JP2005040724A - 水素貯蔵窒化物材料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安全に大量の水素を貯蔵することができる水素貯蔵窒化物材料、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 金属窒化物および非金属窒化物の一種以上を、水素雰囲気にて機械的粉砕処理し、N−H結合を生成させることにより水素貯蔵窒化物材料とする。本水素貯蔵窒化物材料は、N−H結合により、安全に大量の水素を貯蔵することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水素を貯蔵することのできる水素貯蔵窒化物材料、およびその製造方法に関する。
近年、二酸化炭素の排出による地球の温暖化等の環境問題や、石油資源の枯渇等のエネルギー問題から、クリーンな代替エネルギーとして水素エネルギーが注目されている。水素エネルギーの実用化にむけて、水素を安全に貯蔵・輸送する技術の開発が重要となる。水素を貯蔵できる水素貯蔵材料として、活性炭、フラーレン、カーボンナノチューブ等の炭素材料や、水素吸蔵合金等の開発が進められている。また、ナノ構造化した黒鉛や窒化ホウ素(BN)に、水素が吸蔵されるという事実が報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。
P.Wang、他4名、"Hydrogen in mechanically prepared nanostructured h-BN: a critical comparison with that in nanostructured graphite"、「APPLIED PHYSICS LETTERS」、 2002年1月14日、第80巻、第2号、p.318−320
上記非特許文献1では、黒鉛あるいは窒化ホウ素が層状構造を有することに着目し、それら各材料をナノ構造化することで、その層間に水素が吸着されることが示されている。つまり、上記非特許文献1では、水素貯蔵材料となる黒鉛あるいは窒化ホウ素は、層状構造を有し、かつナノ構造化されていることが必要とされる。
一方、本発明者は、新しい水素貯蔵材料の開発を進める中で、現在、半導体や磁性材料等に広く使用されている金属窒化物あるいは非金属窒化物を、水素貯蔵材料とすることができないかと考えた。そして、幾多もの実験を重ねた結果、金属等の窒化物に、水素を大量に貯蔵することができるという知見を得た。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、安全に大量の水素を貯蔵することができる水素貯蔵窒化物材料を提供することを課題とする。また、そのような水素貯蔵窒化物材料を、簡便に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明の水素貯蔵窒化物材料は、金属窒化物および非金属窒化物の一種以上を、水素雰囲気にて機械的粉砕処理することにより得られ、該機械的粉砕処理で生成されたN−H結合により水素を貯蔵することを特徴とする。
金属窒化物や非金属窒化物という汎用な材料を使用するため、本発明の水素貯蔵窒化物材料は、比較的安価であり、実用的である。金属窒化物および非金属窒化物の一種以上(以下、適宜「金属窒化物等」と称す。)が機械的粉砕処理されると、該金属窒化物等に機械的エネルギーが加わると共に、該金属窒化物等の表面が局所的に高温・高圧状態になる。そのため、水素雰囲気で同処理を行うことにより、該金属窒化物等の表面は局所的に高水素圧・高温状態となり、窒素と水素との結合(N−H結合)が生成される。また、本発明の水素貯蔵窒化物材料では、機械的粉砕処理の条件等を調整することにより、水素貯蔵量を調整することができる。
本発明の水素貯蔵窒化物材料の製造方法は、金属窒化物および非金属窒化物の一種以上を、水素雰囲気にて機械的粉砕処理し、N−H結合を生成させることにより水素貯蔵窒化物材料とすることを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、金属窒化物や非金属窒化物といった種々の汎用窒化物を、容易に水素貯蔵窒化物材料とすることができる。すなわち、金属窒化物等を、水素雰囲気にて機械的粉砕処理することで、該金属窒化物等の表面は局所的に高水素圧・高温状態となる。したがって、該金属窒化物等にN−H結合を容易に生成させることができる。また、機械的粉砕処理の条件、処理雰囲気等を最適化することで、水素貯蔵量の大きな水素貯蔵窒化物材料を製造することができる。
本発明の水素貯蔵窒化物材料は、汎用な窒化物を用いるため、比較的安価であり、安全に大量の水素を貯蔵することができる。また、本発明の製造方法によれば、種々の汎用窒化物から、水素貯蔵窒化物材料を簡便に製造することができる。
以下、本発明の水素貯蔵窒化物材料、およびその製造方法について詳細に説明する。便宜上、最初に、本発明の水素貯蔵窒化物材料の製造方法について説明し、その後に、本発明の水素貯蔵窒化物材料について説明する。なお、本発明の水素貯蔵窒化物材料およびその製造方法は、下記の実施形態に限定されるものではない。本発明の水素貯蔵窒化物材料およびその製造方法は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
〈水素貯蔵窒化物材料の製造方法〉
本発明の水素貯蔵窒化物材料の製造方法では、金属窒化物および非金属窒化物の一種以上を、水素雰囲気にて機械的粉砕処理し、N−H結合を生成させることにより水素貯蔵窒化物材料とする。
金属窒化物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属等の窒化物を用いればよい。具体的には、Li3N、Ca32、Si34、AlN、ZrN、VN、TiN、CrN、Fe3N、Mg32等が挙げられる。また、二種以上の金属を含む複合金属窒化物を用いてもよい。例えば、LiMgN2、Li3AlN2、Li5TiN3、Li9CrN5、Li7VN等が挙げられる。さらに、LiNH2等のようなアミド化合物、Li2NH等のようなイミド化合物を用いてもよい。これら金属窒化物の一種を単独で用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。
非金属窒化物としては、例えば、窒化ホウ素(BN)、窒化炭素(CN)、窒化ケイ素(Si34)等を用いればよい。これら非金属窒化物の一種を単独で用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。また、金属窒化物と非金属窒化物とを混合して用いてもよい。
上記金属窒化物および非金属窒化物の一種以上を、機械的粉砕を行う処理装置に収容し、水素雰囲気にて処理する。水素雰囲気とは、N−H結合を生成させるのに充分な水素が存在する雰囲気であればよい。処理する金属窒化物等の種類にもよるが、例えば、1MPa以上の水素圧力下で機械的粉砕処理を行うことが望ましい。
また、上記水素雰囲気に、窒素およびアンモニアの少なくとも一方を加えてもよい。金属窒化物等が粉砕されると、内側の窒化されていない新生面が表出する。よって、窒素およびアンモニアの少なくとも一方を、水素と併用することで、新生面の窒化が促進され、水素との反応が活性化すると考えられる。その結果、N−H結合がより多く生成し、水素貯蔵量が増加すると考えられる。例えば、窒素ガスおよびアンモニアガスの少なくとも一方を加える場合、まず、処理容器内を窒素ガス等の雰囲気にしておき、そこへ水素ガスを所定の圧力となるよう導入すればよい。なお、窒素等と水素との混合ガスを用いてもよい。また、液体窒素および液体アンモニアの少なくとも一方を加える場合、予め、液体窒素等を金属窒化物等と共に処理容器内に入れておき、その後で水素ガスを所定の圧力となるよう導入すればよい。この場合、液体窒素等の使用量は、処理容器の容積の1/10程度とすれば充分である。
機械的粉砕処理は、特に限定されるものではなく、既に公知となっている噴射圧力や衝突力を利用した処理を用いればよい。例えば、メカノケミカル反応を伴うメカニカルグライディング処理、メカニカルミリング処理、メカニカルアロイング処理等が挙げられる。特に、メカニカルグライディング処理が好適である。なお、粉砕は、乾式および湿式のどちらで行っても構わない。具体的には、例えば、遊星ボールミル、振動ボールミル、ジェットミル、ハンマーミル等を使用して粉砕すればよい。粉砕する際の諸条件は、使用する装置に応じて、また、粉砕する金属窒化物等の量等を考慮して、適宜決定すればよい。粉砕エネルギーとしては、重力加速度の5倍(5G)以上が望ましい。
金属窒化物等を収容する容器や、粉砕用ボール等の材質は、特に限定されるものではない。例えば、クロム鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロムモリブデン鋼等の構造用合金鋼製の容器、粉砕用ボール等を使用すればよい。また、粉砕時における金属窒化物等の窒化を促進し、N−H結合をより多く生成させるという観点からは、窒化物製の容器、粉砕用ボール等を使用することが望ましい。予め、容器内面や粉砕用ボールの表面に、窒化処理を施しておくことも有効である。
機械的粉砕処理の時間は、特に限定されるものではない。処理時間を長くすると、水素貯蔵量は大きくなる。したがって、水素貯蔵量等を考慮して、適宜、処理時間を決定すればよい。
機械的粉砕処理の温度は、特に限定されるものではない。例えば、室温で処理すればよい。また、金属窒化物等の種類によっては、加熱しながら処理することが望ましい。この場合、例えば、処理装置を保温して処理すればよい。機械的粉砕を行うと、粉砕の際に発生する熱により容器内部の温度は上昇する。そのため、保温することにより、発生した熱を有効に利用することができる。具体的には、例えば、シリカやセラミックスファイバー製の断熱材を、容器の外側に巻き付ければよい。
〈水素貯蔵窒化物材料〉
本発明の水素貯蔵窒化物材料は、金属窒化物および非金属窒化物の一種以上を、水素雰囲気にて機械的粉砕処理することにより得られ、該機械的粉砕処理で生成されたN−H結合により水素を貯蔵する。本発明の水素貯蔵窒化物材料は、上記本発明の製造方法により製造される。よって、使用される金属窒化物等、機械的粉砕処理については、上記本発明の製造方法に従えばよく、ここでは、説明を省略する。
本発明の水素貯蔵窒化物材料は、粉末状で使用してもよく、また、粉末を所定の形状に成形して使用してもよい。ここで、粉末を構成する粒子の粒子径は、特に限定されるものではない。例えば、平均粒子径を2μm以上5μm以下とすることが望ましい。平均粒子径は、粉末の粒子径分布を測定することにより得られる。例えば、粉末の粒子径分布を、レーザー回折・散乱法により測定した場合には、累積分布曲線の50%累積値に相当する径(メジアン径)を平均粒子径とすればよい。
本発明の水素貯蔵窒化物材料は、N−H結合をもつ。例えば、本発明の水素貯蔵窒化物材料が白色系を呈する場合には、N−H結合の存在を、FT−IR(表面赤外分光法)により分子固有振動の光吸収スペクトルを測定することで確認することができる。測定された光吸収スペクトルにおいて、3200〜3500cm-1の範囲にピークが現れれば、その材料にはN−H結合が存在するといえる。また、本発明の水素貯蔵窒化物材料が黒色系を呈する場合等、光吸収スペクトルの測定が困難な場合には、水素分析装置(熱伝導度法)による水素貯蔵量の定量分析により、N−H結合の存在を確認することができる。
上記実施の形態に基づいて、本発明の水素貯蔵窒化物材料を種々製造した。そして、製造した各水素貯蔵窒化物材料のN−H結合の有無を確認し、水素貯蔵量を測定した。以下、順に説明する。
(1)非金属窒化物を用いた水素貯蔵窒化物材料
(a)水素貯蔵窒化物材料の製造
六方晶系の窒化ホウ素(以下「BN」と表す。)を用いて、水素貯蔵窒化物材料を製造した。BN粉末の4gを、40個のクロム鋼製のボール(外径9.5mm)と共にクロム鋼製の容器(容積300ml)に入れ、遊星ボールミルP−5(フリッチェ社製)により機械的粉砕処理した。機械的粉砕処理は、室温、1MPaの水素加圧下で行った。粉砕エネルギーは、5G(モーター回転速度1300rpm)とした。処理時間を変えて(3時間、20時間、101時間)、三種類の水素貯蔵窒化物材料を製造した。
また、機械的粉砕処理の際、容器内に約30mlの液体窒素を入れ、窒素を加えた水素雰囲気(水素圧力1MPa)にて機械的粉砕処理を行った以外は、上記同様にして水素貯蔵窒化物材料を製造した。この場合は、処理時間を3時間、20時間の二種類とし、二種類の水素貯蔵窒化物材料を製造した。
(b)水素貯蔵量等の測定
まず、製造した上記五種類の水素貯蔵窒化物材料について、FT−IRにより光吸収スペクトルを測定した。その結果、全ての水素貯蔵窒化物材料の吸収スペクトルにおいて、3200〜3500cm-1の範囲にピークが現れた。これより、上記五種類の水素貯蔵窒化物材料にはN−H結合が存在することが確認された。
次に、上記五種類の水素貯蔵窒化物材料の水素貯蔵量を測定した。各水素貯蔵窒化物材料を、黒鉛製のるつぼに入れ、ヘリウムガス中で約2000℃に加熱した。発生した水素量を、水素分析装置(株式会社堀場製作所製、型式EMGA−621)により測定し、水素貯蔵量とした。結果を表1に示す。なお、比較のため、表1には、機械的粉砕処理を行う前のBN(処理時間0時間)についての測定値も併せて示す。
Figure 2005040724
表1に示すように、いずれの水素貯蔵窒化物材料にも、水素が貯蔵されていた。また、処理時間が長くなるほど、水素貯蔵量は増加した。さらに、処理時間が同じ場合であっても、窒素を加えた水素雰囲気で機械的粉砕処理を行った場合には、水素貯蔵量はより大きくなった。
以上より、本発明の製造方法によれば、非金属窒化物を水素貯蔵窒化物材料とすることができることが確認された。また、製造された水素貯蔵窒化物材料は、N−H結合をもち、水素を貯蔵できることが確認された。さらに、水素貯蔵量を大きくするには、機械的粉砕処理の際、水素の他に窒素を用いることが有効であり、また、処理時間を長くすることが有効であることがわかった。
(2)金属窒化物を用いた水素貯蔵窒化物材料
(a)水素貯蔵窒化物材料の製造
Li3N、Ca32、Si34、AlN、ZrN、VN、TiN、CrN、Fe3N、Mg32の各金属窒化物を用いて、上記(1)(a)と同様の方法(液体窒素不使用)により、水素貯蔵窒化物材料を製造した。なお、処理時間はすべて20時間とした。また同様にして、Li3N粉末とCa32粉末との混合物、およびLi3N粉末とBN粉末との混合物を用いて、水素貯蔵窒化物材料を製造した。
(b)水素貯蔵量等の測定
まず、Li3N、Ca32、Si34、AlNから製造された各水素貯蔵窒化物材料について、FT−IRにより光吸収スペクトルを測定した。なお、上記以外の各水素貯蔵窒化物材料は、灰色〜黒色であったため、光吸収スペクトルの測定はできなかった。測定の結果、上記四種類の水素貯蔵窒化物材料の吸収スペクトルにおいて、3200〜3500cm-1の範囲にピークが現れた。これより、上記四種類の水素貯蔵窒化物材料には、N−H結合が存在することが確認された。
次に、製造した全ての水素貯蔵窒化物材料の水素貯蔵量を、上記(1)(b)と同様の方法により測定した。また、各水素貯蔵窒化物材料を加熱して、水素放出特性を調査した。結果を表2に示す。表2において、「水素最大放出温度」とは、各水素貯蔵窒化物材料を加熱した際、水素の放出量が最大になった温度を示す。「水素放出時間」とは、各水素貯蔵窒化物材料を水素最大放出温度に保持した時間を示す。「水素放出量」とは、各水素貯蔵窒化物材料を、各々の水素最大放出温度で水素放出時間保持した際に、各水素貯蔵窒化物材料から放出された水素量を示す。なお、水素放出時間が短いほど、水素放出速度が大きいことを示す。
Figure 2005040724
表2に示すように、すべての水素貯蔵窒化物材料に水素が貯蔵されていた。これより、光吸収スペクトルの測定ができなかった水素貯蔵窒化物材料にも、N−H結合が生成されたことが推測できる。また、二種の窒化物の混合物(Li3N/Ca32、Li3N/BN)から製造された水素貯蔵窒化物材料では、水素貯蔵量がより大きくなった。これは、機械的粉砕処理により、窒化物が複合化して、新たな複合窒化物が生成されたためと考えられる。一方、水素最大放出温度等の水素放出特性は、水素貯蔵窒化物材料ごとで異なった。水素最大放出温度は、Li3Nを除いてすべて500℃以上の高温となった。
以上より、本発明の製造方法によれば、金属窒化物を水素貯蔵窒化物材料とすることができることが確認された。また、製造された水素貯蔵窒化物材料は、水素を貯蔵できることが確認された。さらに、水素貯蔵量を大きくするには、金属窒化物および非金属窒化物の二種以上を混合した混合物を用いることが有効であることがわかった。なお、本実施例で示した種々の測定値は、限定された条件下での短時間の機械的粉砕処理により得られた結果にすぎない。したがって、機械的粉砕処理の処理時間をより長くし、処理条件を最適化することにより、より多くの水素を貯蔵させることが可能である。
本発明の水素貯蔵窒化物材料は、水素を安全な固体の形で大量に貯蔵でき、輸送も容易であるため、水素を長期間保存する水素貯蔵媒体として有用である。

Claims (6)

  1. 金属窒化物および非金属窒化物の一種以上を、水素雰囲気にて機械的粉砕処理することにより得られ、該機械的粉砕処理で生成されたN−H結合により水素を貯蔵する水素貯蔵窒化物材料。
  2. 粉末状をなし、該粉末を構成する粒子の平均粒子径は2μm以上5μm以下である請求項1に記載の水素貯蔵窒化物材料。
  3. 前記機械的粉砕処理は、メカニカルグライディング処理である請求項1に記載の水素貯蔵窒化物材料。
  4. 金属窒化物および非金属窒化物の一種以上を、水素雰囲気にて機械的粉砕処理し、N−H結合を生成させることにより水素貯蔵窒化物材料とする水素貯蔵窒化物材料の製造方法。
  5. 前記機械的粉砕処理を、窒素およびアンモニアの少なくとも一方を加えた水素雰囲気にて行う請求項4に記載の水素貯蔵窒化物材料の製造方法。
  6. 前記機械的粉砕処理は、メカニカルグライディング処理である請求項4に記載の水素貯蔵窒化物材料の製造方法。
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