JP2022108644A - 炭化水素吸着剤及び炭化水素の吸着方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】、高温環境でも高い炭化水素吸着率を示す炭化水素吸着剤、又は該炭化水素吸着剤を使用する炭化水素の吸着方法を提供すること。【解決手段】YO2-X2O3で表され、銅と、希土類と、を含有するゼオライトを含む炭化水素吸着剤であって、Yは4価の元素であり、Xは3価の元素であり、前記銅の含有量が、前記ゼオライト100質量%に対して、0.5質量%以上4質量%以下であり、Xに対する前記希土類のモル比が、0.005以上0.1以下であることを特徴とする、炭化水素吸着剤。【選択図】図1

Description

本開示は、炭化水素吸着剤及び炭化水素の吸着方法に関する。
自動車や船舶などの移動体に使用されている内燃機関から排出される排ガスは炭化水素を多く含む。内燃機関から排出される炭化水素は三元触媒により浄化される。三元触媒が機能するためには200℃以上の温度環境が必要であるため、いわゆるコールドスタート時など、三元触媒が機能しない温度域では炭化水素吸着剤に炭化水素を吸着し、三元触媒が機能し始める温度域で吸着剤から炭化水素を放出し、これを三元触媒で分解・浄化している。炭化水素吸着剤にはゼオライトを含む組成物が一般的に使用されているが、該組成物としては、炭化水素の脱離開始温度が高いほど三元触媒の活性が高い状態で炭化水素を放出することになり、炭化水素の浄化に対し有利に働くため、炭化水素の脱離開始温度が高い組成物が求められている。
特許文献1では、炭化水素の脱離開始温度が高い組成物として、銅を含有するFAU型ゼオライトを含む組成物が提案されている。
特開2019-150822号公報
しかしながら、特許文献1に記載のゼオライトは、熱水雰囲気での耐久性、特に900℃程度の高温での耐久性が不十分であった。一般に、ゼオライトは高温高湿環境下でアルミニウムなどの骨格原子の一部が脱離して結晶性が低下するため、炭化水素の吸着脱離量が低下することが知られている。その結果、自動車の排気系統のような高温環境では炭化水素吸着率が低下する傾向がある。
本開示は、高温環境でも高い炭化水素吸着率を示す炭化水素吸着剤、又は該炭化水素吸着剤の使用する炭化水素の吸着方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、高温環境でも高い炭化水素吸着率を示す、下記の炭化水素吸着剤を見出した。
すなわち、本発明は特許請求の範囲のとおりであり、また、本開示の要旨は以下のとおりである。
[1] YO-Xで表され、銅と、希土類と、を含有するゼオライトを含む炭化水素吸着剤であって、Yは4価の元素であり、Xは3価の元素であり、前記銅の含有量が、前記ゼオライト100質量%に対して、0.5質量%以上4質量%以下であり、Xに対する前記希土類のモル比が、0.005以上0.1以下であることを特徴とする、炭化水素吸着剤。
[2] 前記ゼオライトのXに対するYOのモル比(YO/X比)が2以上100以下である、[1]に記載の炭化水素吸着剤。
[3] 前記希土類が、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムの群から選ばれるいずれか1種以上である、[1]又は[2]に記載の炭化水素吸着剤。
[4] 前記ゼオライトが、10員環以上の環構造を有する、[1]乃至[3]のいずれかに記載の炭化水素吸着剤。
[5] 前記ゼオライトが、BEA構造、MFI構造、MOR構造、YFI構造及びFAU構造の群から選ばれるいずれか1種以上の構造を有する、[1]乃至[4]のいずれかに記載の炭化水素吸着剤。
[6] 上記の[1]乃至[5]のいずれかに記載の炭化水素吸着剤を使用する炭化水素の吸着方法。
本開示は、高温環境でも高い炭化水素吸着率を示す炭化水素吸着剤、又は該炭化水素吸着剤を使用する炭化水素の吸着方法を提供することを目的とする。
炭化水素吸着剤中のアルミニウムに対するセリウムのモル比と炭化水素吸着率の関係を表すグラフである。
以下、本開示の炭化水素吸着剤について、実施形態の一例を示して説明する。
本実施形態の炭化水素吸着剤は、YO-Xで表され、銅と、希土類と、を含有するゼオライトを含む炭化水素吸着剤であって、Yは4価の元素であり、Xは3価の元素であり、前記銅の含有量が、前記ゼオライト100質量%に対して、0.5質量%以上4質量%以下であり、Xに対する前記希土類のモル比が、0.005以上0.1以下であることを特徴とする。
本実施形態の炭化水素吸着剤は、その構成要件に基づいて、高温環境でも高い炭化水素吸着率を示すものとなる。
(ゼオライト)
本実施形態において、ゼオライトは、骨格原子(以下、「T原子」ともいう。)が酸素(O)を介した規則的構造を有する化合物であり、T原子が金属原子、半金属原子及びそれ以外の原子の少なくともいずれかからなる化合物である。金属原子として、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)及びチタン(Ti)の群から選ばれるいずれか1種以上やホウ素(B)、その他遷移金属元素が例示でき、半金属原子として、ホウ素(B)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)及びテルル(Te)の群から選ばれるいずれか1種以上が例示でき、それ以外の原子としてリン(P)が例示できる。
本実施形態の炭化水素吸着剤に含まれるゼオライトは、結晶性アルミノシリケートである。結晶性アルミノシリケートは、アルミニウム(Al)とケイ素(Si)とが酸素(O)を介したネットワークの繰り返しからなる結晶構造を有する。すなわち、本実施形態の炭化水素吸着剤に含まれるゼオライトはYOとしてSiOを、XとしてAlを含み、YはSiであり、XはAlである。本実施形態の炭化水素吸着材に含まれるゼオライトはアルミノシリケート以外にも、フェロシリケート、ガロシリケート等のメタロシリケートや、SAPO(シリコアルミノリン酸塩)やAlPO(アルミノリン酸塩)等のゼオライト類縁物質で構成されていてもよい。
以下では、本実施形態の炭化水素吸着剤に含まれるゼオライトは、結晶性アルミノシリケートであるものとして記述する。
ゼオライトの骨格構造(結晶構造と互換的に使用され、以下、「ゼオライト構造」ともいう。)は、国際ゼオライト学会(International ZeoliteAssociation)のStructure Commissionが定めている構造コード(以下、単に「構造コード」ともいう。)で特定される骨格構造であり、Collection of simulated XRD powder patterns for zeolites,Fifth revised edition(2007)に記載された各ゼオライト構造のXRDパターン(以下、「参照パターン」ともいう。)と、対象とするゼオライトのXRDパターンとの対比によって、同定できる。
本実施形態において、XRDパターンは以下の条件のXRD測定より得られるものが挙げられる。
加速電流・電圧 : 40mA・40kV
線源 : CuKα線(λ=1.5405Å)
測定モード : 連続スキャン
スキャン条件 : 40°/分
測定範囲 : 2θ=3°から43°
発散縦制限スリット : 10mm
発散/入射スリット : 1°
受光スリット : open
受光ソーラースリット : 5°
検出器 : D/teX Ultra
Niフィルター使用
本実施形態の炭化水素吸着剤に含まれるゼオライトのアルミナに対するシリカのモル比(以下、「SiO/Al比」ともいう。)は、炭化水素の脱離開始温度の高い点で、下限値が5であることが好ましく、上限値が35、20、18、15、10であることが順に好ましくなる。
本実施形態の炭化水素吸着剤に含まれるゼオライトは、炭化水素の脱離開始温度が高い点で、BET比表面積の下限値が200m/g、300m/gの順に好ましくなり、上限値が700m/g以下、800m/gの順に好ましくなる。
本実施形態の炭化水素吸着剤に含まれるゼオライトは、例えば、BEA構造、MFI構造、FAU構造、FER構造及びMOR構造の群から選ばれるいずれか1種以上のゼオライト構造を有することが挙げられ、炭化水素の脱離開始温度の高い点で、BEA構造、MFI構造、FAU構造及びMOR構造の群から選ばれるいずれか1種以上のゼオライト構造を有することが好ましい。本実施形態においては、特定のゼオライト構造からなるゼオライトを「~型ゼオライト」ともいい、例えばFAU構造からなるゼオライトをFAU型ゼオライトともいう。FAU型ゼオライトとして、ゼオライトX、ゼオライトLSX、ゼオライトY及びゼオライトUSYなどが挙げられ、好ましくはゼオライトY及びゼオライトUSYの少なくともいずれかである。本実施形態の炭化水素吸着剤に含まれるゼオライトは、上記のゼオライト構造のうち2以上を有する連晶体で構成されていてもよい。
本実施形態の炭化水素吸着剤に含まれるゼオライトは、平均結晶径が0.1μm以上であることが挙げられ、0.3μm以上であることが好ましい。還元雰囲気のみならず高温高湿の酸化雰囲気への暴露後における炭化水素吸着特性が高くなる傾向があるため、ゼオライトの平均結晶径は0.4μm以上であることがより好ましく、0.5μm以上であることが更に好ましい。
吸着剤担体への塗布性などの操作性を改善する観点からゼオライトの平均結晶径は2.5μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることがより好ましく、1.0μm以下であることが更に好ましい。還元雰囲気と酸化雰囲気の何れの高温高湿雰囲気への暴露後においても高い炭化水素吸着特性を示すため、ゼオライトは、平均結晶径が0.4μm以上2.0μm以下であることが好ましく、0.6μm以上0.9μm以下であることが特に好ましい。
本実施形態において、ゼオライトの平均結晶径は一次粒子の平均粒子径である。一次粒子の粒子径は、走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」ともいう。)観察により得られたSEM観察像で確認された一次粒子の粒子径であり、平均結晶径は当該一次粒子の粒子径の平均値である。平均結晶径の測定方法として、3,000倍以上20,000倍以下の倍率で観察された一次粒子80個以上150個以下を抽出し、当該一次粒子の粒子径を計測し、その平均値を平均結晶径とする方法が挙げられる。粒子径を計測する一次粒子の抽出にあたり、使用されるSEM観察像の数は1以上であればよい。
(銅希土類含有ゼオライト)
本実施形態の炭化水素吸着剤に含まれるゼオライトは、銅及び希土類を含有する。銅及び希土類を含有するゼオライト(以下、「銅希土類含有ゼオライト」ともいう。)は、銅及び希土類を含有しないゼオライトと比較して、水熱耐久後の炭化水素の保持力・吸着率に優れる。ゼオライトが銅及び希土類を含有することで、ゼオライトの骨格Alの安定化により結晶性が維持されることや、水熱耐久時の銅のシンタリングが抑制されることが考えられる。
本実施形態の炭化水素吸着剤に含まれるゼオライトは、銅を含有する。銅を含有するゼオライト(以下、「銅含有ゼオライト」ともいう。)は、銅を含有しないゼオライトと比較して、炭化水素の保持力に優れる。銅を含有しないゼオライトを含む炭化水素吸着剤に吸着された殆どの炭化水素は、炭化水素吸着剤の温度上昇に伴って容易に放出される。ゼオライトが銅を含有することで炭化水素とゼオライトの相互作用がより強くなり、これを含む炭化水素吸着剤に吸着された炭化水素が炭化水素吸着剤から放出されにくくなると考えられる。
本実施形態において、ゼオライトに含有される銅の状態は、二価の銅(Cu2+)であることが好ましく、分散性の高い二価の銅(以下、「分散銅」ともいう。)であることがより好ましい。分散銅としてCu2+イオン及びCuOクラスターの少なくともいずれかが挙げられ、Cu2+イオンであることが好ましい。
炭化水素吸着剤に含まれるゼオライトの銅含有量は、下限値が0.5質量%、1.0質量%又は1.5質量%であることが順に好ましくなり、上限値が4.0質量%、3.0質量%又は2.8質量%であることが順に好ましくなる。
本実施形態において、炭化水素吸着剤に含まれるゼオライトの銅含有量は、該ゼオライトに含有される希土類以外の金属および半金属を酸化物換算した質量に対する、銅の質量割合である。例えば、銅(Cu)及びアルカリ金属(M)を含有する炭化水素吸着剤の銅含有量は以下の式から求めることができる。
銅含有量(質量%)=W‘Cu/(WAl+WSi+W+WCu)×100
上式において、W‘Cuは炭化水素吸着剤に含まれるゼオライト中の銅(Cu)の含有量である。WAl、WSi、W及びWCuはそれぞれ、炭化水素吸着剤に含まれるゼオライト中のアルミニウム(Al)を酸化物(Al)換算した質量、ケイ素(Si)を酸化物(SiO)換算した質量、アルカリ金属(M)を酸化物(MO)換算した質量、及び銅を酸化物(CuO)換算した質量である。
本実施形態の炭化水素吸着剤に含まれるゼオライトは、希土類を含有する。本実施形態において、ゼオライトに含有される希土類の状態は、4価又は5価の希土類であることが好ましく、分散性の高い希土類(以下、「分散希土類」ともいう。)であることがより好ましい。分散希土類として希土類イオン及び希土類酸化物クラスターの少なくともいずれかが挙げられ、希土類イオンであることが好ましい。
本実施形態の炭化水素吸着剤に含まれるゼオライトに含有される希土類とは、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、ネオジウム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムを意味し、これらの群から選ばれるいずれか1種以上を含有することが好ましく、セリウム及びツリウムの少なくともいずれかであることがより好ましい。希土類の含有量は、炭化水素吸着率が向上する点で、炭化水素吸着剤に含まれるゼオライト中のXに対するモル比が0.005以上0.1以下、0.01以上0.09以下、0.02以上0.08以下、又は、0.03以上0.06以下とすることが順に好ましくなる。
本実施形態の炭化水素吸着剤に含まれるゼオライトは、アルカリ金属を含んでいてもよい。アルカリ金属としては特に限定されるものではないが、例えば、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムの群から選ばれるいずれか1種以上が挙げられる。一例として、当該炭化水素吸着剤に含まれるゼオライトの水熱合成の際に、原料組成物に由来してゼオライトに含有されるアルカリ金属を含んでいてもよい。
本実施形態の炭化水素吸着剤は、上記以外の成分を含んでいてもよい。上記以外の成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、バインダー等が挙げられる。
(炭化水素吸着剤の製造方法)
次に、本実施形態の炭化水素吸着剤の製造方法について説明する。
本実施形態の炭化水素吸着剤は、ゼオライトに銅を含有させる銅含有工程と、前記銅含有工程後のゼオライトに希土類を含有させる希土類含有工程と、を有する製造方法により得ることができる。
(ゼオライトの製造方法)
本実施形態に供するゼオライトの製造方法は、特に限定されない。例えば、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源、及び、水を含む組成物(以下、「原料組成物」ともいう。)を水熱処理することで結晶化物を得る結晶化工程、を有する製造方法により得られたゼオライトが挙げられる。
シリカ源としては、ケイ素を含有する塩及び化合物の少なくともいずれかであればよく、例えば、コロイダルシリカ、無定形シリカ、珪酸ナトリウム、テトラエチルオルトシリケート及びアルミノシリケートゲルからなる群の少なくとも1種が挙げられ、これらのうち、コロイダルシリカ及び無定形シリカの少なくともいずれかが好ましい。
アルミナ源としては、アルミニウムを含有する塩及び化合物の少なくともいずれかであればよく、例えば、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミノシリケートゲル及び金属アルミニウムからなる群の少なくとも1種が挙げられ、これらのうち、水酸化アルミニウム及び硫酸アルミニウムの少なくともいずれかが好ましい。
前記のアルカリ源としては、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウムの水酸化物、ハロゲン化物及び炭酸塩などの各種の塩の群から選ばれる1以上が挙げられる。
前記の原料組成物は必要に応じて構造指向剤(以下、「SDA」ともいう。)を含んでいてもよい。構造指向剤としては、例えば、N,N,N-トリメチル-(+)-シス-ミルタニルアンモニウムカチオン、ヘキサメトニウムカチオン、1,1-ジアルキル-4-アルキルシクロヘキシルピペラジン-1-イウムカチオン、1,1-ジアルキル-4-シクロヘキシルピペラジン-1-イウムカチオン、1,1’-((3as,6as)-オクタヒドロペンタレン-2,5-ジイル)ビス(1-メチルピペリジン-1-イウム)カチオン、1,1’-(ブタン-1,4-ジイル)ビス(1-メチルピペリジン-1-イウム)カチオン、1,1’-(ペンタン-1,5-ジイル)ビス(1-メチルピペリジン-1-イウム)、1,1’-(ヘキサン-1,6-ジイル)ビス(1-メチルピペリジン-1-イウム)カチオン、3-ヒドロキシ-1-(4-(1-メチルピペリジン-1-イウム-1-イル)ブチル)キヌキクジン-1-イウムカチオン、3-ヒドロキシ-1-(5-(1-メチルピペリジン-1-イウム-1-イル)ペンチル)キヌキクジン-1-イウムカチオン、N,N,N,N-テトラエチルビシクロ[2.2.2]-オクト-7-エン-ジピロリジニウム、N,N-ジメチル-N’-シクロヘキシルピペラジニウムカチオン、ジメチルジプロピルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、1,6-ビス(N-シクロヘキシルピロリジニウム)ヘキサンジカチオン、1,4-ビス(N-シクロヘキシルピペリジニウム)ブタンジカチオン、1,4-ビス(N-シクロヘキシルピロリジニウム)ブタンジカチオン、1,4-ビス(N-シクロペンチルピペリジニウム)ブタンジカチオン、1,5-ビス(N,N-ジメチルシクロヘキシルアンモニウム)ペンタンジカチオン、N,N,N-トリメチルトリシクロ[5.2.1.0]-デカンアンモニウム、(6R,10S)-6,10-ジメチル-5-アゾニアスピロ[4.5]デカンカチオンの群から選ばれる1以上が挙げられる。SDAはフルオライド、クロリド、ブロミド、ヨージド、ヒドロキシドの群から選ばれる1以上のアニオンと対を形成した塩として原料組成物に含まれていればよい(以下、SDAの塩を「SDAX」ともいう)。好ましくは、原料組成物は以下のモル組成を有する。以下の組成において、SDAXはSDAの塩、Xはフッ素以外のアニオンである。
SiO/Al比 =2以上500以下
SDAX/SiO比 =0.00以上0.80以下
Na/SiO比 =0.00以上0.80以下
K/SiO比 =0.00以上0.80以下
X/SiO比 =0.00以上2.0以下
HF/SiO比 =0.00以上1.0以下
O/SiO比 =2以上100以下
本実施形態のゼオライトの製造方法において、上記原料組成物は、種結晶を含むことが好ましい。種結晶を含むことにより、ゼオライトの結晶化速度が速くなり、ゼオライト製造における時間が短縮でき、収率が向上する。
ゼオライトの種結晶は、LTL構造、LTA構造、MOR構造、MFI構造、*BEA構造、FAU構造、CHA構造及びYFI構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を有するゼオライトであることが好ましい。
種結晶のSiO/Alモル比は、2以上100以下であることが好ましく、3以上60以下であることがより好ましい。
種結晶の含有量は、少ない方が好ましいが、反応速度や不純物の抑制効果等を考慮すると、0.1~60質量%であることが好ましく、0.5~40質量%であることがより好ましい。
原料組成物に対する種結晶の含有量(以下、「種結晶含有量」ともいう。)は、原料組成物に含まれるケイ素(Si)をSiOとして換算した質量から、種結晶含有量(質量%)=(ゼオライトのSiO質量)/(全原料組成物中のSiO質量)×100で求められる。
(結晶化工程)
結晶化工程では、上記の原料組成物を水熱処理することにより結晶化する。水熱処理の条件としては特に限定されないが、例えば、以下の条件を挙げることができる。
温度 : 80℃以上200℃以下
時間 : 1時間~10日
圧力 : 自生圧
上記の水熱処理によって原料組成物が結晶化し、ゼオライトが得られる。得られたゼオライトは、任意の方法で回収、洗浄、乾燥、及び焼成の各工程に供されてもよく、更には、脱アルミニウム処理してSiO/Al比を任意の値としてもよい。
ゼオライトがSDAを含む場合は、炭化水素の脱離開始温度が高くなる傾向がある点で、結晶化後にゼオライトを焼成に供し、ゼオライト中のSDAを除去することが好ましい。焼成条件は任意であるが、焼成条件として、酸化雰囲気中、焼成温度400℃以上800℃以下、焼成時間0.5時間以上12時間以下を挙げることができる。
(銅添加工程)
銅添加工程は、ゼオライトと銅源とを接触させる銅源接触工程と、銅源接触工程後のゼオライトを焼成する焼成工程と、を有する。
銅源接触工程において、銅源は銅(Cu)を含む化合物であり、銅の塩であることが好ましく、銅を含む硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、錯塩、酸化物及び複合酸化物の群から選ばれるいずれか1種以上であることがより好ましく、硝酸銅、硫酸銅及び酢酸銅の群から選ばれるいずれか1種以上であることが更に好ましい。
ゼオライトの銅含有量は、下限値が0.5質量%、1.0質量%又は1.5質量%であることが順に好ましくなり、上限値が4.0質量%、3.0質量%又は2.8質量%とすることが順に好ましくなる。
ゼオライトと銅源との接触方法は公知の方法を適用することができ、イオン交換法、含浸担持法、蒸発乾固法、沈殿担持法及び物理混合法の群から選ばれるいずれか1種以上が挙げられ、イオン交換法及び含浸担持法のいずれか1種以上であることが好ましく、含浸担持法であることがより好ましい。
ゼオライトと銅源との接触後、ゼオライトは任意の方法で洗浄及び乾燥してもよい。洗浄方法として十分量の水による洗浄が挙げられ、乾燥方法として空気中100℃~150℃以下で5時間~30時間処理することが挙げられる。
焼成工程における焼成条件は任意であるが、以下の条件を挙げることができる。
焼成雰囲気 : 酸化雰囲気、好ましくは空気中
焼成温度 : 400℃以上600℃以下
焼成時間 : 30分以上5時間以下
焼成工程は空気流通下で行うことが好ましく、流通させる空気は低含水率であることがましい。低含水率の空気中で焼成することで、銅と結晶構造の骨格を構成するアルミニウムとの相互作用が強くなる傾向があり、耐熱性が向上しやすくなる。流通させる空気の好ましい含水率としては0.7体積%以下、より好ましくは0.5体積%以下、更に好ましくは0.3体積%以下である。
(希土類添加工程)
希土類添加工程は、上記銅添加工程後のゼオライトと希土類源とを接触させる希土類源接触工程と、希土類源接触工程後のゼオライトを焼成する焼成工程と、を有する。
希土類源接触工程において、希土類源は希土類を含む化合物であり、希土類の塩であることが好ましく、希土類を含む硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、錯塩、酸化物及び複合酸化物の群から選ばれるいずれか1種以上であることがより好ましく、硝酸塩、硫酸塩及び酢酸塩の群から選ばれるいずれか1種以上であることが更に好ましい。
希土類の含有量は、炭化水素吸着率が向上する点で、炭化水素吸着剤に含まれるゼオライト中のXに対するモル比が0.005以上0.1以下、0.01以上0.09以下、0.02以上0.08以下又は0.03以上0.06以下とすることが順に好ましくなる。
ゼオライトと希土類源との接触方法は公知の方法を適用することができ、イオン交換法、含浸担持法、蒸発乾固法、沈殿担持法及び物理混合法の群から選ばれるいずれか1種以上が挙げられ、イオン交換法及び含浸担持法のいずれか1種以上であることが好ましく、含浸担持法であることがより好ましい。
ゼオライトと希土類源との接触後、ゼオライトは任意の方法で洗浄及び乾燥してもよい。洗浄方法として十分量の水による洗浄が挙げられ、乾燥方法として空気中100℃~150℃以下で5時間~30時間処理することが挙げられる。
焼成工程における焼成条件は任意であるが、以下の条件を挙げることができる。
焼成雰囲気 : 酸化雰囲気、好ましくは空気中
焼成温度 : 400℃以上600以下
焼成時間 : 30分以上5時間以下
焼成工程は空気流通下で行うことが好ましく、流通させる空気は低含水率であることがましい。低含水率の空気中で焼成することで、銅と結晶構造の骨格を構成するアルミニウムとの相互作用が強くなる傾向があり、耐熱性が向上しやすくなる。流通させる空気の好ましい含水率としては0.7体積%以下、より好ましくは0.5体積%以下、更に好ましくは0.3体積%以下である。
(炭化水素吸着剤)
本実施形態の炭化水素吸着剤は用途に応じた任意の形状であればよく、粉末及び成形体の少なくともいずれかが挙げられる。具体的な成形体の形状として、球状、略球状、楕円状、円板状、円柱状、多面体状、不定形状及び花弁状からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。
炭化水素吸着剤を粉末として利用する場合、上記の炭化水素吸着剤を水やアルコール等の溶媒に混合してスラリーとし、当該スラリーを基材にコーティングした吸着部材とすることができる。
本実施形態の炭化水素吸着剤を成形体とする場合、上記の炭化水素吸着剤を、必要によりバインダーと混合し、任意の方法で成形すればよい。好ましくは、バインダーは、例えばシリカ、アルミナ、カオリン、アタパルジャイト、モンモリロナイト、ベントナイト、アロェン及びセピオライトからなる群の少なくとも1種が挙げられる。成形方法は、例えば、転動造粒成形、プレス成形、押し出し成形、射出成形、鋳込み成形及びシート成形からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。
本実施形態の炭化水素吸着剤は、炭化水素の吸着方法に使用でき、炭化水素吸着剤が高温に暴露される環境下における炭化水素の吸着方法に使用することが好ましく、内燃機関の排ガスからの炭化水素の吸着方法に使用することがより好ましく、移動体の内燃機関の排ガスからの炭化水素の吸着方法に使用することが更に好ましい。
本実施形態の炭化水素吸着剤は、炭化水素含有流体と本実施形態の炭化水素吸着剤とを接触させる工程(以下、「接触工程」ともいう。)を有する方法により、炭化水素を吸着することができる。炭化水素含有流体としては、例えば、炭化水素含有ガス又は炭化水素含有液体を挙げることができる。
本実施形態の炭化水素吸着剤と接触する炭化水素含有ガスは、少なくとも1種の炭化水素を含むガスである。炭化水素含有ガスとしては特に限定されるものではないが、自動車のエンジン等の一般的な内燃機関の排ガス等の燃焼ガスであることが好ましい。
炭化水素含有ガスに含まれる吸着対象の炭化水素としては特に限定されるものではないが、例えば上記燃焼ガスに含まれるものとして、パラフィン、オレフィン及び芳香族炭化水素からなる群の少なくともいずれかが挙げられる。該炭化水素の炭素数は1以上であればよく、1以上15以下であることが好ましい。本実施形態の炭化水素吸着剤は、炭化水素とゼオライトの相互作用の強さに由来して、芳香族炭化水素、オレフィン、パラフィンに対して、この順に高い吸着能を有する。
吸着対象の炭化水素を具体的に例示すると、メタン、エタン、エチレン、プロピレン、ブタン、炭素数5以上の直鎖状パラフィン、炭素数5以上の直鎖状オレフィン、ベンゼン、トルエン及びキシレンからなる群の少なくとも1種であることが挙げられる。特に、燃焼ガスに多く含まれる炭化水素であり、ゼオライトと電気的に強く相互作用する点で、吸着対象の炭化水素として少なくともトルエンを含む炭化水素含有ガスに対して本実施形態の炭化水素吸着剤を適用することが好ましい。
炭化水素含有ガスは更に、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、酸素、窒素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び水からなる群の少なくとも1種を含んでいてもよい。
以下、実施例において本実施形態の炭化水素吸着剤を更に詳細に説明する。しかし、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
(結晶構造の同定)
一般的なX線回折装置(装置名:UltimaIV Protectus、リガク社製)を使用し、以下の条件にて試料のXRD測定を行った。
加速電流・電圧 : 40mA・40kV
線源 : CuKα線(λ=1.5405Å)
測定モード : 連続スキャン
スキャン条件 : 40°/分
測定範囲 : 2θ=3°から43°
発散縦制限スリット : 10mm
発散/入射スリット : 1°
受光スリット : open
受光ソーラースリット : 5°
検出器 : D/teX Ultra
Niフィルター使用
得られたXRDパターンと、参照パターンとを対比することにより、ゼオライト構造を同定した。
(組成分析)
フッ酸と硝酸の混合水溶液に試料を溶解して試料溶液を調製した。一般的なICP装置(装置名:OPTIMA5300DV、PerkinElmer社製)を使用して、当該試料溶液を誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES)で測定した。得られたSi、Al、Cu及びCeの測定値から、試料のSiO/Alモル比、Ce/Alモル比及び銅の質量%を求めた。
実施例1
(銅の添加)
FAU型ゼオライト(製品名:HSZ-341NHA、東ソー社製)質量比1に対して硝酸銅三水和物を0.097、純水0.38を添加して混合した後、空気中、110℃で一晩乾燥した。乾燥後のFAU型ゼオライトを含水率0.1体積%の空気流通中、550℃で2時間焼成することで銅含有FAU型ゼオライトを得た。得られた銅含有FAU型ゼオライトは及びSiO/Alモル比が7.2、銅含有量が2.42質量%であった。
(希土類(Ce)の添加)
得られた銅含有FAU型ゼオライト質量比1に対して、酢酸セリウムを質量比で0.0079、純水0.38を添加して混合した後、空気中、110℃の条件下で一晩乾燥した。乾燥後のFAU型ゼオライトには、加えた酢酸セリウムの全量が含有されていた。乾燥後のFAU型ゼオライトを更に含水率0.1体積%の空気流通中、550℃で2時間焼成することで酢酸セリウム中の酢酸イオンを脱離させ、銅及びセリウム含有FAU型ゼオライトを得、実施例1の炭化水素吸着剤とした。加えた酢酸セリウムから計算すると、得られた炭化水素吸着剤中のアルミニウムに対するセリウムのモル比(Ce/Alモル比)は0.011であった。
実施例2
実施例1において、加えた酢酸セリウムの質量比を0.022としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の炭化水素吸着剤を得た。
実施例3
実施例1において、加えた酢酸セリウムの質量比を0.034としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の炭化水素吸着剤を得た。
実施例4
実施例1において、加えた酢酸セリウムの質量比を0.045としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の炭化水素吸着剤を得た。
実施例5
実施例1において、加えた酢酸セリウムの質量比を0.067としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の炭化水素吸着剤を得た。
比較例1
実施例1において、酢酸セリウムを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の炭化水素吸着剤を得た。
比較例2
実施例1において、加えた酢酸セリウムの質量比を0.089としたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の炭化水素吸着剤を得た。
実施例1乃至5、比較例1及び比較例2におけるCe/Alモル比を、表1に示す。
実施例6
実施例1において、酢酸セリウムに代わり、酢酸ツリウム・n水和物をゼオライト質量1に対する質量比で0.046加えたこと以外は実施例1と同様にして、実施例6の炭化水素吸着剤を得た。
実施例7
実施例1において、酢酸セリウムに代わり、酢酸イットリウム・四水和物をゼオライト質量1に対する質量比で0.042加えたこと以外は実施例1と同様にして、実施例7の炭化水素吸着剤を得た。
実施例6及び7における希土類/Alモル比を、表2に示す。
(測定試料の作製及び前処理)
実施例1乃至実施例7、比較例1及び比較例2で得られた炭化水素吸着剤の炭化水素吸着率を、以下のようにして測定した。
実施例1乃至実施例7、比較例1及び比較例2に係る炭化水素吸着剤を、各々加圧成形及び粉砕し、凝集径20~30メッシュの不定形の成形体とし、得られた成形体をそれぞれ測定試料とした。
各測定試料1gをそれぞれ常圧固定床流通式反応管に充填し、窒素流通下、500℃で1時間処理した後、50℃まで降温することで前処理とした。
(炭化水素吸着率の測定)
上記の前処理を施した各炭化水素吸着剤に炭化水素含有ガスを流通させ、50℃から200℃の間で吸着した炭化水素を測定し、炭化水素の吸着量とした。炭化水素含有ガスの組成及び測定条件を以下に示す。
炭化水素含有ガス :トルエン 3000体積ppmC(メタン換算濃度)
水 3体積%
窒素 残部
ガス流量 :200mL/分
測定温度 :50~600℃
昇温速度 :10℃/分
水素イオン化検出器(FID)を使用し、炭化水素吸着剤を通過した後のガス中の炭化水素を連続的に定量分析した。常圧固定床流通式反応管の入口側の炭化水素含有ガスの炭化水素濃度(メタン換算濃度;以下、「入口濃度」とする。)と、常圧固定床流通式反応管の出口側の炭化水素含有ガスの炭化水素濃度(メタン換算濃度;以下、「出口濃度」とする。)を測定した。入口濃度の積分値に対する出口濃度(メタン換算濃度)の積分値の割合を炭化水素吸着率(「炭化水素浄化率」ともいう。)として求めた。
(水熱耐久試験)
前処理後の炭化水素吸着剤に以下の条件で処理ガスを流通させたこと以外は、(炭化水素吸着率の測定)と同様な方法で炭化水素吸着剤を処理し、水熱処理とした。
処理ガス : 水 10体積%
窒素 残部
ガス流量 : 300mL/分
空間速度 : 6000hr-1
処理温度 : 900℃
処理時間 : 1時間
水熱処理後の各測定試料の炭化水素の炭化水素吸着率を表1に示す。また、各例における炭化水素吸着率と、比較例1における炭化水素吸着率との差分(各例の炭化水素吸着率-比較例1の炭化水素吸着率)を図1のグラフに示す。
Figure 2022108644000002
表1に示すように、実施例1乃至5の炭化水素吸着剤は、比較例1及び2の炭化水素吸着剤よりも、高い温度まで炭化水素吸着率を示している。
図1より、炭化水素吸着率はCe/Alモル比0.04付近で極大値を示し、好ましいCe/Alモル比の範囲が存在することが示唆された。また、Ce/Alモル比が0.005以上0.08以下である実施例1乃至5は、Ceを含有せずCuのみを含有する比較例1及びCe/Alモル比が0.106の比較例2よりも、高い炭化水素吸着率を示した。
表2に、実施例3と同じ希土類/Alモル比であり、ツリウムを含有する実施例6及びイットリウムを含有する実施例7の水熱処理後における炭化水素吸着率を示す。
Figure 2022108644000003
表2に示すように、実施例1乃至5と同様に実施例6及び7の炭化水素吸着剤は、比較例1の炭化水素吸着剤よりも、高い温度まで炭化水素吸着率を保持している。Ce、Tm及びYは希土類元素として化学的性質が似ていることから、希土類元素の添加であれば同様の効果が得られると考えられる。

Claims (6)

  1. YO-Xで表され、銅と、希土類と、を含有するゼオライトを含む炭化水素吸着剤であって、
    Yは4価の元素であり、Xは3価の元素であり、
    前記銅の含有量が、前記ゼオライト100質量%に対して、0.5質量%以上4質量%以下であり、
    Xに対する前記希土類のモル比が、0.005以上0.1以下であることを特徴とする、炭化水素吸着剤。
  2. 前記ゼオライトのXに対するYOのモル比(YO/X比)が2以上100以下である、請求項1に記載の炭化水素吸着剤。
  3. 前記希土類が、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、ネオジウム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムの群から選ばれるいずれか1種以上である、請求項1又は2に記載の炭化水素吸着剤。
  4. 前記ゼオライトが、10員環以上の環構造を有する、請求項1乃至3のいずれかに記載の炭化水素吸着剤。
  5. 前記ゼオライトが、BEA構造、MFI構造、MOR構造、YFI構造及びFAU構造の群から選ばれるいずれか1種以上の構造を有する、請求項1乃至4のいずれかに記載の炭化水素吸着剤。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の炭化水素吸着剤を使用する、炭化水素の吸着方法。
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