JP2005055773A - 偏光性回折格子 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ピックアップにおいて、光ディスクからの戻り光を検出するにあたって、特定の入射角度に対して回折効率が大きくなるような体積ホログラムの特性を用い、主光線に対し回折効率が最大になるよう偏光性回折格子を傾斜させて配置するが、主光線に対する回折効率に比べて、周辺の傾斜入射光線に対する回折効率は低くなる。収束光のすべての入射光に対しブラッグ角度になるよう、ホログラムの格子を傾斜する方法は製造が難しい。
【解決手段】第1の媒質2と第2の媒質3の境界面に、立ち上がり・下がり部が傾斜した矩形波状の凹凸を設け、格子面をA、B、Cの領域に分割し、それぞれの領域毎に、上記の傾斜角を異ならせる。領域Bは格子面に垂直に入射する主光線に対して1次回折光の回折効率が最大になるよう上記傾斜角を選ぶ。領域A、Cにおいては、周辺光に対し上記回折効率が最大になるよう上記傾斜角を選ぶ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、偏光性回折格子からなる偏光光学素子、および、それを用いた光ピックアップ装置、光ディスクドライブ装置に関する。
液晶表示のカラーフィルタ用途として、基板に対して斜めに傾いた格子が提案されている(例えば、特許文献1 参照。)。斜めにすることにより0次光と1次光以外の高次光が発生しないで、しかも回折効率の波長依存性もほとんど無いものとなる。
図13は偏光性回折格子の1例を示す模式図である。
同図において符号1、1’は基板、2は第1の媒質、3は第2の媒質をそれぞれ示す。
偏光性回折格子は、基板1、1’に挟まれた、互いに屈折率の異なる第1の媒質2と第2の媒質3との境界面に、断面が矩形波状に形成されている。すなわち、矩形状の凹凸によって、2つの媒質が互いに同じ幅で入り組むように、基板面に平行な方向に周期的に所定のピッチで交互に並んでいる。凹凸の上面と底面は基板表面に対し平行であり、上面と底面を結ぶ壁面は基板表面に対し垂直になっている。紙面に垂直な方向にはこのような凹凸が、格子ラインとして所定の長さで形成されている。同図では理解を容易にするために縦横とも誇張して示してある。
矩形波のピッチに比べて凹凸の深さが浅い場合は、平面ホログラムとしての性質を示し、逆に或る程度深い場合は、Q値が大きくなり体積ホログラムとしての性質を示す。ただし、ここで言うQ値とは、光の空気中の波長λ、格子深さT、回折格子媒質の屈折率n、格子ピッチをdとするとき、
Q=2πλT/nd
で表される値のことである。
平面ホログラムの+1次回折光の回折効率は、面に対する光束の入射角度による依存性があまり大きくないが、体積ホログラムのそれは、入射角度に大きく依存する。
図14はホログラムの種類による+1次回折光の回折効率を表すグラフである。
同図において符号Pは平面ホログラムによる1次光回折効率を表す曲線、Vは体積ホログラムによる1次光回折効率を表す曲線をそれぞれ示す。
平面ホログラムの場合は、光束が面に対して垂直に入射するとき最も回折効率が高くなる。そして、入射光束が面に対し傾いていっても、回折効率の低下はあまり著しくない。
それに比べ、体積ホログラムの場合は、光束が面に対し垂直に入射したときは、平面ホログラムとほぼ同等の回折効率を示すが、入射角度が−(マイナス)方向に傾いていくと、回折効率はそれより減少し、逆に、入射角度が+方向に傾いていくと、回折効率は上昇し、或る角度θBにおいて最大値を示し、それ以上の角度では減少に転ずる。
この現象は、非特許文献1にも示されている。
偏光性回折格子の回折効率を高めるためには回折格子の溝を深く加工しなければならない。しかしながら、溝が深く、ピッチの小さい偏光性回折格子は前述のように体積ホログラムの特性が表れる。
一般に偏光性回折格子には光を面に垂直入射(入射角0°)させて使うが、光ピックアップにおいて偏光性回折格子を光源とカップリングレンズの間に配置すると、収束光が偏光性回折格子に入るので光束の中心部は垂直入射するが、周辺部では光の入射角度が+5°や−5°の角度で入射する。+5°で入射した光は回折効率η1が大きく、−5°で入射した光は回折効率η2が小さいと、ビームの左右で回折効率が異なることになり、プッシュプル信号にオフセットが生じてしまう。
この問題を解決するため、本発明者等は回折格子自体を傾ける方式を提案した(特願2003−090769)。
図15は格子面の傾斜による1次光回折効率のグラフのシフトを説明するための図である。
同図において符号g0は格子を傾けないときの光軸に沿った入射光、いわゆる主光線に対する1次回折光の回折効率のグラフ、gθBは格子をθB傾けた場合の主光線に対する1次回折光の回折効率のグラフをそれぞれ示す。
この先願によれば、回折格子を傾けない場合の1次光回折効率はグラフg0で示される。1次光回折効率が最も高くなる入射角度(θB)だけ光軸に対して回折格子自体を傾けて、主光線に対して最も回折効率が大きくなるようにすると、グラフg0は座標軸対称にシフトして、主光線に対する1次光回折効率のグラフgθBを得る。このグラフは光軸に関し+5°や−5°の角度で入射した場合でも回折効率η1とη2が等しくなる。このようにしてプッシュプル信号にオフセットが生じないように構成している。このように構成すると、収束光のすべての角度に対し、回折効率が上昇するので、受光素子に入射する光量も増加し、高速応答も可能になる。
上記先願においては、光軸に対して格子自体を傾けて、主光線に関し最も回折効率が大きくなるようにして、光軸に対し傾いた角度で入射した場合でも+5°入射と−5°入射で回折効率が等しくなるようにしてプッシュプル信号にオフセットが生じないように構成されている。しかしながら回折効率が等しくなるのでオフセットは生じないが、傾斜角入射光に対する回折効率自体は低下するのでプッシュプル信号光量は低下する。
さらに同先願において、全領域でブラッグ角になるように格子を傾斜することで回折効率の低下を抑制する方法が提案されているが、収束光が入射する場合、全領域でブラッグ角になるようにおのおのの格子を少しずつ傾けて加工することは難しい。
偏光性回折格子を構成する材料として、光学的異方性材料が必要となるが、この材料としてカルサイトを用いる例がある(例えば、特許文献2 参照。)。しかしながら、カルサイトは大面積・低コストに関して難がある。一方、このような用途に使える材料として、有機延伸膜をホログラムに用いた例がある(例えば、特許文献3 参照。)。有機延伸膜はカルサイトに比べて大面積化が容易で、膜厚が薄く、安価に入手できると言うメリットを持っている。
特開平10−096807号公報(第4頁、第1図) 特第2594548号公報(第2頁、第1図) 特開2000−075130号公報(第4頁、第1図) 小山、西原共著「光波電子光学」コロナ社、p.121
受光素子に入る光量を大きくするために矩形波ピッチに対する深さを深くすると、特定の入射角度に対して回折効率が大きくなるような体積ホログラムの特性が現れる。この体積ホログラムは、通常の使い方では、入射角度の違いによる回折効率の違いから生じるプッシュプル信号のオフセットが発生する。これを避けるため回折効率が最大になる入射角で主光線が入射するように格子を傾ける。それでも主光線に対する回折効率に比べて、傾斜入射光線に対する回折効率は低くなる。収束しながら入射するすべての入射光の入射角に対してブラッグ角度になるよう、ホログラムの格子を傾斜する方法は製造が難しい。
本発明では格子を複数の領域に分けて、領域ごとに格子の形状を変える事により、+5°入射、−5°入射のような光軸に関し斜めに入射する光に対して回折効率が等しく、かつ回折効率自体も低下しないようにすることを提案する。
請求項1に記載の発明では、光学的に透明、且つ、互いに平行に配された2枚の基板と、両基板の間に挟まれ、少なくとも一方が複屈折性を示し、互いに光学的特性の異なる2つの媒質が境界面をもって交互に周期的に配列された構造を有し、前記境界面が前記2枚の基板の平行面に対し傾斜する偏光性回折格子において、該回折格子が前記配列方向に関して複数の領域に分割され、各々の領域において前記境界面の傾斜する角度が異なることを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の偏光性回折格子において、前記光学的特性の異なる2つの媒質のうち一方の媒質のみが複屈折性を示す媒質であり、他方の媒質は光学的等方性を示す媒質であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の偏光性回折格子において、前記複屈折性を示す媒質の面内の直交する2方向の異なる屈折率のうち一方の屈折率と前記光学的等方性を示す媒質の屈折率とが略等しいことを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の偏光性回折格子において、該回折格子は奇数の領域に分割されており、中央の領域の前記境界面の傾斜角は、使用すべき光の波長に関し、前記基板の面に垂直に入射する光線の1次回折光の回折効率が最大になる角度θBに設定されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の偏光性回折格子において、前記奇数の領域のうち最外側の領域の前記境界面の傾斜角は、前記回折格子に入射させるべき収束性の光束のうち1次回折光の回折効率を最大にしたい光線の相対入射角度がθBになるように設定されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、光学的に透明、且つ、互いに平行に配された2枚の基板と、両基板の間に挟まれ、少なくとも一方が複屈折性を示し、互いに光学的特性の異なる2つの媒質が境界面をもって交互に周期的に配列された構造を有し、前記境界面が前記2枚の基板の平行面に対し傾斜する偏光性回折格子において、該回折格子が複数の領域に分割され、各々の領域において前記回折格子の深さが異なることを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の偏光性回折格子において、前記光学的特性の異なる2つの媒質のうち一方の媒質のみが複屈折性を示す媒質であり、他方の媒質は光学的等方性を示す媒質であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の偏光性回折格子において、前記複屈折性を示す媒質の面内の直交する2方向の異なる屈折率のうち一方の屈折率と前記光学的等方性を示す媒質の屈折率とが略等しいことを特徴とする。
請求項9に記載の発明では、請求項6ないし8のいずれか1つに記載の偏光性回折格子において、該回折格子は奇数の領域に分割されており、中央の領域の前記回折格子の深さは、使用すべき光の波長に関し、前記基板の面に垂直に入射する光線の出射角θなる1次回折光の回折効率が最大になる深さに設定されていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明では、請求項9に記載の偏光性回折格子において、前記奇数の領域のうち最外側の領域の前記回折格子の深さは、前記回折格子に入射させるべき収束性の光束のうち1次回折光の回折効率を最大にしたい光線の入射角に対する相対出射角度が前記θになるように設定されていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明では、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の偏光性回折格子において、該回折格子を使用すべき所望の光の空気中における波長をλ、格子深さをT、回折格子媒質の屈折率をn、格子ピッチをdとしたとき、Q=2πλT/ndで定義される回折格子のQ値が、Q>2となるよう構成したことを特徴とする。
請求項12に記載の発明では、請求項1ないし11のいずれか1つに記載の偏光性回折格子において、前記複屈折性を示す媒質は有機延伸膜であることを特徴とする。
請求項13に記載の発明では、請求項1ないし11のいずれか1つに記載の偏光性回折格子において、前記複屈折性を示す媒質は液晶であることを特徴とする。
請求項14に記載の発明では、請求項1ないし13のいずれか1つに記載の偏光性回折格子を、レーザ光源と受光素子を一体化した投受光素子の光入出射面に一体化してユニットを構成してなる光学素子ユニットを特徴とする。
請求項15に記載の発明では、請求項1ないし13のいずれか1つに記載の偏光性回折格子と、光源と、対物レンズと、受光素子とを有する記録媒体記録再生のための光ピックアップ装置であって、前記光源からの光束の光路中に前記偏光性回折格子を配置し、前記記録媒体からの反射光を前記偏光性回折格子により分岐し、前記受光素子で受光することを特徴とする。
請求項16に記載の発明では、請求項15に記載の光ピックアップ装置を搭載した光ディスクドライブ装置を特徴とする。
請求項17に記載の発明では、請求項1に記載の偏光性回折格子を作製する方法であって、光学的に透明な第1の基板の片面に、外部から電圧印加可能な状態に帯状の透明電極を所定の等間隔に形成し、同じく透明な第2の基板の片面に、外部から電圧印加可能な状態に帯状の透明電極を複数の領域に分けて形成し、各領域内では前記透明電極を前記所定の等間隔に形成し、領域間では前記所定の等間隔とは異なる間隔で配置し、前記両基板の前記透明電極を形成した面を、前記帯状電極が配列方向に所定量ずれて向き合うように対向させ、その間に光硬化型液晶を封入し、前記両基板の前記透明電極間に電圧を印加しながら光照射を行うことによって、前記液晶の電圧印加による配向状態のまま前記液晶を固化させる偏光性回折格子の作製方法を特徴とする。
本発明の偏光性回折格子によれば、作製が容易でありながら、光ディスクへの入射光の光量を大きく損失することなく、光ディスクからの収束しながら入射する戻り光を効率よく回折させて受光素子に導くことができ、高速応答性の光ピックアップ装置を作ることができる。
特定方向の偏光に関しては作用を与えず、それと直交方向の偏光に対しては高い1次回折効率を示す偏光性回折格子であって、互いに光学的特性の異なる2つの媒質が格子面に対し傾斜する境界面をもって交互に周期的に配列された構造を有し、該格子面が複数の領域に分割され、各領域毎に前記境界面の傾斜角を異ならせることによって、1次回折光に対する最高の回折効率を示す入射角度が領域毎に異なり、収束光に対し、主光線も、周辺光線も高い回折効率を示す偏光性回折格子を作製する。光源と受光素子が一体化された投受光素子の投受光窓に、光束分割用のグレーティングを貼り付け、所定の光学的距離を置いて前記偏光性回折格子を貼り付け一体化させ、光学素子ユニットを構成する。この光学素子ユニットを、光ディスクの記録・再生用光ピックアップに用いる。
以下に実施形態に従って本発明を説明する。
図1は本発明のホログラムの実施形態を説明するための図である。
同図において符号1、1’は基板、2は第1の媒質、3は第2の媒質、A、B、Cは壁面の傾斜角を異ならせた3つのブロック、Hは偏光性回折格子、L、L、Lは光束をそれぞれ示す。
互いに光学的特性の異なる第1の媒質2と、第2の媒質3は光学的に透明な基板1、1’に挟まれており、両媒質の境界は傾斜した矩形波状の凹凸が形成され、双方の媒質が部分的に相互に入り込むように、周期的に所定のピッチで並んでいる。この構成は基本的には図13に示した構成に類似であるが、図13の構成では、両媒質の凹凸の境界が基板の面に平行な上面・底面と垂直な壁面の繰り返しで構成されていたのに対し、本実施形態では、上記境界が、基板の面に平行な上面・底面を有する点では同じであるが、壁面は基板の面に垂直ではなく、或る特定な角度を有している点が異なる。
先願の説明で示したように、図13に示した回折格子を傾斜させて配置した場合、全ての矩形状の凹凸の壁面(以後単に壁面と称す)は主光線に対し同じ角度傾くことになる。また、特許文献1に示された回折格子は上面・底面が基板面に平行であり、壁面が特定な角度で傾斜しているが、これも領域分割はされておらずすべての壁面が同一の角度を有している。
本実施形態は壁面が既に傾いているので、主光線は基板に垂直に入射させることができるが、本発明では、基板面に対し壁面の傾斜角度は一定ではないことが特徴である。
図2は偏光性回折格子の平面図である。
図1、2においてブロックBは、基板面に垂直に入射する主光線の1次回折光が最大の回折効率を示す角度に壁面を傾斜させてある。ブロックAは、主光線に対し−θ1の角度で入射する光線の1次回折光が最大の回折効率を示す角度に壁面を傾斜させてある。ブロックCは、主光線に対し+θ1の角度で入射する光線の1次回折光が最大の回折効率を示す角度に壁面を傾斜させてある。
ブロックBの壁面の基板面に対する傾斜角をθBとすると、ブロックAのそれはθB−θ1、ブロックCのそれはθB+θ1となる。すなわち、入射光線と壁面がなす相対角度がすべてθBとなっている。
収束光の最外側の光線の入射角を±θ2としたとき、θ1とθ2の関係は以下に述べるような関係に設定する。
図3は本実施形態のホログラムの回折効率を示す図である。同図(a)は壁面の傾斜角±θ1を入射角の限界値±θ2に一致させた場合、同図(b)は壁面の傾斜角±θ1の絶対値を入射角の限界値θ2より小さい値に設定した場合をそれぞれ示す図である。
同図において符号g、g、gはブロックA、B、Cにおける1次回折光の回折効率のグラフをそれぞれ示す。
同図(a)に示すグラフの実線の部分が光束の中心を通る横断面における1次回折光の回折効率である。ブロックAおよびBにおいては、収束光の最外側の光線の角度θ2(入射角の限界値)において1次光回折効率が最大になるように設定している。すなわち、最外側の光線の回折効率が主光線の回折効率と等しくなっている。したがって、光量損失をかなり低減できる。
同図(b)に示すグラフでは、入射角の限界値±θ2における回折効率が、グラフgとグラフgの交点、および、グラフgとグラフgの交点における回折効率ηに等しくなるように壁面の傾斜角θB±θ1を選んである。こうすることによって、光束の平均的な回折効率はさらに上昇し、それだけ光量損失の低減が図れる。図からも明らかなように、このときのθ1はθ2の3分の2に等しい。角度θ2があまり大きくなければ、ブロックA、B、Cの有効幅も光束の径をほぼ3等分する大きさになる。
このθ1の設定方法は、光束断面が、回折格子のライン方向に平行な辺を有する長方形の場合に最高の回折効率を示すことが明らかである。実際の光束断面は通常の場合円形なので、±θ2における回折効率がグラフgとグラフg等の交点における回折効率よりも若干小さくなっても、±θ1の絶対値を小さくしてさらにグラフgの中心側に近づけた方が、総合の回折効率はより大きくなる。
ここでは光束透過領域を3分割した場合で説明したが、分割数を多くしてそれに合わせて格子の傾きを変えれば同様の効果が得られる。
逆に図3(b)において、θ1の絶対値をもっと小さくして、グラフgを省略することもできる。この場合は領域を2分割にすることになる。
エッチングで格子を作ったり、機械加工で格子を作ったりする場合、領域分割してその領域ごとに傾きを変えるのであれば、領域ごとに露光したり、領域ごとに切削すれば良いので、1つずつの格子を傾きを変えて加工する方法に比べ加工時間はかからずに、かつ高効率を得ることができる。
図1の第1の媒質2および第2の媒質3は配向状態が異なる媒質でともに複屈折性をもっていても良いが、一方の媒質が複屈折性を示し、他方の媒質が等方性媒質である構成の方が媒質の選択の幅を広げられて好ましい。往路で透過率が高く、復路で回折効率の高い偏光ホログラムを実現するには格子が傾斜断面構造を持ち、かつ、このとき複屈折媒質は基板に平行な面内における直交する2方向の屈折率が異なる屈折率異方性を示して、直交する2方向のうちのいずれかの方向の屈折率が等方性媒質の屈折率と略等しいことが必要となる。
本実施形態によれば、体積性のある格子を基板に対して斜めに傾けて+1次回折光に高効率を得ると共に、収束光が入った場合でも周辺部の格子傾き角度を中心部と異ならせることにより回折効率の低下を抑制できるので、高速記録・再生と信頼性の高いプッシュプル信号を得ることができる。さらに+1次回折光だけが高効率になるので、受光素子は+1次光だけを受光すれば良く1個で済む。±1次光を受光して2個の受光素子を必要とする構成よりも受光素子が少ないので、低コスト化と小型化を図れる。
図4は本発明の他の実施形態を説明するための図である。
図5は図4に示す実施形態の回折効率の一例を示す線図である。
図4において符号は図1における符号に準ずる。
本実施形態ではブロックごとに格子の壁の高さ、あるいは溝の深さ(以下、回折格子の深さ、もしくは単に深さと呼ぶ)を異ならせている。図4における構成を数値例で示せば、波長650nmのレーザ光に対して、ピッチ1.0μm、深さ2.7μmで、壁面は約8°傾斜している。このような偏光回折格子の回折効率は図5に示すようになる。
すなわち、垂直入射の主光線に対して1次回折光が最大回折効率となるよう設定されており、その効率は80%以上の値を示している。この回折格子のみであると、光線の入射角が±6°の場合、回折効率が20%以下まで低下してしまう。そこで±6°傾いた光線が入射する領域の格子の、傾斜角は変えずに深さだけを3.7μmにすると、±6°傾いて入射した場合でも40%以上の回折効率が得られる。このように領域により深さを変えることで垂直入射する光だけではなく傾いて入射する光に対しても高い効率で回折させることができるようになるので、前記と同様、高速再生と信頼性の高いプッシュプル信号を得ることができる。
本実施形態においても図3(b)を用いて説明したような方法が有効である。
すなわち、ブロックA、Cの幅を中央側にもう少し広げて、且つ、グラフg、gのピーク値がもっと中央寄りになるようにそれぞれの深さを選定する。この操作はQ値をより高くすることで可能である。深さの選定の基準は、主光線が角度θで出射するとしたとき、グラフg、gのピーク値に対応する入射角の光線が、回折格子を出るとき入射角に対する相対出射角がθになるような深さである。この目的のためにはブロックAとブロックCの深さが等しくならなくても構わない。
ただし、ブロックAの幅は、ブロックAとブロックBの境界におけるグラフgの回折効率の値がグラフgのピーク値を上回らない範囲とする。ブロックCの幅についても同様とする。なぜなら、この条件を外れると総合の回折効率がかえって減少するからである。
矩形格子を傾斜させて、入射光に対してブラッグ角として高回折効率化できる領域について考察する。
従来から、矩形回折格子の回折効率は、格子を薄い平面型格子として近似したスカラー回折理論からの理論式より計算予測できた。
スカラー回折理論による矩形格子の回折効率理論式は、以下のようである。
波長λの単色光が格子をを透過した際、溝の山と谷で生じる位相変化δは、
δ=π・ΔnT/λ ・・・・・(1)
である。ここで、Tは格子の深さ、Δnは格子部屈折率差を表す。
±m次回折光の回折効率(光強度効率)η(垂直入射)は、
η=4(sin(mπq)/mπ)sinδ ・・・・・(2)
となる。ここでqは矩形格子のデューティを表す。
平面型格子の場合、(2)式により矩形格子の回折効率は予測できた。格子の体積性を表わすQ値で言えばQ<0.5である格子については、実測値と(2)式による計算値がほぼ一致するが、Q>2となる格子では実測値と計算値が合わなくなってくる。Q<0.5である格子については、(2)式から出てくる矩形格子の回折効率最大値(垂直入射)は理論値で40.5%である。一方、Q>2の格子で正確に計算予測するためには(2)式ではなくベクトル回折理論による数値計算が必要となる。以上の事実は、Q>2の領域の格子は体積格子の特性を持ち始め、特定の角度(ブラッグ角)で回折効率がピークを持つことからもわかる。
非特許文献1にも示されているが、Q>2の領域の格子は体積格子の特性を示し、特定の入射角度に対して高い回折効率を示す。一方、Q<2である格子については入射角によらずほぼ一定の回折効率を示す。以上のことから、本発明の傾斜格子を適用することにより高回折効率化の効果が得られる領域は、回折格子のQ値がQ>2であるような領域の格子である。すなわち、Q>2とすることにより、体積ホログラムの特性が現れ、特定の角度で高い回折効率が得られるので高速再生に適している。
図6は有機延伸膜の作製方法を示す模式図である。
同図において符号0はガラス基板、2oは延伸膜基材をそれぞれ示す。
従来技術の項で説明したように、偏光性回折格子を構成する材料として、複屈折性を有する有機延伸膜が適している。有機延伸膜の具体例としては、ポリイミドや、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の高分子フィルムを、延伸により分子鎖を一軸方向に配向させ、面内複屈折を発生させる。
同図(a)で延伸膜基材2oとして例えばポリアミド酸膜をガラス基板0上に形成し、
同図(b)で剥離後、
同図(c)で加熱延伸を行って有機延伸膜2(この場合はポリイミド複屈折膜)を得る。
延伸の時の温度や加える力により複屈折率差Δnは変えることができ、安価で量産可能な方法である。
以下、有機延伸膜を本発明に用いた場合の偏光性回折格子の作製工程を説明する。
図7は偏光性回折格子の作製工程を説明するための断面模式図である。
同図において符号1’はカバーガラス、4、4’はレジスト、5はイオンビーム、6は電極、7は等方性物質をそれぞれ示す。
基板1に第1の媒質2として有機延伸膜を載せる(a)。さらにレジスト4を重ねる(b)。ブロックAの格子凹部に相当するマスクを重ねて露光し、格子凹部のみレジスト4を残す(c)。イオンビーム用レジストを一様に重ねる(d)。エッチング等によりレジスト4を除去する(e)。電極6の上で基板1自体をブロックAに必要な所定の角度傾けて、イオンビーム5を照射する(f)。所定の深さの凹部が得られたら、(b)の工程に戻って以下順次ブロックB、ブロックCの凹部を形成する(g)。
残っているレジストを除去する(h)。少なくとも凹部には等方性媒質7を充填し、カバーガラス1’を重ねて完成となる(i)。
このようにして、ブロックごとに異なる傾斜角を有する偏光性回折格子が形成される。
複屈折性材料として有機延伸膜を使うことにより大面積に加工でき、コストダウンを図れる。また基板の屈折率を任意に選べるのでコストダウンもしやすい。
図7(f)において基板の傾斜角を一定とし、図7(g)における3通りの繰り返しを、エッチングの深さを変えることにより形成し、以後の工程を同様に行えば、図4に示した実施形態の偏光性回折格子を得ることができる。
図8は本発明のさらに他の実施形態を説明するための断面模式図である。
同図において符号8は液晶を示す。
複屈折性を有する材料として、有機延伸膜の代わりに液晶を用いることができる。
基本的には図7に示した作製工程と同様であるが、図7(a)において、基板1の上に有機延伸膜2の代わりに等方性物質7を載せて以後の工程に進む。図7(i)において、格子溝を充填する媒質として、等方性物質7の代わりに液晶8を用いることによって図8に示す偏光性回折格子が得られる。
図9は本発明のさらに他の実施形態を説明するための断面模式図である。
同図において符号9は透明電極を示す。
液晶を用いると、図7とは全く異なる作製工程で偏光性回折格子を作ることができる。
基板1、および基板1’に予め所望の回折格子に対応する間隔の帯状の透明電極9を、外部から電圧印加可能な状態に形成しておく。両基板1、1’の間に液晶8を封入して後、外部からしかるべき電圧を印加する。電圧印加部分8aの液晶の配向方向が所望の一定方向になった状態で液晶を硬化させる。例えば、紫外線照射で硬化する樹脂を配合しておくと良い。
基板に形成しておく透明電極9を上下で所定量ずらしておくと、電圧印加時に斜め方向に格子が形成される。このずれ量を領域ごとに少しずつずらせば斜めの傾き角度が領域ごとに異なることになり、図8に示した偏光性回折格子とほぼ同等な偏光性回折格子を得ることができる。
複屈折性材料として液晶を使うことにより大面積に加工でき、電圧印加と紫外線露光だけで格子を形成できるので、高価なエッチング装置を必要とせずコストダウンを図れる。
図10は本発明に示した偏光性回折格子を光ピックアップ装置に用いた例を示す図である。
同図において符号10は光源、11は受光素子、12は偏光性回折格子、13はコリメートレンズ、14は1/4波長板、15は対物レンズ、16は光記録媒体、Lは光束をそれぞれ示す。
光源10から出た特定の方向に偏光した発散光束Lは、偏光性回折格子12によっても変化を受けず、コリメートレンズ13に入射する。光束Lは平行光に変換され、1/4波長板14に入射して位相の変調を受け対物レンズ15に入射する。ここで光束Lは収束光となり、光記録媒体16に入射し、反射される。光記録媒体16に記録された情報により変調を受けた反射光は、再度対物レンズ15に入射後、もとの平行光束に変換され、1/4波長板14に再入射する。結果的に光束Lは、1/2波長の位相変換を受け、もとの光束に対し偏光面が90°変化する。この平行光束はコリメートレンズ13に再度入射して、収束光となって偏光性回折格子12に入射する。光束Lは偏光面が90°変わっているため、偏光性回折格子12によってそのほとんどが1次回折光となり、受光素子11に入射する。なお、同図において、紙面に垂直方向がトラック方向である。
本発明を光ピックアップ装置に利用すると次のような効果がある。
1.回折効率が高いので、高速記録再生に対応できる。
2.回折効率が最大になる入射角で光が入射するようになっているので入射角度による回折効率アンバランスが生じず、正確なトラッキング信号検出ができる。
3.周辺部の光も回折効率が高いのでプッシュプル信号の低下が小さい。
4.周辺部の光も回折効率を高めているので、光軸ずれ等により回折格子に入射する光の角度が変わってもオフセットはほとんど生じない。
5.高回折効率なので高速記録再生が可能である。
図11は本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
同図において符号17はグレーティング、18は光学的に透明な等方性媒質、20は投受光素子、30は光学素子ユニットを示す。
本実施形態は、図10に長円形Dで示した部分、すなわち、光源10と受光素子11が一体となった投受光素子20に偏光性回折格子12を一体化した構成の光学素子ユニット30である。グレーティング17は、光源からの光束を0次光、±1次光の3本の光束に分離し、トラッキング等に利用するために挿入してある。戻り光が偏光性回折格子12で1次回折した光束が受光素子11に入射する過程でグレーティング17に入射しないように構成してある。
本実施形態の光学素子ユニット30は、経時変化の少ない、安定した信号検出ができる。
図12は本発明の光学素子ユニットを光ディスクドライブ装置に適用した状態を示す概念図である。
同図において符号40は光ピックアップ装置、50は光ディスクドライブ装置、60はパソコンをそれぞれ示す。
光ディスクドライブ装置50はパソコン60からの指示およびデータによって、指定の読み書きを行う。読み書きにあたっては、光学素子ユニット30を含む光ピックアップ装置40が動作する。
本装置に用いられる光ピックアップ装置は、回折効率が高く、回折効率にアンバランスのない偏光ホログラムを用いるので、高速な記録再生に適した信頼性の高い信号が得られる。回折効率が高いとPDICのゲインを小さくでき、PDICの高速応答化に貢献できる。
さらに入射角度により回折効率の低下が抑えられているので、プッシュプル信号の低下も小さい。したがって光ディスクドライブ装置の記録再生速度の高速化と安定したサーボ制御を達成することができる。
本発明のホログラムの実施形態を説明するための図である。 偏光性回折格子の平面図である。 本実施形態のホログラムの回折効率を示す図である。 本発明の他の実施形態を説明するための図である。 図4に示す実施形態の回折効率の一例を示す線図である。 有機延伸膜の作製方法を示す模式図である。 偏光性回折格子の作製工程を説明するための断面模式図である。 本発明のさらに他の実施形態を説明するための断面模式図である。 本発明のさらに他の実施形態を説明するための断面模式図である。 本発明に示した偏光性回折格子を光ピックアップ装置に用いた例を示す図である。 本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。 本発明の光学素子ユニットを光ディスクドライブ装置に適用した状態を示す概念図である。 ホログラムの1例を示す図である。 ホログラムの種類による+1次回折光の回折効率を表すグラフである。 格子面の傾斜の有無による1次光回折効率のグラフのシフトを説明するための図である。
符号の説明
1 基板
2 第1の媒質
3 第2の媒質
4 レジスト
5 イオンビーム
6 電極
7 等方性物質
8 液晶
9 電極
20 投受光素子
30 光学素子ユニット
40 光ピックアップ装置
50 光ディスクドライブ装置

Claims (17)

  1. 光学的に透明、且つ、互いに平行に配された2枚の基板と、両基板の間に挟まれ、少なくとも一方が複屈折性を示し、互いに光学的特性の異なる2つの媒質が境界面をもって交互に周期的に配列された構造を有し、前記境界面が前記2枚の基板の平行面に対し傾斜する偏光性回折格子において、該回折格子が複数の領域に分割され、各々の領域において前記境界面の傾斜する角度が異なることを特徴とする偏光性回折格子。
  2. 請求項1に記載の偏光性回折格子において、前記光学的特性の異なる2つの媒質のうち一方の媒質のみが複屈折性を示す媒質であり、他方の媒質は光学的等方性を示す媒質であることを特徴とする偏光性回折格子。
  3. 請求項2に記載の偏光性回折格子において、前記複屈折性を示す媒質の面内の直交する2方向の異なる屈折率のうち一方の屈折率と前記光学的等方性を示す媒質の屈折率とが略等しいことを特徴とする偏光性回折格子。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の偏光性回折格子において、該回折格子は奇数の領域に分割されており、中央の領域の前記境界面の傾斜角は、使用すべき光の波長に関し、前記基板の面に垂直に入射する光線の1次回折光の回折効率が最大になる角度θBに設定されていることを特徴とする偏光性回折格子。
  5. 請求項4に記載の偏光性回折格子において、前記奇数の領域のうち最外側の領域の前記境界面の傾斜角は、前記回折格子に入射させるべき収束性の光束のうち1次回折光の回折効率を最大にしたい光線の相対入射角度が前記θBになるように設定されていることを特徴とする偏光性回折格子。
  6. 光学的に透明、且つ、互いに平行に配された2枚の基板と、両基板の間に挟まれ、少なくとも一方が複屈折性を示し、互いに光学的特性の異なる2つの媒質が境界面をもって交互に周期的に配列された構造を有し、前記境界面が前記2枚の基板の平行面に対し傾斜する偏光性回折格子において、該回折格子が複数の領域に分割され、各々の領域において前記回折格子の深さが異なることを特徴とする偏光性回折格子。
  7. 請求項6に記載の偏光性回折格子において、前記光学的特性の異なる2つの媒質のうち一方の媒質のみが複屈折性を示す媒質であり、他方の媒質は光学的等方性を示す媒質であることを特徴とする偏光性回折格子。
  8. 請求項7に記載の偏光性回折格子において、前記複屈折性を示す媒質の面内の直交する2方向の異なる屈折率のうち一方の屈折率と前記光学的等方性を示す媒質の屈折率とが略等しいことを特徴とする偏光性回折格子。
  9. 請求項6ないし8のいずれか1つに記載の偏光性回折格子において、該回折格子は奇数の領域に分割されており、中央の領域の前記回折格子の深さは、使用すべき光の波長に関し、前記基板の面に垂直に入射する光線の出射角θなる1次回折光の回折効率が最大になる深さに設定されていることを特徴とする偏光性回折格子。
  10. 請求項9に記載の偏光性回折格子において、前記奇数の領域のうち最外側の領域の前記回折格子の深さは、前記回折格子に入射させるべき収束性の光束のうち1次回折光の回折効率を最大にしたい光線の入射角に対する相対出射角度が前記θになるように設定されていることを特徴とする偏光性回折格子。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1つに記載の偏光性回折格子において、該回折格子を使用すべき所望の光の空気中における波長をλ、格子深さをT、回折格子媒質の屈折率をn、格子ピッチをdとしたとき、Q=2πλT/ndで定義される回折格子のQ値が、Q>2となるよう構成したことを特徴とする偏光性回折格子。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1つに記載の偏光性回折格子において、前記複屈折性を示す媒質は有機延伸膜であることを特徴とする偏光性回折格子。
  13. 請求項1ないし11のいずれか1つに記載の偏光性回折格子において、前記複屈折性を示す媒質は液晶であることを特徴とする偏光性回折格子。
  14. 請求項1ないし13のいずれか1つに記載の偏光性回折格子を、レーザ光源と受光素子を一体化した投受光素子の光入出射面に一体化してユニットを構成してなることを特徴とする光学素子ユニット。
  15. 請求項1ないし13のいずれか1つに記載の偏光性回折格子と、光源と、対物レンズと、受光素子とを有する記録媒体記録再生のための光ピックアップ装置であって、前記光源からの光束の光路中に前記偏光性回折格子を配置し、前記記録媒体からの反射光を前記偏光性回折格子により分岐し、前記受光素子で受光することを特徴とする光ピックアップ装置。
  16. 請求項15に記載の光ピックアップ装置を搭載したことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
  17. 請求項1に記載の偏光性回折格子を作製する方法であって、光学的に透明な第1の基板の片面に、外部から電圧印加可能な状態に帯状の透明電極を所定の等間隔に形成し、同じく透明な第2の基板の片面に、外部から電圧印加可能な状態に帯状の透明電極を複数の領域に分けて形成し、各領域内では前記透明電極を前記所定の等間隔に形成し、領域間では前記所定の等間隔とは異なる間隔で配置し、前記両基板の前記透明電極を形成した面を、前記帯状電極が配列方向に所定量ずれて向き合うように対向させ、その間に光硬化型液晶を封入し、前記両基板の前記透明電極間に電圧を印加しながら光照射を行うことによって、前記液晶の電圧印加による配向状態のまま前記液晶を固化させることを特徴とする偏光性回折格子の作製方法。
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