JP2002365417A - 偏光性回折素子およびその製造方法 - Google Patents

偏光性回折素子およびその製造方法

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JP2002365417A
JP2002365417A JP2001172123A JP2001172123A JP2002365417A JP 2002365417 A JP2002365417 A JP 2002365417A JP 2001172123 A JP2001172123 A JP 2001172123A JP 2001172123 A JP2001172123 A JP 2001172123A JP 2002365417 A JP2002365417 A JP 2002365417A
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optically anisotropic
liquid crystal
diffraction element
polarizing diffraction
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JP2001172123A
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Kenichi Hayashi
賢一 林
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Nidec Instruments Corp
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Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合性液晶モノマーを透明基板に塗布重合し
て形成される光学異方性ポリマーの膜を均一化できる偏
光性回折素子の製造方法を提案すること。 【解決手段】 透明基板素材11として、表面にグリッ
ド状に凸部12が形成されたものを用意し、凸部12に
よって区画されている透明基板素材表面に重合性液晶モ
ノマー16を塗布する。凸部12によって重合性液晶モ
ノマーを均一厚さに塗布できる。また、重合性液晶モノ
マーを重合して形成した光学異方性膜に悪影響を与える
ことなく、凸部12の中心線に沿って、透明基板素材を
切断して、個々の偏光性回折素子を切り出すことができ
る。得られた偏光性回折素子1は、均一厚さの光学異方
性膜を備え、この膜の周囲が凸部12を二分して形成さ
れた外枠部分によって保護された状態になっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CD(コンパクト
ディスク)やDVD(デジタルバーサタイルディスク)
などに用いられる回折素子に関するものである。さらに
詳しくは、重合性液晶モノマーを重合させてなる光学異
方性ポリマーの周期格子を備えた偏光性回折素子および
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CDやDVDなど光記録媒体の再生およ
び/または記録に用いられる光ピックアップ装置として
は、光の利用効率を高めるために偏光光学系を利用する
ものが知られている。かかる偏光光学系において使用さ
れる偏光性回折素子としては、ニオブ酸リチウムを用い
たものがあるが、この偏光性回折素子は、作製工程が複
雑であり、歩留まりが悪く、材料であるニオブ酸リチウ
ム自体も高価であることから、非常に高価である。ま
た、製作工程にプロトン交換工程を含むため、格子ピッ
チを微細化しにくいという問題点もある。
【0003】このような問題点を解決するために、作製
工程が非常に簡単で、紫外線露光工程の精度まで格子ピ
ッチを微細化できるポリジアセチレンを材料として用い
た偏光性回折素子が用いられている。しかし、この材料
は、波長600nm以下の可視光域を吸収する性質があ
り、赤色光および赤外光領域以外では透過率が低い。こ
のため、ポリジアセチレンを用いた偏光性回折素子は、
赤色光よりも波長が短い青色光領域のレーザ光を用いる
光ピックアップ装置、例えば、ハイデンシティHD−D
VDで使えない問題がある。
【0004】青色光に対する偏光性回折格子として使用
できる材料としては、重合性液晶モノマーを重合させた
光学異方性ポリマーがあり、この光学異方性ポリマーで
周期格子を形成した偏光性回折素子が特開平9−506
42号公報に開示されている。
【0005】この構成の偏光性回折素子は、例えば、図
8に示すように製造される。まず、格子パターンが表面
に形成された透明基板101上で重合性液晶モノマーを
重合させることにより光学異方性ポリマーの周期格子1
02を形成する。次に、周期格子102が形成された透
明基板101を周期格子102の表面102a側から切
断線(ダイシングライン)Kで素子サイズに切り分ける
ことにより、偏光性回折素子100が得られる。
【0006】光学異方性ポリマーの周期格子102を備
えた偏光性回折素子100は、可視光域のほぼ全域の光
に対して透過率が高く、赤外光領域のレーザを出射する
レーザダイオードを搭載したCD用光ピックアップ装
置、赤色光領域のレーザを出射するレーザダイオードを
搭載したDVD用光ピックアップ装置、および、青色光
領域のレーザを出射するレーザダイオードを搭載したH
D−DVD用光ピックアップ装置に使用できる。
【0007】なお、透明基板101より剛性が劣る周期
格子102を保護するために、図9に示す偏光性回折素
子100Aのように、透明基板101と第2の透明基板
103の間に、光学異方性ポリマーの周期格子102を
充填する構成も知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ここで、従来の偏光性
回折素子100、100Aでは、周期格子102を形成
するために透明基板101に塗布する重合性液晶モノマ
ーの塗布厚を一定にすることが困難であり、この結果、
周期格子102の厚さが素子ごとにばらつきやすい。
【0009】すなわち、流動性を有する重合性液晶モノ
マーを透明基板101に塗布すると、図8あるいは図9
の水平線Hから分かるように、塗布された重合性液晶モ
ノマーは、透明基板101の中央部分よりもその端部の
側で盛り上がる傾向があるからである。
【0010】この結果、素子サイズに切断された偏光性
回折素子100、100Aは、透明基板101の位置に
応じて周期格子102の厚さにばらつきが発生し、ま
た、各偏光性回折素子においては周期格子表面102a
と透明基板101との平行がとりにくい。
【0011】一方、周期格子102が形成された状態の
透明基板101から複数の回折素子を切り出す(ダイシ
ング)切断工程では、重合した光学異方性ポリマーの周
期格子102により透明基板101に形成された格子パ
ターンが覆われて見えにくいので、ダイシングラインの
位置や格子パターンの方向がわかりにくいという問題点
がある。
【0012】また、ダイシングによって光学異方性ポリ
マーが切断され、各回折格子の側面には光学異方性ポリ
マーの側面が露出する。光学異方性ポリマーは剛性が低
いので、ダイシング時に形状変化を起こしやすく、ま
た、直接に側面から露出していることは望ましくない。
【0013】本発明の課題は、このような点に鑑みて、
重合性液晶モノマーを重合させて形成した光学異方性ポ
リマーの膜厚を均一化できる偏光性回折素子、およびそ
の製造方法を提案することにある。
【0014】また、本発明の課題は、ダイシング時にお
ける光学異方性ポリマーの形状変化や、ダイシング後に
光学異方性ポリマーの側面が露出することを防止可能な
偏光性回折素子、およびその製造方法を提案することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、矩形の透明基板と、この表面に形成し
た光学異方性膜とを有し、この光学異方性膜が、前記透
明基板の表面に塗布した重合性液晶モノマーを重合させ
ることにより形成した光学異方性ポリマーである偏光性
回折素子において、前記透明基板の外周縁部分における
少なくとも対向する二辺には、前記重合性液晶モノマー
の塗布厚の均一化を図るために、前記透明基板の表面か
ら突出させた外枠部分が形成されていることを特徴とし
ている。
【0016】本発明の偏光性回折素子では、透明基板に
塗布した重合性液晶モノマーは、対向する外枠部分に挟
まれて表面張力が発生して、均一厚さで平坦な状態にな
る。従って、均一厚さで、透明基板との平行度の高い光
学異方性膜を備えた偏光性回折素子を製造できる。ま
た、外枠部分によって、剛性の低い光学異方性膜の側面
を保護できるという効果も得られる。
【0017】ここで、前記透明基板の表面に凹凸状の周
期格子パターンが形成されている場合には、当該周期格
子パターンを構成している凸部よりも前記外枠部分の方
を突出させればよい。
【0018】また、前記周期格子パターンをブレーズド
格子パターンとすることができる。
【0019】さらに、前記光学異方性膜に接している前
記透明基板の表面部分には前記重合性液晶モノマーを配
向させるための配向膜を形成することができる。
【0020】次に、光学異方性膜の表面を保護するため
には、前記透明基板の外枠部分の上面に第2の透明基板
を積層接着し、これら透明基板および第2の透明基板の
間に前記光学異方性膜が充填された構成を採用すればよ
い。
【0021】また、前記透明基板の裏面に位相差膜を形
成することができる。同様に、第2の透明基板が積層接
着されている場合には、前記透明基板の裏面あるいは前
記第2の透明基板の表面に、位相差膜を形成することが
できる。
【0022】次に、本発明は、前記透明基板の外周縁部
分における少なくとも対向する二辺に、前記重合性液晶
モノマーの塗布厚の均一化を図るための外枠部分が形成
された構成の偏光性回折素子の製造方法であって、複数
の前記透明基板を切り出し可能な大きさの透明基板素材
として、その表面に、前記外枠部分を形成するための一
定幅の凸部が形成されたものを用意し、この透明基板素
材の表面に重合性液晶モノマーを塗布し、当該重合性液
晶モノマーを重合させて光学異方性ポリマーとすること
により、前記透明基板素材の表面に光学異方性膜を形成
し、少なくとも前記凸部を幅方向に二分する切り出し線
に沿って、前記光学異方性膜が形成された前記透明基板
素材を切断して、前記外枠部分を備えた複数の前記偏光
性回折素子に分離することを特徴としている。
【0023】本発明の製造方法では、透明基板素材に形
成されている凸部によって、その表面に塗布された重合
性液晶モノマーの塗布厚を均一にできると共に、その表
面を透明基板素材に対して平行にできる。よって、均一
な厚さの光学異方性膜を備えた偏光性回折素子を製造で
きる。
【0024】また、透明基板素材に形成されている凸部
に沿って切断を行えば良いので、切断作業も容易にな
る。
【0025】さらに、透明基板素材の切断時には、外枠
部分形成用の凸部を切断するので、剛性の低い光学異方
性ポリマーが直接切断されることがない。よって、光学
異方性ポリマーの切断部分が形状変形してしまうという
弊害は発生しない。また、切断後においては、切断後の
凸部(外枠部分)によって光学異方性ポリマーの側面が
保護された状態が形成されるので好ましい。
【0026】ここで、前記凸部を一定間隔で平行に形成
し、当該凸部の幅方向の中心線に沿って前記透明基板素
材を切断することができる。
【0027】この場合、前記凸部の長さ方向に沿って、
当該凸部に一定間隔で一定長さの不連続部分を形成し、
前記中心線に直交する前記不連続部分を通る線に沿って
前記透明基板素材を切断することができる。凸部に不連
続部分を形成しておけば、当該不連続部分を通って塗布
した重合性液晶モノマーを流動させることができる。
【0028】また、各凸部の間には、凸部の長さ方向に
直交する方向に延びる一定幅で一定長さの不連続凸部
を、凸部長さ方向に沿って一定の間隔で形成することも
できる。この場合には、前記不連続凸部の幅方向の中心
線に沿って前記透明基板素材を切断すればよい。
【0029】さらに、前記凸部をグリッド状に形成し、
当該凸部の幅方向の中心線に沿って前記透明基板素材を
切断することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
を適用した偏光性回折素子およびその製造方法の実施例
を説明する。
【0031】(偏光性回折素子)図1(a)および
(b)は、本例の偏光性回折素子を示す斜視図および断
面図であり、本例の偏光性回折素子1は、赤色光よりも
波長が短い青色光領域のレーザ光を偏光に依存して回折
させるために、ブレーズド格子パターン2が表面に形成
された透明基板3と、この透明基板3の表面に積層した
光学異方性膜4と、透明基板3の裏面に積層した位相差
膜5とを有している。光学異方性膜4は、透明基板3の
表面に重合性液晶モノマーを塗布し、これを重合させた
光学異方性ポリマーから形成されている。
【0032】透明基板3は一定厚さの正方形の透明基板
の表面にブレーズド格子パターン2が形成され、この四
周を取り囲む状態で、一定幅の外枠部分31ないし34
が形成されている。外枠部分31ないし34の高さはブ
レーズド格子パターン2の高さよりも十分に高くなって
いる。
【0033】図2は本例の偏光性回折素子1の製造工程
を示す説明図であり、図3、4は重合性液晶モノマーが
塗布された後の状態を示す部分断面図および部分平面図
である。これらの図を参照して、本例の偏光性回折素子
1の製造方法を説明する。
【0034】まず、図2のステップST1に示すよう
に、多数の偏光性回折素子を切り出し可能な透明基板素
材11を用意する。この透明基板素材11は、その表面
にグリッド状に一定幅の凸部12が形成されており、縦
横の凸部12によって形成される各正方形の区画領域内
の表面部分にはブレーズド格子パターン13が形成され
ている(図3、4参照)。縦横の凸部12によって区画
されている各区画領域がそれぞれ1個の偏光性回折素子
に対応している。この構成の透明基板素材11は例えば
樹脂成形品とすることができる。
【0035】次に、透明基板素材11の表面全体に光配
向性材料14を塗布し、偏光照射によって配向膜15と
する(工程ST2、ST3)。この配向膜15はブレー
ズド格子パターン13の表面に形成すればよい。
【0036】次に、配向膜15の上に重合性液晶モノマ
ー16を塗布して、凸部12の上端面12aとほぼ同じ
高さまで充填し、しかる後に重合(硬化)させる(工程
ST4)。このとき、重合性液晶モノマー16は、凸部
12によって小さな正方形に区画された各領域に充填さ
れるので、その表面張力によって、充填された重合性液
晶モノマー16の表面16aが平坦になり、その厚さが
均一になる。よって、この重合性液晶モノマー16を重
合して形成した光異方性ポリマーからなる膜は均一な厚
さとなる。
【0037】この後には、透明基板素材11の裏面11
aに、位相差膜17が積層される(工程ST5)。
【0038】最後に、図3、4において一点鎖線で示す
ように、透明基板素材11にグリッド状に形成されてい
る凸部12の上端面12aの幅方向の中心を通る切断線
18に沿って透明基板素材11をダイサーによってダイ
シングする。ここで、本例の凸部12の幅は、ダイサー
ブレードの切断幅に、図1に示す偏光性回折素子1の外
枠部分31ないし34の幅の2倍を加えた寸法としてあ
る。従って、ダイシングによって、図1に示すように四
周側面が外枠部分31ないし34で保護された状態の偏
光性回折素子1が多数切り出される(図2の工程ST
6)。
【0039】このように、本例の偏光性回折素子1の製
造方法においては、透明基板11に形成した凸部12に
よって小さく区画されている領域に重合性液晶モノマー
16が塗布されるので、その表面張力によって塗布され
た重合性液晶モノマー16は均一な厚さになる。
【0040】また、切断時には、透明基板12の表面に
形成されている凸部12の上端面12aの中心に沿って
切断を行えばよいので、切断位置の確認が極めて容易で
ある。さらに、ダイサーブレードが剛性の低い光学異方
性ポリマーからなる光学異方性膜を直接切断することが
ないので、当該光学異方性膜の側面部分の形状が変形し
てしまうこともない。
【0041】さらにまた、このようにして得られた偏光
性回折素子1では、その光学異方性ポリマーからなる膜
の外周側面が、透明基板素材に形成した凸部12を切断
することにより形成された外枠部分31ないし34によ
って保護された状態になるという利点もある。
【0042】なお、本例の偏光性回折素子1では、その
光学異方性ポリマーの表面16aが露出した状態のまま
であるが、表面16aに透明基板を積層することにより
保護する構成を採用してもよい。この場合には、図5に
示す工程を採用することができる。
【0043】図5における工程11、12、13は、図
2における工程ST1、2、3と同一である。工程ST
14では、凸部12の上端面12aに第2の透明基板2
1を積層接着する。ここで、配向膜15を、ポリイミド
などの接着性を有する材料を用いて形成すると、これ
を、第2の透明基板21を積層接着する際の接着剤とし
て利用できる。
【0044】この後は、工程ST15において、透明基
板素材11と第2の透明基板21の間、正確には、凸部
12によって区画されているこれらの基板11、12の
隙間に重合性液晶モノマー16を充填し、重合(硬化)
させ、光学異方性ポリマーからなる膜を形成する。な
お、第2の透明基板21にも、液晶と接する面に、液晶
を配向させる配向膜15を形成しておくことにより、重
合性液晶モノマー16の配向性を向上させることができ
る。
【0045】図6(a)および(b)は、透明基板素材
11の表面の凸部12の形成パターン例を示す説明図で
ある。図6(a)に示す形成パターンでは、縦方向に延
びる凸部22を一定間隔で平行に形成してある。また、
各凸部22の長さ方向に沿って、当該凸部22に一定間
隔で一定長さの不連続部分23が形成されている。
【0046】このパターンの場合には、各凸部22の幅
方向の中心線22aに沿って透明基板素材11を切断す
る。また、中心線22aに直交すると共に、各不連続部
分23の中心を通る線23aに沿って透明基板素材11
を切断することにより、矩形の偏光性回折素子を得るこ
とができる。この場合には、各偏光性回折素子における
対向する二辺に外枠部分が形成される。また、各不連続
部分23は、重合性液晶モノマーを塗布あるいは充填す
る際に、それが透明基板素材の表面全体に行き渡るよう
に流動させるための流動部分として機能する。
【0047】次に、図6(b)に示す形成パターンで
は、縦方向に一定間隔で一定幅の凸部24が平行に形成
されている。また、各凸部24の間には、凸部24の長
さ方向に直交する方向に延びる一定幅で一定長さの孤立
した凸部25が、凸部24の長さ方向に沿って一定の間
隔で形成されている。この場合にも、各凸部24の幅方
向の中心線24aに沿って透明基板素材11を切断す
る。また、中心線24aに直交すると共に、各孤立した
凸部25の中心を通る線25aに沿って透明基板素材1
1を切断すればよい。また、この場合においても、各偏
光性回折素子における対向する二辺に外枠部分が形成さ
れ、孤立した凸部25の両側部分が、重合性液晶モノマ
ーが透明基板素材表面の全体に行き渡るようにそれを流
動させるための流動部分として機能する。
【0048】(光ピックアップ装置)次に、図7は、図
1ないし4に示す偏光性回折素子1が組み込まれている
光ピックアップ装置の光学系を示す概略構成図である。
この図に示すように、光ピックアップ装置60は、C
D、CD−R、DVD、HD−DVDなど、基板厚さや
記録密度が異なる複数種類の光記録媒体61に対して情
報の再生、記録を行うものであり、赤外光波長および赤
色光波長の2種類のレーザ光を出射する第1のレーザダ
イオード62と、赤外光波長および赤色光波長より短い
青色光波長のレーザ光を出射する第2のレーザダイオー
ド63と、第1のレーザダイオード62から出射される
赤外光波長および赤色光波長のレーザ光を光記録媒体6
1に導く第1の光学系L1と、第2のレーザダイオード
63から出射される青色光波長のレーザ光を光記録媒体
61に導く第2の光学系L2とを有している。
【0049】この光ピックアップ装置60は、第1の光
学系L1で赤外光波長および赤色光波長の2種類のレー
ザ光による2種類の異なる光記録媒体61の再生を行な
い、第2の光学系L2で青色光波長のレーザ光により1
種類の光記録媒体61の再生を行うことができる3波長
光ピックアップ装置である。
【0050】第1の光学系L1は、第1のレーザダイオ
ード62から出射される赤外光波長のレーザ光LA,お
よび赤色光波長のレーザ光LBを部分的に反射する平板
状の第1のハーフミラー64と、このハーフミラー64
で反射されたレーザ光LA、LBを光記録媒体61の記
録面61aに収束させる対物レンズ65とが配置されて
いる。
【0051】また、第1の光学系L1には、光記録媒体
61の記録面61aで反射された後に、第1のハーフミ
ラー64を通過した2種類のレーザ光LA、LBを受光
するための第1の受光素子67が配置されている。第1
のハーフミラー64と第1の受光素子67との間には、
2種類のレーザ光の光軸を合して第1の受光素子67上
の共通受光面に導くための光軸補正素子66が配置され
ている。
【0052】第2の光学系L2は、第1の光学系L1と
対物レンズ65を共通とし、第1の光学系L1の対物レ
ンズ65と第1のハーフミラー64の間に第2のハーフ
ミラー68を配置している。この第2のハーフミラー6
8は、第2のレーザダイオード63から出射される青色
波長のレーザ光LCを反射して対物レンズ65に導き、
第1のレーザダイオード62から出射される赤外光波長
および赤色光波長のレーザ光LA,LBはそのまま対物
レンズ65に向けて透過させる。
【0053】また、第2のレーザダイオード63と、第
2のハーフミラー68の間には、偏光性回折素子1が配
置されている。この偏光性回折素子1は、第2のレーザ
ダイオード63から出射される青色光波長のレーザ光L
Cを第2のハーフミラー68に向けて透過して、光記録
媒体61の記録面61aで反射した青色のレーザ光LC
を、第2の受光素子69に向けて回折する。
【0054】この構成の光ピックアップ装置60におい
て、赤外光波長あるいは赤色光波長のレーザ光を用いる
CDおよびDVD等の光記録媒体61の情報を再生する
ときは、第1のレーザダイオード62から赤外光波長の
レーザ光LAあるいは赤色光波長のレーザ光LBを出射
する。これらのレーザ光は、第1の光学系L1に導か
れ、対物レンズ65によって、光記録媒体61の記録面
に光スポットとして収束し、記録面で反射したレーザ光
の戻り光は、第1のハーフミラ64、光軸補正素子66
を介して第1の受光素子67に集光する。第1の受光素
子67で検出された信号によりCDあるいはDVDの情
報再生等が行われる。
【0055】これに対して、青色レーザ光を用いるHD
−DVD等の光記録媒体61の情報を再生等するとき
は、第2のレーザダイオード63から、青色光波長のレ
ーザ光LCを出射する。このレーザ光LCは、第2の光
学系L2に導かれ、対物レンズ65によって、光記録媒
体61の記録面に光スポットとして収束し、記録面で反
射したレーザ光LCの戻り光は、第2のハーフミラー6
8、偏光性回折素子1を介して第2の受光素子69に集
光する。第2の受光素子69で検出された信号によりH
D−DVDの情報再生等が行われる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の偏光性回
折素子では、矩形の透明基板のうちの少なくとも対向す
る二辺に、光学異方性ポリマーからなる膜を形成するた
めに透明基板に塗布する重合性液晶モノマーの厚さを均
一にするための外枠部分が形成されている。従って、均
一な膜厚の光学異方性ポリマーを備えた偏光性回折素子
を得ることができる。また、剛性の低い光学異方性ポリ
マーの側面が外枠部分によって保護されているので、当
該部分が露出している従来のものに比べて耐久性がある
などの利点もある。
【0057】さらに、本発明の方法によれば、外枠部分
を形成するための凸部を透明基板素材に形成しておき、
その表面に光学異方性ポリマーの膜を形成した後に、当
該凸部を目印にしてダイシングを行い、各偏光性回折素
子を切り出すことができるので、ダイシングを簡単に行
うことができる。また、ダイシングの際に、ダイシング
ブレードが直接に光学異方性ポリマーを切断して当該部
分に形状変形を引き起こしてしまうという弊害も回避さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、本発明の偏光性回折素
子を示す斜視図および断面図である。
【図2】本発明の偏光性回折素子の製造工程を示す説明
図である。
【図3】図2の偏光性回折素子の製造工程における重合
性液晶モノマーが塗布された後の状態を示す部分断面図
である。
【図4】図2の偏光性回折素子の製造工程における重合
性液晶モノマーが塗布された後の状態を示す部分平面図
である。
【図5】図1の偏光回折素子の光学異方性ポリマーの表
面を透明基板で覆う製造工程を示す説明図である。
【図6】(a)および(b)は、図2の透明基板素材の
表面の凸部の形成パターン例を示す説明図である。
【図7】本発明の偏光性回折素子が組み込まれている光
ピックアップ装置の光学系を示す概略構成図である。
【図8】従来の偏光性回折素子の製造工程を示す部分断
面図である。
【図9】従来の別の偏光性回折素子の製造工程を示す部
分断面図である。
【符号の説明】
1 偏光性回折素子 2 ブレーズド回折格子 3 透明基板 4 光学異方性膜 5 位相差膜 11 透明基板素材 11a 裏面 12 凸部 12a 上端面 13 ブレーズド格子パターン 14 光配向性材料 15 配向膜 16 重合性液晶モノマー 16a 表面 17 位相差膜 18 切断線 21 第2の透明膜 22 凸部 23 不連続部分 24 凸部 25 孤立した凸部 31ないし34 外枠部分 60 光ピックアップ装置 61 光記録媒体 62 第1のレーザダイオード 63 第2のレーザダイオード 64 第1のハーフミラー 65 対物レンズ 66 光軸補正素子 67 第1の受光素子 68 第2のハーフミラー 69 第2の受光素子 L1 第1の光学系 L2 第2の光学系 LA 赤外線波長のレーザ光 LB 赤色波長のレーザ光 LC 青色波長のレーザ光

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矩形の透明基板と、この表面に形成した
    光学異方性膜とを有し、この光学異方性膜が、前記透明
    基板の表面に塗布した重合性液晶モノマーを重合させる
    ことにより形成した光学異方性ポリマーである偏光性回
    折素子において、 前記透明基板の外周縁部分における少なくとも対向する
    二辺には、前記重合性液晶モノマーの塗布厚の均一化を
    図るために、前記透明基板の表面から突出させた外枠部
    分が形成されていることを特徴とする偏光性回折素子。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記透明基板の表面には凹凸状の周期格子パターンが形
    成されており、 当該周期格子パターンを構成している凸部よりも前記外
    枠部分の方が突出していることを特徴とする偏光性回折
    素子。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記周期格子パターンはブレーズド格子パターンである
    ことを特徴とする偏光性回折素子。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のうちのいずれかの項
    において、 前記光学異方性膜に接している前記透明基板の表面部分
    には前記重合性液晶モノマーを配向させるための配向膜
    が形成されていることを特徴とする偏光性回折素子。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のうちのいずれかの項
    において、 前記透明基板の外枠部分の上面に積層接着した第2の透
    明基板を有し、 これら透明基板および第2の透明基板の間に前記光学異
    方性膜が充填されていることを特徴とする偏光性回折素
    子。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のうちのいずれかの項
    において、 前記透明基板の裏面には位相差膜が形成されていること
    を特徴とする偏光性回折素子。
  7. 【請求項7】 請求項5において、 前記透明基板の裏面あるいは前記第2の透明基板の表面
    には、位相差膜が形成されていることを特徴とする偏光
    性回折素子。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の偏光性回折素子の製造
    方法であって、 複数の前記透明基板を切り出し可能な大きさの透明基板
    素材として、その表面に、前記外枠部分を形成するため
    の一定幅の凸部が形成されたものを用意し、 この透明基板素材の表面に重合性液晶モノマーを塗布
    し、 当該重合性液晶モノマーを重合させて光学異方性ポリマ
    ーとすることにより、前記透明基板素材の表面に光学異
    方性膜を形成し、 少なくとも前記凸部を幅方向に二分する切り出し線に沿
    って、前記光学異方性膜が形成された前記透明基板素材
    を切断して、前記外枠部分を備えた複数の前記偏光性回
    折素子に分離することを特徴とする偏光性回折素子の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 前記凸部を一定間隔で平行に形成し、当該凸部の幅方向
    の中心線に沿って前記透明基板素材を切断することを特
    徴とする偏光性回折素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 前記凸部の長さ方向に沿って、当該凸部に一定間隔で一
    定長さの不連続部分を形成し、 前記中心線に直交する前記不連続部分を通る線に沿って
    前記透明基板素材を切断することを特徴とする偏光性回
    折素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項9において、 前記の各凸部の間には、凸部の長さ方向に直交する方向
    に延びる一定幅で一定長さの孤立凸部を、凸部長さ方向
    に沿って一定の間隔で形成し、 前記孤立凸部の幅方向の中心線に沿って前記透明基板素
    材を切断することを特徴とする偏光性回折素子の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項8において、 前記凸部をグリッド状に形成し、 当該凸部の幅方向の中心線に沿って前記透明基板素材を
    切断することを特徴とする偏光性回折素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項8ないし12のうちのいずれか
    の項において、 前記重合性液晶モノマーを塗布した後に、前記透明基板
    素材の前記凸部の上面に第2の透明基板を積層接着し、 しかる後に、前記重合性液晶モノマーを重合させること
    を特徴とする偏光性回折素子の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006318515A (ja) * 2004-09-10 2006-11-24 Ricoh Co Ltd ホログラム素子及びその製造方法及び光ヘッド装置
JP2009069344A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Toppan Printing Co Ltd 偽造防止積層体、偽造防止転写箔、偽造防止シール、偽造防止媒体、及びこれらの製造方法並びに偽造防止積層体の製造装置
CN102939551A (zh) * 2010-05-31 2013-02-20 迪睿合电子材料有限公司 偏振光板及偏振光板的制造方法
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