JP2005038622A - 調理器用トッププレート - Google Patents

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Abstract

【目的】温度センサーの接着痕が目立たず、外観が良好な調理器トッププレートを提供することである。
【構成】本発明の調理器用トッププレートは、電磁加熱装置を備えた調理器のトッププレートとして用いられる調理器用トッププレートであって、低膨張透明結晶化ガラス板の表面に無機顔料とガラスからなる多孔質の遮光層が形成され、前記遮光層の少なくとも電磁加熱部分上に耐熱樹脂層が形成されてなり、耐熱樹脂層の空隙率が10%以下であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電磁加熱装置を備えた調理器のトッププレートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気調理器の加熱系には、ラジエントヒーターや、高出力タイプで知られるハロゲンヒーターなどの赤外線発生装置や、インダクションヒーター(IH)などの電磁加熱装置が用いられている。
【0003】
従来、赤外線加熱装置を備えた調理器のトッププレートには、可視光を遮断して赤外光を透過する濃色結晶化ガラス板が利用されている。可視光の遮断は、加熱装置部品を見えにくくすることや、ハロゲンヒーターからの強力な可視発光を軽減し、眩しくないようにするためである。なおこの種の調理器は、赤熱したヒーター部が濃色結晶化ガラス板を通して視認できるため、それを加熱時の目印としている。
【0004】
一方、電磁加熱装置を備えた調理器は、赤外線加熱装置のように可視光の発生を伴わないため、加熱時の目印となるヒーター部の点灯がない。そこでこの種の調理器では、発光ダイオードなどを用いて電磁加熱パワーを別途表示するようになってきている。この加熱パワー表示体は、調理器の側部に設けられるものもあるが、加熱部の近傍に設置してトッププレートを通して加熱パワーを確認できるものが主流となりつつある。ところが発光ダイオードの光は、従来の赤外線加熱ヒーターから発せられる光ほど強くない。このため濃色結晶化ガラス板ではダイオードの光が目立たず、見にくいという難点がある。そこで電磁加熱装置のトッププレートには、発光ダイオードを表示する部位を除いて遮光層を設けることで、調理器の内部構造を見えないようにした透明結晶化ガラス板が用いられつつある。この遮光層を備えた調理器用トッププレートとして、無機顔料とガラスからなる多孔質の遮光層が形成されたトッププレートが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−273342号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に示すように、遮光層を多孔質にすると、結晶化ガラス板との膨張差によるクラックの発生を防ぐことができる。このような遮光層を形成するには、ガラスが少なく無機顔料が多いものを使用すればよい。
【0007】
ところが多孔質の遮光層を採用した場合、トッププレート裏面の電磁加熱部分に取り付けられる温度センサー(熱電対)の接着痕が目立ち、外観上好ましくないという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、温度センサーの接着痕が目立たず、外観が良好な調理器トッププレートを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の調理器用トッププレートは、電磁加熱装置を備えた調理器のトッププレートとして用いられる調理器用トッププレートであって、低膨張透明結晶化ガラス板の表面に無機顔料とガラスからなる多孔質の遮光層が形成され、前記遮光層の少なくとも電磁加熱部分上に耐熱樹脂層が形成されてなり、耐熱樹脂層の空隙率が10%以下であることを特徴とする。
【0010】
【作用】
トッププレートに形成される遮光層は、充填密度が低く、多数の微小な隙間があり、光沢がない。このためセンサーの接着に用いる接着剤(グリス)が遮光層の隙間に流れ込んで固化する。その結果、その部分だけ光沢を有して周囲とは異質に見えてしまう。
【0011】
そこで本発明では、予め緻密な耐熱樹脂層、すなわち空隙率が10体積%以下の耐熱樹脂層を遮光層上に形成しておくことにより、グリスが遮光層の隙間に流れ込むのを防止するものである。
【0012】
以下に本発明を詳述する。
【0013】
本発明の調理器用トッププレートは、透明結晶化ガラス板の表面に遮光膜及び耐熱樹脂層が形成されている。
【0014】
遮光層は、無機顔料とガラスからなる。また結晶化ガラス板との熱膨張差によるクラック発生を防止するために多孔質である。遮光層の形成には、無機顔料粉末とガラス粉末の割合が質量比で5:5〜9:1、好ましくは5:5〜8:2の範囲にある形成材料を使用することが好ましい。ガラス粉末の割合が1割以上であれば、無機顔料粉末を結晶化ガラス板に強固に固定することができ、また5割以下であれば、ガラス粉末が緻密に焼結することがなく、容易に多孔質膜を得ることができる。
【0015】
無機顔料粉末としては、TiO、ZrO、ZrSiO白色顔料の他、Co−Al−Zn系、Co−Al−Si系、Co−Al−Ti系の青色顔料、Co−Al−Cr系、Co−Ni−Ti−Zn系の緑色顔料、Ti−Sb−Cr系、Ti−Ni系の黄色顔料、Co−Si系の赤色顔料、Ti−Fe−Zn系、Fe−Zn系、Fe−Ni−Cr系、Zn−Fe−Cr−Al系の茶色顔料、Cu−Cr系、Cu−Cr−Fe系、Cu−Cr−Mn系の黒色顔料などを単独又は混合して用いることができる。ガラス粉末としては、B−SiO系、NaO−CaO−SiO系、LiO−Al−SiO系、ZnO−Al−P系等のガラスが使用できる。
【0016】
遮光層の表面粗さはRaで1.0μm以下であることが好ましい。表面粗さがRaで1.0μmよりも大きいと、耐熱樹脂層となる耐熱塗料が緻密化する過程(例えば、乾燥又は焼成)で、遮光層の表面凹凸の凹部に耐熱塗料の流れ込む量が多くなって、未塗布部分が形成され、遮光層の表面に耐熱樹塗料からなる塗膜が不均一に形成されるため、耐熱樹脂層には空隙が存在し、不連続な膜となり空隙率が10体積%よりも高くなりやすい。
【0017】
遮光層の厚みは0.1〜5μmであることが好ましい。厚みが0.1μmよりも小さいと、加熱装置を隠すための可視光遮蔽が不充分となり、外観上好ましくない。また5μmよりも大きいと、耐熱樹脂層から遮光層に浸透する溶剤が多くなるため、耐熱樹脂層の乾燥・焼成の際に遮光層に浸透した溶剤が急激に気化することによって、耐熱樹脂層に空隙となるクラックや孔の発生が多くなる。また遮光層は無機顔料成分が多く多孔質であるため、その厚みが5μmよりも大きいと、遮光層の表面粗さがRaで1.0μmよりも大きくなりやすい。また5μmよりも大きいと、印刷回数の増加や材料コストの増加による製膜コストが上昇する。さらに、トッププレートは再溶融してリサイクルされるが、被膜に含まれる無機顔料はガラスにとって不純物となり、ガラスの着色の原因となる。したがって、遮光層の膜厚が厚ければ着色しやくなる。
【0018】
なお遮光層は、結晶化ガラス板全面に形成してもよいが、必要に応じて未形成部分を設けても良い。例えば加熱部分周辺に発光ダイオード表示領域を形成するための未形成部分を設けることができる。
【0019】
また電磁加熱装置だけでなく、赤外線加熱装置も備えた調理器に用いられる場合、赤外線加熱部分の遮光層の印刷密度を電磁加熱部分のそれより低くしたり、電磁加熱部分よりも遮光層の膜厚を薄くすることが望ましい。また赤外線加熱部部において、遮光層に代えて、ラスター層(金属光沢膜)を形成してもよい。つまり、遮光層は赤外線を透過しにくいため、赤外線加熱部分の無機顔料層の印刷密度を低くしたり、膜厚を薄くしたり、あるいはラスター膜にすることにより、赤外線加熱に必要な量の赤外線を透過させることが可能になるためである。なお、「印刷密度」とは、単位面積当たりの膜形成(印刷)面積を意味している。例えばトッププレートの或る領域1cm当たりの膜形成部分の総面積が0.5cmである場合、印刷密度は50%である。また「赤外線加熱部分の印刷密度」とは、調理器の赤外線加熱装置と対応する領域全体の平均印刷密度であり、「電磁加熱部分の印刷密度」とは、電磁加熱装置と対応する領域全体の平均印刷密度を意味している。
【0020】
印刷密度を低くする場合、電磁加熱部分の印刷密度の30〜80%、特に40〜80%となるようにすることが好ましい。赤外線加熱部分の印刷密度が電磁加熱部分の30%以上であれば、加熱装置を完全に隠すための可視光遮蔽が可能となり、また印刷密度が80%以下であれば、赤外線透過量が十分となり、高い調理性能が得られる。
【0021】
遮光層の印刷密度を低くし、十分な赤外線透過量を確保する方法としては、例えば多数の開孔を設ける方法がある。開孔を形成する場合、赤外線加熱部分全体に均一に分布させることが望ましい。各開孔の大きさは、直径0.05〜5mm程度、特に0.1〜3mm程度であることが好ましい。また1cm当たり5〜500個程度、特に10〜500個程度の開孔を形成することが好ましい。
【0022】
遮光層の厚みを薄くする場合、電磁加熱部分の遮光層の10〜50%程度、特に10〜40%程度の厚みとすることが好適である。10%以上であれば周囲とのコントラストが大きくならず、目立ちにくくなる。また50%以下であれば赤外線透過量が大きくなり、十分な調理性能が得られる。
【0023】
ラスター膜にする場合、Au、Pt、Pd、Rh、Ru、Bi、Sn、Ni、Fe、Cr、Ti、Ca、Si、Mgなどの金属元素、及びそれらの複合体を含むものが使用可能である。特にAu、Pd、Bi、Sn、Fe、Ti等を含むものが好適に使用できる。ラスター膜の厚みは平均0.1〜10μm、特に0.1〜5μmであることが好ましい。
【0024】
耐熱樹脂層には、約200℃以上の耐熱性が必要とされる。耐熱性を有する樹脂としては、ポリイミド系樹脂、(芳香族)ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂又はこれらの複合体を主成分として用いることができる。また耐熱樹脂層は無色有色を問わない。
【0025】
耐熱樹脂層の膜厚は、1〜50μmであることが好ましい。膜厚が1μmよりも小さいと、グリスの浸透を防ぐことが困難であり、50μmよりも大きいと、熱膨張差による剥離が発生しやすく、コストアップの問題や、ガラスの再溶融の際に還元が起こる、といった問題が生じやすい。
【0026】
また耐熱樹脂層を構成する樹脂は、主成分として三官能性シリコーンを含有してなると、三次元の網目構造が形成されやすくなり、耐熱樹脂層が緻密になりやすい。またフェニル基、メチル基等の有機基を含むため、耐熱樹脂層が柔軟な構造となり、空隙となるクラックや孔を生じ難く空隙率が10体積%以下になりやすい。耐熱樹脂層を構成する樹脂は、主成分として三官能性シリコーンを含有してなるが、三官能性シリコーンの他に二官能性シリコーンや四官能性シリコーンを含んでもよい。なお「三官能性シリコーン」とは、Siの四つの結合手のうち三つが架橋酸素と結合し、残りの一つはフェニル基、メチル基などの有機基と結合したシリコーンをさす。特に、耐熱樹脂層を構成する樹脂がフェニル基を有するシリコーン系樹脂を主成分として含む場合、耐熱樹脂層においてフェニル基とSiとのモル比(フェニル基/Si)が0.1〜1.2であることが好ましい。フェニル基とSiとのモル比(フェニル基/Si)が0.1よりも小さいと、耐熱樹脂層においてフェニル基が抜けた部分が空隙となり、空隙率が10体積%よりも大きくなりやすい。また1.2よりも大きいと、耐熱樹脂層中の樹脂の構造が疎になり空隙率が10体積%よりも大きくなりやすい。また、耐熱樹脂層を構成する樹脂がメチル基を有するシリコーン系樹脂を主成分として含む場合、耐熱樹脂層においてメチル基とSiとのモル比(メチル基/Si)が0.1〜1.6であることが好ましい。メチル基とSiとのモル比(メチル基/Si)が0.1よりも小さいと、耐熱樹脂層においてメチル基が抜けた部分が空隙となり、空隙率が10体積%よりも大きくなりやすい。また1.6よりも大きいと、耐熱樹脂層中の樹脂の構造が疎になり空隙率が10体積%よりも大きくなりやすい。
【0027】
耐熱樹脂層が無機顔料又は耐熱有機顔料を含有すると、遮光層の外観を調整できるため好ましく、特に無機顔料成分を0〜50質量%含有すれば、耐熱樹脂層の空隙率が10体積%以下になりやすい。
【0028】
耐熱樹脂層は、電磁加熱部分のみに施してもよいが、その他の部分に施してもよい。例えば調理器本体へのトッププレートの取り付けに接着剤を用いる場合、電磁加熱部分と同様にその接着痕が現れることがあるが、その部分にも耐熱樹脂層を形成しておくことにより、良好な外観を得ることができる。遮光層全体の色調を均一にするためにも、耐熱樹脂層は、赤外線加熱部分を除いた遮光層全面に施すことが望ましい。なお耐熱樹脂層の耐熱性が高く、赤外線加熱時の高温に耐えられる場合は、赤外線加熱部分にも耐熱樹脂層を付与すると、さらに良好な外観を得ることができる。
【0029】
また遮光層又は耐熱樹脂層の上に、樹脂成分のみのクリア層を形成すれば、グリスが遮光層に浸透しにくくなるため好ましく、クリア層が、耐熱樹脂層と同じ樹脂を含むことがさらに望ましい。
【0030】
本発明の調理器用トッププレートは、遮光層及び耐熱樹脂層が調理器本体側、即ち電磁加熱装置(及び赤外線加熱装置)と対向するように調理器に取り付けて使用される。調理器への取り付けは、調理器本体に設けられたトッププレートの支持枠に、シリコーン樹脂等を用いて接着、固定することにより行われる。
【0031】
なお調理器の上面となる面にも、意匠性向上やヒーター位置の表示等のために、必要に応じて装飾被膜を印刷形成することができる。装飾被膜も無機顔料粉末とガラス粉末からなる材料を用いて形成できるが、擦れても剥がれないように、また汚れが付着しにくいように、強固で平滑な膜にすることが必要である。それゆえ装飾被膜用材料には、遮光層用材料よりもガラス含有率の高いものを選択することが重要である。具体的には、装飾被膜材料中のガラス含有率は、質量基準で5割以上であることが好ましい。またガラス粉末や無機顔料粉末には、遮光被膜に用いるものと同様の材料を使用することができる。
【0032】
本発明における透明結晶化ガラス板は、無色の透明低膨張結晶化ガラスであることが好ましいが、本発明の目的が達成されるのであれば有色の透明結晶化ガラスでも差し支えない。結晶化ガラス板は、加熱、冷却が繰り返されるため、低膨張であることが求められ、特に30〜750℃における平均線熱膨張係数が−10〜+30×10−7/℃、特に−10〜+20×10−7/℃の範囲にあるものを使用することが望ましい。熱膨張係数が上記範囲内にあれば、加熱時にトッププレート内部の温度分布により膨張差で割れることがない。この条件を満たす結晶化ガラスとして、例えば日本電気硝子株式会社製N−0がある。
【0033】
本発明の調理器用トッププレートは、次のようにして作製される。まず所定のサイズに成形、加工された低膨張透明結晶化ガラス板を用意する。また無機顔料とガラス粉末との混合粉末をペースト化する。次いで結晶化ガラス板表面にペーストを例えばスクリーン印刷等の方法で印刷し、乾燥後、焼成して透明結晶化ガラス板上に遮光層を形成する。さらに耐熱樹脂層となる耐熱塗料を遮光層上に塗布し、乾燥することにより、好ましくは乾燥後、焼成することにより、本発明の調理器用トッププレートを得ることができる。
【0034】
なお耐熱塗料からなる塗膜の乾燥方法としては、例えば、熱風乾燥機を使用し、50〜100℃で10分〜1時間程度乾燥する方法がある。乾燥が不十分であると、塗膜中に残留した溶剤が焼成時に急激に気化して、ピンホール状の塗膜欠陥を生ずる。また、上記耐熱塗料を塗布した後、ある程度の時間乾燥放置すれば、適当な流動性が一定時間保たれるため、塗膜面を平滑にする作用も有する。
【0035】
焼成は、例えば、電気炉等で行われる。焼成温度は200〜400℃、好ましくは250〜350℃であり、焼成時間は10分〜1時間、好ましくは30分〜1時間である。焼成工程において、焼成温度を400℃以上とすると、Siとメチル基やフェニル基等の有機基の切断反応(熱分解)が起こり、有機基が抜けた部分が空隙になり、また熱によってシリコーン樹脂の網目構造が破壊され、疎な構造である環状構造や鎖状構造に変化し、耐熱樹脂層の空隙率が10体積%よりも大きくなりやすくなる。
【0036】
また、耐熱樹脂層の膜厚を厚くする際には、1回の耐熱塗料の塗布によって形成しても良いが、複数回の塗布により形成したほうが好ましい。複数回の塗布を行う場合は、塗布ごとに乾燥、焼成を行った方が、残存している揮発成分によるピンホール状の塗膜欠陥を生じにくいため好ましい。
【0037】
【実施例1】
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。表1、2に実施例1〜6を示し、表3に比較例1〜4を示す。図1は本発明の調理器用トッププレートを示す説明図である。
【0038】
【表1】
Figure 2005038622
【0039】
【表2】
Figure 2005038622
【0040】
【表3】
Figure 2005038622
【0041】
表1〜3に示す調理器用トッププレートは以下のようにして作製した。
【0042】
まず市販のCu−Cr−Mn系黒色無機顔料とB−SiO系ガラス粉末からなるフリットに、樹脂及び有機溶剤を添加してペーストを作製した。なお無機顔料粉末とガラス粉末の混合割合は、質量比で7:3とした。次にこのペーストを日本電気硝子株式会社製の透明結晶化ガラス板N−0(30〜750℃の平均線熱膨張係数−4×10−7/℃)に表1に示す膜厚になるように、スクリーン印刷した。続いてペーストを100〜150℃で10〜20分間乾燥させた後、850℃で30分間焼成を行い、図1に示すように、結晶化ガラス板1に遮光層2を形成した。
【0043】
続いて遮光層上に全面にわたって、主成分として三官能性シリコーン又は二官能性シリコーンを含有するシリコーン樹脂と無機顔料を表に示す無機顔料含有量となるように混合し、有機溶剤を添加して作製した耐熱塗料をスクリーン印刷によって塗布した。なお、主成分として三官能性シリコーンを含有するシリコーン樹脂としては、KR−300(信越化学工業(株)製)を、主成分として二官能性シリコーンを含有するシリコーン樹脂としては、KR−271(信越化学工業(株)製)を使用した。また無機顔料としては、黒色の42−701A(日本フェロー(株)製)を使用した。
【0044】
次に表に示す焼成温度で焼成して耐熱樹脂層3を形成し、実施例1〜6及び比較例1〜4のトッププレートを作製した。
【0045】
このようにして作製したトッププレート(図1)の電磁加熱部分の耐熱樹脂層上に、熱電対の接着に用いられるグリス(シリコーン樹脂)を塗布した。室温で放置後、調理器の上面となるトッププレート面(即ち、遮光層が形成されていない面)を観察したところ、実施例1〜6では、接着剤(グリス)の接着痕が全く認められなかったのに対し、比較例1〜4では、接着剤の接着痕が見られ、外観上好ましくなかった。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の調理器用トッププレートは、温度センサーの接着痕が目立たず、良好な外観を有しており、電磁加熱装置を備えた調理器のトッププレートとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の調理器用トッププレートを示す説明図である。
【符号の説明】
1 低膨張透明結晶化ガラス板
2 遮光層
3 耐熱樹脂層

Claims (12)

  1. 電磁加熱装置を備えた調理器のトッププレートとして用いられる調理器用トッププレートであって、低膨張透明結晶化ガラス板の表面に無機顔料とガラスからなる多孔質の遮光層が形成され、前記遮光層の少なくとも電磁加熱部分上に耐熱樹脂層が形成されてなり、耐熱樹脂層の空隙率が10%以下であることを特徴とする調理器用トッププレート。
  2. 遮光層の表面粗さがRaで1.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の調理器用トッププレート。
  3. 遮光層の膜厚が0.1〜5μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の調理器用トッププレート。
  4. 耐熱樹脂層の膜厚が1〜50μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  5. 耐熱樹脂層を構成する樹脂が、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、又はそれらの複合体を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  6. 耐熱樹脂層を構成する樹脂が、主成分として三官能性シリコーンを含有してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  7. 耐熱樹脂層を構成する樹脂が、フェニル基を有するシリコーン系樹脂を含有し、耐熱樹脂層においてフェニル基とSiとのモル比(フェニル基/Si)が0.1〜1.2であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  8. 耐熱樹脂層を構成する樹脂が、メチル基を有するシリコーン系樹脂を含有し、耐熱樹脂層においてメチル基とSiとのモル比(メチル基/Si)が0.1〜1.6であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  9. 耐熱樹脂層が、無機顔料成分を0〜50質量%含有してなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  10. 樹脂成分のみのクリア層が、遮光層又は耐熱樹脂層の上に形成されてなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  11. 遮光層及び耐熱樹脂層が、電磁加熱装置と対向する面に形成されてなることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
  12. 低膨張透明結晶化ガラス板が、30〜750℃における平均線熱膨張係数が−10〜+30×10−7/℃である結晶化ガラスからなることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の調理器用トッププレート。
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