JP2005069004A - オイルポンプ - Google Patents

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JP2005069004A JP2003208133A JP2003208133A JP2005069004A JP 2005069004 A JP2005069004 A JP 2005069004A JP 2003208133 A JP2003208133 A JP 2003208133A JP 2003208133 A JP2003208133 A JP 2003208133A JP 2005069004 A JP2005069004 A JP 2005069004A
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Naomi Miura
尚美 三浦
Yutaka Mabuchi
豊 馬渕
Takao Hayashi
孝雄 林
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】従来のオイルポンプでは、各ギアの側面とハウジングの内面との摺動接触部分におけるフリクションの低減を図るためにさらなる改善が要望されていた。
【解決手段】焼結金属を基材とするアウタギア1及びインナギア2と、鋳鉄又はアルミニウム鋳物を基材とし且つ両ギアを収納するハウジング3を備え、潤滑油下で両ギア1,2の側面1a,1b,2a,2bとハウジング3の内面3a,3bとが摺動接触するオイルポンプにおいて、アウタギア1、インナギア2及びハウジング3の少なくとも一つの摺動接触面に硬質炭素被膜を形成し、摺動接触部面の硬度を充分に高いものにして耐スカッフ性及び耐摩耗性を向上させ、大幅なフリクションの低減を実現した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の変速機やエンジンに用いられるオイルポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のオイルポンプとしては、内歯を有するアウタギヤと、その内歯よりも歯数が少ない外歯を有するインナギアと、両ギアを組み合わせて収納するハウジングを備え、アウタギアの中心に対してインナギアの中心を偏心させた状態にするとともに両ギアの間に容積部を形成し、インナギアの回転に伴ってポンプ動作を行うようにした内接ギア式のオイルポンプが周知である。このようなオイルポンプでは、各ギアには鉄系焼結金属を使用し、ハウジングにはアルミニウムを使用している。
【0003】
ここで、上記のようなオイルポンプでは、各ギアの側面とハウジングの内面とが摺動接触することとなるが、各ギアとハウジングは形成材料の相違により線膨脹係数が異なるため、双方のクリアランスを設定することが難しい。これに対して、従来のオイルポンプとしては、ギアの側面とハウジングの内面にショットピーニング処理を行い、且つギアの側面に耐摩耗性の高い潤滑被膜を付着させることにより両者間の潤滑性を高め、高温時のシール機能の確保と低温時の摩耗や焼き付き防止を図ったものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−186678
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような従来のオイルポンプにあっては、確かにギアの側面とハウジングの内面との間の潤滑性は向上するものの、近年のエンジンの高出力化などを実現するうえでは決して充分なものではなく、摺動接触部分におけるフリクションの低減を図るためにさらなる改善が要望されていた。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたものであって、アウタギアやインナギアの側面とハウジングの内面との摺動接触部分において、大幅なフリクションの低減を実現することができるオイルポンプを提供することを目的としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明のオイルポンプは、焼結金属を基材とするアウタギア及びインナギアと、鋳鉄又はアルミニウム鋳物を基材とし且つ両ギアを収納するハウジングを備え、潤滑油下で両ギアの側面とハウジングの内面とが摺動接触するオイルポンプにおいて、アウタギア、インナギア及びハウジングの少なくとも一つの摺動接触面に硬質炭素被膜を形成したことを特徴としており、これにより、摺動接触面の硬度を充分に高いものにして、耐スカッフ性及び耐摩耗性を向上させてフリクションの大幅な低減を実現する。
【0008】
【発明の効果】
本発明のオイルポンプによれば、アウタギア及びインナギアの側面とハウジングの内面との摺動接触部分において、耐スカッフ性及び耐摩耗性を高めてフリクションを大幅に低減することができ、これによりオイルポンプの長寿命化を実現し、また、両ギアとハウジングとのクリアランスをより小さくしてシール性をさらに高めることも可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。なお、本明細書において「%」は、特記しない限り質量百分率を示すものとする。
【0010】
図1に示すオイルポンプは、内接ギア式と呼ばれるもので、内歯を有するアウタギア1と、その内歯よりも歯数が少ない外歯を有するインナギア2と、組み合わせた両ギア1,2を収納するハウジング3を備え、アウタギア1の中心に対してインナギア2の中心を偏心させた状態にするとともに両ギア1,2の間に容積部(図示せず)を形成し、インナギア2の回転に伴ってポンプ動作を行う。ここで、両ギア1,2は焼結金属を基材としており、ハウジング3は、鋳鉄又はアルミニウム鋳物を基材としている。
【0011】
図示のハウジング3は、第1ハウジング11と第2ハウジング12から成るものである。第1ハウジング11は、軸孔13が形成されたボス部14と、両ギア1,2を収納する凹部15を有すると共に、この凹部15内に、一方の側面1a,2aに対向する内面3aを有している。他方、第2ハウジング12は、軸孔16が形成されたボス部17と、両ギア1,2の他方の側面1b,2bに対向する内面3bを有するほか、図示を省略したが、吸入通路、吸入通路から容積部に至る吸入ポート、及び吐出ポート等を備えている。
【0012】
上記のオイルポンプは、作動時において、潤滑油下で両ギア1,2の側面1a,2a,1b,2bとハウジング3の内面3a,3bとが摺動接触する。これに対して、本発明に係わるオイルポンプでは、アウタギア1の側面1a,1b、インナギア2の側面2a,2b、及びハウジング3の内面3a,3bのうちの少なくとも一つの摺動接触面に硬質炭素被膜を形成している。
【0013】
これにより、オイルポンプでは、摺動接触面の硬度を充分に高いものにして、耐スカッフ性及び耐摩耗性を向上させてフリクションの大幅な低減を実現しており、このように摺動接触部分のフリクションを大幅に低減することにより、長寿命化を実現し、また、両ギア1,2とハウジング3とのクリアランスをより小さくしてシール性のさらなる向上を実現するものとなる。
【0014】
硬質炭素被膜は、各種PVD法、具体的には、アーク式イオンプレーティング法により形成したDLC被膜(ダイヤモンドライクカーボン被膜)であることが望ましい。このDLC被膜は、炭素元素を主として構成された非晶質のものであり、具体的には、炭素元素だけから成るa−C(アモルファスカーボン)、水素を含有するa−C:H(水素アモルファスカーボン)、及びチタン(Ti)やモリブデン(Mo)等の金属元素を一部に含むMeC(メタルカーボン又は金属炭化物)が挙げられるが、大幅な摩擦低減効果を発揮させる観点から、水素含有量が少ないものほど好ましく、水素原子の含有量が10.0原子%以下、より好ましくは水素原子の含有量が1.0原子%以下、さらには水素を含まないa−C系(アモルファスカーボン系)材料を好適に用いることができ、さらには、膜厚を0.3〜1.5μmとするのが好ましい。
【0015】
ここで、焼結金属から成る両ギア1,2、及び鋳鉄又はアルミニウム鋳物から成るハウジング3の基材の表面粗さ、すなわち、硬質炭素被膜の被覆前における摺動接触面の表面粗さがRaで0.08μmを超えると、硬質炭素被膜表面の粗さに起因する突起部が摺動相手との局所的な接触面積を増大させて被膜の割れを誘発してしまうことから、硬質炭素被膜の被覆前における摺動接触面の表面粗さをRaで0.08μm以下とすることが好ましく、より好ましくは硬質炭素被膜の被覆前における摺動接触面の表面粗さをRaで0.03μm以下とする。また、硬質炭素被膜が未形成である摺動相手の表面粗さをRaで0.08μm以下とすることも、上記した被膜の割れを防止するうえで有効である。
【0016】
次に、本発明のオイルポンプに用いる潤滑油の組成物について説明する。この潤滑油組成物は、潤滑油基油に、エステル系化合物及びアミン系化合物の少なくとも一方、より詳しくは、脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤の少なくとも一方を添加剤として含有させたものである。
【0017】
上記潤滑油基油としては特に限定されるものではなく、鉱油、合成油、油脂及びこれらの混合物など、潤滑油組成物の基油として通常使用されるものであれば、種類を問わず使用することができる。
【0018】
鉱油として、具体的には、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理等を適宜組み合わせて精製したパラフィン系又はナフテン系等の油やノルマルパラフィン等が使用でき、溶剤精製、水素化精製処理したものが一般的であるが、芳香族分をより低減することが可能な高度水素化分解プロセスやGTL Wax(ガス・トウー・リキッド・ワックス)を異性化した手法で製造したものを用いることがより好ましい。
【0019】
合成油としては、具体的には、ポリ−α−オレフィン(例えば、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンオリゴマー等)、ポリ−α−オレフィンの水素化物、イソブテンオリゴマー、イソブテンオリゴマーの水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(例えば、ジトリデシルグルタレート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジオクチルセバケート等)、ポリオールエステル(例えば、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、トリメチロールプロパンイソステアリネート等のトリメチロールプロパンエステル;ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等のペンタエリスリトールエステル)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられる。中でも、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリ−α−オレフイン又はその水素化物が好ましい例として挙げられる。
【0020】
潤滑油組成物の基油は、鉱油系基油又は合成系基油を単独又は混合して用いる以外に、2種類以上の鉱油系基油又は2種類以上の合成系基油の混合物であっても差し支えない。また、上記混合物における2種類以上の基油の混合比も特に限定されず任意に選ぶことができる。
【0021】
潤滑油基油中の硫黄分について、特に制限はないが、基油全量基準で、0.2%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1%以下、さらには0.05%以下であることが好ましい。特に、水素化精製鉱油や合成系基油の硫黄分は、0.005%以下、あるいは実質的に硫黄分を含有していない(5ppm以下)ことから、これらを基油として用いることが好ましい。
【0022】
また、潤滑油基油中の芳香含有量についても、特に制限はないが、内燃機関用(又は変速機用)潤滑油組成物として長期間低摩擦特性を維持するためには、全芳香族含有量が15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下、さらには5%以下であることが好ましい。即ち、潤滑油基油の全芳香族含有量が15%を超える場合には、酸化安定性が劣るため好ましくない。
【0023】
なお、ここで言う全芳香族含有量とは、ASTM D2549に規定される方法に準拠して測定される芳香族留分(aromatics fraction)含有量を意味している。
【0024】
潤滑油基油の動粘度にも、特に制限はないが、内燃機関用潤滑油組成物として使用する場合には、100℃における動粘度が2mm/s以上であることが好ましく、より好ましくは3mm/s以上である。一方、その動粘度は、20mm/s以下であることが好ましく、10mm/s以下、特に8mm/s以下であることが好ましい。100℃における潤滑油基油の動粘度が2mm/s未満である場合には、充分な耐摩耗性が得られないのに加えて、蒸発特性が劣る可能性があるため好ましくない。一方、100℃における潤滑油基油の動粘度が20mm/sを超える場合には、低摩擦性能を発揮しにくく、低温性能が悪くなる可能性があるため好ましくない。本発明のオイルポンプには、上記基油の中から選ばれる2種以上の基油を任意に混合した混合物等が使用でき、100℃における動粘度が上記の好ましい範囲内に入る限りにおいては、基油単独の動粘度が上記以外のものであっても使用可能である。
【0025】
また、潤滑油基油の粘度指数にも、特別な制限はないが、80以上であることが好ましく、100以上であることがさらに好ましく、特に内燃機関用潤滑油組成物として使用する場合には、120以上であることが好ましい。潤滑油基油の粘度指数を高めることでよりオイル消費が少なく、低温粘度特性等に優れた内燃機関用潤滑油組成物を得ることができる。
【0026】
上記脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤としては、炭素数6〜30、好ましくは炭素数8〜24、特に好ましくは炭素数10〜20の直鎖状又は分枝状炭化水素基を有する脂肪酸エステル、脂肪酸アミン化合物、及びこれらの任意混合物を挙げることができる。炭素数が6〜30の範囲外のときは、摩擦低減効果が充分に得られない可能性がある。
【0027】
炭素数6〜30の直鎖状又は分枝状炭化水素基としては、具体的には、へキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基等のアルキル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基等のアルケニル基などを挙げることができる。なお、上記アルキル基及びアルケニル基には、考えられる全ての直鎖状構造及び分枝状構造が含まれ、また、アルケニル基における二重結合の位置は任意である。
【0028】
また、上記脂肪酸エステルとしては、かかる炭素数6〜30の炭化水素基を有する脂肪酸と脂肪族1価アルコール又は脂肪族多価アルコールとのエステルなどを例示でき、具体的には、グリセリンモノオレート、グリセリンジオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンジオレートなどを特に好ましい例として挙げることができる。
【0029】
上記脂肪族アミン化合物としては、脂肪族モノアミン又はそのアルキレンオキシド付加物、脂肪族ポリアミン、イミダゾリン化合物等、及びこれらの誘導体等を例示できる。具体的には、ラウリルアミン、ラウリルジエチルアミン、ラウリルジエタノールアミン、ドデシルジプロパノールアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ステアリルテトラエチレンペンタミン、オレイルアミン、オレイルプロピレンジアミン、オレイルジエタノールアミン、N−ヒドロキシエチルオレイルイミダゾリン等の脂肪族アミン化合物や、これら脂肪族アミン化合物のN,N−ジポリオキシアルキレン−N−アルキル(又はアルケニル)(炭素数6〜28)等のアミンアルキレンオキシド付加物、これら脂肪族アミン化合物に炭素数2〜30のモノカルボン酸(脂肪酸等)や、シュウ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルボン酸を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したりアミド化した、いわゆる酸変性化合物等が挙げられる。好適な例としては、N,N−ジポリオキシエチレン−N−オレイルアミン等が挙げられる。
【0030】
また、潤滑油組成物に含まれる脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤の含有量は、潤滑油組成物全量基準で、0.05〜3.0%であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.0%、特に好ましくは0.5〜1.4%であることがよい。上記含有量が0.05%未満であると摩擦低減効果が小さくなり易く、3.0%を超えると潤滑油への溶解性や貯蔵安定性が著しく悪化し、沈殿物が発生し易いので、好ましくない。
【0031】
さらに、潤滑油組成物は、ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体を含有することが好適であり、上記ポリブテニルコハク酸イミドとしては、次の一般式(1)及び(2)で表される化合物が挙げられる。
【0032】
【化1】
Figure 2005069004
【0033】
【化2】
Figure 2005069004
【0034】
これら一般式におけるPIBは、ポリブテニル基を示し、高純度イソブテン又は1−ブテンとイソブテンの混合物をフッ化ホウ素系触媒又は塩化アルミニウム系触媒で重合させて得られる数平均分子量が900〜3500、望ましくは1000〜2000のポリブテンから得られる。上記数平均分子量が900未満の場合は清浄性効果が劣り易く、3500を超える場合は低温流動性に劣り易いため、望ましくない。
【0035】
また、上記一般式におけるnは、清浄性に優れる点から1〜5の整数、より望ましくは2〜4の整数であることがよい。さらに、上記ポリブテンは、製造過程の触媒に起因して残留する微量のフッ素分や塩素分を吸着法や充分な水洗等の適切な方法により、50ppm以下、より望ましくは10ppm以下、特に望ましくは1ppm以下まで除去してから用いることもよい。
【0036】
さらに、上記ポリブテニルコハク酸イミドの製造方法としては、特に限定はないが、例えば、上記ポリブテンの塩素化物又は塩素やフッ素が充分除去されたポリブテンと無水マレイン酸とを100〜200℃で反応させて得られるポリブテニルコハク酸を、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミンと反応させることにより得ることができる。
【0037】
一方、上記ポリブテニルコハク酸イミドの誘導体としては、上記一般式(1)又は(2)で表される化合物に、ホウ素化合物や含酸素有機化合物を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、いわゆるホウ素変性又は酸変性化合物を例示できる。その中でもホウ素含有ポリブテニルコハク酸イミド、特にホウ素含有ビスポリブテニルコハク酸イミドが最も好ましいものとして挙げられる。
【0038】
上記ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ酸エステル等が挙げられる。具体的には、上記ホウ酸として、オルトホウ酸、メタホウ酸及びテトラホウ酸などが挙げられる。また、上記ホウ酸塩としては、アンモニウム塩等、具体的には、例えばメタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等のホウ酸アンモニウムが好適例として挙げられる。また、ホウ酸エステルとしては、ホウ酸と好ましくは炭素数1〜6のアルキルアルコールとのエステル、より具体的には例えば、ホウ酸モノメチル、ホウ酸ジメチル、ホウ酸トリメチル、ホウ酸モノエチル、ホウ酸ジエチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸モノプロピル、ホウ酸ジプロピル、ホウ酸トリププロピル、ホウ酸モノブチル、ホウ酸ジブチル、ホウ酸トリブチル等が好適例として挙げられる。なお、ホウ素含有ポリブテニルコハク酸イミドにおけるホウ素含有量Bと窒素含有量Nとの質量比「B/N」は、通常0.1〜3であり、好ましくは、0.2〜1である。
【0039】
また、上記含酸素有機化合物としては、具体的には、例えばぎ酸、酢酸、グリコール酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸等の炭素数1〜30のモノカルボン酸や、シュウ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルポン酸並びにこれらの無水物、又はエステル化合物、炭素数2〜6のアルキレンオキサイド、ヒドロキシ(ポリ)オキシアルキレンカーボネート等が挙げられる
【0040】
なお、潤滑油組成物において、ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体の含有量は、0.1〜15%が望ましく、より望ましくは1.0〜12%であることが好ましい。0.1%未満では清浄性効果に乏しくなることがあり、15%を超えると含有量に見合う清浄性効果が得られにくく、抗乳化性が悪化し易い。
【0041】
さらにまた、潤滑油組成物は、次の一般式(3)で表されるジチオリン酸亜鉛を含有することが好適である。
【0042】
【化3】
Figure 2005069004
【0043】
上記式(3)中のR、R、R及びRは、それぞれ別個に炭素数1〜24の炭化水素基を示す。これら炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数3〜24の直鎖状又は分枝状のアルケニル基、炭素数5〜13のシクロアルキル基又は直鎖状若しくは分枝状のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は直鎖状若しくは分枝状のアルキルアリール基、炭素数7〜19のアリールアルキル基等のいずれかであることが望ましい。また、アルキル基やアルケニル基は、第1級、第2級及び第3級のいずれであってもよい。
【0044】
上記R、R、R及びRとしては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基等のアルキル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ブタジエニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オレイル基等のオクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基等のアルケニル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、エチルシクロペンチル基、プロピルシクロペンチル基、エチルメチルシクロペンチル基、トリメチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、エチルジメチルシクロペンチル基、プロピルメチルシクロペンチル基、プロピルエチルシクロペンチル基、ジ−プロピルシクロペンチル基、プロピルエチルメチルシクロペンチル基、メチルシクロへキシル基、ジメチルシクロへキシル基、エチルシクロへキシル基、プロピルシクロへキシル基、エチルメチルシクロへキシル基、トリメチルシクロへキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、エチルジメチルシクロヘキシル基、プロピルメチルシクロヘキシル基、プロピルエチルシクロヘキシル基、ジ−プロピルシクロへキシル基、プロピルエチルメチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、エチルシクロヘプチル基、プロピルシクロヘプチル基、エチルメチルシクロヘプチル基、トリメチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基、エチルジメチルシクロヘプチル基、プロピルメチルシクロヘプチル基、プロピルエチルシクロヘプチル基、ジ−プロピルシクロヘプチル基、プロピルエチルメチルシクロヘプチル基等のアルキルシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、エチルメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、ブチルフェニル基、プロピルメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、エチルジメチルフェニル基、テトラメチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等のアルキルアリール基、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、ジメチルフェネチル基等のアリールアルキル基、等が例示できる。
【0045】
なお、R、R、R及びRがとり得る上記炭化水素基には、考えられる全ての直鎖状構造及び分枝状構造をが含まれ、また、アルケニル基の二重結合の位置、アルキル基のシクロアルキル基への結合位置、アルキル基のアリール基への結合位置、及びアリール基のアルキル基への結合位置は任意である。また、上記炭化水素基の中でも、その炭化水素基が、直鎖状又は分柱状の炭素数1〜18のアルキル基である場合若しくは炭素数6〜18のアリール基、又は直鎖状若しくは分枝状アルキルアリール基である場合が特に好ましい。
【0046】
上記ジチオリン酸亜鉛の好適な具体例としては、例えば、ジイソプロピルジチオリン酸亜鉛、ジイソブチルジチオリン酸亜鉛、ジ−sec−ブチルジチオリン酸亜鉛、ジ−sec−ペンチルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−ヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジ−sec−ヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジ−オクチルジチオリン酸亜鉛、ジ−2−エチルヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−デシルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−ドデシルジチオリン酸亜鉛、ジイソトリデシルジチオリン酸亜鉛、及びこれらの任意の組合せに係る混合物等が挙げられる。
【0047】
また、上記ジチオリン酸亜鉛の含有量は、より高い摩擦低減効果を発揮させる観点から、潤滑油組成物全量基準且つリン元素換算量で、0.1%以下であることが好ましく、また0.06%以下であることがより好ましく、さらにはジチオリン酸亜鉛が含有されないことが特に好ましい。ジチオリン酸亜鉛の含有量がリン元素換算量で0.1%を超えると、DLC部材と鉄基部材との摺動面における上記脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤や上記脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤の優れた摩擦低減効果が阻害されるおそれがある。
【0048】
上記ジチオリン酸亜鉛の製造方法としては、従来方法を任意に採用することができ、特に制限されないが、具体的には、例えば、上記R、R、R及びRに対応する炭化水素基を持つアルコール又はフェノールを五二硫化りんと反応させてジチオリン酸とし、これを酸化亜鉛で中和させることにより合成することができる。なお、上記ジチオリン酸亜鉛の構造は、使用する原料アルコールによって異なることは言うまでもない。
【0049】
また、上記一般式(3)に包含される2種以上のジチオリン酸亜鉛を任意の割合で混合して使用することもできる。
【0050】
上述のように、本発明のオイルポンプにおいて、潤滑油組成物は、硬質炭素被膜で被覆した摺動接触面、すなわちアウタギア1の側面1a,1b、インナギア2の側面2a,3b、及びハウジング3の内面3a,3bのうちの少なくとも一つの摺動接触面に用いた場合に、極めて優れた低摩擦特性をもたらすものであるが、特に内燃機関用潤滑油組成物として必要な性能を高める目的で、金属系清浄剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、他の無灰摩擦調整剤、他の無灰分散剤、磨耗防止剤若しくは極圧剤、防錆剤、非イオン系界面活性剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤等を単独で又は複数種を組合せて配合し、必要な性能を高めることができる。
【0051】
上記金属系清浄剤としては、潤滑油用の金属系清浄剤として通常用いられる任意の化合物が使用できる。例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のスルホネート、フェネート、サリシレートナフテネート等を単独で又は複数種を組合せて使用できる。ここで、上記アルカリ金属としてはナトリウム(Na)やカリウム(K)等、上記アルカリ土類金属としてはカルシウム(Ca)やマグネシウム(Mg)等が例示できる。また、具体的な好適例としては、Ca又はMgのスルフォネート、フェネート及びサリシレートが挙げられる。
【0052】
なお、これら金属系清浄剤の全塩基価及び添加量は、要求される潤滑油の性能に応じて任意に選択できる。通常、全塩基価は、過塩素酸法で0〜500mgKOH/g、望ましくは150〜400mgKOH/gであり、その添加量は潤滑油組成物全量基準で、通常0.1〜10%である。
【0053】
また、上記酸化防止剤としては、潤滑油用の酸化防止剤として通常用いられる任意の化合物を使用できる。例えば、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール系酸化防止剤、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、アルキルジフェニルアミン等のアミン系酸化防止剤、並びにこれらの任意の組合せに係る混合物等が挙げられる。また、かかる酸化防止剤の添加量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.01〜5%である。
【0054】
さらに、上記粘度指数向上剤としては、具体的には、各種メタクリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上のモノマーの共重合体やその水添物等のいわゆる非分散型粘度指数向上剤、及びさらに窒素化合物を含む各種メタクリル酸エステルを共重合させたいわゆる分散型粘度指数向上剤等が例示できる。また、他の粘度指数向上剤の具体例としては、非分散型又は分散型エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等)及びその水素化物、ポリイソブチレン及びその水添物、スチレン−ジエン水素化共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体、並びにポリアルキルスチレン等も例示できる。
【0055】
これら粘度指数向上剤の分子量は、せん断安定性を考慮して選定することが必要である。具体的には、粘度指数向上剤の数平均分子量は、例えば分散型及び非分散型ポリメタクリレートでは5000〜1000000、好ましくは100000〜800000がよく、ポリイソブチレン又はその水素化物では800〜5000、エチレン−α−オレフィン共重合体又はその水素化物では800〜300000、好ましくは10000〜200000がよい。また、かかる粘度指数向上剤は、単独で又は複数種を任意に組合せて含有させることができるが、通常その含有量は、潤滑油組成物基準で0.1〜40.0%であることが望ましい。
【0056】
さらにまた、他の無灰摩擦調整剤としては、ホウ酸エステル、高級アルコール、脂肪族エーテル等の無灰摩擦調整剤、ジチオリン酸モリブデン、ジチオカルバミン酸モリブデン、二硫化モリブデン等の金属系摩擦調整剤等が挙げられ、他の無灰分散剤としては、数平均分子量が900〜3500のポリブテニル基を有するポリブテニルベンジルアミン、ポリブテニルアミン、数平均分子量が900未満のポリブテニル基を有するポリブテニルコハク酸イミド等及びそれらの誘導体等が挙げられる。
【0057】
さらにまた、上記磨耗防止剤又は極圧剤としては、ジスルフィド、硫化油脂、硫化オレフィン、炭素数2〜20の炭化水素基を1〜3個含有するリン酸エステル、チオリン酸エステル、亜リン酸エステル、チオ亜リン酸エステル及びこれらのアミン塩等が挙げられる。
【0058】
さらにまた、上記防錆剤としては、アルキルベンゼンスルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられ、上記非イオン系界面活性剤及び抗乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0059】
さらにまた、上記金属不活性化剤としては、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、チアジアゾール、ベンゾトリアゾール、チアジアゾール等が挙げられ、上記消泡剤としては、シリコーン、フルオロシリコーン、フルオロアルキルエーテル等が挙げられる。
【0060】
なお、これら添加剤を本発明のオイルポンプに使用する潤滑油組成物に含有させる場合には、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、他の摩擦調整剤、他の無灰分散剤、磨耗防止剤又は極圧剤、防錆剤、及び抗乳化剤については0.01〜5%、金属不活性剤については0.005〜1%、消泡剤については0.0005〜1%の範囲から適宜選択できる。
【0061】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明は、これら実施例のみに限定されるものではない。
【0062】
実施例1〜10及び比較例1では、後記する表1に示すように、アウタギア、インナギア及びハウジングのいずれかに相当するピン状の試料と、その摺動相手部材であるリング状の摺動相手試料を用意し、とくに手動相手の基材を鋳鉄とした。そして、実施例1及び2については、試料及び摺動相手試料の双方の摺動接触面にDLC被膜を形成し、実施例3〜10については、試料の摺動接触面にDLC被膜を形成し、比較例1については、DLC被膜が無いものとし、基材の面粗度、DLC被膜の膜厚及び水素含有量、並びに潤滑油中の添加剤を異ならせた。
【0063】
実施例11〜20及び比較例2では、後記する表2に示すように、アウタギア、インナギア及びハウジングのいずれかに相当するピン状の試料と、その摺動相手部材であるリング状の摺動相手試料を用意し、とくに手動相手の基材をアルミニウム鋳物とした。そして、実施例11及び12については、試料及び摺動相手試料の双方の摺動接触面にDLC被膜を形成し、実施例13〜20については、試料の摺動接触面にDLC被膜を形成し、比較例2については、DLC被膜が無いものとし、基材の面粗度、DLC被膜の膜厚及び水素含有量、並びに潤滑油中の添加剤を異ならせた。
【0064】
次に、JIS D4411に準処して、定速式摩擦試験機において、試料(ピン)と摺動相手試料(リング)を用いたピン−オン−リングによる摩擦試験を行った。この試験は、摺動相手材料に対して試料を一定荷重で押付けるとともにリングを定速度で回転させて摩擦力を測定するものである。そして、測定した摩擦力や試験前後に行った試料の厚さ及び重量の測定結果に基づいて摩擦係数を求めて、比較例1及び2を『1.00』として実施例1〜10及び実施例11〜20の摩擦係数低減比を求めた。その結果を表1及び表2に示す。
【0065】
【表1】
Figure 2005069004
【0066】
【表2】
Figure 2005069004
【0067】
表1及び表2に示すように、実施例1〜20については、DLC被膜の形成により、比較例1及び2のいずれに対しても摩擦係数が明らかに低減されたものとなり、とくに、試料及び相手摺動部材の両方にDLC被膜を形成した実施例1及び2については、摩擦係数の大幅な低減を確認することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるオイルポンプの一実施形態を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 アウタギア
1a 1b アウタギアの側面
2 インナギア
2a 2b インナギアの側面
3 ハウジング
3a 3b ハウジングの内面

Claims (8)

  1. 焼結金属を基材とするアウタギア及びインナギアと、鋳鉄又はアルミニウム鋳物を基材とし且つ両ギアを収納するハウジングを備え、潤滑油下で両ギアの側面とハウジングの内面とが摺動接触するオイルポンプにおいて、アウタギア、インナギア及びハウジングの少なくとも一つの摺動接触面に硬質炭素被膜を形成したことを特徴とするオイルポンプ。
  2. 硬質炭素被膜の厚さが0.3〜1.5μmであることを特徴とする請求項1に記載のオイルポンプ。
  3. 硬質炭素被膜の形成前における摺動接触面の表面粗さがRa0.08μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオイルポンプ。
  4. 硬質炭素被膜の形成前における摺動接触面の表面粗さがRa0.03μm以下であることを特徴とする請求項3に記載のオイルポンプ。
  5. 潤滑油が、アミン系化合物及びエステル系化合物の少なくとも一方を添加剤として含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のオイルポンプ。
  6. 硬質炭素被膜中に含まれる水素量が、10.0原子%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のオイルポンプ。
  7. 硬質炭素被膜中に含まれる水素量が、1.0原子%以下であることを特徴とする請求項6に記載のオイルポンプ。
  8. 硬質炭素被膜の未処理部に対する摺動相手の表面粗さがRa0.08μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のオイルポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008051867A (ja) * 2006-08-22 2008-03-06 Fuji Xerox Co Ltd クリーニング方法、クリーニング装置及び画像形成装置
CN102926994A (zh) * 2012-11-28 2013-02-13 无锡威孚精密机械制造有限责任公司 具有减摩镀层的补油泵
US10557468B2 (en) 2015-11-03 2020-02-11 Denso Corporation Fuel pump

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