらのうち、 好ましい組み合わせとしては、 有機テンプレートとして、 (1 ) ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合 物、 (2 ) シクロアルキル基を有するァミン、 及び (3 ) アルキル基を有するァ ミン、 からなる群の 2以上の群からそれぞれ 1種以上の化合物を用いることが好
ましい。 このように組み合わせることにより、 所望の元素割合のものや、 結晶性 の高いゼォライトを合成し易いという利点がある。 中でも、 (1 ) ヘテロ原子と して窒素を含む脂環式複素環化合物を含む 2種以上の組み合わせの場合は、 所望 の元素割合のものや、結晶性の高いゼォライ トを合成し易いので、より好ましい。 具体的な好ましい組み合わせとしては、 モルホリン、 トリェチルァミン又は N , N—ジェチルエタノールァミン及びシク口へキシルァミンから 2種以上、 中でも モルホリンを含む 2種以上の組み合わせの場合がより好ましい。
これらの有機テンプレート各群の混合比率は、 条件に応じて適時選ぶ必要があ るが、 混合させる 2種の有機テンプレートのモル比は、 1 : 2 0 〜 2 0 : 1の範 囲であり、 所望の元素割合のものや結晶性の高いゼォライトの合成のし易さの観 点から、 1 : 1 0 〜 1 0 : 1が好ましい。 なお、 その他の有機テンプレートが入 つていてもよいが、 その場合には、 モル比で通常 2 0 %以下であることが好まし く、 1 0 %以下であることがより好ましい。 これらの有機テンプレートは、 価格 も安く、 従来の有機テンプレート (例えばテトラエチルアンモニゥムヒドロキシ ド) 等に比べて扱い易く腐食性等も少ないという利点がある。
本発明のゼォライ トの製造方法において、 複数の有機テンプレートを併用して 製造すると共に、 更にその製造条件を選択することにより、 は)ゼォライトの合 成過程における結晶化速度を向上させることができ、(ii )不純物の生成を抑制し て所望構造のゼォライトを容易に製造することができ、 更に、 (iii )壊れ難い安 定した構造のゼォライトを製造することができる、 という効果を得ることができ る。
本発明のゼォライトの製造方法においては、 上述した (1 ) 〜 (3 ) から選択 された化合物の複数種を組み合わせた有機テンプレートが好ましく用いられ、 そ れらの有機テンプレートが示す相乗作用により単独の有機テンプレ トでは得ら れない上記(i ) 〜(iii )の効果を得ることができるという利点がある。
次に、本発明に係るゼォライトの製造方法における水熱合成について説明する。 以下においては、 M eを含有させる場合について説明する。
先ず、 M e '源、 アルミニウム源、 リン酸源、 有機テンプレート及び水からなる
構成原料、 又は、 ゼォライトがシリコアルミノフォスフェートである場合には、 これらとケィ素源を混合して水性ゲルを調合する。 構成原料を混合する順序は制 限がなく、 用いる条件により適宜選択すればよいが、 通常は、 先ず水にリン酸源 とアルミ-ゥム源、 必要により更にケィ素源を混合し、 これに Me源と有機テン プレートを混合する。
水性ゲルの組成は、 所望のものの合成し易さに影響し、 アルミニウム源、 Me 源及ぴリン酸源を酸化物のモル比であらわすと、 Me OZA 1203の値は、 通常 0より大きく 1. 0以下であり、好ましくは 0. 02以上であり、好ましくは 0. 9以下であり、 更に好ましくは 0. 8以下である。 また、 P 205/A 1203の比 は、所望のものの合成し易さに影響し、通常 0. 6以上、好ましくは 0. 8以上、 更に好ましくは 1以上であり、 通常 1. 8以下、 好ましくは 1. 7以下、 更に好 ましくは 1. 6以下である。
ゼォライトがシリコアルミノフォスフエ一トの場合には、 S i 02 /A 1203 の比は、 0. 0001≤S i O2 /A 1203≤ であり、 合成のし易さの観点か らは 0. 005 S i 02 /A 12O3≤ 1. 8が好ましく、 0. 05≤S i O2 Z A 1203≤ 1. 5がより好ましい。
有機テンプレートの総量は、 所望のものの合成し易さと経済性に影響し、 P2 o5に対する有機テンプレートのモル比 (有機テンプレート ZP2O5) で、 通常
0. 2以上、 好ましくは 0. 5以上、 更に好ましくは 1以上であって、 通常 4以 下、 好ましくは 3以下、 更に好ましくは 2. 5以下である。 また、 2種以上の有 機テンプレートの混合比は、 所望のものの合成し易さに影響し、 条件に応じて適 宜選ぶ必要があるが、 既述したように、 例えばモルホリンとトリェチルァミンを 用いる場合、 モルホリン/トリェチルァミンのモル比が 0. 03〜20、 好まし くは 0. 05~10、 更に好ましくは 0. 1〜9、 最も好ましいのは 0. 2〜4 である。
前記 2つ以上の群から各群につき 1種以上選択された有機テンプレートを混合 する順番は特に限定されず、 有機テンプレートを調製した後その他の物質と混合 してもよいし、 各有機テンプレートをそれぞれ他の物質と混合した後にその混合
物を調合してもよい。
また、 水の割合の下限としては、 A 1 20 3に対して、 モル比 (水 /A 1 20 3) で 3以上であり、 合成のし易さの観点からは 5以上が好ましく、 1 0以上がより 好ましい。 水の割合の上限としては、 モル比 (水 ZA 1 20 3) で 2 0 0以下、 合 成のし易さと生産性の高さの観点からは 1 5 0以下が好ましく、 1 2 0以下がよ り好ましい。
水性ゲルの p Hは、 4〜 1 0であり、 合成のし易さの観点からは 5〜 9が好ま しく、 5 . 5〜7 . 5がより好ましい。 p Hの調整は、 有機テンプレートの添加 量の調節、又は塩酸、硫酸等の酸の添加により行われる。なお、水性ゲル中には、 原料の溶解性を向上させるため、 又は鉱化剤等の役割を期待して、 上記以外の成 分を共存させてもよい。 このような成分としては、 アルカリ金属やアルカリ土類 金属の水酸化物や塩、 アルコール等の親水性有機溶媒が挙げられる。 共存成分の 割合は、 所望のものの合成し易さに影響し、 アルカリ金属やアルカリ土類金属の 水酸化物や塩の場合は、 A 1 2 0 3に対してモル比 (共存成分/ A 1 20 3) で通常 0 . 2以下、 好ましくは 0 . 1以下であり、 アルコール等の親水性有機溶媒の場 合は、 水に対してモル比で通常 0 . 5以下、 好ましくは 0 . 3以下である。
こうした条件下で、 水性ゲルを耐圧容器に入れ、 自己発生圧下又は結晶化を阻 害しない気体加圧下で、 攪拌又は静置状態で所定温度を保持することにより水熱 合成を行う。
水熱合成の反応温度は、所望のものの合成し易さに影響し、通常 1 0 o °c以上、 好ましくは 1 2 0 °C以上、 更に好ましくは 1 3 0 °C以上であって、 通常 3 0 0 °C 以下、 好ましくは 2 5 0 °C以下、 更に好ましくは 1 8 0 °C以下である。
反応時間は、 所望のものの合成し易さに影響し、 通常 2時間以上、 好ましくは 3時間以上、 更に好ましくは 5時間以上であって、 通常 3 0日以下、 好ましくは 1 0日以下、 更に好ましくは 4日以下である。 反応温度は、 この時間の反応中、 一定でもよいし段階的に変化させてもよい。
水熱合成後においては、 生成物を分離する。 生成物の分離方法は特に限定され ないが、通常、濾過又はデカンテーシヨン等により分離し、水洗後、室温(2 5 °C)
から 1 5 0 °C以下の温度で乾燥し、 生成物である有機テンプレートを含有したゼ ォライ ト前駆体を分離できる。
次に、本発明に係るゼォライトの製造方法における焼成工程について説明する。 焼成工程は、 上記のように水熱合成され分離されたゼオライト前駆体を、 窒素 で希釈した空気等の流通下又は減圧下で、 所定の条件で加熱処理するプロセスで あり、 その結果、 本発明のゼォライトが製造される。
この焼成工程においては、 焼成条件を制御し、 窒素を含む有機テンプレートの 除去をコントロールして少なくとも所定量の炭素を含有するか、 又は少なくとも 所定量の窒素と炭素を含有するゼォライトが製造される。 また、 焼成により完全 に有機テンプレートを除去した後に、 含窒素化合物、 例えばメチルァミン、 ェチ ルァミン等の有機ァミン類等の有機化合物を細孔内に吸着させることにより、 所 定量の窒素と炭素を含有するゼオライトを製造してもよい。 このとき、 ゼォライ トには、 窒素を含む有機テンプレート分子がその構造を保って残留していてもよ いが、 有機テンプレートが化学反応を起こして炭素又は水素の少なくとも 1部が 除かれた構造で残留しているのが好ましい。
含窒素化合物をゼオライトに残留させる場合、 その含窒素化合物は、 もとの有 機テンプレートと比較して、 炭素に対する窒素の含有量が高いものが好ましく、 例えば前記の CZN重量比で表せば 1 . 0〜3 . 5程度であることが好ましい。 なお、 有機テンプレートが残留しているか否かは、 例えば C H N元素分析、 熱重 量一質量分析 (T G— MA S S ) 等の解析手段により確認することができる。 焼成温度は、 通常、 2 0 0 °C以上 8 0 0 °C以下であり、 2 5 0 °C以上が好まし く、 2 8 0 °C以上が更に好ましく、 3 0 0 °C以上が特に好ましい。一方、 7 0 0 °C 以下が好ましく、 5 0 0 °C以下がより好ましく、 ゼォライトが M e—シリコアル ミノフォスフエ一トの場合には 4 5 0 °C以下が特に好ましく、 ゼォライトが M e 一アルミノフォスフエ一トの場合には 4 4 0 °C以下が特に好ましい。焼成温度を、 好ましい温度範囲から選択することにより、 炭素及び窒素の含有量の制御が容易 であるという効果がある。 焼成時間は、 最高温度の保持時間が 1分間から 1 5時 間であり、 2'分間から 1 0時間が好ましく、 5分間から 8時間がより好ましい。
焼成時の圧力は、 減圧でも加圧でもよいが、 通常は大気圧又は大気圧付近で行わ れる。
焼成は、 通常、 酸素を含有しないガス中で行ってもよいし、 不活性ガス中に酸 素を含有したガス中で行っても良い。 ゼォライトが M e—アルミノフォスフエ一 トの場合には、 不活性ガス中に酸素を含有したガス中で行のが好ましい。 ガス中 に酸素を含有させた場合における酸素濃度は、下限が 0 . 1 V o 1 %であり、 0 . 5 V o 1 %以上が好ましく、 1 V o 1 %以上がより好ましく、 2 V o 1 %以上が 更に好ましい。 一方、 含有させる酸素濃度は、 上限が 2 0 v o 1 %であり、 1 5 V o 1 %以下が好ましく、 1 0 V o 1 %以下が更に好ましい。 ガス中に酸素を含 有させ且つガス中の酸素濃度をこの範囲で制御することにより、 焼成時における 有機テンプレートの発熱を抑制し、 焼成の制御を容易にする効果がある。 また、 有機テンプレートの酸化分解に伴う急激な発熱を回避するために、 窒素等の不活 性ガス気流下で焼成した後、 含酸素ガス気流中で焼成することもできる。 この場 合は、不活性ガス中での焼成時に有機テンプレートの一部が除去されているので、 2段目の含酸素ガス中での焼成時の発熱を抑制することができ、 上記同様に焼成 時の制御が容易になる。 酸素以外の含有ガスとしては、 窒素、 アルゴン、 へリウ ム等の不活性ガスが用いられるが、 場合によっては水蒸気又は窒素酸化物を体積 比で 1 0 %まで混合させても構わない。
本発明に係るゼォライトを得るための焼成条件の決定にあたっては、 予めゼォ ライト前駆体の熱分解性を検証し、 熱分解が開始する温度に近い温度で且つ低め の温度で焼成を行うのが好ましい。 そのため、 上記の温度範囲のなかでも、 比較 的低めの温度を採用し、 酸素含有量が比較的低いガスの存在下で行うのが耐久性 向上の点で好ましい。
本発明の特性を持つゼォライトを製造する方法は、 所望の M e—アルミノフォ スフエート及び M e—シリコアルミノフォスフエ一トの構成元素の種類、構成比、 フレームワーク密度等により上記の条件から選択することが挙げられるが、 中で も、 前記の好ましい構造指示材を用い、 焼成温度を 3 0 0〜4 5 0 °C、 焼成時間 2〜8時間とし、 不活性ガス雰囲気下又は酸素を上記好ましい範囲に記載の割合
で含有する不活性ガス雰囲気下の条件を選択することにより得られる傾向がある。 ゼォライトが Me—アルミノフォスフェートの場合には、 例えば、 酸素を 3〜 7 V o 1 %含有する不活性ガス中で、 300〜440°C、 :〜 8時間の反応条件 を好適な焼成条件として挙げることができる。 又、 ゼォライ トが Me—シリコア ルミノフォスフェートの場合には、 例えば不活性ガス中で、 300〜450°C、 4〜 8時間の反応条件を好適な焼成条件として挙げることができる。
更に、 必須の構成元素として Meを含む場合には、 特に酸素を上記好ましい範 囲に記載の割合で含有する不活性ガス雰囲気下で焼成を行うことにより、更には、 上記焼成温度範囲の中でも、 比較的低めの温度、 例えば 300〜400°Cで、 酸 素を上記好ましい範囲に記載の割合で含有する不活性ガス雰囲気下で焼成を行う ことにより得られる傾向がある。
焼成ガスは、 焼成装置内に流通させてもよいし、 させなくてもよいが、 流通さ せる場合には、焼成するゼォライト前駆体に対する空間速度(GHSV: gasous hourly space velocity) が所定の範囲であることが好ましい。 その空間速 度 (GHSV) としては、 10 h r— 1以上、 10000 h r—1以下が好ましく、 20 h r一1以上、 3000 h r一1以下がより好ましい。 G H S Vが小さすぎると、 有機テンプレートの除去が遅くなり、 GHSVが高すぎると、 焼成に要するガス 流量が大きすぎることになるので経済的に好ましくない。 焼成装置としては、 マ ッフル炉ゃ、 管状炉、 キルン等の任意の加熱装置を用いることができ、 固定床又 は流動床形式で行われる。 なお、 ここでの GHSVは、 単位時間当たりの 「流す ガス容量 Zゼォライ ト前駆体容量」 で表される。
以上の方法により、 炭素又はこれと窒素とを所定量含有した本発明に係るゼォ ライトが製造される。
(本発明のゼォライトの使用)
本発明に係るゼォライトは、 吸着材、 酸反応や酸化反応用等の触媒、 分離材、 量子ドットや量子ヮィヤー等の光学材料、磁気材料となる半導体微粒子や蛍光体、 色素等のホストとして広く用いることができる。 特に、 繰り返し使用による結晶
構造の破壌が少なく、 吸着特性の劣化が小さいことから、 吸着材として好適に使 用される。
(吸着材としての使用)
本発明に係るゼォライトは、 構造破壌が起き難い等、 耐久性に優れるので、 繰 り返し使用される吸着材として好ましく使用される。 特に、 熱利用システム用の吸着材としての使用が好ましく、 例えば、 吸着材へ の吸着物質の吸着により発生する吸着熱、 及びノ又は、 吸着物質が蒸発すること により発生する吸着物質の蒸発潜熱を利用する熱利用システム用の吸着材に好適 に使用できる。 なお、 ここでいう熱利用システムとは、 吸着熱として回収される 熱エネルギーを他の物質を加熱するための熱源として利用し、 及び/又は、 蒸発 潜熱として回収される熱エネルギー (冷熱) を他の物質を冷却するための熱源と して利用するシステムを意味し、 具体的には、 蓄冷熱システム、 吸着ヒートボン プ、 除湿や加湿の調湿空調装置等が挙げられる。
本発明のゼォライトは、 それ自体吸着性能を有するが、 上記の熱利用システム に使用する場合には、 その吸着特性として、 2 5 °Cで測定した吸着等温線におい て相対蒸気圧 0 . 0 1以上0 . 5以下の範囲で相対蒸気圧が 0 . 1 5変化したと きの吸着物質 (例えば水) の吸着量変化が 0 . 1 g / g以上の相対蒸気圧域を有 するものであることが好ましい。 すなわち、 0 . 0 1以上の相対蒸気圧で脱着で き、 0 . 5以下の相対蒸気圧で吸着できるような比較的親水的なものが適してい る。 なお、 熱利用システムにおいては、 そのシステムにより、 1 5 0 °C以上の高 温の熱源を利用することも可能であり、 脱着に必要な相対湿度を十分低くするこ とができる。 しかし、 吸着の場合は、 外気温などの環境の影響を受けるので、 吸 着に必要は相対湿度を 0 . 5より大きくすることは難しい。
ここで、 熱利用システムの操作蒸気圧範囲は、 脱着側相対蒸気圧 (Φ l a) と 吸着側相対蒸気圧 (Φ 2 a) とによって決定される。 φ ΐと Φ 2は次式 5, 6に より算出でき、 φ l aと φ 2 aとの間が操作可能な相対蒸気圧範囲となる。
脱着側相対蒸気圧 ( Φ Ι ^ =平衡蒸気圧(Tlowl) 平衡蒸気圧(Thigh) …
5
吸着側相対蒸気圧(Φ 2 &) =平衡蒸気圧(Tcool)ノ平衡蒸気圧(Tlow2) …
6
ここで、 平衡蒸気圧 (Tlowl ) 、 平衡蒸気圧 (Thigh).、 平衡蒸気圧 (Tcool) 及び平衡蒸気圧 (Tlow2) は、 それぞれ、 Tlowl、 Thigh, Tcool及び Tlow2の 温度における平衡蒸気圧を意味する。
又、 この式中、 Thigh (高温熱源温度) は、 吸着材から吸着物質を脱着して吸 着材を再生する際に加熱する熱媒の温度であり、 Tlowl (低温熱源温度) は、 凝 縮器の吸着物質の温度であり、 Tlow2 (低温熱源温度) は、 再生後の吸着材を吸 着に共する際に冷却する熱媒の温度であり、 Tcool (冷熱生成温度) は、 蒸発器 の吸着物質の温度すなわち生成した冷熱の温度である。 なお、 平衡蒸気圧は、 吸 着物質の平衡蒸気圧曲線を用いて、 温度から求めることができる。
上述した熱利用システムの吸着過程においては、 低温熱源温度 T 1 ow2が低けれ ば低いほど、 吸着に必要な相対湿度が大きくなり、 使用できる相対湿度が広くな る。 しカゝし、 実際には、 吸着材が吸着物質を吸着する際に発生する吸着熱の除熱 を完全に行うことは難しく、 また外気温などの環境因子にも影響されるので、 通 常は、 低温熱源温度 T low2を 2 0 °C以下にすることは難しい。 すなわち、 吸着物 質が水である場合において、 例えば 1 0 °Cの冷熱生成温度 Tcoolを得ようとする 場合に、 低温熱源温度 Tlow2を 2 0 °Cとした場合の相対湿度 0 . 5 2より大きい 操作相対水蒸気圧範囲で操作するのは熱利用システムには適さない。
一方、 上述した熱利用システムの脱着過程においては、 高温熱源温度 Thighが 高ければ高いほど、 脱着に必要な相対湿度が小さくなり、 使用できる相対湿度ほ 広くなる。 なお、 システムにより高温熱源温度 Thighは 1 0 0 °C以上、 場合によ つては 1 2 0 °C以上、 又は 2 0 0 °C近くの熱源を得ることも可能である。 この場 合には、 例えば、 低温熱源温度 Tlowlが除熱の不具合や環境因子の影響等により 上昇し、低温熱源温度 Tlowlが 5 0 °Cとなったと仮定しても、高温熱源温度 Thigh
が 2 0 0 °Cの場合には、 相対湿度は 0 . 0 1程度である。
以上のことから、 本発明の熱利用システムでは、 相対湿度が 0 . 0 1から 0 . 5の範囲で吸着量が変化する吸着特性を備えた本発明に係るゼォライ トを吸着材 として使用することが好ましい。
なお、 相対蒸気圧が 0 . 1 5変化したときの吸着物質の吸着量変化が 0 . 1以 上であるとは、 上記相対蒸気圧範囲の比較的狭い相対蒸気圧変化で急激に吸着物 質 (例えば水) の吸着量が変化することを示している。 こうした変化量は、 比較 的狭い相対蒸気圧範囲で吸着量の変化が大きいことを意味するので、 同じ条件で 同等の吸着量を得るために必要な吸着材の量を減らすことができ、 冷却熱源と加 熱熱源の温度差が小さくても熱利用システムを駆動することが可能となる。
本発明のゼォライトを吸着材として使用するに際しては、 成形体として用いて もよい。 成形体とする場合には、 本発明のゼォライトの吸着特性をできるだけ低 下させないように留意し、 必要に応じて他の成分、 例えば公知の吸着材用結合剤 等の結合剤や本発明のゼォライ ト以外の他の吸着性物質等を混合した混合物で成 形することができる。 結合剤としては、 例えばアルミナ、 シリカ、 粘土等の無機 バインダーが挙げられる。 その混合物は、 撹拌造粒、 噴霧造粒等による造粒、 又 は静水圧による成型方法(C I P ) により造粒され、成形体に加工される。また、 必要に応じて、 成形体を破碎してもよい。
吸着材に含まれる本発明のゼォライトの含有割合は、 6 0重量 °/0以上、 好まし くは 7 0重量0 /0以上であり、 1 0 0 %であってもよレ、。 1 0 0 %の場合とは、 本 発明のゼォライトのみを構成材料として吸着材が構成されている場合である。
(蓄冷熱システムへの適用)
次に、本発明のゼォライ トからなる、又は本発明のゼォライトを含む吸着材を、 蓄冷熱システムに適用した態様について説明する。
図 1は、 本発明の蓄冷熱システムの一例を示す概念図である。 本発明の蓄冷熱 システム 1 1は、 循環水供給器 1 2と、 吸脱着器 1 3と、 及び蒸発器兼凝縮器 1 4とを主要な構成とする吸着式蓄冷熱装置を備えている。 ここで、 吸脱着器 1 3
は、 吸着材を備え、 蒸発器兼凝縮器 1 4から吸着物質 (例えば水) が供給された り、 蒸発器兼凝縮器 1 4に吸着物質を供給する装置である。 蒸発器兼凝縮器 1 4 は、 吸着物質を蒸発させて吸脱着器 1 3に供給するための蒸発器と、 吸脱着器 1 3から供給された吸着物質を凝縮するための凝縮器とを兼ね備える装置である。 循環水供給器 1 2は、 吸脱着器 1 3に高温水 Aを供給したり低温水 Bを供給する 装置である。
この蓄冷熱システム 1 1は、 (構成 a ) 廃熱 (循環水供給器 1 2の循環水) を 吸着材 (吸脱着器 1 3内) に供給して吸着材から吸着物質 (例えば水) を脱着す るための構成と、 (構成 b— 1 ) 蒸発器兼凝縮器 1 4から供給された吸着物質が 吸着材に吸着する際に発生する熱 (吸着熱) を暖機運転の必要な機器に供給する 構成、 及び 又は、 (構成 b _ 2 ) 蒸発器兼凝縮器 1 4から供給された吸着物質 が吸着材に吸着する際に発生する吸着物質の蒸発潜熱を冷房用冷凍機内を循環す る冷却媒体に供給する構成と、 を備えるシステムである。
吸着材の機能を利用した吸着式蓄冷熱装置は、 吸着材が吸着物質を吸脱着する 能力を駆動源として利用している。 吸着式蓄冷熱装置においては、 吸着物質とし て、 水、 エタノール又はアセトンなどが使用できるが、 中でも安全性、 価格及び 蒸発潜熱の大きさから、 水が最も好ましく、 かかる吸着物質は、 水蒸気として吸 着材に吸着される。
本発明のゼォライト自体からなる吸着材又はこれを含有する吸着材は、 既述し たように、 繰り返し使用時における優れた構造強度を持つ機械的特性及ぴ吸着特 性を有しているので、 蓄冷熱システム用の吸着材として好適に使用可能である。 中でも、狭い相対蒸気圧範囲で吸着量の変化が大きい吸着特性を有する吸着材は、 同じ条件で同等の吸着量を得るために必要な吸着材の量を減らすことができるの で特に好ましいと共に、 冷却熱源と加熱熱源の温度差が小さくても蓄冷熱装置を 駆動できるという利点がある。
(吸着ヒートポンプへの適用)
次に、 本発明のゼォライトからなる又は含む吸着材を、 吸着ヒートポンプに適
用した態様について説明する。
図 2は、 本発明の吸着ヒートポンプの一例を示す概念図である。 本発明の吸着 ヒートポンプ 2 1は、 吸着物質と、 吸着物質を吸脱着する吸着材と、 吸着材が充 填され且つ吸着物質の吸脱着により発生した熱を熱媒に伝達する吸脱着器 2 2 , 2 3と、 吸着物質の蒸発により得られた冷熱を外部へ取り出す蒸発器 2 4と、 吸 着物質の凝縮により得られた温熱を外部へ放出する凝縮器 2 5とから主に構成さ れている。 吸脱着器 2 2, 2 3には、 循環水供給器 2 6, 2 7から高温水又は低 温水が供給され、 各吸脱着器 2 2, 2 3と蒸発器 2 4及び凝縮器 2 5との間には 開閉バルブ 2 8〜3 1が取り付けられている。
吸着ヒートポンプの作動原理としては、 例えば、 (1 ) 開閉バルブ 2 9 , 3 0 が開いており、 吸脱着器 2 2には循環水供給器 2 6から低温水が供給され、 吸脱 着器 2 3には循環水供給器 2 7から高温水が供給された場合において、 は)吸脱 着器 2 2においては、 吸着材が蒸発器 2 4から供給された吸着物質 (例えば水) を吸着し、その吸着時に発生する吸着熱により温水が得られ、 (ii )吸脱着器 2 3 においては、 吸着材が吸着物質を脱着し、 その脱着時に発生する蒸発潜熱により 冷水が得られる。 一方、 (2 ) 開閉バルブ 2 8, 3 1が開いており、 吸脱着器 2
2には循環水供給器 2 6から高温水が供給され、 吸脱着器 2 3には循環水供給器
2 7から低温水が供給された場合において、 (i )吸脱着器 2 2においては、 吸着 材が吸着物質を脱着し、 その脱着時に発生する蒸発潜熱により冷水が得られ、
( ii )吸脱着器 2 3においては、吸着材が蒸発器 2 4から供給された吸着物質(例 えば水) を吸着し、 その吸着時に発生する吸着熱により温水が得られる。
吸着ヒートポンプ 2 1は、 開閉バルブの操作により、 こうした 2つの動作を繰 り返して常時冷却水を得ることができる熱利用システムである。 こうした吸着ヒ ートポンプの構成と作動原理についてのより詳しい内容は、 例えば特開 2 0 0 2 - 3 7 2 3 3 2に記載されている。
本発明の吸着ヒートポンプは、 本発明のゼォライトからなる吸着材又はそれを 含む吸着材を適用した吸着ヒートポンプであり、その吸着材は、既述したように、 繰り返し使用'時における優れた構造強度を持つ機械的特性及び吸着特性を有して
いるので、 吸着ヒートポンプ用の吸着材として好適に使用可能である。 中でも、 狭い相対蒸気圧範囲で吸着量の変化が大きい吸着特性を有する吸着材は、 同じ条 件で同等の吸着量を得るために必要な吸着材の量を減らすことができるので特に 好ましいと共に、 冷却熱源と加熱熱源の温度差が小さくても吸着ヒートポンプを 駆動できるという利点がある。
(除湿空調装置への適用)
次に、 本発明のゼォライトからなる又は含む吸着材を、 除湿空調装置に適用し た態様について説明する。
図 3は、 本発明の除湿空調装置の一例を示す概念図である。 本発明の除湿空調 装置 6 1は、 吸着物質 (例えば水) を吸脱着可能な吸着材と、 その吸着材を備え た吸脱着器 6 1と、 吸着材を再生させるための機構 6 3とを備えた装置である。 なお、 この除湿空調装置 6 1には、 必要により調湿されるための空気 6 2 (調湿 用空気ともいう。 ) 'を流通させるための空気経路 (図示しない) 、 又は、 調湿し た後の空気を強制排気させるための装置 (図示しない) を設けてもよい。
吸脱着器 6 1は、 吸着材と調湿用空気 6 2とが充分に接触可能な形状となって いればよく、その形状としては、ハニカム構造を持つロータ形状等が挙げられる。 吸着材を再生させるための機構 6 3は、 は)除湿用途の場合においては、 吸着 材の再生のために必要な 8 0 °C程度の熱を吸脱着器 6 1に供給できる熱供給機構 であればよい。 また、 (ii )装置の内部で電気加熱等によって熱を発生させる場合 においては、 ヒーター、 加熱コイル等の熱源、 熱を充分に吸脱着器 6 1に伝える ためのブロア等の機構であればよい。 また、 (iii )装置外部から熱源を得る場合 においては、 その高温ガスを供給する配管等の機構であればよい。 このときの外 部からの熱源は、 吸着ヒートポンプ同様特に限定されず、 例えばガスエンジンや ガスタ一ビンなどのコジエネレーション機器及び燃料電池などが挙げられる。 ま た、 (iv)加湿用途の場合においては、再吸湿させるための高湿度空気が流通する 経路であればよい。
除湿空調装置を用いた調湿の動作方法について、 図 4を参照しつつその一例を
具体的に説明するが、 これに限定されるものではない。
図 4は、 除湿空調装置であるデシカント空調装置の一例を概念図である。 デシ カント空調装置 7 0は、 処理空気経路 7 1と、 再生空気経路 7 2と、 吸着材を付 着させたデシカントロータ 7 3と、 2つの顕熱交換器 7 4, 7 5と、 加熱源から の熱供給機構 7 6と、 加湿器 7 7とを主な構成機器としている。 処理空気は、 デ シカントロータ 7 3で除湿され、デシカントの水分吸着熱によって温度上昇する。 処理空気は、 その後、 第 1の顕熱交換器 7 4で再生空気と熱交換して冷却された 後、 加湿器 7 7で加湿され、 空調空間 7 8に供給される。 その一方で、 再生空気 は、 外部空間から取り入れられ、 第 1の顕熱交換器 7 4で処理空気と熱交換して 温度上昇した後、 熱供給機構 7 6によって加熱されて相対湿度が低下した状態で デシカントロータ 7 3を通過し、 デシカントロータ 7 3の水分を脱着再生する。 再生後の再生空気の顕熱分は、 加熱前の再生空気と第 2の顕熱交換器 7 5で熱交 換して回収した後、 外部 7 9に放出される。
この除湿空調装置に、 本発明のゼォライトからなる吸着材又はそれを含む吸着 材を適用することにより、 その吸着材は、 既述したように、 繰り返し使用時にお ける優れた構造強度を持つ機械的特性及び吸着特性を有しているので、 除湿空調 装置用の吸着材として好適に使用可能である。
又、 上記の原理に準じて、 例えば、 吸着材から水分を脱着させた再生後の空気 を室内に供することにより、 加湿を行うことも可能である。
(適用用途と吸着特性)
本発明のゼォライ トを吸着材に使用した熱利用システムは、 吸着熱として回収 される熱エネルギーを他の物質を加熱するための熱源として利用し、及び Z又は、 蒸発潜熱として回収される熱エネルギー (冷熱) を他の物質を冷却するための熱 源として利用するシステムであり、 具体的には、 上述したように、 蓄冷熱システ ム、 吸着ヒートポンプ、 除湿や加湿の調湿空調装置等が挙げられる。
こうした熱利用システムにおいては、 吸着物質 (例えば水) は蒸気として吸着 材に吸着されるが、 その吸着材は、 狭い相対蒸気圧範囲で吸着物質の吸着量変化
が大きい材料であることが好ましい。 この吸着特性は、 吸着材が使用される用途 によって多少相違する。
最初に、 本発明の吸着材が吸着ヒートポンプに適用される場合における好まし い吸着特性について説明する。 吸着ヒートポンプに適用される吸着材は、 その吸着材に含まれる本発明のゼォ ライトが、 2 5 °Cで測定した吸着等温線において、相対蒸気圧 0. 0 5以上、 0. 3 0以下の範囲で相対蒸気圧が 0. 1 5変化したときに、 吸着物質である水の吸 着量変化が 0. 1 g "g以上の相対蒸気圧域を有することが望ましい。このとき、 吸着物質である水の吸着量変化は、 好ましくは、 0. 1 2 g/g以上、 より好ま しくは 0. 1 5 gZg以上、 更に好ましくは 0. 1 8 g/g以上である。
こうした吸着特性が好ましい理由を、 1 0 0°C以下の比較的低温のガスェンジ ンコージェネレーション、 固体高分子型燃料電池又は自動車エンジンの排熱を利 用して吸着ヒートポンプを駆動する場合で説明する。 なお、 水を吸着物質とした 場合の操作蒸気圧範囲で説明する。
1 0 o°c以下の比較的低温のガスエンジンコージエネレーション、 固体高分子 型燃料電池又は.自動車エンジンの排熱を利用して吸着ヒートポンプを駆動する場 合において、例えば、高温熱源温度が 8 0°Cで低温熱源温度が 3 0°Cの場合には、 操作蒸気圧範囲 (φ ΐ3〜φ 23) は 0. 0 9〜0. 2 9となる。 同様に、 高温熱 源温度が 6 0 °Cで低温熱源温度が 3 0 °Cの場合には、操作相対水蒸気圧範囲は( φ l a~ () 2a) は 0. 2 1〜0. 2 9となる。 また、 特開 2 0 0 0— 1 4 0 6 2 5 号の記載を基に自動車エンジンの排熱を利用して吸着ヒートポンプを駆動する場 合について推算すると、高温熱源温度が約 9 0°Cで低温熱源温度が 3 0°Cであり、 この場合には、 操作相対水蒸気圧範囲 (φ ΐ3〜φ 23) は 0. 0 6〜0. 2 9と なる。
これらより、 上記の排熱を利用して吸着ヒートポンプを駆動する場合において は、 操作相対水蒸気圧範囲 ( φ 1 a〜 φ 2 a) は 0. 0 5〜0. 3 0、 更に好まし くは 0 , 0 6〜0. 2 9となる。 したがって、 加熱により相対水蒸気圧を下げて
吸着材を再生する際においては、 相対水蒸気圧が 0. 05、 好ましくは 0. 06 以上の範囲で脱着が完了する吸着特性を備えた吸着材を用いることが好ましい。 一方、 吸着という点では、 相対水蒸気圧 0. 30、 好ましくは 0. 29以下の範 囲で充分な吸着量が得られる吸着特性を備えた吸着材を用いることが好ましい。 以上より、 適用される操作湿度範囲の中で吸着量の変化が大きい材料が好まし く、 通常は、 相対水蒸気圧 0. 05〜0. 30好ましくは 0. 06〜0. 29の 範囲において、 上述したように、 吸着量が大きく変化する材料が好ましい。
上記吸着特性を有する吸着材は、 本発明のゼォライトからなる、 又はこれを含 む吸着材の中から選定すればよいが、 特に F e、 N i、 C o、 Mg及び Z nから 選ばれる少なくとも 1種類の Me元素を含むアルミノフォスフェート、 又は、 特 に F e、 N i、 C o、 Mg及び Z nから選ばれる少なくとも 1種類の Me元素を 含むシリコアルミノフォスフエ一トであることが好ましく、 それらの中でも Me が F eであるものが特に好ましい。 なお、 骨格構造については、 AE I、 CHA 及び LEVから選ばれる構造であるものが好ましい。 本発明のゼォライトがアル ミノフォスフェートの場合、 含まれる Me金属の割合が、 骨格構造を形成する酸 素以外の元素全体に対する Meのモル比 ( (Me) / (Me + A 1 + P) ) で 0. 0 1以上0. 1 5以下、 好ましくは 0. 02以上0. 1以下であることが望まし い。 又、 本発明のゼォライトがシリコアルミノフォスフェートの場合、 含まれる Me金属の割合が、 骨格構造を形成する酸素以外の元素全体に対する 「Me + S i J のモル比 ( (Me + S i ) / (Me + S i +A l +P) ) で 0. 01以上 0. 1 5以下、 好ましくは 0. 02以上0. 1以下であることが望ましい。 次に、 本発明の吸着材が蓄冷熱システムに適用される場合における好ましい吸 着特性について説明する。
蓄冷熱システムに適用される吸着材は、 その吸着材に含まれる本発明のゼオラ イトが、 55 °Cで測定した吸着等温線において、 相対蒸気圧 0. 02での吸着物 質の吸着量が 0. 1 5 gZg以下であり、 相対蒸気圧 0. 1での吸着物質の吸着 量が 0. 1 O'gZg以上であり、 相対蒸気圧 0. 02以上 0. 1以下の範囲で相
対蒸気圧が 0. 05変化したときの吸着物質の吸着量変化が 0. 05 g/g以上 となる相対蒸気圧領域を有することが望ましい。.また、 55°Cで測定した吸着等 温線において、 相対蒸気圧 0. 02での吸着物質の吸着量が 0. 12 g/g以下 であり、 相対蒸気圧 0. 1での吸着物質の吸着量が 0. 13 g/g以上であり、 相対蒸気圧 0. 02以上0. 1以下の範囲で相対蒸気圧が 0. 05変化したとき の吸着物質の吸着量変化が 0. 05 g/g以上、 特には 0. 08 g/g以上とな る相対蒸気圧領域を有することがより望ましい。 また、 相対蒸気圧 0. 02での 吸着物質の吸着量が 0. 04 gZg以下であり、 相対蒸気圧 0. 1での吸着物質 の吸着量が 0. 15 gZg以上であり、 相対蒸気圧 0. 02以上 0. 1以下の範 囲で相対蒸気圧が 0. 05変化したときの吸着物質の吸着量変化が 0. 10 g/ g以上となる相対蒸気圧領域を有するものが特に望ましい。
こうした吸着特性が好ましい理由を、 自動車に装着される蓄冷熱システムで説 明する。
自動車に搭載される蓄冷熱システムでは、 廃熱で加熱された 90°C程度の温水 により吸脱着器が 90°C程度に加熱され、 加熱された吸脱着器内の吸着材が吸着 物質を脱着し、 その際に発生する蒸発潜熱により、 冷却器内を循環する冷媒が冷 却されて凝縮器が 10°C程度に冷却される。 このとき、 それらの間の相対蒸気圧 は約 0. 02となるので、 相対蒸気圧 0. 02における吸着物質の吸着量が小さ いことが好ましい。 なお、 吸脱着器の温度が 90°C以下の低い温度 (例えば 60 〜85°C程度) となる場合、 又は、 凝縮器の温度が 10°Cよりも高い温度 (例え ば 15〜30°C程度) となる場合には、 それらの間の相対蒸気圧は 0. 02より も大きくなるので、 0. 02よりも高い相対蒸気圧で十分な脱着が行われること が必要である。 したがって、 相対蒸気圧 0. 02の条件下における吸着物質の吸 着量は、 より小さいことが好ましい。
なお、 自動車等においては、 吸脱着器の温度はラジェータで冷却された冷却水 により 45〜 60 °C程度となり、 蒸発器の温度は熱交換器により 10 °C程度とな る場合がある。 この場合、 吸脱着器と蒸発器との間の相対蒸気圧は約 0. 10と なるので、 相対蒸気圧 0. 10における吸着物質の吸着量は大きいものが好まし
い。 すなわち、 この操作湿度範囲の中で、 吸着量の変化が大きい吸着材を用いる ことが好ましいのである。
上記吸着特性を有する吸着材は、 本発明に係るゼォライトからなる又は含む吸 着材の中から選定すればよいが、 特に、 (a) (Me—) アルミノフォスフエ一 トで、 その Meが F eである鉄アルミノフォスフェートである力 \ (b) (Me 一) シリコアルミノフォスフェートで、 その Meが F eである鉄シリコアルミノ フォスフェートであること、 が望ましい。 骨格構造については、 CHA構造であ るものが好ましい。 、 又、 上記 (a) の場合には、 含まれる Me金属の割合が、 骨格構造を形成する酸素以外の元素全体に対する Meのモル比 ( (Me) / (M e +A l +P) ) で 0. 03以上0. 25以下、 好ましくは 0. 04以上0. 2
0以下であることが望ましく、 上記 (b) の場合には、
含まれる M e金属の割合が、骨格構造を形成する酸素以外の元素全体に対する「M e + S i」 のモル比 ( (Me + S i ) / (Me + S i +A l +P) ) で 0. 03 以上 0. 25以下、好ましくは 0. 04以上0. 20以下であることが望ましい。 以上、 吸着ヒートポンプ及び蓄冷熱システムを例にした熱利用システムと吸着 特性との関係について説明したが、 上記の好ましい吸着特性を示すゼォライトを 選択し、 それを含有する吸着材を利用した場合には、 本発明のゼォライトの性能 に起因する吸着材の耐久性のみならず、 従来の吸着材に対比して、 吸着プロセス がより低い相対蒸気圧条件下で起こり、 脱着プロセスがより高い相対蒸気圧条件 下で起こることとなる。 その結果、 わずかな相対湿度変化によりその吸着量が変 化することになるので、 廃熱が多量に発生し、 エアコンを使用することで燃費が 更に低下する問題を抱える自動車に搭載する吸着ヒートポンプや、 蓄冷熱システ ムの吸着材として好ましく適用することができる。
以上説明したように、 本発明のゼォライ ト及びそれを含む吸着材は、 特に吸着 物質の吸脱着を繰り返し行う吸着材として使用した場合において、 繰り返し使用 による吸着性能の劣化が少ないという好ましい特性を有している。 従って、 吸着 材への吸着物質の吸着により発生する吸着熱、 及びノ又は、 吸着物質が蒸発する ことにより発生する吸着物質の蒸発潜熱を利用する熱利用システム、具体的には、
蓄冷熱システム、 吸着ヒートポンプ、 除湿空調装置のような、 吸着材への吸着質 の吸脱着を例えば数十万回以上も行うような過酷な条件での使用に耐えうるとい う有益な効果を有する。
<実施例 >
以下、 実施例と比較例により本発明を更に具体的に説明する。 なお、 本発明は 以下の実施例により何ら限定されるものではない。
尚、以下の実施例 1一 1〜1一 3、及び実施例 2— 1〜2— 3のゼォライトは、 いずれも、 これを焼成して炭素含有量を 0. 3重量%未満とした場合に焼成前の 骨格構造が保たれるものである。
又、 実施例及び比較例中の各物性は下記の測定条件で行った。
<粉末 X線回折 (XRD) 測定条件 >
X線源: C U _K CK線 (λ = 1. 54 A)
出力設定: 40 k V · 3 OmA
測定時光学条件:発散スリット = 1 °
散乱スリット : 1 °
受光スリット : 0. 2 mm
回折ピークの位置: 26 (回折角)
測定範囲: 20 = 4〜 50°
試料:めのう乳鉢を用いて人力で粉碎した試料約 1 O Omgを用い、 同一形状 のサンプルホルダーを使用して試料量がほぼ一定となるようにした。 く CN分析〉
PERKIN ELMER 2400 SeriesII CHNS/O Analyzerを用いて行った。 ぐ元素分析 >
試料を空気流通下、 550°Cで 6時間焼成し、 塩酸に溶解した'後、 I CP法に より組成分析を行った。 ぐ重量減少率測定 >
試料を、 空 1 Om 1 /m i n流通下、 昇温速度 10 °CZni i n、 試料約 1 0
m gの条件で熱重量分析を行い、 200 °C、 350 °C及ぴ 700 °Cの重量から、 上記に従って重量減少率 (g l) 及ぴ重量減少率 (g 2) を求めた。
<吸着特性 ( 25 °C) >
25 °Cにおける水蒸気吸着量を水蒸気吸着量測定装置 (ベルソープ 18 : 日本 ベル (株) 製) により測定した。
空気恒温槽温度: 50°C.
吸着温度: 25 °C
初期導入圧力: 3. 0 t o r r
導入圧力設定点数: 0
飽和蒸気圧 : 23. 755 t o r r
平衡時間: 500秒
試料: 120 °Cで 5時間真空排気処理したのち測定レた。 <吸着特性 (55°C) >
55 °Cにおける水蒸気吸着量を水蒸気吸着量測定装置 (ベルソープ 18 : 日本 ベル (株) 製) により以下の方法で測定した。
空気恒温槽温度: 60°C
吸着温度: 55 °C
初期導入圧力: 3. 0 t o r r
導入圧力設定点数: 0
飽和蒸気圧: 1 18. l l t o r r
平衡時間: 500秒
試料: 120でで 5時間真空排気処理したのち測定した。 ぐ有効水吸着量の測定 >
真空デシケーター中で室温 (25°C) の飽和水蒸気雰囲気に一日放置した試料 約 10 m gを'熱重量分析計 (島津製作所製: TG A— 50) を用いて、 乾燥空気
10m l Zm i n流通下、室温( 25 °C)より昇温速度 10 °C/m i nで 250 °C まで昇温した。 室温 (25°C) の飽和水蒸気吸着状態の試科重量に対する、 室温 ( 25 °C) から 100°Cまでで脱離した水の重量%を有効水吸着量とした。
<耐久性試験 _1 >
試料約 0. 5 gを、 内径約 2 Omm (開口部内径約 15 mm) 、 高さ約 40m mのガラス容器に入れ、 25°C ·湿度 60%に保たれた環境に設置された温度プ ログラムが可能なオーブン内に入れた。 オープン内での温度サイクルとしては、 40 °C · 20分保持した後、 2 °C /分で 100 °Cまで昇温し、 100でで 20分 保持した後、 2°C/分で 40°Cまで冷却する、 というサイクルを 100回繰り返 した。 ぐ耐久性試験一 2 >
試料を 90°Cに保たれた真空容器内に保持し、 真空状態と 90°Cの飽和水蒸気 雰囲気にそれぞれ 90秒曝す操作を 500回繰り返した。 ぐ耐久性試験一 3 :水熱試験 >
テフロン (登録商標) で内張りされたステンレス製オートクレープ (内容積約 100m l (内径 42 mm) ) の底部に 0. 2 gの純水を入れた。 試験中に液体 の水と試料とが接触するのを避けるため、 長さ約 2 Ommの足のついたテフロン (登録商標) 製の試料皿 (外径 4 Omm) に試料を 0. 2 g入れ、 オートクレー プ内に密封した。 そのォートクレープを 100°Cに保たれた恒温乾燥機で 24時 間保持した後に取り出し、 室温 ( 25 °C) まで放冷した。
(実施例 1一 1)
水熱合成と焼成を行い、 窒素含有ゼォライトを以下のように作製した。
先ず、 水 28. 05 gに 85%リン酸 1 1. 53 gを加え、 これに擬ベーマイ ト (25%^<含有、 コンデァ製) 5. 44 gをゆっくりと加えて撹拌した。 これ
を A液とした。 A液とは別に、 硫酸第一鉄 7水和物 5. 56 g s モルホリン 4. 35 g、 トリェチルァミン 5. 06 g及ぴ水 29 gを混合した液を調製した。 こ れを A液にゆつくりと加て 3時間攪拌し、 以下の組成を有するゲル状の出発反応 物を得た。
0.4F e SO4 : 0.8A l 2O3 : P 205: 1.0モノレホリン: 1.0トリエチノレアミ ン : 70H2O 得られた出発反応物をテフロン (登録商標) 内筒の入った 200 c cのステン レス製オートクレープに仕込み、 静置状態で 180°Cで 1日間反応させた。 反応 後冷却して、 デカンテーシヨンにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。 沈殿物 を水で 3回洗浄した後濾別し、 120°Cで乾燥し、 ゼォライト前駆体を得た。 このゼォライト前駆体を粉末 X線回折 (XRD) により同定したところ、 純粋 な CHA構造であることがわかった。
乾燥後のゼォライ ト前駆体の一部 (13mg) を用いて熱重量分析を行った。 熱重量分析は、 熱重量分析計 (島津製作所 TGA— 50) を用い、 ヘリ ウムで希 釈した空気 (酸素濃度 7 v o l %) を 3 OmLZm i nで流通させながら、 室温 ( 25 °C) から 700°Cまで 10°CZm i nで昇温して行った。 その結果を図 5 に示す。
次に、得られたゼォライト前駆体から 3 gを採取し、縦型の石英焼成管に入れ、 空気 175mL/分、 窒素 325mLZ分の混合ガス (酸素濃度 7 v o l %) を 流通させながら、 0. 35°C /分で 350°Cまで昇温し、 そのまま 350°C (こ の温度は、 図 5に示した熱重量分析による分解温度付近の温度である。 ) で 6時 間焼成を行い、 窒素含有ゼォライトである焼成物を得た。 この焼成物を XRDに より同定した。 図 6は、 得られた回折パターンであり、 純粋な CHA構造 (FD 14. 5 T/nm3) であることがわかった。
焼成物の CN分析により、 炭素: 2. 3重量%、 窒素: 1. 1重量%であり、 CZN重量比は 2. 12であった。 元素分析の結果は、 A l、 P及び F eの合計 に対する各成分の構成割合 (モル比) で、 A 1 : 37. 8mo 1 %、 P : 5 Om
o 1 %、 F e : 12. 2 mo 1 %であった。 水蒸気吸着量( 25 °C) は 27重量% であった。 焼成物の焼成物の吸着特性 (55°C) 測定により、 図 7に示すような 吸着等温線が得られた。 上記式 3から求めた細孔利用率は 0. 9であった。 焼成 物の耐久性試験一 1後の水蒸気吸着量は、 25 °C ·相対蒸気圧 P/Ps= 0. 5で、 27重量%であり、 低下は認められなかった。
図 8は、 焼成物の耐久性試験一 1後の XRDパターンであり、 CHA構造が確 認されると共に、 結晶性の顕著な低下は認められなかった。 このとき、 繰り返し 前後での XRD測定試料の重量はほぼ一定とした。 焼成物の耐久性試験一 1前後 の粒子を観察した結果、 粒子の破砕は観られなかった。 図 9は、 焼成物の耐久性 試験— 2後の XRDパターンであり、 CHA構造が確認された。 耐久性試験一 2 後の焼成物における 25°C ·相対蒸気圧 0. 5での水蒸気吸着量は、 27重量% であった。 又、焼成物の重量減少率(g 1)及び重量減少率(g 2) を測定した。 これらの結果を表 1に示す。
(実施例 1一 2 )
実施例 1一 1において、 焼成温度を 340°C、 流通ガス中の酸素濃度を 5 V o 1 %とした以外は実施例 1一 1と同様にして、 窒素含有ゼォライトである焼成物 を得た。
得られた焼成物の窒素含有量は、 1. 7重量%、 炭素含有量は 3. 1重量 °/0、 CZN重量比は 1. 83であった。 実施例 1と同様に測定した XRDパターンか ら、 純粋な CH A構造 (FD 14. 5 T/nm3) であることが判明した。 また、 水蒸気吸着量 (25°C) は 27重量0 /。であった。 上記式 3から求めた細 孔利用率は 0. 9であった。 耐久性試験一 1を行ったところ、 吸着量の低下は認 められず、 結晶性にも変化がなかった。 又、 焼成物の重量減少率 (g l) 及び重 量減少率 (g 2) を測定した。 結果を表 1に示す。
(実施例 1一 3 )
実施例 1一' 1において、 焼成温度を 400°C、 流通ガス中の酸素濃度を 0. 2
v o 1 %とした以外は実施例 1—1と同様にして、 窒素含有ゼォライトである焼 成物を得た。
得られた焼成物の窒素含有量は 1. 7重量。/。、 炭素含有量は 5. 0重量。/。、 C /N重量比は 2. 86であった。 実施例 1一 1と同様に測定した XRDパターン から、 純粋な CHA構造 (FD 14. 5 T/nm3) であることが判明した。 また、 水蒸気吸着量 (25°C) は 23重量%であった。 上記式 3から求めた細孔 利用率は 0. 77であった。 耐久性試験一 1を行ったところ、 吸着量の低下は認 められず、 結晶性にも変化がなかった。 又、 焼成物の重量減少率 (g l) 及び重 量減少率 (g 2) を測定した。 結果を表 1に示す。
(比較例 1一 1)
実施例 1一 1において、 焼成温度を 5 50°Cとした以外は実施例 1—1と同様 にして、 鉄アルミノフォスフェートである焼成物を得た。
得られた焼成物の窒素及び炭素含有量は測定下限 (0. 3重量。/。) 未満であつ た。実施例 1と同様に測定した X R Dパターンから、純粋な C H A構造( F D 1 4. 5 T/nm3) であることが判明した。 水蒸気吸着量 ( 25 °C) は 30重量% であった。 上記式 3から求めた細孔利用率は 1であった。 耐久性試験一 1を行つ たところ、試験後の吸着量は 1 5重量%と大きく低下した。図 10及び図 1 1は、 耐久性試験一 1前後の X R Dパターンであり、 試験後の結晶性の低下が認められ た。 又、 焼成物の重量減少率 (g l) 及び重量減少率 (g 2) を測定した。 結果 を表 1に示す。
(比較例 1一 2 )
水 26 gに 8 5%リン酸 1 1. 5 gを加え、 これに擬ベーマイト (25%水含 有、 コンデァ製) 5. 44 gをゆっく りと加え、 2時間攪拌した。 これに、 硫酸 第一鉄 7水和物 8. 3 gを水 26 gに溶かした液を加え、 さらにモルホリン 2. 18 gとシクロへキシルァミン 7. 43 gを混合した液をゆつくりと加えてさら に 2時間攪拌した。 そして、 以下の組成を有するゲル状の出発反応物を得た。
0.6F e S 04 : 0.8A 1203 : P 205 : 0.5モノレホリ ン : 1.5シク口へキシノレ ァミン : 60H2O 得られた出発反応物をテフロン (登録商標) 内筒の入った 0. 2 Lのステンレ ス製オートクレープに仕込み、 静置状態で 200°Cで 1 2時間反応させた。 反応 後冷却して、 デカンテーシヨンにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。 沈殿物 を水で 3回洗浄した後濾別し、 1 20°Cで乾燥した。 得られた固体を比較例 1一 1と同様に焼成し、 鉄アルミノフォスフェートである焼成物を得た。
得られた焼成物の窒素及び炭素含有量は測定下限 (0. 3重量%) 未満であつ た。 元素分析の結果、 A l、 P及ぴ F eの合計に対する各成分の構成割合 (モル 比) で、 A 1 : 36. 9 m o 1 %、 P : 50 m o 1 %、 F e : 1 3. 1 m o 1 % であった。
XRDパターンから純粋な CHA構造 (FD 14. 5TZnm3) であるこ とが判明した。 水蒸気吸着量 (25°C) は 30重量%であった。 上記式 3から求 めた細孔利用率は 1であった。 耐久性試験— 1の結果、 試験後の吸着量は 1 0重 量%と大きく低下した。 図 1 2及び図 1 3は、 耐久性試験前後の XRDパターン であり、 試験後の結晶性の低下が認められた。 また、 耐久性試験後の粒子を観察 したところ、 完全に粉化していた。 又、 焼成物の重量減少率 (g l) 及び重量減 少率 (g 2) を測定した。 結果を表 1に示す。
(比較例 1一 3 )
比較例 1一 1と同様の方法で水熱合成、 乾燥及び焼成を行った。 得られた固体 1 gを内径 6 mmのパイレックス (登録商標) 管に充填し、 116ガス 500111し Zh r流通下、 300°Cで 2時間処理した。 He流通下、 室温 ( 25 °C) まで放 冷した後、 流通ガスをアンモニア (NH3) を 10 V o 1 %含む H eガス 500 mL/h rに切り替え、 室温 (25°C) で 2時間処理した。 その後、 流通ガスを Heガスに切り替えて室温 (25°C) でパージを行った。
得られた固体の CN分析を行ったところ、 窒素: 1 1. 5重量 °/0、 炭素は検出
下限(0. 3重量%)未満であった。 この固体を 80°Cで 3 h r真空排気した後、 25°C ·相対蒸気圧 0. 5での水蒸気吸着量は、 30重量。/。であった。 上記式 3 から求めた細孔利用率は 1であった。 図 14は、 NH3処理した固体の XRDパ ターンであり、 CHA構造(FD 14. 5) であることがわかった。 図 1 5は、 NH3処理した固体の耐久性試験一 1後の XRDパターンであり、 アモルファス 化しているのが確認された。 これらの結果から、 ゼォライトの細孔構造がほぼ完 全に破壌されており、 水蒸気吸着量が大幅に低下していることは明らかである。 又、 焼成物の重量減少率 (g l) 及び重量減少率 (g 2) を測定した。 結果を表 1に示す。
(比較例 1一 4)
焼成ガスを窒素、 焼成温度を 325でとした以外は実施例 1—1と同様にして 固体を得た。
CN分析を行ったところ、 窒素 2. 7重量%、 炭素 10. 0重量%であり、 本 発明の範囲外であった。 この固体の水蒸気吸着量 (25°C) は、 7. 1重量%で あった。 上記式 3から求めた細孔利用率は 0. 24であった。 本発明の範囲内に ある実施例 1一 1のゼオライトの水蒸気吸着量 (27重量%) と比較して吸着量 が劣っていることが明らかである。 又、 焼成物の重量減少率 (g l) 及び重量減 少率 (g 2) を測定した。 結果を表 1に示す。
(比較例 1一 5 )
窒素含有量が本発明の範囲の下限未満である鉄アルミノフォスフェートを米国 特許 4554143の実施例 1 1にしたがって合成した。
水 32 gに 85%リン酸 1 1. 6 gを加え、 これにアルミニウムイソプロポキ シド 1 6. 4 gをゆっくりと加え、 3時間攪拌した。 これに、 硫酸第一鉄 7水和 物 5. 6 gを加え、さらに 35重量0 /0テトラェチルアンモユウムヒドロキシド(T EAOH) 水溶液 42. 1 gを混合した液を加えてさらに 3時間攪拌した。 そし て以下の組成'を有するゲル状の出発反応物を得た。
0.4F e S 04: 0.8A 1 203: P 205: 2.0TEAOH: 68H20 得られた出発反応物をテフロン (登録商標) 内筒の入った 0. 2 Lのステンレ ス製オートクレープに仕込み、 静置状態で 200°Cで 4 2時間反応させた。 反応 後冷却して、 遠心分離機により沈殿物を回収した。 沈殿物を水で洗浄、 濾別し、 1 20°Cで乾燥した。 乾燥後の固体は XRDパターンから CHA構造であること が判明した。 元素分析によると、 A l、 P及び F eの合計に対する各成分の構成 割合 (モル比) で、 A 1 : 44. 7mo 1 %、 P : 5 Omo 1 %、 F e : 4. 3 mo 1 Q/0であった。
得られたテンプレート含有ゼォライトの一部を採取し、 焼成温度を 4 5 0°C、 流通ガスを窒素、焼成時間を 2時間とした以外は実施例 1— 1と同様に焼成した。 焼成後の固体は、 XRD測定から CHA構造 (FD 1 4. 5 T/nm3) で あることが判明した。 焼成によって得られたゼォライトの窒素含有量は、 測定下 限 (0. 3重量 °/。) 未満、 炭素含有量は約 1 , 0重量。/。であり、 本発明の範囲外 であった。 得られた固体の 2 5°C、 相対蒸気圧 0. 5における水蒸気吸着量は 2 0重量%であった。
得られた固体について、 耐久性試験一 2を行った。 試験後の 2 5°C、 相対蒸気 圧 0. 5における水蒸気吸着量は 1 0重量%であり、 試験前の 5 0%まで低下し ていた。 又、 焼成物の重量減少率 (g 1) 及び重量減少率 (g 2) を測定した。 結果を表 1に示す。
表 1
a: 耐久性試験一 1、 b: 耐久性試験
(実施例 2— 1 )
炭素含有シリコアルミノフォスフェートを以下のように作製した。
先ず、 水 1 80 gに 85%リン酸 87. 1 gを加え、 これに擬ベーマイト (2 5%水含有、 コンデァ製) 57. 2 gをゆっくりと加え、 3時間攪拌した。 これ を A液とした。 A液とは別に、 f ume dシリカ (ァエロジル 200) 5. 04 g、 モルホリン 36. 6 g及び水 240 gを混合した液を調製した。 これを A液 にゆっく りと加えた。 更に、 トリェチルァミン 47. O gを加え、 これを 3時間 攪拌し、 以下の組成を有するゲル状の出発反応物を得た。
0.2S i 02 : A 1203 : 0.9P2O5 : 1モノレホリン: 1.1トリェチノレアミン : 60H2O 得られた出発反応物をテフロン (登録商標) 内筒の入った 1 Lのステンレス製 ォートクレーブに仕込み、 100 r p mで攪拌しながら 1 90 で 60時間反応 させた。 反応後冷却して、 デカンテーシヨンにより上澄みを除いて沈殿物を回収 した。 沈殿物を水で 3回洗浄した後濾別し、 1 20°Cで乾燥した。 乾燥した固体 (シリコアルミノフォスフェート前駆体) の元素分析を行った。 その結果、 アル ミユウムとリンとケィ素の合計に対する各成分の構成割合 (モル比) は、 ケィ素 が 7. 9 %、 アルミニウムが 48. 7%、 リンが 43. 3%であった。
次に、 得られた固体 (シリコアルミノフォスフェート前駆体) を、 GHSV = 約 6000 h r— 1の空気流通下、 室温 ( 25 °C) から 350 °Cまで約 1 °CZm i nで昇温し、 350 °Cで 6時間空気流通気流下で焼成し、 焼成物を得た。
焼成物の XRD測定により、 図 1 6に示すような CHA構造 (FD 14. 5 T/nm3) を示す XRDパターンが得られた。 上記式 4から求めた細孔利用率 2は 0. 89であった。 焼成物の焼成物の吸着特性 (25°C) 測定により、 図 1 7に示すような吸着等温線が得られた。 焼成物の CN分析により、 炭素: 3. 5 重量%、 窒素: 1. 0重量%を含有していることが確認された。 焼成物の有効水 吸着量は、 20. 4重量%であった。
焼成物の耐久性試験一 3後に行った XRD測定により、 図 1 8に示すような C
HA構造を示す XRDパターンが得られた。 焼成物の耐久性試験— 3後の有効水 吸着量は、 18. 4重量%であった。 又、 焼成物の重量減少率 (g l) 及ぴ重量 減少率 (g 2) を測定した。 これらの結果を表 2に示す。 又、 焼成物を耐久性試 験一 2に供したところ、 充分な耐久性が確認された。
この焼成物は、 耐久性試験一 2で繰り返し回数を数千回としても充分な耐久性 を示した。
更に、 この焼成物は、 吸着ヒートポンプ、 調湿システムに適用した場合の数十 万回の吸脱着の繰り返しに対する耐久性を有する
(実施例 2— 2)
炭素含有鉄シリコアルミノフォスフェートを以下のように作製した。
先ず、 水 28. 05 gに 85%リン酸 1 1. 5 gを加え、 これに擬ベーマイ ト (25%水含有、 コンデァ製) 6. 26 gをゆっくりと加え、 3時間攪拌した。 これに、 硫酸第一鉄 7水和物 2. 78 gを水 29 gに溶かし、 それに f ume d シリカ (ァエロジル 200) 1. 2 gを加えた液を加え、 更にモルホリン 4. 3 5 gとトリエチルァミン 5. 64 gを混合した液をゆつくりと加えて更に 3時間 攪拌した。 そして以下の組成を有するゲル状の出発反応物を得た。
0.2F e S 04: 0.4S i 02: 0.92A 1203: P 2Os: 1.0モノレホリン: 1.0 卜リェチルァミン: 60H2O 得られた出発反応物をテフロン (登録商標) 内筒の入った 0. 2 Lのステンレ ス製オートクレープに仕込み、 静置状態で 180°Cで 1日間反応させた。 反応後 冷却して、 デカンテーシヨンにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。 沈殿物を 水で 3回洗浄した後濾別し、 1 20°Cで乾燥した。 乾燥した固体 (鉄シリコアル ミノフォスフェート前駆体) の元素分析を行った。 その結果、 アルミニウムとリ ンと鉄とケィ素の合計に対する各成分の構成割合 (モル比) は、 A 1 : 43. 9 m o 1 %s P : 40. 3 m o 1 %、 F e : 6. 1 m o 1 %s S i : 9. 7 m o 1 % であった。
乾燥後の固体の一部 (1 2. 7mg) を用いて熱重量分析を行った。 熱重量分 析は、 熱重量分析計 (島津製作所 TGA— 50) .を用い、 ヘリウムで希釈した空 気 (酸素濃度 7 V o 1 °/0) を 3 OmL/m i nで流通させながら、 室温( 25 °C) から 700°Cまで 1 0°C/m i nで昇温して行った。 その結果を図 1 9に示す。 次に、 得られた固体 (鉄シリコアルミノフォスフェート前駆体) を、 酸素濃度 7%の窒素希釈空気を0^13¥ =約 6000 h r一1で流通させながら、 室温 (2 5°C) から 420°Cまで約 0. 5°CZm i nで昇温し、 420 °C (この温度は、 図 1 9に示した熱重量分析による分解温度付近の温度である。)で 6時間焼成し、 焼成物を得た。
焼成物の XRD測定により、 図 20に示すような CHA構造 (FD 14. 5 T/nm3) を示す XRDパターンが得られた。 上記式 3から求めた細孔利用率 1は 0. 77であり、 上記式 4から求めた細孔利用率 2は 0. 9 1であった。 焼 成物の吸着特性 (5 5°C) 測定により、 図 21に示すような吸着等温線が得られ た。 焼成物の CN分析により、 炭素: 3. 2重量%、 窒素: 1. 1重量。/。を含有 していることが確認された。焼成物の有効水吸着量は、 16. 7重量%であった。 焼成物の耐久性試験— 3後に行った XRD測定により、 図 22に示すような CH A構造を示す XRDパターンが得られた。 焼成物の耐久性試験一 3後の有効水吸 着量は、 1 5. 5重量。/。であった。 又、 焼成物の重量減少率 (g l) 及ぴ重量減 少率 (g 2) を測定した。 これらの結果を表 2に示す。
(実施例 2— 3 )
実施例 2— 2において、 焼成ガスを窒素、 焼成温度を 450°Cとした以外は、 実施例 2— 2と同様に焼成を行い、 炭素含有鉄シリコアルミノフォスフェートを 得た。
焼成物の XRD測定により、 図 1 3に示すような CHA構造 (FD 14. 5 T/nm3) を示す XRDパターンが得られた。 上記式 4から求めた細孔利用率 2は 0. 85であった。 焼成物の CN分析により、 炭素: 5. 0重量 °/0を含有し ていることが確認されたが、 窒素は検出下限 (0. 3重量%) 以下であった。 焼
成物の有効水吸着量は、 1 5. 7重量。/。であった。 焼成物の耐久性試験一 3後に 行った XRD測定により、 図 24に示すような C.HA構造を示す XRDパターン が得られた。 焼成物の耐久性試験一 3後の有効水吸着量は、 1 5. 7重量。/。であ つた。 焼成物の耐久性試験— 2後に行つた X R D測定により、 図 25に示すよう な CHA構造を示す XRDパターンが得られた。 又、焼成物の重量減少率(g 1) 及び重量減少率 (g 2) を測定した。 これらの結果を表 2に示す。
(比較例 2— 1 )
実施例 2— 1と同様の方法で水熱合成し、 乾燥した固体を空気流通下、 焼成温 度を 550°Cとした以外は、 実施例 2 _ 1と同様にして焼成を行い、 炭素を含有 しないシリコアルミノフォスフエ一トを得た。
焼成物の XRD測定により、 図 26に示すような CHA構造 (FD 14. 5 TZnm3) を示す XRDパターンが得られた。 上記式 3, 4から求めた細孔利 用率 1, 2はいずれも 1であった。 焼成物の CN分析により、 炭素及び窒素とも 検出下限 (0. 3重量%) 以下であった。 焼成物の有効水吸着量は、 22. 8重 量%であった。 焼成物の耐久性試験一 3後に行った XRD測定により、 図 27に 示すようなアモルファス状態を示す XRDパターンが得られた。 このことから、 焼成物の細孔構造が破壌されており、 吸着容量が著しく低下していると考えられ る。 又、 焼成物の重量減少率 (g l) 及び重量減少率 (g 2) を測定した。 これ らの結果を表 2に示す。
(比較例 2— 2 )
実施例 2— 2と同様の方法で水熱合成し、 乾燥した固体を窒素で希釈した空気 流通下 (酸素濃度 7 V o 1 %、 GHSV =約 6000 h r -1) 、 焼成温度を 55 0°Cとした以外は、 実施例 2— 2と同様に焼成を行い、 炭素を含有しない鉄シリ コアルミノフォスフエ一トを得た。
焼成物の XRD測定により、 図 28に示すような CHA構造 (FD 14. 5 T/nm3) を示す XRDパターンが得られた。 上記式 3, 4から求めた細孔利
用率 1, 2はいずれも 1であった。 焼成物の CN分析により、 炭素及び窒素とも 検出下限 (0. 3重量%) 以下であった。 焼成物の有効水吸着量は、 18. 3重 量%であった。 焼成物の耐久性試験一 3後に行った XRD測定により、 図 29に 示すようなアモルファス状態を示す X R Dパターンが得られた。 焼成物の耐久性 試験 _ 3後に行った有効水吸着量は、 6. 8重量%であった。 焼成物の耐久性試 験 _ 2後に行った XRD測定により、 図 30に示すようなアモルファス状態を示 す XRDパターンが得られた。 このことから、 焼成物の細孔構造が破壌されてお り、 吸着容量が著しく低下していると考えられる。 又、 焼成物の重量減少率 (g 1) 及び重量減少率 (g 2) を測定した。 これらの結果を表 2に示す。
(比較例 2— 3 )
実施例 2— 2と同様に水熱合成し、 乾燥した固体を、 窒素気流下で焼成温度を 325 °Cとした以外は、 実施例 2— 2と同様に焼成を行い、 本発明の範囲を超え て炭素を含有する鉄シリコアルミノフォスフェートを得た。
焼成物の XRD測定により、 CHA構造 (FD 14. 5 T/nm3) が確認 された。 上記式 4から求めた細孔利用率 2は 0. 57であった。 焼成物の CN分 析により、 炭素: 8. 9重量。 /0、 窒素: 1. 9重量%を含有していることが確認 された。 焼成物の有効水吸着量は、 10. 5重量。/。であった。 又、 焼成物の重量 減少率 (g l) 及び重量減少率 (g 2) を測定した。 表 2に結果を示す。 このこ とから、 本発明の範囲を超えて炭素を含有すると吸着量が少ないことは明らかで ある。
(比較例 2— 4 )
米国特許 6395674の実施例 5に従って、 SAP O— 34の前駆体の焼成 を行って SAP O— 34を得た。
即ち、 水 1 8 gに 85 %リン酸 1 5. 4 gおよび擬ベーマイト (水 25重量0 /0 含有) 9. 2 gをゆつくり加え、撹拌した。 さらに水 10 gを加え 1時間撹拌し、 これを A液とした。 A液とは別に f time dシリカ (ァエロジル 200) 4. 1
g、 モルホリン 1 1. 6 g、 水 1 5 gを混合した液を作り、 これを A液にゆつく りと加えた。 さらにこれに水 24 gを加え、 3時間撹拌した。 得られた混合物を テフロン内筒の入った 2 O Om lステンレス製ォートクレープに仕込み、 20 0°Cで 24時間反応させた。 反応後、 冷却してデカンテーシヨンにより上澄みを 除去し、 沈殿物を回収した。 得られた沈殿物を水で 3回洗浄した後、 濾別し、 1 20°Cで 1 2時間乾燥した。 得られた固体は粉末 X線回折測定により純粋な CH A構造 (FD 14. 5 T/nm3) であることが確認された。 その固体を米国 特許 6395674号公報 実施例 5に記載されているように、 H e気流中、 4 50°Cで 1時間焼成し、炭素含有量が 8.5重量%である SAP O— 34を得た。 又、 焼成物の重量減少率 (g l) 及び重量減少率 (g 2) を測定した。 表 2に結 果を示す。
結果を表 2に示す。
(比較例 2— 5 )
He気流中での焼成温度を 625 °Cとした以外は比較例 2— 4と同様にして、 米国特許 63956 74号公報 実施例 5に記載されている S A P O— 34を得 た。 又、 焼成物の重量減少率 (g 1) 及び重量減少率 (g 2) を測定した。 表 2 に結果を示す。
(比較例 2— 6 )
前記 R.T.Yangら、 Langi uir, 2003, 1—9, 2193— 2200の記載に準じて、 シリコ アルミノフォスフエ一トを合成した。
即ち、 水 52 gに 85%リン酸 5 gを加え、 撹拌しながら、 アルミエゥムィソ プロボキシド 8. 9 gをゆっくりと加え、 3時間攪拌した。 これに、 コロイダ ルシリカ (LUDOX- AS, 40wt% Si02) 4. 55 gを加えた。 さらに、 撹拌しな がら、 イソプロピルアミン 2 5. 6 gを滴下して加え、 以下の組成を有する出 発混合物を得た。
A 1203: P 205: 0. 7 S i 02 : 10 i -P r NH2: 50 H20
こうして得られた出発混合物をテフロン内筒の入った内容積 15 Om 1のステ ンレス製オートクレープに仕込み、 160°Cで 1.20時間反応させた。 反応後、 室温まで冷却して、 デカンテーシヨンより沈殿物を分離し、 濾過、 水洗して生成 物を回収した。
得られた生成物を、 粉末 X線回折測定を行ったところ、 純粋な G I S構造 (F D 15. 3 T/nm3) が確認された。 結果を図 31に示す。
得られた生成物を、 上記文献の表一 2の条件に従って焼成し、 熱重量分析を行 つた。 即ち、 得られた生成物約 1 Omgを熱重量分析計 (島津製作所 TGA— 5 0) を用いて、 H e気流中、 (30 c c/m ί n)、 5 °C/m i nで 325°Cまで 昇温し、 325°Cで 1時間処理したのち、 室温まで冷却した。 そののち、 He気 流を A i r気流 (30 c c/m i n) に切り替え、 10°CZm i nで 700°Cま で昇温し、 得られた焼成物の熱重量分析を行った。 結果を表 2に示す。
(比較例 2— 7 )
上記文献の表一 2の条件に従って、 He気流中での昇温速度を 40°CZm i n とした以外は比較例 2 _ 6と同様に H e気流中でめ焼成を行い、 得られた焼成物 について、 A i r気流中での熱重量分析を行った。 結果を表 2に示す。
(比較例 2— 8 )
先ず、 水 30 gに 85 %リン酸 16. 1 g及ぴ擬ベーマイト ( 25。/。水含有、 コンデァ製) 9. 52 gをゆっくりと加え、 攪拌した。 これを B液とした。 B液 とは別に、 f ume dシリカ (ァエロジル 200) 2. 52 g、 モルホリン 6. l g、 トリェチルァミン 7. 1 g及び水 40 gを混合した液を調製した。 これを B液にゆつく りと加えて、 3時間攪拌し、以下の組成を有する出発反応物を得た。
0.6S i 02: A 1203: 1P 205: 1モルホリン: 1トリエチルアミン: 60H2
O
得られた出発反応物をテフロン (登録商標) 内筒の入った 200 c cのステン レス製オートクレープに仕込み、 回転させながら.1 90°Cで 24時間反応させた 後、 200°Cに昇温して 24時間反応させた。 反応後冷却して、 デカンテーショ ンにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。沈殿物を水で 3回洗浄した後濾別し、 1 20°Cで乾燥した。 乾燥した固体 (シリコアルミノフォスフェート前駆体) の 元素分析を行った。 その結果、 アルミニウムとリンとケィ素の合計に対する各成 分の構成割合 (モル比) は、 ケィ素が 1 1. 6%、 アルミニウムが 49. 0%、 リンが 3 9. 4%であった。
次に、 得られた固体 (シリコアルミノフォスフェート前駆体) を、 焼成ガスと して窒素、 焼成温度を 450°Cとした以外は実施例 2— 1と同様に焼成処理を行 い、 焼成物を得た。
焼成物の XRD測定により、 CHA構造 (FD 14. 5 T/nm3) である ことが確認された。 上記式 3から求めた細孔利用率 1は 0. 83であり、 上記式 4から求めた細孔利用率 2は 0. 77であった。焼成物の CN分析により、炭素: 7. 5重量 °/0、 窒素: 0. 6重量%を含有していることが確認された。 焼成物の 有効水吸着量は、 14. 0重量%であった。 焼成物の耐久性試験— 3後に行った XRD測定により、 CHA構造であることが確認された。 焼成物の耐久性試験一 3後の有効水吸着量は、 1 2. 0重量%であった。 又、 焼成物の重量減少率 (g 1) 及び重量減少率 (g 2) を測定した。 これらの結果を表 2に示す。
(比較例 2— 9 )
米国特許第 4,440,871号公報に従い、 AFI構造を有するシリコアルミノフォス フエ一トの合成を行った。
即ち、 7. 69 gの 8 5重量0 /0リン酸と 33. 29 gの水を混合し、 4. 58 gの擬ベーマイトを加え、 均質になるまで混合し、 3時間撹拌を継続した。 次い でこの混合物に 3 7重量0 /oHC 1 1. 08 gを加え、 次いでフュームドシリカ (ァエロジル 200) 2. 1 6 gを加え、均質になるまで混合した。最後に 1 8. 6 gの 35M量0 /oテトラェチルアンモニゥムハイ ドロォキサイド (TEAOH)
水溶液を加え、 均質になるまで撹拌した。 この反応混合物の一部をテフロンでラ イニングしたステンレス鋼製のオートクレーブに封入し、 オーブン中で 1 50°C で 1 68時間加熱した。 固体反応生成物をデカンテーシヨン、 水洗、 濾過により 回収し、 水洗した。 得られた固体を室温で空気中にて乾燥した。 XRD測定によ り、 ほぼ純粋な AF I構造 (FD 1 7. 3 T/nm3) であることが確認され た。 得られた焼成物の窒素含有量は 1. 0重量%、 炭素含有量は 7. 2重量%、 C/N重量比は 7. 20であった。 また、 又、 焼成物の重量減少率 (g 1) 及び 重量減少率 (g 2) を測定した。 結果を表 2に示す。
表 2
* a :耐久性試験一 3後、 b :耐久性試験一 2、 3後とも
* 上記表中、 SAPOは、 シリコアルミノフォスフェートを、 FAPSOは、 鉄シリコアルミノフォスフェートを意味する 氺 文献 (1 : R. T. Yanqら、 Lanqmuir, 2003, 19, 2193-2200
尚、上記実施例 1 _ 1〜 1一 3で得られた鉄含有アルミノフォスフェート及び、 実施例 2— 1〜2— 3で得られた炭素含有シリ コアルミノフォスフエ一ト及び炭 素含有鉄シリコアルミノフォスフェートは、 下記に従って繰り返し耐久性試験を 行つた場合、 該試験前の結晶構造が保持されるものである。 繰り返し耐久試験:
ゼォライトを 90°Cに保たれた真空容器内に保持し、 真空状態と 90°Cの飽和水 蒸気雰囲気にそれぞれ 90秒曝す操作を 500回繰り返す。
又、 上記に従って繰り返し耐久性試験を行った場合、 25°Cにおける相対蒸気 圧 0. 5における水蒸気吸着量が試験前の 80%以上である。 本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、 本発明の意図と範囲を離れる ことなく様々な変更および変形が可能であることは、 当業者にとって明らかであ る。
なお、 本出願は、 2003年 6月 20日付けで出願された日本特許出願 (特願 2003— 176318)、2003年 6月 200付けで出願された日本特許出願 (特願 2003— 1 76319) に基づいており、 その全体が引用により援用さ れる。 ぐ産業上の利用可能性 >
本発明のゼォライ トによれば、 特に吸着材として使用した場合に、 吸着容量が 大きく且つ繰り返しの使用に伴う粒子の粉化、 結晶構造の破壊やそれに伴う吸着 容量の低下が起こらないという優れた効果を有する。
また、 本発明のゼォライトを含有する吸着材を利用する熱利用システムは、 上 記本発明のゼォライ トを含有する吸着材を用いていることにより、 システムの耐 久性に優れるという効果を有する。