JP4325365B2 - 光ヘッド装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光を回折する回折素子を用いて、光ディスクなどの光記録媒体への記録または光記録媒体からの再生を行う光ヘッド装置に関する。
近年、いわゆるツインビームLDを用いて、DVDやCD等の光記録媒体への記録、または、これらの光記録媒体からの再生(以下、「光記録媒体への記録・再生」という。同様に、DVD(CD)を対象とする場合は、「DVD(CD)への記録・再生」という。)を行う技術が開示された(例えば、特許文献1参照。)。
また、光記録媒体への記録・再生を行うためのトラッキングサーボには、精度等の観点からレーザ光を3ビームにして記録・再生の制御を行う技術(以下、「3ビームトラッキングサーボ技術」という。)が用いられ、3ビームトラッキングサーボ技術を実現するために回折素子が用いられていた。ここで、回折素子は、周期的な位相段差(段状の位相差を意味する)を面内に持ち、その位相段差と入射する光の波長との関係により回折効率が異なることが知られている。
DVDへの記録・再生を行うためのレーザ光の波長は650nm帯であり、CDへの記録・再生を行うためのレーザ光の波長は780nm帯である。また、DVDとCDとでは、トラック間のピッチが異なる。トラック間のピッチの相違に対応して記録・再生を可能とする方法としては、回折素子を記録媒体毎に1つずつ設けることが容易に想起されるが、部品点数を削減することが信頼性の向上や光ヘッド装置の小型化等の観点から求められている。
特開2003−162831号公報 鶴田匡夫著、「応用光学1」、培風館出版、1990年
しかし、このような従来の光ヘッド装置では、位相段差と入射する光の波長とに依存して回折効率が異なるため、ツインLDに適用しようとしてどれか1つの波長で最適な回折効率を発生する位相段差を設定すると(以下、このように位相段差を設ける回折素子を「位相段差型(位相変調型)の回折素子」という。)、他の波長では、回折効率は成り行きとなり必ずしも所望の回折効率を得ることができず、ツインLDの実用化が確保できない問題があった。
また、位相段差型(位相変調型)の回折素子ではなく、透過率を周期的に変調する、いわゆる、透過率変調型(振幅変調型)の回折素子の場合、回折効率の波長依存性がほとんどないようにできるが、透過率を周期的に変調するため透過率の低い部分が発生し、透過光量は少なくなり光の利用効率が低下する問題があった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、異なる波長の複数の光源を用いる場合でも単一の回折素子を用いて、各波長の光線に対して適切な回折効率を確保することが可能な光ヘッド装置を提供するものである。
本発明の光ヘッド装置は、少なくとも2つの異なる波長λ の光波長λ (λ ≠λ の光を出射する光源と、前記光源からの出射光を光記録媒体上に集光させるための対物レンズと、前記光源と前記対物レンズとの間に設けられ、少なくとも前記波長λ前記波長λの光を回折する回折素子を備えた光ヘッド装置において、前記回折素子は、常光屈折率nと異常光屈折率n (n ≠n の複屈折を有するとともに、回折にかかわる厚さdを有する光学異方性媒質と、前記常光屈折率n または前記異常光屈折率n のいずれかと等しい屈折率n を有する光学等方性媒質が周期的に交互に配列され、入射する光の偏光方向により回折効率が異なりmを自然数、前記常光屈折率n と前記異常光屈折率n との差をΔn、前記波長λ と前記波長λ との間にある波長を波長λ とするとき、以下の式で表わされる条件が満たされ、前記波長λ の光前記波長λの光の偏光方向は、前記異常光屈折率nを有する方向と前記常光屈折率nを有する方向との間にあり、前記波長λ の光および前記波長λ の光において1次回折効率に対する0次回折効率の比が10から25の範囲の値となるように、入射する前記波長λ の光および前記波長λ の光の偏光方向と前記異常光屈折率n を有する方向との角度が調整される構成を有している。
(式) Δnd=mλ /2
この構成により、回折にかかわる部分をこのような光学異方性媒質と光学等方性媒質によって構成したため、異なる波長の複数の光源を用いる場合でも単一の回折素子を用いて、各波長の光線に対して適切な回折効率を確保することが可能な光ヘッド装置を実現できるとともに、屈折率の差Δnと厚さdが上記の式で表される条件を満たすようにしたため、各波長についての記録性能の均一化を図ることが可能な光ヘッド装置を実現できる。
また、本発明の光ヘッド装置は、請求項1において、前記回折素子は、前記光学異方性媒質および前記光学等方性媒質で形成された回折格子のパターンである回折格子パターンを備え、前記回折格子パターンの複数の分割領域のうち、少なくとも2つの分割領域の回折格子の配列の位相が互いに異なる構成を有している。
この構成により、請求項1の効果に加え、回折パターンの位相が異なる領域を複数設けたので、対物レンズの位置ずれ、ディスクのチルト、その他の構成部品の位置ずれ等を調整し、記録・再生の性能を向上することが可能な光ヘッド装置を実現できる。
また、本発明の光ヘッド装置は、請求項1または2において、前記光学異方性媒質が、液晶を高分子化した高分子液晶を含む材料からなる構成を有している。
この構成により、請求項1または2の効果に加え、光学異方性媒質を、液晶を高分子化した高分子液晶を含む材料で構成するため、記録・再生用の光の波長を容易に切り替えることができ、簡易に製造することが可能な光ヘッド装置を実現できる。
また、本発明の光ヘッド装置は、請求項1からのいずれか1項において、前記回折素子を透過する透過光の偏光方向を変える位相板を前記回折素子と一体にした構成を有している。
この構成により、請求項1からのいずれか1項の効果に加え、位相板を回折素子と一体として構成するため、部品点数を削減することが可能な光ヘッド装置を実現できる。
また、本発明の光ヘッド装置は、請求項1からのいずれか1項において、偏光方向によって回折効率の異なる偏光回折素子と、前記回折素子とを一体にした構成を有している。この構成により、請求項1から4のいずれか1項の効果に加え、偏光回折素子を回折素子と一体として構成するため、部品点数を削減することが可能な光ヘッド装置を実現できる。
また、本発明の光ヘッド装置は、請求項1から5のいずれか1項において、前記波長λ は、DVD用の650nm帯であり、前記波長λ はCD用の780nm帯である構成を有している。
本発明は、回折格子をこのような光学異方性媒質と光学等方性媒質によって形成し、入射光の偏光方向が異常光屈折率nを有する方向成分の偏光成分と常光屈折率nを有する方向成分の偏光成分との両方を含むため、異なる波長の複数の光源を用いる場合でも単一の回折素子を用いて、各波長の光線に対して適切な回折効率を確保することが可能な光ヘッド装置を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置の概念的な構成を示す図である。光ヘッド装置100は、光源101、102からの出射光を光記録媒体である光ディスク300上に集光させ、光ディスク300に情報を記録したり、光ディスク300に記録された情報を再生したりする装置であり、光源として例えば半導体レーザを使用する。
図1に示す構成では、1つのパッケージに光源101、102として2つの半導体レーザを設け、2つの異なる波長(λ=650nm帯とλ=780nm帯)の光を発振するようになっている。2つの半導体レーザが発した光は、回折素子200を透過してトラッキング用の3ビームの光となり(図1には、簡単のため0次光のみ記載。)、順次、コリメータレンズ103、ビームスプリッタ104、対物レンズ105を透過し、光ディスク300に集光される。光ディスク300から反射された光は、対物レンズ105を透過し、ビームスプリッタ104で反射され、光検出系106に導かれる。
図2は、本発明の実施の形態に係る回折素子の断面構造を概念的に示す図である。図2において、回折素子200は、入射される2つの波長λ、λの光線を回折する回折格子を有し、回折格子は、回折格子の面に垂直な方向に厚さdを有する略直方体の光学異方性媒質201が回折格子面にほぼ一定間隔で平行に分離して形成され、各光学異方性媒質201の間の領域が光学等方性媒質202で形成され、基板203、204によって挟持される構造を有する。
ここでは説明を簡単にするため、前述のように光学異方性媒質は直方体で分離されて配置された例で説明するが、±1次の回折効率の比を変えるためにブレーズ形状や階段形状の擬似ブレーズにしてもよい。また、光学異方性媒質を格子状に分離するのではなく、厚さ方向の一部のみに格子を作成してもよい。この場合回折にかかわる光学異方性媒質の厚さdは、光学異方性媒質の総厚ではなく、実質的に格子を作成している部分の厚さである。光学異方性媒質201は、屈折率が異方性を有し、そのため複屈折を生じさせる媒質であり、図2に示す光の入射(進行)方向230に対して概ね垂直な面内に常光屈折率nを有する方向(n方向)と異常光屈折率nを有する方向(n方向)とが配置されるように形成されている。
ここで、n方向およびn方向は、必ずしも光の入射(進行)方向(光軸)230と直交する必要はないが、光軸方向に進行する光の偏光方向によって屈折率が異なるようになっている必要がある。光学異方性媒質201は、低分子の液晶を重合した高分子液晶を用いて作成できるが、その他に、複屈折を有する有機膜、LiNbO、水晶等の複屈折を有する単結晶なども用いることができる。図3にn方向とn方向と入射光の偏光方向(以下、「入射偏光方向」という。)との関係を図示する。図3に、n方向とn方向とは直交するが、入射偏光方向とn方向とのなす角度がθになっている様子を示す。
有機物質を光学異方性媒質201とする場合(以下、この媒質を「有機光学異方性媒質」という。)、例えば、基板上に成膜した有機光学異方性媒質をエッチング技術によってパターニングし格子状の凹凸を作成し、格子の凹部に光学等方性媒質202を充填することによって図2に示す回折素子200を作成できる。
基板203、204は、例えば、ガラス、アクリル樹脂やポリカーボネート等のプラスティック材料、その他の透明な材質を用いて実現できる。
ここで、光源101、102からの光の波長をそれぞれλとλとし、異常光屈折率nと常光屈折率nとの差|(n−n)|をΔnとし、光学等方性媒質202の屈折率をnとし、光学等方性媒質202の屈折率nがほぼ常光屈折率nに等しいとする。図4に、Δndを以下に定義する波長(以下、「中間波長」という。)λで割って得られる値Δnd/λを横軸に、0次透過率および1次回折効率をプロットしたグラフを示す。ここで、波長λは、波長λとλの間にあるが、特にλが、2×λλ/(λ+λ)のときを示した。
図4からわかるように、波長λとλに対する回折効率は、独立には設定することができない。そのため、どちらかの波長に対する回折効率を優先してΔndを決定する必要があり、その際λに対する回折効率は成り行きとなる。以下、波長λとλに対する回折効率を均一化する方法について詳しく説明する。
図4からは、Δndが中間波長λに対して以下の式(1)の条件を満たす点で、2つの波長λ、λに対する0次透過率および1次回折効率が同じくなっていることが分かる。
Δnd=mλ/2(m=1、2、3、・・・) (1)
しかし、図4から明らかなように、角θを0度とすると、2つの波長λ、λでの回折効率は等しくできるものの、この条件を満たす回折素子の回折効率は離散的であり、光ヘッド装置100に応用する場合、回折効率が高すぎたり、低すぎたりして所望の特性を得られない場合も生ずる。
本発明の回折素子200は、上記の角θを変化させることによって得られる連続的な回折効率を利用するものである。図5は、上記の角θを横軸に、0次透過率および1次回折効率をプロットしたグラフである。図5は、Δnd/λ=1/2のときのθ依存性を示す図である。図5に示すように、波長λ、λに対する0次透過率および1次回折効率は波長によらず同一であり、これらの曲線は重なっている。本発明は、このように、角θを変えることによって2つの波長での0次透過率および1次回折効率をほぼ同一に保ちながら、0次透過率および1次回折効率の値を変えることができることを利用したものである。
以上は、説明を簡単にするため、波長λとλに対する回折効率を均一化する方法について説明したが、必ずしも、この2つの波長に対して回折効率を等しくする必要がない場合には、(1)式を満足しないΔndを選んで、波長λとλに対する回折効率の比を調整できる。しかし、前述のように2つの波長の回折効率の比は選ぶことはできるが、回折効率の値は離散的になる。この場合にも前述のように、角θを調整することで波長λとλに対する回折効率の比を保ったまま、回折効率の値を調整できる。
ここで、2つの波長λ、λとして、具体的には、650nm帯と780nm帯が上げられる。回折素子200は、DVDへの記録・再生を行うときは650nm帯の光を回折し、CDへの記録・再生を行うときは780nm帯の光を回折し、3ビームを発生させるようになっている。ただし、将来の技術の進展に適合すべく、例えば、405nm帯の青紫レーザ光を回折するようになっていてもよい。
一般に、光ヘッド装置100に用いる回折素子200では、0次透過効率と1次回折効率の比(0次透過効率/1次回折効率。以下、効率比という。)が10から25程度の範囲の値をとるようになっている。多くの場合は15から20ぐらいが必要とされる。ここでDVDとCDに用いる回折素子200の回折効率が各光で大きく異なると、光検出系106のゲイン調整が難しいこと、サイドビームの光量が少なすぎてノイズが多くなり記録・再生特性が劣化することなどが起こる。また、サイドビーム強度が高すぎるとサイドビームでディスクに記録してしまうことも生じ、記録特性が劣化することにもなる。このため、DVD用とCD用の各光の波長に対して、回折効率はそれぞれ最適な値が求められる。特に各波長に対する回折効率が等しいことが好ましい。
回折素子200を光ヘッド装置100の3ビーム発生用の回折格子に応用する場合には、上記の効率比が10から25程度の範囲であることが好ましい。また、Δnd/λ=m/2(m=1、2、3・・・)とすることで、角θを変えて効率比を調整できるのみならず、mを選択して所望の効率比を得ることができる。しかし、mを大きくするに伴い格子の深さ(光学異方性媒質201の厚さd)が深くなり、作成プロセスが困難になるのに加え、回折効率や透過率が低下し光の利用効率が低下する問題があるため、mは4以下が好ましい。また、図2に示すような格子のデューティ(回折格子の1周期に占める光学異方性媒質幅)を変えることでも効率比の調整は可能である。
以上の説明では、光学等方性媒質202の屈折率nが光学異方性媒質201の常光屈折率nに等しいとして説明したが、等方性媒質の屈折率nは、異常光屈折率nと等しくしてもよい。また、n<nであってもn<nであっても、角θと上記の自然数m等とを調整して所望の効率比を得ることができる点は変わりない。
また、回折素子200を、偏光状態を変化させる位相板(例えば、1/4波長板や1/2波長板など。)と組み合わせて使用することで、回折素子200を透過した光の偏光状態を変化させることができ、調整の自由度を広げることができて好ましい。また、本発明の回折素子を透過した光の偏光状態は、光学異方性媒質201の影響で入射した光の偏光状態と異なることがある。この偏光状態の変化が問題となる光ヘッド装置の場合には、この偏光状態の変化をキャンセルするような位相板を積層することが好ましい。また、出射した光を円偏光としたり、直線偏光の偏光方向を変換したりするような位相板を用いることもできる。
また、入射光の偏光方向が、素子構成のばらつきや、回折素子が温度特性を有することなどで大きく変化する場合には、偏光方向によって回折効率が大きく異なる偏光回折素子を用いて、本発明の回折素子200に入射すべき光の偏光方向と偏光回折素子の0次透過率が高い偏光方向とを一致させ、入射光の偏光方向を調整することによって、回折効率のばらつきなどを抑えることができ好ましい。このとき用いる偏光回折素子としては、0次透過率の最も高い偏光方向と最も低い偏光方向の0次透過率の比(消光比)は5対1以上が好ましく、さらに消光比が10対1以上とすることで、本発明の回折格子に入射する偏光方向がより安定し好ましい。また、この偏光回折素子は偏光方向を安定化させるために用いるものであって、同様の機能があれば偏光ビームスプリッタや、偏光板を用いてもよい。
なお、これらの位相板や偏光回折素子は、本発明の回折素子200と回転方向を合わせて使用することで特性を安定させることができるために、位相板や偏光回折素子と回折素子200とを別部品として使用するよりも一体化して使用する方が、取り扱いが容易になる等、好ましい。また、一体化することで部品点数も削減でき好ましい。
また、CDとDVDとではトラックピッチが異なるため、単純な直線状のストライプパターンの回折素子では、良好なトラッキング信号を得ることができない場合がある。この場合には、特開2003−162831(例えば、図3参照。)に開示されているように回折格子のパターンを分割し、格子の配列の位相をずらせることで、CDにもDVDにも対応するように調整でき、十分なトラッキング信号を得ることができるようになり、好ましい。ここで、前回折格子のパターンは、回折格子に光学異方性媒質201および光学等方性媒質202とで形成されたパターンであり、回折格子パターンとも呼ばれる。
図1に、本発明の光ヘッド装置の概念的な構成図を示す。この実施例では、1つのパッケージに光源101、102である2つの半導体レーザを設け、光源101、102は、異なる波長(650nm帯と780nm帯)で発振するようになっている。光源101、102から出た光は、回折素子200を透過し、トラッキング用の3ビームとなり(図には簡単のため0次光のみ記載)、コリメータレンズ103、対物レンズ105を透過し、光ディスク300に集光される。光ディスク300から反射された光は、対物レンズ105を透過し、ビームスプリッタ104で反射されて光検出系106に導かれる。
図2に、本発明の回折格子の構造の一例を概念的に示す。本発明の回折素子200では、基板203上に配向させた低分子の液晶を重合して高分子液晶としたものを光学異方性媒質201として用いる。この高分子液晶からなる光学異方性媒質201の厚さdは、約3.55μm、異常光屈折率nは1.62、常光屈折率nは1.52である。
フォトリソエッチング法を用いてこの高分子液晶をエッチングし、凹凸を有する回折格子パターンを作成する。このように生成した回折格子パターンの凹部に、屈折率nが1.52(nと同じ)の樹脂を充填し、光学等方性媒質202を形成する。ここで、第1の波長λを650nmとし、第2の波長λを780nmとしたとき、中間波長λ(=2×λ×λ/(λ+λ))は、ほぼ709nmとなる。その結果、変数Δnd/λ=(1.62−1.52)×3.55/0.709=約0.5となる。
この回折素子200に、n方向と入射偏光方向とがなす角θを70度とし、上記2つの波長で回折効率を測定した。その結果、波長650nm、780nmとも、1次回折効率は約4.5%で、0次透過率は約88%であった。これらのデータに基づいて得られる上記の効率比(0次透過率/1次回折効率)は、19.6であった。
なお、回折素子200の回折格子は、回折格子が形成された領域が複数の分割領域に分割され、分割領域毎に回折格子の配列の位相が異なり、いわゆる位相シフト回折格子となっている。言い換えれば、回折格子パターンの一部の位相が、回折格子上の他の領域の回折パターンの位相と異なるようになっている。このようにして製造された光ヘッド装置100を用いることによって、CDおよびDVDとも良好な再生特性が得られる。また、このときCDもDVDもほぼ同じトラッキング信号レベルを得ることができる。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に係る光ヘッド装置は、光学異方性媒質の厚さおよび屈折率を調整して中間波長と一定の関係を保持させ、入射偏光方向とn方向とのなす角度等を調整するようにしたため、異なる波長の複数の光源を用いる場合でも単一の回折素子を用いて、各波長の光線に対して適切な回折効率を確保できる。
また、光学異方性媒質を、液晶を高分子化した高分子液晶を含む材料で構成するため、記録・再生用の光の波長を容易に切り替えることができ、簡易に製造できる。
また、回折パターンの位相が異なる領域を複数設けたので、トラックピッチの異なるDVDとCDにも対応できる。
また、回折格子をこのような光学異方性媒質と光学等方性媒質によって形成し、入射光の偏光方向が異常光屈折率nを有する方向成分の偏光成分を含むため、異なる波長の複数の光源を用いる場合でも単一の回折素子を用いて、各波長の光線に対して適切な回折効率を確保できる。
また、位相板を回折素子と一体に、または、偏光回折素子を回折素子と一体に構成するため、部品点数を削減できる。
本発明に係る回折素子および光ヘッド装置は、回折格子をこのような光学異方性媒質と光学等方性媒質によって形成し、入射光の偏光方向が異常光屈折率nを有する方向成分の偏光成分を含むため、異なる波長の複数の光源を用いる場合でも単一の回折素子を用いて、各波長の光線に対して適切な回折効率を確保できるという効果を有し、複数種類の光記録媒体への記録・再生を行うための光ヘッド装置等として有用である。
本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置の概念的な構成を示す図。 本発明の実施の形態に係る回折素子の概念的な構成を示す図。 本発明の回折素子の入射偏光方向と光学異方性媒質の光学軸との関係の一例を示す模式図。 回折素子の回折効率とΔnd/λとの関係の一例を示すグラフ。 本発明の回折素子の回折効率と入射偏光方向との関係の一例を示すグラフ。
符号の説明
100 光ヘッド装置
101、102 光源
103 コリメータレンズ
104 ビームスプリッタ
105 対物レンズ
106 光検出系
200 回折素子
201 光学異方性媒質
202 光学等方性媒質
203、204 基板
230 光の入射方向
300 光ディスク

Claims (6)

  1. 少なくとも2つの異なる波長λ の光波長λ (λ ≠λ の光を出射する光源と、
    前記光源からの出射光を光記録媒体上に集光させるための対物レンズと、
    前記光源と前記対物レンズとの間に設けられ、少なくとも前記波長λ前記波長λの光を回折する回折素子を備えた光ヘッド装置において、
    前記回折素子は、常光屈折率nと異常光屈折率n (n ≠n の複屈折を有するとともに、回折にかかわる厚さdを有する光学異方性媒質と、前記常光屈折率n または前記異常光屈折率n のいずれかと等しい屈折率n を有する光学等方性媒質が周期的に交互に配列され、入射する光の偏光方向により回折効率が異なり
    mを自然数、前記常光屈折率n と前記異常光屈折率n との差をΔn、前記波長λ と前記波長λ との間にある波長を波長λ とするとき、以下の式で表わされる条件が満たされ、
    前記波長λ の光前記波長λの光の偏光方向は、前記異常光屈折率nを有する方向と前記常光屈折率nを有する方向との間にあり、
    前記波長λ の光および前記波長λ の光において1次回折効率に対する0次回折効率の比が10から25の範囲の値となるように、入射する前記波長λ の光および前記波長λ の光の偏光方向と前記異常光屈折率n を有する方向との角度が調整されることを特徴とする光ヘッド装置。
    (式) Δnd=mλ /2
  2. 前記回折素子は、前記光学異方性媒質および前記光学等方性媒質で形成された回折格子のパターンである回折格子パターンを備え、前記回折格子パターンの複数の分割領域のうち、少なくとも2つの分割領域の回折格子の配列の位相が互いに異なる請求項1に記載の光ヘッド装置。
  3. 前記光学異方性媒質は、液晶を高分子化した高分子液晶を含む材料からなる請求項1または請求項2に記載の光ヘッド装置。
  4. 前記回折素子を透過する透過光の偏光方向を変える位相板を前記回折素子と一体に構成した請求項1から3のいずれか1項に記載の光ヘッド装置。
  5. 偏光方向によって回折効率の異なる偏光回折素子と、前記回折素子とを一体に構成した請求項1から4のいずれか1項に記載の光ヘッド装置。
  6. 前記波長λ は、DVD用の650nm帯であり、前記波長λ はCD用の780nm帯である請求項1から5のいずれか1項に記載の光ヘッド装置。
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