JP7325979B2 - 窒化物の粉砕方法 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、粉砕時の酸素の混入が抑制された、窒化物の粉砕方法を提供することにある。
〔1〕 周期表第5族、第13族及び第14族から選ばれる1又は2以上の元素を有する窒化物を、還元ガスを含む雰囲気下にて粉砕する、窒化物の粉砕方法。
〔2〕 前記窒化物が、窒化タンタル、窒化アルミニウム、窒化インジウム、窒化ガリウム及び窒化ケイ素から選ばれるものである、前記〔1〕記載の窒化物の粉砕方法。
〔3〕 還元ガスが、水素、アンモニア及び一酸化炭素から選ばれる1種又は2種以上である、前記〔1〕又は〔2〕記載の窒化物の粉砕方法。
〔4〕 還元ガスを雰囲気中に0.3体積%以上含む、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の窒化物の粉砕方法。
〔5〕 ミルを用いて粉砕する、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一に記載の窒化物の粉砕方法。
〔6〕 粉砕後の窒化物の平均粒子径が30μm以下である、前記〔1〕~〔5〕のいずれか一に記載の窒化物の粉砕方法。
本発明の粉砕方法は、周期表第5族、第13族及び第14族から選ばれる1又は2以上の元素を有する窒化物を、還元ガスを含む雰囲気下にて粉砕するものである。
本発明で使用する窒化物は、周期表第5族、第13族及び第14族から選ばれる1又は2以上の元素を有する窒化物である。窒化物は、周期表第5族、第13族及び第14族の元素から合成したものでも、市販品でもよい。なお、窒化物の合成方法は、公知の方法を採用することができる。
周期表第13族の元素を有する窒化物としては、例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化タリウムを挙げることができる。
周期表第14族の元素を有する窒化物としては、例えば、窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム、窒化スズを挙げることができる。
周期表第5族、第13族及び第14族から選ばれる2以上の元素を有する窒化物としては、例えば、窒化インジウムガリウム、窒化インジウムアルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化アルミニウムガリウムインジウム、窒化インジウムアルミニウムガリウムを挙げることができる。
中でも、窒化物としては、本発明の効果を享受しやすい点で、窒化タンタル、窒化アルミニウム、窒化インジウム、窒化ガリウム、窒化ケイ素が好ましい。
還元ガスとしては、例えば、水素ガス、アンモニアガス及び一酸化炭素から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。また、還元ガスは、これらのうちの1種以上のガスを不活性ガスと混合した混合ガスとしてもよい。不活性ガスとしては、例えば、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガスを挙げることができる。
還元ガスの含有量は、雰囲気中に、0.3体積%以上が好ましく、0.5体積%以上がより好ましく、0.7体積%以上が更に好ましく、1体積%以上がより更に好ましい。なお、雰囲気中の還元ガスの含有量の上限は、100体積%であっても構わないが、還元ガスとして水素ガスを含む場合には、安全性の観点から、10体積%以下が好ましく、7体積%以下がより好ましく、5体積%以下が更に好ましい。
粉砕は、粉砕装置を使用することができる。粉砕装置としては、窒化物を粉砕可能であり、且つ密閉状態とすることができれば特に限定されないが、媒体粉砕装機を用いることができる。媒体粉砕機としては、例えば、ミルが挙げられ、具体的には、遊星ボールミル、ボールミル、ディスクミル等の容器駆動媒体ミルを挙げることができる。なお、粉砕媒体及び粉砕容器の材質としては、窒化物を粉砕可能であり、かつ不純物の混入を防止できれば特に限定されない。また、不純物の混入を高度に抑制する観点から、粉砕媒体の表面や粉砕容器内面をセラミックスで被覆してもよい。セラミックスとしては特に限定されないが、例えば、窒化ケイ素、アルミナ、ジルコニア等を挙げられ、粉砕装置や窒化物の種類により適宜選択することも可能である。
酸素濃度は、酸素窒素同時分析装置(TCH-600、LECO社製)を用いて測定した。
窒化ガリウムの粒度分布を、JIS R 1629「ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法」に準拠して体積基準で作成した。そして、積算分布曲線の50%に相当する粒子径(d50)を求めた。なお、レーザ回折・散乱法による粒子径分布測定装置として、マイクロトラックMT3300EX II(マイクロトラック・ベル社製)を使用した。
金属ガリウム10gを計量しアルミナボートに入れ、内径φ50mm、長さ600mmの炉心管にセットした。次いで、炉心管内を真空引きし窒素ガス置換し、ガスをアンモニアに切り替え0.5L/minにて15分間フローし、炉心管内をアンモニア雰囲気とした。次いで、昇温速度5℃/minにて1050℃まで昇温後、12時間保持し、窒化した。窒化後は、室温まで徐冷し、グローブボックス内で窒化ガリウムバルクを回収した。窒化ガリウムバルクは、酸素濃度が0.19%であった。
酸素非含有雰囲気のグローブボックス内にて、窒化ケイ素製遊星ボールミル容器(250cc)に窒化ケイ素ボール(φ10)200gと、製造例1で得られた窒化ガリウムバルク10gを入れ、密閉した。密閉後、グローブボックスより取り出し、真空引き後に窒素ガス99%、水素ガス1%となるよう調整した混合ガスを用いて置換し、粉砕容器内の雰囲気を調整した。その後、遊星ボールミルにて200rpm、3分間粉砕した。粉砕後、酸素非含有雰囲気のグローブボックス内にて粉砕窒化ガリウムを回収した。そして、粉砕窒化ガリウム中の酸素濃度を測定し、粉砕前後での酸素増加量を求めた。また、平均粒子径を測定した。その結果を表1に示す。
窒素ガス99%及び水素ガス1%を含む混合ガスの代わりに、窒素ガス95%及び水素ガス5%を含む混合ガスを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により、粉砕窒化ガリウムを得た。そして、粉砕窒化ガリウム中の酸素濃度を測定し、粉砕前後での酸素増加量を求めた。また、平均粒子径を測定した。その結果を表1に示す。
窒素ガス99%及び水素ガス1%を含む混合ガスの代わりに、窒素ガス95%及び水素ガス5%を含む混合ガスを用い、粉砕条件を350rpm、3分間に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により、粉砕窒化ガリウムを得た。そして、粉砕窒化ガリウム中の酸素濃度を測定し、粉砕前後での酸素増加量を求めた。また、平均粒子径を測定した。その結果を表1に示す。
窒素ガス99%及び水素ガス1%を含む混合ガスの代わりに、窒素ガス90%及び水素ガス10%を含む混合ガスを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により、粉砕窒化ガリウムを得た。そして、粉砕窒化ガリウム中の酸素濃度を測定し、粉砕前後での酸素増加量を求めた。また、平均粒子径を測定した。その結果を表1に示す。
窒素ガス99%及び水素ガス1%を含む混合ガスの代わりに、窒素ガス99%及びアンモニアガス1%を含む混合ガスを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により、粉砕窒化ガリウムを得た。そして、粉砕窒化ガリウム中の酸素濃度を測定し、粉砕前後での酸素増加量を求めた。また、平均粒子径を測定した。その結果を表1に示す。
窒素ガス99%及び水素ガス1%を含む混合ガスの代わりに、窒素ガス95%及びアンモニアガス5%を含む混合ガスを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により、粉砕窒化ガリウムを得た。そして、粉砕窒化ガリウム中の酸素濃度を測定し、粉砕前後での酸素増加量を求めた。また、平均粒子径を測定した。その結果を表1に示す。
窒素ガス99%及び水素ガス1%を含む混合ガスの代わりに、窒素ガス90%及びアンモニアガス10%を含む混合ガスを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により、粉砕窒化ガリウムを得た。そして、粉砕窒化ガリウム中の酸素濃度を測定し、粉砕前後での酸素増加量を求めた。また、平均粒子径を測定した。その結果を表1に示す。
窒素ガス99%及び水素ガス1%を含む混合ガスの代わりに、窒素ガス99%及び一酸化炭素ガス1%を含む混合ガスを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により、粉砕窒化ガリウムを得た。そして、粉砕窒化ガリウム中の酸素濃度を測定し、粉砕前後での酸素増加量を求めた。また、平均粒子径を測定した。その結果を表1に示す。
窒素ガス99%及び水素ガス1%を含む混合ガスの代わりに、窒素ガス95%及び一酸化炭素ガス5%を含む混合ガスを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により、粉砕窒化ガリウムを得た。そして、粉砕窒化ガリウム中の酸素濃度を測定し、粉砕前後での酸素増加量を求めた。また、平均粒子径を測定した。その結果を表1に示す。
遊星ボールミルの代わりに、窒化ケイ素で内部をコーティングしたボールミル容器(250cc)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により、粉砕窒化ガリウムを得た。そして、粉砕窒化ガリウム中の酸素濃度を測定し、粉砕前後での酸素増加量を求めた。また、平均粒子径を測定した。その結果を表1に示す。
窒素ガス99%及び水素ガス1%を含む混合ガスの代わりに、窒素ガス100%を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により、粉砕窒化ガリウムを得た。そして、粉砕窒化ガリウム中の酸素濃度を測定し、粉砕前後での酸素増加量を求めた。また、平均粒子径を測定した。その結果を表1に示す。
窒素ガス99%及び水素ガス1%を含む混合ガスの代わりに、窒素ガス100%を用いたこと以外は、実施例10と同様の操作により、粉砕窒化ガリウムを得た。そして、粉砕窒化ガリウム中の酸素濃度を測定し、粉砕前後での酸素増加量を求めた。また、平均粒子径を測定した。その結果を表1に示す。
Claims (4)
- 周期表第5族、第13族及び第14族から選ばれる1又は2以上の元素を有する窒化物を、水素ガスを1~10体積%、アンモニアガスを1~10体積%、又は一酸化炭素ガスを1~5体積%含み、残部が不活性ガスである雰囲気下にて粉砕する、窒化物の粉砕方法。
- 前記窒化物が、窒化タンタル、窒化アルミニウム、窒化インジウム、窒化ガリウム及び窒化ケイ素から選ばれるものである、請求項1記載の窒化物の粉砕方法。
- ミルを用いて粉砕する、請求項1又は2記載の窒化物の粉砕方法。
- 粉砕後の窒化物の平均粒子径が30μm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の窒化物の粉砕方法。
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