JP2004522774A - エポチロン誘導体を用いる耐性腫瘍の治療 - Google Patents
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Abstract
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は他の腫瘍治療剤による治療に耐性を示す腫瘍の治療における強力なエポチロン類似体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
エポチロンは医薬分野で有用性を有する大環状化合物である。例えば、構造式:
【化1】
エポチロンA エポチロンB
R=H R=Me
を有するエポチロンAおよびBは、パクリタキセル(タキソール(TAXOL)(登録商標))に似た微小管の安定化効果、従って急速な増殖性細胞(例えば、腫瘍細胞)または他の過剰増殖性細胞疾患に対する細胞毒性活性を発揮することが知られている。ホフレ(Hofle), G.らによるAngew. Chem. Int. Ed. Engl., 35巻, No. 13/14, 1567-1569 (1996); W093/10121(1993年5月27日公開);および W097/19086(1997年5月29日公開)を参照。
【0003】
エポチロンAおよびBの誘導体および類似体が合成されており、それらは種々の癌および他の異常増殖性疾患を処置するのに使用することができる。それらの誘導体は、ホフレらによる上記 ; ニコラロウ(Nicolaou), K. C.らによるAngew Chem. Int. Ed. Eng 36巻, No. 19, 2097-2103 (1997);およびスー(Su), D.-S.らによるAngew Chem. Int. Ed. Eng 36巻, No. 19, 2093-2097 (1997)に開示されている。いくつかの例において、エポチロン誘導体はエポチロンAおよびBより強力な特性を有する。本発明は、タキサン族の化合物などの腫瘍退縮性剤など他の化学療法剤に耐性を示す癌の処置に用いることができる。
【発明の開示】
【0004】
発明の要約
本発明によれば、タキサン腫瘍退縮性剤などの他の化学療法剤による処置に対して耐性を示す腫瘍は、式I:
【化2】
[式中、B1、B2、G、Q、X、Y、Z1、Z2およびR1〜R7は、下記と同じ意味である]で示されるエポチロン誘導体から選ばれるエポチロン誘導体によって処置することができる。式Iで示される化合物は既に、例えば、上記のエポチロンAおよびB、および一連のタキサン類の化合物を含む他の公知の化学療法剤より著しく増強された効力を示すことが報告されている。式Iで示される化合物は、さらに、多くの腫瘍退縮性剤と異なり、経口投与経路で有効であるという利点を有する。
【0005】
発明の詳細な記載
本発明の方法は、タキサン類などの化学療法剤による処置に対して耐性を示す腫瘍の有利な治療を提供する。この明細書で用いられる用語「治療に対する耐性」とは、当初化学療法剤に対して不応答である腫瘍、および当初は反応するが、処置の過程で耐性を獲得する腫瘍の両方を含む。当該方法で有用な化合物はエポチロンであり、腫瘍学的治療剤のタキサン類とは化学的に遠く外れた腫瘍学的化学療法剤の1種である。当該エポチロン誘導体は、式I:
【化3】
【0006】
式中、
Qは、
【化4】
からなる群から選ばれ;
Gは、アルキル, 置換されたアルキル, アリール, 置換されたアリール, ヘテロシクロ、
【化5】
からなる群から選ばれ;
Wは、OまたはNR15であり;
Xは、Oor H, Hであり;
Yは、O;H, OR16;OR17, OR17;NOR18;H, NHOR19;H, NR20R21;H, H;およびCHR22からなる群から選ばれ;ここで、OR17, OR17は、環状ケタールであってもよく;
各Z1およびZ2は、独立して、CH2、O、NR23、S、およびSO2からなる群から選ばれ、ここで、Z1およびZ2の1つだけは、ヘテロ原子であってもよく;
各B1およびB2は、独立して、OR24、OCOR25、およびO−C(=O)−NR26R27からなる群から選ばれ、B1がHであり、YがOH、Hのとき、それらは6−員環ケタールまたはアセタールであってもよく;
Dは、NR28R29、NR30COR31、および飽和のヘテロ環からなる群から選ばれ;
各R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R13、R14、R18、R19、R20、R21、R22、R26、およびR27は、独立して、H、アルキル、置換されたアルキル、およびアリールからなる群から選ばれ、R1およびR2がアルキルのとき、一緒になってシクロアルキルを形成することができ、R3およびR4がアルキルのとき、一緒になってシクロアルキルを形成することができ;
各R9、R10、R16、R17、R24、R25、およびR31は、独立して、H、アルキル、および置換されたアルキルからなる群から選ばれ;
各R8、R11、R12、R28、R30、R32、およびR33は、独立して、H、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、シクロアルキル、およびヘテロシクロからなる群から選ばれ;および
各R15、R23、およびR29は、独立して、H、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、R32C=O、R33SO2、ヒドロキシ、O−アルキルまたはO−置換されたアルキルからなる群から選ばれる;
ただし、化合物(式中、WおよびYが両方ともOであり;R1、R2、およびR7がHであり;R3、R4、およびR6がメチルであり;R8がHまたはメチルであり;Z1、およびZ2がCH2であり;Gが1−メチル−2−(置換された−4−チアゾリル)エテニルであり;およびQが上記の定義と同じである)は除く]
で示される。
【0007】
本発明による好ましい化合物は、式I(式中、Qが、
【化6】
であり;
Xが、Oであり;YがOであり;各Z1およびZ2が、CH2であり;および、Wが、NR15である)で示される化合物である。
【0008】
本発明の別の好ましい化合物群を下記に示す:
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,13,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,13,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,10−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,10−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,14,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,1OS*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,14,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,11−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,11−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−9−オン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−9−オン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−3,8,8,10,12,16−ヘキサメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−3,8,8,10,12−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13,16−ヘキサメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,16−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−6,8,8,10,12−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−4,8,8,10,12,16−ヘキサメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−4,8,8,10,12−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−1,5,5,7,9,13−ヘキサメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−1,5,5,7,9−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−13−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−13−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−10−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−10−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−14−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−14−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−11−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−11−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*,7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−N−フェニル−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−5,9−ジオキソ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−3−カルボキサミド;
[1S−[1R*,3R*,7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−N−フェニル−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−5,9−ジオキソ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−3−カルボキサミド;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*]]−N−フェニル−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−2,6−ジオキソ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−16−カルボキサミド;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*]]−N−フェニル−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−2,6−ジオキソ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−16−カルボキサミド;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)シクロプロピル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)シクロプロピル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;および、
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−ヒドロキシメチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13(Z)−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;および、
医薬的に許容され得るそれらの塩、溶媒和物および水和物。
【0009】
本発明の特に好ましい化合物は、式:
【化7】
で示される。この化合物は化学的には、[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオンである。
【0010】
上記式Iで示されるエポチロン誘導体、およびその製造方法は、WO99/02514、WO99/27890およびWO99/28324に開示されている。しかし、当該エポチロン誘導体が他の公知の化学療法剤に対して耐性のある腫瘍治療に活性を有するとの認識はない。
【0011】
下記は上記式Iで示される化合物を説明するために用いられる種々の用語の定義である。
【0012】
用語「アルキル」は、炭素原子数1〜約20、好ましくは炭素原子数1〜約7の直鎖または分枝鎖飽和炭化水素基を表す。「低級アルキル」という表現は、1〜約4の炭素原子を有する所望により置換されたアルキル基をいう。
【0013】
用語「置換されたアルキル」は、例えば、1〜4個の置換基、例えばハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロオキシ、オキソ、アルカノイル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアミノ、2つのアミノ置換基がアルキル、アリールまたはアラルキルから選択される二置換アミン、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、置換されたアルカノイルアミノ、置換されたアリールアミノ、置換されたアラルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロチオ、アルキルチオノ、アリールチオノ、アラルキルチオノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、スルホンアミ
ド(例えばSO2NH2)、置換されたスルホンアミド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カル
バミル(例えばCONH2)、置換されたカルバミル(例えばCONHアルキル、CONHアリール、CONHアラルキル、または窒素上にアルキル、アリールまたはアラルキルから選択される2つの置換基が存在する場合)、アルコキシカルボニル、アリール、置換されたアリール、グアニジノおよびヘテロシクロ類、例えばインドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピリジル、およびピリミジルなどで置換されたアルキル基をいう。上記の説明で置換基自体がさらに置換されているとした場合、それはハロゲン、アルキル、アルコキシ、アリールまたはアラルキルからなる群から選ばれる。アルキルおよび置換されたアルキルの定義はアルコキシ基のアルキル部分にも同じく適用される。
【0014】
用語「アルケニル」は、炭素数1〜約9、および1個またはそれ以上の二重結合を有する、所望により置換された不飽和の脂肪族炭化水素基をいう。置換基は置換されてアルキルについて上記で記載された1個またはそれ以上の置換基を含有していてもよい。
【0015】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素をいう。
【0016】
用語「環状化合物」とは、1〜3個の環および少なくとも1個の環中に少なくとも1つの炭素と炭素の二重結合を含有する所望により置換された環状化合物をいう。環状化合物の例としては、これに限定されないが、アリールまたは部分的にまたは全く非置換のヘテロ環の環状化合物が含まれ、所望により置換されていてもよい。
【0017】
用語「アリール」は、環部分に約6〜約12個の炭素原子を持つ単環または二環の芳香族炭化水素基、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニルおよびジフェニル基などをいい、それぞれ置換されていてもよい。
【0018】
用語「アラルキル」は、アルキル基を介してより大きな部分に結合しているアリール基、例えばベンジルなどをいう。
【0019】
用語「置換されたアリール」は、例えば、1〜4個の置換基、例えばアルキル、置換されたアルキル、ヘテロシクロ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロオキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アラルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアミノ、アルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロチオ、ウレイド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルバミル、アルコキシカルボニル、アルキルチオノ、アリールチオノ、アルキルスルホニル、スルホンアミド、アリールオキシなどの置換基で置換されたアリール基をいう。置換基は、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アリール、置換されたアリール、置換されたアルキルおよびアラルキルでさらに置換されていてもよい。
【0020】
用語「シクロアルキル」は、所望により置換されていてもよい飽和環式炭化水素環状化合物を表し、好ましくは1〜約3個の環と環1つにつき3〜約7個の炭素原子を含み、それら
の環はさらに不飽和C3〜C7炭素環式環と縮合していてもよい。代表的な基には、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロドデシル、およびアダマンチルなどがある。代表的な置換基として、1つもしくは複数の上記アルキル基、またはアルキル基の置換基として上述した1つもしくは複数の基などが挙げられる。
【0021】
用語「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」および「ヘテロシクロ」は、所望により置換されていてもよい、不飽和、部分的飽和、または完全飽和の芳香族または非芳香族環式基、例えば4〜7員単環、7〜11員二環、もしくは10〜15員三環環状化合物などをいい、少なくとも1つの炭素原子含有環中に少なくとも1つのヘテロ原子を持つ。ヘテロ原子を含むヘテロ環基の各環は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1、2または3個のヘテロ原子を持つことができ、その窒素および硫黄ヘテロ原子は所望により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子はまた所望により4級化されていてもよい。ヘテロ環基は任意のヘテロ原子または炭素原子に結合することができる。
【0022】
代表的な単環ヘテロ環基には、例えばピロリジニル、ピロリル、インドリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキサゼピニル、アゼピニル、4−ピペリドニル、ピリジル、N−オキソピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニルスルホン、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルスルホキシド、チオモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロ-1,1-ジオキソチエニル、ジオキサニル、イソチアゾリジニル、チエタニル、チイラニル、トリアジニル、およびトリアゾリルなどが含まれる。
【0023】
代表的な二環のヘテロ環基には、例えばベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、キヌクリジニル、キノリニル、キノリニル−N−オキシド、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル、シノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(フロ[2,3-c]ピリジニル、フロ[3,1-b]ピリジニルまたはフロ[2,3-b]ピリジニルなど)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(3,4−ジヒドロ-4-オキソキナゾリニルなど)、ベンズイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾジアジニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオピラニル、ベントリアゾリル、ベンズピラゾリル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、ジヒドロベンゾピラニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、ナフチリジニル、フタラジニル、ピペロニル、プリニル、ピリドピリジル、キナゾリニル、テトラヒドロキノリニル、チエノフリル、チエノピリジル、およびチエノチエニルなどが含まれる。
【0024】
「環状化合物」、「ヘテロ環」、「ヘテロ環の」および「ヘテロシクロ」の置換基の例として、置換されたアルキルまたは置換されたアリール、および、エポキシド、アジリジンなどのより小さなヘテロ環について記載された1つまたはそれ以上の置換基が含まれる。
【0025】
用語「アルカノイル」は、−C(O)−アルキルをいう。
用語「置換されたアルカノイル」は、−C(O)−置換されたアルキルをいう。
用語「ヘテロ原子」は、酸素、イオウおよび窒素を含む。
【0026】
式Iで示される化合物は種々の有機および無機の酸と塩により形成された塩を含む。そのような塩には、塩酸、臭化水素、メタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸および医薬製剤の当業者に知られている種々の他のものによって生成する塩が含まれる。そのような塩は、式Iで示される化合物と当量の酸を反応させ、塩が沈澱する媒体中、または水性媒体中で生成させ、その後蒸発させて生成させる。
【0027】
さらに、両性イオン(「分子内塩」)が生成され得、この明細書で使用される用語である「塩」に含まれる。
【0028】
上記式Iで示される化合物は、複数の光学的、幾何的および立体化学的異性体として存在し得る。この明細書で示される化合物は、1つの光学的配向について記載しているが、本発明にはすべての異性体およびそれらの混合物が含まれる。
【0029】
上記式Iで示される化合物は、微小管安定化剤である。従って、それらは種々の癌および他の増殖性疾患の治療に有用であり、疾患には下記のものが含まれるが、これに限定されない:
【0030】
膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、精巣癌、胃癌、頚癌、甲状腺癌および皮膚癌(扁平上皮癌を含む)を含む癌腫;
白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、毛様細胞リンパ腫およびバーキット(Burkett)リンパ腫を含むリンパ様系の造血腫瘍;
急性および慢性の骨髄性の白血病、並びに骨髄球性白血病を含む骨髄系の造血リンパ腫;
線維肉腫および横紋筋肉腫(rhabdomyoscarcoma)を含む間葉起源の腫瘍;
黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、神経芽細胞腫および神経膠腫を含む他の腫瘍;
星細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫およびシュワン腫を含む中枢神経系および抹消神経系の腫瘍;
線維肉腫、横紋筋肉腫および骨肉腫を含む間充織起源の腫瘍;
黒色腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、精上皮腫、甲状腺ろ胞性癌および奇形癌腫を含む他の腫瘍。
【0031】
挙げられた腫瘍の種類およびその他のうちどれが腫瘍学的処置に対して耐性を示し得るかは正確でないから、前記の表示がこの明細書でなされている。「腫瘍学的処置」とは、細胞に細胞毒性を示す化学療法剤による癌または腫瘍の処置をいう。化学療法剤の例としては、タキサン類の化合物の腫瘍学的治療剤が挙げられる。例えば、初期にタキサン類の化合物に反応するかなりの数の患者が処置の過程で耐性を獲得すること、および、実質的にすべての腫瘍学的治療剤を用いる場合であるとして、すべての癌がタキサン治療による処置に応答するとは限らないことが知られている。さらに、例えば、結腸直腸癌または黒色腫などのある種の疾患は本質的にタキサン療法に耐性があることが知られている。
【0032】
当該エポチロン化合物はナノメートル濃度で癌を殺傷し得る非常に高い細胞毒性剤であり、チューブリン重合化の誘導においてパクリタキセルの強度の約2倍である。より重要なことは、当該化合物は、本来的にインビトロまたはインビボの両方で、パクリタキセルに感受性がないか、または耐性を獲得してしまったヒトの癌に対して抗悪性腫瘍活性を保持していると思われることである。
【0033】
当該エポチロン化合物が著しい抗腫瘍活性を示した腫瘍には、これに限定されるものではないが、下記のものがある:
[1]パクリタキセル−耐性−HCT116/VM46結腸直腸癌(多剤耐性、MDR)、Pat 21乳癌、およびPat−7卵巣癌(臨床分離株、耐性のメカニズムは十分解明されていない)、A2780Tax卵巣癌(チューブリン変異);
[2]パクリタキセル−非感受性−Pat−26 ヒト膵臓癌(臨床分離株)、およびM5076ネズミ線維肉腫;および、
[3]パクリタキセル感受性−A2780卵巣癌、LS174T、およびHCTヒト直腸癌。
【0034】
さらに、式Iで示される化合物は、免疫無防備状態のマウスまたはラットで成長した前臨床ヒト腫瘍異種移植に対して経口的に効果があることを示した。経口投与で効果があることは、当該エポチロン化合物の著しい利点である。
【0035】
すなわち、本発明は、腫瘍学的処置剤のタキサン類による治療に耐性を示した腫瘍の治療を必要とする、患者、好ましくは哺乳動物、特にヒトの治療法であって、上記処置に対して有効量の式Iで示されるエポチロン化合物の1種を患者に投与することを特徴とする。下記に示される他の治療剤も通常の投与量の当該エポチロン化合物とともに用いることができる。それらの治療剤は、当該エポチロン化合物の前、同時および後に投与することができる。
【0036】
式Iで示されるエポチロン化合物の有効量は、当業者によって決定することができ、ヒトに対する例示的な投与量は、約0.05〜約200 mg/kg/日である。この投与量は典型的には、1回の投与で投与されるが、当該化合物は経口投与で有利に効くから、分割して投与することができる。化合物は、例えば、2日毎に5投与などの頻回投与で、または4日毎に3回投与もしくは8日毎に3回投与などの間欠的に投与することができる。所与の患者に対する具体的な投与程度、および投与頻度は、患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事制限など、経口でない投与方法、症状の重篤性などの種々の要因によって変更し得ることは当然である。
【0037】
式Iで示される化合物は、癌治療のための有効量および医薬的に許容され得る担体を含有する医薬組成物として投与される。そのような組成物には下記の他の治療剤が含まれていてもよく、また、医薬製剤の分野および/または一般に容認された医薬の常套手段に要求される周知の技術などによって、例えば、通常用いられる固体または液体の賦形剤または希釈剤、および所望の投与方式に対して適当な種類の医薬添加物(例えば、増量剤、結合剤、保存剤、安定剤、着香料など)を用いて処方することができる。
【0038】
式Iで示される化合物は、例えば、錠剤、カプセル、顆粒または粉末;舌下;口腔;などの形態で経口的に、皮下、静脈内、筋肉内、または胸骨内注射または点滴技術(例えば、滅菌注射用水性、または非−水性溶液または懸濁液など)で;吸入スプレーなどによる経鼻的に;クリームまたは軟膏などの形態で局所的に;坐剤などの形態で直腸的に、などの適切な手段によって非経口的に投与することができる。当該化合物は、例えば、即時放出または長期放出の形態で投与することができる。即時放出または長期放出は、本発明の化合物を含み、すなわち、長期放出の場合は具体的には、皮下インプラントまたは浸透圧ポンプなどの手段を用いる適当な医薬組成物を用いて行うことができる。当該化合物はまたリポソームで投与することができる。
【0039】
当該エポチロン誘導体に適した投与形態には、限定する意味ではなく、式Iで示される化合物の単位投与量当り、約5〜約500 mgを含有する、錠剤、カプセル、溶液または懸濁液などの経口的に有効な組成物、または局所投与形態(約0.01%〜約5%(重量)の式Iで示される化合物、1日当り1〜5回の処置)が含まれる。それらは、医薬的に許容され得る賦形剤、または担体、増量剤、結合剤、保存剤、安定剤、着香料など、または局所用担体を用いて通常の方法で配合され得る。式Iで示される化合物は、また、非経口的投与用滅菌溶液または懸濁液などの組成物として製剤化され得る。一般に認められた医薬技術に要求される単位投与形態として、約0.1 mg〜約 500 mgの式Iで示される化合物が生理学的に許容され得る賦形剤、担体、増量剤、結合剤、保存剤、安定剤などとともに配合され得る。これらの組成物または製剤における有効物質の量は、好ましくは指示された範囲内の適当な投与量が得られるようにする。
【0040】
経口投与用組成物の例には、例えば、増量のための微結晶性セルロース、懸濁化剤としてのアルギニン酸またはアルギナート、増粘剤としてのメチルセルロース、および当分野で公知の甘味剤または香味剤を含んでいてもよい懸濁剤;および例えば、微結晶性セルロース、リン酸二カルシウム、澱粉、ステアリン酸マグネシウムおよび/または乳糖および/または当分野で公知の他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および滑沢剤を含む即時放出錠が含まれる。成型錠剤、圧縮錠剤または凍結乾燥錠剤は用いることができる形態の例である。組成物の例には、本発明の化合物(複数あり)を、マンニトール、乳糖、スクロースおよび/またはシクロデキストリンなどの急速溶解希釈剤とともに処方することができる。また、そのような製剤にはまた、セルロース(Avicel)またはポリエチレングリコール(PEG)などの高分子量賦形剤が含まれていてもよい。また、そのような製剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(SCMC)、マレイン酸無水物コポリマー(例えば、Gantrez)などの粘膜付着を補助する添加剤、およびポリアクリル酸コポリマー(例えば、Carbopol 934)などの放出制御のための試剤を含むことができる。滑剤、滑沢剤、香味剤、着色剤、および安定剤もまた製造および使用を容易にするために添加され得る。
【0041】
経鼻エアロゾルまたは吸入投与のための組成物の例としては、例えば、ベンジルアルコールまたは当分野で公知の他の適当な保存剤、生物学的利用能を増強するための吸収促進剤、および/または他の可溶化または分散剤を含有していてもよい生理食塩水の溶液が含まれる。
【0042】
非経口投与用組成物の例には、例えば、クレモフォア(登録商標)(ポリオキシエチル化ひまし油界面活性剤)、マンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンゲル液、乳酸化リンゲル液、等張性食塩水などの適当な非−毒性、非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒、または合成モノ−またはジ−グリセリドおよびオレイン酸を含む脂肪酸を含有する他の適切な分散または湿潤、および懸濁化剤を含有する、注射液または懸濁液が挙げられる。直腸投与用組成物の例には、例えば、常温では固体であるが直腸腔では液化および/または溶解し、薬物を放出するカカオ脂、合成グリセリンエステル、またはポリエチレングリコールなどの適切な非−刺激性添加剤を含んでいてもよい坐剤を挙げることができる。
【0043】
本発明の化合物は、単独、または他の化学療法剤、抗−癌および細胞毒性剤および/または癌または他の増殖性疾患に有用な処置とともにのいずれかで投与することができる。選択された2次薬物が、異なる方式で、または、式Iで示される化合物がG2−M相でその作用を示す相と細胞のサイクルの異なる相、例えばS相で、作用する場合の抗−癌および細胞毒性剤との組み合わせが特に有効である。抗−癌および細胞毒性剤の例には、これに限定されないが、アルキル化剤、例えば、窒素マスタード、アルキルスルホネート、ニトロソウレア、エチルアミンおよびトリアジーンなど;代謝拮抗剤、例えば、葉酸拮抗剤、プリン類似体およびピリミジン類似体;抗生物質、例えば、アントラサイクリン、ブレオマイシン、ミトマイシン、ダクチノマイシン、およびプリカマイシン;酵素、例えば、L−アスパラギナーゼ;ファルネジル−プロテイン−トランスフェラーゼ阻害剤;ホルモン剤、例えば、グルココルチコイド、エストロゲン/抗エストロゲンおよびアンドロゲン/抗アンドロゲン、プロゲスチンおよび黄体形成ホルモン−放出ホルモン拮抗剤、酢酸オクトレオチド;微小管−崩壊剤、例えば、エクテイナシジンまたはその類似体および誘導体;およびエポチロンA−Fまたはそれらの類似体または誘導体;植物−誘導産物、例えば、ビンカアルカロイド、エピポドフィロトキシン、およびトポイソメラーゼ阻害剤;プレニル−プロテイン−トランスフェラーゼ阻害剤;および種々の試剤、例えば、ヒドロキシウレア、プロカルバジン、ミトタン、ヘキサメチルメラミン、プラチナ配位複合体、例えば、シスプラチン;および抗−癌剤および細胞毒性剤として用いられる他の試剤、例えば、生物学的応答変調剤、成長因子;免疫変調剤およびモノクローナル抗体が含まれる。当該化合物はまた放射線治療ととともに用いることができる。
【0044】
式Iで示される化合物はまた、前記の症状に関連する治療を施すのに具体的有用性のために選択された他の治療剤とともに処方または同時投与され得る。例えば、本発明の化合物は、例えば、鎮吐剤、H1、およびH2抗ヒスタミン剤などの吐きけ、過敏症および胃腸刺激を抑えるための薬剤とともに製剤化することができる。
【0045】
上記治療剤は、本発明の化合物とともに組合せて用いるとき、医師便覧(PDR)に示されたまたはそうでなければ当業者によって決定される投与量で用いることができる。
【0046】
下記の実施例は、限定を意図するものではなく、本発明をさらに具体的に説明するものである。
【0047】
実施例
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,13,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン(BMS−247550)
ネズミに対する投与については、当該化合物は、1:9 エタノール/水、または1:1:8 クレモフォア(登録商標)/エタノール/水で投与された。非経口投与のための最終的な希釈は投与1次間前に水で行った。経口投与の最終的な希釈は、0.25 Mリン酸ナトリウム緩衝液で行った。パクリタキセルは、50/50 エタノール/クレモフォアの混合物に溶解した。最終希釈は注射直前に行い、望ましくない沈殿を避けた。腫瘍細胞株HCT 116ヒト腫瘍、およびHCT116/V/M46細胞をマッコイ培地および10 % 熱失活ウシ胎児血清で維持した。A2780ヒト卵巣腫瘍細胞、およびA2780Tax細胞はIMEMおよび10 %熱失活ウシ胎児血清で維持した。すべての他の細胞は、10 %熱失活ウシ胎児血清を含むRPM11640培地で維持した。耐性獲得細胞株を下記で検討する。
【0048】
492nmのテトラゾリウムに基づく比色定量アッセイにより、腫瘍細胞におけるインビボ細胞毒性を評価した。薬物添加の24h前に、細胞を接種する。連続希釈した試験化合物との72h培養後に、試薬を加える。さらに3時間の培養後、測定を行う。結果は、細胞毒濃度中央値(IC50値)で表示する。
【0049】
クローン原性細胞コロニー−形成アッセイ:インビトロのクローン原性腫瘍細胞(無期限に分裂してコロニーを形成しうる細胞)を試験化合物およびパクリタキセルが死滅させるのに必要な能力を、コロニー形成アッセイによって評価した。90%のクローン原性癌細胞を死滅させるのに必要な濃度(IC90)を測定した。
【0050】
チューブリン重合アッセイ:子ウシの脳から単離したチューブリンを試験化合物およびパクリタキセルが重合するのに必要な能力を、公知の技法で評価した。有効濃度(EC0 . 01)は、光学密度(OD)の初期勾配0.01OD/分率を誘発しうる補間濃度(interpolated concentration)として定義され、かつ次式で算定される:EC0 . 01=濃度/勾配
EC0 . 01値は、3つの異なる濃度から得た標準偏差による平均値で表示する。
【0051】
インビボ腫瘍試験:下記のヒト腫瘍を用いた:卵巣腫瘍A2780、A2780Tax、およびPat−7(パクリタキセル耐性を獲得した患者からの卵巣腫瘍バイオプシーから株化された);HCTl 16、HCT116/VM46、およびLS 174T直腸癌、Pat−21乳癌およびPat−26膵臓癌(肝臓転移バイオプシーから)。Pat−7、Pat−21およびPat−26異種移植片は、インビトロ細胞培養工程を介在させることなく、全身照射ヌードマウスで生長した異種移植片として直接原発性腫瘍バイオプシーから初めて株化された。生来的にパクリタキセル−不感受性マウス線維肉腫M5076もまた採用した。ヒト異種移植片はBalb/c nu/nu ヌードマウス中で維持した。M5076はC57BL/6マウス中に維持した。腫瘍は、ドナーマウスから得られた腫瘍フラグメントを用いて適当なマウス系の皮下移植片として増殖させた。腫瘍継代はマウス腫瘍については2週間毎に、ヒト腫瘍株については約2〜8週毎に生じた。効果試験に関して、M5076腫瘍は、(C57B1/6 x DBA/2)F1雑種マウスに移植され、およびヒト腫瘍はヌードマウスにインプラントされた。効果試験のためのすべての腫瘍インプラントは皮下(sc)である。
【0052】
有意義な応答を検出するのに必要な動物の数(6〜8)を、実験開始時に集め、それぞれに13−ゲージの外套針を用いて、腫瘍フラグメント(〜50mg)の皮下移植を行う。早期腫瘍の処置の場合、再度動物を集めてから、各種処置群と対照群に分配する。進展期疾患の動物処置の場合、所定の大きさウィンドウ(window)まで腫瘍を成長させ(範囲外の腫瘍を除く)、動物を公平に各種処置群と対照群に分配する。各動物の処置は、個々の体重に基づく。処置動物について毎日、処置関連の毒性/死亡率をチェックする。各群の動物の体重を計ってから、処置を開始し(Wt1)、次いで最後の処置投与の後に再度体重を計る(Wt2)。かかる体重の差(Wt2−Wt1)が、処置−関連毒性の測定値になる。
【0053】
腫瘍が所定の「目標」の大きさ0.5gまたは1.0gに到達するまで、1週間に2回ノギスで腫瘍を測定して、腫瘍応答を判定した。腫瘍重量(mg)は、次式から概算される:
腫瘍重量=(長さ×幅2)÷2
【0054】
最大許容用量(MTD)は、過度の毒性が生じる量(すなわち、1以上死亡)の直前の投与量レベルとして定義される。MTDは、しばしば最適投与量(OD)に相当することがある。活性をODにて記載する。その腫瘍が目標の大きさに到達する前に死亡する処置マウスは、薬物毒性によって死亡したと見なす。対照マウスにあって、目標の大きさに満たない腫瘍を持って死亡したものはなかった。薬物毒性によって1以上死亡の処置群は、過剰毒性処置を受けたものと見なし、これらのデータは、化合物の抗腫瘍効果の評価には含めなかった。
【0055】
腫瘍応答終点は、腫瘍成長遅延(T−C値)で表示し、この値は処置腫瘍(T)が対照群(C)のそれと比較して、所定の目標の大きさに到達するのに要する時間(日数)の差で定義される。腫瘍は、実験終了時に疾患が見つけられないときは「治癒」と判定され、実験終了と薬物処置の終りとの間隔は常に、腫瘍容量を2倍にする時間の10倍を超えた。1群の規模は典型例として、処置および対照群の全てで8匹のマウスで構成される。応答データの統計的分析は、ゲーハン(Gehan)の一般化Wilcoxonテストを用いて行った。
【0056】
癌細胞に対するインビトロ細胞毒性:図1に示すように、結果は被験化合物が表示したインビトロ腫瘍細胞株に対して広いスペクトルの活性を有している。被験21細胞株のうち、IC50値は1.4−34.5 nMの範囲である。有意に、試験化合物は、パクリタキセルに対する耐性の2つの主要なメカニズム、すなわち、P−グリコプロテイン過剰発現(HCT116/VM46によって例示される)、およびβ−チューブリン変異(A2780Taxによって例示される)によるMDR耐性を大部分の程度まで克服しているように思われる。試験化合物およびパクリタキセルは、2つの感受性腫瘍細胞株(HCT116、およびA2780)のクローン原性細胞に対して、同じように強力な殺傷力がある。しかし、図2に示すように、パクリタキセルに対して耐性を獲得した3つの腫瘍株(HCT116/VM46、A2780Tax、およびPat−7)対して、試験化合物は、パクリタキセルよりはるかによく効き、感受性株と比較してこれらの耐性細胞に対して細胞毒性力を完全に維持している。
【0057】
細胞毒性−チューブリン重合のメカニズム:エポチロン化合物の細胞毒活性は、タキサン化合物のそれと同様、微小管の安定化と関係しており、G2/M移行で有糸分裂停止をもたらす。これに関連して、試験化合物の能力は、パクリタキセルより約2.5倍以上も強力であった。
【0058】
細胞周期進行に対する細胞毒性−効果のメカニズム:
パクリタキセルと同様に、試験化合物は、細胞分裂周期の有糸分裂相の細胞を阻害する。さらに、有糸分裂中の細胞を捕捉するために必要な試験化合物の濃度は、同じ処置期間にわたって、流動細胞計測法によって測定したとき、細胞殺傷に必要な濃度とよく対応している。すなわち、図3に示すように、IC90値(約7.5 nM、クローン原性細胞毒性試験)に近い濃度の試験化合物は、薬物暴露開始後8時間の早い時期に殆ど完全に有糸分裂中の細胞を阻害する。
【0059】
経口投与による抗腫瘍活性:試験化合物を8人のヒト、およびネズミ腫瘍モデルのパネルで評価し、そのいくつかは周知のパクリタキセル耐性の特徴のために選ばれた。腫瘍モデルの特徴を下記のTable1に示す。さらに、3つのパクリタキセル感受性モデルが、試験化合物の抗腫瘍活性のスベクトルの十分な評価を得るために含まれる。
【0060】
Table1
1 タキソール(登録商標)に対して臨床的耐性
2 MDR=P−グリコプロテイン過剰発現による多剤耐性
3 MRP=タンパク質関連多剤耐性
【0061】
経口投与経路による抗腫瘍活性:試験化合物は低いpHより中性のpHにより安定であるから、経口投与(PO)によるそれらの評価には、pH−緩衝液(0.25Mリン酸カリウム、pH 8.0)を用いた。2日毎×5のスケジュールで、試験化合物はPat−7ヒト卵巣腫瘍モデルに対して経口的に高い活性を示した。2つの別々の実験で、経口投与された試験化合物は、そのMTDにおいて、3.1、および2.5 LCKを示した。比較として、同時に試験されたIV パクリタキセルは、その至適投与量およびスケジュールにおいて、1.3、および1.2 LCKをそれぞれ示した。パクリタキセルは、経口経路で投与されたとき、典型的には不活性である。
【0062】
前記のインビトロ実験の証拠から、試験化合物は、MDR P−グリコプロテインの過剰発現またはチューブリン変異のいずれかによるパクリタキセル耐性獲得癌細胞においてその抗悪性腫瘍活性を維持していることが判明した。インビボの証拠から、試験化合物は、パクリタキセル−耐性および−感受性腫瘍の両方、およびネズミ線維肉腫M5076において、パクリタキセルより優れた抗腫瘍活性をはっきりと示した。試験化合物は、この研究で試験されたすべての5つのパクリタキセル−耐性腫瘍(ヒト4、およびネズミ1)においてパクリタキセルより効果があった:すなわち、臨床的−由来のパクリタキセル抵抗性Pat7卵巣癌腫;チューブリン変異によるパクリタキセルに耐性を有するA2780Tax卵巣癌腫;HCT116/VM46多剤耐性(MDR)大腸癌、臨床的−由来のパクリタキセル抵抗性Pat −21乳癌;および、ネズミ線維肉腫。3つのパクリタキセル−感受性ヒト腫瘍異種移植片、すなわち、A2780ヒト卵巣癌腫;HCT116、およびLS 174Tヒト大腸癌腫に対して、試験化合物は、パクリタキセルと等しい抗腫瘍活性を示した。
【0063】
原型タキサン化合物に対する試験化合物のさらなる利点は、経口投与によるその効果であって、経口投与されたときに、2つの異なる異種移植においてIV薬物投与で生じる抗腫瘍活性に匹敵する抗腫瘍活性をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】表示の腫瘍細胞株に対する本発明の化合物の細胞毒性スペクトルを示す棒グラフである。
表示の腫瘍株に対するBMS−247550の細胞毒性スペクトル。平均棒グラフ、右側に、すべてのIC50値の平均logに対する個々の細胞株のlog間の差を示すグラフである。右側に突き出している棒は感受性細胞を示し、左側に突き出している棒は耐性細胞株を示す。平均IC50=3.9nM、ND=検出せず。
【図2】パクリタキセル−耐性腫瘍に対する本発明の化合物の細胞毒性を示す棒グラフである。
BMS−247550は、パクリタキセルに対して耐性を獲得した腫瘍型にその抗癌細胞毒性を維持している。(A)BMS−247550またはパクリタキセルに16時間暴露後のPat−7卵巣癌腫のクローン原性生存細胞。(B)5つのヒト腫瘍細胞株におけるBMS−247550およびパクリタキセルの比較細胞毒性強度の比較:HCT116ヒト大腸癌;HCT116/VM46(HCT116から誘導されたMDR−耐性変異株);A2780ヒト卵巣癌腫;A2780Tax(ベータ−チューブリン変異によるパクリタキセル−耐性変異株);Pat−7ヒト卵巣癌腫(タキソール(登録商標)単剤療法により耐性を獲得した患者から誘導)。IC90は、コロニー形成を90%減少させるのに必要な治療剤の濃度である。IC90値を棒グラフの横に示す。
【図3】本発明の化合物によって引き起こされた有糸分裂阻害を示す。
7.5nM(IC90) BMS−247550含有細胞培養培地におけるHCT116ヒト大腸癌細胞のインキュベートにより誘導される有糸分裂阻害の経時変化。矢印はG2M細胞群の位置を示す。
【0001】
本発明は他の腫瘍治療剤による治療に耐性を示す腫瘍の治療における強力なエポチロン類似体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
エポチロンは医薬分野で有用性を有する大環状化合物である。例えば、構造式:
【化1】
エポチロンA エポチロンB
R=H R=Me
を有するエポチロンAおよびBは、パクリタキセル(タキソール(TAXOL)(登録商標))に似た微小管の安定化効果、従って急速な増殖性細胞(例えば、腫瘍細胞)または他の過剰増殖性細胞疾患に対する細胞毒性活性を発揮することが知られている。ホフレ(Hofle), G.らによるAngew. Chem. Int. Ed. Engl., 35巻, No. 13/14, 1567-1569 (1996); W093/10121(1993年5月27日公開);および W097/19086(1997年5月29日公開)を参照。
【0003】
エポチロンAおよびBの誘導体および類似体が合成されており、それらは種々の癌および他の異常増殖性疾患を処置するのに使用することができる。それらの誘導体は、ホフレらによる上記 ; ニコラロウ(Nicolaou), K. C.らによるAngew Chem. Int. Ed. Eng 36巻, No. 19, 2097-2103 (1997);およびスー(Su), D.-S.らによるAngew Chem. Int. Ed. Eng 36巻, No. 19, 2093-2097 (1997)に開示されている。いくつかの例において、エポチロン誘導体はエポチロンAおよびBより強力な特性を有する。本発明は、タキサン族の化合物などの腫瘍退縮性剤など他の化学療法剤に耐性を示す癌の処置に用いることができる。
【発明の開示】
【0004】
発明の要約
本発明によれば、タキサン腫瘍退縮性剤などの他の化学療法剤による処置に対して耐性を示す腫瘍は、式I:
【化2】
[式中、B1、B2、G、Q、X、Y、Z1、Z2およびR1〜R7は、下記と同じ意味である]で示されるエポチロン誘導体から選ばれるエポチロン誘導体によって処置することができる。式Iで示される化合物は既に、例えば、上記のエポチロンAおよびB、および一連のタキサン類の化合物を含む他の公知の化学療法剤より著しく増強された効力を示すことが報告されている。式Iで示される化合物は、さらに、多くの腫瘍退縮性剤と異なり、経口投与経路で有効であるという利点を有する。
【0005】
発明の詳細な記載
本発明の方法は、タキサン類などの化学療法剤による処置に対して耐性を示す腫瘍の有利な治療を提供する。この明細書で用いられる用語「治療に対する耐性」とは、当初化学療法剤に対して不応答である腫瘍、および当初は反応するが、処置の過程で耐性を獲得する腫瘍の両方を含む。当該方法で有用な化合物はエポチロンであり、腫瘍学的治療剤のタキサン類とは化学的に遠く外れた腫瘍学的化学療法剤の1種である。当該エポチロン誘導体は、式I:
【化3】
【0006】
式中、
Qは、
【化4】
からなる群から選ばれ;
Gは、アルキル, 置換されたアルキル, アリール, 置換されたアリール, ヘテロシクロ、
【化5】
からなる群から選ばれ;
Wは、OまたはNR15であり;
Xは、Oor H, Hであり;
Yは、O;H, OR16;OR17, OR17;NOR18;H, NHOR19;H, NR20R21;H, H;およびCHR22からなる群から選ばれ;ここで、OR17, OR17は、環状ケタールであってもよく;
各Z1およびZ2は、独立して、CH2、O、NR23、S、およびSO2からなる群から選ばれ、ここで、Z1およびZ2の1つだけは、ヘテロ原子であってもよく;
各B1およびB2は、独立して、OR24、OCOR25、およびO−C(=O)−NR26R27からなる群から選ばれ、B1がHであり、YがOH、Hのとき、それらは6−員環ケタールまたはアセタールであってもよく;
Dは、NR28R29、NR30COR31、および飽和のヘテロ環からなる群から選ばれ;
各R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R13、R14、R18、R19、R20、R21、R22、R26、およびR27は、独立して、H、アルキル、置換されたアルキル、およびアリールからなる群から選ばれ、R1およびR2がアルキルのとき、一緒になってシクロアルキルを形成することができ、R3およびR4がアルキルのとき、一緒になってシクロアルキルを形成することができ;
各R9、R10、R16、R17、R24、R25、およびR31は、独立して、H、アルキル、および置換されたアルキルからなる群から選ばれ;
各R8、R11、R12、R28、R30、R32、およびR33は、独立して、H、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、シクロアルキル、およびヘテロシクロからなる群から選ばれ;および
各R15、R23、およびR29は、独立して、H、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、R32C=O、R33SO2、ヒドロキシ、O−アルキルまたはO−置換されたアルキルからなる群から選ばれる;
ただし、化合物(式中、WおよびYが両方ともOであり;R1、R2、およびR7がHであり;R3、R4、およびR6がメチルであり;R8がHまたはメチルであり;Z1、およびZ2がCH2であり;Gが1−メチル−2−(置換された−4−チアゾリル)エテニルであり;およびQが上記の定義と同じである)は除く]
で示される。
【0007】
本発明による好ましい化合物は、式I(式中、Qが、
【化6】
であり;
Xが、Oであり;YがOであり;各Z1およびZ2が、CH2であり;および、Wが、NR15である)で示される化合物である。
【0008】
本発明の別の好ましい化合物群を下記に示す:
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,13,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,13,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,10−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,10−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,14,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,1OS*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,14,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,11−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,11−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−9−オン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−9−オン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−3,8,8,10,12,16−ヘキサメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−3,8,8,10,12−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13,16−ヘキサメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,16−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−6,8,8,10,12−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−4,8,8,10,12,16−ヘキサメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−4,8,8,10,12−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−1,5,5,7,9,13−ヘキサメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−1,5,5,7,9−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−13−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−13−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−10−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−10−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−14−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−14−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−11−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−11−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*,7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−N−フェニル−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−5,9−ジオキソ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−3−カルボキサミド;
[1S−[1R*,3R*,7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−N−フェニル−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−5,9−ジオキソ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−3−カルボキサミド;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*]]−N−フェニル−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−2,6−ジオキソ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−16−カルボキサミド;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*]]−N−フェニル−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−2,6−ジオキソ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−16−カルボキサミド;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)シクロプロピル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)シクロプロピル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;および、
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−ヒドロキシメチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13(Z)−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;および、
医薬的に許容され得るそれらの塩、溶媒和物および水和物。
【0009】
本発明の特に好ましい化合物は、式:
【化7】
で示される。この化合物は化学的には、[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオンである。
【0010】
上記式Iで示されるエポチロン誘導体、およびその製造方法は、WO99/02514、WO99/27890およびWO99/28324に開示されている。しかし、当該エポチロン誘導体が他の公知の化学療法剤に対して耐性のある腫瘍治療に活性を有するとの認識はない。
【0011】
下記は上記式Iで示される化合物を説明するために用いられる種々の用語の定義である。
【0012】
用語「アルキル」は、炭素原子数1〜約20、好ましくは炭素原子数1〜約7の直鎖または分枝鎖飽和炭化水素基を表す。「低級アルキル」という表現は、1〜約4の炭素原子を有する所望により置換されたアルキル基をいう。
【0013】
用語「置換されたアルキル」は、例えば、1〜4個の置換基、例えばハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロオキシ、オキソ、アルカノイル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアミノ、2つのアミノ置換基がアルキル、アリールまたはアラルキルから選択される二置換アミン、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、置換されたアルカノイルアミノ、置換されたアリールアミノ、置換されたアラルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロチオ、アルキルチオノ、アリールチオノ、アラルキルチオノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、スルホンアミ
ド(例えばSO2NH2)、置換されたスルホンアミド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カル
バミル(例えばCONH2)、置換されたカルバミル(例えばCONHアルキル、CONHアリール、CONHアラルキル、または窒素上にアルキル、アリールまたはアラルキルから選択される2つの置換基が存在する場合)、アルコキシカルボニル、アリール、置換されたアリール、グアニジノおよびヘテロシクロ類、例えばインドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピリジル、およびピリミジルなどで置換されたアルキル基をいう。上記の説明で置換基自体がさらに置換されているとした場合、それはハロゲン、アルキル、アルコキシ、アリールまたはアラルキルからなる群から選ばれる。アルキルおよび置換されたアルキルの定義はアルコキシ基のアルキル部分にも同じく適用される。
【0014】
用語「アルケニル」は、炭素数1〜約9、および1個またはそれ以上の二重結合を有する、所望により置換された不飽和の脂肪族炭化水素基をいう。置換基は置換されてアルキルについて上記で記載された1個またはそれ以上の置換基を含有していてもよい。
【0015】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素をいう。
【0016】
用語「環状化合物」とは、1〜3個の環および少なくとも1個の環中に少なくとも1つの炭素と炭素の二重結合を含有する所望により置換された環状化合物をいう。環状化合物の例としては、これに限定されないが、アリールまたは部分的にまたは全く非置換のヘテロ環の環状化合物が含まれ、所望により置換されていてもよい。
【0017】
用語「アリール」は、環部分に約6〜約12個の炭素原子を持つ単環または二環の芳香族炭化水素基、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニルおよびジフェニル基などをいい、それぞれ置換されていてもよい。
【0018】
用語「アラルキル」は、アルキル基を介してより大きな部分に結合しているアリール基、例えばベンジルなどをいう。
【0019】
用語「置換されたアリール」は、例えば、1〜4個の置換基、例えばアルキル、置換されたアルキル、ヘテロシクロ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロオキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アラルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアミノ、アルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロチオ、ウレイド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルバミル、アルコキシカルボニル、アルキルチオノ、アリールチオノ、アルキルスルホニル、スルホンアミド、アリールオキシなどの置換基で置換されたアリール基をいう。置換基は、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アリール、置換されたアリール、置換されたアルキルおよびアラルキルでさらに置換されていてもよい。
【0020】
用語「シクロアルキル」は、所望により置換されていてもよい飽和環式炭化水素環状化合物を表し、好ましくは1〜約3個の環と環1つにつき3〜約7個の炭素原子を含み、それら
の環はさらに不飽和C3〜C7炭素環式環と縮合していてもよい。代表的な基には、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロドデシル、およびアダマンチルなどがある。代表的な置換基として、1つもしくは複数の上記アルキル基、またはアルキル基の置換基として上述した1つもしくは複数の基などが挙げられる。
【0021】
用語「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」および「ヘテロシクロ」は、所望により置換されていてもよい、不飽和、部分的飽和、または完全飽和の芳香族または非芳香族環式基、例えば4〜7員単環、7〜11員二環、もしくは10〜15員三環環状化合物などをいい、少なくとも1つの炭素原子含有環中に少なくとも1つのヘテロ原子を持つ。ヘテロ原子を含むヘテロ環基の各環は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1、2または3個のヘテロ原子を持つことができ、その窒素および硫黄ヘテロ原子は所望により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子はまた所望により4級化されていてもよい。ヘテロ環基は任意のヘテロ原子または炭素原子に結合することができる。
【0022】
代表的な単環ヘテロ環基には、例えばピロリジニル、ピロリル、インドリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキサゼピニル、アゼピニル、4−ピペリドニル、ピリジル、N−オキソピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニルスルホン、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルスルホキシド、チオモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロ-1,1-ジオキソチエニル、ジオキサニル、イソチアゾリジニル、チエタニル、チイラニル、トリアジニル、およびトリアゾリルなどが含まれる。
【0023】
代表的な二環のヘテロ環基には、例えばベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、キヌクリジニル、キノリニル、キノリニル−N−オキシド、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル、シノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(フロ[2,3-c]ピリジニル、フロ[3,1-b]ピリジニルまたはフロ[2,3-b]ピリジニルなど)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(3,4−ジヒドロ-4-オキソキナゾリニルなど)、ベンズイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾジアジニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオピラニル、ベントリアゾリル、ベンズピラゾリル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、ジヒドロベンゾピラニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、ナフチリジニル、フタラジニル、ピペロニル、プリニル、ピリドピリジル、キナゾリニル、テトラヒドロキノリニル、チエノフリル、チエノピリジル、およびチエノチエニルなどが含まれる。
【0024】
「環状化合物」、「ヘテロ環」、「ヘテロ環の」および「ヘテロシクロ」の置換基の例として、置換されたアルキルまたは置換されたアリール、および、エポキシド、アジリジンなどのより小さなヘテロ環について記載された1つまたはそれ以上の置換基が含まれる。
【0025】
用語「アルカノイル」は、−C(O)−アルキルをいう。
用語「置換されたアルカノイル」は、−C(O)−置換されたアルキルをいう。
用語「ヘテロ原子」は、酸素、イオウおよび窒素を含む。
【0026】
式Iで示される化合物は種々の有機および無機の酸と塩により形成された塩を含む。そのような塩には、塩酸、臭化水素、メタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸および医薬製剤の当業者に知られている種々の他のものによって生成する塩が含まれる。そのような塩は、式Iで示される化合物と当量の酸を反応させ、塩が沈澱する媒体中、または水性媒体中で生成させ、その後蒸発させて生成させる。
【0027】
さらに、両性イオン(「分子内塩」)が生成され得、この明細書で使用される用語である「塩」に含まれる。
【0028】
上記式Iで示される化合物は、複数の光学的、幾何的および立体化学的異性体として存在し得る。この明細書で示される化合物は、1つの光学的配向について記載しているが、本発明にはすべての異性体およびそれらの混合物が含まれる。
【0029】
上記式Iで示される化合物は、微小管安定化剤である。従って、それらは種々の癌および他の増殖性疾患の治療に有用であり、疾患には下記のものが含まれるが、これに限定されない:
【0030】
膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、精巣癌、胃癌、頚癌、甲状腺癌および皮膚癌(扁平上皮癌を含む)を含む癌腫;
白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、毛様細胞リンパ腫およびバーキット(Burkett)リンパ腫を含むリンパ様系の造血腫瘍;
急性および慢性の骨髄性の白血病、並びに骨髄球性白血病を含む骨髄系の造血リンパ腫;
線維肉腫および横紋筋肉腫(rhabdomyoscarcoma)を含む間葉起源の腫瘍;
黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、神経芽細胞腫および神経膠腫を含む他の腫瘍;
星細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫およびシュワン腫を含む中枢神経系および抹消神経系の腫瘍;
線維肉腫、横紋筋肉腫および骨肉腫を含む間充織起源の腫瘍;
黒色腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、精上皮腫、甲状腺ろ胞性癌および奇形癌腫を含む他の腫瘍。
【0031】
挙げられた腫瘍の種類およびその他のうちどれが腫瘍学的処置に対して耐性を示し得るかは正確でないから、前記の表示がこの明細書でなされている。「腫瘍学的処置」とは、細胞に細胞毒性を示す化学療法剤による癌または腫瘍の処置をいう。化学療法剤の例としては、タキサン類の化合物の腫瘍学的治療剤が挙げられる。例えば、初期にタキサン類の化合物に反応するかなりの数の患者が処置の過程で耐性を獲得すること、および、実質的にすべての腫瘍学的治療剤を用いる場合であるとして、すべての癌がタキサン治療による処置に応答するとは限らないことが知られている。さらに、例えば、結腸直腸癌または黒色腫などのある種の疾患は本質的にタキサン療法に耐性があることが知られている。
【0032】
当該エポチロン化合物はナノメートル濃度で癌を殺傷し得る非常に高い細胞毒性剤であり、チューブリン重合化の誘導においてパクリタキセルの強度の約2倍である。より重要なことは、当該化合物は、本来的にインビトロまたはインビボの両方で、パクリタキセルに感受性がないか、または耐性を獲得してしまったヒトの癌に対して抗悪性腫瘍活性を保持していると思われることである。
【0033】
当該エポチロン化合物が著しい抗腫瘍活性を示した腫瘍には、これに限定されるものではないが、下記のものがある:
[1]パクリタキセル−耐性−HCT116/VM46結腸直腸癌(多剤耐性、MDR)、Pat 21乳癌、およびPat−7卵巣癌(臨床分離株、耐性のメカニズムは十分解明されていない)、A2780Tax卵巣癌(チューブリン変異);
[2]パクリタキセル−非感受性−Pat−26 ヒト膵臓癌(臨床分離株)、およびM5076ネズミ線維肉腫;および、
[3]パクリタキセル感受性−A2780卵巣癌、LS174T、およびHCTヒト直腸癌。
【0034】
さらに、式Iで示される化合物は、免疫無防備状態のマウスまたはラットで成長した前臨床ヒト腫瘍異種移植に対して経口的に効果があることを示した。経口投与で効果があることは、当該エポチロン化合物の著しい利点である。
【0035】
すなわち、本発明は、腫瘍学的処置剤のタキサン類による治療に耐性を示した腫瘍の治療を必要とする、患者、好ましくは哺乳動物、特にヒトの治療法であって、上記処置に対して有効量の式Iで示されるエポチロン化合物の1種を患者に投与することを特徴とする。下記に示される他の治療剤も通常の投与量の当該エポチロン化合物とともに用いることができる。それらの治療剤は、当該エポチロン化合物の前、同時および後に投与することができる。
【0036】
式Iで示されるエポチロン化合物の有効量は、当業者によって決定することができ、ヒトに対する例示的な投与量は、約0.05〜約200 mg/kg/日である。この投与量は典型的には、1回の投与で投与されるが、当該化合物は経口投与で有利に効くから、分割して投与することができる。化合物は、例えば、2日毎に5投与などの頻回投与で、または4日毎に3回投与もしくは8日毎に3回投与などの間欠的に投与することができる。所与の患者に対する具体的な投与程度、および投与頻度は、患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事制限など、経口でない投与方法、症状の重篤性などの種々の要因によって変更し得ることは当然である。
【0037】
式Iで示される化合物は、癌治療のための有効量および医薬的に許容され得る担体を含有する医薬組成物として投与される。そのような組成物には下記の他の治療剤が含まれていてもよく、また、医薬製剤の分野および/または一般に容認された医薬の常套手段に要求される周知の技術などによって、例えば、通常用いられる固体または液体の賦形剤または希釈剤、および所望の投与方式に対して適当な種類の医薬添加物(例えば、増量剤、結合剤、保存剤、安定剤、着香料など)を用いて処方することができる。
【0038】
式Iで示される化合物は、例えば、錠剤、カプセル、顆粒または粉末;舌下;口腔;などの形態で経口的に、皮下、静脈内、筋肉内、または胸骨内注射または点滴技術(例えば、滅菌注射用水性、または非−水性溶液または懸濁液など)で;吸入スプレーなどによる経鼻的に;クリームまたは軟膏などの形態で局所的に;坐剤などの形態で直腸的に、などの適切な手段によって非経口的に投与することができる。当該化合物は、例えば、即時放出または長期放出の形態で投与することができる。即時放出または長期放出は、本発明の化合物を含み、すなわち、長期放出の場合は具体的には、皮下インプラントまたは浸透圧ポンプなどの手段を用いる適当な医薬組成物を用いて行うことができる。当該化合物はまたリポソームで投与することができる。
【0039】
当該エポチロン誘導体に適した投与形態には、限定する意味ではなく、式Iで示される化合物の単位投与量当り、約5〜約500 mgを含有する、錠剤、カプセル、溶液または懸濁液などの経口的に有効な組成物、または局所投与形態(約0.01%〜約5%(重量)の式Iで示される化合物、1日当り1〜5回の処置)が含まれる。それらは、医薬的に許容され得る賦形剤、または担体、増量剤、結合剤、保存剤、安定剤、着香料など、または局所用担体を用いて通常の方法で配合され得る。式Iで示される化合物は、また、非経口的投与用滅菌溶液または懸濁液などの組成物として製剤化され得る。一般に認められた医薬技術に要求される単位投与形態として、約0.1 mg〜約 500 mgの式Iで示される化合物が生理学的に許容され得る賦形剤、担体、増量剤、結合剤、保存剤、安定剤などとともに配合され得る。これらの組成物または製剤における有効物質の量は、好ましくは指示された範囲内の適当な投与量が得られるようにする。
【0040】
経口投与用組成物の例には、例えば、増量のための微結晶性セルロース、懸濁化剤としてのアルギニン酸またはアルギナート、増粘剤としてのメチルセルロース、および当分野で公知の甘味剤または香味剤を含んでいてもよい懸濁剤;および例えば、微結晶性セルロース、リン酸二カルシウム、澱粉、ステアリン酸マグネシウムおよび/または乳糖および/または当分野で公知の他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および滑沢剤を含む即時放出錠が含まれる。成型錠剤、圧縮錠剤または凍結乾燥錠剤は用いることができる形態の例である。組成物の例には、本発明の化合物(複数あり)を、マンニトール、乳糖、スクロースおよび/またはシクロデキストリンなどの急速溶解希釈剤とともに処方することができる。また、そのような製剤にはまた、セルロース(Avicel)またはポリエチレングリコール(PEG)などの高分子量賦形剤が含まれていてもよい。また、そのような製剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(SCMC)、マレイン酸無水物コポリマー(例えば、Gantrez)などの粘膜付着を補助する添加剤、およびポリアクリル酸コポリマー(例えば、Carbopol 934)などの放出制御のための試剤を含むことができる。滑剤、滑沢剤、香味剤、着色剤、および安定剤もまた製造および使用を容易にするために添加され得る。
【0041】
経鼻エアロゾルまたは吸入投与のための組成物の例としては、例えば、ベンジルアルコールまたは当分野で公知の他の適当な保存剤、生物学的利用能を増強するための吸収促進剤、および/または他の可溶化または分散剤を含有していてもよい生理食塩水の溶液が含まれる。
【0042】
非経口投与用組成物の例には、例えば、クレモフォア(登録商標)(ポリオキシエチル化ひまし油界面活性剤)、マンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンゲル液、乳酸化リンゲル液、等張性食塩水などの適当な非−毒性、非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒、または合成モノ−またはジ−グリセリドおよびオレイン酸を含む脂肪酸を含有する他の適切な分散または湿潤、および懸濁化剤を含有する、注射液または懸濁液が挙げられる。直腸投与用組成物の例には、例えば、常温では固体であるが直腸腔では液化および/または溶解し、薬物を放出するカカオ脂、合成グリセリンエステル、またはポリエチレングリコールなどの適切な非−刺激性添加剤を含んでいてもよい坐剤を挙げることができる。
【0043】
本発明の化合物は、単独、または他の化学療法剤、抗−癌および細胞毒性剤および/または癌または他の増殖性疾患に有用な処置とともにのいずれかで投与することができる。選択された2次薬物が、異なる方式で、または、式Iで示される化合物がG2−M相でその作用を示す相と細胞のサイクルの異なる相、例えばS相で、作用する場合の抗−癌および細胞毒性剤との組み合わせが特に有効である。抗−癌および細胞毒性剤の例には、これに限定されないが、アルキル化剤、例えば、窒素マスタード、アルキルスルホネート、ニトロソウレア、エチルアミンおよびトリアジーンなど;代謝拮抗剤、例えば、葉酸拮抗剤、プリン類似体およびピリミジン類似体;抗生物質、例えば、アントラサイクリン、ブレオマイシン、ミトマイシン、ダクチノマイシン、およびプリカマイシン;酵素、例えば、L−アスパラギナーゼ;ファルネジル−プロテイン−トランスフェラーゼ阻害剤;ホルモン剤、例えば、グルココルチコイド、エストロゲン/抗エストロゲンおよびアンドロゲン/抗アンドロゲン、プロゲスチンおよび黄体形成ホルモン−放出ホルモン拮抗剤、酢酸オクトレオチド;微小管−崩壊剤、例えば、エクテイナシジンまたはその類似体および誘導体;およびエポチロンA−Fまたはそれらの類似体または誘導体;植物−誘導産物、例えば、ビンカアルカロイド、エピポドフィロトキシン、およびトポイソメラーゼ阻害剤;プレニル−プロテイン−トランスフェラーゼ阻害剤;および種々の試剤、例えば、ヒドロキシウレア、プロカルバジン、ミトタン、ヘキサメチルメラミン、プラチナ配位複合体、例えば、シスプラチン;および抗−癌剤および細胞毒性剤として用いられる他の試剤、例えば、生物学的応答変調剤、成長因子;免疫変調剤およびモノクローナル抗体が含まれる。当該化合物はまた放射線治療ととともに用いることができる。
【0044】
式Iで示される化合物はまた、前記の症状に関連する治療を施すのに具体的有用性のために選択された他の治療剤とともに処方または同時投与され得る。例えば、本発明の化合物は、例えば、鎮吐剤、H1、およびH2抗ヒスタミン剤などの吐きけ、過敏症および胃腸刺激を抑えるための薬剤とともに製剤化することができる。
【0045】
上記治療剤は、本発明の化合物とともに組合せて用いるとき、医師便覧(PDR)に示されたまたはそうでなければ当業者によって決定される投与量で用いることができる。
【0046】
下記の実施例は、限定を意図するものではなく、本発明をさらに具体的に説明するものである。
【0047】
実施例
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,13,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン(BMS−247550)
ネズミに対する投与については、当該化合物は、1:9 エタノール/水、または1:1:8 クレモフォア(登録商標)/エタノール/水で投与された。非経口投与のための最終的な希釈は投与1次間前に水で行った。経口投与の最終的な希釈は、0.25 Mリン酸ナトリウム緩衝液で行った。パクリタキセルは、50/50 エタノール/クレモフォアの混合物に溶解した。最終希釈は注射直前に行い、望ましくない沈殿を避けた。腫瘍細胞株HCT 116ヒト腫瘍、およびHCT116/V/M46細胞をマッコイ培地および10 % 熱失活ウシ胎児血清で維持した。A2780ヒト卵巣腫瘍細胞、およびA2780Tax細胞はIMEMおよび10 %熱失活ウシ胎児血清で維持した。すべての他の細胞は、10 %熱失活ウシ胎児血清を含むRPM11640培地で維持した。耐性獲得細胞株を下記で検討する。
【0048】
492nmのテトラゾリウムに基づく比色定量アッセイにより、腫瘍細胞におけるインビボ細胞毒性を評価した。薬物添加の24h前に、細胞を接種する。連続希釈した試験化合物との72h培養後に、試薬を加える。さらに3時間の培養後、測定を行う。結果は、細胞毒濃度中央値(IC50値)で表示する。
【0049】
クローン原性細胞コロニー−形成アッセイ:インビトロのクローン原性腫瘍細胞(無期限に分裂してコロニーを形成しうる細胞)を試験化合物およびパクリタキセルが死滅させるのに必要な能力を、コロニー形成アッセイによって評価した。90%のクローン原性癌細胞を死滅させるのに必要な濃度(IC90)を測定した。
【0050】
チューブリン重合アッセイ:子ウシの脳から単離したチューブリンを試験化合物およびパクリタキセルが重合するのに必要な能力を、公知の技法で評価した。有効濃度(EC0 . 01)は、光学密度(OD)の初期勾配0.01OD/分率を誘発しうる補間濃度(interpolated concentration)として定義され、かつ次式で算定される:EC0 . 01=濃度/勾配
EC0 . 01値は、3つの異なる濃度から得た標準偏差による平均値で表示する。
【0051】
インビボ腫瘍試験:下記のヒト腫瘍を用いた:卵巣腫瘍A2780、A2780Tax、およびPat−7(パクリタキセル耐性を獲得した患者からの卵巣腫瘍バイオプシーから株化された);HCTl 16、HCT116/VM46、およびLS 174T直腸癌、Pat−21乳癌およびPat−26膵臓癌(肝臓転移バイオプシーから)。Pat−7、Pat−21およびPat−26異種移植片は、インビトロ細胞培養工程を介在させることなく、全身照射ヌードマウスで生長した異種移植片として直接原発性腫瘍バイオプシーから初めて株化された。生来的にパクリタキセル−不感受性マウス線維肉腫M5076もまた採用した。ヒト異種移植片はBalb/c nu/nu ヌードマウス中で維持した。M5076はC57BL/6マウス中に維持した。腫瘍は、ドナーマウスから得られた腫瘍フラグメントを用いて適当なマウス系の皮下移植片として増殖させた。腫瘍継代はマウス腫瘍については2週間毎に、ヒト腫瘍株については約2〜8週毎に生じた。効果試験に関して、M5076腫瘍は、(C57B1/6 x DBA/2)F1雑種マウスに移植され、およびヒト腫瘍はヌードマウスにインプラントされた。効果試験のためのすべての腫瘍インプラントは皮下(sc)である。
【0052】
有意義な応答を検出するのに必要な動物の数(6〜8)を、実験開始時に集め、それぞれに13−ゲージの外套針を用いて、腫瘍フラグメント(〜50mg)の皮下移植を行う。早期腫瘍の処置の場合、再度動物を集めてから、各種処置群と対照群に分配する。進展期疾患の動物処置の場合、所定の大きさウィンドウ(window)まで腫瘍を成長させ(範囲外の腫瘍を除く)、動物を公平に各種処置群と対照群に分配する。各動物の処置は、個々の体重に基づく。処置動物について毎日、処置関連の毒性/死亡率をチェックする。各群の動物の体重を計ってから、処置を開始し(Wt1)、次いで最後の処置投与の後に再度体重を計る(Wt2)。かかる体重の差(Wt2−Wt1)が、処置−関連毒性の測定値になる。
【0053】
腫瘍が所定の「目標」の大きさ0.5gまたは1.0gに到達するまで、1週間に2回ノギスで腫瘍を測定して、腫瘍応答を判定した。腫瘍重量(mg)は、次式から概算される:
腫瘍重量=(長さ×幅2)÷2
【0054】
最大許容用量(MTD)は、過度の毒性が生じる量(すなわち、1以上死亡)の直前の投与量レベルとして定義される。MTDは、しばしば最適投与量(OD)に相当することがある。活性をODにて記載する。その腫瘍が目標の大きさに到達する前に死亡する処置マウスは、薬物毒性によって死亡したと見なす。対照マウスにあって、目標の大きさに満たない腫瘍を持って死亡したものはなかった。薬物毒性によって1以上死亡の処置群は、過剰毒性処置を受けたものと見なし、これらのデータは、化合物の抗腫瘍効果の評価には含めなかった。
【0055】
腫瘍応答終点は、腫瘍成長遅延(T−C値)で表示し、この値は処置腫瘍(T)が対照群(C)のそれと比較して、所定の目標の大きさに到達するのに要する時間(日数)の差で定義される。腫瘍は、実験終了時に疾患が見つけられないときは「治癒」と判定され、実験終了と薬物処置の終りとの間隔は常に、腫瘍容量を2倍にする時間の10倍を超えた。1群の規模は典型例として、処置および対照群の全てで8匹のマウスで構成される。応答データの統計的分析は、ゲーハン(Gehan)の一般化Wilcoxonテストを用いて行った。
【0056】
癌細胞に対するインビトロ細胞毒性:図1に示すように、結果は被験化合物が表示したインビトロ腫瘍細胞株に対して広いスペクトルの活性を有している。被験21細胞株のうち、IC50値は1.4−34.5 nMの範囲である。有意に、試験化合物は、パクリタキセルに対する耐性の2つの主要なメカニズム、すなわち、P−グリコプロテイン過剰発現(HCT116/VM46によって例示される)、およびβ−チューブリン変異(A2780Taxによって例示される)によるMDR耐性を大部分の程度まで克服しているように思われる。試験化合物およびパクリタキセルは、2つの感受性腫瘍細胞株(HCT116、およびA2780)のクローン原性細胞に対して、同じように強力な殺傷力がある。しかし、図2に示すように、パクリタキセルに対して耐性を獲得した3つの腫瘍株(HCT116/VM46、A2780Tax、およびPat−7)対して、試験化合物は、パクリタキセルよりはるかによく効き、感受性株と比較してこれらの耐性細胞に対して細胞毒性力を完全に維持している。
【0057】
細胞毒性−チューブリン重合のメカニズム:エポチロン化合物の細胞毒活性は、タキサン化合物のそれと同様、微小管の安定化と関係しており、G2/M移行で有糸分裂停止をもたらす。これに関連して、試験化合物の能力は、パクリタキセルより約2.5倍以上も強力であった。
【0058】
細胞周期進行に対する細胞毒性−効果のメカニズム:
パクリタキセルと同様に、試験化合物は、細胞分裂周期の有糸分裂相の細胞を阻害する。さらに、有糸分裂中の細胞を捕捉するために必要な試験化合物の濃度は、同じ処置期間にわたって、流動細胞計測法によって測定したとき、細胞殺傷に必要な濃度とよく対応している。すなわち、図3に示すように、IC90値(約7.5 nM、クローン原性細胞毒性試験)に近い濃度の試験化合物は、薬物暴露開始後8時間の早い時期に殆ど完全に有糸分裂中の細胞を阻害する。
【0059】
経口投与による抗腫瘍活性:試験化合物を8人のヒト、およびネズミ腫瘍モデルのパネルで評価し、そのいくつかは周知のパクリタキセル耐性の特徴のために選ばれた。腫瘍モデルの特徴を下記のTable1に示す。さらに、3つのパクリタキセル感受性モデルが、試験化合物の抗腫瘍活性のスベクトルの十分な評価を得るために含まれる。
【0060】
Table1
1 タキソール(登録商標)に対して臨床的耐性
2 MDR=P−グリコプロテイン過剰発現による多剤耐性
3 MRP=タンパク質関連多剤耐性
【0061】
経口投与経路による抗腫瘍活性:試験化合物は低いpHより中性のpHにより安定であるから、経口投与(PO)によるそれらの評価には、pH−緩衝液(0.25Mリン酸カリウム、pH 8.0)を用いた。2日毎×5のスケジュールで、試験化合物はPat−7ヒト卵巣腫瘍モデルに対して経口的に高い活性を示した。2つの別々の実験で、経口投与された試験化合物は、そのMTDにおいて、3.1、および2.5 LCKを示した。比較として、同時に試験されたIV パクリタキセルは、その至適投与量およびスケジュールにおいて、1.3、および1.2 LCKをそれぞれ示した。パクリタキセルは、経口経路で投与されたとき、典型的には不活性である。
【0062】
前記のインビトロ実験の証拠から、試験化合物は、MDR P−グリコプロテインの過剰発現またはチューブリン変異のいずれかによるパクリタキセル耐性獲得癌細胞においてその抗悪性腫瘍活性を維持していることが判明した。インビボの証拠から、試験化合物は、パクリタキセル−耐性および−感受性腫瘍の両方、およびネズミ線維肉腫M5076において、パクリタキセルより優れた抗腫瘍活性をはっきりと示した。試験化合物は、この研究で試験されたすべての5つのパクリタキセル−耐性腫瘍(ヒト4、およびネズミ1)においてパクリタキセルより効果があった:すなわち、臨床的−由来のパクリタキセル抵抗性Pat7卵巣癌腫;チューブリン変異によるパクリタキセルに耐性を有するA2780Tax卵巣癌腫;HCT116/VM46多剤耐性(MDR)大腸癌、臨床的−由来のパクリタキセル抵抗性Pat −21乳癌;および、ネズミ線維肉腫。3つのパクリタキセル−感受性ヒト腫瘍異種移植片、すなわち、A2780ヒト卵巣癌腫;HCT116、およびLS 174Tヒト大腸癌腫に対して、試験化合物は、パクリタキセルと等しい抗腫瘍活性を示した。
【0063】
原型タキサン化合物に対する試験化合物のさらなる利点は、経口投与によるその効果であって、経口投与されたときに、2つの異なる異種移植においてIV薬物投与で生じる抗腫瘍活性に匹敵する抗腫瘍活性をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】表示の腫瘍細胞株に対する本発明の化合物の細胞毒性スペクトルを示す棒グラフである。
表示の腫瘍株に対するBMS−247550の細胞毒性スペクトル。平均棒グラフ、右側に、すべてのIC50値の平均logに対する個々の細胞株のlog間の差を示すグラフである。右側に突き出している棒は感受性細胞を示し、左側に突き出している棒は耐性細胞株を示す。平均IC50=3.9nM、ND=検出せず。
【図2】パクリタキセル−耐性腫瘍に対する本発明の化合物の細胞毒性を示す棒グラフである。
BMS−247550は、パクリタキセルに対して耐性を獲得した腫瘍型にその抗癌細胞毒性を維持している。(A)BMS−247550またはパクリタキセルに16時間暴露後のPat−7卵巣癌腫のクローン原性生存細胞。(B)5つのヒト腫瘍細胞株におけるBMS−247550およびパクリタキセルの比較細胞毒性強度の比較:HCT116ヒト大腸癌;HCT116/VM46(HCT116から誘導されたMDR−耐性変異株);A2780ヒト卵巣癌腫;A2780Tax(ベータ−チューブリン変異によるパクリタキセル−耐性変異株);Pat−7ヒト卵巣癌腫(タキソール(登録商標)単剤療法により耐性を獲得した患者から誘導)。IC90は、コロニー形成を90%減少させるのに必要な治療剤の濃度である。IC90値を棒グラフの横に示す。
【図3】本発明の化合物によって引き起こされた有糸分裂阻害を示す。
7.5nM(IC90) BMS−247550含有細胞培養培地におけるHCT116ヒト大腸癌細胞のインキュベートにより誘導される有糸分裂阻害の経時変化。矢印はG2M細胞群の位置を示す。
Claims (12)
- 哺乳動物の腫瘍の治療方法であって、上記腫瘍が腫瘍学的処置に対して耐性を示し、哺乳動物に、医薬的に許容され得る担体および式:
Qは、
Gは、アルキル, 置換されたアルキル, アリール, 置換されたアリール, ヘテロシクロ、
Wは、OまたはNR15であり;
Xは、Oor H, Hであり;
Yは、O;H, OR16;OR17, OR17;NOR18;H, NHOR19;H, NR20R21;H, H;およびCHR22からなる群から選ばれ;ここで、OR17, OR17は、環状ケタールであってもよく;
各Z1およびZ2は、独立して、CH2、O、NR23、S、およびSO2からなる群から選ばれ、ここで、Z1およびZ2の1つだけは、ヘテロ原子であってもよく;
各B1およびB2は、独立して、OR24、OCOR25、およびO−C(=O)−NR26R27からなる群から選ばれ、B1がHであり、YがOH、Hのとき、それらは6−員環ケタールまたはアセタールであってもよく;
Dは、NR28R29、NR30COR31、および飽和のヘテロ環からなる群から選ばれ;
各R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R13、R14、R18、R19、R20、R21、R22、R26、およびR27は、独立して、H、アルキル、置換されたアルキル、およびアリールからなる群から選ばれ、R1およびR2がアルキルのとき、一緒になってシクロアルキルを形成することができ、R3およびR4がアルキルのとき、一緒になってシクロアルキルを形成することができ;
各R9、R10、R16、R17、R24、R25、およびR31は、独立して、H、アルキル、および置換されたアルキルからなる群から選ばれ;
各R8、R11、R12、R28、R30、R32、およびR33は、独立して、H、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、シクロアルキル、およびヘテロシクロからなる群から選ばれ;および
各R15、R23、およびR29は、独立して、H、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、R32C=O、R33SO2、ヒドロキシ、O−アルキルまたはO−置換されたアルキルからなる群から選ばれる;
ただし、化合物(式中、WおよびYが両方ともOであり;R1、R2、およびR7がHであり;R3、R4、およびR6がメチルであり;R8がHまたはメチルであり;Z1、およびZ2がCH2であり;Gが1−メチル−2−(置換された−4−チアゾリル)エテニルであり;およびQが上記の定義と同じである)は除く]
で示されるエポチロン化合物;および医薬的に許容され得るそれらの塩、およびそれらの水和物、溶媒和物または幾何的、光学的および立体化学的異性体を含む組成物の有効量を投与することを特徴とする方法。 - 上記エポチロン化合物が、下記の群:
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,13,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,13,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,10−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,10−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,14,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,1OS*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,14,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,11−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,11−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−9−オン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−9−オン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−3,8,8,10,12,16−ヘキサメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−3,8,8,10,12−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13,16−ヘキサメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,16−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−6,8,8,10,12−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−4,8,8,10,12,16−ヘキサメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−4,8,8,10,12−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−1,5,5,7,9,13−ヘキサメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−1,5,5,7,9−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−13−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−13−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−10−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−10−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−14−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−14−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−11−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6ジオン;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−11−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R*,3R*,7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−N−フェニル−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−5,9−ジオキソ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−3−カルボキサミド;
[1S−[1R*,3R*,7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−N−フェニル−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−5,9−ジオキソ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−3−カルボキサミド;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*]]−N−フェニル−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−2,6−ジオキソ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−16−カルボキサミド;
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*]]−N−フェニル−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−2,6−ジオキソ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−16−カルボキサミド;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)シクロプロピル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R*,3R*(E),7R*,10S*,11R*,12R*,16S*]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)シクロプロピル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;および、
[4S−[4R*,7S*,8R*,9R*,15R*(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−ヒドロキシメチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13(Z)−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;および、
医薬的に許容され得るそれらの塩、溶媒和物および水和物から選ばれる、請求項1記載の方法。 - 上記哺乳動物が、ヒトである、請求項1記載の方法。
- 上記エポチロン化合物を含有する組成物が、非経口的に投与される、請求項1記載の方法。
- 上記エポチロン化合物を含有する組成物が、経口的に投与される、請求項1記載の方法。
- 上記腫瘍が、当初腫瘍学的治療に反応しなかった、請求項1記載の方法。
- 上記腫瘍は、当初腫瘍学的治療に反応したが、処置の過程で耐性が現れる、請求項1記載の方法。
- 上記化合物が、癌または他の増殖性疾患の処置に有効な化学療法剤と、同時にまたは逐次投与される、請求項1記載の方法。
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