JP2000021000A - 光ヘッド装置 - Google Patents
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Abstract
を得る。 【解決手段】装置を構成する回折素子14bは、2つの
基板表面に光学異方性媒質からなる格子が形成されてお
り、第1の異方性格子114と第2の異方性格子115
の光学異方軸が略直交しており、格子の少なくとも溝部
には等方性充填材113が充填され、かつ等方性充填材
113の屈折率の値が、光学異方性媒質の常光屈折率ま
たは異常光屈折率の値に等しい。
Description
気ディスク等の光記録媒体の光学的情報の書き込み・読
み取りを行う光ヘッド装置に関する。
念的斜視図を図11に示す。図11中、半導体レーザ1
から出射した光はコリメートレンズ2、ビームスプリッ
タ3を透過し、反射プリズム4で反射した後、集光レン
ズ5にて光磁気記録媒体6に集光される。光磁気記録媒
体6で反射された戻り光は集光レンズ5、反射プリズム
4を透過した後、ビームスプリッタ3で反射されコリメ
ートレンズ7を透過しビームスプリッタ8に入射する。
ビームスプリッタ8で反射された光はシリンドリカルレ
ンズ9を透過して4分割光検出器10で受光される。
1/2波長板11にて偏光方向が45°回転され、検光
子12によりP偏光成分およびS偏光成分に分離されて
2分割光検出器13で受光される。光磁気記録媒体6上
に結ぶ光の焦点誤差の検出は、シリンドリカルレンズ9
と4分割光検出器10により、楕円形の光の長軸・短軸
の向きによって検出する非点収差法によって検出され
る。また、光磁気記録媒体6に記録された情報は2分割
光検出器13に到達し2分割された光の差分信号により
検出される。
の光磁気ヘッド装置においては、光学部品の点数が多い
ため構成が複雑であり、組立工数が多くなることから量
産性が悪い。さらに小型化、薄型化が困難であり、近年
需要が拡大している携帯向けの用途などには不向きであ
る。また、検光子には通常高価なウオラストンプリズム
を使用しており、さらに光学部品の点数が多いことによ
って光ヘッド装置のコストアップを招いている。
解決すべくなされたものであり、光源と、前記光源から
の出射光を光記録媒体上に集光させるための集光手段
と、前記光記録媒体からの反射戻り光を回折させる回折
素子と、前記回折素子を透過した出射光を受光する光検
出素子とを備えた光ヘッド装置において、前記回折素子
は1枚の基板または2枚の基板の異なる表面に光学異方
性媒質からなる第1と第2の2つの格子が形成されてお
り、前記光学異方性媒質からなる第1の格子の異常光屈
折率を示す方向と第2の格子の異常光屈折率を示す方向
とが略直交しており、前記2つの格子の少なくとも溝部
には光学等方性媒質が充填され、かつ前記光学等方性媒
質の屈折率の値が、前記光学異方性媒質の常光屈折率ま
たは異常光屈折率の値に略等しいことを特徴とする光ヘ
ッド装置を提供する。
板の表面に形成され、それぞれの格子面が前記光学等方
性媒質を挟んで向き合っていることを特徴とする上記の
光ヘッド装置を提供する。
各凸部の断面形状が、非対称な鋸歯状または階段状であ
ることを特徴とする上記の光ヘッド装置を提供する。
とともに光記録媒体上に結ぶ光焦点の誤差検出器として
の機能を有するように、前記回折素子の格子が形成され
ていることを特徴とする上記の光ヘッド装置を提供す
る。
記録媒体として光磁気記録媒体を使用する光磁気ヘッド
装置として好ましく使用されるので、光磁気ヘッド装置
に限定して説明する。
用される回折素子に特徴がある。この回折素子は1枚の
基板の異なる表面に光学異方性媒質からなる第1と第2
の2つの格子が形成されているか、または2枚の基板の
それぞれの一方の表面に別々に光学異方性媒質からなる
格子が形成されていてもよい。2枚の基板に光学異方性
媒質からなる格子が形成されている場合、第1の格子と
第2の格子は向かい合っていてもよいし、お互いに反対
側を向いていてもよいし、2枚の基板のそれぞれの同じ
側にあってもよい。
子の異常光屈折率を示す方向と第2の格子の異常光屈折
率を示す方向とが略直交しており、2つの格子の溝部に
は光学等方性媒質が充填されているかまたは格子の溝の
深さ以上の厚みの光学等方性媒質で埋められていてもよ
い。第1の格子と第2の格子の異常光屈折率を示す方向
が直交から10°程度、さらにはこれらの格子による回
折光を受ける光検出素子の設置場所が許せば20°程度
ずれていてもよい。以下、格子の溝の深さのことを単に
溝の深さという。
光学異方性媒質の常光屈折率の値に略等しいかまたは異
常光屈折率の値に略等しい。これらの屈折率の等しさの
程度は、光学等方性媒質と光学異方性媒質との屈折率差
で0.01程度であっても差し支えない。
格子の断面形状は、凹凸型であってもよいし、正弦波状
であってもよいし、非対称な鋸歯状または階段状であっ
てもよい。ここで、光学異方性媒質からなる第1および
第2の2つの格子がそれぞれ異なる基板の表面に形成さ
れ、第1および第2のそれぞれの格子面が光学等方性媒
質を挟んで向き合っている構造をとることによって、回
折素子の構造が簡単になりその作製工程数が低減できて
好ましい。
第2の2つの格子のそれぞれの格子の各凸部の断面形状
が、非対称な鋸歯状または階段状とすることによって、
これらの格子による回折光が+の次数または−次数のい
ずれかに略限定でき、その結果回折光の強度が大きくな
り、さらに検出素子の数も減らすことができて好まし
い。
本発明を具体的にかつ詳細に説明する。本発明の実施の
形態において、光源の位置の違いによって大きく2つの
部分に分けてある。第一の実施の形態は、光源である半
導体レーザチップが光検出素子に近接して設置されてい
る場合であり、第二の実施の形態は光源である半導体レ
ーザが光検出素子から分離されて、異なる場所に設置さ
れている場合である。
格子がそれぞれ異なる基板の表面に形成され、第1およ
び第2のそれぞれの格子面が光学等方性媒質を挟んで向
き合っている構造をとり、かつ第1および第2の2つの
格子のそれぞれの格子の各凸部の断面形状が、非対称な
鋸歯状または階段状に限定してある。
明する。図2は本発明による光磁気ヘッド装置を示す概
念的斜視図である。この装置は光磁気記録媒体6に情報
を記録したり、光磁気記録媒体6から情報の再生をす
る。
よびサブモジュール14bから構成されており、上述し
た従来の光磁気ヘッド装置を示す図11における、半導
体レーザ1、ビームスプリッタ3および8、シリンドリ
カルレンズ9、4分割光検出器10、1/2波長板1
1、検光子12、2分割光検出器13の全てが有する機
能と同等の機能を備えるものである。
メートレンズ2によって平行光束にされ、反射プリズム
4を透過した後、集光手段である集光レンズ5にて光磁
気記録媒体6上に結像される。光磁気記録媒体6で反射
した戻り光は、集光レンズ5を透過した後、反射プリズ
ム4、コリメートレンズ7を透過し光検出モジュール1
4に入射する。
ける光検出モジュール14の模式的断面図であり、サブ
モジュール14bはサブモジュールパッケージ100、
光源である半導体レーザチップ101および光検出素子
102a、102bを備えたシリコン基板103からな
る。半導体レーザチップ101からの出射光104は、
回折素子14aを透過して、コリメートレンズ、反射プ
リズム、集光レンズを透過した後、光磁気記録媒体にて
反射し、集光レンズ、反射プリズム、コリメートレンズ
を再度通過して戻り光105となり、回折素子14aに
入射した後、−1次回折光106a、+1次回折光10
6bに回折され、光検出素子102a、102bにて受
光される。
て詳述する。図1において、回折素子14aはガラス基
板107、108、109、粘着層110、1/2波長
板111、接着層112、光学的等方媒質である等方性
充填材113、鋸歯状または階段状の断面形状を有する
格子であって、光学異方性媒質である第1の異方性格子
114および第2の異方性格子115からなる積層構造
を有している。
体プロセスなどで用いられるプレーナ法により多数個を
一括作製したのち、ダイシングソーなどを使用した切断
により素子化されればよい。ただし、ガラス基板はこれ
に限らず、透明なプラスチック基板などでもよい。
収の少ない光学ガラスなどを用い、軽量化のため、厚み
は0.3〜0.6mm程度の薄板ガラスを用いることが
好ましい。また、ガラス基板107、109の表面には
誘電体多層膜などによる反射防止膜が施されていること
が好ましい。1/2波長板111は、第1の異方性格子
114に入射する戻り光105の偏光方向を、異方性格
子114の異常光屈折率を示す方向である光学異方軸に
対して45°になるよう、偏光方向を回転させる作用を
有する。
屈折率を示す方向が光記録媒体からの反射戻り光であっ
て光学異方性媒質に入射する光の偏光方向と45゜をな
すように設置されていると、すなわち異方性格子の光学
異方軸が、戻り光105の偏光方向に対して45°傾く
ように設置されていれば、1/2波長板は必要ないた
め、ガラス基板107、粘着層110、1/2波長板1
11、接着層112が不要となり、光学部品数が減らせ
てまた1/2波長板111を組み込む工程が省けて好ま
しい。ただしその場合は、ガラス基板108の表面に前
記反射防止膜を施すことが好ましい。
リカーボネートなどの延伸した有機フィルムなどが一般
的である。1/2波長板111は光学軸が適切な向きに
なるよう、粘着層110、接着層112により、ガラス
基板107、108に保持される。等方性充填材113
は所望の屈折率を有するアクリル、エポキシなどの有機
接着剤を用い、異方性格子115を形成したガラス基板
109上に適量を滴下した後、1/2波長板を接着した
ガラス基板108の第1の異方性格子114を形成した
面と第2の異方性格子115を形成した面とを対向して
貼り合わせ固化接着すればよい。
方軸の方向と、第2の異方性格子115の光学異方軸の
方向が略直交するように接着する。また、接着時に格子
の溝部に気泡が取り残されないよう、低粘度の接着剤を
選択することが好ましく、また、接着剤滴下後の圧着時
に工夫を要する。
は、ガラス基板108、109上に形成された高分子液
晶薄膜などをドライエッチング法などを用いて作製され
る。ここで使用する高分子液晶としては、側鎖型を有す
る構造のものが好ましくアクリル系、シリコーン系、メ
タクリル系などを主成分とするものが例示できる。ま
た、高分子液晶に限らず光異方性を有する誘電体であっ
てもよく、この場合は直接異方性格子が形成される。ま
た、第1、第2の異方性格子114、115に使用され
る光学異方性媒質の常光屈折率と異常光屈折率は等しい
方が望ましい。
の有機薄膜をラビング法などにより配向処理させたガラ
ス基板上に光重合型モノマー液晶をスピンコート法など
で所望の膜厚になるよう塗布した後、適切な温度環境下
にて紫外線を照射し重合高分子化される。
鋸歯状または階段状である。鋸歯状であれば回折の特性
に優れ好ましいが、製作に困難を伴う。階段状の格子で
所望の回折の特性が得られれば、製作の容易さから有利
となる。薄膜化された高分子液晶は、フォトリソグラフ
ィー法を用いたエッチング法や金型を用いたプレス法な
どで格子パターンが形成される。
法について説明する。フォトリソグラフィー法によって
4段階のステップを経て作製する、4段ステップ格子の
形成法を示す概念図を図3に示す。図3(a)は、高分
子液晶薄膜上に形成したフォトレジストをパターニング
した様子を示す断面図である。すなわち、高分子液晶薄
膜42を成膜したガラス基板43上にフォトレジスト4
1をスピンコートし、通常の半導体プロセスなどで用い
られるフォトリソグラフィー法により、マスクパターン
を感光した後現像を行い、フォトレジストの格子パター
ンを形成する。この場合、フォトマスクは高分子液晶の
配向方向、すなわち複屈折性の異方軸方向に対して所望
の方向に格子の長手方向が一致するように配置する。
高分子液晶薄膜をエッチングした様子を示す断面図であ
る。フォトレジストパターンが形成されたガラス基板は
ドライエッチング法によりエッチング部の高分子液晶薄
膜厚が未エッチング部の高分子液晶薄膜厚の1/3程度
になるまでエッチングする。その際、フォトレジストも
同時にエッチングされる。また、図3(c)は、フォト
レジストを再塗布してパターニングした様子を示す断面
図である。つまり、フォトレジスト44をスピンコート
法にて塗布し、露光、現像を行うが、このとき用いるフ
ォトマスクは図3(a)にて使用したフォトマスクの半
分の格子周期とする。
高分子液晶薄膜を再エッチングした様子を示す断面図で
ある。つまり、再度ドライエッチングすることにより、
先程(b)でエッチングした部分のうちで、さらに除去
すべき部分をエッチングして、4段ステップ格子を形成
することができる。光学特性をさらに向上させる場合、
さらにプロセス数を増加することで多段化し、理想的な
斜面に近づけることが望ましい。また、理想的な鋸歯状
であるブレーズ型格子を得るために、精密金型によるプ
レス法も格子形成手段として好ましい。
号検出方法に関して、図4および図5を用いて詳述す
る。図4は本発明における回折素子を透過する光の偏光
特性を模式的に示すものである。光軸60に垂直な面内
に、P方向61、およびS方向62を図のように定め、
光源である半導体レーザチップ101を偏光方向がP方
向61に対して45°傾むくように配置する。次に、第
1、第2の異方性格子114、115の格子方向をS方
向に一致させ、第1の異方性格子114の−1次回折光
の偏光方向69の光が入射する位置に光検出素子102
aを、第2の異方性格子115の+1次回折光の偏光方
向68の光が入射する位置に光検出素子102bを配す
る。
異なっていてもよく、第1の異方性格子の格子方向と第
2の異方性格子の格子方向が異なる向きであってもよ
い。また格子周期に関しても、2つの異方性格子で等し
くても、異なっていてもよい。その場合、光検出素子1
02a、102bの位置を、前記回折光が入射しうる位
置に設置すればよい。次に、第1の異方性格子の異常光
方向63、すなわち異常光屈折率を示す方向をS方向6
2に一致させ、第2の異方性格子の異常光方向64をP
方向61に一致させる。ここで、反対に第1の異方性格
子の異常光方向63がP方向、第2の異方性格子の異常
光方向64がS方向62を向いてもよい。
1から出射光の偏光方向65の光が第2の異方性格子1
15を透過する様子を説明する。図5は本発明における
異方性格子の格子形状とこれにより生じる位相差を示す
模式図である。図5(a)、図5(d)はそれぞれ、第
1、第2の異方性格子114、115の格子形状を示す
断面図である。第2の異方性格子115は、格子方向が
S方向、異常光方向がP方向であり、入射するP偏光は
異常光線になるから、異方性格子の異常光屈折率ne と
等方性充填材の屈折率nS との屈折率差Δn、および溝
の深さdとの積で与えられる次の式の位相差が生ずる。 Δn・d=(ne − nS )・d
であり、第2の異方性格子におけるP偏光に対する位相
差形状を示す概念図である。回折理論より、周期的な位
相差形状に光が入射した場合、回折光が生じ、その回折
光強度は入射光強度に対する割合である回折効率ηm に
より表される。ここでmは回折次数であり、m=0、±
1、±2・・である。図5(e)の位相差形状のよう
に、回折格子の断面を非対称な鋸歯状または階段状にし
て、形状を最適化した場合、回折効率は正負で非対称に
なり、かつ一方の回折効率を略0にすることができ、
(1)式の関係となる。 ηP,-1>>η P,+1 ≒0・・・(1)
は図5(e)であるから、第2の異方性格子に入射した
P偏光は、紙面左側に−1次回折光を生じ、紙面右側に
生ずる+1次回折光の光量は略0になる。また、P偏光
の0次透過光と1次回折光の効率比ηP,0 /ηP,-1は異
方性格子の溝の深さdに依存し、適切な溝の深さdを選
択することにより、(2)式のようにすることができ
る。 ηP,0 /ηP,-1≒1・・・(2)
〜40%であり、η P,+1 は1%以下である。
る場合、S偏光は常光線であるから、生じる位相差は
(no −nS )・dになる。ここで、no は異方性格子
の常光屈折率であり、等方性充填材の屈折率nS をno
に等しくすれば、位相差は生じない。この様子を図5
(f)に、すなわち、第2の異方性格子におけるS偏光
に対する位相差形状を示す概念図を示す。したがって、
第2の異方性格子にS偏光が入射した場合は回折光は生
じず、全て透過する。以上の説明により、偏光方向が4
5°傾いた半導体レーザからの出射光のうち、S偏光成
分は全透過するが、P偏光成分は全透過せず回折により
透過光の強度はηP,0 に低下する。
第1の異方性格子を透過する様子を説明する。第1の異
方性格子は格子方向、異常光方向ともS方向であり、紙
面に垂直な向きである。したがって、第2の異方性格子
とは異なり、P偏光が常光線、S偏光が異常光線になる
から、生ずる位相差形状は、図5(b)、(c)にな
る。ここで、図5(b)は第1の異方性格子におけるP
偏光に対する位相差形状を示す概念図であり、P偏光は
回折されずに全透過する。一方、図5(c)は第1の異
方性格子におけるS偏光に対する位相差形状を示す概念
図であり、前述の説明同様、S偏光は紙面右側の+1次
回折光を生じ、紙面左側に生ずる−1次回折光の光量は
略0になる。
格子の常光屈折率、異常光屈折率、溝の深さが等しい場
合、両者の常光線に対する回折効率、および異常光線に
対する回折効率は等しくなるので(3)〜(6)式のよ
うになる。 η1 S,+1 =η2 P,-1 =η1 ・・・(3) η1 S,-1 =η2 P,+1 ≒0 ・・・(4) η1 S,0=η2 P,0 ・・・(5) η1 P,0=η2 S,0=1 ・・・(6)
率、η2 は第2の異方性格子の回折効率を表し、(3)
式ではη1 とおいた。
の異方性格子を全透過したS偏光成分は、第1の異方性
格子により回折し、透過光強度はη2 S,0×η1 S,0にな
る。一方、第2の異方性格子で回折されたP偏光成分
は、第1の異方性格子においては全透過するため、透過
光強度はη2 P,0×η1 P,0になる。
光成分とS偏光成分の透過光強度は等しくなるから、半
導体レーザからの出射光の偏光状態は、第1、第2の異
方性格子を通過した後も変化しない。また、次に透過す
る1/2波長板111により偏光方向が45°回転し
て、回折素子からの偏光方向Bである67の光はS偏光
になる。異方性格子により生じた回折光は、光磁気記録
媒体に向かう途中の開口制限により、遮断され寄与しな
いことが好ましい。
が回折素子に入射する場合を説明する。光磁気記録媒体
にて反射した戻り光の偏光方向は、光磁気記録媒体の磁
気モーメントによるカー効果により、記録された情報
(磁気モーメントの向き)に対応したカー回転角、+θ
k または−θk だけ回転している。つまり、回折素子に
入射する光の偏光方向は、出射光と同じ偏光方向Bであ
る67から±θk 回転し、したがって、1/2波長板1
11を再度透過した光も、偏光方向Aである66から±
θk 回転している。ここで、戻り光偏光のP偏光成分を
IP 、S偏光成分をIS として、そのうちのθk に比例
した交流成分をα、直流成分をIとすると、IP とIS
は次式のようになる。 IP =I+αまたはI−α IS =I−αまたはI+α
記録された情報によって変調された信号成分であり、こ
の成分を検出すれば情報を読み取ることとなる。以下
に、αの検出方法を示す。
り光で異方性格子を通過する光のうち、P偏光成分は第
1の異方性格子では全透過するが、第2の異方性格子で
は+1次回折光の偏光方向68の光を生ずる。S偏光成
分は第1の異方性格子にて−1次回折光の偏光方向69
の光を生じ、第2の異方性格子では全透過する。したが
って、光磁気記録媒体側から入射する光のP偏光成分は
+1次回折光が入射する光検出素子102bにて検出で
き、S偏光成分は−1次回折光が入射する光検出素子1
02aにて検出できる。
光の強度IP+1 、IS-1 は、(7)、(8)式であり、
また光検出素子102b、102aの差動信号、つまり
IP+1 とIS-1 の差分は(9)式により光磁気信号αを
検出することができる。
た。(4)式ではこれらの値はほとんど0であるが、格
子への光の入射方向が(4)式の場合とは逆であるた
め、これらは0でなく大きさは(3)式に等しい。
s を異方性格子の常光屈折率no に等しくしたが、異常
光屈折率ne に等しくした場合でも同様の効果を得るこ
とができる。また、非対称格子の傾斜方向が上述の方向
と逆向きであっても構わない。この場合、回折方向が変
わり、P偏光は−1次側に回折され、S偏光は+1次側
に回折される。
誤差信号に関して詳述する。焦点誤差信号およびトラッ
キング誤差信号は、光検出素子102a、102bを各
々分割して、分割された光検出素子の各々からの信号を
演算することにより得ることができる。
法、非点収差法、ナイフエッジ法等を用いる。これら
は、2つの光検出素子に入射する2つの回折光の光スポ
ットの大きさの違いで焦点誤差を検出するもの(スポッ
トサイズ法)、1つの光スポットが円形となるかまたは
楕円形となりその長軸と短軸の向きがどちらかによって
焦点誤差を検出するもの(非点収差法)、半月形の光ス
ポットの向きに応じて焦点誤差を検出するもの(ナイフ
エッジ法)である。
媒体上での焦点誤差の発生にともなって、光検出素子上
に生じるように、各々の方法に応じて異方性格子の面内
の形状を変形して作製すればよい。通常このような収差
を発生させる格子の形状は、曲線状となる。
おける光検出素子上の光スポットを示す模式的上面図で
ある。図6を用いてさらに詳しくスポットサイズ法を説
明する。異方性格子を光のレンズ機能を有する格子形状
にすることで、3分割した光検出素子70a、70b、
70c、70d、70eおよび70fに入射する回折光
の焦点距離を変え、焦点誤差に対応する光検出素子上の
−1次回折光の光スポット81および+1次回折光の光
スポット82のサイズ変化から、焦点誤差信号Sfeを
(10)式から検出する。
よびIf はそれぞれ、分割された光検出素子70a、7
0b、70c、70d、70eおよび70fより得られ
た信号強度である。
り遠ざかった状態でSfe>0、(b)は焦点が合ってい
る場合でSfe=0、(c)は光磁気記録媒体が焦点位置
より近づいた状態でSfe<0を示す。
光の外れである、トラッキング誤差検出法には、再生専
用に用いられる3ビーム法や、記録および再生に用いら
れるプッシュプル法等がある。3ビーム法の場合、半導
体レーザ出射端近傍に3ビーム回折素子、および3ビー
ム光検出素子が必要になる。また、プッシュプル法の場
合には、図6の3分割光検出素子において、トラッキン
グ誤差信号Steは(11)式により検出できる。
に半導体レーザチップ101を備え、また、回折素子1
4aには、光磁気記録媒体に入射する光線である往路光
線および光磁気記録媒体により反射した戻り光である復
路光線の両者が入射する。したがって、往路光線の場合
には、±1次以上の回折光が損失光(不要光)となり光
磁気記録媒体に入射する光強度の低下を招いている。ま
た、復路の場合には、0次透過光が損失光となるため、
光検出素子に入射される光の利用効率は低下する。
出モジュール内に半導体レーザチップ101を備えてい
るため、大幅な光学部品点数の低減と大幅な小型化、薄
型化が期待できる。
であったが、次に、第二の実施の形態について光検出モ
ジュールと光磁気ヘッド装置の構成ついてのみ簡単に説
明する。他の部分は第一の実施の形態の説明で述べたも
のと同じである。
光利用効率を高める手段として、光源である半導体レー
ザが光検出素子から分離されて、異なる場所に設置され
ている。
ヘッド装置を示す概念的斜視図である。光検出モジュー
ル15とは別に配された、光源である半導体レーザ1か
らの出射光は、コリメートレンズ2、ビームスプリッタ
3、反射プリズム4、集光レンズ5を透過した後、光磁
気記録媒体6で反射して、再度集光レンズ5、反射プリ
ズム4を透過し、ビームスプリッタ3にて反射し、コリ
メートレンズ7を透過して光検出モジュール15に入射
する。本発明による光磁気ヘッド装置における光検出モ
ジュールの模式的断面図を図7に示す。図1に示した光
検出モジュールとの相違点は、図1の半導体レーザチッ
プ101が本構成では内蔵されていないこと、および異
方性格子114と115の溝の深さdが異なることであ
り、その他は全て同じ構成である。
より、回折素子の0次透過効率が略0になる結果、信号
検出に要する±1次回折効率が前述の構成に比べ高くな
り、往復での光利用効率はおよそ1.5倍に向上する。
しかし、図2と図8を比べてわかるように、図2の構成
に比べ、本構成は部品点数が多いものの、従来例である
図11と比べ約半分に低減できて、小型化、コストダウ
ンが図れる。つまり、本構成は従来例と比べ光学部品点
数が約半分に低減できるため、小型化、薄型化が可能で
あり、さらに光の利用効率が高いという特徴を有する。
する。まず、異方性格子の作製法について述べる。異方
性格子は常光屈折率が1.55、異常光屈折率が1.6
5の重合した高分子液晶を用いて作製した。2枚のガラ
ス基板108、109の表面に互いに直交する向きに配
向処理を施した後、スピンコート法により厚さ2.9μ
mのモノマー液晶薄膜を形成後、紫外線照射を行い重合
固化させ、高分子液晶薄膜とした。
いて行い、ガラス基板108上に形成した高分子液晶薄
膜をドライエッチングにより、第1の異方性格子114
を形成した。同様にして、ガラス基板109上に形成し
た高分子液晶薄膜をドライエッチングし、第2の異方性
格子115を形成した。第1の異方性格子と第2の異方
性格子の長手方向は等しく、第1の異方性格子の長手方
向は光学異方軸と平行にした。したがって、第2の異方
性格子の長手方向は、光学異方軸に対して直交してい
る。
約10μm、溝の深さは2.9μmの4段ステップ格子
で非対称なホログラムが形成されている。本実施例で
は、焦点誤差検出法にスポットサイズ法を使用したた
め、コンピュータシミュレーションによりスポットサイ
ズ法として使用する最適なホログラムパターンを設計し
た。
子の形成法に関して述べる。厚さ0.5mmで片面に誘
電体多層膜の反射防止膜が施されている光学規格のガラ
ス基板107の反射防止膜のない面と、1/2波長板1
11で粘着材110が塗布された面とを貼り合わせた。
ここで使用した1/2波長板111は、延伸されたポリ
カーボネートフィルム製で、厚さ100μmのものであ
った。次に、第1の異方性格子114が形成されたガラ
ス基板の面とは反対側の面上に紫外線硬化型接着剤を適
量滴下し、前記ガラス基板107に接着された1/2波
長板111と貼り合わせた後、紫外線照射を行い重合接
着した。この接着層112の厚みは約20μmであっ
た。
た表面に、スピンコート法により厚さ20μmのアクリ
ル系の等方性充填材113を塗布し、この塗布面と上記
層状物の第1の異方性格子面とを合わせ、紫外線照射に
より重合固化して接着した。この際、2つの異方性格子
の異常光屈折率を示す方向が直交するようにした。重合
固化後の等方性充填材113の屈折率は、異方性格子の
常光屈折率に等しく1.55である。以上のようにして
形成された積層物を切断・分離して回折素子とした。
m、横3mm、厚さ1.8mmであり、光学特性は、P
偏光が入射した場合、透過効率が39%、1次回折効率
が35%、−1次回折効率が0.5%であり、S偏光が
入射した場合、透過効率が39%、−1次回折効率が3
5%、+1次回折効率が0.5%であり、弱い高次回折
光もあった。ここでいうS偏光とは、第1の異方性格子
の異常光屈折率を示す方向に平行に偏光した光であり、
P偏光とはS偏光方向に直交する向きに偏光した光であ
る。
る半導体レーザチップ101、3分割光検出素子102
a、102bを備えたシリコン基板103が搭載された
樹脂のサブモジュールパッケージ100に組み付けら
れ、調整されて接着剤で固定された。
示す光磁気ディスクヘッド装置に組み込み、光磁気記録
媒体6に情報の記録・再生を行った。前述のように、焦
点誤差検出にはスポットサイズ法を用い、3分割光検出
素子102a、102bの各分割検出素子からの信号を
演算し、合焦点制御を行った。また、トラッキング誤差
検出は、プッシュプル法により、光検出素子102aと
102bを使用して行った。光磁気記録情報の再生信号
は、光検出素子102aと102bの差動信号により得
られ、本実施例においては良好な再生信号を得ることが
できた。
施例の光磁気ヘッド装置における光検出モジュールの模
式的断面図である。ここで、16は光検出モジュール、
16aは回折素子、16bはサブモジュールであり、他
の同符号は上述のものと同じものを意味する。
る。異方性格子は常光屈折率が1.55、異常光屈折率
が1.65の重合した高分子液晶を用いて作製した。2
枚のガラス基板108、109の表面に互いに直交する
向きに配向処理を施した後、スピンコート法により厚さ
4.8μmのモノマー液晶薄膜を形成後、紫外線照射を
行い重合固化させ、高分子液晶薄膜を作製した。
いて行い、ガラス基板108上に形成した高分子薄膜を
ドライエッチングにより第1の異方性格子114を形成
した。同様にして、ガラス基板109上に形成した高分
子液晶をドライエッチングし、第2の異方性格子115
を形成した。第1の異方性格子と第2の異方性格子の長
手方向は等しく、第1の異方性格子の長手方向は光学異
方軸と平行にした。したがって、第2の異方性格子の長
手方向は、光学異方軸に対して直交している。
約10μm、溝の深さは4.8μmの4段ステップ格子
で非対称なホログラムが形成されている。本実施例で
は、焦点誤差検出法にスポットサイズ法を使用したた
め、コンピュータシミュレーションによりスポットサイ
ズ法として使用する最適なホログラムパターンを設計し
た。
子16aの形成法に関して述べる。第2の異方性格子1
15が形成された表面に、スピンコート法により厚さ2
0μmのアクリル系の等方性充填材113を塗布し、こ
の塗布面と上記層状物の第1の異方性格子面とを合わ
せ、紫外線照射により重合固化して接着した。この際、
2つの異方性格子の異常光屈折率を示す方向が直交する
ようにした。重合固化後の等方性充填材113の屈折率
は、常光屈折率に等しく1.55である。以上のように
して形成された積層物を切断・分離して回折素子とし
た。
3mm、横3mm、厚さ1.3mmであり、光学特性
は、P偏光が入射した場合、透過効率が0.5%、+1
次回折効率が79%、−1次回折効率が0.5%であ
り、S偏光が入射した場合、透過効率が0.5%、−1
次回折効率が79%、+1次回折効率が0.5%であ
り、弱い高次回折光もあった。ここでいうS偏光とは、
第1の異方性格子の異常光屈折率を示す方向に平行に偏
光した光であり、P偏光とはS偏光方向に直交する向き
に偏光した光である。
2a、102bを備えたシリコン基板103が搭載され
た樹脂のサブモジュールパッケージ100に組み付けら
れ、調整されて接着剤で固定された。図10は本発明に
よる第2の実施例における光磁気ヘッドの概念的斜視図
であり、作製された光検出モジュール16を図10の光
磁気ヘッド装置に組み込み、光磁気記録媒体6に情報の
記録・再生を行った。光源である半導体レーザ101の
波長は650nmであり、出射光の偏光方向とP偏光方
向とのなす角度が45°になるように、半導体レーザの
向きを決めた。
サイズ法を用い、3分割光検出素子102a、102b
の各分割検出素子からの信号を演算し、合焦点制御を行
った。また、トラッキング誤差検出は、プッシュプル法
により、光検出素子102a、102bを使用して行っ
た。光磁気記録情報の再生信号は、光検出素子102a
と102bの差動信号により得られ、本実施例において
は光利用効率の高い良好な再生信号を得ることができ
た。
おいては、光学部品の点数が少ないため構成が単純であ
り、組立工数が少なくなることから量産性がよい。さら
に小型化、薄型化が可能であり、携帯向けの用途などに
は好適である。
録媒体として光磁気記録媒体(光磁気ディスク)を使用
する光磁気ヘッド装置が好ましく使用できる。
モジュールの模式的断面図。
視図。
(a)高分子液晶薄膜上に形成したフォトレジストをパ
ターニングした様子を示す断面図、(b)ドライエッチ
ング法により高分子液晶薄膜をエッチングした様子を示
す断面図、(c)フォトレジストを再塗布してパターニ
ングした様子を示す断面図、(d)再ドライエッチング
法により高分子液晶薄膜をさらにエッチングした様子を
示す断面図。
子を透過する光の偏光特性を示す概念図。
差を示す図。(a)第1の異方性格子の格子形状を示す
断面図、(b)第1の異方性格子におけるP偏光に対す
る位相差形状を示す概念図、(c)第1の異方性格子に
おけるS偏光に対する位相差形状を示す概念図、(d)
第2の異方性格子の格子形状を示す断面図、(e)第2
の異方性格子におけるP偏光に対する位相差形状を示す
概念図、(f)第2の異方性格子におけるS偏光に対す
る位相差形状を示す概念図。
素子上の光スポットを示す模式的上面図。(a)光記録
媒体が焦点位置より遠い場合、(b)光記録媒体が焦点
位置にある場合、(c)光記録媒体が焦点位置より近い
場合。
モジュールの模式的断面図。
を示す概念的斜視図。
における光検出モジュールの模式的断面図。
ッドの概念的斜視図。
斜視図。
Claims (4)
- 【請求項1】光源と、前記光源からの出射光を光記録媒
体上に集光させるための集光手段と、前記光記録媒体か
らの反射戻り光を回折させる回折素子と、前記回折素子
を透過した出射光を受光する光検出素子とを備えた光ヘ
ッド装置において、前記回折素子は1枚の基板または2
枚の基板の異なる表面に光学異方性媒質からなる第1と
第2の2つの格子が形成されており、前記光学異方性媒
質からなる第1の格子の異常光屈折率を示す方向と第2
の格子の異常光屈折率を示す方向とが略直交しており、
前記2つの格子の少なくとも溝部には光学等方性媒質が
充填され、かつ前記光学等方性媒質の屈折率の値が、前
記光学異方性媒質の常光屈折率または異常光屈折率の値
に略等しいことを特徴とする光ヘッド装置。 - 【請求項2】前記2つの格子がそれぞれ異なる基板の表
面に形成され、それぞれの格子面が前記光学等方性媒質
を挟んで向き合っていることを特徴とする請求項1記載
の光ヘッド装置。 - 【請求項3】前記2つの格子のそれぞれの格子の各凸部
の断面形状が、非対称な鋸歯状または階段状であること
を特徴とする請求項1または2記載の光ヘッド装置。 - 【請求項4】前記回折素子が、前記光検出素子とともに
光記録媒体上に結ぶ光焦点の誤差検出器としての機能を
有するように、前記回折素子の格子が形成されているこ
とを特徴とする請求項1、2または3記載の光ヘッド装
置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP18500798A JP4420990B2 (ja) | 1998-06-30 | 1998-06-30 | 光ヘッド装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18500798A JP4420990B2 (ja) | 1998-06-30 | 1998-06-30 | 光ヘッド装置 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000021000A true JP2000021000A (ja) | 2000-01-21 |
JP2000021000A5 JP2000021000A5 (ja) | 2005-05-26 |
JP4420990B2 JP4420990B2 (ja) | 2010-02-24 |
Family
ID=16163153
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP4420990B2 (ja) |
-
1998
- 1998-06-30 JP JP18500798A patent/JP4420990B2/ja not_active Expired - Fee Related
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