JP2005046091A - 苗保持枠 - Google Patents

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Mitsuo Konda
満夫 根田
Masaki Korehisa
正喜 是久
Tatsuyuki Toritsu
龍之 鳥津
Hidehiro Okada
英博 岡田
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Abstract

【課題】 従来の苗保持枠を上下に積み重ねると、上側の苗保持枠の位置が安定せず、該苗保持枠が振動等の外力により位置ずれして側方へ移動し、開口部から収容棚部に載せた苗がとび出して苗保持枠から脱落するおそれがある。また、苗保持枠が振動等の外力により位置ずれして移動すると、苗保持枠の姿勢が変化して開口部が下側に向き、開口部から収容棚部に載せた苗が脱落しやすくなる。
【解決手段】 苗を収容する収容棚部55を上下に複数設け、該複数の収容棚部55の一側に収容棚部55に対して苗を出し入れできる開口部56を形成した苗保持枠において、互いに係合する構造の上部係合部59と下部係合部60とを設け、該上部係合部59と下部係合部60との開口部56からの距離を異ならせた。
【選択図】 図14

Description

この発明は、苗を収容する収容棚部を上下に複数設けた苗保持枠の技術分野に属するものである。
従来、例えば縦横に複数の育苗ポットを有する苗箱を載せて苗箱内の苗を収容できる収容棚部を棒材により形成し、この収容棚部を上下に複数設けた苗保持枠がある。この苗保持枠は、複数の収容棚部の三側方を棒材によりガードして苗すなわち苗箱が収容棚部から脱落しないように構成されているとともに、残りの一側方に収容棚部に対して苗を出し入れできる開口部を形成している。この苗保持枠の複数の収容棚部により上下に複数段に苗を載せて多量の苗を収容できるので、苗保持枠により一度に多量の苗を取り扱うことができ、苗移植機への苗供給や育苗ハウスから苗移植機への苗の運搬等を容易に行える(特許文献1参照。)。
特開平11ー113411号公報
ところで、苗移植機の予備苗載台や苗を運搬する運搬車の荷台等はスペース(面積)が限られているので、この苗移植機や運搬車により多量の苗を搭載するには苗保持枠を上下に積み重ねて複数搭載することが考えられる。しかしながら、従来の苗保持枠を上下に積み重ねると、上側の苗保持枠の位置が安定せず、該苗保持枠が振動等の外力により位置ずれして側方へ移動し、開口部から収容棚部に載せた苗がとび出して苗保持枠から脱落するおそれがある。また、苗保持枠が振動等の外力により位置ずれして移動すると、苗保持枠の姿勢が変化して開口部が下側に向き、開口部から収容棚部に載せた苗が脱落しやすくなる。
この発明は、上記課題を解決するべく次の技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に係る発明は、苗を収容する収容棚部55を上下に複数設けた苗保持枠において、互いに係合する構造の上部係合部59と下部係合部60とを設けたことを特徴とする苗保持枠とした。
従って、請求項1に記載の苗保持枠は、上下に複数設けた各収容棚部55へ苗を収容でき、多量の苗を収容できる。そして、この苗保持枠を上下に積み重ねるとき、下側の苗保持枠の上部係合部59と上側の苗保持枠の下部係合部60とを係合させることにより、上下の苗保持枠が振動等の外力により位置ずれして移動しにくくなる。
また、請求項2に係る発明は、苗を収容する収容棚部55を上下に複数設け、該複数の収容棚部55の一側に収容棚部55に対して苗を出し入れできる開口部56を形成した苗保持枠において、互いに係合する構造の上部係合部59と下部係合部60とを設け、該上部係合部59と下部係合部60との開口部56からの距離を異ならせて構成したことを特徴とする苗保持枠とした。
従って、請求項2に記載の苗保持枠は、開口部56から上下に複数設けた各収容棚部55へ苗を挿入して収容でき、多量の苗を収容できる。また、各収容棚部55から開口部56を介して苗を取り出すことができる。そして、この苗保持枠を上下に積み重ねるとき、下側の苗保持枠の上部係合部59と上側の苗保持枠の下部係合部60とを係合させることにより、上下の苗保持枠が振動等の外力により位置ずれして移動しにくくなる。更には、上部係合部59と下部係合部60との開口部56からの距離を異ならせているので、上下に積み重ねた苗保持枠の開口部56を互いにずらせることができる。
よって、請求項1に記載の発明によると、苗保持枠を上下に積み重ねるとき、上下の苗
保持枠が振動等の外力により位置ずれして移動しにくくなるので、収容棚部55に載せた苗が脱落するのを防止できる。
また、請求項2に記載の発明によると、請求項1に記載の発明の効果に加えて、苗保持枠を上下に積み重ねるとき、上下に積み重ねた苗保持枠の開口部56を互いにずらせることができるので、苗保持枠へ苗を供給したりあるいは苗保持枠から苗を取り出したりするとき、その上側の苗保持枠が邪魔にならないよう上側の苗保持枠の開口部56が下側の苗保持枠の開口部56より奥手に位置するように積み重ねられた苗保持枠を配置することができ、積み重ねられた苗保持枠に対する苗の取り扱いが容易になる。又は、開口部56が斜め上方を向く状態で積み重ねられた苗保持枠の互いの位置を平面視で略同じ位置に配置して、平面視で積み重ねられた苗保持枠がスペースをとらないように配置できると共に、開口部56が斜め上方を向くため、収容棚部55に載せた苗が開口部56から脱落するのを防止できるばかりでなく、苗保持枠へ苗を供給したりあるいは苗保持枠から苗を取り出したりする作業が行いやすく、積み重ねられた苗保持枠に対する苗の取り扱いが容易になる。
以下、この発明の実施の一形態を、図面に基づいて説明する。
まず、予備苗載装置16を備える苗移植機1について説明する。
図1及び図2に示す水稲苗の移植機1は、乗用走行車体2の後側にリンク装置3を介して8条植えの苗植付部4が昇降可能に装着されている。また、走行車体2の後部には、施肥装置5の肥料タンク6と肥料繰出部7とが配設されている。
走行車体2は、各左右一対の前輪8及び後輪9を備えた四輪駆動車両で、機体の前部にミッションケース10が配設され、該ミッションケース10から後方に延びるメインフレ−ム11の上にエンジン12が搭載されている。エンジン12の上方には座席13が設置され、その前方に前輪8を操向操作するハンドル14が設けられている。走行車体2の前部の左右には、後述する苗トレイ保持枠15を載置して収容できる予備苗載装置16を設けている。
リンク装置3は、走行車体2のフレーム11の後端部に固着のリンクベース17に上リンク18及び下リンク19が回動自在に取り付けられ、これら上下リンク18,19の後端部に連結枠20が連結されている。そして、その連結枠20の下端部にはローリング軸21が設けられ、該ローリング軸21を介して走行車体2に対して苗植付部4が左右ローリング可能に支持されている。苗植付部昇降用油圧シリンダ22を伸縮作動させると、上下のリンク18,19がリンクベース17側の支軸回りに回動し、苗植付部4が昇降する。
ところで、この苗移植機1では、ポットPが縦横に所定の間隔で並んだプラスチック製の可撓性を有する苗トレイCで育成された苗を使用する。前記苗トレイCは、複数個のポットPの開口部Paが互いに連結し底部Pb側が独立した形状に成形されている。また、苗トレイCの長手方向に沿う左右の端縁部Caには、ポットPの長手方向の間隔に合わせて後述する送り爪23が作用する苗箱送り用の角孔Cbを設けている。各ポットPの底部Pbには、苗をポットPから取り出すための押出ピン24が底部側から侵入できる切れ目Pcを設けている。Ccは左右(短手方向)中央で長手方向に向けて設けられた広間隔部である。育苗は、各ポットP内に床土を詰めて播種、覆土し、育苗される。
苗植付部4は隣接する2条づつで1単位とする植付ユニット30が左右並列に4個並んでいる。各植付ユニット30には、苗トレイCを供給する上下2段の苗トレイ供給部50と、該苗トレイ供給部50により供給された苗トレイCを所定の搬送路に沿って搬送する苗トレイ搬送部32と、前記搬送路の苗取出位置Dで苗トレイCの横1列分のポットPから押出ピン24により苗を取り出す苗取出装置と、取り出された苗を下側前方に弧を描くような軌跡で搬送する苗搬送装置34と、該苗搬送装置34から苗を抜き出す苗抜き装置35と、抜き出された横1列分の苗を半分づつ左右両側に横送りするベルトコンベヤ式の苗横送り装置36と、該苗横送り装置によって送られてくる苗を取って圃場に植え付ける苗植付装置37とをそれぞれ設けている。また、搬送路の終端部には、苗が取り出された
後の空の苗トレイCを複数個重ねて収容することのできる空トレイ回収枠38を設けている。尚、苗トレイCの装填状態に応じて、作業者が、苗トレイ供給部50の上下2段のうちの一方へ適宜苗トレイCを供給するようになっている。
図5に示すように、前記押出ピン24は、その断面視の外周となる側面24aに凹凸を施している。従って、ポットPの底部側の切れ目Pcを押し除けて苗を押し出す際に、押出ピン24の前記側面24aとポットPの底部との接触面積が少なくなり、押出ピン24の苗押し出し後の戻り行程の作動抵抗を低減できて押出ピン24をスムーズに作動させることができ、押出ピン24の戻りのタイミングが遅れることによる苗トレイ搬送部32での苗トレイCの搬送に悪影響を与えることを防止でき、ひいては苗植付装置37までの苗の搬送を良好に行えて適正な苗植付を行える。従来の押出ピンは、その断面形状が円形であるのでポットの底部との接触面積が広く、作動抵抗が大きくて押出ピンの戻りのタイミングが遅れることによる苗トレイ搬送部での苗トレイの搬送に悪影響を与えるおそれがある。尚、押出ピン24の断面形状を四角形乃至六角形等の多角形にしても、同様の効果が得られる。尚、押出ピン24の側面24aとポットPの底部との接触面積が少なくなると、押出ピン24の側面24aの凸部分が摩耗しやすくなるが、押出ピン24を転造にて製作して前記側面24aの表面硬度を向上させることにより、所望の耐摩耗性を得ることができる。
各植付ユニット30の下方には、植付作業時に圃場面を整地しながら滑走するフロート40が設けられている。中央2体のフロート40は圃場面の凹凸を検出するセンサでもあり、植付作業時にはこのセンサフロート40の前端部の上下動が上下動検出機構41に検出され、その検出結果に応じて苗植付部昇降用油圧シリンダ22の制御バルブを切り替えて苗植付部4を昇降させる。これにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。
また、各フロート40の左右両側には、苗植付位置の近傍の圃場面に施肥用の溝を形成する作溝具43と、該作溝具の後側に配設された施肥ガイド44とが取り付けられている。そして、施肥装置5の肥料繰出部7と施肥ガイド44とが施肥ホース45で結ばれている。植付作業時には、肥料繰出部7から繰り出される肥料が施肥ホース45を介して施肥ガイド44へ移送され、作溝具43によって形成された施肥用の溝の中に落とし込まれる。
また、苗植付部4の左右両端部には、機体格納時や機体運搬時等にフロート40が接地しないようにするスタンド115を設けている。このスタンド115は、下端に左右に長い接地部115aを備え、通常植付作業時には左右方向の軸心回りに後側へ回動させることにより前記接地部115aを苗植付部4の後方に位置させる構成となっている。これにより、前記接地部115aが苗植付部4の後方を防護する防護具を兼用する。このとき、前記接地部115aは、特に強度の小さいベルトコンベヤ式の苗横送り装置36の後方に位置するから、障害物が後方から干渉することによる該ベルトコンベヤを支持するステー36aの変形を防止することができる。従来、苗横送り装置の後方に防護具を設けたものがあるが、スタンドとは別の部材で構成されており、格別に防護具を設ける必要があった。
苗トレイ搬送部32は、前側上部の上下2段の苗トレイ供給部50から合流経路を介して苗取出位置Dがある後側下部へ苗トレイCを搬送した後、空トレイ回収枠38がある前側上方へ向けて該苗トレイCを搬送する側面視U字型の搬送路を備えており、該搬送路の搬送上手側から順に、苗トレイ供給部50から供給された苗トレイCを苗取出装置側へ適宜搬送する上下2段のそれぞれの苗トレイ搬送装置51と、該苗トレイ搬送装置51から供給された苗トレイCを該苗トレイCのポットPの横一列分づつ苗取出位置Dへ搬送する送り爪23と、苗取出位置Dで苗が取り出された空の苗トレイCを空トレイ回収枠38へ供給するための空トレイ搬送ローラ53とを備えている。尚、前記空トレイ搬送ローラ53は、前記送り爪52に連動して駆動する構成となっている。
苗トレイ搬送装置51は、苗トレイCの左右端縁部を上下両側から挟んで苗トレイCを送る左右各上下一対の自動搬送ローラ77,78を備えている。下側のローラ77は駆動ローラで、搬送モータ79の動力で駆動される。上側のローラ78は押えローラで、回動自在な支持アーム80に支持されスプリング(図示せず)によって駆動ローラ側に付勢さ
れている。また、自動搬送ローラ77,78よりも搬送上手側には、苗トレイ保持枠15の苗トレイCを搬送路に強制的に送り出す手段として、前記搬送モータ79により回転する送りローラ81が設けられている。この送りローラ81の外周部には複数の突起81aが形成されており、これが苗トレイCの底部のポットP間に係合して苗トレイCを送るようになっている。
前記自動搬送ローラ77,78の搬送下手側には、苗トレイ検出センサS1,S2,S3を複数設けている。S1は、自動搬送ローラ77,78の直後の位置に設けられている。S2は、自動搬送ローラ77,78からの距離が苗トレイ1枚分の長さより若干短くなる位置に設けられている。S3は、自動搬送ローラ77,78からの距離が苗トレイ1枚分の長さより若干長くなる位置に設けられている。
前記S1が苗トレイCを検出しないとき、苗トレイ搬送装置51すなわち搬送モータ79を駆動する。そして、苗トレイCが搬送されることによりS1が苗トレイCを検出した状態で、S2が苗トレイCを検出するとき苗トレイ搬送装置51の駆動を停止し、前記S2が苗トレイCを検出しないとき苗トレイ搬送装置51を駆動する。そして、S2が苗トレイCを検出する状態で、S3が苗トレイCを検出しないとき、苗トレイ搬送装置51を駆動して苗取出位置Dへ向けて苗トレイCを搬送する。
従って、この水稲苗の移植機1は、走行車体2により機体を走行させながら苗植付部4により8条分の苗の植付作業を同時に行う。更に、施肥装置5により苗植付部4の苗植付位置の近傍に施肥していく。
予備苗載装置16は、一対の予備苗載台90と機体平面視で該予備苗載台90の間に配置した上下方向の回動軸91とを備え、走行車体2の前部の左右にそれぞれ設けた四角枠状の予備苗載装置支持フレーム92に支持されている。一対の予備苗載台90は、互いに対称に構成され、機体平面視で他方の予備苗載台側と直交する方向に複数(3個)の予備苗載部93を並べて設けている。
予備苗載台90の予備苗載部93にはそれぞれ複数の予備苗載部93の配列方向の両端部に載置プレート94が設けられ、この載置プレート94に後述する苗トレイ保持枠15の両側部を載置して各予備苗載部93に苗トレイ保持枠15を載せる構成となっている。従って、一対の予備苗載台90により、機体平面視で複数(計6個)の苗トレイ保持枠15を収容でき、最多で計24枚の苗トレイCを載置して収容できる。載置プレート94は、予備苗載部93における両端となる位置を上方に折り曲げて立ち上がり部94aを設け、該立ち上がり部94aにより苗トレイ保持枠15が側方へ位置ずれしないようにしている。また、予備苗載台90における回動軸91側の端には各予備苗載部93の載置プレート94を繋ぐ棒状のストッパ95が設けられ、該ストッパ95により苗トレイ保持枠15が位置ずれしないようにしている。また、ストッパ95とは反対側の載置プレート94の端には保持溝96が設けられ、該保持溝96に後述する苗トレイ保持枠15の下部の突条60を係合させて予備苗載部90に苗トレイ保持枠15を装着するようになっている。尚、予備苗載台90すなわち載置プレート94は、回動軸91とは反対側すなわち載置される苗トレイ保持枠15の後述する開口部56側が高位となるように傾斜しており、苗トレイ保持枠15内の苗トレイCが開口部56側から無闇に抜け出ないようにしている。予備苗載部93において、載置プレート94の回動軸91とは反対側の下方には予備苗載部93の配列方向に向く載置プレート連結軸97が固着され、該載置プレート連結軸97により両側の載置プレート94を連結している。
予備苗載台90の予備苗載部93の配列方向の両外側にはそれぞれ枠型フレーム98が設けられ、枠型フレーム98間で各載置プレート94の回動軸91側の下方に予備苗載部93の配列方向に向く予備苗載台揺動軸99が設けられている。この予備苗載台揺動軸99回りに各載置プレート94が揺動可能に連結されている。そして、枠型フレーム98の上部を繋ぐ上部フレーム100の適宜の位置にはリンク連結用プレート101が固着して設けられ、該リンク連結用プレート101に上側リンク102が連結されている。一方、該上側リンク102の他端と予備苗載台90の載置プレート94とを繋ぐ下側リンク103が連結され、上側リンク102及び下側リンク103の2本の連結リンクを折りたたむように予備苗載台揺動軸99回りに予備苗載台90を上側に揺動させることにより、予備苗載台90を回動軸91側に揺動させて予備苗載装置16のスペースを小さくすることができる。従って、前記予備苗載台揺動軸99、上側リンク102及び下側リンク103等により、予備苗載台90を回動軸91へ向けて移動させる移動機構を構成している。尚、この移動機構は、各予備苗載台90に設けられている。上側リンク102及び下側リンク103は、予備苗載部93間に設けられ、予備苗載部93へ苗トレイ保持枠15を載置できるようにしている。枠型フレーム98寄りの予備苗載部93の載置プレート連結軸97は載置プレート94より枠型フレーム98側へ突出しており、予備苗載台90を上側に揺動させたとき、載置プレート連結軸97が枠型フレーム98の上部に設けた予備苗載台固定用フック104に係合し、予備苗載台90を折りたたみ状態で固定できるようになっている。
枠型フレーム98は、その下部で予備苗載部93の配列方向に向く下部フレーム105に固着され支持されている。下部フレーム105と上部フレーム100との間には、複数(3個)の予備苗載部93のうちの中央1個の予備苗載部93と対向する位置に各予備苗載部93あたり2本の棒状の苗トレイストッパ106が設けられている。該苗トレイストッパ106は、中央の予備苗載部93の回動軸91側に配置され、予備苗載台90の上側となる上部で傾斜する予備苗載台90の載置面に対して垂直に近くなる側に傾斜した構成となっている。この苗トレイストッパ106は、中央の予備苗載部93に直接苗トレイCを載置したとき、苗トレイCが予備苗載台90から脱落しないようにするストッパとなる。
下部フレーム105の中央下側に上下方向の回動軸91が設けられ、予備苗載装置支持フレーム92に対して該上下方向の回動軸91回りに下部フレーム105ひいては予備苗載台90を回動させることができる。下部フレーム105の両端にはそれぞれ基部プレート107が固着され、該基部プレート107を繋ぐように平面視コの字型の回動位置固定ハンドル108が基部プレート107に設けた支点軸108a回りに上下動可能に設けられている。この回動位置固定ハンドル108は平面視で回動軸91と対称な位置に一対設けられ、互いの長孔108bに挿入された連結ピン109により一対の回動位置固定ハンドル108が連動して上下動する構成となっている。一対の回動位置固定ハンドル108のうちの一方には下部フレーム105と同じ方向に延びる支軸108cが固着され、該支軸108cの下側に位置固定プレート108dが固着されている。一方、予備苗載装置支持フレーム92側には回動軸91周りに平面視で真円型の位置固定円環110が設けられ、該位置固定円環110には回動軸91回りの30度おきの角度位置に位置固定用溝110aが設けられている。従って、作業者が回動位置固定ハンドル108を上動させて位置固定プレート108dの位置固定用溝110aとの係合を解除し、回動位置固定ハンドル108により予備苗載台90を回動軸91回りに回動させて回動位置固定ハンドル108を下動させることにより、所望の回動位置で位置固定プレート108dを位置固定用溝110aへ係合させて回動位置を固定するようになっている。尚、枠型フレーム98に設けたクリップ111により回動位置固定ハンドル108を上動させた状態で固定できるようになっており、予備苗載台90の折りたたみに併せて回動位置固定ハンドル108の所要スペースを小さくし、予備苗載装置16のスペースを小さくすることができる。
ところで、図11に示すように、苗トレイ保持枠15は、樹脂で成形され、上下に適当間隔を開けて苗トレイCを収容することのできる収容棚部55が複数段(3段)形成されており、その収容棚部55に苗トレイCを載置して収容するようになっている。従って、前記苗トレイ保持枠15に最多で3枚の苗トレイCを収容する構成となっている。苗トレイ保持枠15の側端部には前記収容棚部55に対応して3つの開口56aを設け、この3つの開口56aにより収容棚部55に対して苗トレイCを出し入れできる開口部56を構成している。そして、収容棚部55に苗トレイCを収容したとき、苗トレイCの長手方向の一方の端部が各開口56aから前記収容棚部55の端部よりも外側に突出した状態となる。また、苗トレイ保持枠15の開口部56の反対側の端面部は、各段の該収容棚部55から苗トレイCが抜け出ないようにプレート57で構成されている。一方、収容した苗ト
レイCの短手方向の両端部となる前記開口部56とプレート57との間の苗トレイ保持枠15の両側面部58は、収容棚部55の苗トレイCが抜け出ない程度に孔58aを構成している。尚、前記両側面部58の上下略中央位置には、苗トレイ保持枠15を運搬しやすくするための把手部58bを設けている。
苗トレイ保持枠15の上面部の開口部56寄りの位置には、上部係合体となる溝59を開口部56の開口面に沿って設けている。一方、苗トレイ保持枠15の下面部の開口部56寄りの位置には、下部係合体となる突条60を開口部56の開口面に沿って設けている。尚、前記溝59と突条60とは、開口部56の開口面寄りで該開口面から等距離の位置に設けられ、両者が嵌合して合致する寸法及び形状に構成されている。従って、苗トレイ保持枠15を上下に積み重ねるとき、上側の苗トレイ保持枠15の突条60が下側の苗トレイ保持枠15の溝59に嵌まり込んで係合する。また、苗トレイ保持枠15の上面部と下面部との両端には、開口部56の開口面に略垂直な方向(長手方向)の案内凹部61及び案内凸部62を形成している。この案内凹部61及び案内凸部62により、苗トレイ保持枠15を上下に積み重ねたとき、上側の苗トレイ保持枠15を下側の苗トレイ保持枠15に接触させた状態で前記長手方向への移動を案内することができる。
そして、使用にあたっては、育苗ハウス等で苗が成育された苗トレイCを前記苗トレイ保持枠15へ収容し、該苗トレイ保持枠15ごと軽四輪トラック等の運搬車に搭載して移植圃場へ運搬し、圃場の畦から圃場内の苗移植機1の予備苗載台90へ前記苗トレイ保持枠15ごと苗トレイCを供給するようになっている。従って、前記苗トレイ保持枠15を使用することにより、苗移植機1への苗トレイCの供給を複数枚(3枚)毎に行えるので、苗移植機1への苗供給作業を容易に行える。
従って、育苗した苗トレイCを収容した苗トレイ保持枠15を圃場の畦等から予備苗載装置16に装填するに際しては、苗トレイ保持枠15を載置プレート94に案内させながら外側から押し込んで載置し、該苗トレイ保持枠15の突条60を保持溝96に係合させる。また、必要に応じて、複数の苗トレイ保持枠15を予備苗載部93上で上下に積み重ねて予備苗載装置16に装填する。そして、植付作業に伴って苗植付部4の苗が減少すると、作業者が適宜予備苗載装置16にある苗トレイCを該苗トレイCごと苗植付部4の苗トレイ供給部50へ供給していく。苗トレイCの苗植付部4への供給に伴って生じる空の苗トレイ保持枠15は、そのまま予備苗載部93へ載置しておき、次回の予備苗載装置16への苗供給時に機外へ回収する。また、植付作業に伴って苗植付部4の空トレイ回収枠38に空の苗トレイCが溜まると、作業者が適宜空の苗トレイCを空トレイ回収枠38から取り出して予備苗載台90の中央の予備苗載部93へ該苗トレイCごと載置していく。このとき、複数の空の苗トレイCを互いに重ね合わせた状態で苗トレイCが予備苗載部93から個々に脱落しないように載置すると共に、上下方向の苗トレイストッパ106により空の苗トレイCが予備苗載台90の傾斜下手側に脱落しないようにする。この空の苗トレイCは、空の苗トレイ保持枠15と同様に、次回の予備苗載装置16への苗供給時に機外へ回収する。尚、空の苗トレイCを空の苗トレイ保持枠15へ収容して空の苗トレイ保持枠15ごと機外へ回収してもよい。
以上により、苗トレイ保持枠15は、苗トレイCを収容する収容棚部55を上下に複数設け、該複数の収容棚部55の一側に収容棚部55に対して苗を出し入れできる開口部56を形成し、互いに係合する構造の上部の溝59と下部の突条60とを設けている。
従って、開口部56から上下に複数設けた各収容棚部55へ苗トレイCを挿入して収容でき、多量の苗を収容できる。また、各収容棚部55から開口部56を介して苗トレイCを取り出すことができる。そして、この苗トレイ保持枠15を上下に積み重ねるとき、下側の苗トレイ保持枠15の溝59と上側の苗トレイ保持枠15の突条60とを係合させることにより、上下の苗トレイ保持枠15が苗移植機1の振動等の外力により位置ずれして移動しにくくなる。
よって、苗トレイ保持枠15を上下に積み重ねるとき、上下の苗トレイ保持枠15が振動等の外力により位置ずれして移動しにくくなるので、収容棚部55に載せた苗トレイCが脱落するのを防止できる。また、傾斜した予備苗載台90に苗トレイ保持枠15を載せ
るため、開口部56が斜め上方を向く状態になり、収容棚部55に載せた苗トレイCが開口部56から抜け出て脱落するのを防止できるばかりでなく、苗トレイ保持枠15へ空の苗トレイCを供給したりあるいは苗トレイ保持枠15から苗トレイCを取り出したりする作業が行いやすく、苗トレイ保持枠15に対する苗トレイCの取り扱いが容易になる。
また、苗トレイ保持枠15の係合体となる溝59と突条60とが開口部56の開口面寄りの位置に設けられているので、積み重ねた上側の苗トレイ保持枠15を回収するとき、図12に示すように、把手部58bを把持して開口部56側を少し持ち上げた状態で、案内凹部61及び案内凸部62により側方(長手方向)にずらせながら該苗トレイ保持枠15を回収することができる。また、苗トレイ保持枠15を積み重ねるときも、把手部58bを把持して開口部56側を少し持ち上げた状態で、案内凹部61及び案内凸部62により側方(長手方向)にずらせて係合体の位置を合わせることができる。よって、苗トレイ保持枠15の取り扱いが容易になる。
尚、図13に示すように、苗トレイ保持枠15の係合体となる溝59及び突条60を複数(2個)に分割して構成してもよい。すなわち、苗トレイ保持枠15の上部係合体と下部係合体とは、積み重ねた苗トレイ保持枠15が移動しない程度に互いに係合させるものであればよい。
図14に示すものは、他の構成は前述の苗トレイ保持枠15と同様であるが、苗トレイ保持枠15の上部係合体となる溝59を下部係合体となる突条60より開口部56側に位置させて設けている。これにより、図16に示すように、上下に積み重ねた苗トレイ保持枠15の開口部56を収容棚部55の載置面方向において互いにずらせることができる。よって、傾斜した予備苗載台90に苗トレイ保持枠15を載せるため、開口部56が斜め上方を向く状態になると共に、積み重ねられた各苗トレイ保持枠15の位置を機体平面視で略同じ位置に配置して、機体平面視で積み重ねられた苗トレイ保持枠15がスペースをとらないように配置でき、苗移植機1全体をコンパクトにできる。尚、運搬車の荷台に苗トレイ保持枠15を積み込む場合は、限られた荷台でできるだけ多数の苗トレイ保持枠15を積み込むことができる。また、苗トレイ保持枠15を上下逆さまにして突条60が上部係合体となり溝59が下部係合体となるようにして、地面等の略水平面上で苗トレイ保持枠15を積み重ねれば、下部係合体となる溝59を上部係合体となる突条60より開口部56側に位置させているため、苗トレイ保持枠15へ苗トレイCを供給したりあるいは苗トレイ保持枠15から苗トレイCを取り出したりするとき、その上側の苗トレイ保持枠15が邪魔にならないよう上側の苗トレイ保持枠15の開口部56が下側の苗トレイ保持枠15の開口部56より該開口部56側から見て奥手に位置するように積み重ねられた苗トレイ保持枠15を配置することができ、積み重ねられた苗トレイ保持枠15に対する苗トレイCの取り扱いが容易になる。
尚、この発明の実施の形態は、苗トレイCを収容する苗保持枠について詳述したが、本発明はこれに限定されるものではなく、マット状の苗を収容するのに使用してもよい。尚、この発明の実施の形態は水稲苗について記述したが、本発明は水稲苗のものに限定されるものではない。例えば、図17及び図18に示すような、マット状のいぐさ苗を移植するマット苗移植機206の予備苗載台90に載置してもよい。
前記苗移植機206は、走行車体221と6条植えの苗植付部222とから構成される。走行車体221は、前輪223及び後輪224の駆動により走行し、操縦席225の前側のステアリングハンドル226により前輪223を操向させて機体を進行方向を変えることもできる。この走行車体221の後部の昇降リンク機構227を介して前記苗植付部222を装着し、該苗植付部222は油圧昇降シリンダ228の伸縮により所望の対地高さとなるように上下に昇降し、所望の苗の植付深さに維持する。尚、走行車体221側からの動力が苗植付部222に伝動される構成となっている。苗植付部222は、苗載置台207と植付伝動部229及び各条毎の苗植付装置230とを備えて構成され、下部のフロ−ト231が圃場面を滑走する構成である。苗植付装置230は、左右方向に21cmの等間隔ピッチで6個配列され、それに併せて、苗載置台207は、各条苗載置部207aを左右に6個並べた構成となっている。従って、この苗移植機206により、圃場へ条間21cmで6条同時に苗移植する。作業者は、育苗したマット苗を苗載置台207の各条苗載置部207aへ供給し、機体を走行させながら苗植付部222による苗の移植を行わせる。
苗植付部222は、植付伝動部229からの動力により、苗載置台207を左右移動させると共に苗植付装置230を作動する。苗載置台207の下端には左右移動しない左右移動ガイド板232をを設け、このガイド板232に各条毎の苗掻き取り口232aを設けている。従って、苗載置台207を左右移動により、マット状のいぐさ苗を左右移動させて前記苗掻き取り口232aに一株分づつ供給し、該苗掻き取り口232a上の一株分の苗を苗植付装置230によりマット苗から分離して掻き取って圃場へ植え付ける構成となっている。尚、苗植付装置230による一株分の苗移植周期に合わせて、苗載置台207がマット苗の横方向の挿苗ピッチ間隔(14乃至18mm)と同量左右移動するようになっている。また、苗載置台207は、その左右移動終端においてマット苗を各条の苗送りベルト233により苗植付装置230側に順次移送する。該苗送りベルト233の移送量は、移植苗一株当たりの苗本数を変更できるように増減調節できる。
苗植付装置230は、回転ケ−ス234に装着した一対の苗植付具235を備えている。該苗植付具235はマット苗を一株分掻き取って保持する植付爪236と該植付爪236で分離して保持した苗を圃場面へ向けて押し出す苗押出フォ−ク237とを備えて構成される。そして、回転ケ−ス234の回動により、苗植付具235が上下に長いル−プ状軌跡Tに沿って作動して植付爪236で苗掻き取り口232a上の苗を掻き取り、その作動軌跡Tの下死点付近で苗押出フォ−ク237で苗を土中に押し込んで植え付けていく。
次に、マット状のいぐさ苗の育苗について説明する。
図19は、マット状の育苗材201と上方を開放した箱型の苗トレイ202とを示すものである。この苗トレイ202に前記育苗材201を装填していぐさ苗を育苗するようになっている。
前記育苗材201は、フェノール樹脂、発泡ウレタン、尿素樹脂及びロックウールのうち少なくとも何れかの素材で成形され、縦60cm、横20乃至21cm、厚さ2乃至3cmで板状に構成され、上面に深さ5乃至15mmの穴203を縦横に14乃至18mmの等間隔のピッチで無数に設けている。苗トレイ202は、水稲の稚苗用の育苗箱を兼用しており、内部がマット状の育苗材201の外形と略同形であり、底面に無数の通水孔204を設けており、該苗トレイ202の内外へ通水することができる構成となっている。尚、前記通水孔204による苗トレイ202底面の開孔率は、1乃至3パーセント程度で非常に小さい。
そして、苗トレイ202に育苗材201を合致させて装填し、該苗トレイ202を育苗材201ごと水又は養液が貯留された育苗プ−ル内に供給し、育苗プ−ル内の水又は養液を苗トレイ202の通水孔204から育苗材201へ吸収させ、育苗材201を湿らせて軟かくする。この育苗材201が軟かい状態で、育苗材201の上面の穴203に一株分づついぐさ苗を挿し込んで挿苗する。従って、育苗材201が軟かい状態で挿苗するので、挿苗抵抗が小さくなると共にこの挿苗時に育苗材201が崩れにくく、挿苗された苗の姿勢が保持されやすくなる。このとき、苗株の下端を穴203の底面より下側となる育苗材201の底面近くまで挿入し、いぐさ苗の姿勢を固定する。そして、前記育苗材201の上面に粒状の培土205を覆土し、育苗プ−ル内で苗トレイ202に底面灌水させながら30日程度育苗し、いぐさのマット苗が得られる。
よって、育苗材201を湿らせて挿苗した後、乾燥した粒状の培土205を覆土するので、覆土となる粒状の培土205は挿苗時に苗が押し除けて苗トレイ202の外に出るようなことがなく、きれいに育苗作業が行える。また、前記覆土により、苗の株元が安定し直立苗ができやすい。従来は、苗箱の育苗ポットに培土を供給して底面灌水により湿らせた後に挿苗していたので、挿苗時に苗が押し除けることにより育苗ポットから湿った泥状の培土が洩れ出ることがあり、苗箱が汚れ、以後の苗箱の取扱いが行いにくくなる虞がある。
尚、育苗材201の穴203を該育苗材201の底面まで貫通させた構成としてもよい。
これにより、挿苗抵抗が極めて小さくなり挿苗作業の容易化が図れると共に、底面灌水による底面側からの育苗材201の吸水が促進される。
また、前記穴203を育苗材201の長手方向に長い形状(例えば楕円形や長方形)にすると、穴203の長手方向に挿苗されやすくなるので、いぐさ苗が穴203の長手方向に沿って分けつしやすくなり、苗が列状に育苗され、苗床で根が絡みやすくなる。これにより、育苗床の長手方向の強度が向上し、苗トレイ202から苗床を崩さずにマット苗を取り出して苗移植機206の苗載置台207へ供給しやすく、また苗移植機206の苗植付装置230で一株分づつ分離して移植できる程度の苗床の強度にできる。また、挿苗のために苗を株分けするとき、円形に株分けすることは難しく、長方形のように一方に長くなりがちであるため、上述のように育苗材201の穴203を一方に長い形状にしておくと、株分けした苗が前記穴203とぴったり合いやすくなり、挿苗した苗が倒れたりせずに挿苗姿勢を良好に維持することができる。尚、前記穴203を下位へいくにつれて幅狭となるように断面が三角形状にしてもよい。尚、前記穴203の長手方向を、育苗材201の横方向(短手方向)に向けることもできる。
また、図20に示すように、挿苗してからの育苗日数に応じて、覆土量を変えて育苗するようにするとよい。すなわち、育苗日数が例えば30日程度で該育苗日数が長い場合には覆土量を多くし、逆に育苗日数が例えば7乃至10日程度で該育苗日数が短い場合には覆土量を少なくする。これにより、育苗日数が長い場合は、苗床の上部に伸長するうわ根のある程度の伸長が期待できるため、該うわ根で覆土を抱えこんで保持することにより覆土量を多くしても該覆土が崩れにくく、覆土と育苗材201とによる苗床の強度向上が図れる。逆に、育苗日数が短い場合は、うわ根の伸長があまり期待できないため、覆土量を少なくして覆土が崩れる危惧を抑え、主として育苗材201により苗床の強度の維持を図る。従って、育苗日数が相違しても、苗床の強度を適正にでき、圃場への苗の移植を適正に行える。
一般に、挿苗作業は手間がかかり、例えば、2ヘクタ−ルの本田に移植するいぐさ苗を育苗するのに相当する挿苗作業工数は、人手で行う場合には10人で挿苗作業をしても20日程度であり、挿苗作業行程に長い時間を要する。一方、2ヘクタ−ルの本田にいぐさ苗を移植する作業は移植機により行うためにあまり時間を要さず、例えば2ヘクタ−ルの本田にいぐさ苗を移植するとしても1乃至2日で行える。従って、挿苗行程に長い時間を要するので、挿苗行程初期に挿苗した苗と挿苗行程終期に挿苗した苗とでは、本田への苗移植時までの育苗日数が大きく異なり、例えば苗によって育苗日数が7日から30日までの間でばらつく。そのため、同じ環境及び同じ苗床で育苗日数を異ならせて苗を育苗すると、苗床の強度が異なり、苗床が弱いと圃場への移植作業で苗床が崩れやすく苗の移植姿勢が不安定になり、苗床が強すぎると圃場への移植作業でこの育苗されたマット苗から一株分の苗を適正に掻き取ることができずに移植苗の一株当たりの苗本数がばらついたり移植欠株を生じたりした、適正に移植作業が行えない虞がある。従って、挿苗行程初期の苗には覆土量を多くし、挿苗行程終期の苗には覆土量を少なくするとよい。
尚、育苗日数に応じて、覆土量を変更するだけでなく育苗材201の厚さを変更するようにしてもよい。このときは、厚さの異なる育苗材を複数種用意しておき、育苗日数が長い場合には厚さが薄い育苗材を使用し、逆に育苗日数が短い場合には厚みのある育苗材を使用する。これにより、育苗日数が長い場合は、伸長する根で粒状培土205を十分に保持することにより、育苗材201が薄くても苗床の強度を期待でき、育苗材201の使用を少なくして資材のコストダウンが図れる。逆に、育苗日数が短い場合は、根の伸長があまり期待できないため、育苗材201を厚くして該育苗材201自体の強度で苗床の強度向上が図れる。また、育苗日数が長い場合は苗株の苗本数を少なくして小さい苗株を挿苗し、逆に育苗日数が短い場合は苗株の苗本数を多くして大きい苗株を挿苗すると、上記と同様の作用効果が得られる。
また、苗トレイ202底面の開孔率が小さいので、根が下方に真直に延びる性質の強いいぐさ苗の根が通水孔204を介して苗トレイ202の外に出るようなことを抑え、根を苗トレイ202の内部で伸長させて苗床の強度向上が図れると共に、根が苗トレイ202
の通水孔204に絡んだり苗トレイ202を載置する置床に根が伸長して絡んだりするのを抑制でき、移植作業時等に苗トレイ202からのマット苗の取り出しを容易に行える。また、水稲の中苗用の育苗箱等、底面の開孔率が15乃至20パ−セントの大きい苗トレイを使用するときには、苗トレイの底板上面と育苗材201との間に通水性はあるが根の通過を防止する防根シ−トを敷いて、苗の根が苗トレイ202の外に出るようなことを抑えてもよい。尚、この防根シ−トは、苗トレイと同様に複数回使用可能なものである。また、図20に示すように、苗トレイ202に育苗材201を装填したとき、育苗材201の穴203の位置と苗トレイ202の通水孔204の位置とが横にずれるようにして位置を異ならせるとよい。これにより、いぐさ苗の根が下方へ伸長して前記通水孔204を介して苗トレイ202の外に出るようなことを抑え、根を苗トレイ202の内部で伸長させて苗床の強度向上が図れると共に、根が苗トレイ202の通水孔204に絡んだり苗トレイ202を載置する置床に根が伸長して絡んだりするのを抑制でき、移植作業時等に苗トレイ202からのマット苗の取り出しを容易に行える。
いぐさ苗の栽培の流れについて説明すると、先ず上述のように、苗株を株分けして苗トレイ202内に挿苗し、育苗プ−ル内で苗トレイ202により育苗する。苗トレイ202により育苗された苗は、3月乃至5月頃苗圃場に移植され、苗圃場で育苗される。そして、苗圃場で育苗された苗を再度株分けして苗トレイ202内に挿苗し、該苗トレイ202で育苗する。この育苗行程で、元の親株に対し約20倍程度に分けつさせていぐさ苗の増株を図り、その苗を苗移植機206により9月乃至11月頃に本田に移植して栽培し、いぐさを得る。
以上説明したように、この育苗方法は、マット状の育苗材201に苗を挿苗して育苗する育苗方法である。
従って、マット状の育苗材201に苗を挿苗して育苗するため、従来の育苗ポットを備える苗箱に挿苗する場合と比較して、苗の挿苗位置が制限されず育苗材のどの位置でも挿苗することができ、人手で挿苗する場合には余分な神経を使わずに行え、挿苗機で挿苗する場合でも該挿苗機の挿苗位置精度をあまり向上させる必要もなくあるいは適正な位置に挿苗されなかったときの挿苗機のトラブルの発生を抑えることができ、挿苗の容易化が図れる。よって、挿苗の容易化が図れるので、能率良く且つ適正に挿苗を行え、ひいては育苗作業能率の向上及び育苗作業の適正化が図れる。
しかも、マット状に苗を形成するので、根が絡みやすく、いぐさ苗を30日程度の短い育苗日数で水稲のマット苗の稚苗並に成育すれば十分な苗床の強度を得ることができ、苗トレイ202から苗床を崩さずにマット苗を取り出して苗移植機206の苗載置台207へ供給しやすく、また苗移植機206の苗植付装置230で一株分づつ分離して移植できる程度の苗床の強度にできる。また、苗移植機206が一般に普及しているマット苗の田植機と略同様の構成であるため、マット苗の田植機をいぐさ苗の苗移植機206と兼用することができ、いぐさ苗専用の移植機を準備する必要がなく、苗移植機206の汎用性が向上する。尚、いぐさ苗を移植するにあたり、苗植付具235の植付爪236をいぐさ苗専用のものに交換するだけで、マット苗の田植機をいぐさ苗移植機として使用することができる。よって、苗移植機206での移植作業も含めたいぐさの栽培において、コストダウン、作業能率及び作業効率の向上が図れる。
従来の育苗ポットを備える苗箱でいぐさ苗を育苗する場合、苗が育苗ポットで一株ごとに分離されているので、根を十分に伸長させて育苗ポット内で根巻きさせ各育苗ポットの苗床の強度を得るべく育苗日数が60日程度要し、育苗日数が長かった。また、苗箱の育苗ポットから苗を取り出して移植する複雑な構造である専用の移植機を使用する必要があり、いぐさの栽培においてコストアップを招いていた。更に、育苗日数が長いために根が長く伸長して苗箱に絡んだり苗箱を載置する置床(代掻後の圃場)に絡んだりするおそれがあり、これを抑制して育苗ポットからの苗の取出を容易に行えるように、例えば銅化合物からなり根の伸長を抑制する根域制限シートを苗箱の下に敷設して育苗ポットの底から外方へ根が伸長しないようにする必要があり、手間がかかりコストアップを招いていた。
また、いぐさ苗の移植にあたり、特開平5−227813号に示されるように、株分け
した成苗のいぐさ苗を苗載置台に供給して移植する苗移植機を使用する方法があるが、株分けした状態のいぐさ苗を苗載置台に供給しなければならないので、この苗供給に手間がかかったり多数の株の苗供給を一度に行えるような苗供給カセット等の特別な苗供給装置を使用したりするため、苗供給が困難であり、作業能率及び作業効率が悪い。更に、この苗移植機では、根が絡みやすい成苗のいぐさ苗を苗植付装置により確実に一株分づつ掻き取って移植できるように、苗植付装置の直前の苗載置台部分に絡み合ういぐさ苗の互いの苗株を分離しながら苗掻き取り口上へ供給する掻寄具を設ける必要があり、この掻寄具が苗株を損傷させたりするおそれもあって、適正に苗の移植することが困難であった。
また、前記マット状の育苗材201は、発泡材からなり、その上面に挿苗の目印となる穴203すなわちマークを有している。また、そのマークは、上面に設けた凹部により構成されている。
従って、マークの位置を基準として育苗材201の適正な位置へ挿苗することができ、苗株を所望の適正な間隔で容易に挿苗することができる。また、上面の前記凹部に苗株の下端を挿入してそのまま苗を挿苗することができ、挿苗時に前記凹部に苗株の下端が案内され、育苗材201の所望の位置に容易に挿苗することができる。また、この挿苗時に、挿苗抵抗が更に小さくなると共に育苗材201が更に崩れにくくなり、挿苗された苗が倒れにくく苗の姿勢をより保持しやすい。よって、能率良く且つ適正に挿苗を行え、ひいては育苗作業能率の向上及び育苗作業の適正化が図れる。尚、育苗材201における挿苗の目印を、穴203に代えて条溝としてもよい。
また、育苗材201としてフェノール樹脂、発泡ウレタン、尿素樹脂及びロックウールのうち少なくとも何れかの素材を用いることにより、穴203又は条溝の加工がしやすく、育苗材201が適度な硬さであるため挿苗もしやすく、苗移植機206の苗植付装置230で一株分づつ分離して移植できる程度の苗床の強度にでき、圃場へ移植しても有害とならない。
尚、育苗床材201の穴203又は条溝より挿苗する苗株が大きい状態で挿苗すれば、育苗床材201の復元力により、苗株を安定した直立姿勢で挿苗することができ、茎が側方へ向いて開張した状態の苗でも茎を直立状態に矯正することができる。
尚、育苗材1を成型するにあたり、穴203又は条溝を形成する部分を備える型に発泡素材を流し込み、固化して成型するようにすれば、育苗材201全体にわたって均一な発泡状態が得られ、穴203又は条溝付近の復元力が安定する。仮に、型により成型した板状の発泡材に機械加工して穴203又は条溝を形成して育苗材201を製造すると、機械加工した後に自ずと育苗材201の復元力で穴203又は条溝の直径又は幅が小さい状態に戻り、穴203又は条溝付近の復元力が低下するおそれがある。
育苗材201として発泡ウレタンの素材を用いた場合、発泡度が20倍以下の低発泡で成型することが好ましい。これにより、軽い力で挿苗できると共に、挿苗時の育苗材201の復元力を所望に維持でき、苗の挿苗姿勢を適正に安定させることができる。育苗材を発泡度が高く高発泡で成型すると、育苗材が硬くなり過ぎて、挿苗が困難になると共に、挿苗で塑性変形しやすくて復元力が不足し、苗の挿苗姿勢が不安定になるおそれがある。
苗移植機の側面図 苗移植機の平面図 植付ユニットの一部を示す側面図 植付ユニットの要部を示す側面図 押出ピンを示す断面図 苗トレイを示す平面図 苗トレイを示す側面図 苗トレイを示す正面図 予備苗載装置を示す平面図 予備苗載装置を示す側面図 苗トレイ保持枠を示す斜視図 苗トレイ保持枠の積み重ね状態を判りやすく示す側面断面図 異なる苗トレイ保持枠の一部を示す斜視図(a:上部、b:下部) 異なる苗トレイ保持枠を示す斜視図 異なる苗トレイ保持枠を判りやすく示す側面断面図 異なる苗トレイ保持枠の積み重ね状態を判りやすく示す側面断面図 マット苗移植機を示す側面図 マット苗移植機を示す平面図 育苗材及び苗トレイを示す斜視図 育苗材に覆土した状態を示す断面図(a:覆土量が多いとき、b:覆土量が少ないとき)
符号の説明
15…苗トレイ保持枠、55…収容棚部、56…開口部、59…溝(上部係合部)、6
0…突条(下部係合部)

Claims (2)

  1. 苗を収容する収容棚部55を上下に複数設けた苗保持枠において、互いに係合する構造の上部係合部59と下部係合部60とを設けたことを特徴とする苗保持枠。
  2. 苗を収容する収容棚部55を上下に複数設け、該複数の収容棚部55の一側に収容棚部55に対して苗を出し入れできる開口部56を形成した苗保持枠において、互いに係合する構造の上部係合部59と下部係合部60とを設け、該上部係合部59と下部係合部60との開口部56からの距離を異ならせて構成したことを特徴とする苗保持枠。
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