JP2005054836A - 直動案内装置用保持ピースおよび直動案内装置 - Google Patents

直動案内装置用保持ピースおよび直動案内装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005054836A
JP2005054836A JP2003284433A JP2003284433A JP2005054836A JP 2005054836 A JP2005054836 A JP 2005054836A JP 2003284433 A JP2003284433 A JP 2003284433A JP 2003284433 A JP2003284433 A JP 2003284433A JP 2005054836 A JP2005054836 A JP 2005054836A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
linear motion
holding piece
guide
arm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003284433A
Other languages
English (en)
Inventor
Soichiro Kato
総一郎 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2003284433A priority Critical patent/JP2005054836A/ja
Priority to US10/774,624 priority patent/US7090400B2/en
Priority to CNB2004100085491A priority patent/CN100427764C/zh
Priority to DE102004006538A priority patent/DE102004006538A1/de
Publication of JP2005054836A publication Critical patent/JP2005054836A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Bearings For Parts Moving Linearly (AREA)

Abstract

【課題】直動案内装置の生産性を向上させ得る直動案内装置用保持ピースおよび直動案内装置を提供する。
【解決手段】 直動案内装置10に用いられる保持ピース50であって、隣合うローラ46の間に介装され、隣合う前記ローラ46の外周面Sにそれぞれ対向して接触する凹面からなる一対のローラ接触面54a、54bを有するセパレータ部51と、隣合う前記ローラ46それぞれに向けて前記セパレータ部51の端面から隣合う前記ローラ46端面に沿って張り出し、且つ案内溝38a、38bに案内される一対の腕部52と、から構成され、前記ローラ接触面54a、54bに開口する潤滑剤溜め部56を形成し、前記腕部52の外形より当該潤滑剤溜め部56の開口部56aを小さくして、当該潤滑剤溜め部56への前記腕部52の嵌り込みを防止した。
【選択図】 図5

Description

本発明は、直動案内装置の転動体(例えばローラ)同士の間に介装される保持ピースおよび直動案内装置に関する。
直動案内装置は、複数の転動体が無限循環路内を転動しつつ、スライダが案内レールに対し相対移動する。スライダが案内レールに対して相対移動すると、各転動体は同一方向へ回転しつつ移動するため、隣接する転動体同士が相互に擦れ合う。そのため、転動体の円滑な転動が妨げられたり、転動体の摩耗が早く進行したり、騒音が増大したりするなどの問題がある。
そこで、従来から、転動体を円滑に転動させ、転動体の早期摩耗を防止し、騒音の発生を抑制して直動案内装置を作動させるために、隣合う転動体の間に保持ピースを介装したものが知られている(例えば特許文献1〜6参照)。
従来の保持ピースとしては、隣合う転動体を所定の姿勢に保持するための腕部等を有するものが知られている。例えば特許文献1に記載されている技術では、転動体を挟んで隣り合う保持ピース同士を連結することによって転動体列を構成している。保持ピース同士をつなげることによって、無限循環路内で転動体を平行に整列させることができる。そのため、転動体の軸振れ(スキュー)や競り合いが軽減され、転動体をより安定させて循環させることができる。
一方、例えば特許文献2〜6に記載されている技術では、保持ピースに潤滑剤を溜めるための凹部または貫通孔からなる潤滑剤溜め部を形成することが行われている。保持ピースに潤滑剤溜め部を設けることによって、転動体をより円滑に転動させ、転動体の早期摩耗を防止し、騒音の発生を抑制して直動案内装置を作動させることができる。
特開平11−247855号公報 特開2000−291668号公報 特開2001−317552号公報 特開2002−089651号公報 特開2002−039175号公報 特開2002−156018号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、特許文献2〜6に記載の技術のように保持ピースに潤滑剤を溜めるための凹部または貫通孔等を備えていない。そのため、転動体をより円滑に転動させ、転動体の早期摩耗を防止し、騒音の発生を抑制して直動案内装置を作動させる上では未だ改良の余地がある。
一方、特許文献2〜6に記載の技術では、特許文献1に記載の技術のように転動体の姿勢を積極的に規制するような腕部等を保持ピースに備えていない。そのため、転動体の軸振れ(スキュー)や競り合いを効果的に抑制し、転動体を安定させて循環させるという課題は解決されない。
そこで、本発明者は、上述の課題を総合的に解決し得る保持ピースの開発に着手した。
ところで、隣合う転動体の間に保持ピースを介装しつつ、これらを無限循環路内に挿入するという組み立て作業を手作業で行うのは、とても時間を要する。そのため、生産性を向上させる上では、自動化することが望ましい。
そこで、保持ピースをパーツフィーダ等の自動整列機によって整列させ、続けて、例えばロボット等を使用して上記組み立て作業を自動化することが考えられる。
しかし、上述の課題を総合的に解決し得る保持ピースとして、単に、転動体列を構成して転動体を整列可能とする腕部と、凹部または貫通孔からなる潤滑剤溜め部とを備えた保持ピースを多数用意して、これら保持ピースを自動整列させる試験を実施したところ、腕部が潤滑剤溜め部である貫通孔等に嵌り込むことによって保持ピース同士の絡み合いを生じ、保持ピースを整列させることが困難となる場合があった。
このように、転動体の姿勢を制御し、潤滑剤を溜める機能を備えるとともに、生産の自動化を考慮した保持ピースとする上では、いまだ解決すべき問題がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、転動体の軸振れ(スキュー)や競り合いを軽減し、転動体をより安定させて循環させるとともに、転動体をより円滑に転動させ、転動体の早期摩耗を防止し、騒音の発生を抑制し、さらに直動案内装置の生産性を向上させ得る直動案内装置用保持ピースおよび直動案内装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、ローラ案内面を有する案内レールと、前記案内レールに対して相対移動可能に配設されて、前記ローラ案内面に対向して前記ローラ案内面とともにローラ軌道路を形成する負荷ローラ案内面、前記ローラ軌道路の両端にそれぞれ連なる一対の方向転換路、および前記一対の方向転換路に連通するローラ戻し通路を有するスライダと、前記ローラ軌道路、前記一対の方向転換路、および前記ローラ戻し通路から構成される無限循環路内を転動しつつ循環する複数のローラと、を備え、前記無限循環路内に前記ローラの並び方向に連続する案内溝を有する直動案内装置に用いられる保持ピースであって、隣合う前記ローラの間に介装され、隣合う前記ローラの外周面にそれぞれ対向して接触する凹面からなる一対のローラ接触面を有するセパレータ部と、隣合う前記ローラそれぞれに向けて前記セパレータ部の端面から隣合う前記ローラ端面に沿って張り出し、且つ前記案内溝に案内される一対の腕部と、から構成され、前記ローラ接触面に開口する潤滑剤溜め部を形成し、当該潤滑剤溜め部の開口部を前記腕部の外形より小さくして、当該潤滑剤溜め部への前記腕部の嵌り込みを防止することを特徴としている。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の直動案内装置用保持ピースであって、前記開口部の最大寸法は、前記腕部の長手方向に直交する断面での最大寸法より小さいことを特徴としている。
また、請求項3に係る発明は、直動案内装置であって、請求項1または2に記載の直動案内装置用保持ピースを用いたことを特徴としている。
これら本発明の保持ピースを直動案内装置に用いれば、各ローラに隣合う保持ピース同士の凹面によってローラを両側から挟み込んで保持することができる。そして、保持ピースに形成した腕部によってローラの姿勢をそろえることを可能に構成している。そのため、本発明の保持ピースを直動案内装置に用いれば、転動体の軸振れ(スキュー)や競り合いを軽減し、転動体をより安定させて循環させることができる。
そして、ローラ接触面に開口する潤滑剤溜め部を形成している。そのため、本発明の保持ピースを直動案内装置に用いれば、転動体をより円滑に転動させ、転動体の早期摩耗を防止し、騒音の発生を抑制することができる。
さらに、請求項1に係る発明によれば、腕部の外形より潤滑剤溜め部の開口部を小さくして保持ピースを構成している。また、請求項2に係る発明によれば、開口部の最大寸法を腕部の長手方向に直交する断面での最大寸法より小さくしている。そのため、潤滑剤溜め部への腕部の嵌り込みを防止することができる。例えばパーツフィーダ等による自動整列を行った場合であっても、保持ピース同士が絡み合うことが防止できる。したがって、生産の自動化を容易とし、直動案内装置の生産性を向上させ得る直動案内装置用保持ピースを提供することが可能である。そして、請求項3に係る発明によれば、請求項1または2に記載の直動案内装置用保持ピースによる効果を奏する直動案内装置を提供することができる。
なお、本発明にいう「潤滑剤溜め部への腕部の嵌り込み」とは、複数の保持ピースにおいて、一方の保持ピースの腕部が、他方の保持ピースの潤滑剤溜め部に入り込み、相互間で引っ掛かりを生じた状態となることをいう。
また、「腕部の外形」とは、上記「潤滑剤溜め部への腕部の嵌り込み」に関与する形を意味する。例えば腕部の長手方向に直交する断面が単純な矩形状であれば、嵌り込みに関与する形は四辺の長さ及び対角線方向の長さであり、断面が円であれば、その直径であり、その他の複合形状であれば、嵌り込みに関与する方向での投影形状における各部の寸法が相当する。
本発明に係る直動案内装置用保持ピースによれば、直動案内装置の生産性を向上させ得る直動案内装置用保持ピースおよび直動案内装置を提供することができる。
以下、本発明に係る直動案内装置用保持ピース及びその保持ピースが組み込まれた直動案内装置の一実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る直動案内装置用保持ピースが組み込まれた直動案内装置の一部を破断して示す説明図、また、図2は、図1の直動案内装置でのX−X線部分における断面図である。
図1および図2に示すように、この直動案内装置10は、ローラ案内面14を有する案内レール12と、案内レール12に対して相対移動可能に跨設され、ローラ案内面14に対向する負荷ローラ案内面18を有するスライダ16とを備えている。
案内レール12は、その両側面にそれぞれ2条づつ計4条のローラ案内面14が、その長手方向に沿って形成されている。また、スライダ16は、スライダ本体17と、スライダ本体17の軸方向両端にそれぞれ装着されたエンドキャップ22とから構成されている。
スライダ本体17およびエンドキャップ22の軸方向に連続した形状は、ともに略コ字形の断面形状である。エンドキャップ22には、負荷ローラ案内面18の両端にそれぞれ連なる一対の方向転換路24が内部に形成されている。また、略コ字形をしたスライダ16の内側には、案内レール12の各ローラ案内面14にそれぞれ対向する負荷ローラ案内面18が計4条形成されている。さらに、スライダ16には、一対の方向転換路24に連通するローラ戻し通路20が内部に形成されている。
案内レール12のローラ案内面14と、これに対向するスライダ本体17の負荷ローラ案内面18との間に挟まれた空間がローラ軌道路26をなしている。そして、一対の方向転換路24、ローラ戻し通路20、および、ローラ軌道路26によって環状に連続する無限循環路28が計4本構成されている。
無限循環路28内には、転動体としての円筒状のローラ46が複数装填されている。隣合うローラ46の間には、セパレータ部51と腕部52とから構成された保持ピース50のセパレータ部51が介装されている。詳しくは、ローラ46は、隣合う保持ピース50のセパレータ部51同士のそれぞれのローラ接触面54a、54bによって両側から挟み込まれるとともに、一対をなす腕部52、52によってローラ46の並び方向での倒れが規制されている。このようにして、ローラ46は、保持ピース50によって拘束されて保持ピース50とともにローラ列62を構成している。
次に、直動案内装置10にローラ列62が組み込まれる部分を、より詳細に説明する。
図1および図3に示すように、スライダ本体17の内側面は、負荷ローラ案内面18となる部分を除いて、合成樹脂製の保持ピース案内部材40により覆われている。また、保持ピース案内部材40と、保持ピース案内部材40に対向する案内レール12の表面との間には、僅かな隙間が形成されている。
スライダ本体17の略コ字形の内側には、負荷ローラ案内面18と保持ピース案内部材40とによって、上述したローラ列62が挿入される溝が構成されている。詳しくは、保持ピース案内部材40によって、保持ピース案内壁36bが形成されることで溝をなしている。ローラ46の軸方向で対向する保持ピース案内壁36b同士の幅W1は、ローラ46の円筒の長さLよりも僅かに大きい。そして、保持ピース案内壁36bには、保持ピース50の腕部52を係合させる案内溝38bが長手方向に連続して形成されている。案内溝38bの溝幅Gは、腕部52の高さUより僅かに大きい。そのため、腕部52を案内溝38b内に摺動可能に係合させることができる。
また、図2および図4に示すように、略コ字形をしたスライダ本体17袖部の肉厚部には、それぞれの負荷ローラ案内面18に所定の間隔を隔ててほぼ平行に延びるローラ戻し通路20が形成されている。このローラ戻し通路20は、円形断面が長手方向に連続する貫通孔32と、この貫通孔32内に挿入された循環チューブ30とから構成されている。
この循環チューブ30は、合成樹脂製のチューブである。循環チューブ30の内部空間の長手方向に連続する断面形状は、内部をローラ46が通過可能なように、ローラ46の円筒長手方向での投影形状に対応した略矩形をもって形成されている。詳しくは、この略矩形断面の幅W2は、ローラ46の円筒の長さLよりも僅かに大きい。また。矩形断面の高さHは、ローラ46の直径Dwよりも僅かに大きい。そのため、循環チューブ30内の空間をローラ46および保持ピース50は、円滑に移動することができる。
循環チューブ30内を移動するローラ46両端それぞれと対向する壁は、保持ピース案内壁36aとなっている。この保持ピース案内壁36aには、腕部52を係合させつつ、案内可能な幅をもった案内溝38aが長手方向に連続して形成されている。すなわち、案内溝38aの溝幅Jは、腕部52の高さUより僅かに大きい。そのため、保持ピース50の腕部52を案内溝38a内に摺動可能に係合させることができる。
図2に示すように、エンドキャップ22内には、負荷ローラ案内面18の両端にそれぞれ連なるとともに、ローラ戻し通路20に連通する湾曲した一対の方向転換路24が形成されている。この方向転換路24は、長手方向に連続して湾曲した貫通孔から形成されている。
詳しくは、方向転換路24は、内部をローラ46が通過可能なように、ローラ46の円筒長手方向での投影形状に対応した略矩形の断面形状をもって形成されている。方向転換路24内を移動するローラ46両端とそれぞれ対向する壁は、保持ピース案内壁となっている。そして、ローラ46の軸方向で対向する保持ピース案内壁同士の幅は、ローラ46の円筒の長さLよりも僅かに大きい。また。矩形断面の高さは、ローラ46の直径Dwよりも僅かに大きい。そのため、方向転換路24内の空間をローラ46および保持ピース50からなるローラ列62が円滑に移動することができる。なお、ローラ列62は、方向転換路24の内部では、ローラ列62全体が回動しつつ移動する。そのため、腕部52の回動範囲に合わせた曲率を考慮して方向転換路24内では、案内溝の幅を僅かに拡幅させている。なお、方向転換路24の横断面形状は、ローラ戻し通路20の循環チューブ30と同様なため、断面の図示を省略する。
次に、保持ピース50について図5および図6を参照して詳しく説明する。なお、図5は、保持ピース50の拡大説明図であり、同図(a)は保持ピース50の正面図、同図(b)は、その平面図、同図(c)は、その右側面図であり、図6は、保持ピース50が隣合うローラ46の間に介装されてローラ列62を構成している状態を示す部分拡大説明図である。
保持ピース50は、弾性のある合成樹脂から一体に成形されている。そして、図5(a)に示すように、保持ピース50は、セパレータ部51と、腕部52、52とから構成されている。
セパレータ部51の高さVは、ローラ46の直径Dwよりも低い。そして、一方のローラ接触面54aは、個別に接触させる隣合う一方のローラ46側に向いて形成され、他方のローラ接触面54bは、個別に接触させる隣合う他方のローラ46側にローラ接触面54aと反対側を向いて形成されている。そして、ローラ接触面54a、54bは、ローラ46を隣合うセパレータ部51同士の間に回転自在に支承しつつ保持可能なようにローラ46の転動面である外周面Sに対応する凹面(本実施形態では凹曲面)からそれぞれ形成されている(図6参照)。
そして、図5(b)、(c)に示すように、ローラ接触面54a、54bには、潤滑剤を溜めるために、所定の形状(本実施形態では略矩形状)で所定の大きさからなる開口部56aをもってローラ接触面54aからローラ接触面54bに貫通する潤滑剤溜め部56が設けられている。
一対をなして形成される腕部52、52は、無限循環路28内でローラ46が連続する並び方向に各ローラ46の軸を平行に揃えて安定した転動を可能とするように形成されている。すなわち、腕部52、52は、隣合うローラ46それぞれに向けてセパレータ部51の端面から隣合うローラ46の中心に向かうとともにローラ46の端面に沿って張り出し、且つ案内溝38a、38bに案内される所定の高さUをもっている。詳しくは、図5(b)に示すように、一対をなす腕部52同士の間隔Eは、ローラ46の円筒の長さLよりも僅かに大きくなっている。また、腕部52の高さU(図5(a)参照)は、案内溝38aおよび案内溝38bの溝幅より僅かに小さい。そのため、保持ピース50の腕部52を案内溝38aおよび案内溝38b内に摺動可能に係合させることができる構成となっている。
ところで、通常、潤滑剤溜め部56の開口部56aの大きさは、潤滑剤溜め部56内に潤滑剤を保持する量を多くするとともにローラ46との接触面積を少なくする上では、潤滑剤溜め部56の開口部56aを大きくすることによって、ローラ46との摺動抵抗を減らしつつ潤滑性能を向上させることができると考えられる。そのため、保持ピース50のセパレータ部51自体の剛性を維持することができる範囲で、大きな開口部56aとする方が効果があると考えられる。
しかし、保持ピース50に求められる機能・性能は、実際に製品に組み込まれた状態での機能・性能のみではない。例えば生産性の向上に寄与する機能的形状を採用することなどは重要な要件である。具体的には、隣合うローラ46の間に保持ピース50を介装しつつ、これらを無限循環路内28に挿入するという組み立て作業等における生産性を向上させ得る機能的形状を採用することは重要な課題である。
そこで、この保持ピース50では、パーツフィーダ等の自動整列機によって容易に整列させることを可能とし、続けて、例えばロボット等を使用して上記組み立て作業を自動化する上で好適な形状を採用している。
すなわち、図5(c)に示すように、上述の課題を総合的に解決し得る保持ピース50とするために、ローラ列62を構成可能とする腕部52と、潤滑剤溜め部56とを備えた保持ピース50を構成し、且つ腕部52の外形をなす高さU及び幅Tの寸法並びにその対角線方向の寸法を含めた最も大きな寸法より、潤滑剤溜め部56の略矩形状の開口部56aの内形をなす高さY及び幅Zの寸法並びにその対角線方向の寸法を含めた最も大きな寸法を小さくしている。すなわち、腕部52は、その自由端側が、ローラ接触面54a、54bに形成された潤滑剤溜め部56の開口部56aに嵌り込むことが無いような外形をもって形成されていることになる。
次に、本発明に係る保持ピース50を用いた直動装置10の作用・効果について説明する。
上述の構成からなる直動装置10は、スライダ16を案内レール12の軸方向に相対移動させると、無限循環路28内をローラ46が回転しつつ移動し、ローラ46とともに保持ピース50も無限循環路28内を移動する。このとき、無限循環路28内で保持ピース50のセパレータ部51は、自分の移動方向の前方にあるローラ46を押し、さらに、ローラ46は自分の移動方向の前方にあるセパレータ部51を押す。すなわち、ローラ列62全体が無限循環路28内を循環移動する。
そして、ローラ列62は、ローラ軌道路26においてスライダ16とは反対方向に移動し、ローラ軌道路26の一方の端部から連続する一方の方向転換路24に入って移動方向を変え、方向転換路24からローラ戻し通路20に入ってスライダ16と同じ方向に移動し、他方の方向転換路24に入って再び移動方向を変えてローラ軌道路26へ戻るという循環を繰り返すことができる。
そして、この直動案内装置10によれば、ローラ46同士の間にセパレータ部51が介在しているので、ローラ46同士が互いに直接接触することはなく、ローラ46同士の擦れ合いにより騒音や摩耗が発生することは防止されている。また、各ローラ46に隣合う保持ピース50同士のローラ接触面54a、54bによってローラ46を両側から挟み込んで保持している。そして、ローラ46を保持ピース50の腕部52によって規制しているので、保持ピース50によって各ローラ46はそれぞれの中心軸が平行な状態に維持されており、所定の姿勢および間隔を維持しながら無限循環路28内を安定して回転しつつ移動することができる。
そして、ローラ46は、ローラ軌道路26内で抵抗を受けるが、各ローラ46は後方からセパレータ部51によって押されるため、ローラ軌道路26内を円滑に移動できる。また、ローラ軌道路26内で保持ピース案内壁36b同士の間隔はローラ46の円筒長さよりも僅かに大きいだけであり、さらに、各保持ピース50の腕部52は保持ピース案内壁36bの案内溝38bに係合して案内されている。そのため、ローラ軌道路26内で各セパレータ部51が倒れたりすることはより安定して防止されており、ローラ列62の配列が乱れてその円滑な移動が妨げられることも防止される。
また、保持ピース50の腕部52が案内溝38aと案内溝38bに沿って無限循環路28を案内されるので、保持ピース50が移動する際の振れは規制され、保持ピース50が腕部52の間に保持するローラ46の振れも規制され、ローラ列62全体が無限循環路28内を正確かつ円滑に移動可能となる。したがって、ローラ46の軸振れ(スキュー)が効果的に防止されるため、ローラ列62に無理な力が加わることがない。
さらにまた、保持ピース50は腕部52が案内溝38aと案内溝38bとに係合しており、セパレータ部51同士の間に保持されたローラ46もローラ接触面54a、54bによって支承し保持されているため、スライダ16を案内レール12から抜き出したときでも、スライダ16からローラ列62が脱落することが防止される。
また、保持ピース50は、ローラ接触面54a、54bに貫通孔からなる潤滑剤を溜めるための潤滑剤溜め部56を形成している。そして、この保持ピース50を直動案内装置10に用いているため、ローラ46をより円滑に転動させ、ローラ46の早期摩耗を防止し、騒音の発生を抑制することができる。
さらにまた、腕部52の外形より潤滑剤溜め部の開口部56aを小さくして保持ピース50を構成している。詳しくは、腕部52の外形をなす高さU及び幅Tの寸法並びにその対角線方向の寸法を含めた最も大きな寸法より、潤滑剤溜め部56の略矩形状の開口部56aの内形をなす高さY及び幅Zの寸法並びにその対角線方向の寸法を含めた最も大きな寸法を小さくしている。そのため、潤滑剤溜め部56への腕部52の嵌り込みを防止することができる。例えばパーツフィーダ等による自動整列を行った場合であっても、保持ピース50同士が絡み合うことが防止できる。特に、パーツフィーダに送られる前段階にあるホッパー装置等に保持ピース50を溜めても、ホッパー装置内で保持ピース50同士が絡み合うことがない。したがって、生産の自動化を容易とし、直動案内装置10の生産性を向上させ得る直動案内装置用の保持ピース50を提供することができる。
なお、本発明に係る直動案内装置用保持ピースおよび直動案内装置は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、ローラ接触面54aからローラ接触面54bに貫通する潤滑剤溜め部56を一箇所設けている例を示したが、本発明に係る保持ピースは、これに限定されるものではない。
例えば、他の実施形態として図7に示すように、ローラ接触面54aからローラ接触面54bに貫通する潤滑剤溜め部56を複数箇所(同図は三箇所の例)形成してもよい。
また、他の実施形態として図8に示すように、ローラとの主な接触部分に、複数の小さな凹部からなるディンプル(同図では、多数の点にてそのイメージを示す)と、例えば上記実施形態の潤滑剤溜め部とを一緒に形成して潤滑性をより向上させるように構成してもよい。
また、潤滑剤溜め部を形成する位置や形状は、腕部の外形より潤滑剤溜め部の開口部を小さくして、潤滑剤溜め部への腕部の嵌り込みを防止し得るものであれば、上記実施形態に限定されるものではない。例えばセパレータ部51に形成されるローラ接触面をゴシック形状や、円すい形状として、ローラと接触させる場合などにおいては、ローラ接触面に任意の接触角をもたせ、その接触角に対応する接触部に潤滑剤溜め部を形成するようにしてもよい。具体的には、例えば他の実施形態として図9に示すように、楕円形状の窪み(凹部)からなる潤滑剤溜め部を複数箇所(同図では6箇所の例)に形成してもよい。
また、例えば他の実施形態として図10に示すように、図8に示した小さなディンプルと、図9に示した構成とを組み合わせるなど、本発明の趣旨を逸脱しない限りは、任意に構成可能である。
また、例えば本実施形態における嵌り込み防止のための潤滑剤溜め部56の開口部56aと腕部52との相互の寸法関係は、略矩形状をなすそれぞれの幅と高さとの関係を、腕部より開口部56aの寸法を小さくすることによって実現しているが、これに限定されるものではない。
本発明の趣旨は、保持ピース相互の嵌り込み防止が可能な形状であればよい。すなわち、腕部の外形および潤滑剤溜め部の開口部は、潤滑剤溜め部への腕部の嵌り込みに関与する相互の形の関係において、腕部の外形より開口部が実質的に小さければよい。そのため、開口部56aの最大寸法(矩形ならばその対角線の寸法)を、腕部52の長手方向に直交する断面での最大寸法(矩形ならばその対角線の寸法)より小さくすることで相互の嵌り込み防止が可能である。また、例えば腕部の長手方向での断面が円であれば、その直径より開口部の最大寸法を小さくすればよく、また、その他の複合形状からなる腕部であれば、嵌り込みに関与する方向での腕部の投影形状における各部の最大寸法より開口部の最大寸法を小さくすることによって実現することができる。
なお、「腕部の外形より開口部が実質的に小さい」とは、例えば図11(a)に示すように、同一断面が長手方向に延びてその先端が凸の丸みをもっている自由端からなる腕部52の場合、潤滑剤溜め部56内部に腕部52先端の丸みの一部分が僅かに入っていても、容易に相互の保持ピース50に分離することが可能であり、相互の引っ掛かりが生じない形状をも包含する意味である。なぜならば、同図(a)の関係であれば、相互の嵌り込みは生じないからである。嵌り込みが生じる例としては、同図(b)に示すように、開口部が腕部52の外形に対して、実質的に大きいときが例示できる。
本発明に係る直動案内装置用保持ピースが組み込まれた直動案内装置の一部を破断して示す説明図である。 図1の直動案内装置でのX−X線部分における断面図である。 図1の直動案内装置での要部を拡大して示す説明図である。 図1の直動案内装置での要部を拡大して示す説明図である。 本発明に係る(直動案内装置用)保持ピースの拡大説明図であり、同図(a)は保持ピースの正面図、同図(b)は、その平面図、同図(c)は、その右側面図である。 本発明に係る(直動案内装置用)保持ピースが、隣合うローラの間に介装されてローラ列を構成している状態を示す部分拡大説明図である。 本発明に係る(直動案内装置用)保持ピースにおける他の実施形態を示す説明図である。 本発明に係る(直動案内装置用)保持ピースにおける他の実施形態を示す説明図である。 本発明に係る(直動案内装置用)保持ピースにおける他の実施形態を示す説明図である。 本発明に係る(直動案内装置用)保持ピースにおける他の実施形態を示す説明図である。 本発明に係る(直動案内装置用)保持ピース同士による嵌り込み状態を説明する説明図である。
符号の説明
10 直動案内装置
12 案内レール
14 ローラ案内面
16 スライダ
17 スライダ本体
18 負荷ローラ案内面
20 ローラ戻し通路
22 エンドキャップ
24 方向転換路
26 ローラ軌道路
28 無限循環路
30 循環チューブ
32 (ローラ戻し通路の)貫通孔
38a、38b 案内溝
40 保持ピース案内部材
46 ローラ
50 保持ピース
51 セパレータ部
52 腕部
54a、54b ローラ接触面
56 潤滑剤溜め部
62 ローラ列
Dw (ローラの)直径
E 腕部の間の距離
G、J (案内溝の)溝幅
L (ローラの)長さ
S (ローラの)外周面
T 腕部の幅
U 腕部の高さ
V セパレータ部の高さ
W1、W2 保持ピース案内壁同士の幅
Y (潤滑剤溜め部の開口部の)高さ
Z (潤滑剤溜め部の開口部の)幅

Claims (3)

  1. ローラ案内面を有する案内レールと、前記案内レールに対して相対移動可能に配設されて、前記ローラ案内面に対向して前記ローラ案内面とともにローラ軌道路を形成する負荷ローラ案内面、前記ローラ軌道路の両端にそれぞれ連なる一対の方向転換路、および前記一対の方向転換路に連通するローラ戻し通路を有するスライダと、前記ローラ軌道路、前記一対の方向転換路、および前記ローラ戻し通路から構成される無限循環路内を転動しつつ循環する複数のローラと、を備え、前記無限循環路内に前記ローラの並び方向に連続する案内溝を有する直動案内装置に用いられる保持ピースであって、
    隣合う前記ローラの間に介装され、隣合う前記ローラの外周面にそれぞれ対向して接触する凹面からなる一対のローラ接触面を有するセパレータ部と、
    隣合う前記ローラそれぞれに向けて前記セパレータ部の端面から隣合う前記ローラ端面に沿って張り出し、且つ前記案内溝に案内される一対の腕部と、から構成され、
    前記ローラ接触面に開口する潤滑剤溜め部を形成し、当該潤滑剤溜め部の開口部を前記腕部の外形より小さくして、当該潤滑剤溜め部への前記腕部の嵌り込みを防止することを特徴とする直動案内装置用保持ピース。
  2. 前記開口部の最大寸法は、前記腕部の長手方向に直交する断面での最大寸法より小さいことを特徴とする請求項1に記載の直動案内装置用保持ピース。
  3. 請求項1または2に記載の直動案内装置用保持ピースを用いたことを特徴とする直動案内装置。
JP2003284433A 2003-02-10 2003-07-31 直動案内装置用保持ピースおよび直動案内装置 Pending JP2005054836A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003284433A JP2005054836A (ja) 2003-07-31 2003-07-31 直動案内装置用保持ピースおよび直動案内装置
US10/774,624 US7090400B2 (en) 2003-02-10 2004-02-10 Separator, linear guide using the separator and linear motion apparatus
CNB2004100085491A CN100427764C (zh) 2003-02-10 2004-02-10 分离器和使用该分离器的线性导引件以及线性运动装置
DE102004006538A DE102004006538A1 (de) 2003-02-10 2004-02-10 Ein Trennelement, eine lineare Führung, die das Trennelement verwendet, und eine Linearbewegungseinrichtung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003284433A JP2005054836A (ja) 2003-07-31 2003-07-31 直動案内装置用保持ピースおよび直動案内装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005054836A true JP2005054836A (ja) 2005-03-03

Family

ID=34364369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003284433A Pending JP2005054836A (ja) 2003-02-10 2003-07-31 直動案内装置用保持ピースおよび直動案内装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005054836A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006292172A (ja) * 2005-04-07 2006-10-26 Schaeffler Kg 保持器連鎖体を備えたリニアガイド
DE102013226550A1 (de) * 2013-12-19 2015-06-25 Aktiebolaget Skf Wälzlagerkäfig oder -käfigelement

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006292172A (ja) * 2005-04-07 2006-10-26 Schaeffler Kg 保持器連鎖体を備えたリニアガイド
DE102013226550A1 (de) * 2013-12-19 2015-06-25 Aktiebolaget Skf Wälzlagerkäfig oder -käfigelement
DE102013226550B4 (de) * 2013-12-19 2016-02-11 Aktiebolaget Skf Wälzlagerkäfig oder -käfigelement
US9850948B2 (en) 2013-12-19 2017-12-26 Aktiebolaget Skf Rolling bearing cage or cage element

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4515589B2 (ja) ローラ用リテーナ及びこれを用いた直動案内装置並びにローラねじ
DE102006059161B4 (de) Lineare Führungsvorrichtung
JP6809059B2 (ja) リニアガイド
JP2006220276A (ja) 直動案内装置用セパレータおよび直動案内装置
US7090400B2 (en) Separator, linear guide using the separator and linear motion apparatus
JP2007092898A (ja) 直動案内装置用転動体収容ベルトおよび直動案内装置
JP4561568B2 (ja) 直動案内装置用転動体収容ベルトおよび直動案内装置
JP2005069343A (ja) 案内ユニット
JP2005054836A (ja) 直動案内装置用保持ピースおよび直動案内装置
JP2008215601A (ja) 直動案内装置
JP2002122136A (ja) 摺動案内装置の有端転動体チェーン
JP2008223878A (ja) 直動案内装置
JP2008121861A (ja) 玉収容部材及び直動案内装置
JP6574622B2 (ja) 保持バンドを備えた直動転がり案内ユニット
JP2009030718A (ja) 直動案内装置
JP5853581B2 (ja) 直動装置
JP4501862B2 (ja) 転動体収容ベルトおよび直動案内装置
JP4556880B2 (ja) 転動体収容ベルトおよび直動案内装置
JP2008249043A (ja) 転動体収容ベルトおよび直動案内装置
JP2009030772A (ja) 直動案内装置
JP2006125582A (ja) 直動案内装置用転動体収容ベルトおよび直動案内装置
JP2008138742A (ja) 転動体保持スペーサ及びリニアガイド
JP2015209919A (ja) 直動案内装置
JP2008298201A (ja) 転動体収容ベルトおよび直動案内装置
JP6311449B2 (ja) 直動案内装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20060705

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070626

A521 Written amendment

Effective date: 20070810

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080212