JP2019104005A - 機械化学的変性方法及び変性装置 - Google Patents

機械化学的変性方法及び変性装置 Download PDF

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克仁 板倉
Katsuto Itakura
克仁 板倉
公一 釘宮
Koichi Kugimiya
公一 釘宮
小澤 隆弘
Takahiro Ozawa
隆弘 小澤
原田 隆史
Takashi Harada
隆史 原田
内藤 牧男
Makio Naito
牧男 内藤
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Abstract

【課題】多くの有機合成や変性は、高温高圧や有害な有機溶媒、アルカリや酸を使用する為に環境に悪く安全性が課題であり、また、これらのコスト低減が望まれている。また、化学反応は熱力学的に制約されており、それを回避して簡易に処理する新たな方法が望まれている。【解決手段】一種類又は複数種の物質からなり、酸素原子、水素原子及びそれら以外の他元素原子を含む構成物に、衝突、摩擦、又はそれらの両方の結果として生じる機械エネルギーを連続的に複数回加えて、前記他元素原子を含み前記化合物群に無い変性化合物を生成させる。【選択図】図1

Description

この発明は、高温高圧や有害な有機溶媒を必須とせず、機械エネルギーを用いた新たな化学合成方法及びその実施装置に関する。
多くの有機合成や変性は、高温高圧環境を必要としたり、有害な場合もある有機溶媒、アルカリや酸を使用する為に、環境に対して負荷が掛かる。環境を維持したり、後処理をしたりする為にコストが高く付く場合も多く、様々な現場でその改良が望まれている。また、化学反応は熱力学的に制約されており、それを回避する方法が探索され切望されている。
古くは、古典的な窒素と水素から高温高圧下でアンモニアを合成するハーバーボッシュ法がある。この反応は初期段階では1000℃の高温と数百気圧を必要とした。触媒の開発によって、400℃30気圧程度に条件が緩和されてきたが限界があると言われている。
一方、宇野等(非特許文献1)は、電気分解では無くボールミルを使った所謂メカノケミカル反応によって、水から水素を発生させた。ごく最近では、衝撃法でごく短時間にアンモニアを合成する新たな手法が中沢等(非特許文献2)から報告された。更に古川等(非特許文献3)はアミンやアミノ酸を作る報告もあるが、超高温高圧に依るなど極端な実験に終わっている。
この他に、有機ハロゲン化合物に脱ハロゲン剤を添加してメカノケミカル処理により分解して水洗ろ過する化合物の処理方法(特許文献1)や、液体水銀及び元素硫黄をミリングプロセスにより反応させて水銀を固定化する(特許文献2)といった環境改善例がある。
特開2002-102383号公報 特許第5745523号公報
Miyuki Uno, Shunsuke Nishimoto, Yoshikazu Kameshima, Michihiro Miyake, Hydrogen production by Mechano-chemical reaction of Ti2O3 in water, Elsevier, International Journal of Hydrogen Energy, Volume 38, Issue 35, 22 November 2013, Pages 15049-15054 Hiromoto Nakazawa, Toshimori Sekine, Takeshi Kakegawa, Satoru Nakazawa, High yield shock synthesis of ammonia from iron, water and nitrogen available on the early Earth, Earth and Planetary Science Letters 235 (2005) 356-360 Yoshihiro Furukawa, Toshimori Sekine, Masahiro Oba, Takeshi Kakegawa, and Hiromoto Nakazawa, Biomolecule formation by oceanic impacts on early Earth, Nature Geoscience 2(2009) 62-66
非特許文献1の手法ではTi2O3の介在下の限定的な反応が報告されている。併せてMgと水で水素を発生させることも報告されている。しかしながら、いずれも熱力学的に期待されている反応であり、従来の化学反応に期待される範疇を逸脱するものではない。
また、非特許文献2で報告される衝撃法は、熱力学的な制約を脱してアンモニアを合成することができるものの、特殊な装置が必要でありながら、強力なエネルギーで衝突させても処理量が極小である。また、反応を起こす反応点が衝突する一点に限られるため、大型化出来ないという欠点があった。
特許文献2は液体水銀を科学量論的に硫化水銀に変換し、その硫化水銀を骨材等に含めて硫黄ポリマセメントを生成するものであり、条件が限られたものであった。
この発明は、高温高圧や有機溶媒を必ずしも必要とせず常温常圧で、環境負荷の小さい化学合成反応を実現することを目的とする。
この発明は、一種類又は複数種の物質からなり、酸素原子、水素原子及びそれら以外の他元素原子を含む構成物に、衝突、摩擦、又はそれらの両方の結果として生じる機械エネルギーを連続的に複数回加えて、前記他元素原子を含み前記化合物群に無い変性化合物を生成させることにより、上記の課題を解決したのである。
ボールミルやビーズミルなどのように、通常は粉砕や磨滅の用途で用いられる機械装置では、化合物の化学的性質はそのままに物質の形状を細かくするという概念が一般に広くあるため、その粉砕や磨滅の過程で合成反応が行うことが考え難かった。しかし、この発明ではその概念に反し、連続的かつ機械的な衝撃や摩擦が破壊の後に新たな合成に繋がるとの新発想に立脚して、本発明に至る実験結果を得た。
例えばボールミルでは、ボール同士の衝突界面が瞬間的に約700℃数十気圧に為っていると推察される。この場にある物質は、界面に挟まれて急熱急冷される間に活性化されて瞬時に例えば金属元素等に酸素を奪われ、ないしは発生した水素に変性された物質に変化すると想定される。非平衡な反応物でも急冷されてそのまま凍結されると推定される。微小な空間場での反応量はごく微量で有るが、無数のボールが繰り返し長時間衝突を繰り返す結果、高い反応結果を得られる事に繋がっている。
無数の微小衝撃力や微小摩擦力を含む機械エネルギーが繰り返し供給される系では、前記出発原料は急熱され、前記脱酸素元素に直接に酸素を奪われ、ないしは、場に有る第二群化合物が脱酸素されて発生する水素で変性されて、前記変性化合物が形成されると推定される。この時、非平衡状態で形成された化合物でも急冷されるので残留する事になる。即ち、この様な機械化学的反応では従来の熱力学的には起きない反応が、結果的に観測される事になる。
前記構成物としては、出発原料である第一群物質、酸素原子と水素原子を含む第二群化合物、及び、脱酸素元素を含む第三群物質の、それぞれを、一種類、二種類又は三種類以上の物質によって備えており、前記第一群物質が有する少なくとも一つの元素を含む前記変性化合物を生成させることが挙げられる。
前記第一群物質としては、窒化物、硝酸塩、亜硝酸塩、炭化物、炭酸塩の少なくともいずれか一つを含むことが例として挙げられる。前記第二群化合物としては単なる水でも良いし、水酸基含有化合物、水和水含有化合物などでもよい。脱酸素元素を含む前記第三群物質としては単体金属の他に炭素や硫黄の様な非金属、FeOの様に低価数の化合物等が挙げられる。また、含水硝酸鉄のように、前記第一群物質、前記第二群化合物、前記第三群物質としての役割を一つの物質が兼ね備えていてもよい。このような場合、用いる物質群は一種類又は二種類でも本発明にかかる製造方法を実行できる。なお、本発明の機械化学的な変性による製造方法を実施する装置は、例えば、強力な超音波振動、紛体が充填された流動層、摩擦を伴う各種の機械加工などが有り、以下の実施例の様なボールミル等による所謂微粉砕方法に限らない。
この発明により、従来の化学反応処理で要求されていた高温高圧操作や有機溶媒、アルカリや酸を必須とせずに、常温常圧又はそれに近い範囲で、機械的なエネルギーだけで化学反応を行う事が出来、簡便で、且つ、環境に優しい新しい概念の合成方法や装置を提供する。
また、熱力学的に生じない反応を励起できるので、従来の化学反応の制約を無くす事が出来る。また、本発明は、小規模で簡単な実験から簡単に大型化できる特徴を兼ね備えている画期的手法と云える。
(a)実施例で用いるボールミルでの反応点の概念図、(b)(a)の拡大図 実施例15、16におけるpHの変遷を示すグラフ 実施例15、16におけるイオンクロマトグラフのグラフ 実施例15、16におけるXRD測定データのグラフ
以下、この発明について詳細に説明する。
この発明は、構成物に、衝突、摩擦、又はそれらの両方の結果として生じる機械エネルギーを連続的に複数回加えて変性化合物を生成させる、機械化学的変性化合物の製造方法、及びそのそれを実行する製造装置となる機械化学装置である。
この発明で使用する構成物は、一種類又は複数種の物質からなる。なおかつこの構成物は酸素原子、水素原子及びそれら以外の他元素原子を含む。複数種の物質からなる場合は、全ての物質がそれら三種類以上の元素を有する必要はなく、構成する物質のいずれかに、それら三種類以上の元素が含まれていればよい。
前記構成物の構成としては、例えば、次のような分類が可能である。出発原料である第一群物質、酸素原子と水素原子とを含む第二群化合物、及び、脱酸素元素を含む第三群物質である。これらの構成は三種類以上の物質がそれぞれ個別に条件を備えてもよいが、一種類の物質が第一から第三の群物質のうちの二つ又は三つの役割を兼ね備えていてもよい。なお、前記変性化合物は、出発原料とする第一群物質が有する少なくとも一つの元素を含む。
前記第一群物質は、特に限定されない。ただしこの発明による反応が比較的し易い物質としては、炭素、窒素、硫黄、リン、塩素の少なくとも1つを含む物質が、変性のし易さから扱いやすい。中でも窒素又は炭素を含有するものが反応させやすく好ましい。具体的には、窒化物、硝酸塩、亜硝酸塩、炭化物、炭酸塩などを用いることができる。これらの少なくともいずれか一つを含むとよい。ただし、前記第二群化合物、前記第三群物質と同じ条件を兼ね備えた物質であってもよい。
前記第二群化合物は、酸素原子と水素原子とを備えているとよい。二種類の化合物がそれぞれ酸素と水素とを別個に含有していても反応は可能であるが、一つの物質が酸素及び水素の両方を持っている方が反応しやすい。具体的には水酸基を有していたり、水和水を有していたりすると好ましい。また、水そのものであってもよい。水やアルコールである場合、溶媒や分散媒を兼ねていても良い。
前記第三群物質は、金属単体若しくは単体典型元素、又はそれらの化合物を用いることができる。ただし、脱酸素元素を有することが望ましい。脱酸素元素とは、単独で酸素と結合しうる元素であり、遷移金属と典型金属とのどちらでもよい。また金属でない典型元素としては、例えば硫黄、炭素などが挙げられる。これらの化合物としては、酸化物、窒化物、硫化物が挙げられる。
これらの組み合わせは一つ又は複数の物質によって達成されればよい。例えば一つの物質で条件を満たす例として含水硝酸鉄が挙げられる。前記第一群物質、前記第二群化合物、前記第三群物質の全ての条件を満たすため、含水硝酸鉄のみで本発明の構成物として利用可能である。出発原料であり、含水するため酸素と水素とを含み、脱酸素元素である鉄を含んでいる。
また、二つの物質で条件を満たす例として、FeNとモンモリロナイトとの組み合わせが挙げられる。モンモリロナイトは含水し水酸基を持つ鉱物であり第二群化合物に対応する。一方、FeNは出発原料である第一群物質であるとともに、脱酸素元素であるFeを含有するため第三群物質でもある。
前記第一群物質又は前記第三群物質として窒素原子を含有する場合、元の物質は廃棄しにくい場合が多い。例えばシアン化合物や硝酸化合物である。しかしこの発明によると、窒素原子を反応させ、分解して廃棄処理しやすいアンモニア又はその誘導体を前記変性化合物として得ることができる。また、前記第一群物質又は前記第三群物質が硫黄原子を含有する場合も類似の問題が発生しやすい。例えば硫酸や硫酸化合物である。これらの化合物でも、この発明によって硫黄原子を反応させて、廃棄しやすい硫黄化合物として得ることができる。
前記第一群物質が、鉱酸を含み工場等で廃棄される廃酸や、排気から回収した窒素酸化物を含む廃酸を含有する場合、前記第三群物質として単体金属を用いることで、前記廃酸を処理して別の前記変性化合物を生成させることで廃酸処理を行うことができる。アンモニアを燃料とした際には特に効果的である。
上記の例に限らず、この発明にかかる製造方法では主な反応として、前記脱酸素元素が水から酸素を奪い、生じた還元性雰囲気や極圧条件下で水素添加やアミノ化などの種々の有機反応が生じて各種の変性が進む。
この発明において機械エネルギーを連続的に加え始める環境は、特段に高温高圧の条件にする必要はなく、常温常圧で実行可能である。ただし、工程中に加わるエネルギーによって100℃程度にまで加熱されることは十分にあり得る。その場合も特段の問題はなく、反応過程のエネルギーによって昇温されることで変性が進みやすくなる場合もある。なお、加熱や加圧した環境でも本願発明を実施することは可能だが、エネルギー効率や設備の密閉性を要求することになり、実施コストが上昇するため、基本的には常温常圧で工程を始めるとよい。
上記の機械エネルギーを与える装置は、例えばボールミル、ビーズミルなどのミル類で用いる回転体が挙げられる。通常は粉砕等に用いられるこれらのミル類は装置の回転とともに連続的に回転体同士が衝突を繰り返す。この環境の概念図を図1(a)に、衝突界面の拡大図を図1(b)に示す。条件にもよるが、系が常温常圧であっても、狭い衝突界面の場は供給された機械エネルギーによって瞬間的に700〜1000度程度数十気圧程度になっていると推察される。この場にある物質は、界面に挟まれて急熱急冷される間に活性化される。この活性化の際に瞬時に変性が起きると想定される。例えば、出発原料は金属元素に酸素を奪われ、ないしは発生した水素に変性された物質に変化することで、前記変性化合物が生成する。非平衡な反応物でも急冷されてそのまま凍結されると推定される。一つの微小な空間場での反応量はごく微量で有るが、無数のボールが繰り返し長時間衝突を繰り返す結果、全体として高い反応結果を得られる事に繋がっている。
なお、これらのミル類に用いるボールなどによって、前記第一群物質、前記第二群化合物、前記第三群物質を介在させてもよい。例えば鉄製ボールを用いることで、前記第三群物質として鉄を供給することができる。
用いるボールやビーズ等の大きさは条件に応じて適宜選択するとよい。例えば(株)栗本鐵工所製「HiGボールミル」のような超微粉砕技術用のボールでも利用可能である。
上記の機械エネルギーを与える他の装置は、例えば、ニーダーや摩擦板などの、内部摩擦、界面摩擦、又はその両方の摩擦を加えるものが挙げられる。ニーダーなどが前記構成物にぶつかり、前記構成物がニーダーによって応力を受け続けることでも、機械エネルギーを連続的に複数回加えられることになる。
この他に、衝突や摩擦などが伴う超音波振動や、粉体が充填された流動層などで前記構成物と装置部品との衝突、又は前記構成物同士の衝突により連続的に複数回に亘って機械エネルギーを加えることができる。
この発明を実施して前記変性化合物を生成する機械化学装置自体は、上記のミル類やニーダーなど、衝突、摩擦、又はそれらの両方の結果として生じる機械エネルギーを連続的に複数回加える際に、回転又は往復運動の少なくともいずれかを含む周期運動を行う装置を利用することができる。生成する前記変性化合物が常温で気体か否かなど、条件によって系の構成を適宜選択するとよい。
また、機械化学装置は前記変性化合物への変性を捉える検知管を具備すると好ましい。通常の化学反応とは異なるため、どの程度前記変性化合物が発生するかを時間だけで把握することが難しい場合があり、検知管によって所定の前記変性化合物が生じていることを把握できれば、機械エネルギーを加える時間を状況に応じて適宜調整することができる。
以下、この発明を実際に実施した実施例を挙げてこの発明をさらに具体的に示す。
(実施例1)
下記の表1に示す秤量した材料をSUS製のポット(表中「SS」と略記する)に充填して、5mm径(5φ)のジルコニアボールを加えて、高速回転する(株)栗本鐵工所製HiG遊星ミルで150Gの64時間連続運転を行った。FeNが第一群及び第三群物質に相当し、モンモリロナイト(表中「M*」と略記する)が第二群化合物及び第三群物質に相当し、水が第二群化合物に相当する。運転後、ポットを開けるとガスが噴出しアンモニア臭(SN)がした。窒化鉄は完全に分解しており、マグネタイトが観測された。確認された生成物と分散媒のpH変化を表2に示す。表2の無機物質はX線回折による解析結果であり、一部紛体は微粉砕されて同定が困難であった。有機物やアンモニアはGCMSやICで同定した。ただし、微量のため同定できない有機物のピークが多数あり、複雑な有機物が合成されていることが推察された。窒素のアンモニア転換量は概略30%であった。出発の化合物と得られた化合物から、下記式(1)の化学反応が考えられる。
Fe4N+16/3H2O → 4/3Fe3O4+NH3+23/6H2 (1)
(実施例2)
実施例1において材料を表1のように変更し、ポットをSUS製からポリエチレン製(PE)に変更し、30Gの7時間連続運転を行って、同様に変性化合物を生成させた。ポットを開けると薄いアンモニア臭を含む異臭(SO)がした。実施例1と同様に分析したところ、下記式(2)の反応が推測される。
Fe(NO3)3・9H2O → 1/3Fe3O4+ 3/2(NH4)NO3 +6H2O+ 37/6O (2)
本実施例2の反応は、硝酸などで鉄を洗った時に出る廃酸処理に利用できる。磁性を帯びている酸化鉄は簡単に除去でき、得られた硝酸アンモニウムはそのまま液肥として肥料に使えるアルカリで中和する等、環境問題を抱えている現在の廃酸処理の課題に対処できる。アルカリを使わず、環境に優しいだけで無く、有価物の肥料として利用出来る長所が有る。
(実施例3)
実施例2において、材料として水とモンモリロナイトの他に、Fe(NO3)3・9H2O(「FeN*」と略記することがある)と、単体の鉄を用いた。いずれも第一群及び第三群物質に対応する。その結果を表2に示す。同様にアンモニアを含む臭いが確認された。
(実施例4〜7)
同様に、表1の組成及び条件にて実施例4〜7を行った。第一群物質として炭素を含んでおり、いずれもGCMSで酢酸の存在が認められた。アンモニアも存在していることから、酢酸アンモニウムになっていると考えられる。
(実施例8〜14)
実施例1において、鉄製ボールを用いて水中でミルを行うように変更し、表3に示す材料濃度を概略で10%程度とした。ボールとして供給されるため量は明示できないが、第三群物質にあたる鉄が介在していることになる。生成した主たる変性化合物を表3に示す。得られた粉体は全て磁性を帯びていた。これは酸化鉄によるものと考えられる。ただし、現在の化学反応の常識では、用いた材料からは理解しがたい反応結果が一部に見られた。これらの例は単純な化合物であるが、複雑な化合物を使えばさらに複雑な結果が得られると期待される。
<廃酸処理への実用>
(実施例15、16)
廃硝酸鉄水溶液(10質量%:実施例15、20質量%:実施例16)をSUSポットに入れ、3mmφの鉄ボールを用いて約30Gで一時間かけて処理した。この実施例では、回転による空気の対流を封止してポットの冷却を防いだ。ポット内部はかなり高温になったと思われる。リトマス試験紙で測定した処、元の廃硝酸鉄水溶液はpH2であったが、約1時間の処理後はpH7になっていた。このpHの変遷を図2に示す。特に、30分頃は濃度の低い実施例15の方が速くpHが上昇した。昇温により、反応が加速したと推測される。また、pH8を超えたあたりで周囲にはアンモニア臭が感じられた。発生した雰囲気をイオンクロマトグラフで測定したところ(図3)、アンモニアのピークが確認された。最終的には黒色の磁性紛体の沈殿と透明な上澄みが得られた。XRDで測定したところ、マグネタイトのピークが確認された(図4)。また、他に硝酸アンモニウムが認められた。
この反応は廃酸の処理に応用できる。一般に廃酸の処理では環境規制が厳しく、負荷の大きな作業である。しかし、上記実施例15、16のような反応を起こして得られる変性化合物であるマグネタイトは磁力で簡単に分離できる。これを利用することで、簡単な操作で濾過ができて、安全な廃酸処理が可能となる。一方で、濾過された硝酸アンモニウム液は、1000倍程度に薄めて液肥として利用できる。厄介な廃棄物を有価物に変える事ができる有用な方法である。
(実施例17、18)
廃硝酸液の詳細な中和試験を行った。遊星ボールミルとして(株)栗本鐵工所製High−G X382を用い、SUS製ポット、4mmφのSUS製ボールを用いた。硝酸水溶液(10質量%:実施例17、20質量%:実施例18)をポットに入れ、40Gの高速回転で1時間の処理を行った。硝酸が第一群物質、水溶液の水が第二群化合物、SUSに含まれる鉄が第三群物質にあたる。途中、10分毎にリトマス紙でpHを測定した。実施例17,18のどちらもpHはpH2からほぼ運転時間に比例して上昇して30分超で飽和傾向になり、最終的にpH8に到達した。どちらの実施例でも20−30分でpH7に達しており、アルカリの中和無しの機械的な処理で中和している事が再確認された。得られた茶褐色の沈殿物は強磁性を示し、X−線回折法でマグネタイトと同定された。
(実施例19)
実施例17と同様の装置を用いて、疑似硫酸廃液の中和試験を行った。擬似硫酸廃液として、水150ccにFeSO4・7H2O:9.17gとMnCO3:7.25gとFeS:2.64gとを加えて調整したものを使用した。金属化合物はいずれも第一群物質及び第三群物質にあたり、水が第二群化合物にあたる。この擬似硫酸廃液を40Gで12時間処理した。その結果、当初のpH6がpH9になり、黒色の沈殿を得た。沈殿物は強磁性を示し、X−線回折法でマグネタイトと同定された。硫酸廃液は完全に分解されていた。
(実施例20)
(株)栗本鐵工所製撹拌ミルFKW6を用いて、硝酸鉄廃液(硝酸鉄10質量%水溶液)の処理を行った。ビーズとしてSUS304製:5mmφを用いた。硝酸鉄が第一群物質、水が第二群化合物、SUSに含まれる鉄が第三群物質にあたる。ミルの回転数は146回/分と遅く、低エネルギー操作と云える。1時間の処理でpH2がpH5に上昇し、硝酸鉄が分解してゲータイトが生成していた。硝酸部分は、一部還元されてアンモニアが生成されて、硝酸アンモニウムが形成されたと推定される。
<有機物生成反応>
(実施例21)
実施例17において用いた遊星ボールミルを用い、SUS製ポットと4mmφのSUS製ボールの代わりにセラミック製のジルコニアポットと2mmφのジルコニアボールとを使用した。処理対象の溶液として、水150ccにFeN:2.7g、FeC:2.1g、MnCO:5.2g、FeS:0.1g、モンモリロナイト0.5gを加えたものを調整した。金属化合物が第一群物質及び第三群物質にあたり、モンモリロナイトが第二群化合物及び第三群物質にあたり、水が第二群化合物にあたる。この調製溶液について、40Gの高速回転で30時間の処理を行った。その結果、異様な臭気のする溶液が得られた。pHは処理前のpH7からpH10に変化しており、生成していた黒色の沈殿物は強磁性を示し、X−線回折法でマグネタイトが確認された。異様な臭いは、処理で生じた有機物によるものと考えられる。第一群物質に含まれる炭素が還元されて一旦メタンなどの炭化水素が生じ、その炭化水素がさらに酸素や水と反応してエタノール、アセトン、酢酸などからなる酸素含有炭化水素化合物などが生じたものと推測される。
(実施例22)
実施例21において、用いる調製溶液を、水150ccにFeN:2.5g、FeC:2.5g、Fe(COO)・2HO:5.0g、FeS:0.1g、モンモリロナイト0.5gに変更した以外は同様の試験を行った。金属化合物が第一群物質及び第三群物質にあたり、モンモリロナイトが第二群化合物及び第三群物質にあたり、水が第二群化合物にあたる。処理前はpH5であったが処理後はpH10に変化しており、黒色の沈殿物は強磁性を示した。また、処理後の溶液には細かい泡が立っており、この状態で3日間保存しても泡は割れずに状態を維持していた。このことから、処理後の溶液に含まれる有機物の中には、実施例21において生成する酸素含有炭化水素化合物よりも、分子量が著しく高いものがあると推察される。
多くの有機合成や変性は、高温高圧や有害な有機溶媒、アルカリや酸を使用する為に環境に悪く安全性に問題が有り、その為にコストが高く付き、その改良が強く望まれている。熱力学的に制約された化学反応も多い中、常温常圧で、安全に多くの有用な化合物を簡便に影響できる。小さな実験から大型の多量処理に直ぐに拡張できる等の特徴を有しており、産業的に有利である。特に、新たなアンモニア合成法や酸廃などの廃液処理法は、常温常圧で安全に実施できるので、早期の産業発展が期待されている。更に、熱力学的には生じ難い有機材料の合成に利用され得る。
1 ボール
2 部分拡大図

Claims (9)

  1. 一種類又は複数種の物質からなり、酸素原子、水素原子及びそれら以外の他元素原子を含む構成物に、衝突、摩擦、又はそれらの両方の結果として生じる機械エネルギーを連続的に複数回加えて、前記他元素原子を含み前記化合物群に無い変性化合物を生成させる、機械化学的変性化合物の製造方法。
  2. 前記構成物は、
    出発原料である第一群物質、酸素原子と水素原子を含む第二群化合物、及び、脱酸素元素を含む第三群物質の、それぞれを、一種類、二種類又は三種類以上の物質によって備えており、
    前記第一群物質が有する少なくとも一つの元素を含む前記変性化合物を生成させる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第一群物質が、窒化物、硝酸塩、亜硝酸塩、炭化物、炭酸塩の少なくともいずれか一つを含み、
    前記第二群化合物が水を含み、
    前記第三群物質が金属単体、単体典型元素又はこれらの化合物を含み、
    前記第一群物質又は前記第三群物質のいずれかが窒素原子又は硫黄原子を含み、
    前記変性化合物としてアンモニア又はその誘導体を生成させる請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記機械エネルギーが、ミル類で用いる回転体よりなる請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記機械エネルギーが、ニーダー又は摩擦板のいずれかによる内部摩擦、界面摩擦又はその両方の摩擦よりなる請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記第一群物質が廃酸を含み、前記第三群物質が単体金属を含み、
    前記廃酸から前記変性化合物を生成することで廃酸処理を実現する請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに該当する製造方法により前記変性化合物を生成するための装置であって、
    衝突、摩擦、又はそれらの両方の結果として生じる機械エネルギーを連続的に複数回加える際に、回転又は往復運動の少なくともいずれかを含む周期運動を行う機械化学装置。
  8. 前記変性化合物への変性を捉える検知管を具備する請求項7に記載の機械化学装置。
  9. 周期運動の熱損失を防止する機構を具備する請求項7又は8に記載の機械化学装置。
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