JP2007079049A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルトニップ方式の定着装置において、エンドレスベルトの波打ち防止と波打ちによる未定着トナー像の定着ローラへの擦れ跡、エンドレスベルトのスリップの発生を防止する。
【解決手段】
熱源を有する定着ローラ51とエンドレスベルト52外周面間の静止摩擦係数をμ1、加
圧ローラ56とエンドレスベルト52内周面間の動摩擦係数をμ2、圧力付与部材100
とエンドレスベルト52内周面間の動摩擦係数をμ3、加圧ローラ56の定着ローラ51
への加圧力をN1、圧力付与部材1の定着ローラへの加圧力をN2、定着ローラ51の周速をV1、加圧ローラ56の周速をV2F1=μ1・N1、F2=μ2・N1、F3=μ3・N2、と
したとき、F1-F3>|F2|、V1<V2を満たす。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式を利用して、画像を記録材上に形成してハードコピーを得る複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置及びその定着装置に関し、特に離型剤を有するトナーからなる未定着画像を定着するベルトニップ方式の定着装置に関するものである。
従来より、記録シート上に担持された未定着トナー像を加熱・溶融して定着する装置としてローラ定着装置が知られている。回転可能に支持された定着ローラと、同じく回転可能に支持された加圧ローラとを圧接し、これらの間に記録シートを送り込んで加熱、加圧して定着する構成となっている。
また、エンドレスベルトを用いて定着ニップを広げたベルトニップ方式の定着装置が提案されている。回転可能に支持された加熱定着ローラと、無端移動が可能な加圧ベルトとを圧接し、これらの間に記録シートを送り込んで定着する方法で、ベルトニップ方式等と称されている。
特許文献1には、定着ローラにエンドレスベルトを巻きつけることで定着ニップを広げ、エンドレスベルト内部に加圧ローラを設けて加圧力を付与している方式が提案されている。
特許文献2には、加圧ローラ(または本発明では「分離ローラ」と称する)のみではなく、圧力付与部材をエンドレスベルト内部に設け、定着ローラに対して圧接することで画像欠陥を防止しようとする構成もある。
特許文献2のようなベルトニップ方式の定着装置について図2にもとづいて詳細に説明する。
回転自在に配設された定着ローラ51と、複数のローラ55、56、57に張架され定着ローラ51に圧接しながら回転するエンドレスベルト52とエンドレスベルトを定着ローラ51へ加圧する圧力付与部材100(または「加圧パッド」と称する)とを有した構成となっている。
定着ローラ51はAl、Feなどからなる芯金上にシリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体層を被覆した構成になっている。エンドレスベルト52はポリイミド等の樹脂またはニッケル等の金属からなる基材の表面にシリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体層を被覆した構成になっている。
また、定着ローラ51には不図示のクリーニング装置が取り付けられ、このクリーニング装置により定着ローラ51上にオフセットしたトナー等のクリーニングがなされている場合もある。
また、離型剤塗布装置により、離型剤であるシリコーンオイル等が定着ローラ51に塗布され、該定着ローラ51からの記録材Pの分離の容易化及びトナーのオフセットの防止が図られる場合もある。しかし、シリコーンオイルの塗布ムラが画像上の光沢むらになることから、最近は、トナーが離型剤を含有し、離型剤塗布装置を備えないいわゆるオイルレス定着器が主流になりつつある。その場合の定着ローラ弾性層の外側にフッ素樹脂等からなる離型層を設ける場合もある。
エンドレスベルト52は、ポリイミド等の耐熱性樹脂やSUSなどの円筒状基材の外周にシリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性層を設けている。定着ローラ同様、トナーが離型剤を含有する場合はエンドレスベルト弾性層の外側に離型層を設ける場合もあるし、弾性層が無く基材と離型層のみの場合もある。
圧力付与部材100は金属のベースプレート102上にシリコーンゴム等の弾性層101と表層にPTFEなどの低磨耗層103をそなえている。
ローラ56はSUSなどの金属からなる分離ローラでエンドレスベルト52を介して定着
ローラ51に食い込むように加圧することにより定着ローラ51の弾性体を変形させ記録材Pを定着ローラ51表面から分離させている。
ローラ57はSUSなどの金属芯金の表層に高摩擦係数層を設けて、揺動し、エンドレスベルトの寄り制御を行っている。また、エンドレスベルトにテンションを加えるテンションローラの役割を兼ねる場合もある。
定着ローラ51の内部には、ハロゲンランプ等のヒーター58が配設されている。また、定着ローラ51には不図示のサーミスタが接触または非接触に配設されており、温度調節回路を介してヒーター58への電圧を制御することにより定着ローラ51の表面の温度調節を行っている。
このベルトニップ方式の定着装置は、他に、幅広い定着ニップを形成してピーク圧力を下げることにより、定着ローラのゴム変形を少なくして寿命を延ばす、また、定着温度を下げることで省エネを可能にする等の多くのメリットがある。
定着ローラ及び分離ローラ(または、加圧ローラ)は、所定の圧力でお互い加圧されているため、各々の加圧力と部材の直径、部材の厚み、物性(ヤング率)等に応じて、中央部の圧力が抜けるように撓む。そのため、定着ローラおよび分離ローラが、軸方向の直径がどの位置でも同じであるいわゆるストレート形状である場合、エンドレスベルトを介して定着ローラに圧力を付与している分離ローラが形成するニップ形状は、以下のようになる。すなわち、この場合のニップ形状は、加圧部中央は撓み量分だけニップ幅が狭く、加圧部両端部に向かうにつれニップ幅が徐々に広くなる。
このように中央部が狭く両端部が広いニップ形状の場合、ニップの狭い部分に依存して記録材の剥離性が低下する等の問題が発生することがわかっている。このため、特許文献3に記載の定着装置では、軸方向にニップ幅を揃える方法として、加圧ローラ56の中央部の直径を端部に対して太くする、いわゆる正クラウン形状ローラを用いている。
特開平5-150679号公報 特開平11-045025号公報 特開平10-228199号公報 特開2001-201979号公報
しかし本発明者が前述の特許文献3記載同等の構成で定着すると、記録材の剥離不良や紙しわは発生しないが、エンドレスベルトの波打ちが発生した。このエンドレスベルトの波打ちによって、定着ニップ入口に記録材が搬送されてきたとき、記録材はエンドレスベルトによって持ち上げられ、定着ローラに未定着トナー像を擦ってしまい画像不良となる問題点が発生してしまった。
エンドレスベルトの波打ちに関しては、特許文献4に以下のように記載されている。図2において、エンドレスベルト52を張架する支持ローラ群55、56、57が以下の関係を満たす場合にベルトの波打ちを解消できると説明している。すなわち、分離ローラ56のクラウン量α、ローラ55の逆クラウン量をβ、ローラ57のクラウン量をγとしたとき3つの値が、
[α―(β+γ)]=0
となる場合である。
しかし、本現象のエンドレスベルトの波打ちは、軸方向で両端部に対して中央の直径が大きい加圧ローラ56をエンドレスベルト52を介して定着ローラ51に圧接していること自体が原因である。つまり、ローラ55、57は定着ローラ51に圧接されている訳ではないため、逆クラウン形状にしてもエンドレスベルトの長手の速度差を補正することはできないと考えられる。
この原因について本発明者は以下のように考えている。
図3に示すように、そもそも加圧ローラには正クラウンをつけると、エンドレスベルトの両端部はテンションが緩く、波打ちやすくなるのは特許文献4の通りである。
図4(a)に示すように、加圧ローラの回転速度をω、加圧ローラ周上でのエンドレスベ
ルトの移動距離を加圧ローラの長手中央でLc、端部でLeとする。加圧ローラには正クラウンがついているためLc>Leとなる。しかし、実際にはベルトは剛性のあるエンドレスベ
ルトのため加圧ローラ端部の移動距離はLes(=Lc)となる。つまり、Le→Lesとなるように
加圧ローラとエンドレスベルトが端部で滑っているか、あるいは定着ローラとエンドレスベルトが端部で滑っていることになる。
または逆に、図4(b)に示すように、Lc→Lcsとなるように加圧ローラとエンドレスベルトが中央部で滑っているか、あるいは定着ローラとエンドレスベルトが中央部で滑っていることも考えられる。
しかし、この現象は軸方向で両端部に対して中央の直径が大きい加圧ローラ56をエンドレスベルト52を介して定着ローラ51に圧接していること自体で発生しており、ローラ55、57とは関係なく発生する。このようにローラ57をテンションローラとしテンションを上げたり、ローラ55、57に逆クラウンをつけて補正したとしてもエンドレスベルトの波打ちを解消することは出来ない。
ベルトの波打ちを解消しようとして、エンドレスベルトと加圧ローラを滑らせてしまうと、エンドレスベルト自体がスリップしてしまうことが容易に推測できる。
そこで、本発明では、上記エンドレスベルトの波打ちを解決するとともに、同時にエンドレスベルトのスリップも発生しないことを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、記録材上の画像を定着する定着回転体と、前記定着回転体との間で定着ニップを形成するエンドレスベルトと、前記定着ニップにおいて前記ベルトを前記定着回転体に向けて加圧する加圧パッドと、前記ベルトを懸け回し前記定着回転体に対する分離部を形成し、回転軸方向の中央部で太く両端部で細い形状とされた加圧ローラと、を有する定着装置において、前記定着回転体と前記ベルト外周面間の静止摩擦係数をμ1、前記加圧ローラと前記ベルト内周面間の動摩擦係数をμ2、前記加圧パッドと前記ベルト内周面間の動摩擦係数をμ3、前記加圧ローラの前記定着回転体への加
圧力をN1、前記加圧パッドの前記定着回転体への加圧力をN2、前記定着回転体の周速をV1、前記加圧ローラの周速をV2とすると、F1=μ1・N1、F2=μ2・N1、F3=μ3・N2、F1-F3>|F2|、V1<V2を満足することを特徴とする。
また、前記ベルト内面に潤滑剤を塗布する塗布手段を有するようにしてもよい。
また、前記加圧ローラの表面粗さRzは5μm以下であることが好適である。
以上説明したように、本願発明に係る定着装置では、前記定着回転体と前記ベルト外周面間の静止摩擦係数をμ1、前記加圧ローラと前記ベルト内周面間の動摩擦係数をμ2、前記加圧パッドと前記ベルト内周面間の動摩擦係数をμ3、前記加圧ローラの前記定着回転
体への加圧力をN1、前記加圧パッドの前記定着回転体への加圧力をN2、前記定着回転体の周速をV1、前記加圧ローラの周速をV2とすると、F1=μ1・N1、F2=μ2・N1、F3=μ3・N2、F1-F3>|F2|、V1<V2とすることによって、定着ローラと加圧
ローラに挟まれたエンドレスベルトの長手の速度が定着ローラと周速差をもたずに密着して搬送され定着ローラの速度にならうように、かつ、加圧ローラとは滑りながら加圧ローラの長手の周速差の影響を受けないように構成し、エンドレスベルトの長手の周速差を解消することで波打ちを防止するものである。さらには、加圧パッドとエンドエスベルトの摩擦係数をさらに小さくすることでエンドレスベルトのスリップを防止するものである。
また、この摩擦係数の関係を実現するために、離型剤を有するトナーを用いれば定着ローラ上の離型剤塗布装置を不要となる。シリコーンオイル等を塗布する離型剤塗布装置があると定着ローラとエンドレスベルトの間の摩擦係数を下げてしまう。さらに、エンドレスベルト内部にもシリコーンオイル等の潤滑剤を塗布してしまうと、エンドレスベルトの回転駆動は定着ローラから受ける力も分離ローラから受ける力も不安定となりスリップが起きやすくなってしまう。離型剤を有するトナーを用いることで定着ローラに離型剤塗布装置を不用とすることで、エンドレスベルトの駆動は定着ローラから安定して受けることが出来るようになる。そのために、定着ローラ表層およびエンドレスベルトの表層にフッ素等の樹脂層を設けるほうが良い場合がある。
また、定着ローラとエンドレスベルト外面の摩擦係数よりも、エンドレスベルト内面と加圧ローラの摩擦係数を小さくするために、加圧ローラの表面の表面粗さを5μm以下と小さくしている。加圧ローラ表面の表面粗さを大きくするとエンドレスベルトとの摩擦係数が大きくなってしまい、波打ちが悪化してしまうからである。エンドレスベルト内面に潤滑剤を塗布することで波打ちはより解消しやすくなる。
また、定着ローラではなく熱源を有する定着回転体として定着ベルトを用いたほうが、より幅広い定着ニップ幅を得ることでき、定着装置の小型化に有利な場合もある。
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、これら実施例は、本発明における最良の実施の形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
<第一の定着装置>
図2により本発明にかかる定着装置1を説明する。なお、次の説明では前出の部材と同一の部材には同一の符号を付してある。
図2で、定着ローラ51は、内径φ37.8、外径φ38.4の0.3mm厚みのFeからなる芯金
上に、シリコーンゴムを0.5mm成形し、さらにその表面に30μm厚みのPFAチューブを被覆した外径φ40の長手方向にストレート形状の定着ローラを用いた。
定着ベルト(または「エンドレスベルト」と称する)52は、厚み100μmポリイミド
基層にシリコーンゴム層を厚み0.5mmで被覆した外径φ90のシームレスベルトを用いた
。定着ベルト52は、入口ローラ55、分離ローラ56、テンションローラ57の3本のローラに張架させた。入口ローラ55は定着器の入口のローラであり記録材が侵入してくる所であり記録材の搬送路を変更しないよう固定されている。テンションローラ57は定着ベルト52にテンションを与えるようバネ付勢されている。
分離ローラ56はSUSの中実ローラでエンドレスベルト52を介して定着ローラ51に
食い込むように加圧することにより定着ローラ51の弾性体を変形させ転写紙Pを定着ローラ51表面から分離している。本例では長手方向の中央部で外径φ15.5mm、両端部で15.0mmの正クラウン500μmとし、総圧50kgの加圧を行なった。分離ローラは定着ローラおよびエンドレスベルトと周速がほぼ同等となるように不図示の駆動源から回転駆動されている。
圧力付与部材100は、厚さ5mmのステンレス鋼製のベースプレート102の表面に
、ゴム硬度Hs30°のシリコーンゴムからなる弾性層101とPTFEをコーティングしたガラスクロスシートからなる低摩擦層103を積層して形成した。また、圧力付与部材100は、ベースプレート102側に配置された不図示のバネによって定着ローラ51に向けて押圧されている。
本例では、圧力付与部材に総圧N2=50kgの加圧を行った。このため圧力付与部材60kgと分離ローラN1=50kgで総圧100kgの加圧力となる。
潤滑剤塗布装置104としては、耐熱性の不織布を用い、潤滑材としてシリコーンオイルを塗布している。
定着ローラのプロセススピード(周速度)は300mm/sec、分離ローラの周速度は310mm/sec とした。
<第二の定着装置>
図6により本発明にかかる定着装置21を説明する。なお、次の説明では前出の部材と同一の部材には同一の符号を付してあり、同一のものを使用しているので説明は省略する。
第二のエンドレスベルト105は、エンドレスベルト52と同じものを用いた。本第二の定着装置の定着ローラ51のみ弾性層および表層のない芯金のみのものを用いた。
<摩擦係数>
本発明者の検討の比較例として、第一および第二の定着装置に対して、潤滑剤塗布装置を外した物、分離ローラの表面粗さRzを1μm、5μm、10μmとふった物、低磨耗層
104がない圧力付与部材を用いた。
摩擦係数の測定は、図7に示すように、170℃に温調したホットプレート107の上にエンドレスベルトを切り開いたものを表または裏にして置き、その上に定着ローラ51または分離ローラ56または圧力付与部材100を置いて行う。この状態で、図中矢印方向へフォースゲージ108を繋げて引っ張り、動き出したときの力を読み取って静止摩擦
係数を算出し、動き出した後の力を読み取って動摩擦係数を算出した。エンドレスベルト52と分離ローラ56または圧力付与部材100の間に潤滑剤の塗布有りと無しの場合についても測定した。摩擦係数は図1のように、定着ローラ表面とエンドレスベルト外周面間の静止摩擦係数をμ1、分離ローラとエンドレスベルト内周面間の動摩擦係数をμ2、圧力付与部材とエンドレスベルト内周面間の動摩擦係数をμ3とした。
この摩擦係数μ1、μ2、μ3と、分離ローラと圧力付与部材の加圧力N1、N2から、F1、F2、F3を以下のように定義する。すなわち、図8(a)のように定着ローラがエンドレスベルトを駆動する力をF1=μ1・(N1+N2)と定義する。そして、分離ローラが
エンドレスベルトを駆動する力をF2=μ2・N1と定義する。さらに、圧力付与部材がエンドレスベルトと摺擦してエンドレスベルトを止めようとする力をF3=μ3・N2を定義する
以上説明した第一および第二の定着装置で以下のような比較実験を行った。
定着条件は、定着ローラの表面温度を170℃に温調とした。通紙する記録材および未定
着トナーの条件は、普通紙64g/m2、に未定着のベタ画像をのせて定着した。
第一および第二の定着装置での、各条件での摩擦係数μ1、μ2、μ3、エンドレスベルトの波打ちおよびベタ画像の擦れ跡、ベルトスリップは表1のような結果となった。
Figure 2007079049

ベルト波打ち/画像擦れ、ベルトスリップ欄
〇:ベルトの波打ち、画像の擦れ跡が無い。
または、ベルトスリップによる画像ずれが無い。
△:ベルトの波打ち、画像の擦れ跡が軽微に有る。
×:ベルトの波打ち、画像の擦れ跡が有る。
または、ベルトスリップによる画像ずれが有る
-:ベルトスリップによる画像ずれがあり、
ベルトの波打ち、画像の擦れ跡が有るかどうか分からない。
判定欄
OK:F1-F3>|F2|
N:F1-F3<F2
S:F1-F3<-F2 ( F1+F2<F3 )
表1の比較例5、6の結果よりベルトのスリップが発生しているのはF1-F3<-F2(判定S)のときであることが分かる。これは、図8(a)でF1+F2<F3となっている場合で、エン
ドレスベルトの駆動力がブレーキ力に負けてしまっている状態である。
表1の実施例1、2および比較例1〜4の結果より、分離ローラの表面粗さを小さくしたほうが良いことが分かる。また、実施例1および比較例2、5、6の結果より、潤滑剤を塗布しないよりも塗布したほうが良く、圧力付与部材表層にフッ素コートをしないよりもしたほうが良いことが分かる。この場合、ベルトの波打ちおよび画像擦れが発生しているのは、F1-F3<F2(判定N)ときであることがわかる。つまり、図8(a)でF1<F2+F3となっている場合で、エンドレスベルトが分離ローラの駆動力で回転してしまい、定着ローラとエンドレスベルトが滑ってしまっている状態である。
表1の実施例1、2および3は、F1-F3>|F2|(判定OK)であるが、つまり、F1-F3>F2かつF1-F3>-F2の場合で、上記ベルトのスリップも波打ちも発生しない状態である。つまり、エンドレスベルトは、F1+F2>F3(F1-F3>-F2)の関係より定着ローラおよび分離
ローラからの駆動が、圧力付与部材からのブレ−キ力よりも勝っているのでスリップしない。加えて、F1>F2+F3(F1-F3>F2)の関係より、エンドレスベルトの定着ローラからの駆動力が、ベルト内面の駆動力よりも勝っている。したがって、エンドレスベルトの速度が定着ローラの速度にならっている状態で、前述したようにエンドレスベルトの長手に速度差を生じベルトの波打ちが発生していると考えられる。
また、分離ローラは回転駆動をやめ、エンドレスベルトに従動回転とすると表1でスリップしていなかった場合でもスリップが発生してしまった。また、分離ローラを回転駆動し、周速度を300mm/sec未満にしてしまうと、やはりスリップが発生してしまった。この
場合、図8(b)のように、分離ローラがエンドレスベルトを駆動する力F2が、エンドレス
ベルトの回転方向と逆向きにかかってしまい、駆動力ではなく、ブレーキ力になってしまっていると考えられる。
この結果から、分離ローラはエンドレスベルトと周速差をもちつつ(滑りつつ)、動摩擦によってエンドレスベルトの回転駆動の補助をしていると考えられる。
以上のように、F1-F3>|F2|の関係とすることで、エンドレスベルトのスリップ、波
打ちおよび画像擦れを防止することができる。
また、エンドレスベルトと分離ローラを滑りやすくすることで、エンドレスベルトの寄り制御にも有利となっている。ローラ57を寄り制御ローラとした場合、ローラ57はエンドレスベルトの長手方向の位置に応じて角度を振ってエンドレスベルトが長手中央に寄
るように移動する。その場合、寄り制御ローラ57による寄り力に対して、前記μ2およびμ3はブレーキ力となるため、エンドレスベルトと分離ローラを滑りやすくすることで、寄り力が効きやすくなり、エンドレスベルトの寄り制御にも有利となることがわかる。
また、本例では3本のローラに掛けまわすエンドレスベルトに関して説明したが、分離ローラおよび圧力付与部材があれば、2本のローラに掛けまわすタイプや、分離ローラと圧力付与部材のみのタイプであってもよい。
なお、本発明の定着装置は、上述したような記録材に形成された未定着トナー像を定着する用途に限られない。すなわち、本発明の定着装置は、記録材に形成される画像の光沢度を向上させるために、トナー像を仮定着するような用途や、既に仮定着されたトナー像を再加熱して光沢度を向上させる用途としても使用できる。本例ではこれらを総称して定着装置と呼ぶことにする。
<画像形成装置>
図9により本発明の実施例に係る定着装置を備えた画像形成装置の全体構成について説明する。
図9に示す装置内には、画像形成手段を構成する第1、第2、第3、第4の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdが併設され、各々異なった色のトナー像が潜像、現像、転写のプロセスを経て形成される。
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、それぞれ専用の像担持体、本例では電子写真感光ドラム303a、303b、303c、303dを具備し、各感光ドラム303a、303b、303c、303d上に各色のトナー像が形成される。各感光ドラム303a、303b、303c、303dに隣接して中間転写体1130が設置される。感光ドラム303a、303b、303c、303d上に形成された各色のトナー像は、中間転写体330上に1次転写され、2次転写部で記録材p上に転写される。さらにトナー像が転写された記録材pは、定着装置1で加熱及び加圧によりトナー像を定着した後、記録画像として装置外に排出される。
感光ドラム303a〜dの外周には、それぞれドラム帯電器302a〜d、現像器301a〜d、1次転写帯電器324a〜d及びクリーナ304a〜dが設けられる。装置の上方部にはさらに図示しない光源装置およびポリゴンミラーが設置されている。
光源装置から発せられたレーザー光を、ポリゴンミラーを回転して走査し、その走査光の光束を反射ミラーによって偏向し、fθレンズにより感光ドラム303a、303b、
303c、303dの母線上に集光して露光する。これにより、感光ドラム303a、303b、303c、303d上に画像信号に応じた潜像が形成される。
現像器301a、301b、301c、301dには、現像剤としてそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナーが、図示しない供給装置により所定量充填されている。現像器301a、301b、301c、301dは、それぞれ感光ドラム303a、303b、303c、303d上の潜像を現像して、シアントナー像、マゼンタトナー像、イエロートナー像及びブラックトナー像として可視化する。
中間転写体330は矢示の方向に感光ドラム303と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光ドラム303a上に形成担持された上記第1色のイエロートナー画像は、感光ドラ
ム3と中間転写体330とのニップ部を通過する。この過程で、中間転写体330に印加される1次転写バイアスにより形成される電界と圧力により、中間転写体330の外周面に中間転写されていく。
同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次中間転写体330上に重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。
311は2次転写ローラを示し、中間転写体330に対応し平行に軸受させて下面部に接触させて配設してある。2次転写ローラ311には、2次転写バイアス源によって所望の2次転写バイアスが印加されている。中間転写体330上に重畳転写された合成カラートナー画像の記録材Pへの転写は、次のように行われる。すなわち、給紙カセット300からレジストローラ312、転写前ガイドを通過して中間転写体330と2次転写ローラ311との当接ニップに所定のタイミングで記録材Pが給送される。これと同時に2次転写バイアスがバイアス電源からに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体330から記録材Pへ合成カラートナー画像が転写される。
一次転写が終了した感光ドラム303a、303b、303c、303dは、それぞれのクリーナ304a、304b、304c、304dにより転写残トナーをクリーニング、除去され、引き続き次の潜像の形成以下に備えられる。中間転写体330上に残留したトナー及びその他の異物は、中間転写体330の表面にクリーニングウエブ(不織布)を当接して、拭い取るようにしている。
トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着装置1又は21へ順次導入され、転写材に熱と圧力を加えることで定着された後に排紙部363を経て出力される。
本発明の摩擦係数μ1、μ2、μ3を説明する説明図である。 従来例、実施例および比較例の定着装置の構成を示す説明図である。 エンドレスベルトの波打ちを説明する説明図である。 エンドレスベルトの波打ちを説明する説明図である。 エンドレスベルトの波打ちを説明する説明図である。 実施例の定着装置の構成を示す説明図である。 摩擦係数の測定方法を説明する説明図である。 本発明のエンドレスベルトの駆動力またはブレーキ力であるF1、F2、F3を説明する説明図である。 本発明に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。
符号の説明
1,21:定着装置
51:定着ローラ
52:定着ベルト(エンドレスベルト)
56:分離ローラ
58:ハロゲンヒータ
100:圧力付与部材
P:記録材

Claims (3)

  1. 記録材上の画像を定着する定着回転体と、前記定着回転体との間で定着ニップを形成するエンドレスベルトと、前記定着ニップにおいて前記ベルトを前記定着回転体に向けて加圧する加圧パッドと、前記ベルトを懸け回し前記定着回転体に対する分離部を形成し、回転軸方向の中央部で太く両端部で細い形状とされた加圧ローラと、を有する定着装置において、
    前記定着回転体と前記ベルト外周面間の静止摩擦係数をμ1、前記加圧ローラと前記ベ
    ルト内周面間の動摩擦係数をμ2、前記加圧パッドと前記ベルト内周面間の動摩擦係数を
    μ3、前記加圧ローラの前記定着回転体への加圧力をN1、前記加圧パッドの前記定着回転体への加圧力をN2、前記定着回転体の周速をV1、前記加圧ローラの周速をV2とする
    と、
    F1=μ1・N1、
    F2=μ2・N1、
    F3=μ3・N2、
    F1-F3>|F2|、
    V1<V2
    を満足することを特徴とする定着装置。
  2. 前記ベルト内面に潤滑剤を塗布する塗布手段を有することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記加圧ローラの表面粗さRzは5μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
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