JP2005054609A - 高圧燃料ポンプ - Google Patents

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JP2005054609A
JP2005054609A JP2003206476A JP2003206476A JP2005054609A JP 2005054609 A JP2005054609 A JP 2005054609A JP 2003206476 A JP2003206476 A JP 2003206476A JP 2003206476 A JP2003206476 A JP 2003206476A JP 2005054609 A JP2005054609 A JP 2005054609A
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Naoki Yamamoto
直樹 山本
Makoto Kano
眞 加納
Yutaka Mabuchi
豊 馬渕
Takahiro Hamada
孝浩 浜田
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Abstract

【課題】摺動部の耐磨耗性及び耐焼き付き性に優れる高圧燃料ポンプを提供すること。
【解決手段】プランジャとシリンダとの摺動面やチェックバルブとバルブガイドとの摺動面に、水素含有量が10原子%以下の硬質炭素薄膜を被覆して成る高圧燃料ポンプである。硬質炭素薄膜がアーク式イオンプレーティング法により成膜したDLC薄膜である。硬質炭素薄膜の被覆前におけるプランジャ、シリンダ、チェックバルブ及びバルブガイドなどの表面粗さが、Raで0.03μm以下である。摺動面上に脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤や脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤を含む潤滑油を注油する。潤滑油が脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤や脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤を0.05〜3.0%含有して成る。潤滑油がポリブテニルコハク酸イミドやその誘導体を含有して成る。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧燃料ポンプに係り、更に詳細には、摺動部のフリクションが大幅に低減された高圧燃料ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、筒内直噴式エンジンに適用される燃料供給装置においては、燃料タンク内の燃料を高圧ポンプの加圧室へと圧送した後、この加圧室内の燃料を筒内噴射に適した圧力にまでプランジャによって加圧し、その加圧された燃料を燃料通路を通じてエンジンへ供給するようにしている。このため、制御燃圧を増加させ、噴霧の微粒化を向上させてエンジンの成層燃焼性を高めることが要求されている(例えば特許文献1)。
また、現在、筒内直噴エンジン用の高圧燃料ポンプとしては、上記従来技術に見られるような、往復プランジャポンプが主流であり、プランジャとプランジャをガイドするシリンダとの間で、ガソリン潤滑摺動をする構造が知られている(例えば特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−110685号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平8−68370号公報
【0005】
更に、図1に、従来から知られる高圧燃料ポンプの内部構造を示す。
エンジンカムシャフトのプロフィールに応じてプランジャがストロークし、燃料の吸入/吐出を行う。また、プランジャの吸入工程では、電磁制御弁(吸入チェックバルブ)を開弁するように制御し、高圧燃料ポンプ加圧室内に低圧燃料が送り込まれる。このとき、高圧通路内燃圧の方がフィード燃圧よりも高いため、吐出チェックバルブは開弁状態となる。
プランジャの吐出工程では、任意のタイミングで電磁制御弁が開弁するように制御し、吐出量を調整する。電磁制御弁が閉弁した後は、プランジャの上昇に伴い加圧室内燃料が加圧されるため、吐出チェックバルブが開弁して、高圧燃料が高圧燃料通路を通って燃料噴射インジェクタに送られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般的に、ガソリンの液膜厚さは薄く、潤滑効果は殆ど期待できないため、プランジャ及びシリンダのガソリン摺動部のフリクションが高く磨耗し易いという問題点があった。
また、上記エンジン性能向上要求からの制御燃圧増加に伴い、高圧燃料ポンプのガソリン潤滑摺動部(シリンダ〜プランジャ間)の面圧が更に高くなり、焼き付きが発生したり、摩耗量が増加して吐出量低下を引き起こすという問題点があった。
更に、上記高圧燃料ポンプは、燃料の逆流を防止するチェックバルブを設けており、バルブとバルブガイドとの間でガソリン潤滑摺動をする構造と成っているが、ガソリン潤滑摺動部はフリクションが高いため、エンジン高回転時(チェックバルブ高速作動時)のチェックバルブ開閉弁応答性が悪くなり、吐出量が低下するなどという問題点もあった。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、摺動部の耐磨耗性及び耐焼き付き性に優れる高圧燃料ポンプを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成すべく銑意検討を重ねた結果、高圧燃料ポンプ内に存在する摺動部に所定の硬質炭素薄膜を配設することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の高圧燃料ポンプについて、更に詳細に説明する。なお、本明細書において「%」は、特記しない限り質量百分率を示すものとする。
【0010】
本発明の高圧燃料ポンプは、プランジャとシリンダとの摺動面、チェックバルブとバルブガイドとの摺動面のいずれか一方又は双方の少なくとも一部に硬質炭素薄膜を被覆して成る。また、この硬質炭素薄膜は、水素原子の含有量を10原子%以下とする。
これより、プランジャとシリンダ間、チェックバルブとバルブガイド間のフリクションが著しく低減され、摺動部の耐摩耗性及び耐焼き付き性が向上する。
【0011】
具体的には、プランジャとシリンダ間においては、液膜厚さの薄い高圧燃料ポンプガソリン潤滑摺動部であっても、フリクションを十分に低減できるので制御燃圧を増大できる。特に、アルコールの使用環境下で、摺動部に優れたフリクション低減効果が発揮されるため、ガソリン添加剤やアルコール燃料を使用する際の耐久信頼性が向上する。
一方、チェックバルブとバルブガイド間においては、液膜厚さの薄い高圧燃料ポンプガソリン潤滑摺動部であっても、フリクションが十分に低減されるため、チェックバルブの応答性が向上し、エンジン高回転時のチェックバルブ開閉弁応答性の悪化(吐出効率の低下)が抑制される。
【0012】
また、上記プランジャの構成材料としては、代表的にはFKD11(鉄)などが挙げられ、上記シリンダの構成材料としては、代表的にはFKD11(鉄)などが挙げられる。更に、上記チェックバルブの構成材料としては、代表的にはSUS440Cなどが挙げられ、上記バルブガイド の構成材料としては、代表的にはFKD11(鉄)などが挙げられる。
なお、「プランジャとシリンダとの摺動面」とは、燃料の圧縮工程にてプランジャが傾く際にシリンダと接触する部位を示し、「チェックバルブとバルブガイドとの摺動面」とは、燃料の吸入・吐出時にチェックバルブがバルブガイドと接触する部位を示す。
【0013】
ここで、上記硬質炭素薄膜は、各種PVD法、具合的には、アーク式イオンプレーティング法により形成したDLC薄膜(ダイヤモンド状炭素薄膜)であることが好ましい。このDLC薄膜は、炭素元素を主として構成された非晶質のものであり、具体的には、炭素元素だけから成るa−C(アモルファスカーボン)、水素を含有するa−C:H(水素アモルファスカーボン)、及びチタン(Ti)やモリブデン(Mo)等の金属元素を一部に含むMeCが挙げられる。大幅な摩擦低減効果を発揮させる観点からは、DLC薄膜に含まれる水素は少ないほど好ましく、水素含有量が原子比で1%以下、より好ましくは0.5%以下、更には水素を含まないa−C系(アモルファスカーボン系)材料などを用いて成ることが良い。
なお、上記硬質炭素薄膜は、プランジャとシリンダ間の摺動面、チェックバルブとバルブガイド間の摺動面のいずれか一方又は双方に配設されていれば良いが、必ずしも摺動面全体に被覆しなくて良い。
【0014】
かかる硬質炭素薄膜は、プランジャ、シリンダ、チェックバルブ又はバルブガイド、及びこれらを任意に組み合わせたものの少なくとも一部に被覆される。このとき、これら部品の表面粗さ、即ち硬質炭素薄膜を被覆する前の基材表面粗さは、Raで0.03μm以下とすることが好適である。Raが0.03μmを超えると、硬質炭素薄膜表面の粗さに起因する突起部が相手材との局所的な接触面積を増大させて薄膜の割れを誘発してしまうことがある。
【0015】
本発明の高圧燃料ポンプは、上記摺動面に潤滑油を介在させて使用することが好適である。この潤滑油としては、例えば、潤滑油基油に、脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤、脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤のいずれか一方又は双方を含有させて成るものを使用できる。
【0016】
上記潤滑油基油としては、特に限定されるものではなく、鉱油、合成油、油脂及びこれらの混合物など、潤滑油の基油として通常使用されるものであれば、種類を問わず使用できる。
鉱油として、具体的には、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理等を適宜組み合わせて精製したパラフィン系又はナフテン系等の油やノルマルパラフィン等が使用でき、溶剤精製、水素化精製処理したものが一般的であるが、芳香族分をより低減することが可能な高度水素化分解プロセスやGTL Wax(ガス・トウー・リキッド・ワックス)を異性化した手法で製造したものを用いることがより好ましい。
【0017】
合成油としては、具体的には、ポリ−α−オレフィン(例えば、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンオリゴマー等)、ポリ−α−オレフィンの水素化物、イソブテンオリゴマー、イソブテンオリゴマーの水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(例えば、ジトリデシルグルタレート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジオクチルセバケート等)、ポリオールエステル(例えば、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、トリメチロールプロパンイソステアリネート等のトリメチロールプロパンエステル;ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等のペンタエリスリトールエステル)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられる。中でも、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリ−α−オレフイン又はその水素化物が好ましい例として挙げられる。
なお、上記潤滑油基油は、鉱油系基油や合成系基油をそれぞれ単独で又は混合して用いる以外に、2種類以上の鉱油系基油又は2種類以上の合成系基油の混合物であっても差し支えない。また、上記混合物における2種類以上の基油の混合比も特に限定されず任意に選ぶことができる。
【0018】
また、潤滑油基油中の硫黄分について、特に制限はないが、潤滑油全量基準で、0.2%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1%以下、さらには0.05%以下であることが好ましい。特に、水素化精製鉱油や合成系基油の硫黄分は、0.005%以下、あるいは実質的に硫黄分を含有していない(5ppm以下)ことから、これらを基油として用いることが好ましい。
【0019】
更に、潤滑油基油中の芳香含有量についても、特に制限はないが、長期間低摩擦特性を維持するためには、全芳香族含有量が15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下、さらには5%以下であることが好ましい。即ち、潤滑油基油の全芳香族含有量が15%を超える場合には、酸化安定性が劣るため好ましくない。
なお、ここで言う全芳香族含有量とは、ASTM D2549に規定される方法に準拠して測定される芳香族留分(aromatics fraction)含有量を意味している。
【0020】
更にまた、潤滑油基油の動粘度にも、特に制限はないが、100℃における動粘度が2mm/s以上であることが好ましく、より好ましくは3mm/s以上である。一方、その動粘度は、20mm/s以下であることが好ましく、10mm/s以下、特に8mm/s以下であることが好ましい。100℃における潤滑油基油の動粘度が2mm/s未満である場合には、十分な耐摩耗性が得られないのに加えて、蒸発特性が劣る可能性があるため好ましくない。一方、100℃における潤滑油基油の動粘度が20mm/sを超える場合には、低摩擦性能を発揮しにくく、低温性能が悪くなる可能性があるため好ましくない。本発明においては、上記基油の中から選ばれる2種以上の基油を任意に混合した混合物等が使用でき、100℃における動粘度が上記の好ましい範囲内に入る限りにおいては、基油単独の動粘度が上記以外のものであっても使用可能である。
【0021】
また、潤滑油基油の粘度指数にも、特別な制限はないが、80以上であることが好ましく、100以上であることがさらに好ましく、特に120以上であることが好ましい。潤滑油基油の粘度指数を高めることでよりオイル消費が少なく、低温粘度特性、省燃費性能に優れた潤滑油を得ることができる。
【0022】
上記脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤としては、炭素数6〜30、好ましくは炭素数8〜24、特に好ましくは炭素数10〜20の直鎖状又は分枝状炭化水素基を有する脂肪酸エステル、脂肪酸アミン化合物、及びこれらの任意混合物を挙げることができる。炭素数が6〜30の範囲外のときは、摩擦低減効果が十分に得られない可能性がある。
【0023】
炭素数6〜30の直鎖状又は分枝状炭化水素基としては、具体的には、へキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基等のアルキル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基等のアルケニル基などを挙げることができる。なお、上記アルキル基及びアルケニル基には、考えられる全ての直鎖状構造及び分枝状構造が含まれ、また、アルケニル基における二重結合の位置は任意である。
【0024】
また、上記脂肪酸エステルとしては、かかる炭素数6〜30の炭化水素基を有する脂肪酸と脂肪族1価アルコール又は脂肪族多価アルコールとのエステルなどを例示でき、具体的には、グリセリンモノオレート、グリセリンジオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンジオレートなどを特に好ましい例として挙げることができる。
【0025】
更に、上記脂肪族アミン化合物としては、脂肪族モノアミン又はそのアルキレンオキシド付加物、脂肪族ポリアミン、イミダゾリン化合物等、及びこれらの誘導体等を例示できる。具体的には、ラウリルアミン、ラウリルジエチルアミン、ラウリルジエタノールアミン、ドデシルジプロパノールアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ステアリルテトラエチレンペンタミン、オレイルアミン、オレイルプロピレンジアミン、オレイルジエタノールアミン、N−ヒドロキシエチルオレイルイミダゾリン等の脂肪族アミン化合物や、これら脂肪族アミン化合物のN,N−ジポリオキシアルキレン−N−アルキル(又はアルケニル)(炭素数6〜28)等のアミンアルキレンオキシド付加物、これら脂肪族アミン化合物に炭素数2〜30のモノカルボン酸(脂肪酸等)や、シュウ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルボン酸を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したりアミド化した、いわゆる酸変性化合物等が挙げられる。好適な例としては、N,N−ジポリオキシエチレン−N−オレイルアミン等が挙げられる。
【0026】
また、上記潤滑油に含まれる脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤の含有量は、特に制限はないが、潤滑油全量基準で、0.05〜3.0%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜2.0%、特に好ましくは0.5〜1.4%であることがよい。上記含有量が0.05%未満であると摩擦低減効果が小さくなり易く、3.0%を超えると潤滑油基油への溶解性や貯蔵安定性が著しく悪化し、沈殿物が発生し易いので、好ましくない。
【0027】
更に、上記潤滑油は、ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体を含有することが好適であり、上記ポリブテニルコハク酸イミドとしては、次の一般式(1)及び(2)で表される化合物が挙げられる。
【0028】
【化1】
Figure 2005054609
【0029】
【化2】
Figure 2005054609
【0030】
これら一般式におけるPIBは、ポリブテニル基を示し、高純度イソブテン又は1−ブテンとイソブテンの混合物をフッ化ホウ素系触媒又は塩化アルミニウム系触媒で重合させて得られる数平均分子量が900〜3500、望ましくは1000〜2000のポリブテンから得られる。上記数平均分子量が900未満の場合は清浄性効果が劣り易く、3500を超える場合は低温流動性に劣り易いため、望ましくない。
【0031】
また、上記一般式におけるnは、清浄性に優れる点から1〜5の整数、より望ましくは2〜4の整数であることがよい。更に、上記ポリブテンは、製造過程の触媒に起因して残留する微量のフッ素分や塩素分を吸着法や十分な水洗等の適切な方法により、50ppm以下、より望ましくは10ppm以下、特に望ましくは1ppm以下まで除去してから用いることもよい。
【0032】
更に、上記ポリブテニルコハク酸イミドの製造方法としては、特に限定はないが、例えば、上記ポリブテンの塩素化物又は塩素やフッ素が充分除去されたポリブテンと無水マレイン酸とを100〜200℃で反応させて得られるポリブテニルコハク酸を、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミンと反応させることにより得ることができる。
【0033】
上記ポリブテニルコハク酸イミドの誘導体としては、上記一般式(1)又は(2)で表される化合物に、ホウ素化合物や含酸素有機化合物を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、いわゆるホウ素変性又は酸変性化合物を例示できる。その中でもホウ素含有ポリブテニルコハク酸イミド、特にホウ素含有ビスポリブテニルコハク酸イミドが最も好ましいものとして挙げられる。
【0034】
上記ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ酸エステル等が挙げられる。具体的には、上記ホウ酸として、オルトホウ酸、メタホウ酸及びテトラホウ酸などが挙げられる。また、上記ホウ酸塩としては、アンモニウム塩等、具体的には、例えばメタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等のホウ酸アンモニウムが好適例として挙げられる。また、ホウ酸エステルとしては、ホウ酸と好ましくは炭素数1〜6のアルキルアルコールとのエステル、より具体的には例えば、ホウ酸モノメチル、ホウ酸ジメチル、ホウ酸トリメチル、ホウ酸モノエチル、ホウ酸ジエチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸モノプロピル、ホウ酸ジプロピル、ホウ酸トリププロピル、ホウ酸モノブチル、ホウ酸ジブチル、ホウ酸トリブチル等が好適例として挙げられる。なお、ホウ素含有ポリブテニルコハク酸イミドにおけるホウ素含有量Bと窒素含有量Nとの質量比「B/N」は、通常0.1〜3であり、好ましくは、0.2〜1である。
【0035】
また、上記含酸素有機化合物としては、具体的には、例えばぎ酸、酢酸、グリコール酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸等の炭素数1〜30のモノカルボン酸や、シュウ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルポン酸並びにこれらの無水物、又はエステル化合物、炭素数2〜6のアルキレンオキサイド、ヒドロキシ(ポリ)オキシアルキレンカーボネート等が挙げられる
【0036】
なお、上記潤滑油において、ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体の含有量は特に制限されないが、0.1〜15%が好ましく、より好ましくは1.0〜12%であることが良い。0.1%未満では清浄性効果に乏しくなることがあり、15%を超えると含有量に見合う清浄性効果が得られにくく、抗乳化性が悪化し易い。
【0037】
更にまた、上記潤滑油は、次の一般式(3)で表されるジチオリン酸亜鉛を含有することが好適である。
【0038】
【化3】
Figure 2005054609
【0039】
上記式(3)中のR、R、R及びRは、それぞれ別個に炭素数1〜24の炭化水素基を示す。これら炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数3〜24の直鎖状又は分枝状のアルケニル基、炭素数5〜13のシクロアルキル基又は直鎖状若しくは分枝状のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は直鎖状若しくは分枝状のアルキルアリール基、炭素数7〜19のアリールアルキル基等のいずれかであることが望ましい。また、アルキル基やアルケニル基は、第1級、第2級及び第3級のいずれであってもよい。
【0040】
上記R、R、R及びRとしては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基等のアルキル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ブタジエニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オレイル基等のオクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基等のアルケニル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、エチルシクロペンチル基、プロピルシクロペンチル基、エチルメチルシクロペンチル基、トリメチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、エチルジメチルシクロペンチル基、プロピルメチルシクロペンチル基、プロピルエチルシクロペンチル基、ジ−プロピルシクロペンチル基、プロピルエチルメチルシクロペンチル基、メチルシクロへキシル基、ジメチルシクロへキシル基、エチルシクロへキシル基、プロピルシクロへキシル基、エチルメチルシクロへキシル基、トリメチルシクロへキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、エチルジメチルシクロヘキシル基、プロピルメチルシクロヘキシル基、プロピルエチルシクロヘキシル基、ジ−プロピルシクロへキシル基、プロピルエチルメチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、エチルシクロヘプチル基、プロピルシクロヘプチル基、エチルメチルシクロヘプチル基、トリメチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基、エチルジメチルシクロヘプチル基、プロピルメチルシクロヘプチル基、プロピルエチルシクロヘプチル基、ジ−プロピルシクロヘプチル基、プロピルエチルメチルシクロヘプチル基等のアルキルシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、エチルメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、ブチルフェニル基、プロピルメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、エチルジメチルフェニル基、テトラメチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等のアルキルアリール基、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、ジメチルフェネチル基等のアリールアルキル基、等が例示できる。
【0041】
なお、R、R、R及びRがとり得る上記炭化水素基には、考えられる全ての直鎖状構造及び分枝状構造をが含まれ、また、アルケニル基の二重結合の位置、アルキル基のシクロアルキル基への結合位置、アルキル基のアリール基への結合位置、及びアリール基のアルキル基への結合位置は任意である。また、上記炭化水素基の中でも、その炭化水素基が、直鎖状又は分柱状の炭素数1〜18のアルキル基である場合若しくは炭素数6〜18のアリール基、又は直鎖状若しくは分枝状アルキルアリール基である場合が特に好ましい。
【0042】
上記ジチオリン酸亜鉛の好適な具体例としては、例えば、ジイソプロピルジチオリン酸亜鉛、ジイソブチルジチオリン酸亜鉛、ジ−sec−ブチルジチオリン酸亜鉛、ジ−sec−ペンチルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−ヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジ−sec−ヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジ−オクチルジチオリン酸亜鉛、ジ−2−エチルヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−デシルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−ドデシルジチオリン酸亜鉛、ジイソトリデシルジチオリン酸亜鉛、及びこれらの任意の組合せに係る混合物等が挙げられる。
【0043】
また、上記ジチオリン酸亜鉛の含有量は、特に制限されないが、より高い摩擦低減効果を発揮させる観点から、潤滑油全量基準且つリン元素換算量で、0.1%以下であることが好ましく、また0.06%以下であることがより好ましく、更にはジチオリン酸亜鉛が含有されないことが特に好ましい。ジチオリン酸亜鉛の含有量がリン元素換算量で0.1%を超えると、DLC部材と鉄基部材との摺動面における上記脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤や上記脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤の優れた摩擦低減効果が阻害されるおそれがある。
【0044】
更に、上記ジチオリン酸亜鉛の製造方法としては、従来方法を任意に採用することができ、特に制限されないが、具体的には、例えば、上記R、R、R及びRに対応する炭化水素基を持つアルコール又はフェノールを五二硫化りんと反応させてジチオリン酸とし、これを酸化亜鉛で中和させることにより合成することができる。なお、上記ジチオリン酸亜鉛の構造は、使用する原料アルコールによって異なることは言うまでもない。
【0045】
本発明においては、上記一般式(3)に包含される2種以上のジチオリン酸亜鉛を任意の割合で混合して使用することもできる。
【0046】
上述の潤滑油は、高圧燃料ポンプ内の摺動部に注油され、極めて優れた低摩擦特性を付与するものであるが、更に、金属系清浄剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、他の無灰摩擦調整剤、他の無灰分散剤、磨耗防止剤若しくは極圧剤、防錆剤、非イオン系界面活性剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤等を単独で又は複数種を組合せて配合し、所望の性能を高めることができる。
【0047】
上記金属系清浄剤としては、潤滑油用の金属系清浄剤として通常用いられる任意の化合物が使用できる。例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のスルホネート、フェネート、サリシレートナフテネート等を単独で又は複数種を組合せて使用できる。ここで、上記アルカリ金属としてはナトリウム(Na)やカリウム(K)等、上記アルカリ土類金属としてはカルシウム(Ca)やマグネシウム(Mg)等が例示できる。また、具体的な好適例としては、Ca又はMgのスルフォネート、フェネート及びサリシレートが挙げられる。
なお、これら金属系清浄剤の全塩基価及び添加量は、要求される潤滑油の性能に応じて任意に選択できる。通常、全塩基価は、過塩素酸法で0〜500mgKOH/g、望ましくは150〜400mgKOH/gであり、その添加量は潤滑油全量基準で、通常0.1〜10%である。
【0048】
上記酸化防止剤としては、潤滑油用の酸化防止剤として通常用いられる任意の化合物を使用できる。例えば、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール系酸化防止剤、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、アルキルジフェニルアミン等のアミン系酸化防止剤、並びにこれらの任意の組合せに係る混合物等が挙げられる。また、かかる酸化防止剤の添加量は、潤滑油全量基準で、通常0.01〜5%である。
【0049】
上記粘度指数向上剤としては、具体的には、各種メタクリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上のモノマーの共重合体やその水添物等のいわゆる非分散型粘度指数向上剤、及び更に窒素化合物を含む各種メタクリル酸エステルを共重合させたいわゆる分散型粘度指数向上剤等が例示できる。また、他の粘度指数向上剤の具体例としては、非分散型又は分散型エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等)及びその水素化物、ポリイソブチレン及びその水添物、スチレン−ジエン水素化共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体、並びにポリアルキルスチレン等も例示できる。
【0050】
これら粘度指数向上剤の分子量は、せん断安定性を考慮して選定することが必要である。具体的には、粘度指数向上剤の数平均分子量は、例えば分散型及び非分散型ポリメタクリレートでは5000〜1000000、好ましくは100000〜800000がよく、ポリイソブチレン又はその水素化物では800〜5000、エチレン−α−オレフィン共重合体又はその水素化物では800〜300000、好ましくは10000〜200000がよい。また、かかる粘度指数向上剤は、単独で又は複数種を任意に組合せて含有させることができるが、通常その含有量は、潤滑油基準で0.1〜40.0%であることが望ましい。
【0051】
他の無灰摩擦調整剤としては、ホウ酸エステル、高級アルコール、脂肪族エーテル等の無灰摩擦調整剤、ジチオリン酸モリブデン、ジチオカルバミン酸モリブデン、二硫化モリブデン等の金属系摩擦調整剤等が挙げられ、他の無灰分散剤としては、数平均分子量が900〜3500のポリブテニル基を有するポリブテニルベンジルアミン、ポリブテニルアミン、数平均分子量が900未満のポリブテニル基を有するポリブテニルコハク酸イミド等及びそれらの誘導体等が挙げられる。
【0052】
上記磨耗防止剤又は極圧剤としては、ジスルフィド、硫化油脂、硫化オレフィン、炭素数2〜20の炭化水素基を1〜3個含有するリン酸エステル、チオリン酸エステル、亜リン酸エステル、チオ亜リン酸エステル及びこれらのアミン塩等が挙げられる。
【0053】
上記防錆剤としては、アルキルベンゼンスルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられ、上記非イオン系界面活性剤及び抗乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0054】
上記金属不活性化剤としては、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、チアジアゾール、ベンゾトリアゾール、チアジアゾール等が挙げられ、上記消泡剤としては、シリコーン、フルオロシリコーン、フルオロアルキルエーテル等が挙げられる。
【0055】
なお、これら添加剤を上述の潤滑油に含有させる場合には、その含有量は、潤滑油全量基準で、他の摩擦調整剤、他の無灰分散剤、磨耗防止剤又は極圧剤、防錆剤、及び抗乳化剤については0.01〜5%、金属不活性剤については0.005〜1%、消泡剤については0.0005〜1%の範囲から適宜選択できる。
【0056】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって、更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例のみに限定されるものではない。
【0057】
図2は、本発明の高圧燃料ポンプ21が適用される筒内直噴式のガソリン内燃機関の燃料系システムを示す構成図である。燃料タンク30内に配置されるフィードポンプ33からフィード配管43へ供給された低圧燃料は、低圧プレッシャーレギュレータ31で一定の圧力に調整され、高圧燃料ポンプ21により更に加圧されて、高圧配管44を通して高圧インジェクタ46へ圧送される。高圧配管44を通過する高圧燃料は、燃圧センサ45によりその燃圧値が読み取られ、メモリ及びCPU等を備えた周知のECM(エンジンコントロールモジュール)からの制御信号に基づいて、任意の燃圧に可変に調整される。
図3及び図4は、高圧燃料ポンプ21の内部構造を示す図2の要部拡大断面図である。この高圧燃料ポンプ1は、外部のポンプ駆動カム11から伝達される回転動力によりシリンダ6内を往復動して燃料を加圧するプランジャ5を備えたプランジャ式の高圧燃料ポンプである。
【0058】
図3に示す高圧燃料ポンプ1は、本発明の一実施形態であり、プランジャ式の高圧燃料ポンプの基本的な構成のうち、プランジャ5とシリンダ6との摺動面の一部に硬質炭素薄膜50を被覆したものである。即ち、通常は、燃料の圧縮工程にてプランジャ5が上昇する際に、加圧室2で発生する燃料圧力の反力によりプランジャ5が傾き、ガソリン摺動部に高面圧部位が発生するが、低摩擦特性を有する硬質炭素薄膜50の存在により耐磨耗性及び耐焼き付き性に優れることとなる。
また、図4に示す高圧燃料ポンプ1は、本発明の他の実施形態であり、プランジャ式の高圧燃料ポンプの基本的な構成のうち、チェックバルブ(3及び14)とバルブガイド(4及び15)との摺動面の一部に硬質炭素薄膜50を被覆したものである。即ち、通常は、燃料の吸入/吐出時にチェックバルブ(3及び14)とバルブガイド(4及び15)との間でフリクションが生じ、応答遅れが発生することがあるが、これが抑制される。なお、応答遅れが大きいとポンプ吐出効率が低くなる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、高圧燃料ポンプ内に存在する摺動部に所定の硬質炭素薄膜を配設することとしたため、摺動部の耐磨耗性及び耐焼き付き性に優れる高圧燃料ポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高圧燃料ポンプ内部構造の一例を示す概略図である。
【図2】高圧燃料ポンプを備えた筒内直噴式内燃機関の燃料系システムの一例を示す概略図である。
【図3】本発明の高圧燃料ポンプの一実施形態を示す概略図である。
【図4】本発明の高圧燃料ポンプの他の実施形態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 高圧ポンプ
2 加圧室
3 吐出チェックバルブ
4 バルブガイド
5 プランジャ
6 シリンダ
7 プランジャシール(ガソリン側)
8 プランジャシール(オイル側)
9 リターンスプリング
10 リフタ
11 ポンプ駆動カム
12 電磁制御弁
13 プランジャロッド
14 吸入チェックバルブ
15 バルブガイド
16 リターンスプリング
17 コイル
20 高圧ポンプASSY
21 高圧ポンプ
22 カムシャフト(エンジン)
23 電磁制御弁
24 吐出チェック弁
30 燃料タンク
31 低圧プレッシャーレギュレータ
32 燃料フィルタ
33 フィードポンプ
41 クランク角センサ
42 気筒判別センサ
43 フィード配管&ホース
44 高圧配管
45 燃圧センサ
46 高圧インジェクタ
47 リリーフバルブ
48 タンクリターン配管

Claims (9)

  1. プランジャとシリンダとの摺動面の少なくとも一部、及び/又はチェックバルブとバルブガイドとの摺動面の少なくとも一部に硬質炭素薄膜を被覆して成る高圧燃料ポンプであって、
    上記硬質炭素薄膜に含まれる水素原子の量が10原子%以下であることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
  2. 上記硬質炭素薄膜に含まれる水素原子の量が1.0原子%以下であることを特徴とする請求項1に記載の高圧燃料ポンプ。
  3. 上記摺動面上に、脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤を含む潤滑油が注油されることを特徴とする請求項2に記載の高圧燃料ポンプ。
  4. 上記脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤が、炭素数6〜30の炭化水素基を有して成り、潤滑油全量基準で0.05〜3.0%含有されることを特徴とする請求項3に記載の高圧燃料ポンプ。
  5. 上記潤滑油が、ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体を含有して成ることを特徴とする請求項3又は4に記載の高圧燃料ポンプ。
  6. 上記潤滑油が、ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体を、潤滑油全量基準で0.1〜15%含有して成ることを特徴とする請求項5に記載の高圧燃料ポンプ。
  7. 上記潤滑油が、潤滑油全量基準且つリン元素換算量で0.1%以下のジチオリン酸亜鉛を含有して成ることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1つの項に記載の高圧燃料ポンプ。
  8. 上記硬質炭素薄膜が、アーク式イオンプレーティング法により成膜したDLC薄膜であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の高圧燃料ポンプ。
  9. 上記硬質炭素薄膜の被覆前におけるプランジャ、シリンダ、チェックバルブ及びバルブガイドから成る群より選ばれた少なくとも1種のものの表面粗さが、Raで0.03μm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の高圧燃料ポンプ。
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