JP2005035977A - 新規なγ−ブチロラクトン化合物及びその医薬組成物 - Google Patents

新規なγ−ブチロラクトン化合物及びその医薬組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 タキソール耐性腫瘍細胞株を抑制しうる抗癌性薬剤の提供。
【解決手段】 下記式(I)で表わす新規γ−ブチロラクトン化合物及びその医薬組成物。
【化1】
Figure 2005035977

@0121
式中、XはN、O、S又はSeを示し、A及びBは下記式で表わす置換基を示し、
【化2】
Figure 2005035977

@0122
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アミノ基、アルコキシル基とニトロ基から選ばれるものを示す。
前記新規γ−ブチロラクトン化合物はヒトの肝臓癌、肺癌、卵巣癌、大腸直腸癌及び悪性神経膠芽細胞腫などの癌細胞に対して抑制効果を示し、且つ正常細胞に損傷を与えない状況で、化学治療後期にタキソール(Taxol)に対して耐性を有する腫瘍細胞にも効果的な死滅効果を明らかに示す。従って、前記新規γ−ブチロラクトン化合物は、抗腫瘍治療剤として非常に有用な化合物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は新規γ−ブチロラクトン化合物及びその医薬組成物に関するものである。更に詳細には、癌治療分野に細胞増殖性疾患(cell proliferative disorder)の治療に有用な新規γ−ブチロラクトン化合物及びその医薬組成物に関し、特にヒトの肝臓癌、肺癌、卵巣癌、大腸直腸癌及び悪性神経膠芽細胞腫などの癌細胞の治療に有効な下記式(I)で表わす新規γ−ブチロラクトン化合物及びその医薬組成物に関するものである。
癌とは細胞増殖性疾患であり、ヒトの十大死亡要因の一位になっている。Boringらの1993年の統計によると、米国では毎年約526,000人が癌で死亡し、特に女性の癌の首位を占める乳癌を例にみると、すでに40〜55歳の女性における最大の死亡要因となっている。近年、更に環境汚染の悪化に伴い、卵巣癌、肺癌又は肝臓癌などの固形腫瘍(Solid Tumor)及び皮膚癌などの疾患患者は明かに増大する傾向になっている。Fitzpatrickなどの1986年の研究によると、癌患者の人数は1945年に比べ6倍も急増しており、癌の発見と治療が多く望まれている。
現在、癌の研究によると、真核細胞の老化、複製及び分裂は細胞周期により制御され、特に細胞が複製される場合、その遺伝子の染色体において、デオキシリボ核酸(DNA)含量は2Nより4Nに増倍し、有糸分裂の後に2つの2N娘細胞を生じる。1995年、Blackburnなどの報告によると、真核細胞が分裂する時に、染色体の末端にテロメア(Telomere)と称する固定配列が複製される。ヒトの細胞を例に挙げると、染色体の末端にテロメアとして固定した5’−TTAGGG配列が複製される。最近の研究結果によると、テロメアは細胞周期の細胞時計(Cell Clock)の制御にかかわり、有糸分裂回数の増加に伴い、テロメアは徐々に短くなり、一定した長さまでに短縮すると、染色体末端をカバーしたテロメアは粘着しやすくなり、染色体配列の異常を起こして、細胞が死亡するに至る。
1995年Fengらは、生殖系列細胞、幹細胞及び癌細胞など盛んに分裂が行われる細胞において、これら細胞の染色体末端のテロメアの上にテロメラーゼ(Telomeraze)と称するリボ核タンパク質複合体が附着し、このテロメラーゼの作用はテロメアの長さを維持し、テロメアが度重なる有糸分裂で短くなることから免れることを発見した。そして、細胞におけるテロメラーゼの存在が細胞周期の制御から解き放され、死に向かうことを止める働きをすることがわかった。
更にテロメラーゼ反復配列増殖法(TRAP,Telomerase Repeat Amplification Protocol)分析により染色体のテロメラーゼ活性を調べた結果、腫瘍細胞や分化不全の細胞株(例えば、生殖系列細胞、幹細胞など)では、テロメラーゼ活性が非常に高いが、骨髄細胞や生殖細胞以外の正常な体細胞では、殆どテロメラーゼ活性がないことを明かにしている。Kim及びBroccoliらも1994年及び1995年に、テロメラーゼは腫瘍細胞が細胞の定常化死亡制御における連鎖メカニズムから逃れる助けとして重要な役割を果していることを証明している。そこで、抗癌剤の働きの測定指標として、テロメラーゼ活性を用いることは、従来の化学的指標に取って替わる有用な手段として、正確に抗癌剤が腫瘍細胞を死滅させる状況を探知し、テロメラーゼ活性を測定することが、抗癌物質の治療効果を測定する特異的な指標となっている。
一方、多年にわたる東洋医学分野における臨床治療の経験から、臨床上最も抗癌性の高い5、60種類の漢方薬剤について、前記TRAP活性をスクリーニングした結果、柴胡(サイコ)、黄柏(オウバク)、人参(ニンジン)、甘草(カンゾウ)、当帰(トウキ)、龍胆(リュウタン)及び黄今などの生薬が悪性腫瘍に対し明かに治療効果を示すことが見出されている。又、生薬と現在使用されている抗癌剤とを比べると、生薬の患者に与える副作用(例えば、白血球の減少、カヘキシー(Cachexia)など)も緩和され、これら生薬より腫瘍抑制効果を示す活性成分を抽出すれば、新規な抗癌剤のスクリーニング・ソースになるものと考えられる。
又、現在、転移性実体癌の化学治療薬として広く用いられるパクリタキセル(Paclitaxel)注射剤(商品名:Taxol)、を例にとると、その有効成分であるパクリタキセル(Paclitaxel)は、初めてパシフィックユー(Pacific Yew Tree)から抽出され、下記の化学構造(分子式:C47H51NO14、分子量:854、ジテルペン構造を核に持つ)を有する化合物である。
Figure 2005035977
パクリタキセル注射剤は主に卵巣癌、転移性乳癌、肺癌、メラノーマなどの癌の治療に用いられ、その癌細胞を殺すメカニズムとしては、パクリタキセルが1:1の比で細胞骨格内のβ−チューブリンと結合し、微小管(Micro-tube)の脱重合作用を抑制することで、有糸分裂を遮断して腫瘍細胞の死亡を引き起こすことが報告されている(Blaforklonnyら、1995年参照)。それ故、卵巣癌の初期の薬物療法にタキサン(Taxane)を用いると、腫瘍細胞を有効に殺し、患者の2年生存率を約15%高めることが報告されている。
しかし、治療が長引くと、臨床学的にもパクリタキセルに対する腫瘍細胞の耐性が徐々に生じる。特に、最近の研究によると、一部のパクリタキセル耐性の腫瘍細胞株は、β―チューブリンの発現と電気泳動移動度とが、従来の腫瘍細胞と明らかに異なることが報告されている。又、Raoらの1995年の研究によると、これら腫瘍細胞(例えば、ヒト肺癌細胞株AT−12)は、β−チューブリンを構成する6個のサブユニット配置を変え、パクリタキセルがβ−チューブリンと結合できなくなるだけではなく、異物として細胞からイオンポンプ的に排除され、パクリタキセルに対し腫瘍細胞が徐々に耐性を示し、化学薬物治療の後期において、徐々に薬効を失うことが報告されている。
更に、現在使用されている抗癌剤についてみた場合、例えば、5−フルオロウラシル(5−Fluorouracil)、エポシロン(Epothilone)、シスジアミンジクロロプラチナ(Cisdiamine Dichloroplatinum,俗称シスプラチン(Cisplatin))、プロカルバジン(Procarbazine)及びシクロホスファミド(Cyclophosphamide)などは、単独で用いられるか、又はパクリタキセルと併用されて、タキサン類薬物に対し耐性を示す患者の治療に用いられているが、臨床上の効果は良くなく、しかも細胞学的実験から、現存の抗癌剤は、タキソール耐性の腫瘍細胞株(Taxol resistant Tumor Cell Line)の増殖を抑制できないことが判った。しかし、薬物の投与量を高めた場合、例えば、タキソール投与量を300mg/kgにあげてマウスに注射した時、タキソールの細胞毒性(Cytotoxicity)が強く現れ、しばしば投与後の正常細胞に多くのネクローシス(Necrosis)をもたらしている。
それ故、化学治療後期の癌細胞死滅効果を高める一環として、臨床上抗癌効果を示す漢方生薬から、タキソール耐性腫瘍細胞株を抑制しうる抗癌剤を見つけることが、医学分野では急務となっている。
本発明者が前記の課題を解決するため、鋭意な研究を重ねて、遂に、ミシマサイコ(Bupleurum scorzonerifotium)から分離した、下記式(I)で表わされる新規なγ−ブチロラクトン化合物がタキソール耐性の腫瘍細胞株を抑制できることを見出し、本発明が完成に至った。
Figure 2005035977
式中、Xは窒素、酸素、イオウ、セレンを示し;
A,Bはそれぞれ下記式
Figure 2005035977
(式中、R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アミノ基、アルコキシル基とニトロ基より選ばれた基を示し、又、前記化合物の炭素2(5)部位がZ配置またはE配置を示す)の置換基から選ばれた基を示す。
更に、一般式(I)で示された化合物の中では、下記一般式(II)及び一般式(III)で示される化合物〔ここでは、それぞれチャイフラクトン(Chaihulactone)、イソチャイフラクトン(Isochaihulactone)と命名〕に最も優れた腫瘍抑制効果が見られた。
Figure 2005035977
式中Rはアルコキシル基を示す。
Figure 2005035977
式中、Rは水素原子、アルコキシル基又はアリール基を示す。
詳しくは、即ち、本発明の目的は次のものを提供することにある。
1.下記式(I)で表わすγ−ブチロラクトン化合物,
Figure 2005035977
式中、XはN、O、S又はSeを示し、A及びBはそれぞれ下記式
Figure 2005035977
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アミノ基、アルコキシル基とニトロ基から選ばれるものを示す)で表わす置換基を示す。
2.A及びBがそれぞれ下記の置換基から選ばれるものであることを特徴とする、前記1に記載のγ−ブチロラクトン化合物。
Figure 2005035977
3.γ−ブチロラクトン化合物の位置2(5)の炭素がZ配置であることを特徴とする、前記1に記載のγ−ブチロラクトン化合物。
4.γ−ブチロラクトン化合物の位置2(5)の炭素がE配置であることを特徴とする、前記1に記載のγ−ブチロラクトン化合物。
5.γ−ブチロラクトン化合物が下記式(II)で示された化合物(Chaihulactonesと称する)であることを特徴とする、前記1に記載のγ−ブチロラクトン化合物。
Figure 2005035977
式中、Rはアルコキシル基を示す。
6.γ−ブチロラクトン化合物が下記式(III)で示された化合物(Isochaihulactonesと称する)であることを特徴とする、前記1に記載のγ−ブチロラクトン化合物。
Figure 2005035977
式中、Rは水素原子、アルコキシル基又はアリール基を示す。
7.下記式(I)で表わすγ−ブチロラクトン化合物が有効成分として含有することを特徴とする、哺乳動物細胞増殖性疾患の治療に用いられる医薬組成物。
Figure 2005035977
式中、XはN、O、S又はSeを示し、A及びBはそれぞれ下記式
Figure 2005035977
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アミノ基、アルコキシル基とニトロ基から選ばれるものを示す)で表わす置換基を示す。
8.A及びBがそれぞれ下記の置換基から選ばれるものであることを特徴とする、前記7に記載の医薬組成物。
Figure 2005035977
9.γ−ブチロラクトン化合物の位置2(5)の炭素がZ配置であることを特徴とする、前記7に記載の医薬組成物。
10.γ−ブチロラクトン化合物の位置2(5)の炭素がE配置であることを特徴とする、前記7に記載の医薬組成物。
11.γ−ブチロラクトン化合物が下記式(II)で示された化合物(Chaihulactonesと称する)であることを特徴とする、前記7に記載の医薬組成物。
Figure 2005035977
式中、Rはアルコキシル基を示す。
12.γ−ブチロラクトン化合物が下記式(III)で示された化合物(Isochaihulactonesと称する)であることを特徴とする、前記7に記載の医薬組成物。
Figure 2005035977
式中、Rは水素原子、アルコキシル基又はアリール基を示す。
13.有効成分である前記式(I)で表わされるγ−ブチロラクトン化合物の供給源として、ミナミサイコ(Bupleurum scorzonerifolium)のエキスが用いられることを特徴とする請求項7に記載の医薬組成物。
14.ミナミサイコのエキスが更にクロマトグラフィ方法で精製されることを特徴とする、前記13に記載の医薬組成物。
15.ミナミサイコのエキスが、アセトン又はメタノールから選ばれた有機溶剤で抽出して得られたものであることを特徴とする、前記14に記載の医薬組成物。
16.クロマトグラフィ方法が、シリカゲルクロマトグラフィ、分取HPLC、又は中圧液相クロマトグラフィ(MPLC)であることを特徴とする、前記14に記載の医薬組成物。
17.細胞増殖性疾病がヒトの癌であることを特徴とする、前記7に記載の医薬組成物。
18.ヒトの癌がヒト肝臓癌、ヒト卵巣癌、ヒト悪性脳膠質細胞癌又はヒト大腸直腸癌であることを特徴とする、前記17に記載の医薬組成物。
19.ヒト癌がヒト肺癌であることを特徴とする、前記17に記載の医薬組成物。
20.細胞増殖性疾病が、タキソールを用いた治療の際に耐性を生ずる耐性疾病であることを特徴とする、前記7に記載の医薬組成物。
以下、特定した具体的な実施例により、本発明にかかわる実施形態について説明するが、本発明の技術分野を熟知する者にとっては、本発明の明細書に開示した内容からたやすく本発明のその他の特徴と効果を察知できるであろう。本発明は又その他の異なる具体的な実施例により実施、利用される。本発明の明細書内に記載されたそれぞれの細事は、これらの異なる立場と利用に基づき、本発明の精神に違反しない限り、更に修飾と変更を行うことも可能である。
本発明のより好ましい実施例において採用されるミシマサイコの抽出方法としては、先にミシマサイコの生薬を粉砕した後アセトンに浸し、繰り返して、撹拌、抽出及び濃縮などの操作を4回行うことで、ミシマサイコアセトン粗抽出物(BS-A相)を得る。次にその残渣をメタノールで抽出して、ミシマサイコメタノール粗抽出物(BS-M相)を得る。更に水でその残渣を抽出してミシマサイコ水相抽出物(BS-W相)を得る。その後、ミシマサイコアセトン粗抽出物を95%メタノール水溶液に溶解し、n−ヘキサンで抽出して、ミシマサイコn−ヘキサン相(BS-H相)とミシマサイコメタノール水溶液相に分離する。次に、ミシマサイコメタノール水溶液相中のメタノールを除去し、クロロホルムで繰り返し抽出・濃縮することによりミシマサイコクロロホルム抽出物を得る。更に、クロマトグラフィでミシマサイコクロロホルム抽出物を分離し、それぞれ濃度の異なるメタノール/ジクロロメタン溶出液を収集し濃縮する。最後に、クロマトグラフィ(例えば、シリカゲルクロマトグラフィ、分取HPLCなど)により、上記のメタノール/クロロメタン溶出相を分離精製して、単離化合物を得る。
クロマトグラフィにより単離した化合物をマススペクトル、核磁気共鳴スペクトルなどを用いてそれぞれの単離化合物の分子量と構造を解析し、下記表に示すヘテロ環化合物を得る。
Figure 2005035977
Figure 2005035977
Figure 2005035977
更に、ミシマサイコのそれぞれの抽出相及びミシマサイコアセトン粗抽出物より分離された上記へテロ環化合物について、それぞれ薬物スクリーンを行った結果、ミシマサイコ生薬中に含有される腫瘍抑制成分は、主にミシマサイコアセトン粗抽出物及びミシマサイコメタノール水溶液相に存在し、ミシマサイコメタノール水溶液相に存在し、ミシマサイコn−ヘキサン相に存在し、ミシマサイコn−ヘキサン相とクロロホルム処理後分離したミシマサイコ水相には、殆ど腫瘍抑制効果がないことが判明した。しかも、クロマトグラフィにより(例えば、低圧液相クロマトグラフィや分取HPLC)精製し、それぞれの溶出液を分離・収集し、濃縮することで上記の単離化合物を得る。
本発明のより好ましい実施例における薬物スクリーンの結果、上記クロマトグラフィにより分離された各成分中、第3成分、第8成分は、ヒト肝臓癌、卵巣癌、肺癌、悪性神経膠芽細胞腫及び大腸直腸癌細胞株に対し、腫瘍死滅効果が著しいことが発見された。
更に、この腫瘍抑制効果を有する第3成分及び第8成分の主な典型的な分子構造について研究したところ、一般式(1)に示す構造を有し、即ち、γ−ブチロラクトンを母核とし、同時に炭素2(5)部位がZ配置又はE配置を示すヘテロ環化合物であることが判明した。
Figure 2005035977
式中、Xは窒素、酸素、イオウ、セレンを示し;
A、Bはそれぞれ下記式
Figure 2005035977
(式中、R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アミノ基、アルコキシル基とニトロ基より選ばれる基を示す)の置換基より選ばれる。
更に、これら精製した化合物の分子構造について研究した結果、第3成分、第8成分、第14成分及び第15成分がミシマサイコ抽出物中に新規な化合物として初めて掲示され、チャイフラクトン、イソチャイフラクトン、チャイフナフトン(Chaihunaphthone)及びイソケオフィリンと命名した。その内、チャイフラクトン及びイソチャイフラクトンは、すべてγ−ブチロラクトンを炭素骨格の母核とした、炭素2(5)部位がZ配置又はE配置を示すヘテロ環化合物であり、このチャイフラクトン類縁化合物及びイソチャイフラクトン類縁化合物の一般式(II)及び(III)をそれぞれ下記に示す:
Figure 2005035977
式中、Rはアルコキシル基を示す。
Figure 2005035977
式中、Rは水素原子、アルコキシル基又はアリール基を示す。
この新規へテロ環化合物であるチャイフラクトン、イソチャイフラクトン及びチャイフラクトンにかかわる類縁化合物及びその誘導体は、ミシマサイコに存在するリグナンである。薬物スクリーンの際、各ミシマサイコ抽出物中、ミシマサイコアセトン粗抽出物及び第8成分のイソチャイフラクトンが、最も優れた腫瘍抑制効果を有することが発見された。そこで下記におけるより好ましい実施例において、それぞれミシマサイコアセトン粗抽出物及び第8成分を用い、γ−ブチロラクトンを含有するミシマサイコ抽出物及びミシマサイコの新規化合物である「チャイフラクトン類縁化合物及びその誘導体」における活性指標成分とした。更に、これを使用して、ヒト肝臓癌、卵巣癌、肺癌、悪性神経膠芽細胞腫又は大腸直腸癌に対する薬効指標成分とする。
この(γ−ブチロラクトン)母核へテロ環化合物及びチャイフラクトン類縁化合物を指標に用い、腫瘍細胞株と生体内における腫瘍抑制状態に対するミシマサイコ抽出物を検定した。
又、本発明のより好ましい実施例における組織切片の検査から、ミシマサイコアセトン粗抽出物は腫瘍容積(Tumor volume)を有効に縮小させることが判明し、腫瘍細胞核を解裂させ、リンパ球の浸潤により、腫瘍組織の多くをネクローシスに至らしめることが判った。更に、動物毒性試験により、哺乳動物にミシマサイコ抽出物を投与した後、体内各器官の機能にかかわる指標として、例えば、リパーゼ、アミラーゼ、クレチニンキナーゼ、乳酸脱水素酵素、GOT、BUNなどを、ミシマサイコ抽出物投与前後について比べた結果、著しい差異がないことが明らかになった。しかし、腫瘍部位のテロメラーゼ活性は、ミシマサイコ抽出物投与後には明らかに降下しており、本発明のミシマサイコアセトン粗抽出物及び新規化合物のチャイフラクトン、イソチャイフラクトン及びチャイフラクトンにかかわる類縁化合物及びその誘導体を哺乳動物に投与した場合、肝臓や腎臓の正常な機能に損害を与えない条件下、ヒト肝臓癌、卵巣癌、肺癌、悪性神経膠芽細胞腫と大腸直腸癌に対し、高い特異性(High specificity)を示す死滅効果があることが明らかになった。
他方、γ−ブチロラクトンヘテロ環化合物を有するミシマサイコアセトン粗抽出物及びミシマサイコ抽出物から分離された第8成分のイソチャイフラクトン(即ち、チャイフラクトン、チャイフラクトン類緑化合物及びその誘導体に用いられる指標成分)については、タキソール耐性腫瘍細胞株のテロメラーゼ活性に対する有効濃度(約1.2μg/ml)がミシマサイコアセトン粗抽出物の有効濃度(約60μg/ml)に比べ非常に小さかった。このことから、チャイフラクトン、イソチャイフラクトン及びチャイフラクトンにかかわる類縁化合物及びその誘導体がミシマサイコ中最も重要な腫瘍抑制活性成分であることが証明され、且つ生薬形態のミシマサイコを本発明の抽出方法で分離した後、そのミシマサイコ抽出物の腫瘍抑制効果が更に著しくなることを明らかにした。
そこで、薬物の作用メカニズムの立場から見ると、ミシマサイコ抽出物(特に、ミシマサイコアセトン粗抽出物、チャイフラクトン、イソチャイフラクトン及びチャイフラクトンにかかわる類縁物質及びその誘導体)は、タキソールに類似しており、有糸分裂を抑制する1つの微小管安定剤であるが、しかし、β―チューブリンに対する作用部位が両者では異なるもものと思われる。
以上を総括すると、ミシマサイコより単離された新規な化合物チャイフラクトン、イソチャイフラクトン、チャイフラクトン類縁化合物及びその誘導体は新薬物の研究開発上、新規な抗癌剤のソースとなることが非常に期待される。
以下、本発明の観点について、実施例によって更に詳しく説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
先に図式を参照しながら本発明を説明する:(1)腫瘍抑制効果を有するミシマサイコ抽出物、(2)該抽出物に含有される活性成分、(3)ミシマサイコ生薬中から抽出したミシマサイコ抽出物、(4)ミシマサイコ抽出物より各活性成分を抽出する方法によって、ヒト肝臓癌、卵巣癌、肺癌、悪性神経膠芽細胞及び大腸直腸癌などの癌細胞を治療する、より好ましい実施例について説明するが、これら実施例は本発明のより好ましい実施形態を示すものであり、本発明の実施範囲を何ら限定するものではない。ミシマサイコ抽出物及びその活性成分によって薬物上許容される類縁化合物を製造する場合、実際の実施状況に従い、その薬物組成、薬剤の種類及び合成形態を全て調整することができる。
[実施例1]
ミシマサイコ腫瘍抑制剤(Antineoplastic)活性成分の抽出方法
本発明に用いられるミシマサイコは、単葉、互生、全縁、複繖花花序を呈する狭葉サイコ(Bupleurum scorzonerifolium Wild、台湾ではミナミサイコと称する)であって、乾燥、粉砕した後、室温下でミシマサイコ粉末6kgをアセトン20Lに浸し、4時間撹拌した後、濃縮、濾過する。このような抽出過程を4回繰り返すことにより、ミシマサイコアセトン粗抽出物(BS-A相と略称する)を得る。次に、その残渣をメタノールで抽出してミシマサイコメタノール抽出物(BS-M相と略称する)を得る。最後に、その残渣を水で抽出してミシマサイコ水相抽出物(BS-W相と略称する)を得る。その後、ミシマサイコアセトン粗抽出物を95%メタノール水溶液に溶解して、n−ヘキサンで3回抽出した後、ミシマサイコn−ヘキサン相(BS-H相と略称する)及びミシマサイコメタノール水溶液相に分離する。蒸留水500mlをミシマサイコメタノール水溶液相に加え、そのメタノールを除去し、メタノールを除去したミシマサイコ水溶液中にクロロホルムを加えて抽出し、クロロホルムで3回抽出した後、クロロホルム相と水相を分離し、クロロホルム抽出液を合わせて濃縮することで、ミシマサイコクロロホルム抽出物(BS-Cと略称する)を得た。
次に、ミシマサイコアセトン粗抽出物(BS-A)、ミシマサイコメタノール粗抽出物(BS-M)、ミシマサイコn−ヘキサン抽出物(BS-H)、ミシマサイコクロロホルム抽出物(BS-C)及びミシマサイコ水相抽出物(BS-W)を用い、それぞれMTT解析により、異なる抽出相から収集した抽出物について、肺癌細胞株A549に対する薬物毒性を調べた結果を図1に示す。各種ミシマサイコ抽出相中、アセトン抽出物の腫瘍抑制効果が最も良かった。粗抽出物の抽出過程手順において、「アセトン粗抽出物→メタノール水溶液抽出物→クロロホルム抽出物」すべてに腫瘍抑制成分が含まれていた。ミシマサイコ抽出物から更に腫瘍抑制効果を有する成分を単離するために、クロマトグラフィによりそのクロロホルム抽出物を精製した。
即ち、シリカゲルクロマトグラフィを用い、約100gのミシマサイコクロロホルム抽出物をそれぞれ5%メタノール/ジクロロメタン、10%メタノール/ジクロロメタン、20%メタノール/ジクロロメタンとメタノールで溶出・分離して、5%メタノール/ジクロロメタン溶出物27.5g、10%メタノール/ジクロロメタン溶出物14.04g、20%メタノール/ジクロロメタン溶出物10.96gとメタノール溶出物7.25gがそれぞれ得られた。その内、腫瘍抑制成分は主に5%メタノール/ジクロロメタン溶出物に存在した。その後、例えばシリカゲルカラムクロマトグラフィ、分取HPLCや中圧液相クロマトグラフィ、又はLobar等層析法などを用いて5%メタノール/ジクロロメタン溶出物を分離・濃縮し、腫瘍抑制効果を有する前記第3成分、第8成分、第14成分及び第15成分を得た。
[実施例2]
ミシマサイコ腫瘍抑制活性成分の構造決定
前記抽出方法により、ミシマサイコアセトン抽出物から分離した第3成分、第8成分、第14成分及び第15成分などの主要化合物について、それぞれマススペクトル及び核磁気共鳴スペクトルにより、その分子量及び化学構造を決定し、その結果を下記の表2に示す。
Figure 2005035977
これら分子構造について、検討した結果、ヒト肝臓癌、卵巣癌、肺癌、悪性神経膠芽細胞腫及び大腸直腸癌細胞株に対し抑制効果を示すミシマサイコ抽出物は、すべてその炭素骨格としてγ−ブチロラクトン核を有し、しかも、炭素2(5)部位がZ配置又はE配置を示すヘテロ環化合物であることを発見した。しかも、細胞毒性を調べた所、前記第3成分及び第8成分は他の成分に比べ、肺癌細胞株に対し、優れた死滅効果を示した。そこで、第3成分及び第8成分を結晶化した後、核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR及び13C-NMR)を用い、その分子構造を同定したところ、下記一般式(II’)と(III’)で示す新規な化合物を発見し、それぞれチャイフラクトン(Chaihulactone)及びイソチャイフラクトン(Isochaihulactone)と命名した。
Figure 2005035977
式中、Rはアルコキシル基を示す。
Figure 2005035977
式中、Rは水素原子又はアルコキシル基を示す。
(白色針状結晶、融点:137〜138℃,[α]D 25-29.0°(c0.5,CHC13);IR(KBr)νmaxcm-1:1745,1635,1581,1335,1153;UV(CHC13)λmaxnm(logε):247(4.08),298(4.17)327(4.08))
しかし、更に、第1成分、第2成分、第11成分及び第15成分などに代表される化合物とその類縁化合物及びその誘導体などその他の腫瘍抑制効果を有する化合物の化学構造について、現存する薬物資料ライブラリーと比較検討した結果、これらミシマサイコ抽出物中に存在する腫瘍死滅効果を有する医薬成分は、すべてγ−ブチロラクトンを母核構造にし、しかも炭素2(5)部位がZ配置又はE配置を示すヘテロ環化合物、又はその薬理学上許容される誘導体であることを発見した。このヘテロ環化合物の一般式(I)を下記に示す:
Figure 2005035977
式中、Xは窒素、酸素、イオウ、セレンを示す;
A,Bはそれぞれ下記式の置換基から選ばれた基を示し、
Figure 2005035977
式中、R1、R2、R3、R4、R5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アミノ基、アルコキシル基とニトロ基からなる群より選ばれ、その置換基として下記の置換基構造を示すものが含まれる:
Figure 2005035977
更に、細胞毒性試験の結果より第8成分のイソチャイフラクトンは、その他のチャイフラクトン類縁化合物に比べ、肺癌細胞株に対し、特に著しい死滅効果を示すことが判った。そこで、本発明の以下の実施例において、ミシマサイコアセトン抽出物(BS-A)及びその第8成分のイソチャイフラクトン(BS-8)とを用いて、ミシマサイコ腫瘍抑制成分としての「γ−ブチロラクトン核、炭素2(5)部位がZ配置を示すヘテロ環化合物」及び新規化合物としての「チャイフラクトン、イソチャイフラクトン、チャイフラクトン類縁化合物とその誘導体」などの薬効を評価する指標物資とした。
[実施例3]
細胞増殖に対するミシマサイコ抽出物の影響
ミシマサイコ生薬材から抽出したミシマサイコアセトン粗抽出物(BS-A)、ミシマサイコメタノール粗抽出物(BS-M)、ミシマサイコ水粗抽出物(BS-W)及びBS-A抽出物から単離した第8成分(BS-8)をそれぞれヒト肝臓癌細胞株、卵巣癌細胞株、肺癌細胞株、悪性神経膠芽細胞腫及び大腸直腸癌株培地に添加し、7日間各種癌細胞株に与える場合の薬物の抑制効果を観察した。本実施例においては、肺癌細胞株A549及び大腸直腸癌細胞株HT-29を例に挙げると、それぞれの抽出物を投与した3日後に、60mgのミシマサイコアセトン粗抽出物を添加した腫瘍細胞数の減少度合は、600mgのミシマサイコメタノール粗抽出物を添加した場合と同じであった。このことから、BS-M相に含まれる腫瘍抑制性分量はBS-A相に比べて非常に少ないことが明かに示され、ミシマサイコの腫瘍抑制物質は主にミシマサイコアセトン抽出物に存在することが判った。
それぞれのミシマサイコ抽出物を添加した前後の状況を比較するために、ヒト肺癌細胞株A549における細胞増殖の変化について、フローサイトメトリーを用いて調べた結果を図2A〜Dに示す。図中、横軸は抗体と結合した腫瘍細胞の染色体数を示し、縦軸はFITC蛍光強度を表わし、各図より明かに示されることは、薬物投与前、肺癌細胞株A549は主にG0/G1期として存在するが、腫瘍細胞にミシマサイコアセトン抽出物(BS-A)又はミシマサイコメタノール抽出物(BS-M)を添加した後には、腫瘍細胞は明らかにG2/M期に停止する状況が見られ、特にミシマサイコアセトン抽出物を添加した場合、この現象が著しく現れる。他方、フローサイトメトリーを用いたPI染色結果から、ミシマサイコ抽出物の添加後に、G0/G1期の染色体量の減少が同じように見られ、G2/M期の染色体(2N,4Nなど)量は大幅に増加している。同様の現象はヒト肝臓癌細胞株、卵巣癌細胞株、肺癌細胞株及び大腸直腸癌細胞株にも見られ、ミシマサイコ抽出物の腫瘍抑制メカニズムがG2/M停止(G2/M Arrest)と関連する可能性が高いことを示すものである。
[実施例4]
ミシマサイコ抽出物とアポトーシス
更に、ミシマサイコ抽出物が腫瘍細胞株を誘導し、アポトーシスを生じるか否かを調べる為、本実施例において、フローサイトメトリー法を採用し、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCRと略称する)及びウェスタンブロッティングによって、腫瘍細胞株にそれぞれミシマサイコ抽出物の第8成分及びミシマサイコアセトン抽出物を添加した後の、腫瘍細胞における、細胞周期及びP21蛋白質及びP53蛋白質を調節する働きについて調べた。
肺癌細胞株A549を例に挙げると、薬物未投与のA549細胞株、2μMのイソチャイフラクトン添加A549細胞株及び60μg/mlのミシマサイコアセトン抽出物添加A549細胞株を48時間継続培養した後、フローサイトメトリー法を採用し、Annexin V−Flous及びPIとの間の染色結果を調べ、図3A〜Cに示した。図中、横軸はAnnexin V−Flous抗体結合の腫瘍細胞の蛍光強度を示し、縦軸はPI抗体結合の腫瘍細胞の蛍光強度を示す。図3A〜Cからわかるように、対照群(薬物未投与のA549腫瘍細胞株)については、48時間の培養後には、Annexin V(細胞膜が外に反り、アポトーシスの指標となる)と結合した細胞量は僅か3.8%に過ぎずなかった。しかし、A549肺癌細胞株にイソチャイフラクトン又はミシマサイコアセトン粗抽出物を添加して48時間培養した後には、腫瘍細胞とAnnexin Vが結合した腫瘍細胞の量が大幅に増加し、32.7%になったことが見られ、ミシマサイコ抽出物の作用によって、腫瘍細胞にアポトーシスが生じることが明かにされた。
更に、図4に示される細胞周期及び図5に示されるウエスタンブロッティングの結果から、腫瘍細胞の細胞周期に対するミシマサイコアセトン粗抽出物又はミシマサイコ抽出物中のイソチャイフラクトンの作用メカニズムはタキソール類に似て、すべて有糸分裂の成熟段階(G2/M期)に停止させることがわかった。さらに、ミシマサイコアセトン粗抽出物(BS-A)及びチャイフラクトン類縁化合物及びその誘導体(BS-3又はBS-8)は、腫瘍抑制蛋白質P21及びP53の発現量を大幅に高め、サイクリンD及びサイクリンEを阻害し、細胞がG0/G1期に進むのを妨げ、腫瘍細胞をG2/M期に停止させることが判った。
そこで、上記の結果によりミシマサイコアセトン抽出物及びイソチャイフラクトンを含むチャイフラクトン類縁化合物及びその誘導体は、腫瘍細胞がG2/M期に停止する働きを促進し、腫瘍細胞がアポトーシスに入るのを誘導する。上記現象は、全てヒト肝臓癌、肺癌、卵巣癌、悪性腫瘍及び大腸直腸癌細胞株中で発生し、ミシマサイコ抽出物がヒト肝臓癌、卵巣癌、肺癌、悪性腫瘍及び大腸直腸癌の増殖を抑制する効果があることを示している。この作用メカニズムはタキソールの作用メカニズムに似て、G2/M停止剤の一種と言えよう。
又、腫瘍細胞株にミシマサイコアセトン抽出物及びミシマサイコ抽出物の第8成分を投与した後、ウエスタンブロッティング法により細胞骨格(Cytoskeleton)の変化を調べた。図6に示す通り、肺癌細胞株A549にミシマサイコアセトン抽出物を添加した後、12、24又は48時間経過しても、細胞骨格中の第1型α−チューブリンは明かな変化はなかった。しかし、第5型β−チューブリンは徐々に減少した。又、ミシマサイコ抽出物添加前後にβ−チューブリンに重合現象が現れるか否かを比較したところ、図7に示される結果より、ミシマサイコ抽出物の第8成分を添加した後、可溶型(Soluble form、図中Sで示され、未重合状態のβ−チューブリンを指す)のバンドは消え、顆粒型(Particular form、図中Pで示され、重合後のβ−チューブリンを指す)のバンドが濃くなり、ミシマサイコ抽出物はタキソールに似てβ−チューブリンを重合させる作用を有することが判る。
又、共焦点顕微鏡を用いて、微小管に蛍光標識を施した抗微小管抗体を結合させた後、細胞骨格内の紡錘体の移動状況を調べてみた。図8に示される結果より、腫瘍細胞にミシマサイコ抽出物を添加すると、β−チューブリンに重合現象が生じ、紡錘体は引き伸ばされて、2倍体と多倍体染色体が細胞の両極に移動するのを阻害し、腫瘍細胞は2つに分裂しなくなることが明らかとなった。このように、腫瘍細胞の有糸分裂が効果的に行われず、更に2N,4N染色体が持続して累積するに従い、ジャンク細胞を誘致し、アポトーシスに至る。
[実施例5]
タキソール耐性腫瘍細胞株に対するミシマサイコ抽出物の影響
タキソール耐性を生じた化学治療後期の腫瘍細胞に対して、現存する薬物では十分な腫瘍死滅効果が得られず、しかも上記のフローサイトメトリー法の結果から、ミシマサイコアセトン抽出物及びイソチャイフラクトン類縁化合物及びその誘導体はタキソールに似たヒト肝臓癌、卵巣癌、悪性腫瘍、肺癌又は大腸直腸癌に対する腫瘍抑制メカニズムを示すので、本発明において、ミシマサイコ抽出物を新規な薬物のスクリーンソースとして、タキソール耐性腫瘍細胞株に対するミシマサイコ抽出物の死滅効果を調べてみた。
以下、本実施例においては、ヒト肺癌細胞株A549を継続培養し、これにより生じたタキソール耐性肺癌細胞株A549-T12を例に挙げるが、ミシマサイコ抽出物の第8成分及び第15成分(BS-8,BS-15)を用い、それぞれチャイフラクトンとチャイフラクトンにかかわる類縁誘導体を代表し、A549-T12細胞株に対する影響を調べた。更にフロサイトメトリー、薬物毒性試験及び組織切片により、タキソール耐性腫瘍細胞株に対するミシマサイコ抽出物の死滅効果を評価した。
図9A〜Dで示される通り、比較対照群(薬物未投与のA549-T12)及び、30μg/ml BS-A、8μg/ml BS-8及び8μg/ml BS-15をそれぞれ添加したA549-T12株について、フローサイトメトリー法を採用し、Annexin V−FlousとPI間との変化を調べた。図中、横軸はAnnexin V−Flous抗体と結合した腫瘍細胞の蛍光強度を示し、縦軸はPI抗体と結合した腫瘍細胞の蛍光強度を表わす。これらの結果から、比較対照群(薬物を投与していないタキソール耐性腫瘍細胞株A549-T12)を48時間培養した後のAnnexin V結合細胞量は6.8%にとどまり、A549-T12細胞株にイソチャイフラクトン、チャイフラクトン誘導体及びミシマサイコアセトン粗抽出物をそれぞれ添加した後、更に48時間培養した場合、腫瘍細胞とAnnexin Vが結合した腫瘍細胞量はそれぞれ大幅に増加して30.6%、23.1%と24%になっていた。このことから、イソチャイフラクトンが、その他のチャイフラクトン誘導体に比べて、タキソール耐性細胞株におけるアポトーシス誘致能力が高いことが明らかであり、しかも、ミシマサイコアセトン抽出物を精製すれば、粗抽出物に比べて、腫瘍細胞のアポトーシスを誘致する能力が著しくなることもわかった。
又、細胞毒性試験結果においても、ミシマサイコアセトン粗抽出物(BS-A)、チャイフラクトン類縁化合物(BS-8)及びチャイフラクトン類縁化合物(BS-15)をそれぞれタキソール耐性肺癌細胞株に添加して48時間経過させた場合、図10A〜図10Cに示す通り、腫瘍細胞の生存率はすべて明かに低下している。又、精製して得られたチャイフラクトン類縁化合物における腫瘍細胞の死滅効果については、細胞や動物の50%致死濃度(IC50又はED50)が、アセトン抽出物に比べてすべて非常に小さくなっている。チャイフラクトン、イソチャイフラクトンを含むチャイフラクトン類縁化合物及びその誘導体は、ミシマサイコアセトン粗抽出物中の腫瘍抑制成分の主要活性物質であり、しかも、分離した後のミシマサイコ抽出物は極めて少ない量(1.5μg/ml)で腫瘍細胞のアポトーシスを引き起こすことができる。
[実施例6]
生体内におけるミシマサイコ抽出物の抗癌効果の評価
生体内におけるA549細胞株及びタキソール耐性腫瘍細胞(A549-T12)に対するミシマサイコ抽出物の抑制状態を組織切片について調べた。図11A、B及び図12A、図12Bに示す通り、100倍に拡大したヘマトキシリン及びエオシンで染色した組織切片を用い、ES-A治療前後の腫瘍組織のネクローシス状態を比較した結果、試験動物にBS-Aを300mg/kg投与した後、腫瘍細胞では一部分の細胞核が解裂し、リンパ球の浸潤が発生して、多くの腫瘍細胞が出血性ネクローシスに至るのが見られた。図12Bから、BS-A治療以後に、もともと密集していた腫瘍細胞が散らばって幾つかの腫瘍細胞として残っているのが明かに見られる。同時に、図13Aに示す皮下腫瘍組織(A549細胞株)と比較した結果から、ミシマサイコ抽出物を500mg/kg投与した動物試験において、動物の皮下腫瘍体積は明かに77%も縮小し(即ち、腫瘍直径が13μmから3μmに縮小)、更に、腫瘍体積の相対値を示す図13Bの結果より、ミシマサイコ抽出物を用いて腫瘍を治療すれば、腫瘍の増大速度が著しく穏やかになる傾向が示されている。上記の組織切片及び皮下腫瘍組織に関する試験から、生体内の主要組織に対しても、ミシマサイコ抽出物は著しい死滅効果を有し、腫瘍体積の増大速度を遅くすることができることが判る。
[実施例7]
細胞毒性及び動物毒性にかかわるミシマサイコ抽出物の影響
本発明の試験結果よりヒト肝臓癌、卵巣癌、肺癌、悪性腫瘍及び大腸直腸癌細胞株に対して、ミシマサイコアセトン粗抽出物(60μg/ml)は、著しい抑制効果を示していることが判る。更に、組織切片及び皮下腫瘍試験においても、ミシマサイコ抽出物によって生体内の腫瘍組織が死滅することが証明されている。その他の正常細胞や器官に対して影響があるか否かを調べて、新規薬剤の供給源としてミシマサイコ抽出物を利用できるか否かを調べるために、本実施例において正常な試験マウスを用いてミシマサイコ抽出物を400μg/kg投与し、各器官の生化学的指標となる酵素の変化を調べた。
図14及び図15に示されるように、正常マウス内に400μg/kgのミシマサイコアセトン抽出物を静脈投与し、72時間後に膵臓機能の指標となるリパーゼ、アミラーゼ、肝臓機能の指標であるグルコースオキシダーゼ(Glucose oxidase , GOT)、グルコースリン酸トランスフェラーゼ(GPT)、心臓機能の指標となる乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、クレアチニンキナーゼ(CK)、腎臓機能の指標であるクレアチニン、血中尿素窒素(BUN)などの生化学的指標及び、心拍、収縮圧、弛緩圧、血小板及び白血球などについて調べた所、未投与の対照群と何ら差異が見られず、ミシマサイコ抽出物の投与が生体内の消化系、循環系、代謝系、造血機能及び生殖細胞に影響をもたらさないことが判明した。更に、図17に示す肝臓、腎臓の組織切片から見て、ミシマサイコ抽出物を300μg/kg、5日間連続して腹腔内投与した後でも、正常の肝臓細胞及び腎臓細胞には何ら影響を生じていないことがわかった。他方、ミシマサイコアセトン抽出物及びイソチャイフラクトンは生体内の腫瘍細胞のテロメラーゼ活性を著しく抑制する。そこで、前記結果を総合すると、生体内にミシマサイコの抽出物を投与しても、正常細胞の機能や器官の働きに影響がなく、しかも、タキソール耐性細胞株内の腫瘍細胞に対して高い特異的な死滅効果を示す。それ故に、ミシマサイコ抽出物及びその薬理学上許容できる誘導体は治療用薬物として、現在の薬物におけるタキソール耐性腫瘍細胞の死滅効果に関する課題を効果的に解決し、化学治療後期においてタキソールに対して徐々に薬効を失う場合に、一種の新規な抗腫瘍剤として提供することができる。
本発明の上記一般式(I)で示された新規なγ−ブチロラクトン化合物については、通常の腫瘍細胞又はタキソール耐性腫瘍細胞に対して、その腫瘍テロメラーゼ活性の抑制効果、腫瘍体積の縮小効果、腫瘍細胞増殖の抑制効果及び腫瘍細胞アポトーシス促進効果などがすべて著しく示され、且つ生体内の正常な消化系、循環系、代謝系、造血機能及び生殖分泌系に影響しない状況で、特異性が高い腫瘍細胞の死滅的効果を示す。従って、本発明の新規なγ−ブチロラクトン化合物は、ヒト肝臓癌、卵巣癌、肺癌、悪性腫瘍及び大腸直腸癌などの腫瘍抑制の有効成分として治療に用いられる。
図1は、本発明の抽出方法により分離されたミシマサイコアセトン粗抽出物(BS-A)、ミシマサイコメタノール粗抽出物(BS-M)及びミシマサイコ水粗抽出物(BS-W)を用いて、細胞毒性試験(MTT Assay)を行った後、その腫瘍細胞生存率とミシマサイコ投与剤量との関係を示すものである。 図2A〜Dは、本発明の抽出方法より分離されたミシマサイコアセトン粗抽出物(BS-A)、ミシマサイコメタノール粗抽出物(BS-M)及びミシマサイコ水粗抽出物(BS-W)をそれぞれ肺癌細胞株A549に添加し、フローサイトメトリー法により、腫瘍細胞株の細胞周期のピークに対する各ミシマサイコ抽出物の作用を調べた結果を示す。 図3A〜Cは、ヒト肺癌細胞株A549において、薬物未投与、イソラクトン20μM及びミシマサイコアセトン抽出物60μg/mlをそれぞれ投与し、48時間継続培養した後、フローサイトメトリー法により測定したAnnexin V−FLOUSアポトーシスの方眼紙図面(横軸はAnnexin V−FLOUS抗体が結合した腫瘍細胞の蛍光強度を示し、縦軸はIP抗体が結合した腫瘍細胞の蛍光強度を示す)を示す。 図4は、ヒト肺癌細胞株A549において、薬物未投与(対照群)及びミシマサイコアセトン粗抽出物(BS-A)、ミシマサイコ抽出物第8成分(BS-8)及びタキソールをそれぞれ添加して、フローサイトメトリー法により測定した細胞周期の変化分析図を示す。 図5は、ヒト肺癌細胞株A549において、薬物未投与(C)及びミシマサイコアセトン抽出物(BS-A)、ミシマサイコメタノール抽出物(BS-M)、ミシマサイコ水抽出物(BS-W)、ミシマサイコ抽出物第8成分(BS-8)、ミシマサイコ抽出物第3成分(BS-3)を1日又は3日間添加した後、腫瘍抑制蛋白質であるP21とP53をウェスタンブロッティングに供した図である。 図6は、ヒト肺癌細胞株A549において、薬物未投与(C)、ミシマサイコアセトン抽出物を添加し、12、24又は48時間後に、腫瘍細胞の細胞骨格中の第1型α−チューブリン及び第5型β−チューブリンをウェスタンブロッティングで示した図である。 図7は、ヒト肺癌細胞株A549において、薬物未投与(A549)、ミシマサイコ抽出物第8成分、タキソール及びビンカアルカロイドをそれぞれ添加した後、腫瘍細胞の可溶型(Soluble form, S)又は顆粒型(Particular form, P)のβ−チューブリンを示したウエスタンブロッティング図である。 図8は、ヒト肺癌細胞株A549において、ミシマサイコ抽出物を添加した後、共焦点顕微鏡を用いて、引き延ばされた状態の紡錘体の蛍光標識切片図を示す。 図9A〜Dは、ヒト肺癌のタキソール耐性細胞株A549-T12において、薬物未添加及びミシマサイコアセトン粗抽出物(BS-A)、ミシマサイコアセトン抽出物(BS-A)、ミシマサイコ抽出物第8成分(BS-8)及びミシマサイコ抽出物第15成分(BS-15)をそれぞれ添加して15時間後、フローサイトメトリー法により測定したAnnexin V−FLOUSアポトーシスの方眼紙図(横軸は、Annexin V−FLOUS抗体が結合した腫瘍細胞の蛍光強度を示し、縦軸はPI抗体が結合した腫瘍細胞の蛍光強度を示す)を示す。 図10Aは、ヒト肺癌タキソール耐性細胞株A549-T12において、ミシマサイコアセトン抽出物(BS-A)を添加し、24時間及び48時間後における、腫瘍細胞の細胞毒性試験(MTT Assay)の結果を示す。 図10Bは、ヒト肺癌タキソール耐性細胞株A549-T12において、ミシマサイコ抽出物第8成分(BS-8)を添加し、24時間及び48時間後における、腫瘍細胞の細胞毒性試験(MTT Assay)の結果を示す。 図10Cは、ヒト肺癌タキソール耐性細胞株A549-T12において、ミシマサイコ抽出物第15成分(BS-15)を添加し、24時間及び48時間後における、腫瘍細胞の細胞毒性試験(MTT Assay)の結果を示す。 図11Aは、ヌードマウスの皮下にA549細胞株を移植し(対照群)、ヘマトキシリン及びエオシシ染色処理した組織切片を示す(拡大倍数100倍);図11Bは、ヌードマウスの皮下にA549細胞株を移植し、腹腔内注射により継続して5日間500mg/kgのミシマサイコアセトン抽出物を投与し、第7日目にヘマトキシリン及びエオシン染色を施し、多くの腫瘍組織が出血性ネクローシスを生じた組織切片を示す(拡大倍数100倍)。 図12Aは、ヌードマウスの皮下にA549-T12細胞株を移植し(対照群)、ヘマトキシリン及びエオシン染色処理した組織切片を示す(拡大倍数100倍)。 図12Bは、ヌードマウスの皮下にA549-T12細胞株を移植し、腹腔内注射により継続して5日間400mg/kgのミシマサイコアセトン抽出物を投与し、第7日目に腫瘍にヘマトキシリン及びエオシン染色を施し、多くの組織が繊維化し、僅かな腫瘍細胞が残存している状態を示す(拡大倍数100倍)。 図13Aは、ヌードマウスの皮下にA549細胞株により形成された腫瘍を移植し、腹腔内注射により、継続して5日間400mg/kgのBS-Aを用いて治療し、第7日目に薬物未投与の対照群と比較した、皮下腫瘍の直径を局部的に拡大した写真を示す。 図13Bは、生体において、腹腔内注射により500mg/kgのミシマサイコアセトン粗抽出物を試験動物に投与し、薬物未投与の対照群と比較し、相対的な腫瘍体積と治療期間におけるその変化を示す。 図14は、通常のマウスに400mg/kgのミシマサイコ抽出物を投与し、72時間経過した場合における膵臓、肝臓、心臓、腎臓及び造血組織の各機能にかかわる生化学的指標となる酵素の変化を示す。 図15は、正常のマウスに静脈注射により400mg/kgのミシマサイコ抽出物を投与し、72時間の間、その血小板、白血球、リンパ球の変化を示す。 図16は、正常のマウスに静脈注射により400mg/kgのミシマサイコ抽出物を投与し、72時間の間、その心拍、収縮圧、弛緩圧及び平均圧の変化を示す。 図17は、正常のマウスに腹腔内注射により300mg/kgのミシマサイコ抽出物を5日間継続投与した後、その肝臓細胞及び腎臓細胞の組織切片を示したものである。

Claims (20)


  1. 下記式(I)

    Figure 2005035977

    [式中、XはN、O、S又はSeを示し、AとBはそれぞれ下記式

    Figure 2005035977

    (式中、R1、R2、R3、R4とR5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アミノ基、アルコキシル基とニトロ基から選ばれるものを示す)で表わす置換基を示す] で表されるγ−ブチロラクトン化合物。

  2. AとBが、それぞれ下記の置換基

    Figure 2005035977

    から選ばれるものであることを特徴とする、請求項1に記載のγ−ブチロラクトン化合物。

  3. γ−ブチロラクトン化合物の位置2(5)の炭素がZ配置であることを特徴とする、請求項1に記載のγ−ブチロラクトン化合物。

  4. γ−ブチロラクトン化合物の位置2(5)の炭素がE配置であることを特徴とする、請求項1に記載のγ−ブチロラクトン化合物。

  5. γ−ブチロラクトン化合物が、下記式(II)

    Figure 2005035977

    (式中、Rはアルコキシル基を示す)で示された化合物(Chaihulactonesと称する)であることを特徴とする、請求項1に記載のγ−ブチロラクトン化合物。

  6. γ−ブチロラクトン化合物が、下記式(III)

    Figure 2005035977


    (式中、Rは水素原子、アルコキシル基又はアリール基を示す)で示された化合物(Isochaihulactonesと称する)であることを特徴とする、請求項1に記載のγ−ブチロラクトン化合物。

  7. 下記式(I)

    Figure 2005035977

    [式中、XはN、O、S又はSeを示し、AとBはそれぞれ下記式

    Figure 2005035977

    (式中、R1、R2、R3、R4とR5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アミノ基、アルコキシル基とニトロ基から選ばれるものを示す)で表わす置換基を示す]で表わすγ−ブチロラクトン化合物が有効成分として含有することを特徴とする、哺乳動物細胞増殖性疾患の治療に用いられる医薬組成物。

  8. AとBが、それぞれ下記の置換基

    Figure 2005035977

    から選ばれるものであることを特徴とする、請求項7に記載の医薬組成物。

  9. γ−ブチロラクトン化合物の位置2(5)の炭素がZ配置であることを特徴とする、請求項7に記載の医薬組成物。

  10. γ−ブチロラクトン化合物の位置2(5)の炭素がE配置であることを特徴とする、請求項7に記載の医薬組成物。

  11. γ−ブチロラクトン化合物が、下記式(II)

    Figure 2005035977

    (式中、Rはアルコキシル基を示す)で示された化合物(Chaihulactonesと称する)であることを特徴とする、請求項7に記載の医薬組成物。

  12. γ−ブチロラクトン化合物が、下記式(III)

    Figure 2005035977

    (式中、Rは水素原子、アルコキシル基又はアリール基を示す)で示された化合物(Isochaihulactonesと称する)であることを特徴とする、請求項7に記載の医薬組成物。

  13. 細胞増殖性疾病がヒトの癌であることを特徴とする、請求項7に記載の医薬組成物。

  14. ヒトの癌が、ヒト肝臓癌、ヒト卵巣癌、ヒト悪性脳膠質細胞癌又はヒト大腸直腸癌であることを特徴とする、請求項13に記載の医薬組成物。

  15. ヒトの癌が、ヒト肺癌であることを特徴とする、請求項13に記載の医薬組成物。

  16. 細胞増殖性疾病が、タキソールを用いた治療の際に耐性を生ずる耐性疾病であることを特徴とする、請求項7に記載の医薬組成物。

  17. (1)ミナミサイコ(Bupleurum scorzonerifolium)を有機溶剤で抽出してリグナン(lignan)混合物を得る工程、及び(2)該リグナン混合物からクロマトグラフィ方法によって抗腫瘍細胞増殖の有効成分を単離する工程を含むことを特徴とする、ミナミサイコから哺乳動物細胞増殖性疾患の治療に用いる有効成分の抽出方法。

  18. 有機溶剤がアセトンとメタノールから選ばれるものであることを特徴とする、請求項17に記載の方法。

  19. クロマトグラフィ方法がシリカゲル(silica gel)クロマトグラフィ、分取用HPLC又は中圧液相クロマトグラフィ(medium pressure liquid chromatography)であることを特徴とする、請求項17に記載の方法。

  20. 請求項17に記載の方法を用いて得た抽出物。
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