JP2005041605A - 台車収納部 - Google Patents

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Abstract

【課題】台車のフリーキャスターの向きを簡単な機構によって反転せしめることができる台車の収納部を提供する。
【解決手段】反転機構60はロータリーアクチュエータ61の軸に円弧状アーム62の基端部を取付け、先端部にローラ63を取付けている。この反転機構は前記した昇降機構50によってフリーキャスター7が台車収納部1の上面から若干浮いた状態で、ロータリーアクチュエータ61を駆動してアーム62を回動せしめる。すると、アーム62の先端にはローラ63が取付けられているので、このローラ63がフリーキャスター7の側面に当接する。更にロータリーアクチュエータ61を駆動すると、フリーキャスター7は約180°反転せしめられる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、台車収納部のうち、特にフリーキャスターの反転機構を備えた収納部に関する。
【0002】
【従来の技術】
工場内での部品の搬送などに従来から図8に示すような台車が用いられている。台車には固定キャスターとフリーキャスターが取付けられ、フリーキャスターはブラケットを台車に垂直軸を中心として回転自在に取付け、このブラケットにローラを水平軸を中心として回転自在に取付けている。そして、ブラケットの回転中心とローラの回転中心とを結ぶ線が、図8(a)、(b)に示すように、台車の走行方向と反対側を向くようにすることで任意の方向に安定して走行できる構造となっている。
【0003】
ところで、上記の台車の使用態様として、台車を収納部に搬入して部品の受け渡しなどを行う際に、搬入方向と同じ方向に搬出する場合がある。この場合に、フリーキャスターの位置が回動の思案点と一致し、左右どちらにも回動しづらく振動などの何らかのきっかけを作業者が与えなければならないことがしばしば発生する。
【0004】
上述した不利を解消すべく、台車のフリーキャスターを整列板の上に乗り上げさせ、整列板を移動させることでこの移動方向と反対方向にフリーキャスターを旋回させる提案がなされている。(特許文献1)
【0005】
【特許文献1】
特許文献1:実開昭63−94006号公報 第7図
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示される手段では、装置自体が大掛かりになるだけでなく、台車を整列板上に乗り上げさせなければならない。このため台車が重たい場合には作業者に負担がかかり、また整列板に載せる際の衝撃で台車内に積み上げた部品が荷崩れを起こすおそれがある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、台車を搬入した方向に搬出する台車収納部に、台車の位置決めを行う位置決め機構と、位置決めされた台車の少なくともフリーキャスターが取付けられた側を持ち上げる昇降機構と、持ち上げられたフリーキャスターを約180°反転せしめる反転機構とを備えた構成とした。
【0008】
前記反転機構としては、例えば水平面内で揺動するアームと、このアームの先端に取付けられたローラとからなるものが考えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明にかかる収納部を適用した部品受渡し部の平面図、図2は同部品受渡し部の側面図、図3は台車が搬入した状態の収納部の平面図、図4は台車が搬入した状態の収納部の側面図、図5は図4のA方向矢視図、図6(a),(b)は抜出し防止機構を説明した図、図7(a),(b)は反転機構を説明した図である。
【0010】
部品受渡し部には台車収納部1…が左右に3つ対向して設けられ、左右の台車収納部1…の中間にロボット2が配置され、このロボット2によってローラコンベア3上を搬送されてきたワークWを台車収納部1に搬入された台車4内に受け渡したり、或いは台車4内のワークWをローラコンベア3上に載置する。
【0011】
台車4は底板5上に枠状フレーム6を設け、また底板5の下面で一側にはフリーキャスター7を一対設け、このフリーキャスター7と離れた奥側(図3,4において左側)に固定キャスター8を1対設けている。フリーキャスター7は底板5にブラケット9を垂直軸を中心として回転可能に取付け、このブラケット9の下端にローラ10を水平軸を中心として回転可能に取付けている。尚、ブラケット9の回転支持軸とローラ10の回転支持軸とを結ぶ線は垂直軸に対して傾斜している。
また、底板5の下面には位置決めピン11を前後に1対づつ、合計4個取付けている。
【0012】
一方、台車4が搬入される台車収納部1は床板20上に支柱21を立設し、この支柱21に台車4の搬入・搬出を案内するガイドプレート22を取付けている。ガイドプレート22は左右に設けられ、入口側部分22aは台車4の搬入が容易になるように外側に向かって拡開し、台車4は左右のガイドプレート22に沿って 収納部1に搬入・搬出される。
【0013】
台車収納部1の奥側部(図3,4において左側)には左右に支柱23,24を立設し、それぞれの支柱23,24に台車4の先端部が当接するストッパ25,26を設けている。
【0014】
一方の支柱23には台車4の進入検出機構30を設けている。この進入検出機構30は支柱23にスプリング31を介してレバー32が回動可能に支持され、このレバー32には遮蔽板33が取付けられている。而して、台車4が収納部1に進入し、台車4の先端部がレバー32のローラに当接し、レバー32をスプリング31に抗して図3において反時計方向に回動せしめる。すると遮蔽板33もレバー32とともに回動し、センサ(光センサ)34を覆うことで、台車4が収納部1内に進入したことを検出する。
【0015】
他方の支柱24には台車4の抜出し防止機構40を設けている。この抜出し防止機構40は図6に示すように、支柱24にスプリング41を介してレバー42が回動可能に支持され、このレバー42の先端部にフック43が形成されている。而して、台車4が収納部1に進入し、台車4の先端部がフック43に当接すると、図6(a)に示すように、フック43を外側に逃がすためにレバー42がスプリング41に抗して反時計方向に回動する。そして、フック43が台車4のフレーム5を乗り越えると、図6(b)に示すように、再びスプリングの引張力によってレバー42が時計方向に回動し、フック43が台車4のフレーム5に係合する。この係合によって収納部1に入った台車4が簡単に収納部から抜け出てしまうのを防止できる。尚、レバー42の揺動限はストッパ44によって規制される。
【0016】
また、台車4を収納部1から出すには、シリンダユニット45を駆動し、レバー42をスプリング41に抗して反時計方向に回動せしめ、フック43とフレーム5との係合状態を解除し、この状態で収納部1から引き出す。
【0017】
また、台車収納部1には台車4を持ち上げる昇降機構50が設けられている。この昇降機構50は上下方向の一対のガイドポスト51にプレート52を摺動自在に係合し、このプレート52の一側には前記した台車4に設けた位置決めピン11が嵌まり込む凹部53が形成され、プレート52の他側には位置決めピン11が当接する平坦状受け部54が形成されている。平坦状受け部54を凹部としなかったのは、両方とも凹部にすると、製作誤差等によって位置決めピン11の位置が若干ずれた台車を水平のまま上昇させることができなくなることによる。
【0018】
而して、シリンダユニット55を駆動して、プレート52を上昇させ、凹部53に位置決めピン11を係合させた状態で、台車4のフリーキャスター7を設けた側を持ち上げる。この場合、万一、凹部53に位置決めピン11が係合していないと、台車4が斜めに持ち上げられることになり台車4内の部品が荷崩れするおそれがある。
そこで、本実施例では支柱21にセンサ56,56を取付け、台車4の異常な上昇を検知するようにしている。
【0019】
更に、台車収納部1にはフリーキャスターを約180°反転せしめる反転機構60が設けられている。この反転機構60はロータリーアクチュエータ61の軸に円弧状アーム62の基端部を取付け、先端部にはローラ63を取付けている。
【0020】
この反転機構は前記した昇降機構50によってフリーキャスター7が台車収納部1の上面から若干浮いた状態で、ロータリーアクチュエータ61を駆動してアーム62を図7(a)の状態から約90°回動せしめる。すると、アーム62の先端にはローラ63が取付けられているので、このローラ63がフリーキャスター7の側面に当接する。この状態から更にロータリーアクチュエータ61を駆動すると、図7(b)に示すようにフリーキャスター7は約180°反転せしめられ、ストッパ64に当接する。
【0021】
この状態で、ロボット2によって台車4内にワークを搬入し、ワークを最上段まで積み上げたらロータリーアクチュエータ61を駆動し、アーム62を元の位置に戻し、フリーキャスター7を開放する。この後、昇降機構50を下降し台車4を下げ、フック43を外して台車4を収納部1から引き出す。
【0022】
尚、以上は実施の一例を示したものであり、昇降機構、反転機構などは上記の構成に限定されず、同一の作用効果を発揮するものであればよい。
【0023】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明に係る台車収納部によれば、台車のフリーキャスターの向きを簡単な機構によって反転せしめることができるので、台車を搬入した方向に搬出するにあたり、何ら抵抗なくスムーズに引き出すことができる。
またフリーキャスターを反転する際に台車に振動が加ったり台車が大きく傾くことがないので、荷崩れを起こすこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る収納部を適用した部品受渡し部の平面図
【図2】同部品受渡し部の側面図
【図3】台車が搬入した状態の収納部の平面図
【図4】台車が搬入した状態の収納部の側面図
【図5】図4のA方向矢視図
【図6】抜出し防止機構の作用を説明した図
【図7】反転機構の作用を説明した図
【図8】一般的な台車を説明した図
【符号の説明】
1…台車収納部、2…ロボット、3…ローラコンベア、4…台車、5…底板、6…枠状フレーム、7…フリーキャスター、8…固定キャスター、9…ブラケット、10…ローラ、11…ピン、20…床板、21…支柱、22…ガイドプレート、23、24…支柱、30…進入検出機構、31…スプリング、32…レバー、33…遮蔽板、センサ34、40…抜出し防止機構、41…スプリング、42…レバー、43…フック、44…ストッパ、45…シリンダユニット、50…昇降機構、51…ガイドポスト、52…プレート、53…凹部、54…平坦状受け部、55…シリンダユニット、56…センサ、60…反転機構、61…ロータリーアクチュエータ、62…円弧状アーム、63…ローラ、64…ストッパ、 W…ワーク。

Claims (2)

  1. 台車を搬入した方向に搬出する台車収納部において、この収納部には台車の位置決めを行う位置決め機構と、位置決めされた台車を持ち上げる昇降機構と、持ち上げられたフリーキャスターを約180°反転せしめる反転機構とを備えることを特徴とする台車収納部。
  2. 請求項1に記載の台車収納部において、前記反転機構は水平面内で揺動するアームと、このアームの先端に取付けられたローラとからなることを特徴とする台車収納部。
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