JPH09127335A - 光ヘッド装置の製造方法及び光ヘッド装置 - Google Patents

光ヘッド装置の製造方法及び光ヘッド装置

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JPH09127335A
JPH09127335A JP7286150A JP28615095A JPH09127335A JP H09127335 A JPH09127335 A JP H09127335A JP 7286150 A JP7286150 A JP 7286150A JP 28615095 A JP28615095 A JP 28615095A JP H09127335 A JPH09127335 A JP H09127335A
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film
optical head
head device
light
optical
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JP7286150A
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English (en)
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Yuzuru Tanabe
譲 田辺
Tomonori Korishima
友紀 郡島
Hiromasa Sato
弘昌 佐藤
Hiroki Hodaka
弘樹 保高
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光の利用効率を高め、安価に製造できる光ヘッ
ド装置を提供する。 【解決手段】1表面に深さ1.55μm、ピッチ9μm
の断面が矩形状のSiO2 からなる凹凸部2を形成した
屈折率1.54のガラス基板1と、1表面に配向膜のポ
リイミド膜4を形成した第2のガラス基板3とを積層し
凹凸部2に液晶6を真空注入した。P波の透過率は約9
5%で、S波の±1次回折光の回折効率は各々32%で
あった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CD(コンパクト
ディスク)、CD−ROM、ビデオディスク等の光デ
ィスク及び光磁気ディスク等に光学的情報を書き込んだ
り、光学的情報を読み取るための光ヘッド装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、光ディスク及び光磁気ディスク等
に光学的情報を書き込んだり、光学的情報を読み取る光
ヘッド装置としては、ディスクの記録面から反射された
信号光を検出部へ導光(ビームスプリット)する光学部
品としてプリズム式ビームスプリッタを用いたものと、
回折格子又はホログラム素子を用いたものとが知られて
いた。
【0003】従来、光ヘッド装置用の回折格子又はホロ
グラム素子は、ガラスやプラスチック基板上に、矩形の
断面を有する等方性回折格子(レリーフ型)をドライエ
ッチング法又は射出成形法よって形成し、これによって
光を回折しビームスプリット機能を付与していた。
【0004】また、光の利用効率が10%程度の等方性
回折格子よりも光の利用効率を上げようとした場合、偏
光を利用することが考えられる。偏光を利用しようとす
ると、プリズム式ビームスプリッタにλ/4板を組み合
わせて、往路(光源から記録面へ向かう方向)及び復路
(記録面から検出部へ向かう方向)の効率を上げて往復
効率を上げる方法があった。
【0005】しかし、プリズム式偏光ビームスプリッタ
は高価であり、他の方式が模索されていた。一つの方式
としてLiNbO3 等の複屈折結晶の平板を用い、表面
に光学異方性回折格子を形成し偏光選択性をもたす方法
が知られている。しかし、複屈折結晶自体が高価であ
り、民生分野への適用は困難である。またLiNbO
に関して、通常はプロトン交換法によって格子を形成す
るが、プロトン交換液中のプロトンがLiNbO
板中に拡散しやすいため、細かい周期を持つ格子を形成
するのが困難である。
【0006】等方性回折格子は前述のように、往路の利
用効率が50%程度で、復路の利用効率が20%程度で
あるため、往復で10%程度が限界である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の問題
を解消し光の利用効率を高め、安価に製造できる光ヘッ
ド装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、光源からの光
を回折素子を通して光記録媒体上に照射することにより
情報の書き込み及び/又は情報の読み取りを行う光ヘッ
ド装置の製造方法において、透明基板の表面にSiO2
膜を被覆し、次いで前記SiO2 膜を微細加工して格子
状の凹凸部を形成し、前記凹凸部に光学異方性を有する
液晶を充填して光学異方性回折格子を形成することによ
り前記回折素子を製造することを特徴とする光ヘッド装
置の製造方法を提供する。
【0009】本発明は、また、光源からの光を回折素子
を通して光記録媒体上に照射することにより情報の書き
込み及び/又は情報の読み取りを行う光ヘッド装置にお
いて、前記回折素子は、透明基板の表面にSiO2 膜を
被覆し、前記SiO2 膜を微細加工して格子状の凹凸部
を形成し、前記凹凸部に光学異方性を有する液晶を充填
して光学異方性回折格子を形成してなることを特徴とす
る光ヘッド装置を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明においては、透明基板上に
被覆されたSiO2 膜をエッチング等の手段により微細
加工することにより、SiO2 からなる凸部を形成し
て、格子状の凹凸部を透明基板上に設ける。SiO2
の屈折率は液晶の常光屈折率とかなり近く、また真空蒸
着法等によってガラス基板上又は透明プラスチック基板
上に形成できる。
【0011】また、SiO2 膜はSiの酸化物であるた
め、例えばエッチングガスとしてCF4 を用いた場合、
SiF4 の揮発性の高さによりドライエッチングのエッ
チング速度も高くなり、量産性よく容易に深い格子を掘
りうる。さらに、透明基板としてガラス基板用いた場
合、SiO2 とガラスとのエッチング速度の違い(Si
2 のエッチング速度/ガラスのエッチング速度≧10
/1)により、ガラス基板はほとんどエッチングされ
ず、SiO2 の凸部を精度よく形成でき、好ましい。し
たがって、SiO2 以外の組成成分を含むガラス基板と
のエッチング速度の違いを利用することにより、格子深
さの再現性をよくし、格子深さの面分布を微調整して凹
凸部を形成できる。
【0012】透明基板の屈折率とSiO2 膜との屈折率
との差は、界面による好ましくない反射等を防ぐために
0.1以内とするのが好ましい。
【0013】本発明において、表面に格子状の凹凸部が
形成された2枚の透明基板を用い、凹凸部を形成した面
どうしを対面させ、それらの凹凸部に前記液晶を充填
し、2枚の透明基板を積層して光学異方性回折格子を形
成してもよい。その場合、各々の凹凸部は浅いものでよ
く、そのため作製が容易になり好ましい。また、2つの
対面する凹凸部により液晶の配向性が向上する点でも好
ましい。
【0014】前記2枚の透明基板に形成された凹凸部
が、積層面に対して非対称となるように積層されている
場合、断面形状が非対称な回折格子を容易に作製でき、
±1次回折光のいずれか一方の回折効率を大きくし、回
折効率の大きい方の光を1つの検出器で検出できるとい
う効果があり、好ましい。
【0015】本発明で用いる液晶としては、ネマチック
液晶、スメクチック液晶等の液晶表示装置等に使用され
る公知の液晶が使用できる。また、高分子液晶、液晶モ
ノマー、液晶組成物等も適宜使用できる。
【0016】本発明において、前記液晶の常光屈折率と
異常光屈折率の差Δnが0.05〜0.35であること
が好ましく、0.05未満では凹凸部を深くする必要が
あり製造が困難になり、コスト高を招く等の点で不適で
あり、0.35超では液晶が紫外線等により劣化しやす
い等の点で不適である。
【0017】前記透明基板としては、ガラス、ポリオレ
フィン、ポリカーボネート等の屈折率が1.4程度〜
1.6程度のものが、液晶の常光屈折率約1.5に整合
しやすいため、好ましい。
【0018】前記凹凸部は光学的に等方的なSiO2
らなり、その屈折率をn、前記凹凸部の深さをD、前記
液晶の常光屈折率をng 、異常光屈折率をne 、|n−
g|と|n−ne |のいずれか大きい方をΔN、光源
からの光の真空中における波長をλ0 としたとき、DΔ
N=λ0 /2となる温度が30℃より高温であるように
することが好ましい。すなわち、DΔN=λ0 /2のと
きに最も高い回折効率による往復効率が得られるが、Δ
Nは温度によって変化するので例えば0〜60℃の範囲
で温度特性を最適にするには、30℃以上の温度で上記
の関係を満たすような凹凸部の深さにすることが好まし
い。
【0019】前記透明基板の光学異方性回折格子上に、
ガラス、又はアクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリカー
ボネート等のプラスチックからなる厚さ1mm程度の第
2の透明基板を積層することにより、液晶の層をはさみ
込んで固定できるため好ましい。液晶は凹凸部に充填す
るだけでなく、凹凸部からあふれた部分は透明基板と第
2の透明基板との間に、液晶の薄い層を形成してもよ
い。透明基板の凹凸部を形成した面の平坦部と第2の透
明基板との距離は、大きすぎると第2の透明基板に形成
した配向膜による液晶の配向力が低下するため10μm
以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。
【0020】前記透明基板の光学異方性回折格子上に第
2の透明基板が積層され、前記第2の透明基板の液晶側
に液晶配向用のポリイミド膜(配向膜)が形成される場
合、前記透明基板にポリイミド膜を形成する場合と比較
して、ラビング時のラビング用布の損傷が小さくなり、
製造コストが小さくなり好ましい。
【0021】格子状の凹凸部を有する透明基板は、その
凹凸部自体がラビングされた配向膜と同様の配向作用を
持っており、第2の透明基板に配向膜を設けなくとも、
それだけでも充分な回折素子としての特性が得られるこ
とを見い出した。その場合、配向膜を設けた場合とほぼ
同等の特性が得られ、配向膜を設けなくてもよいので低
コストで製造できる利点がある。
【0022】また、第2の透明基板にポリイミド膜を形
成する際に、配向のためのラビング方向と前記凹凸部の
ストライプの方向(格子状の凹凸部の長手方向)を同じ
にすることにより、液晶の配向の安定性や再現性を向上
させ、ΔNを大きくでき、温度等の周辺環境による配向
率の低下を防止できる点で好ましい。
【0023】前記格子状の凹凸部の断面形状が、凹凸部
の長手方向(ストライプ方向)に垂直な面において左右
非対称である場合、+1次回折光又は−1次回折光の回
折効率を大きくし、回折効率の大きい方のみを利用すれ
ば1つの検出器のみで大きい往復効率が得られ好まし
い。左右非対称の形状とは、階段状、斜面状(鋸歯状)
等の形状である。
【0024】また、凹凸部の間隔に分布を持たせるよう
にする、凹凸部の一部を左右非対称のものにしその他を
左右対称のものにする、凹凸部の一部を凸部としその他
を凹部とする、というような変更を行ってもよい。
【0025】前記透明基板の光学異方性回折格子上に、
λ/2板、λ/4板等として機能する位相差板、位相差
フィルムを積層させれば、往路と復路とで偏光方向を直
交させ、光学異方性回折格子として機能させうる。前記
位相差板、位相差フィルムは、数10〜数100μm程
度の厚みを有するポリカーボネート又はポリビニルアル
コール等の材料が好ましく使用できる。
【0026】前記位相差板又は位相差フィルムの少なく
とも片面をフォトポリマー、熱硬化型エポキシ樹脂等の
光学的に透明な有機樹脂で覆うか、又はさらに前記有機
樹脂を介して高平坦度のガラス基板、プラスチック基板
等の第3の透明基板を接着すれば、波面収差の低減、信
頼性の向上という利点が得られる。
【0027】この場合、回折素子を透過した光の波面収
差が0.07λrms (λ:光の波長、rms:自乗平均
値)を超えると光記録媒体上で微小なスポット(回折限
界)に集光しがたくなるため、波面収差が0.07λ
rms 未満になるような平坦度を有する第3の透明基板を
用いることが好ましい。波面収差が0.015λrms
下になるような平坦度を有する第3の透明基板を用いる
ことが特に好ましい。
【0028】前記透明基板と第2の透明基板との間の周
辺部、又は回折素子全体の周辺部をエポキシ樹脂等のシ
ール材でシールすることにより、液晶の漏れを防ぐだけ
でなく、外部環境の湿度や温度の変化による液晶及び有
機樹脂等の好ましくない物理的又は化学的変化を防止で
き好ましい。
【0029】前記透明基板の凹凸部を設けた面又は反対
側の面(光源側の面)に、トラッキングエラー検出用の
3ビームを発生させる第2の回折格子を設けてもよく、
その場合トラッキングエラー検出が容易になり好まし
い。前記第2の回折格子は、フォトポリマー、フォトレ
ジスト等を塗布し所定パターンに露光して形成するか、
又はドライエッチング法により直接第2の基板を加工し
て形成する。
【0030】本発明の光ヘッド装置を読み取り用として
使用する場合は、通常、光源側に光記録媒体からの反射
光を検出する検出器を設ける。その検出器の受光面上に
前記反射光が所望のビーム形状に集光するように、回折
素子の光学異方性回折格子パターンに面内曲率を付与し
たり、格子間隔に分布を付与してもよい。前記格子パタ
ーンは、コンピュータによって設計した曲率分布、格子
間隔分布とし、スポットサイズディテクション法等のフ
ォーカスエラー検出法に最適なパターンとすることがで
きる。前記検出器としては、フォトダイオード、CCD
素子等の半導体素子を利用したものが小型軽量で、低消
費電力であるため好ましい。
【0031】前記回折素子の光入出射面に反射防止膜を
設けることにより、光の損失を防止できる。その場合、
反射防止膜としてアモルファスフッ素樹脂を使用すれ
ば、蒸着装置等の高価で大型の成膜装置を使用せずに低
コストで成膜でき好ましい。
【0032】前記光源、回折素子、検出器、対物レンズ
等を同一のパッケージ内に収容すれば、小型で光軸調整
等が容易な光ヘッド装置を提供でき好ましい。
【0033】本発明の光源としては、半導体レーザ(L
D)、LED等の半導体素子を利用したものがよく、L
Dが小型軽量で、低消費電力で、コヒーレンス性を有す
るため好ましい。また光記録媒体としては、CD(コン
パクト ディスク)、CD−ROM、DVD(デジタル
ビデオ ディスク)等の光ディスク、光磁気ディス
ク、相変化型光ディスク、光カード、その他光により情
報を書き込み及び/又は読み取るような光システム用の
記録媒体が使用できる。
【0034】以上において、全て単独の回折素子につい
て述べたが、例えば120mm×120mm角の透明基
板に複数個の液晶を充填した回折素子を形成し、最後に
個々に切断することもできる。又は液晶の充填を、個々
の回折素子の切断後行うこともできる。
【0035】液晶は、格子状の凹凸部の長手方向にほぼ
平行な方向に(図1では紙面に垂直な方向)配向してい
るが、光源(図1では下方)から入射したP波(図1で
は偏光方向が紙面に平行な偏光成分)に対しては、液晶
と凹凸部は屈折率が等しく、すなわち光学異方性回折格
子はP波に対しては透明となる。そのため、P波は何の
変化も受けずそのままλ/4板に入射し、円偏光に変化
し、対物レンズとしての非球面レンズを透過し、ほぼ1
00%の光が光記録媒体の記録面に到達する。
【0036】すなわち半導体レーザへの戻り光が非常に
小さく、戻り光ノイズの点で有利である。さらに往路の
透過率が高いということは、書き込みタイプの光デイス
ク装置においては、書き込み時に、相対的に低い出力の
半導体レーザで書き込みできるという点でコスト面で優
れる。
【0037】前記記録面で反射し再び非球面レンズを通
り戻ってきた反射光は、再びλ/4板を通過し、偏光方
向が90°異なったS波に変化する。S波が光学異方性
回折格子に入射すると、今度は液晶と凹凸部の屈折率が
異なるため回折格子として機能し、+1次回折光として
最大40%程度、−1次回折光として最大40%程度の
回折効率が得られる。+1次回折光、−1次回折光を検
出する検出器をどちらか一方にのみ配置した場合で40
%、両方に配置した場合は計80%の往復効率が得られ
る。
【0038】さらに、前記凹凸部の長手方向に垂直な面
における断面形状を斜面状(鋸歯状)にしたときはほぼ
70〜90%、3段の階段状にしたときはほぼ81%の
往復効率が得られる。
【0039】
【実施例】
[例1]本発明の例1を図1に示す。10mm×10m
m角、厚さ1mm、屈折率1.54の、比較的アルカリ
成分の少ない第1のガラス基板1の1表面に、真空蒸着
法によって厚さ1.55μmのSiO2 膜を形成した。
次いで、フォトリソグラフィ法とドライエッチング法に
よって、格子状に前記SiO2 膜をエッチングして、深
さ約1.55μm、ピッチ(周期)9μmの断面が矩形
状の格子状の凹凸部2を形成した。
【0040】比較的アルカリ成分の少ない第2のガラス
基板3の1表面に、液晶配向用の配向膜としてポリイミ
ド膜4を形成し、配向のためのラビング処理を行った。
ガラス基板1の凹凸部2を形成した面と、ガラス基板3
のポリイミド膜4を形成した面とを対面させ、さらにポ
リイミド膜4のラビング方向と前記凹凸部2のストライ
プ方向が同じになるようにして、2つのガラス基板を積
層した。
【0041】その場合、液晶注入口となる開口部を除き
2つのガラス基板の周囲を直径約4μmの球状スペーサ
を含むエポキシ樹脂(図示せず)でシールした。液晶注
入口から液晶6(メルク社製商品名BL002、ネマチ
ック液晶、常光屈折率1.525、異常光屈折率1.7
71)を真空注入した。このとき、ΔN=0.23、D
=1.55(μm)、λ0 =678(nm)であり、D
ΔN=λ0 /2を満たすのは35℃になるようにDを設
定した。
【0042】ガラス基板3のポリイミド膜4と反対側の
面にλ/4フィルム7を透明接着剤5により積層接着
し、さらにその上に波面収差を改善するためのフォトポ
リマー8、第3のガラス基板9を積層接着して回折素子
10を作製した。回折素子10の光源からの光の入射部
11、光の出射部12には、誘電体多層膜による反射防
止膜を施した。
【0043】光源として半導体レーザ(図1では回折素
子10の下方に設けられるが、図示せず。)を用い、波
長678nmのP波(紙面に平行な偏光成分)を入射さ
せたとき、P波の透過率は約95%であった。また、光
ディスク(図1では回折素子10の上方に設けられる
が、図示せず。)からの反射光(円偏光)がλ/4フィ
ルム7によりS波(紙面に垂直な偏光成分)に変化し、
このS波が光学異方性回折格子により回折され、+1次
回折光の回折効率は32%で、−1次回折光の回折効率
は32%であった。この結果、往路効率約95%、往復
効率約61%(±1次回折光検出)となった。
【0044】[例2]本発明の例2を図2に示す。図2
において、例1と同じ部品については同じ符号を付して
いる。ポリイミド膜4を形成しなかった以外は例1と同
様の構成とした。この場合、凹凸部2の配向力のみによ
って液晶6は配向した。例2においては、P波の透過率
は約95%で、S波の+1次回折光の回折効率は約31
%で、−1次回折光の回折効率は約29%であった。こ
の結果、往路効率約95%、往復効率約57%(±1次
回折光検出)となった。
【0045】
【発明の効果】本発明は、複屈折結晶のような高価な材
料を用いることなく、複屈折結晶よりも大きな基板面積
で量産性よく生産できる。さらに複屈折結晶よりも細か
いパターンで回折格子が形成でき、光学設計上の自由度
が高い。また、レリーフ型回折格子のような等方性格子
に比べて、高い光利用効率が得られる。
【0046】また往路の透過率がほぼ100%であるた
め、半導体レーザへの戻り光が非常に小さく、戻り光の
ノイズの点で有利である。さらに往路の透過率が高いと
いうことは、書き込みタイプの光デイスク装置において
は、書き込み時に、相対的に低い出力の半導体レーザで
書き込みできるという点でコスト的に優れる。さらに
は、ポリイミド膜等の液晶配向用の膜を設けなくとも、
液晶を配向をさせることができ量産性に優れる。
【0047】光学異方性回折格子の格子パターンについ
ては、露光用のマスク等を用いCGH(Compute
r Generated Hologram)法によ
り、複雑な格子パターンを容易に量産性よく形成でき
る。
【0048】λ/4板等の位相差板、位相差フィルムは
回折素子内にラミネートされているため、非常に生産性
に優れ全体をコンパクトにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の例1を示す、液晶による光学異方性回
折格子を用いた光ヘッド装置の基本構成の側面図。
【図2】本発明の例2を示す、光ヘッド装置の基本構成
の側面図。
【符号の説明】
1:第1のガラス基板 2:凹凸部 3:第2のガラス基板 4:ポリイミド膜 5:透明接着剤 6:液晶 7:λ/4フィルム 8:フォトポリマー 9:第3のガラス基板 10:回折素子 11:光の入射部 12:光の出射部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 保高 弘樹 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源からの光を回折素子を通して光記録媒
    体上に照射することにより情報の書き込み及び/又は情
    報の読み取りを行う光ヘッド装置の製造方法において、
    透明基板の表面にSiO2 膜を被覆し、次いで前記Si
    2 膜を微細加工して格子状の凹凸部を形成し、前記凹
    凸部に光学異方性を有する液晶を充填して光学異方性回
    折格子を形成することにより前記回折素子を製造するこ
    とを特徴とする光ヘッド装置の製造方法。
  2. 【請求項2】前記透明基板をガラス基板とし、ガラス基
    板上に真空蒸着法によりSiO2 膜を被覆し、SiO2
    膜をエッチングすることにより、格子状の凹凸部を形成
    する請求項1記載の光ヘッド装置の製造方法。
  3. 【請求項3】光源からの光を回折素子を通して光記録媒
    体上に照射することにより情報の書き込み及び/又は情
    報の読み取りを行う光ヘッド装置において、前記回折素
    子は、透明基板の表面にSiO2 膜を被覆し、前記Si
    2 膜を微細加工して格子状の凹凸部を形成し、前記凹
    凸部に光学異方性を有する液晶を充填して光学異方性回
    折格子を形成してなることを特徴とする光ヘッド装置。
  4. 【請求項4】前記透明基板の光学異方性回折格子上に位
    相差素子を積層した請求項3記載の光ヘッド装置。
  5. 【請求項5】前記位相差素子の少なくとも片面を透明な
    有機樹脂で覆った請求項4記載の光ヘッド装置。
  6. 【請求項6】前記回折素子の光入射面及び/又は光出射
    面に、高平坦度の透明基板を積層した請求項3〜5のい
    ずれか記載の光ヘッド装置。
JP7286150A 1995-11-02 1995-11-02 光ヘッド装置の製造方法及び光ヘッド装置 Pending JPH09127335A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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