JP2005037742A - 定着装置 - Google Patents

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Kazuhiko Arai
和彦 新井
Masanori Kobayashi
政憲 小林
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Abstract

【課題】 ベルト基材上に少なくとも弾性層および表面樹脂層をこの順に形成した加圧搬送ベルトを使用した場合、定着時においてその表面樹脂層が記録用紙のエッジ部により損傷を受けることを抑制することができる定着装置を提供する。
【解決手段】 定着ベルト(10)がベルト基材(12)上に少なくとも弾性層(13)を形成した構造のベルトであるとともに、加圧搬送ベルト(35)がベルト基材(32)上に少なくとも弾性層(33)および表面樹脂層(34)をこの順に形成した構造のベルトである定着装置において、その加圧搬送ベルトの微小硬度が定着ベルトの微小硬度よりも大きくなるように構成した。
【選択図】 図5

Description

本発明は、定着対象のトナー像を担持する記録用紙を、加熱されて回転する無端状の定着ベルトとこの定着ベルトの外周面に所定の距離だけ接触して回転する無端状の加圧搬送ベルトとの間に導入してその両ベルト間に挟んだ状態で搬送した後に剥離して排出するタイプの定着装置に関するものであり、特に、その加圧搬送ベルトが記録用紙のエッジ部で損傷を受けることを抑制することが可能な定着装置に関するものである。
近年、電子写真方式、静電記録方式等を利用したプリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置に使用される定着装置として、次のようなベルト定着装置が提案されている。そのベルト定着装置とは、回転する張架状態の定着ベルトと、この定着ベルトに所定の距離だけ接触しながら同じ方向に回転する張架状態の加圧搬送ベルトとを使用し、その定着ベルトと加圧搬送ベルトが接触して形成されるベルトニップ部に、未定着のトナー像が担持された記録用紙をそのトナー画像担持面が定着ベルト側に接するように導入して挟持搬送させ、その搬送過程で冷却した後に定着ベルトから剥離させることで定着を行うタイプのものである(特許文献1、2)。
このタイプの定着装置によれば、記録用紙上の定着対象のトナー像が定着ベルトの平滑な表面に密着した状態で冷却固化された後に定着ベルトから剥離されることで定着ベルトの平滑面にならった表面平滑なものとなるため、特に光沢感に優れた定着画像が得られるという利点がある。また、記録用紙の定着ベルトからの剥離はトナーが冷却固化された後に行われるため、そのトナーの一部が定着ベルトに転移付着してしまうオフセット現象も発生しにくくなるという利点もある。
一方、このような定着ベルトと加圧搬送ベルトを併用する定着装置にあっては、次のような問題がある。
すなわち、かかる定着装置ではベルトニップ部で互いに接触する定着ベルトと加圧搬送ベルトとを等速度で回転させているが、例えば定着動作時にその定着ベルトと加圧搬送ベルトとの間に相対的な位置ずれが起こると、その各ベルトの外周面に表裏各面がそれぞれ貼り付いた状態にある記録用紙がその両ベルト間の相対的な位置ずれを吸収するかのように座屈状態で変形し、その部分に小さな筋状の折れしわ(折れ曲がり)が発生することがある。このような折れしわが記録用紙に発生した場合には、その折れしわの発生した部分やその周辺部に存在する定着画像が乱れたりあるいはその光沢感が低下してしまうことになる。
これに対して本出願人は、かかる問題を解決するため、最近、その加圧搬送ベルトとして記録用紙に対し低摩擦性を示すシリコーン樹脂等からなる表面樹脂層を形成したものを使用するように構成した定着装置に関する提案を行っている。この提案の定着装置によれば、定着動作時にその加圧搬送ベルトと定着ベルトとの間で相対的な位置ずれが発生しても、記録用紙が低摩擦性を示す表面樹脂層を有する加圧搬送ベルトとの間で滑るようになって両ベルト間の相対的な位置ずれを吸収するようになり、この結果、記録用紙に前記したような筋状のしわが発生しにくくなる。
特開平5−72926号公報 特開平7−219366号公報
しかしながら、この表面樹脂層を形成した加圧搬送ベルトを使用する定着装置においては、次のような問題がある。
まず、かかる定着装置においても、記録用紙の表裏両面に画像を形成する場合(両面画像形成時)、その記録用紙の第2面目に形成される未定着トナー像の定着を行う際に、その記録用紙の第1面目が加圧搬送ベルト側に位置することになるが、その第1面目に形成された高光沢の定着済みトナー像の状態を乱すことなく維持させるため、加圧搬送ベルトもその定着済みトナー像による微細な凹凸、その用紙自体の微細な凹凸等に追従して弾性変形して吸収するような特性を有する必要がある。このような事情から、加圧搬送ベルトの前記表面樹脂層の下方側には弾性層を形成することが有効となる。この場合、加圧搬送ベルトは、ベルト基材上に少なくとも弾性層および表面樹脂層をこの順に形成した構造のベルトとなる。一方、定着ベルトについては、通常ベルト基材上に少なくとも弾性層を形成した構造のベルトが使用される。
ところが、このような弾性層を形成した加圧搬送ベルトと定着ベルトとが加圧下で接して形成される定着加圧部(ベルトニップ部の一部)に記録用紙、特に厚めの用紙が突入した場合、その加圧搬送ベルトも弾性層を主にして変形するが、その加圧搬送ベルトにおける表面樹脂層が特に記録用紙のエッジ部に対応した変形に耐え切れなくなり、遂には表面樹脂層に亀裂が入り損傷を受けてしまうということがある。このように加圧搬送ベルトに亀裂が入ってしまうと、両面画像形成時の第2面目の定着を行う際に、その第1面目の定着済みトナー像に亀裂部分が転写されて画質の低下を招く等の不具合がある。また、最悪の場合には、その亀裂をきかっけに加圧搬送ベルトの表面樹脂層全体が剥がれおちてしまうこともある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その主な目的とするところは、ベルト基材上に少なくとも弾性層および表面樹脂層をこの順に形成した加圧搬送ベルトを使用した場合、定着時においてその表面樹脂層が記録用紙のエッジ部により損傷を受けることを抑制することができる定着装置を提供することにある。
本発明の定着装置は、回転する無端状の定着ベルトと、この定着ベルトを加熱する加熱手段と、この加熱手段により加熱された前記定着ベルトの外周面に所定の距離だけ接触して同じ方向に回転する無端状の加圧搬送ベルトと、この加圧搬送ベルトと前記定着ベルトとが接触している間に導入される定着対象のトナー像を担持する記録用紙をその定着ベルトの外周面に圧接させるように加圧する加圧手段とを備え、かつ、前記定着ベルトがベルト基材上に少なくとも弾性層を形成した構造のベルトであるとともに、前記加圧搬送ベルトがベルト基材上に少なくとも弾性層および表面樹脂層をこの順に形成した構造のベルトである定着装置において、前記加圧搬送ベルトの微小硬度が前記定着ベルトの微小硬度よりも大きくなるように構成されていることを特徴とするものである。
上記微小硬度は、後述する微小硬度計を用いた測定方法により求められる値である。また、加圧搬送ベルトの微小硬度は、定着ベルトの微小硬度に対して1.5〜3倍程度の値であることが好ましい。
また、本発明の定着装置においては、その加圧搬送ベルトの弾性層の硬度が定着ベルトの弾性層の硬度よりも大きくなるように設定するとよい。
これにより、加圧搬送ベルトの微小硬度が定着ベルトの微小硬度よりも大きい関係にすることが可能になる。また、この関係にすることは、例えば定着ベルトの弾性層の厚みと加圧搬送ベルトの弾性層の厚みとが同じ場合にしなければならないときに有効である。この場合、硬度は、後述するような測定方法により求められる値である。また、定着ベルトの弾性層の硬度は、加圧搬送ベルトの弾性層の硬度に対して1.5〜3倍程度の値であることが好ましい。
また、本発明の定着装置においては、その加圧搬送ベルトの弾性層の厚みが定着ベルトの弾性層の厚みよりも小さくなるように設定するとよい。
これにより、例えば、定着ベルトの弾性層の硬度と加圧搬送ベルトの弾性層の硬度とが同じ場合であっても、加圧搬送ベルトの微小硬度が定着ベルトの微小硬度よりも大きい関係にすることが可能になる。この場合、加圧搬送ベルトの弾性層の厚みは、定着ベルトの弾性層の厚みに対して1/3〜2/3倍程度の値であることが好ましい。
さらに、本発明の定着装置においては、その加圧搬送ベルトの弾性層の硬度が定着ベルトの弾性層の硬度よりも大きくなるように設定するとともに、その加圧搬送ベルトの弾性層の厚みがその定着ベルトの弾性層の厚みよりも小さくなるように設定するとよい。
これにより、加圧搬送ベルトの微小硬度が定着ベルトの微小硬度よりも大きい関係にすることがより一層可能になる。
また、以上の各定着装置においては、加圧搬送ベルトの表面樹脂層の引張破断伸びが5%を超えるように、好ましくは7〜12%となるように設定するとよい。
これにより、表面樹脂層は、定着時にベルトニップ部における定着加圧部に突入する記録用紙の存在により変形することがあっても、その変形に少しでも追従するように表面樹脂層自体も変形できるようになり、この結果、その変形に耐え切れず、すぐに亀裂が発生してしまうことは少なくなる。この表面樹脂層は、離型性を有する合成樹脂で形成したものが好ましい。
なお、上記加熱手段としては、例えば加熱ロール、接触式加熱板、輻射型加熱器等などを使用することができる。上記加圧手段としては、例えば加圧ロール対を使用することができるが、特にこれに限定されない。上記記録用紙は、定着装置内を搬送してトナー像の定着が可能なものであればよく、通常の用紙や塗工紙に限らず、OHPシート、ハガキ、封筒等のような部材を含むものである。上記トナー像を構成するトナーは、着色剤等を含有させたバイダー樹脂からなる微粉体であり、一般に一成分または二成分現像剤として使用されるものである。
このような本発明の定着装置によれば、定着時において定着ベルトと加圧搬送ベルトとが接触して形成されるベルトニップ部の定着加圧部に、定着対象のトナー像を担持する記録用紙が導入された際、その記録用紙(のエッジ部)に対する加圧搬送ベルトの弾性層を主とした変形がその定着ベルトの弾性層を主とした変形よりも小さくなる。
これにより、かかる変形に起因して加圧搬送ベルトの表面樹脂層に亀裂が発生しにくくなる。この結果、定着時においてその表面樹脂層が記録用紙のエッジ部により亀裂等の損傷を受けることが抑制されるようになり、かかる損傷部分の存在により、両面画像形成時の第2面目の定着時における第1面目の定着済みトナー像が乱れることが少なくなる。
以下、実施例を挙げて本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る定着装置の要部を示す概略構成図である。この定着装置1は、プリンタ、複写機等の画像形成装置における定着手段として使用される。図中の実線矢印は主な回転部品の回転方向を示す。
定着装置1は、回転するように支持される無端状の定着ベルト10と、この定着ベルトを加熱する加熱ロール20、21と、この加熱ロール20、21により加熱された定着ベルト10を挟むような状態で対向して圧接配置される一対の加圧ロール30、31と、この一対の加圧ロールのうち定着ベルト10の外周面側に配置される第2加圧ロール31にも支持されつつ定着ベルト10と所定の距離だけ当接して同じ方向に移動するように回転する無端状の加圧搬送ベルト35と、加圧ロール30、31を通過した後の定着ベルト10の内周面側に接触するように配置されて定着ベルト10等を冷却する冷却装置としての熱循環器40等を具備するものである。図中の符号Pは記録用紙、Tはその記録用紙に担持されるトナー像である。また、矢付一点鎖線は記録用紙Pの搬送経路を示す。
定着ベルト10は、図2に示すように、カーボングラックを含有させたポリイミド等からなる厚さ40〜100μm程度のベルト基材12上に、厚さ40〜100μm程度のシリコーン系ゴム、フッ素系ゴム等からなる弾性層13を形成した2層構造のものである。この定着ベルト10は、その周長が約1300mm、その幅が約360mmである。また、定着ベルト10は、第1加熱ロール20、第2加熱ロール21、第1加圧ロール30、複数の支持ロール15〜18等に張架されており、駆動ロールとして兼用されている第1加圧ロール30によって矢印A方向に回転するようになっている。なお、定着ベルト10は、必要に応じて、その弾性層13の上や弾性層13と基材12の間などに表面層、接着層などの他の層が形成されていてもよい。
ベルト支持ロール17は、定着ベルト10を急激に曲がった状態で移動走行させるように支持し、これにより定着ベルト10に密着して搬送される記録用紙Pをそれ自身のこしの強さにより自力で剥離させるための剥離用ロールとして機能する。第2加熱ロール21は、その回転軸の一端側が変位して定着ベルト10の蛇行走行を矯正するステアリングロールとして機能するようにもなっている。
第1加熱ロール20は、円筒状の金属(アルミニウム等)製ロールの内部にハロゲンランプ等の加熱源22を配置した構造からなるものであり、定着ベルト10をその内周面側から加熱する。また、第2加熱ロール21は、円筒状の金属製ロールの内部にハロゲンランプ等の加熱源23を配置した構造からなるものであり、定着ベルト10をその外周面側から加熱する。
加圧搬送ベルト35は、図3に示すように、ポリイミド等からなる厚さ40〜100μm程度のベルト基材32上に、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム等からなる厚さ40〜100μm程度の弾性層33と、さらにシリコーン樹脂等からなる厚さ3〜15μm程度の表面離型層34をこの順に積層形成した3層構造のものである。この表面離型層34は、特に記録用紙Pと定着ベルト20の樹脂層13との双方に対して良好な離型性を示すものである。またこの表面離型層34は、記録用紙P上のトナー像Tを構成するトナーに対しても良好な離型性を示す。この加圧搬送ベルト35は、その周長が約900mm、その幅が360mm程度である。なお、加圧搬送ベルト35は、必要に応じて、その弾性層33と表面離型層34の間や表面離型層34の上や弾性層33と基材32の間などに表面層、接着層などの他の層が形成されていてもよい。
また、加圧搬送ベルト35は、第2加圧ロール31、ステアリングロール36、複数のベルト支持ロール37〜39に張架されており、第1加圧ロール30と第2加圧ロール31の間に挟まれて第1加熱ロール30の回転動力が伝達されることによって矢印B方向に従動回転するようになっている。この加圧搬送ベルト35は、第2加圧ロール31とベルト支持ロール39の区間で定着ベルト10の外周面と接して同じ方向に回転移動する。ステアリングロール36は、その回転軸の一端側が所定の方向に所定量だけ変位することにより加圧搬送ベルト35の蛇行走行を矯正するようになっている。
加圧ロール30、31はいずれも円筒形の金属(アルミニウム等)製ロール基体にシリコーンゴム等からなる厚さ6mm程度の耐熱弾性層を形成した構造のものであり、図示しない加圧機構により所定の加圧力(例えばニップ圧力が3.5×105Pa程度になる圧力)でもって圧接し、そのニップ幅が20mm程度となるように設置されている。また、この加圧ロール30、31では、その内部空間に図示しないハロゲンランプ等の加熱源を配し、主にこのロールを定着動作時の温度まで上昇させるいわゆるウォームアップ時のみの加熱を行う(定着動作時には原則として加熱しない)ようにしている。
熱循環器40は、第1加圧ロール30とベルト支持ロール17との間で定着ベルト10の内周面に接する第1金属板41と、ベルト支持ロール18と第1加熱ロール20の間で定着ベルト10の内周面と接する第2金属板42と、その第1金属板41と第2金属板42に結合されて第1金属板41の熱を第2金属板42に移動させて循環させる熱輸送体43とで構成されている。
金属板41、42はいずれもアルミニウム等の金属にて形成される板状のものであり、そのベルト接触面が少なくとも外側に突出しかつベルト走行方向に方向に緩やかに湾曲した湾曲面に形成されている。熱輸送体43としては、管のなかに液体を減圧して封入し、熱抵抗が非常に小さく、小さな温度差でも多くの熱を低温側に高速で輸送できる複数本のヒートパイプを使用している。そのヒートパイプは、各金属板41、42の内面側にそれぞれ触れて通過しながら各板間を循環するようなほど四角形の環状形状に組んで使用している。
この熱循環器40は、第1金属板41が加熱された状態にある定着ベルト10から熱を奪うと、その熱が熱輸送体43としてのヒートパイプの熱伝導作用により、第1金属板41に比べて低温状態にある第2金属板42側に伝えられる。これにより、第1金属板41が接する定着ベルト部分を吸熱して所定の温度まで冷却する一方、第2金属板42が接する定着ベルト部分を所定の温度になるまで加熱する仕組みになっている。また、この熱循環器40は、その上記したような熱循環の効果をより高める観点から、例えば定着ベルト10のベルト支持ロール17、18の間となる内周面に冷却装置(例えばヒートシンク等の放熱部材など)を設置し、第1金属板41と第2金属板42との間の温度勾配を大きくするとよい。
また、この定着装置1は、図1に示すように、第2加熱ロール21の周囲にウェブ式のオイル供給装置50を設置している。
オイル供給装置50は、離型性オイルを含浸させたウェブ51を送出ロール52により所定の速度で送り出し、その送り出されるウェブ51をスポンジロール等の押圧ロール53により第2加熱ロール21の表面に圧接させた後に、巻取ロール54によって巻き取るようになっている。これにより、ウェブ51に含まれる離型性オイルが加熱ロール21に塗布された後に、最終的に定着ベルト10の外周面に供給される。この結果、定着ベルト10は、その外周面へのトナーや紙粉の付着が起こりにくい状態におかれる。ここで、そのウェブ51としては、定着ベルト10の幅とほぼ同じ幅を有する不織布からなる布状シートを使用している。ウェブ51の送り速度は1〜4mm/min程度に設定される。また、離型性オイルとしては、ジメイチルシリコーンオイル等を使用し、これをウェブ51に例えば25g/m2の量だけ含浸させている。
そして、この定着装置1においては、後述する試験結果などに基づいて、加圧搬送ベルト35の微小硬度が定着ベルト10の微小硬度に対して大きくなる値、好ましくは1.5〜3倍程度の値となるように設定している。
この微小硬度の大小関係にするための設定は、同じく後述する試験結果から判明した情報に基づいて、定着ベルト10における弾性層13の硬度:M1や厚み:d1と加圧搬送ベルト35における弾性層33の硬度:M3や厚み:d3とを適宜変更して組み合わせることで行った。また、同じく後述する試験結果に基づいて、加圧搬送ベルト35における表面離型層34の引張破断伸び:Kが少なくとも5%以上になるように設定した。
上記微小硬度は、ダイナミック超微小硬度計(島津製作所製:DUH−201)を用いて以下の条件で測定したときに得られるものである。すなわち、その硬度計における三角錐圧子(稜間角115°、ベルコビッチタイプ)の先端を、試料面(ベルト10、35におけるベルト基材とは反対側の面)に垂直に速度一定で押し込み、そのときの変位量DがD=3μmとするときに必要な試験力:荷重P(mN)を計測し、その値を下記算出式に代入して求められる微小硬度(ダイナミック硬さ、単位DH)である。例えば、その荷重Pが0.5mNであった場合、そのときの微小硬度は0.021DHとなる。
微小硬度(DH)=3.8584×P/D2
また、弾性層13、33の硬度は、JIS K6250の測定法に準拠してJIS A式硬度計で求められるものである。さらに、表面離型層34の引張破断伸びは、JIS K6249の測定法に準拠して求められるものである。
ちなみに、加圧搬送ベルト35としては、シリコーンゴム(信越化学製:DX−35−547)からなるゴム層(硬度M3=47Hs、厚みd3=40μm、ヤング率:2.5MPa、この層の微小硬度:0.055DH)と、シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン製:SR2316)からなる樹脂層(厚み:5μm、ヤング率:100MPa、引張破断伸び:5%、この層の微小硬度:6.2DH)を形成したものを使用した。一方、定着ベルト10としては、シリコーンハイブリッド型フッ素ゴム(信越化学製:SIFFL610)からなるゴム層(硬度M3=25Hs、厚みd1=80μm、ヤング率:1.0MPa)を形成したものを使用した。この定着ベルト10の微小硬度は0.021DHであった。
このような定着装置1では、画像形成装置の作像部側においてトナー画像Tが転写された記録用紙Pに対して以下のごとき定着が行われる。
まず、未定着のトナー像Tが転写された記録用紙Pが、図1や図4に示すように、用紙搬送ベルト、搬送ガイド等の搬送手段(図示せず)によりそのトナー像担持面を定着ベルト10に当接させる姿勢で搬送されて、定着ベルト10と加圧搬送ベルト35とが加圧ロール30、31に挟まれた状態で互いに接触し始めるベルト間となる定着加圧部Nに導入される。
この際、定着装置1における定着ベルト10は、主に第1加熱ロール20および第2加熱ロール21を通過する際にその内周面側および外周面側から順次加熱されて回転移動する。このときの定着条件は、例えば、第1加熱ロール20が180℃に、第2加熱ロール21が185℃に、第1加圧ロール30が145℃に、第2加圧ロール31が90℃にそれぞれ加熱される。また、定着ベルト10は、355mm/secの速度で回転させるとともに、冷却装置40によって剥離用のベルト支持ロール17が70℃程度になるような温度まで冷却させる。
続いて、記録用紙Pは、定着ベルト10と加圧搬送ベルト35とに挟持されて定着ベルト10に密着した状態で搬送されるとともに、熱循環器40の熱循環により熱が奪われる第1金属板41を通過する際にトナー画像と一緒に所定の温度以下に冷却される。この冷却によりトナー像が固化される。熱循環器40の第1金属板41を通過した記録用紙Pは、ベルト支持ロール17のある剥離部において紙自身の腰の強さにより自力で定着ベルト10から、トナー像とともに剥離される。この剥離された記録用紙Pは装置外に排出される。
以上の工程を経ることによりトナー像が記録用紙に定着される。このときの定着画像は、特に定着ベルト10の平滑な表面にならい平滑化された光沢感に富む画像として得られる。
また、この定着装置1による定着時には、図5に模式的に示すように(トナー像Tの図示は割愛している)、定着ベルト10と加圧搬送ベルト35とが接触して形成されるベルトニップ部の定着加圧部Nにトナー像Tを担持する記録用紙Pが導入された際、その記録用紙のエッジ部Paに対する加圧搬送ベルト35の弾性層33を主とする変形(量)が、その定着ベルト10の弾性層13を主とする変形(量)よりも小さくなる。また、表面離型層34自体もその変形に少し追従するようにある程度伸びた状態になる。
これにより、その変形に起因して加圧搬送ベルト35における表面離型層34の特に記録用紙のエッジ部Paが当接する部位に亀裂が発生しにくくなる。この結果、定着時においてその表面離型層34が記録用紙のエッジ部Paにより亀裂等の損傷を受けることが抑制(防止)されるようになり、かかる損傷部分の存在により両面画像形成を行う場合の第2面目の定着時においてその第1面目の光沢感に富む定着済みトナー像が乱れる等の不具合が発生することは少なくなる。
[評価試験]
上記したような加圧搬送ベルト35における表面離型層34の損傷に対する抑制効果を確認するため、以下のような評価試験を行った。
<試験1>
試験1は、実施形態1に係る定着装置において、定着ベルト10として下記の条件からなるものを使用するとともに、加圧搬送ベルト35として下記の条件および表1に示す各条件(特性)からなるものをそれぞれ使用した。
定着ベルト10のベルト基材12としては、カーボングラックを含有させたポリイミドからなる厚さ50μmのものを使用した。その弾性層13については、前述した通りのシリコーンハイブリッド型フッ素ゴム(信越化学製:SIFFL610)からなるゴム層(硬度M3=25Hs、厚みd1=80μm、ヤング率:1.0MPa)をそのまま使用した。このベルト10の微小硬度は0.021DHであった。
加圧搬送ベルト35のベルト基材32としては、ポリイミドからなる厚さ80μmのものを使用した。その弾性層33としては、シリコーンゴム(信越化学製:DX−35−5シリーズ)からなるゴム層(その硬度M3、厚みd3、およびヤング率については表1に示すもの)を使用した。その表面離型層34としては、前述した通りのシリコーン樹脂(信越化学製:SR2316)からなる樹脂層(厚み:5μm、ヤング率:100MPa、引張破断伸び:5%、この層の微小硬度:6.2DH)をそのまま使用した。
そして、このような条件からなる定着ベルト10および加圧搬送ベルト35を使用した定着装置1を前述したような定着時と同じ条件で駆動し、同種の記録用紙P(厚み330μm、270gsm)をその加圧搬送ベルト35のほぼ同一部位に接触するようなタイミングでベルトニップ部に100枚連続して導入して通過させ、そのときに加圧搬送ベルト35の表面離型層34に当該記録用紙Pの通過に起因した亀裂が発生したか否かについて調べた。そのときの結果は、以下の基準で評価した。また、亀裂が発生した場合には、その最初の亀裂が発生したときの通紙枚数を調べた。結果を表1に示す。
×:前半の段階で亀裂が発生した。
△:後半の段階で亀裂が発生した。
○:100枚通紙した段階でも亀裂は発生しなかった。
Figure 2005037742
表1の結果から明らかなように、加圧搬送ベルト35の微小硬度が定着ベルト10の微小硬度(0.021DH)よりも小さい関係にある場合(サンプルNo.1〜2)には、用紙通過の前半の段階(または初期段階)で表面離型層34に亀裂がすぐに発生することわかった。また、加圧搬送ベルト35の微小硬度が定着ベルト10の微小硬度と同じ場合(サンプルNo.3)には、亀裂が発生しにくくなるが、70枚の用紙を通過した後半の段階で亀裂が発生した。これに対し、加圧搬送ベルト35の微小硬度が定着ベルト10の微小硬度(0.021DH)よりも大きい関係にある場合(サンプルNo.4〜6)には、100枚の用紙を連続して通過させても表面離型層34に亀裂が発生しなかった。
このことから、表面離型層34における亀裂の発生を抑制するためには、少なくとも、加圧搬送ベルト35の微小硬度が定着ベルト10の微小硬度(0.021DH)よりも大きい関係に設定することが有効であることが判明した。なお、微小硬度は、弾性層の硬度(またはヤング率)とその厚みの設定により値が変わる。
また、その亀裂の発生を抑制するためには、微小硬度の関係とほぼ相応するが、その定着ベルトの弾性層の硬度を加圧搬送ベルトの弾性層の硬度よりも大きくなるように設定すること(サンプルNo.5)も有効であることが判明した。また同じく、その定着ベルトの弾性層の厚みを加圧搬送ベルトの弾性層の厚みよりも小さくなるように設定すること(サンプルNo.4)も有効であることが判明した。さらに同じく、その定着ベルトの弾性層の硬度を加圧搬送ベルトの弾性層の硬度よりも大きくなるように設定するとともに、その定着ベルトの弾性層の厚みを加圧搬送ベルトの弾性層の厚みよりも小さくなるように設定すること(サンプルNo.6)も有効であることが判明した。
<試験2>
試験2は、加圧搬送ベルト35として、試験1におけるサンプルNo.3の弾性層を形成するとともに、引張破断伸びが1%、5%、10%からなる表面離型層34をそれぞれ形成したものを使用した以外は試験1と同様にして表面離型層34に亀裂が発生するか否かについて調べ、同様の基準で評価した。その結果は以下の通りであった。
引張破断伸び1%の場合:×(1枚目で亀裂発生)
引張破断伸び5%の場合:△(70枚目で亀裂発生)
引張破断伸び10%の場合:○
このことから、表面離型層34の引張破断伸びが5%である場合には、その伸びが1%のときに比べると亀裂が発生しなくなることが判明した。さらに、その伸びについて5%を超えた値に設定すると、亀裂の発生を十分に抑制できるようになることが判明した。すなわち、試験1のサンプルNo.3では70枚目で亀裂が発生したが、表面離型層34の引張破断伸びを10%に設定することで100枚の連続通紙を行ったときでも亀裂が発生しなくなった。
実施形態1に係る定着装置の要部を示す概略構成図である。 定着ベルトの層構造を示す要部概略断面図である。 加圧搬送ベルトの層構造を示す要部概略断面図である。 定着開始時における定着加圧部の定着ベルトおよび加圧搬送ベルトの状態などを示す要部断面説明図である。 定着時に記録用紙が定着加圧部に突入したときの定着ベルトおよび加圧搬送ベルトの変形状態などを示す要部断面説明図である。
符号の説明
1…定着装置、10…定着ベルト、20,21…加熱ロール(加熱手段)、30、31…加圧ロール(加圧手段)、35…加圧搬送ベルト、12,32…ベルト基材、13,33…弾性層、34…表面離型層(表面樹脂層)、T…トナー像、P…記録用紙。

Claims (5)

  1. 回転する無端状の定着ベルトと、この定着ベルトを加熱する加熱手段と、この加熱手段により加熱された前記定着ベルトの外周面に所定の距離だけ接触して同じ方向に回転する無端状の加圧搬送ベルトと、この加圧搬送ベルトと前記定着ベルトとが接触している間に導入される定着対象のトナー像を担持する記録用紙をその定着ベルトの外周面に圧接させるように加圧する加圧手段とを備え、
    かつ、前記定着ベルトがベルト基材上に少なくとも弾性層を形成した構造のベルトであるとともに、前記加圧搬送ベルトがベルト基材上に少なくとも弾性層および表面樹脂層をこの順に形成した構造のベルトである定着装置において、
    前記加圧搬送ベルトの微小硬度が前記定着ベルトの微小硬度よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記加圧搬送ベルトの弾性層の硬度が前記定着ベルトの弾性層の硬度よりも大きくなるように設定されている請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記加圧搬送ベルトの弾性層の厚みが前記定着ベルトの弾性層の厚みよりも小さくなるように設定されている請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記加圧搬送ベルトの弾性層の硬度が前記定着ベルトの弾性層の硬度よりも大きくなるように設定されているとともに、その加圧搬送ベルトの弾性層の厚みがその定着ベルトの弾性層の厚みよりも小さくなるように設定されている請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記加圧搬送ベルトの表面樹脂層はその引張破断伸びが5%以上を超える値となるように設定されている請求項1〜4のいずれかに記載の定着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102096361A (zh) * 2009-12-10 2011-06-15 夏普株式会社 定影装置、图像形成装置、定影装置的评价方法

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