JP4821150B2 - 画像定着装置 - Google Patents

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この発明は、電子写真方式やインクジェット記録方式等を採用した複写機やプリンタ、あるいはファクシミリなどの画像形成装置に用いられる画像定着装置に関し、特に、シート材を加熱しながら搬送しつつ、当該シート材上に形成された未定着トナー像又は未乾燥インク像を加熱及び加圧して、かかるトナー像又はインク像をシート材に定着させる画像定着装置に関するものである。
特開平3−65976号公報 特開平8−262903号公報
従来、この種の画像定着装置としては、例えば、特開平3−65976号公報や特開平8−262903号公報等に開示されているものが知られている。かかる画像定着装置は、複数のロールに張架されたエンドレスベルトを定着ロールに押圧することで、比較的小型で長い定着ニップを形成し、定着速度の高速化が実現できると言った利点を有する。
更に説明すると、上記特開平3−65976号公報に係る定着装置は、内部に熱源を有する定着ローラと、一対のローラ間に張設される前記定着ローラとの間で被定着シートを挟持して搬送するための無端ベルトとを有し、該無端ベルトを、前記一対のローラのローラ軸端側を両側につきそれぞれ一枚ずつのローラ支持板で回転自在に支持させた無端ベルトユニットとして構成し、且つ、各ローラ支持板の一方のローラ軸端支持部と他方のローラ軸端支持部との間に設けた枢支点の周りに回動可能にして、定着ローラに対して接離方向に可動となるように構成すると共に、無端ベルトが定着ローラに圧接する方向に、無端ベルトユニットを移動付勢するための付勢手段を設けるように構成したものである。
また、上記特開平8−262903号公報に係る画像定着装置は、表面が弾性変形する回転可能な加熱定着ロールと、前記加熱定着ロールに接触したまま走行可能なエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトの内側に非回転状態で配置されて、前記エンドレスベルトを前記加熱定着ロールに圧接させ、前記エンドレスベルトと前記加熱定着ロールとの間にシートが通過させられるベルトニップを設けると共に、前記加熱定着ロールの表面を弾性変形させる圧力パッドとを具備するように構成したものである。
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記特開平3−65976号公報や特開平8−262903号公報等に開示された画像定着装置の場合には、エンドレスベルトを圧力パッドによって加熱定着ロールの表面に圧接させるように構成したものであるが、当該エンドレスベルトが加熱定着ロールの表面に圧接するニップ部の一部は、エンドレスベルトのテンションのみによって加熱定着ロールに圧接させているため、圧力パッドが存在しない領域の圧接力が不十分となっている。そのため、上記画像定着装置では、トナー像を担持した記録媒体を加熱加圧する際に、含水した記録媒体から発生する水蒸気や熱膨張した空気によって、エンドレスベルトの圧接力が不十分な領域において、記録媒体が画像定着ロールのニップ部内で部分的に浮き上がってしまい、トナー像に飛び散りが発生して、画像が乱れるという問題点を有している。
上記トナー像の飛び散りは、図6に示すように、特に、ベタ画像の通紙方向の先端部にV字形状の白地部を有し、当該白地部の幅が通紙方向に沿って徐々に狭くなるような画像において、記録媒体から発生する水蒸気や熱膨張した空気がV字形状の白地部に沿って集中するため、図7に示すように、顕著に発生する。
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ベルトニップ方式の画像定着装置において、含水した記録媒体から発生する水蒸気や熱膨張した空気によって、トナー像の飛び散り等による画像乱れが発生するのを防止可能な画像定着装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載された発明は、回転体と、前記回転体に接触し未定着画像または未乾燥画像を担持したシート部材を挟持搬送して加熱定着するニップ部を形成するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトの内側に配置され、前記エンドレスベルトを回転体の表面に押圧する複数の加圧部材と、前記回転体及び前記エンドレスベルトのいずれか一方又は両方を加熱する加熱手段とを備えた画像定着装置において、
前記エンドレスベルトの裏面側に弾性層を設けるとともに、
前記エンドレスベルトを回転体の表面に押圧する複数の加圧部材間に生じる間隙の全領域において、これら複数の加圧部材によってエンドレスベルトを回転体の表面に押圧することにより、前記複数の加圧部材によって押圧されたエンドレスベルトの弾性体層の変形部分の全領域が、当該エンドレスベルトの厚さが無負荷状態のベルトの厚さ以上になるように弾性層を変形させたことを特徴とする画像定着装置である。
また、請求項2に記載された発明は、前記請求項1に記載された画像定着装置において、前記エンドレスベルトの内側に複数配置された加圧部材が、回転体もしくは固定摺動部材あるいはその両方の組み合わせからなることを特徴とする画像定着装置である。
さらに、請求項3に記載された発明は、前記請求項1又は2に記載された画像定着装置において、前記回転体の内部に加熱源を配設し、当該回転体が未定着画像または未乾燥画像と接触するように構成されていることを特徴とする画像定着装置である。
又、請求項4に記載された発明は、前記請求項1乃至3のいずれかに記載された画像定着装置において、前記エンドレスベルトが、少なくとも一層以上の弾性層を有するベルトからなり、前記エンドレスベルトを構成する一層以上の弾性層の何れかは、エンドレスベルトの全厚さに対する割合が最も大きく設定されているとともに、前記エンドレスベルトの最表層に離型層を設け、前記エンドレスベルトの全厚さに対する厚さの割合が最も大きい弾性層の表面側に、当該弾性層よりも引っ張り強度が大きい補強層を配置したことを特徴とする画像定着装置である。
更に、請求項5に記載された発明は、前記請求項4に記載された画像定着装置において、前記離型層がフッ素元素を含む樹脂からなることを特徴とする画像定着装置である。
また、請求項6に記載された発明は、前記請求項4に記載された画像定着装置において、前記補強層がポリイミド樹脂からなることを特徴とする画像定着装置である。
さらに、請求項7に記載された発明は、前記請求項4に記載された画像定着装置において、前記補強層が金属からなることを特徴とする画像定着装置である。
この発明によれば、エンドレスベルトの裏面側に弾性層を設けるとともに、前記エンドレスベルトを回転体の表面に押圧する複数の加圧部材間に生じる間隙では、これら複数の加圧部材によってエンドレスベルトを回転体の表面に押圧することにより、当該エンドレスベルトの厚さが無負荷状態のベルトの厚さ以上になるように弾性層を変形させるように構成したので、複数の加圧部材間において、エンドレスベルトの変形した弾性層により発生する内部応力が、当該エンドレスベルトを回転体へ押し付けるように働くことになる。そのため、複数の加圧部材間におけるエンドレスベルトと回転体との密着性を向上させることができ、含水した記録媒体から発生する水蒸気や熱膨張した空気によって、エンドレスベルトが回転体から離間することがなく、トナー像の飛び散り等による画像乱れが発生するのを防止することができる。
この発明によれば、ベルトニップ方式の画像定着装置において、含水した記録媒体から発生する水蒸気や熱膨張した空気によって、トナー像の飛び散り等による画像乱れが発生するのを防止可能な画像定着装置を提供することができる。
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
第1の実施形態
図1は、この発明の第1の実施形態に係る画像定着装置を示す横断面構成図である。
図1において、111は回転体としての定着ロールを示すものであり、この定着ロール111としては、アルミニウム製芯金112の表面に、厚さ1.5mmのシリコーンゴムからなる弾性層113を被覆し、更に当該弾性層113の表面に離型層として厚さ30μmのPFA樹脂からなるチューブ114を被覆した外径65mmのロールが用いられている。
また、上記定着ロール111の内部には、加熱源としてハロゲンランプ115が挿入されており、定着ロール111の表面温度を不図示の温度センサによって検知して温度コントローラによって制御することにより、定着ロール111の表面が所定の温度になるようにコントロールされている。
上記定着ロール111の表面には、エンドレスベルト121が巻き付けられている。エンドレスベルト121は、当該エンドレスベルト121の内側に配置された3本の張架ロール122〜124によって張架されているとともに、複数の加圧部材としての張架ロール122と固定摺動部材125によって、回転体である定着ロール111の表面に押圧され、定着ニップ部131が形成されている。
上記固定摺動部材125は、図1に示すように、ステンレス等からなる加圧プレート126と、当該加圧プレート126上に固着されたシリコーンゴム等の弾性層127が積層された支持板128とから構成されている。
なお、本実施形態では、ベルト加圧部材として、回転体122と固定摺動部材125を組み合わせたものを用いて説明するが、本発明は、これらの組み合わせに限定されるものではなく、回転体同士あるいは固定摺動部材同士の組み合わせであってもよい。また、本実施形態では、未定着トナー像または未乾燥インク像と接触する部材を回転体として説明しているが、未定着トナー像または未乾燥インク像と接触する部材がエンドレスベルトであってもよい。
ところで、この実施の形態に係る画像定着装置は、回転体と、前記回転体に接触し未定着画像または未乾燥画像を担持したシート部材を挟持搬送して加熱定着するニップ部を形成するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトの内側に配置され、前記エンドレスベルトを回転体の表面に押圧する複数の加圧部材と、前記回転体及び前記エンドレスベルトのいずれか一方又は両方を加熱する加熱手段とを備えた画像定着装置において、前記エンドレスベルトの裏面側に弾性層を設けるとともに、前記エンドレスベルトを回転体の表面に押圧する複数の加圧部材間に生じる間隙では、これら複数の加圧部材によってエンドレスベルトを回転体の表面に押圧することにより、当該エンドレスベルトの厚さが無負荷状態のベルトの厚さ以上になるように弾性層を変形させるように構成されている。
また、この実施形態では、前記エンドレスベルトが、少なくとも一層以上の弾性層を有するベルトからなり、前記エンドレスベルトを構成する一層以上の弾性層の何れかは、エンドレスベルトの全厚さに対する割合が最も大きく設定されているとともに、前記エンドレスベルトの最表層に離型層を設け、前記エンドレスベルトの全厚さに対する厚さの割合が最も大きい弾性層の表面側に、当該弾性層よりも引っ張り強度が大きい補強層を配置するように構成されている。
すなわち、上記エンドレスベルト121は、図2に示すように、少なくとも一層のシリコーンゴム等からなる弾性層121cを有する無端状ベルトからなり、前記エンドレスベルト121を構成する弾性層121cは、当該エンドレスベルト121の全厚さに対する割合が最も大きく設定されている。また、上記エンドレスベルト121の最表層には、四フッ化エチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体樹脂(以下、「PFA樹脂」と略す。)等からなる離型層121aが設けられているとともに、当該エンドレスベルト121の全厚さに対する厚さの割合が最も大きい弾性層121cの表面側には、当該弾性層121cよりも引っ張り強度が大きいポリイミド樹脂からなる補強層121bが配置されている。さらに、上記エンドレスベルト121の裏面側には、PFA樹脂等からなる離型層121dが設けられている。
また、この実施の形態では、図3に示すように、エンドレスベルト121を定着ロール111の表面に押圧する張架ロール122と固定摺動部材125との間に生じる間隙130では、これら張架ロール122と固定摺動部材125によってエンドレスベルト121を定着ロール111の表面に押圧することにより、当該エンドレスベルト121の厚さが無負荷状態のベルト121の厚さ以上になるように弾性層121cを変形させるように構成されている。
また、本実施形態では、エンドレスベルト121を定着ロール111ヘ押圧する固定摺動部材125として、ステンレス等からなる加圧プレート126と、当該加圧プレート126上に固着されたシリコーンゴム等の弾性層127が積層された支持板128とから構成したものを用いているため、エンドレスベルト121の内面には、摺動抵抗を低減するため、PFA樹脂からなる離型層121dが形成されている。
さらに、本実施形態では、ベルト加圧部材の一つの部材に固定摺動部材125を用いているため、ベルト内面にPFA樹脂層からなる低摺動抵抗層121dを設けているが、加圧部材がすべて回転体である場合には、低摺動抵抗層121dが必ずしも必要ではない。最表面の離型層121aについても、PFA樹脂に限定されるものではなく、離型性の良好な材料であれば特に限定されるものではない。
また、本実施形態では、弾性層121cは一層のみ設けられているが、当該弾性層は複数層であってもよく、例えば、離型層121aと補強層121bの間に弾性層を設けてもよい。ただし、この場合、補強層121bの表面側に設けられる弾性層の厚さは、補強層121bの裏面側に設けられる弾性層121cに比べて薄いことが望ましい。
上記実施形態に係る画像定着装置に用いるエンドレスベルト121は、従動回転されることにより、繰り返し屈曲ストレスを受けることになる。この際、エンドレスベルト121の厚さが厚くなり、弾性層121cの表面にPFA樹脂からなる離間層121aが形成されている場合には、エンドレスベルト121の厚みと曲率に応じて、弾性層121cの表面側が伸縮するため、最表面のPFA樹脂からなる離間層121aも伸縮ストレスを受ける。また、定着ロール111の軸方向のベルト移動速度の相違によって、ねじれ応力が生じる。この場合も、弾性層121cの引っ張り強度が弱く変形しやすいため、ねじれが発生して、これが表面の離型層121aにおよぶことになる。
一般に、離型性の良好なフッ素樹脂は、引っ張り強度が弱いため、弾性層とともに変形すると塑性領域まで容易に変形してしまい、エンドレスベルト121にしわが生じて画像欠陥を生じさせやすい。
本実施形態では、図2に示すように、エンドレスベルト121の表面層近傍に弾性層121cより引っ張り強度の大きい補強層121bが存在するため、ベルト表面の伸縮量を最小限に抑えることができ、離型層121aのしわ発生も防止できる。このため、補強層121bの材料としては、弾性層121cより引っ張り強度が大きい材料であることが望ましく、さらに定着温度に耐えうる耐熱性を有する材料であれば特に制限はなく、例えば、ポリイミド樹脂やステンレス、あるいはニッケルなどの金属材料をあげることができる。また、補強層121bは、表面離型層121aの変形を最小限とするため、少なくともエンドレスベルト121の全厚さに対する厚さの割合が最も大きい弾性層121cの厚さ方向の中心よりも表面側に、且つより表面近傍に近い位置に配置することが望ましい。
図3は、本発明の特徴であるエンドレスベルトの定着ロールヘの加圧部材による押圧時のベルト変形を説明するための模式図である。
上記エンドレスベルト121は、図2に示すように、弾性層121cを有しており、弾性層121cは非圧縮性であるため、張架ロール122と固定摺動部材125による定着ロール111ヘの押圧により押し出された弾性層121cは、変形が規制されている定着ロール111側とは反対のベルト内面で、張架ロール122と固定摺動部材125と接していない間隙130の部分に押し出される。このため、張架ロール122と固定摺動部材125のベルト厚みは、押し出された弾性層121cにより非加圧時のベルト厚みより厚くなり強度が増すことになる。また、押し出された弾性体121cの内部応力により、張架ロール122と固定摺動部材125が接触していない部分にも、エンドレスベルト121を定着ロール111ヘ押圧する力Fが発生する。このため、定着ニップ部131内で加熱された水蒸気や空気によってシート状部材としての記録媒体Pが定着ロール111から剥離するのを防止することができる。
この際、張架ロール122と固定摺動部材125間の距離とエンドレスベルト121の弾性層121cの弾性率や厚さ等によっては、図4に示すように、張架ロール122と固定摺動部材125との押圧によって弾性層121cの押し出しが発生しない部分ができる。この場合には、記録媒体Pを定着ロール111ヘ押し付ける力が不十分となり、トナー飛び散り等の画像欠陥が生じてしまうことになる。したがって、エンドレスベルト121の変形が張架ロール122と固定摺動部材125との間の全領域で生じている状態であることが望ましい。
なお、図1において、符号140は記録媒体Pの剥離部材を、141は記録媒体Pを案内するガイド部材を、142は画像定着装置の出口ロールをそれぞれ示している。
以上の構成において、この実施の形態に係る画像定着装置では、次のようにして、ベルトニップ方式の画像定着装置において、含水した記録媒体から発生する水蒸気や熱膨張した空気によって、トナー像の飛び散り等による画像乱れが発生するのを防止することが可能となっている。
すなわち、この実施の形態に係る画像定着装置では、図1に示すように、未定着トナー像Tを担持した記録媒体Pが、エンドレスベルト121によって定着ニップ部131へと搬送され、当該記録媒体Pが定着ニップ部131を通過する間に、未定着トナー像Tが記録媒体P上に定着されるようになっている。
その際、上記定着ニップ部131の入口側では、エンドレスベルト121が固定摺動部材125によって定着ロール111の表面に圧接されており、当該定着ニップ部131を通過する記録媒体Pは、定着ロール111からの熱伝導によって加熱されつつ、定着ロール111とエンドレスベルト121とによって加圧される。さらに、上記記録媒体Pは、定着ニップ部131の出口側に移動すると、エンドレスベルト121が張架ロール122によって定着ロール111の表面に圧接されており、当該定着ニップ部131の出口部を通過する記録媒体Pは、定着ロール111からの熱伝導によって加熱されつつ、定着ロール111とエンドレスベルト121とによって加圧されて定着される。
ところで、上記定着ニップ部131においては、固定摺動部材125と張架ロール122との間に間隙130が必然的に存在し、当該間隙130においては、エンドレスベルト121を定着ロール111の表面に直接押圧する部材が存在しない。
しかし、上記エンドレスベルト121を定着ロール111の表面に押圧する張架ロール122と固定摺動部材125との間に生じる間隙130では、図5に示すように、これら張架ロール122と固定摺動部材125によってエンドレスベルト121を定着ロール111の表面に押圧することにより、当該エンドレスベルト121の厚さが無負荷状態のベルト121の厚さ以上になるように弾性層121cを変形させるようになっている。なお、図5では、便宜上、固定摺動部材125の弾性層127がエンドレスベルト121から離間して描かれているが、当該弾性層127は、エンドレスベルト121に圧接していることは勿論である。
上記エンドレスベルト121は、図2に示すように、弾性層121cを有しており、弾性層121cはシリコーンゴム等からなり非圧縮性であるため、張架ロール122と固定摺動部材125による定着ロール111ヘの押圧により押し出された弾性層121cは、変形が規制されている定着ロール111側とは反対のベルト内面で、張架ロール122と固定摺動部材125と接していない間隙130の部分に押し出される。このため、張架ロール122と固定摺動部材125のベルト厚みは、押し出された弾性層121cにより非加圧時のベルト厚みより厚くなり強度が増すことになる。また、押し出された弾性体121cの内部応力により、張架ロール122と固定摺動部材125が接触していない部分にも、エンドレスベルト121を定着ロール111ヘ押圧する力Fが発生する。このため、定着ニップ部131内で加熱された水蒸気や空気によって記録媒体Pが定着ロール111から剥離するのを防止することができ、含水した記録媒体Pから発生する水蒸気や熱膨張した空気によって、トナー像の飛び散り等による画像乱れが発生するのを防止することができる。
実施例1
本実施例は、図1に示すように、前述の実施の形態に係る画像定着装置を具体化したものである。定着ロール111としては、アルミニウム製芯金112上に厚さ1.5mmのシリコーンゴム113と厚さ30μmのPFA樹脂114を被覆形成した外径65mmのものを用いた。定着ロール111の内部には、ハロゲンランプヒーター115が配置され、図示しない温度センサーによって定着ロール111の表面温度をモニターし、所定の温度に制御した。エンドレスベルト121は、厚さ75μmのポリイミド樹脂層121bの表面にPFA樹脂121aを30μmを形成した内径60mmのベルトと、厚さ30μmのPFA樹脂層121dの表面に厚さ1mmのシリコーンゴム層121cを形成した外形59mmのベルト2本を用意した。外形59mmのベルト表面に薄く二液性熱硬化シリコーンゴムを塗布した後、これに内径60mmのベルトを被覆し、はみ出したシリコーンゴムを除去した後、加熱焼成して一体化したものを用いた。その結果、上記エンドレスベルト121としては、その表面側から、PFA樹脂121aと、ポリイミド樹脂層121bと、シリコーンゴム層121cと、PFA樹脂層121dとが積層されている。
このエンドレスベルト121は、3個の張架ロール122〜124、すなわちリードロール124、加圧ロール122および張架ロール123により、10kgの張力で張架した。各ロール124、122、123の直径は、20mm、23mm、及び20mmであり、ステンレス製の芯金にPFA樹脂チューブを断熱層として被覆したものを用いた。また、エンドレスベルト121は、加圧ロール122と固定摺動部材125とで定着ロール111に押圧されている。固定摺動部材125には、金属製ホルダー126上に定着ロール111の形状に沿った曲率を持つシリコーンゴム部材127を配置し、その表面をエンボス加工した図示しないポリイミドシートで被覆したものを用いた。
本発明者らは、上記の如く構成される画像定着装置を用いて、定着温度を変化させて画像欠陥の発生の有無を確認する実験を行った。
実験には、富士ゼロックス(株)社製複合機DocuCentreColor500cpを未定着画像がとれるよう改造した機械で坪量84g/m2の両面コート紙に図6に示すように、シアン、マジェンタ、イエロー、ブラックの4色を重ねた未定着トナー像Tを形成したサンプルを用意した。この未定着画像を定着ロールの温度を150℃から190℃まで10℃ごとに変化させて、プロセススピード250mm/sで順次定着し、図7に示すような画像欠陥の発生の有無を確認した。
比較例として、エンドレスベルトに、厚さ75μmのポリイミド樹脂層の表面に厚さ30μmのPFA樹脂を形成した内径60mmのベルトを用いて同様の実験を行った。
Figure 0004821150
表1は、上記実験の結果を示す図表である。本実施例1では、表1に示すように、画像欠陥の発生温度を比較例に対して、30℃改善することができた。また、この際、実施例1では、ベルト表面の離型層121aにしわの発生は見られなかった。
実施例2
本実施例2は前述の実施の形態1に係る画像定着装置を具体化したものである。
図8は、本発明実施例2の画像定着装置を示す横断面構成図である。本実施例では、エンドレスベルトが未定着画像に接する定着ベルト231とした構成をとっている。定着ベルト221としては、厚さ75μmのポリイミド樹脂層の表面に、厚さ30μmのPFA樹脂層を形成した内径160mmのベルトと、厚さ30μmのPFA樹脂層の表面に厚さ1mmのシリコーンゴム層を形成した外径159mmのベルト2本を用意した。外径159mmのベルト表面に薄く二液性熱硬化シリコーンゴムを塗布した後、これに内径160mmのベルトを被覆し、はみ出したシリコーンゴムを除去した後、加熱焼成して一体化したものを用いた。定着ベルト221は、加熱ロール211に接して定着ニップ部を形成している。加熱ロール211は、アルミニウム製芯金212上に厚さ30μmのPFA樹脂213を被覆形成した外径65mmのものを用いた。加熱ロール211の内部には、ハロゲンランプヒーター214が配置され、図示しない温度センサーにより温度をモニターし、140℃の温度に制御した。定着ベルト221は、内側から3個の張架ロール、すなわちリードロール222、加圧ロール223および張架ロール224と外側のベルト加熱ロール225により、10kgの張力で張架した。それぞれのロールの外径は、20mm、23mm、20mmおよび50mmであり、ベルト内部側のロール3 本はステンレス製の芯金に、外側の加熱ロール225はアルミニウム製の芯金にそれぞれPFA樹脂チューブを被覆したものを用いた。加熱ロール225の内部には、ハロゲンランプヒーター226が配置されている。定着ベルト221は、加圧ロール223と固定摺動部材227によって加熱ロール211に押圧されている。固定摺動部材227には、金属製ホルダー228上に加熱ロール211の形状に沿った曲率を持つシリコーンゴム部材229を配置し、その表面をエンボス加工した図示しないポリイミドシートで被覆したものを用いた。
本発明者らは、上記の如く構成される画像定着装置を用いて、定着温度を変化させて画像欠陥の発生の有無を確認する実験を行った。
実験には実施例1と同様に、富士ゼロックス(株)社製複合機DocuCentreColor500cpを未定着画像がとれるよう改造した機械で坪量84g/m2の両面コート紙に図5に示すシアン、マジェンタ、イエロー、ブラックの4色を重ねた未定着トナー像Tを形成したサンプルを用意した。この未定着画像を加熱ロール211の温度を150℃から190℃まで10℃ごとに変化させて、プロセススピード250mm/sで順次定着し、図6に示す画像欠陥の発生の有無を確認した。
比較例として、エンドレスベルト221に、厚さ75μmのポリイミド樹脂層の表面にPFA樹脂を厚さ30μmに被覆形成した内径160mmのベルトを用いて同様の実験を行った。
Figure 0004821150
表2は、上記実験の結果を示す図表である。本実施例2では、表2に示すように、画像欠陥の発生温度を比較例に対して、30℃改善することができた。また、この際、実施例2では、エンドレスベルト221の表面離型層にしわの発生は見られなかった。
以上説明したとおり、本発明の画像定着装置は、回転体と、前記回転体に接触し未定着画像または未乾燥画像を担持したシート部材を挟持搬送して加熱定着するニップ部を形成するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトの内側に配置され、前記エンドレスベルトを回転体の表面に押圧する複数の加圧部材と、前記回転体及び前記エンドレスベルトのいずれか一方又は両方を加熱する加熱手段とを備えた画像定着装置において、前記エンドレスベルトの裏面側に弾性層を設けるとともに、前記エンドレスベルトを回転体の表面に押圧する複数の加圧部材間に生じる間隙では、これら複数の加圧部材によってエンドレスベルトを回転体の表面に押圧することにより、当該エンドレスベルトの厚さが無負荷状態のベルトの厚さ以上になるように弾性層を変形させるように構成したものである。
このためエンドレスベルトの内側に配置された加圧部材間の前記エンドレスベルト回転方向でエンドレスベルトが加圧部材と接触しない全領域において、ベルト厚み方向の変形がベルト内側に向かって無負荷状態のベルトの厚み以上に変形しているため、加圧部材間でのベルトの機械的強度が増すとともに、変形によるベルト内部応力がベルトを回転体へ押し付けるように働くため、加圧部材間でのベルトと回転体との密着性を向上させることができ、記録媒体が定着部材から浮くのを防止でき、浮きによる画像欠陥を防止できる。
図1はこの発明が適用される画像定着装置の実施例1を示す横断面構成図である。 図2はこの発明が適用される画像定着装置のエンドレスベルトを示す横断面構成図である。 図3はこの発明が適用される画像定着装置のエンドレスベルトの加圧部材による回転体への押圧時のベルト変形を説明するための第一の模式図である。 図4はこの発明が適用される画像定着装置のエンドレスベルトの加圧部材による回転体への押圧時のベルト変形を説明するための第二の模式図である。 図5はこの発明が適用される画像定着装置のエンドレスベルトの加圧部材による回転体への押圧時のベルト変形を説明するための模式図である。 図6は定着像の画像欠陥が発生しやすい画像の説明図である。 図7は定着像の画像欠陥発生例の説明図である。 図8はこの発明が適用される画像定着装置の実施例2を示す横断面構成図である。
符号の説明
111:定着ロール(回転体)、112:アルミニウム製芯金、113:弾性層、114:PFA製チューブ、115:ハロゲンランプ、121:エンドレスベルト、121a:離型層、121b:補強層、121c:弾性層、121d:離型層、122:加圧ロール(加圧部材)、123〜124:張架ロール、125:固定摺動部材(加圧部材)。

Claims (7)

  1. 回転体と、前記回転体に接触し未定着画像または未乾燥画像を担持したシート部材を挟持搬送して加熱定着するニップ部を形成するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトの内側に配置され、前記エンドレスベルトを回転体の表面に押圧する複数の加圧部材と、前記回転体及び前記エンドレスベルトのいずれか一方又は両方を加熱する加熱手段とを備えた画像定着装置において、
    前記エンドレスベルトの裏面側に弾性層を設けるとともに、
    前記エンドレスベルトを回転体の表面に押圧する複数の加圧部材間に生じる間隙の全領域において、これら複数の加圧部材によってエンドレスベルトを回転体の表面に押圧することにより、前記複数の加圧部材によって押圧されたエンドレスベルトの弾性体層の変形部分の全領域が、当該エンドレスベルトの厚さが無負荷状態のベルトの厚さ以上になるように弾性層を変形させたことを特徴とする画像定着装置。
  2. 請求項1に記載された画像定着装置において、前記エンドレスベルトの内側に複数配置された加圧部材が、回転体もしくは固定摺動部材あるいはその両方の組み合わせからなることを特徴とする画像定着装置。
  3. 請求項1又は2に記載された画像定着装置において、前記回転体の内部に加熱源を配設し、当該回転体が未定着画像または未乾燥画像と接触するように構成されていることを特徴とする画像定着装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された画像定着装置において、前記エンドレスベルトが、少なくとも一層以上の弾性層を有するベルトからなり、前記エンドレスベルトを構成する一層以上の弾性層の何れかは、エンドレスベルトの全厚さに対する割合が最も大きく設定されているとともに、前記エンドレスベルトの最表層に離型層を設け、前記エンドレスベルトの全厚さに対する厚さの割合が最も大きい弾性層の表面側に、当該弾性層よりも引っ張り強度が大きい補強層を配置したことを特徴とする画像定着装置。
  5. 請求項4に記載された画像定着装置において、前記離型層がフッ素元素を含む樹脂からなることを特徴とする画像定着装置。
  6. 請求項4に記載された画像定着装置において、前記補強層がポリイミド樹脂からなることを特徴とする画像定着装置。
  7. 請求項4に記載された画像定着装置において、前記補強層が金属からなることを特徴とする画像定着装置。
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