JP2005054836A - 直動案内装置用保持ピースおよび直動案内装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 直動案内装置10に用いられる保持ピース50であって、隣合うローラ46の間に介装され、隣合う前記ローラ46の外周面Sにそれぞれ対向して接触する凹面からなる一対のローラ接触面54a、54bを有するセパレータ部51と、隣合う前記ローラ46それぞれに向けて前記セパレータ部51の端面から隣合う前記ローラ46端面に沿って張り出し、且つ案内溝38a、38bに案内される一対の腕部52と、から構成され、前記ローラ接触面54a、54bに開口する潤滑剤溜め部56を形成し、前記腕部52の外形より当該潤滑剤溜め部56の開口部56aを小さくして、当該潤滑剤溜め部56への前記腕部52の嵌り込みを防止した。
【選択図】 図5
Description
そこで、従来から、転動体を円滑に転動させ、転動体の早期摩耗を防止し、騒音の発生を抑制して直動案内装置を作動させるために、隣合う転動体の間に保持ピースを介装したものが知られている(例えば特許文献1〜6参照)。
一方、特許文献2〜6に記載の技術では、特許文献1に記載の技術のように転動体の姿勢を積極的に規制するような腕部等を保持ピースに備えていない。そのため、転動体の軸振れ(スキュー)や競り合いを効果的に抑制し、転動体を安定させて循環させるという課題は解決されない。
ところで、隣合う転動体の間に保持ピースを介装しつつ、これらを無限循環路内に挿入するという組み立て作業を手作業で行うのは、とても時間を要する。そのため、生産性を向上させる上では、自動化することが望ましい。
そこで、保持ピースをパーツフィーダ等の自動整列機によって整列させ、続けて、例えばロボット等を使用して上記組み立て作業を自動化することが考えられる。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、転動体の軸振れ(スキュー)や競り合いを軽減し、転動体をより安定させて循環させるとともに、転動体をより円滑に転動させ、転動体の早期摩耗を防止し、騒音の発生を抑制し、さらに直動案内装置の生産性を向上させ得る直動案内装置用保持ピースおよび直動案内装置を提供することを目的とするものである。
また、請求項3に係る発明は、直動案内装置であって、請求項1または2に記載の直動案内装置用保持ピースを用いたことを特徴としている。
これら本発明の保持ピースを直動案内装置に用いれば、各ローラに隣合う保持ピース同士の凹面によってローラを両側から挟み込んで保持することができる。そして、保持ピースに形成した腕部によってローラの姿勢をそろえることを可能に構成している。そのため、本発明の保持ピースを直動案内装置に用いれば、転動体の軸振れ(スキュー)や競り合いを軽減し、転動体をより安定させて循環させることができる。
さらに、請求項1に係る発明によれば、腕部の外形より潤滑剤溜め部の開口部を小さくして保持ピースを構成している。また、請求項2に係る発明によれば、開口部の最大寸法を腕部の長手方向に直交する断面での最大寸法より小さくしている。そのため、潤滑剤溜め部への腕部の嵌り込みを防止することができる。例えばパーツフィーダ等による自動整列を行った場合であっても、保持ピース同士が絡み合うことが防止できる。したがって、生産の自動化を容易とし、直動案内装置の生産性を向上させ得る直動案内装置用保持ピースを提供することが可能である。そして、請求項3に係る発明によれば、請求項1または2に記載の直動案内装置用保持ピースによる効果を奏する直動案内装置を提供することができる。
また、「腕部の外形」とは、上記「潤滑剤溜め部への腕部の嵌り込み」に関与する形を意味する。例えば腕部の長手方向に直交する断面が単純な矩形状であれば、嵌り込みに関与する形は四辺の長さ及び対角線方向の長さであり、断面が円であれば、その直径であり、その他の複合形状であれば、嵌り込みに関与する方向での投影形状における各部の寸法が相当する。
図1は、本発明に係る直動案内装置用保持ピースが組み込まれた直動案内装置の一部を破断して示す説明図、また、図2は、図1の直動案内装置でのX−X線部分における断面図である。
図1および図2に示すように、この直動案内装置10は、ローラ案内面14を有する案内レール12と、案内レール12に対して相対移動可能に跨設され、ローラ案内面14に対向する負荷ローラ案内面18を有するスライダ16とを備えている。
案内レール12は、その両側面にそれぞれ2条づつ計4条のローラ案内面14が、その長手方向に沿って形成されている。また、スライダ16は、スライダ本体17と、スライダ本体17の軸方向両端にそれぞれ装着されたエンドキャップ22とから構成されている。
無限循環路28内には、転動体としての円筒状のローラ46が複数装填されている。隣合うローラ46の間には、セパレータ部51と腕部52とから構成された保持ピース50のセパレータ部51が介装されている。詳しくは、ローラ46は、隣合う保持ピース50のセパレータ部51同士のそれぞれのローラ接触面54a、54bによって両側から挟み込まれるとともに、一対をなす腕部52、52によってローラ46の並び方向での倒れが規制されている。このようにして、ローラ46は、保持ピース50によって拘束されて保持ピース50とともにローラ列62を構成している。
図1および図3に示すように、スライダ本体17の内側面は、負荷ローラ案内面18となる部分を除いて、合成樹脂製の保持ピース案内部材40により覆われている。また、保持ピース案内部材40と、保持ピース案内部材40に対向する案内レール12の表面との間には、僅かな隙間が形成されている。
この循環チューブ30は、合成樹脂製のチューブである。循環チューブ30の内部空間の長手方向に連続する断面形状は、内部をローラ46が通過可能なように、ローラ46の円筒長手方向での投影形状に対応した略矩形をもって形成されている。詳しくは、この略矩形断面の幅W2は、ローラ46の円筒の長さLよりも僅かに大きい。また。矩形断面の高さHは、ローラ46の直径Dwよりも僅かに大きい。そのため、循環チューブ30内の空間をローラ46および保持ピース50は、円滑に移動することができる。
図2に示すように、エンドキャップ22内には、負荷ローラ案内面18の両端にそれぞれ連なるとともに、ローラ戻し通路20に連通する湾曲した一対の方向転換路24が形成されている。この方向転換路24は、長手方向に連続して湾曲した貫通孔から形成されている。
保持ピース50は、弾性のある合成樹脂から一体に成形されている。そして、図5(a)に示すように、保持ピース50は、セパレータ部51と、腕部52、52とから構成されている。
一対をなして形成される腕部52、52は、無限循環路28内でローラ46が連続する並び方向に各ローラ46の軸を平行に揃えて安定した転動を可能とするように形成されている。すなわち、腕部52、52は、隣合うローラ46それぞれに向けてセパレータ部51の端面から隣合うローラ46の中心に向かうとともにローラ46の端面に沿って張り出し、且つ案内溝38a、38bに案内される所定の高さUをもっている。詳しくは、図5(b)に示すように、一対をなす腕部52同士の間隔Eは、ローラ46の円筒の長さLよりも僅かに大きくなっている。また、腕部52の高さU(図5(a)参照)は、案内溝38aおよび案内溝38bの溝幅より僅かに小さい。そのため、保持ピース50の腕部52を案内溝38aおよび案内溝38b内に摺動可能に係合させることができる構成となっている。
そこで、この保持ピース50では、パーツフィーダ等の自動整列機によって容易に整列させることを可能とし、続けて、例えばロボット等を使用して上記組み立て作業を自動化する上で好適な形状を採用している。
上述の構成からなる直動装置10は、スライダ16を案内レール12の軸方向に相対移動させると、無限循環路28内をローラ46が回転しつつ移動し、ローラ46とともに保持ピース50も無限循環路28内を移動する。このとき、無限循環路28内で保持ピース50のセパレータ部51は、自分の移動方向の前方にあるローラ46を押し、さらに、ローラ46は自分の移動方向の前方にあるセパレータ部51を押す。すなわち、ローラ列62全体が無限循環路28内を循環移動する。
また、保持ピース50は、ローラ接触面54a、54bに貫通孔からなる潤滑剤を溜めるための潤滑剤溜め部56を形成している。そして、この保持ピース50を直動案内装置10に用いているため、ローラ46をより円滑に転動させ、ローラ46の早期摩耗を防止し、騒音の発生を抑制することができる。
例えば、上記実施形態では、ローラ接触面54aからローラ接触面54bに貫通する潤滑剤溜め部56を一箇所設けている例を示したが、本発明に係る保持ピースは、これに限定されるものではない。
例えば、他の実施形態として図7に示すように、ローラ接触面54aからローラ接触面54bに貫通する潤滑剤溜め部56を複数箇所(同図は三箇所の例)形成してもよい。
また、他の実施形態として図8に示すように、ローラとの主な接触部分に、複数の小さな凹部からなるディンプル(同図では、多数の点にてそのイメージを示す)と、例えば上記実施形態の潤滑剤溜め部とを一緒に形成して潤滑性をより向上させるように構成してもよい。
また、例えば本実施形態における嵌り込み防止のための潤滑剤溜め部56の開口部56aと腕部52との相互の寸法関係は、略矩形状をなすそれぞれの幅と高さとの関係を、腕部より開口部56aの寸法を小さくすることによって実現しているが、これに限定されるものではない。
12 案内レール
14 ローラ案内面
16 スライダ
17 スライダ本体
18 負荷ローラ案内面
20 ローラ戻し通路
22 エンドキャップ
24 方向転換路
26 ローラ軌道路
28 無限循環路
30 循環チューブ
32 (ローラ戻し通路の)貫通孔
38a、38b 案内溝
40 保持ピース案内部材
46 ローラ
50 保持ピース
51 セパレータ部
52 腕部
54a、54b ローラ接触面
56 潤滑剤溜め部
62 ローラ列
Dw (ローラの)直径
E 腕部の間の距離
G、J (案内溝の)溝幅
L (ローラの)長さ
S (ローラの)外周面
T 腕部の幅
U 腕部の高さ
V セパレータ部の高さ
W1、W2 保持ピース案内壁同士の幅
Y (潤滑剤溜め部の開口部の)高さ
Z (潤滑剤溜め部の開口部の)幅
Claims (3)
- ローラ案内面を有する案内レールと、前記案内レールに対して相対移動可能に配設されて、前記ローラ案内面に対向して前記ローラ案内面とともにローラ軌道路を形成する負荷ローラ案内面、前記ローラ軌道路の両端にそれぞれ連なる一対の方向転換路、および前記一対の方向転換路に連通するローラ戻し通路を有するスライダと、前記ローラ軌道路、前記一対の方向転換路、および前記ローラ戻し通路から構成される無限循環路内を転動しつつ循環する複数のローラと、を備え、前記無限循環路内に前記ローラの並び方向に連続する案内溝を有する直動案内装置に用いられる保持ピースであって、
隣合う前記ローラの間に介装され、隣合う前記ローラの外周面にそれぞれ対向して接触する凹面からなる一対のローラ接触面を有するセパレータ部と、
隣合う前記ローラそれぞれに向けて前記セパレータ部の端面から隣合う前記ローラ端面に沿って張り出し、且つ前記案内溝に案内される一対の腕部と、から構成され、
前記ローラ接触面に開口する潤滑剤溜め部を形成し、当該潤滑剤溜め部の開口部を前記腕部の外形より小さくして、当該潤滑剤溜め部への前記腕部の嵌り込みを防止することを特徴とする直動案内装置用保持ピース。 - 前記開口部の最大寸法は、前記腕部の長手方向に直交する断面での最大寸法より小さいことを特徴とする請求項1に記載の直動案内装置用保持ピース。
- 請求項1または2に記載の直動案内装置用保持ピースを用いたことを特徴とする直動案内装置。
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