JP4420990B2 - 光ヘッド装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクや光磁気ディスク等の光記録媒体の光学的情報の書き込み・読み取りを行う光ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光磁気ヘッド装置の一例を示す概念的斜視図を図11に示す。図11中、半導体レーザ1から出射した光はコリメートレンズ2、ビームスプリッタ3を透過し、反射プリズム4で反射した後、集光レンズ5にて光磁気記録媒体6に集光される。光磁気記録媒体6で反射された戻り光は集光レンズ5、反射プリズム4を透過した後、ビームスプリッタ3で反射されコリメートレンズ7を透過しビームスプリッタ8に入射する。ビームスプリッタ8で反射された光はシリンドリカルレンズ9を透過して4分割光検出器10で受光される。
【0003】
一方、ビームスプリッタ8を透過した光は1/2波長板11にて偏光方向が45°回転され、検光子12によりP偏光成分およびS偏光成分に分離されて2分割光検出器13で受光される。光磁気記録媒体6上に結ぶ光の焦点誤差の検出は、シリンドリカルレンズ9と4分割光検出器10により、楕円形の光の長軸・短軸の向きによって検出する非点収差法によって検出される。また、光磁気記録媒体6に記録された情報は2分割光検出器13に到達し2分割された光の差分信号により検出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の光磁気ヘッド装置においては、光学部品の点数が多いため構成が複雑であり、組立工数が多くなることから量産性が悪い。さらに小型化、薄型化が困難であり、近年需要が拡大している携帯向けの用途などには不向きである。また、検光子には通常高価なウオラストンプリズムを使用しており、さらに光学部品の点数が多いことによって光ヘッド装置のコストアップを招いている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を解決すべくなされたものであり、光源と、前記光源からの出射光を光記録媒体上に集光させるための集光手段と、前記光記録媒体からの反射戻り光を回折させる回折素子と、前記回折素子を透過した出射光を受光する光検出素子とを備えた光ヘッド装置において、前記回折素子は1枚の基板または2枚の基板の異なる表面に光学異方性媒質からなる第1と第2の2つの格子の各凸部が形成されており、前記光学異方性媒質からなる第1の格子の異常光屈折率を示す方向と第2の格子の異常光屈折率を示す方向とが略直交しており、前記2つの格子の少なくとも溝部には光学等方性媒質が充填され、かつ前記光学等方性媒質の屈折率の値が、前記光学異方性媒質の常光屈折率または異常光屈折率の値に略等しく、前記光源からの出射光の偏光状態は、前記第1、前記第2の異方性格子を通過した後も変化しないことを特徴とする光ヘッド装置。
【0006】
また、第1の異方性格子と第2の異方性格子の長手方向が等しいことを特徴とする上記の光ヘッド装置を提供する。
また、前記2つの格子がそれぞれ異なる基板の表面に形成され、それぞれの格子面が前記光学等方性媒質を挟んで向き合っていることを特徴とする上記の光ヘッド装置を提供する。
【0007】
また、前記2つの格子のそれぞれの格子の各凸部の断面形状が、非対称な鋸歯状または階段状であることを特徴とする上記の光ヘッド装置を提供する。
【0008】
さらに、前記回折素子が、前記光検出素子とともに光記録媒体上に結ぶ光焦点の誤差検出器としての機能を有するように、前記回折素子の格子が形成されていることを特徴とする上記の光ヘッド装置を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の光ヘッド装置の場合、光記録媒体として光磁気記録媒体を使用する光磁気ヘッド装置として好ましく使用されるので、光磁気ヘッド装置に限定して説明する。
【0010】
本発明の光磁気ヘッド装置においては、使用される回折素子に特徴がある。この回折素子は1枚の基板の異なる表面に光学異方性媒質からなる第1と第2の2つの格子が形成されているか、または2枚の基板のそれぞれの一方の表面に別々に光学異方性媒質からなる格子が形成されていてもよい。2枚の基板に光学異方性媒質からなる格子が形成されている場合、第1の格子と第2の格子は向かい合っていてもよいし、お互いに反対側を向いていてもよいし、2枚の基板のそれぞれの同じ側にあってもよい。
【0011】
そして、光学異方性媒質からなる第1の格子の異常光屈折率を示す方向と第2の格子の異常光屈折率を示す方向とが略直交しており、2つの格子の溝部には光学等方性媒質が充填されているかまたは格子の溝の深さ以上の厚さの光学等方性媒質で埋められていてもよい。第1の格子と第2の格子の異常光屈折率を示す方向が直交から10°程度、さらにはこれらの格子による回折光を受ける光検出素子の設置場所が許せば20°程度ずれていてもよい。以下、格子の溝の深さのことを単に溝の深さという。
【0012】
さらに、光学等方性媒質の屈折率の値が、光学異方性媒質の常光屈折率の値に略等しいかまたは異常光屈折率の値に略等しい。これらの屈折率の等しさの程度は、光学等方性媒質と光学異方性媒質との屈折率差で0.01程度であっても差し支えない。
【0013】
また、この光学異方性媒質からなる2つの格子の断面形状は、凹凸型であってもよいし、正弦波状であってもよいし、非対称な鋸歯状または階段状であってもよい。
ここで、光学異方性媒質からなる第1および第2の2つの格子がそれぞれ異なる基板の表面に形成され、第1および第2のそれぞれの格子面が光学等方性媒質を挟んで向き合っている構造をとることによって、回折素子の構造が簡単になりその作製工程数が低減できて好ましい。
【0014】
また、光学異方性媒質からなる第1および第2の2つの格子のそれぞれの格子の各凸部の断面形状が、非対称な鋸歯状または階段状とすることによって、これらの格子による回折光が+の次数または−次数のいずれかに略限定でき、その結果回折光の強度が大きくなり、さらに検出素子の数も減らすことができて好ましい。
【0015】
以下、それぞれの構成要素の個所において本発明を具体的にかつ詳細に説明する。本発明の実施の形態において、光源の位置の違いによって大きく2つの部分に分けてある。第一の実施の形態は、光源である半導体レーザチップが光検出素子に近接して設置されている場合であり、第二の実施の形態は光源である半導体レーザが光検出素子から分離されて、異なる場所に設置されている場合である。
【0016】
以下の説明では、第1および第2の2つの格子がそれぞれ異なる基板の表面に形成され、第1および第2のそれぞれの格子面が光学等方性媒質を挟んで向き合っている構造をとり、かつ第1および第2の2つの格子のそれぞれの格子の各凸部の断面形状が、非対称な鋸歯状または階段状に限定してある。
【0017】
まず、第一の実施の形態について詳細に説明する。
図2は本発明による光磁気ヘッド装置を示す概念的斜視図である。この装置は光磁気記録媒体6に情報を記録したり、光磁気記録媒体6から情報の再生をする。
【0018】
光検出モジュール14は回折素子14aおよびサブモジュール14bから構成されており、上述した従来の光磁気ヘッド装置を示す図11における、半導体レーザ1、ビームスプリッタ3および8、シリンドリカルレンズ9、4分割光検出器10、1/2波長板11、検光子12、2分割光検出器13の全てが有する機能と同等の機能を備えるものである。
【0019】
光検出モジュール14からの出射光はコリメートレンズ2によって平行光束にされ、反射プリズム4を透過した後、集光手段である集光レンズ5にて光磁気記録媒体6上に結像される。光磁気記録媒体6で反射した戻り光は、集光レンズ5を透過した後、反射プリズム4、コリメートレンズ7を透過し光検出モジュール14に入射する。
【0020】
図1は本発明による光磁気ヘッド装置における光検出モジュール14の模式的断面図であり、サブモジュール14bはサブモジュールパッケージ100、光源である半導体レーザチップ101および光検出素子102a、102bを備えたシリコン基板103からなる。半導体レーザチップ101からの出射光104は、回折素子14aを透過して、コリメートレンズ、反射プリズム、集光レンズを透過した後、光磁気記録媒体にて反射し、集光レンズ、反射プリズム、コリメートレンズを再度通過して戻り光105となり、回折素子14aに入射した後、−1次回折光106a、+1次回折光106bに回折され、光検出素子102a、102bにて受光される。
【0021】
以下、回折素子14aに関して図1を用いて詳述する。図1において、回折素子14aはガラス基板107、108、109、粘着層110、1/2波長板111、接着層112、光学的等方媒質である等方性充填材113、鋸歯状または階段状の断面形状を有する格子であって、光学異方性媒質である第1の異方性格子114および第2の異方性格子115からなる積層構造を有している。
【0022】
これらの異方性格子114、115は半導体プロセスなどで用いられるプレーナ法により多数個を一括作製したのち、ダイシングソーなどを使用した切断により素子化されればよい。ただし、ガラス基板はこれに限らず、透明なプラスチック基板などでもよい。
【0023】
ガラス基板107、108、109は光吸収の少ない光学ガラスなどを用い、軽量化のため、厚さは0.3〜0.6mm程度の薄板ガラスを用いることが好ましい。また、ガラス基板107、109の表面には誘電体多層膜などによる反射防止膜が施されていることが好ましい。1/2波長板111は、第1の異方性格子114に入射する戻り光105の偏光方向を、異方性格子114の異常光屈折率を示す方向である光学異方軸に対して45°になるよう、偏光方向を回転させる作用を有する。
【0024】
したがって、予め光学異方性媒質の異常光屈折率を示す方向が光記録媒体からの反射戻り光であって光学異方性媒質に入射する光の偏光方向と45゜をなすように設置されていると、すなわち異方性格子の光学異方軸が、戻り光105の偏光方向に対して45°傾くように設置されていれば、1/2波長板は必要ないため、ガラス基板107、粘着層110、1/2波長板111、接着層112が不要となり、光学部品数が減らせてまた1/2波長板111を組み込む工程が省けて好ましい。ただしその場合は、ガラス基板108の表面に前記反射防止膜を施すことが好ましい。
【0025】
1/2波長板111の材質は、水晶板、ポリカーボネートなどの延伸した有機フィルムなどが一般的である。1/2波長板111は光学軸が適切な向きになるよう、粘着層110、接着層112により、ガラス基板107、108に保持される。等方性充填材113は所望の屈折率を有するアクリル、エポキシなどの有機接着剤を用い、異方性格子115を形成したガラス基板109上に適量を滴下した後、1/2波長板を接着したガラス基板108の第1の異方性格子114を形成した面と第2の異方性格子115を形成した面とを対向して貼り合わせ固化接着すればよい。
【0026】
その際、第1の異方性格子114の光学異方軸の方向と、第2の異方性格子115の光学異方軸の方向が略直交するように接着する。また、接着時に格子の溝部に気泡が取り残されないよう、低粘度の接着剤を選択することが好ましく、また、接着剤滴下後の圧着時に工夫を要する。
【0027】
第1、第2の異方性格子114、115は、ガラス基板108、109上に形成された高分子液晶薄膜などをドライエッチング法などを用いて作製される。ここで使用する高分子液晶としては、側鎖型を有する構造のものが好ましくアクリル系、シリコーン系、メタクリル系などを主成分とするものが例示できる。また、高分子液晶に限らず光異方性を有する誘電体であってもよく、この場合は直接異方性格子が形成される。また、第1、第2の異方性格子114、115に使用される光学異方性媒質の常光屈折率と異常光屈折率は等しい方が望ましい。
【0028】
高分子液晶薄膜の形成は、ポリイミドなどの有機薄膜をラビング法などにより配向処理させたガラス基板上に光重合型モノマー液晶をスピンコート法などで所望の膜厚になるよう塗布した後、適切な温度環境下にて紫外線を照射し重合高分子化される。
【0029】
格子の断面形状は、上述のように非対称な鋸歯状または階段状である。鋸歯状であれば回折の特性に優れ好ましいが、製作に困難を伴う。階段状の格子で所望の回折の特性が得られれば、製作の容易さから有利となる。薄膜化された高分子液晶は、フォトリソグラフィー法を用いたエッチング法や金型を用いたプレス法などで格子パターンが形成される。
【0030】
ここでは、断面形状が階段状の格子の作製法について説明する。フォトリソグラフィー法によって4段階のステップを経て作製する、4段ステップ格子の形成法を示す概念図を図3に示す。図3(a)は、高分子液晶薄膜上に形成したフォトレジストをパターニングした様子を示す断面図である。すなわち、高分子液晶薄膜42を成膜したガラス基板43上にフォトレジスト41をスピンコートし、通常の半導体プロセスなどで用いられるフォトリソグラフィー法により、マスクパターンを感光した後現像を行い、フォトレジストの格子パターンを形成する。この場合、フォトマスクは高分子液晶の配向方向、すなわち複屈折性の異方軸方向に対して所望の方向に格子の長手方向が一致するように配置する。
【0031】
図3(b)は、ドライエッチング法により高分子液晶薄膜をエッチングした様子を示す断面図である。フォトレジストパターンが形成されたガラス基板はドライエッチング法によりエッチング部の高分子液晶薄膜厚が未エッチング部の高分子液晶薄膜厚の1/3程度になるまでエッチングする。その際、フォトレジストも同時にエッチングされる。また、図3(c)は、フォトレジストを再塗布してパターニングした様子を示す断面図である。つまり、フォトレジスト44をスピンコート法にて塗布し、露光、現像を行うが、このとき用いるフォトマスクは図3(a)にて使用したフォトマスクの半分の格子周期とする。
【0032】
図3(d)は、ドライエッチング法により高分子液晶薄膜を再エッチングした様子を示す断面図である。つまり、再度ドライエッチングすることにより、先程(b)でエッチングした部分のうちで、さらに除去すべき部分をエッチングして、4段ステップ格子を形成することができる。光学特性をさらに向上させる場合、さらにプロセス数を増加することで多段化し、理想的な斜面に近づけることが望ましい。また、理想的な鋸歯状であるブレーズ型格子を得るために、精密金型によるプレス法も格子形成手段として好ましい。
【0033】
次に、本発明による光磁気ヘッド装置の信号検出方法に関して、図4および図5を用いて詳述する。図4は本発明における回折素子を透過する光の偏光特性を模式的に示すものである。光軸60に垂直な面内に、P方向61、およびS方向62を図のように定め、光源である半導体レーザチップ101を偏光方向がP方向61に対して45°傾むくように配置する。次に、第1、第2の異方性格子114、115の格子方向をS方向に一致させ、第1の異方性格子114の−1次回折光の偏光方向69の光が入射する位置に光検出素子102aを、第2の異方性格子115の+1次回折光の偏光方向68の光が入射する位置に光検出素子102bを配する。
【0034】
ここで、異方性格子の格子方向はP方向と異なっていてもよく、第1の異方性格子の格子方向と第2の異方性格子の格子方向が異なる向きであってもよい。また格子周期に関しても、2つの異方性格子で等しくても、異なっていてもよい。その場合、光検出素子102a、102bの位置を、前記回折光が入射しうる位置に設置すればよい。次に、第1の異方性格子の異常光方向63、すなわち異常光屈折率を示す方向をS方向62に一致させ、第2の異方性格子の異常光方向64をP方向61に一致させる。ここで、反対に第1の異方性格子の異常光方向63がP方向、第2の異方性格子の異常光方向64がS方向62を向いてもよい。
【0035】
先ず、光源である半導体レーザチップ101から出射光の偏光方向65の光が第2の異方性格子115を透過する様子を説明する。図5は本発明における異方性格子の格子形状とこれにより生じる位相差を示す模式図である。図5(a)、図5(d)はそれぞれ、第1、第2の異方性格子114、115の格子形状を示す断面図である。第2の異方性格子115は、格子方向がS方向、異常光方向がP方向であり、入射するP偏光は異常光線になるから、異方性格子の異常光屈折率neと等方性充填材の屈折率nSとの屈折率差Δn、および溝の深さdとの積で与えられる次の式の位相差が生ずる。
Δn・d=(ne−nS)・d
【0036】
図5(e)はその位相差の様子を示すものであり、第2の異方性格子におけるP偏光に対する位相差形状を示す概念図である。回折理論より、周期的な位相差形状に光が入射した場合、回折光が生じ、その回折光強度は入射光強度に対する割合である回折効率ηmにより表される。ここでmは回折次数であり、m=0、±1、±2・・である。図5(e)の位相差形状のように、回折格子の断面を非対称な鋸歯状または階段状にして、形状を最適化した場合、回折効率は正負で非対称になり、かつ一方の回折効率を略0にすることができ、(1)式の関係となる。
ηP−1>>ηP+1≒0・・・(1)
【0037】
つまり、本構成の場合、生じた位相差形状は図5(e)であるから、第2の異方性格子に入射したP偏光は、紙面左側に−1次回折光を生じ、紙面右側に生ずる+1次回折光の光量は略0になる。また、P偏光の0次透過光と1次回折光の効率比ηP,0/ηP,−1は異方性格子の溝の深さdに依存し、適切な溝の深さdを選択することにより、(2)式のようにすることができる。
ηP0/ηP−1≒1・・・(2)
【0038】
本発明においては、ηP0、ηP−1は30〜40%であり、ηP+1は1%以下である。
【0039】
一方、第2の異方性格子にS偏光が入射する場合、S偏光は常光線であるから、生じる位相差は(no−nS)・dになる。ここで、noは異方性格子の常光屈折率であり、等方性充填材の屈折率nSをnoに等しくすれば、位相差は生じない。この様子を図5(f)に、すなわち、第2の異方性格子におけるS偏光に対する位相差形状を示す概念図を示す。したがって、第2の異方性格子にS偏光が入射した場合は回折光は生じず、全て透過する。以上の説明により、偏光方向が45°傾いた半導体レーザからの出射光のうち、S偏光成分は全透過するが、P偏光成分は全透過せず回折により透過光の強度はηP0に低下する。
【0040】
次に、第2の異方性格子を透過した光が、第1の異方性格子を透過する様子を説明する。第1の異方性格子は格子方向、異常光方向ともS方向であり、紙面に垂直な向きである。したがって、第2の異方性格子とは異なり、P偏光が常光線、S偏光が異常光線になるから、生ずる位相差形状は、図5(b)、(c)になる。ここで、図5(b)は第1の異方性格子におけるP偏光に対する位相差形状を示す概念図であり、P偏光は回折されずに全透過する。一方、図5(c)は第1の異方性格子におけるS偏光に対する位相差形状を示す概念図であり、前述の説明同様、S偏光は紙面右側の+1次回折光を生じ、紙面左側に生ずる−1次回折光の光量は略0になる。
【0041】
ここで、第1の異方性格子と第2の異方性格子の常光屈折率、異常光屈折率、溝の深さが等しい場合、両者の常光線に対する回折効率、および異常光線に対する回折効率は等しくなるので(3)〜(6)式のようになる。
η1 S+1=η2 P−1=η1 ・・・(3)
η1 S−1=η2 P+1≒0 ・・・・(4)
η1 S0=η2 P0 ・・・(5)
η1 P0=η2 S0=1 ・・・(6)
【0042】
ここでη1は第1の異方性格子の回折効率、η2は第2の異方性格子の回折効率を表し、(3)式ではη1とおいた。
【0043】
半導体レーザからの出射光において、第2の異方性格子を全透過したS偏光成分は、第1の異方性格子により回折し、透過光強度はη2 S0×η1 S0になる。一方、第2の異方性格子で回折されたP偏光成分は、第1の異方性格子においては全透過するため、透過光強度はη2 P0×η1 P0になる。
【0044】
したがって、(5)、(6)式より、P偏光成分とS偏光成分の透過光強度は等しくなるから、半導体レーザからの出射光の偏光状態は、第1、第2の異方性格子を通過した後も変化しない。また、次に透過する1/2波長板111により偏光方向が45°回転して、回折素子からの偏光方向Bである67の光はS偏光になる。異方性格子により生じた回折光は、光磁気記録媒体に向かう途中の開口制限により、遮断され寄与しないことが好ましい。
【0045】
次に、光磁気記録媒体にて反射した戻り光が回折素子に入射する場合を説明する。光磁気記録媒体にて反射した戻り光の偏光方向は、光磁気記録媒体の磁気モーメントによるカー効果により、記録された情報(磁気モーメントの向き)に対応したカー回転角、+θkまたは−θkだけ回転している。つまり、回折素子に入射する光の偏光方向は、出射光と同じ偏光方向Bである67から±θk回転し、したがって、1/2波長板111を再度透過した光も、偏光方向Aである66から±θk回転している。ここで、戻り光偏光のP偏光成分をIP、S偏光成分をISとして、そのうちのθkに比例した交流成分をα、直流成分をIとすると、IPとISは次式のようになる。
IP=I+αまたはI−α
IS=I−αまたはI+α
【0046】
ここで、交流成分αは、光磁気記録媒体に記録された情報によって変調された信号成分であり、この成分を検出すれば情報を読み取ることとなる。以下に、αの検出方法を示す。
【0047】
上述の説明から、光磁気記録媒体からの戻り光で異方性格子を通過する光のうち、P偏光成分は第1の異方性格子では全透過するが、第2の異方性格子では+1次回折光の偏光方向68の光を生ずる。S偏光成分は第1の異方性格子にて−1次回折光の偏光方向69の光を生じ、第2の異方性格子では全透過する。したがって、光磁気記録媒体側から入射する光のP偏光成分は+1次回折光が入射する光検出素子102bにて検出でき、S偏光成分は−1次回折光が入射する光検出素子102aにて検出できる。
【0048】
光検出素子102b、102aに入射する光の強度IP+1、IS−1は、(7)、(8)式であり、また光検出素子102b、102aの差動信号、つまりIP+1とIS−1の差分は(9)式により光磁気信号αを検出することができる。
【0049】
【数1】
【0050】
ここで、η2 P+1とη1 S−1をη1をおいた。(4)式ではこれらの値はほとんど0であるが、格子への光の入射方向が(4)式の場合とは逆であるため、これらは0でなく大きさは(3)式に等しい。
【0051】
上述の構成では、等方性充填材の屈折率nsを異方性格子の常光屈折率noに等しくしたが、異常光屈折率neに等しくした場合でも同様の効果を得ることができる。また、非対称格子の傾斜方向が上述の方向と逆向きであっても構わない。この場合、回折方向が変わり、P偏光は−1次側に回折され、S偏光は+1次側に回折される。
【0052】
次に、焦点誤差信号および、トラッキング誤差信号に関して詳述する。焦点誤差信号およびトラッキング誤差信号は、光検出素子102a、102bを各々分割して、分割された光検出素子の各々からの信号を演算することにより得ることができる。
【0053】
通常、焦点誤差検出法にはスポットサイズ法、非点収差法、ナイフエッジ法等を用いる。これらは、2つの光検出素子に入射する2つの回折光の光スポットの大きさの違いで焦点誤差を検出するもの(スポットサイズ法)、1つの光スポットが円形となるかまたは楕円形となりその長軸と短軸の向きがどちらかによって焦点誤差を検出するもの(非点収差法)、半月形の光スポットの向きに応じて焦点誤差を検出するもの(ナイフエッジ法)である。
【0054】
これらの形状の光スポットが、光磁気記録媒体上での焦点誤差の発生にともなって、光検出素子上に生じるように、各々の方法に応じて異方性格子の面内の形状を変形して作製すればよい。通常このような収差を発生させる格子の形状は、曲線状となる。
【0055】
図6は、本発明による光磁気ヘッド装置における光検出素子上の光スポットを示す模式的上面図である。図6を用いてさらに詳しくスポットサイズ法を説明する。異方性格子を光のレンズ機能を有する格子形状にすることで、3分割した光検出素子70a、70b、70c、70d、70eおよび70fに入射する回折光の焦点距離を変え、焦点誤差に対応する光検出素子上の−1次回折光の光スポット71および+1次回折光の光スポット72のサイズ変化から、焦点誤差信号Sfeを(10)式から検出する。
【0056】
ここで、Ia、Ib、Ic、Id、IeおよびIfはそれぞれ、分割された光検出素子70a、70b、70c、70d、70eおよび70fより得られた信号強度である。
【0057】
図6(a)は光磁気記録媒体が焦点位置より遠ざかった状態でSfe>0、(b)は焦点が合っている場合でSfe=0、(c)は光磁気記録媒体が焦点位置より近づいた状態でSfe<0を示す。
【0058】
【数2】
【0059】
一方、光磁気記録媒体上のトラックからの光の外れである、トラッキング誤差検出法には、再生専用に用いられる3ビーム法や、記録および再生に用いられるプッシュプル法等がある。3ビーム法の場合、半導体レーザ出射端近傍に3ビーム回折素子、および3ビーム光検出素子が必要になる。また、プッシュプル法の場合には、図6の3分割光検出素子において、トラッキング誤差信号Steは(11)式により検出できる。
【0060】
上述の構成は、図1の光検出モジュール内に半導体レーザチップ101を備え、また、回折素子14aには、光磁気記録媒体に入射する光線である往路光線および光磁気記録媒体により反射した戻り光である復路光線の両者が入射する。したがって、往路光線の場合には、±1次以上の回折光が損失光(不要光)となり光磁気記録媒体に入射する光強度の低下を招いている。また、復路の場合には、0次透過光が損失光となるため、光検出素子に入射される光の利用効率は低下する。
【0061】
しかし、利用効率の低下はあるものの光検出モジュール内に半導体レーザチップ101を備えているため、大幅な光学部品点数の低減と大幅な小型化、薄型化が期待できる。
【0062】
以上が、第一の実施の形態についての説明であったが、次に、第二の実施の形態について光検出モジュールと光磁気ヘッド装置の構成ついてのみ簡単に説明する。他の部分は第一の実施の形態の説明で述べたものと同じである。
【0063】
第一の実施の形態で述べた以上に往復路の光利用効率を高める手段として、光源である半導体レーザが光検出素子から分離されて、異なる場所に設置されている。
【0064】
図8は本発明による他の実施態様の光磁気ヘッド装置を示す概念的斜視図である。光検出モジュール15とは別に配された、光源である半導体レーザ1からの出射光は、コリメートレンズ2、ビームスプリッタ3、反射プリズム4、集光レンズ5を透過した後、光磁気記録媒体6で反射して、再度集光レンズ5、反射プリズム4を透過し、ビームスプリッタ3にて反射し、コリメートレンズ7を透過して光検出モジュール15に入射する。本発明による光磁気ヘッド装置における光検出モジュールの模式的断面図を図7に示す。図1に示した光検出モジュールとの相違点は、図1の半導体レーザチップ101が本構成では内蔵されていないこと、および異方性格子114と115の溝の深さdが異なることであり、その他は全て同じ構成である。ここで、15aおよび15bはそれぞれ回折素子およびサブモジュールである。
【0065】
本構成の場合、溝の深さdを変えることにより、回折素子の0次透過効率が略0になる結果、信号検出に要する±1次回折効率が前述の構成に比べ高くなり、往復での光利用効率はおよそ1.5倍に向上する。しかし、図2と図8を比べてわかるように、図2の構成に比べ、本構成は部品点数が多いものの、従来例である図11と比べ約半分に低減できて、小型化、コストダウンが図れる。
つまり、本構成は従来例と比べ光学部品点数が約半分に低減できるため、小型化、薄型化が可能であり、さらに光の利用効率が高いという特徴を有する。
【0066】
【実施例】
「実施例1」
本実施例を、図1を用いて説明する。まず、異方性格子の作製法について述べる。異方性格子は常光屈折率が1.55、異常光屈折率が1.65の重合した高分子液晶を用いて作製した。2枚のガラス基板108、109の表面に互いに直交する向きに配向処理を施した後、スピンコート法により厚さ2.9μmのモノマー液晶薄膜を形成後、紫外線照射を行い重合固化させ、高分子液晶薄膜とした。
【0067】
格子の形成はフォトリソグラフィー法を用いて行い、ガラス基板108上に形成した高分子液晶薄膜をドライエッチングにより、第1の異方性格子114を形成した。同様にして、ガラス基板109上に形成した高分子液晶薄膜をドライエッチングし、第2の異方性格子115を形成した。第1の異方性格子と第2の異方性格子の長手方向は等しく、第1の異方性格子の長手方向は光学異方軸と平行にした。したがって、第2の異方性格子の長手方向は、光学異方軸に対して直交している。
【0068】
第1、第2の異方性格子とも、格子周期は約10μm、溝の深さは2.9μmの4段ステップ格子で非対称なホログラムが形成されている。本実施例では、焦点誤差検出法にスポットサイズ法を使用したため、コンピュータシミュレーションによりスポットサイズ法として使用する最適なホログラムパターンを設計した。
【0069】
次に、この異方性格子を組み込んだ回折素子の形成法に関して述べる。厚さ0.5mmで片面に誘電体多層膜の反射防止膜が施されている光学規格のガラス基板107の反射防止膜のない面と、1/2波長板111で粘着材110が塗布された面とを貼り合わせた。ここで使用した1/2波長板111は、延伸されたポリカーボネートフィルム製で、厚さ100μmのものであった。次に、第1の異方性格子114が形成されたガラス基板の面とは反対側の面上に紫外線硬化型接着剤を適量滴下し、前記ガラス基板107に接着された1/2波長板111と貼り合わせた後、紫外線照射を行い重合接着した。この接着層112の厚さは約20μmであった。
【0070】
次に、第2の異方性格子115が形成された表面に、スピンコート法により厚さ20μmのアクリル系の等方性充填材113を塗布し、この塗布面と上記層状物の第1の異方性格子面とを合わせ、紫外線照射により重合固化して接着した。この際、2つの異方性格子の異常光屈折率を示す方向が直交するようにした。重合固化後の等方性充填材113の屈折率は、異方性格子の常光屈折率に等しく1.55である。以上のようにして形成された積層物を切断・分離して回折素子とした。
【0071】
形成された回折素子の大きさは、縦3mm、横3mm、厚さ1.8mmであり、光学特性は、P偏光が入射した場合、透過効率が39%、1次回折効率が35%、−1次回折効率が0.5%であり、S偏光が入射した場合、透過効率が39%、−1次回折効率が35%、+1次回折効率が0.5%であり、弱い高次回折光もあった。ここでいうS偏光とは、第1の異方性格子の異常光屈折率を示す方向に平行に偏光した光であり、P偏光とはS偏光方向に直交する向きに偏光した光である。
【0072】
回折素子14aは、波長650nmを有する半導体レーザチップ101、3分割光検出素子102a、102bを備えたシリコン基板103が搭載された樹脂のサブモジュールパッケージ100に組み付けられ、調整されて接着剤で固定された。
【0073】
作製された光検出モジュール14を図2に示す光磁気ディスクヘッド装置に組み込み、光磁気記録媒体6に情報の記録・再生を行った。前述のように、焦点誤差検出にはスポットサイズ法を用い、3分割光検出素子102a、102bの各分割検出素子からの信号を演算し、合焦点制御を行った。また、トラッキング誤差検出は、プッシュプル法により、光検出素子102aと102bを使用して行った。光磁気記録情報の再生信号は、光検出素子102aと102bの差動信号により得られ、本実施例においては良好な再生信号を得ることができた。
【0074】
「実施例2」
図9は本発明による第2の実施例の光磁気ヘッド装置における光検出モジュールの模式的断面図である。ここで、16は光検出モジュール、16aは回折素子、16bはサブモジュールであり、他の同符号は上述のものと同じものを意味する。
【0075】
まず、異方性格子の作製法について述べる。異方性格子は常光屈折率が1.55、異常光屈折率が1.65の重合した高分子液晶を用いて作製した。2枚のガラス基板108、109の表面に互いに直交する向きに配向処理を施した後、スピンコート法により厚さ4.8μmのモノマー液晶薄膜を形成後、紫外線照射を行い重合固化させ、高分子液晶薄膜を作製した。
【0076】
格子の形成はフォトリソグラフィー法を用いて行い、ガラス基板108上に形成した高分子薄膜をドライエッチングにより第1の異方性格子114を形成した。同様にして、ガラス基板109上に形成した高分子液晶をドライエッチングし、第2の異方性格子115を形成した。第1の異方性格子と第2の異方性格子の長手方向は等しく、第1の異方性格子の長手方向は光学異方軸と平行にした。したがって、第2の異方性格子の長手方向は、光学異方軸に対して直交している。
【0077】
第1、第2の異方性格子とも、格子周期は約10μm、溝の深さは4.8μmの4段ステップ格子で非対称なホログラムが形成されている。本実施例では、焦点誤差検出法にスポットサイズ法を使用したため、コンピュータシミュレーションによりスポットサイズ法として使用する最適なホログラムパターンを設計した。
【0078】
次に、この異方性格子を組み込んだ回折素子16aの形成法に関して述べる。第2の異方性格子115が形成された表面に、スピンコート法により厚さ20μmのアクリル系の等方性充填材113を塗布し、この塗布面と上記層状物の第1の異方性格子面とを合わせ、紫外線照射により重合固化して接着した。この際、2つの異方性格子の異常光屈折率を示す方向が直交するようにした。重合固化後の等方性充填材113の屈折率は、常光屈折率に等しく1.55である。以上のようにして形成された積層物を切断・分離して回折素子とした。
【0079】
形成された回折素子16aの大きさは、縦3mm、横3mm、厚さ1.3mmであり、光学特性は、P偏光が入射した場合、透過効率が0.5%、+1次回折効率が79%、−1次回折効率が0.5%であり、S偏光が入射した場合、透過効率が0.5%、−1次回折効率が79%、+1次回折効率が0.5%であり、弱い高次回折光もあった。ここでいうS偏光とは、第1の異方性格子の異常光屈折率を示す方向に平行に偏光した光であり、P偏光とはS偏光方向に直交する向きに偏光した光である。
【0080】
回折素子16aは、3分割光検出素子102a、102bを備えたシリコン基板103が搭載された樹脂のサブモジュールパッケージ100に組み付けられ、調整されて接着剤で固定された。
図10は本発明による第2の実施例における光磁気ヘッドの概念的斜視図であり、作製された光検出モジュール16を図10の光磁気ヘッド装置に組み込み、光磁気記録媒体6に情報の記録・再生を行った。光源である半導体レーザ101の波長は650nmであり、出射光の偏光方向とP偏光方向とのなす角度が45°になるように、半導体レーザの向きを決めた。図10で図8と同じ要素は、同じ符号を付してある。また、16aおよび16bはそれぞれ回折素子およびサブモジュールである。
【0081】
前述のように、焦点誤差検出にはスポットサイズ法を用い、3分割光検出素子102a、102bの各分割検出素子からの信号を演算し、合焦点制御を行った。また、トラッキング誤差検出は、プッシュプル法により、光検出素子102a、102bを使用して行った。光磁気記録情報の再生信号は、光検出素子102aと102bの差動信号により得られ、本実施例においては光利用効率の高い良好な再生信号を得ることができた。
【0082】
【発明の効果】
以上のように、本発明の光ヘッド装置においては、光学部品の点数が少ないため構成が単純であり、組立工数が少なくなることから量産性がよい。さらに小型化、薄型化が可能であり、携帯向けの用途などには好適である。
【0083】
また、本発明の光ヘッド装置の場合、光記録媒体として光磁気記録媒体(光磁気ディスク)を使用する光磁気ヘッド装置が好ましく使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光磁気ヘッド装置における光検出モジュールの模式的断面図。
【図2】本発明による光磁気ヘッド装置を示す概念的斜視図。
【図3】4段ステップ格子の形成法を示す概念図。(a)高分子液晶薄膜上に形成したフォトレジストをパターニングした様子を示す断面図、(b)ドライエッチング法により高分子液晶薄膜をエッチングした様子を示す断面図、(c)フォトレジストを再塗布してパターニングした様子を示す断面図、(d)再ドライエッチング法により高分子液晶薄膜をさらにエッチングした様子を示す断面図。
【図4】本発明による光磁気ヘッド装置における回折素子を透過する光の偏光特性を示す概念図。
【図5】異方性格子の格子形状とこれにより生じる位相差を示す図。(a)第1の異方性格子の格子形状を示す断面図、(b)第1の異方性格子におけるP偏光に対する位相差形状を示す概念図、(c)第1の異方性格子におけるS偏光に対する位相差形状を示す概念図、(d)第2の異方性格子の格子形状を示す断面図、(e)第2の異方性格子におけるP偏光に対する位相差形状を示す概念図、(f)第2の異方性格子におけるS偏光に対する位相差形状を示す概念図。
【図6】本発明による光磁気ヘッド装置における光検出素子上の光スポットを示す模式的上面図。(a)光記録媒体が焦点位置より遠い場合、(b)光記録媒体が焦点位置にある場合、(c)光記録媒体が焦点位置より近い場合。
【図7】本発明による光磁気ヘッド装置における光検出モジュールの模式的断面図。
【図8】本発明による他の実施形態の光磁気ヘッド装置を示す概念的斜視図。
【図9】本発明による第2の実施例の光磁気ヘッド装置における光検出モジュールの模式的断面図。
【図10】本発明による第2の実施例における光磁気ヘッドの概念的斜視図。
【図11】従来の光磁気ヘッド装置の一例を示す概念的斜視図。
【符号の説明】
1:半導体レーザ
2:コリメートレンズ
3:ビームスプリッタ
4:反射プリズム
5:集光レンズ
6:光磁気記録媒体
7:コリメートレンズ
8:ビームスプリッタ
9:シリンドリカルレンズ
10:4分割光検出器
11:1/2波長板
12:検光子
13:2分割光検出器
14:光検出モジュール
14a:回折素子
14b:サブモジュール
15:光検出モジュール
15a:回折素子
15b:サブモジュール
16:光検出モジュール
100:サブモジュールパッケージ
101:半導体レーザチップ
102a:光検出素子
102b:光検出素子
103:シリコン基板
107:ガラス基板
108:ガラス基板
109:ガラス基板
110:粘着層
111:1/2波長板
112:接着層
113:等方性充填材
114:第1の異方性格子
115:第2の異方性格子
Claims (5)
- 光源と、前記光源からの出射光を光記録媒体上に集光させるための集光手段と、前記光記録媒体からの反射戻り光を回折させる回折素子と、前記回折素子を透過した出射光を受光する光検出素子とを備えた光ヘッド装置において、前記回折素子は1枚の基板または2枚の基板の異なる表面に光学異方性媒質からなる第1と第2の2つの格子の各凸部が形成されており、前記光学異方性媒質からなる第1の格子の異常光屈折率を示す方向と第2の格子の異常光屈折率を示す方向とが略直交しており、前記2つの格子の少なくとも溝部には光学等方性媒質が充填され、かつ前記光学等方性媒質の屈折率の値が、前記光学異方性媒質の常光屈折率または異常光屈折率の値に略等しく、前記光源からの出射光の偏光状態は、前記第1、前記第2の異方性格子を通過した後も変化しないことを特徴とする光ヘッド装置。
- 第1の異方性格子と第2の異方性格子の長手方向が等しいことを特徴とする請求項1記載の光ヘッド装置。
- 前記2つの格子がそれぞれ異なる基板の表面に形成され、それぞれの格子面が前記光学等方性媒質を挟んで向き合っていることを特徴とする請求項1または2記載の光ヘッド装置。
- 前記2つの格子のそれぞれの格子の各凸部の断面形状が、非対称な鋸歯状または階段状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の光ヘッド装置。
- 前記回折素子が、前記光検出素子とともに光記録媒体上に結ぶ光焦点の誤差検出器としての機能を有するように、前記回折素子の格子が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の光ヘッド装置。
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