JP2005035042A - 印刷装置、吐出検査方法、吐出検査用パターンの形成方法、プログラム、印刷システム、 - Google Patents

印刷装置、吐出検査方法、吐出検査用パターンの形成方法、プログラム、印刷システム、 Download PDF

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Abstract

【課題】クリアインクの吐出部の吐出検査を簡単に行う。
【解決手段】色インクを吐出する複数の色インクノズルと、クリアインクを吐出する複数のクリアインクノズルとを備え、前記各クリアインクノズルから吐出した前記クリアインクと、前記クリアインクが付着すべき領域に向けて前記色インクノズルから吐出した前記色インクとにより、媒体上に、前記クリアインクノズルの吐出検査に用いる検査用パターンを前記クリアインクノズル別に形成する印刷装置において、前記クリアインクが付着すべき領域に向けて色インクを吐出すべき前記色インクノズルが、前記検査用パターンごとにそれぞれ2以上割り当てられている。
【選択図】 図18

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色インクおよびクリアインクを吐出して印刷を行う印刷装置、吐出検査方法及び吐出検査用パターンの形成方法、プログラムおよび印刷システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
紙や布、フィルムなどの各種媒体に対してインクを吐出して印刷を行う印刷装置として、インクジェットプリンタが知られている。このインクジェットプリンタは、シアン(C)やマゼンダ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)といった各色のインクを吐出して媒体上にドットを形成してカラー印刷を行う。インクの吐出は、通常、ノズルにより行われている。
【0003】
しかし、ときどき、インクの固着などによってノズルに目詰まりが発生してインクが適正に吐出されないときがある。ノズルからインクが適正に吐出されないと、媒体上にドットを形成することができず、適正な画像を形成することができない。そこで、このようなノズルの吐出不良を発見すべく、定期的にノズルの吐出検査を行って、インクが適正に吐出されているか否かを検査することが必要となっている。
【0004】
そこで、従来より、インクジェットプリンタをはじめとするシリアル型プリンタにおいては、記録紙に対し実際に印刷を行って不良ドットがないかどうか検査することが提案されている(特許文献1参照)。ここでは、プリンタにイメージセンサを搭載して、当該イメージセンサにより印刷状態を検出して不良ドットの有無をチェックする。不良ドットがあった場合には、その不良ドットの位置を記憶し、印刷時に他のノズル等により補完するしくみになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−240191号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近、シアン(C)やマゼンダ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)といった色インクの他に、クリアインクと呼ばれる無色透明な液体を吐出する印刷装置が登場している。ここで吐出されるクリアインクとは、印刷画像の画質向上等を目的として吐出される液体であり、具体的には、▲1▼インクを凝集させて定着を促進させる役割や、▲2▼光沢度を向上させる役割、▲3▼媒体表面に保護層を形成する役割などを果たす。
しかしながら、このようなクリアインクは、無色透明であるため、媒体上に吐出されてもセンサ等により簡単に検知することができず、このため、実際に媒体に吐出しても吐出検査を簡単に行うことはできなかった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みたものであって、その目的は、クリアインクを吐出する吐出部についても簡単に吐出検査を行えるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための主たる発明は、色インクを吐出する複数の色インクノズルと、クリアインクを吐出する複数のクリアインクノズルとを備え、前記各クリアインクノズルから吐出した前記クリアインクと、前記クリアインクが付着すべき領域に向けて前記色インクノズルから吐出した前記色インクとにより、媒体上に、前記クリアインクノズルの吐出検査に用いる検査用パターンを前記クリアインクノズル別に形成する印刷装置において、
前記クリアインクが付着すべき領域に向けて色インクを吐出すべき前記色インクノズルが、前記検査用パターンごとにそれぞれ2以上割り当てられていることを特徴とする印刷装置である。
【0009】
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
色インクを吐出する複数の色インクノズルと、クリアインクを吐出する複数のクリアインクノズルとを備え、前記各クリアインクノズルから吐出した前記クリアインクと、前記クリアインクが付着すべき領域に向けて前記色インクノズルから吐出した前記色インクとにより、媒体上に、前記クリアインクノズルの吐出検査に用いる検査用パターンを前記クリアインクノズル別に形成する印刷装置において、
前記クリアインクが付着すべき領域に向けて色インクを吐出すべき前記色インクノズルが、前記検査用パターンごとにそれぞれ2以上割り当てられていることを特徴とする。
このような印刷装置にあっては、色インクノズルが検査用パターンごとにそれぞれ2以上割り当てられていることで、色インクノズルに吐出不良があった場合であっても、他の色インクノズルから色インクを吐出してクリアインクノズルの検査用パターンを形成することができ、クリアインクノズルの吐出検査を的確に行うことができる。
【0012】
かかる印刷装置にあっては、前記色インクノズルとして、異なる色の色インクを吐出する複数種類の色インクノズルを備え、これら複数種類の色インクノズルのうちのいずれか1種類の色インクノズルが、前記検査用パターンの形成に用いられても良い。これにより、クリアインクノズルの検査用パターンを良好に形成することができる。
【0013】
また、かかる印刷装置にあっては、前記色インクパターンの形成に用いられる色インクの色は、前記複数色の色インクのうちの最も色が薄い色インク以外の色インクであっても良い。複数色の色インクのうち、最も色が薄い色インク以外の色インクを用いれば、クリアインク吐出部の検査用パターンを良好に形成することができる。
【0014】
また、かかる印刷装置にあっては、前記クリアインクが付着した領域に前記色インクが付着したときに、前記色インクが前記クリアインクに滲んでも良い。このように色インクとクリアインクとが滲むことで、クリアインク吐出部の吐出検査を簡単に行うことができる。
【0015】
また、かかる印刷装置にあっては、前記クリアインクが付着した領域に前記色インクが付着したときの色の濃度が、前記クリアインクが付着されていない領域に前記色インクが付着したときの色の濃度と異なっても良い。さらには、前記クリアインクが付着した領域に前記色インクが付着したときの色の濃度が、前記クリアインクが付着されていない領域に前記色インクが付着したときの色の濃度よりも濃くなってても良い。このように色の濃度が異なったり、さらには濃くなることで、クリアインク吐出部の吐出検査を簡単に行うことができる。
【0016】
また、かかる印刷装置にあっては、前記クリアインクが付着されるべきではない領域に対しても、前記色インクノズルから前記色インクが吐出されても良い。このようにクリアインクが付着すべきではない領域に対しても色インクが吐出されれば、クリアインクが適正に吐出されているか否かを簡単に判別することができる。
【0017】
また、かかる印刷装置にあっては、前記媒体上に前記色インク吐出部の吐出検査に用いる検査用パターンを形成し得ても良い。このような検査用パターンを形成することができれば、色インク吐出部の吐出検査を行うことができる。
【0018】
また、かかる印刷装置にあっては、前記色インク吐出部の吐出検査に用いる検査用パターンが、前記クリアインク吐出部の吐出検査に用いる検査用パターンと同一の媒体上に形成されても良い。これら2つの検査用パターンが同一の媒体上に形成されることで、媒体の無駄を低減することができる。
【0019】
また、かかる印刷装置にあっては、前記媒体に形成された前記検査用パターンを検知するセンサと、前記センサからの検知情報に基づき前記クリアインク吐出部における吐出不良の有無をチェックするチェック手段とを備えていても良い。このような構成を備えることで、クリアインク吐出部の吐出不良の有無を簡単にチェックすることができる。
【0020】
色インクを吐出する複数の色インクノズルと、クリアインクを吐出する複数のクリアインクノズルとを備え、前記各クリアインクノズルから吐出した前記クリアインクと、前記クリアインクが付着すべき領域に向けて前記色インクノズルから吐出した前記色インクとにより、媒体上に、前記クリアインクノズルの吐出検査に用いる検査用パターンを前記クリアインクノズル別に形成する印刷装置において、
前記クリアインクが付着すべき領域に向けて色インクを吐出すべき前記色インクノズルが、前記検査用パターンごとにそれぞれ2以上割り当てられているとともに、
前記色インクノズルとして、異なる色の色インクを吐出する複数種類の色インクノズルを備え、これら複数種類の色インクノズルのうちのいずれか1種類の色インクノズルが、前記検査用パターンの形成に用いられ、
前記色インクパターンの形成に用いられる色インクの色は、前記複数色の色インクのうちの最も色が薄い色インク以外の色インクであり、
前記クリアインクが付着した領域に前記色インクが付着したときの色の濃度が、前記クリアインクが付着されていない領域に前記色インクが付着されたときの色の濃度よりも濃く、
前記クリアインクが付着されるべきではない領域に対しても、前記色インクノズルから前記色インクが吐出され、
前記媒体上に前記色インク吐出部の吐出検査に用いる検査用パターンを形成し、 前記色インク吐出部の吐出検査に用いる検査用パターンが、前記クリアインク吐出部の吐出検査に用いる検査用パターンと同一の媒体上に形成され、
前記媒体に形成された前記検査用パターンを検知するセンサと、前記センサからの検知情報に基づき前記クリアインク吐出部における吐出不良の有無をチェックするチェック手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。
【0021】
クリアインクノズルから吐出した前記クリアインクと、前記クリアインクが付着すべき領域に向けて前記色インクノズルから吐出した前記色インクとにより、媒体上に、前記クリアインクノズルの吐出検査に用いる検査用パターンを前記クリアインクノズル別に形成する吐出検査方法において、
前記クリアインクが付着すべき領域に向けて色インクを吐出すべき前記色インクノズルを、前記検査用パターンごとにそれぞれ2以上割り当てることを特徴とする吐出検査方法。
【0022】
クリアインクノズルから吐出した前記クリアインクと、前記クリアインクが付着すべき領域に向けて前記色インクノズルから吐出した前記色インクとにより、媒体上に、前記クリアインクノズルの吐出検査に用いる検査用パターンを前記クリアインクノズル別に形成する吐出検査用パターンの形成方法において、
前記クリアインクが付着すべき領域に向けて色インクを吐出すべき前記色インクノズルを、前記検査用パターンごとにそれぞれ2以上割り当てることを特徴とする吐出検査用パターンの形成方法。
【0023】
色インクを吐出する複数の色インクノズルと、クリアインクを吐出する複数のクリアインクノズルとを備え、前記各クリアインクノズルから吐出した前記クリアインクと、前記クリアインクが付着すべき領域に向けて前記色インクノズルから吐出した前記色インクとにより、媒体上に、前記クリアインクノズルの吐出検査に用いる検査用パターンを前記クリアインクノズル別に形成する印刷装置において実行されるプログラムであって、
前記クリアインクが付着すべき領域に向けて色インクを吐出すべき前記色インクノズルが、前記検査用パターンごとにそれぞれ2以上設定する処理を実行することを特徴とするプログラム。
【0024】
コンピュータ本体と、このコンピュータ本体に接続可能な印刷装置とを具備した印刷システムにおいて、
前記印刷装置は、色インクを吐出する複数の色インクノズルと、クリアインクを吐出する複数のクリアインクノズルとを備え、前記各クリアインクノズルから吐出した前記クリアインクと、前記クリアインクが付着すべき領域に向けて前記色インクノズルから吐出した前記色インクとにより、媒体上に、前記クリアインクノズルの吐出検査に用いる検査用パターンを前記クリアインクノズル別に形成する印刷装置であって、
前記クリアインクが付着すべき領域に向けて色インクを吐出すべき前記色インクノズルが、前記検査用パターンごとにそれぞれ2以上割り当てられていることを特徴とする印刷システム。
【0025】
===印刷装置の概要===
本発明に係る印刷装置の実施の形態について、インクジェットプリンタを例にとり説明する。図1〜図4は、インクジェットプリンタの一例を示したものである。図1〜図4は、そのインクジェットプリンタ1の一実施形態の概要を説明するための図である。図1は、そのインクジェットプリンタ1の一実施形態の外観を示す。図2は、そのインクジェットプリンタ1の内部構成を示す。図3は、そのインクジェットプリンタ1の搬送部を示す。図4は、そのインクジェットプリンタのシステム構成を示すブロック構成図である。
【0026】
このインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、背面から供給された印刷用紙等の媒体を前面から排出する構造を備えており、その前面部には操作パネル2および排紙部3が設けられ、その背面部には給紙部4が設けられている。操作パネル2には、各種操作ボタン5および表示ランプ6が設けられている。また、排紙部3には、不使用時に排紙口を塞ぐ排紙トレー7が設けられている。給紙部4には、カット紙(図示しない)を保持する給紙トレー8が設けられている。なお、インクジェットプリンタ1は、カット紙など単票状の印刷紙のみならず、ロール紙などの連続した媒体にも印刷できるような給紙構造を備えていても良い。
【0027】
このインクジェットプリンタ1の内部には、図2に示すように、キャリッジ41が設けられている。このキャリッジ41は、所定の方向(本実施形態では図中走査方向)に沿って相対的に移動可能に設けられたものである。キャリッジ41の周辺には、キャリッジモータ(以下、CRモータともいう)42と、プーリ44と、タイミングベルト45と、ガイドレール46と、が設けられている。キャリッジモータ42は、DCモータなどにより構成され、キャリッジ41を前記所定の方向に沿って相対的に移動させるための駆動源として機能する。また、タイミングベルト45は、プーリ44を介してキャリッジモータ42に接続されるとともに、その一部がキャリッジ41に接続され、キャリッジモータ42の回転駆動によってキャリッジ41を前記所定の方向に沿って相対的に移動させる。ガイドレール46は、キャリッジ41を前記所定の方向に沿って案内する。この他に、キャリッジ41の周辺には、キャリッジ41の位置を検出するリニア式エンコーダ51と、媒体Sをキャリッジ41の移動方向と交差する方向に沿って搬送するための搬送ローラ17Aと、この搬送ローラ17Aを回転駆動させる紙送りモータ15とが設けられている。
【0028】
一方、キャリッジ41には、各種インクを収容したインクカートリッジ48と、媒体Sに対して印刷を行う印刷ヘッド21とが設けられている。インクカートリッジ48は、例えば、イエロ(Y)やマゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)などの各色のインクを収容しており、キャリッジ41に設けられたカートリッジ装着部に着脱可能に装着されている。一方、印刷ヘッド21は、本実施形態では、媒体Sに対してインクを吐出して印刷を施すようになっている。このために印刷ヘッド21には、インクを吐出するための多数のノズルが設けられている。この印刷ヘッド21のインクの吐出機構については、後で詳しく説明する。
【0029】
この他に、このインクジェットプリンタ1の内部には、印刷ヘッド21のノズルの目詰まりを解消するためのクリーニングユニット30が設けられている。クリーニングユニット30は、ポンプ装置31と、キャッピング装置35とを有する。ポンプ装置31は、印刷ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するため、ノズルからインクを吸い出すものであり、ポンプモータ(図示外)により作動する。一方、キャッピング装置35は、印刷ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するため、印刷を行わないとき(待機時など)に、印刷ヘッド21のノズルを封止する。
【0030】
次にこのインクジェットプリンタ1の搬送部(本発明の搬送手段に相当)の構成について説明する。この搬送部は、図3に示すように、紙挿入口11A及びロール紙挿入口11Bと、給紙モータ(不図示)と、給紙ローラ13と、プラテン14と、紙搬送モータ(以下、PFモータともいう)15と、搬送ローラ17Aと排紙ローラ17Bと、フリーローラ18Aとフリーローラ18Bとを有する。
【0031】
紙挿入口11Aは、媒体である用紙Sを挿入するところである。給紙モータ(図示外)は、紙挿入口11Aに挿入された紙Sをプリンタ1内に搬送するモータであり、パルスモータ等で構成される。給紙ローラ13は、紙挿入口11Aに挿入された媒体Sをプリンタ1の内部に自動的に搬送するローラであり、給紙モータによって駆動される。給紙ローラ13は、略D形の横断面形状を有している。給紙ローラ13の円周部分の周囲長さは、PFモータ15までの搬送距離よりも長く設定されているので、この円周部分を用いて媒体SをPFモータ15まで搬送できる。なお、給紙ローラ13の回転駆動力と分離パッド(図示外)の摩擦抵抗とによって、複数の媒体Sが一度に給紙されることを防いでいる。
【0032】
プラテン14は、印刷中の用紙Sを支持する支持手段である。PFモータ15は、媒体Sである例えば紙を紙搬送方向に送り出すモータであり、DCモータで構成される。搬送ローラ17Aは、給紙ローラ13によってプリンタ1内に搬送された紙Sを印刷可能な領域まで送り出すローラであり、PFモータ15によって駆動される。フリーローラ18Aは、搬送ローラ17Aと対向する位置に設けられ、紙Sを搬送ローラ17Aとの間に挟むことによって用紙Sを搬送ローラ17Aに向かって押さえる。
【0033】
排紙ローラ17Bは、印刷が終了した紙Sをプリンタ1の外部に排出するローラである。排紙ローラ17Bは、不図示の歯車により、PFモータ15によって駆動される。フリーローラ18Bは、排紙ローラ17Bと対向する位置に設けられ、紙Sを排紙ローラ17Bとの間に挟むことによって用紙Sを排紙ローラ17Bに向かって押さえる。
【0034】
次にこのインクジェットプリンタ1のシステム構成について説明する。このインクジェットプリンタ1は、図4に示すように、バッファメモリ122と、イメージバッファ124と、システムコントローラ126と、メインメモリ127と、EEPROM129とを備えている。バッファメモリ122は、ホストコンピュータ140から送信された印刷データ等の各種データを受信して一時的に記憶する。また、イメージバッファ124は、受信した印刷データをバッファメモリ122より取得して格納する。また、メインメモリ127は、ROMやRAMなどにより構成される。
【0035】
一方、システムコントローラ126は、メインメモリ127から制御用プログラムを読み出して、当該制御用プログラムに従ってプリンタ本体20全体の制御を行う。本実施形態のシステムコントローラ126は、キャリッジモータ制御部128と、搬送制御部130と、ヘッド駆動部132と、ロータリ式エンコーダ134と、リニア式エンコーダ51とを備えている。キャリッジモータ制御部128は、キャリッジモータ42の回転方向や回転数、トルクなどを駆動制御する。また、ヘッド駆動部132は、印刷ヘッド21の駆動制御を行う。搬送制御部130は、搬送ローラ17Aを回転駆動する紙送りモータ116など、搬送系に配置された各種駆動モータを制御する。
【0036】
ホストコンピュータ140から送られてきた印刷データは、一旦、バッファメモリ122に蓄えられる。ここで蓄えられた印刷データは、その中から必要な情報がシステムコントローラ126により読み出される。システムコントローラ126は、その読み出した情報に基づき、リニア式エンコーダ51やロータリ式エンコーダ134からの出力を参照しながら、制御用プログラムに従って、キャリッジモータ制御部128や搬送制御部130、ヘッド駆動部132を各々制御する。
【0037】
イメージバッファ124には、バッファメモリ122に受信された複数の色成分の印刷データが格納される。ヘッド駆動部132は、システムコントローラ126からの制御信号に従って、イメージバッファ124から各色成分の印刷データを取得し、この印刷データに基づき印刷ヘッド21に設けられた各色のノズルを駆動制御する。
【0038】
この他に、本実施形態のシステムコントローラ126にあっては、反射型光学センサ制御部132を備えている。反射型光学センサ制御部302は、反射型光学センサ300を駆動制御する。反射型光学センサ300は、発光ダイオードなどから構成される発光部300Aと、フォトトランジスタなどから構成される受光部300Bとを備えている。反射型光学センサ制御部302は、反射型光学センサ300の発光部300Aの発光制御を行ったり、またその受光部300Bで受光された反射光に関する情報をシステムコントローラ126に伝達する役割も果たす。反射型光学センサ300は、発光部300Aから媒体Sに対して発光できるようにキャリッジ41に設けられていて、キャリッジとともに媒体Sに対して相対的に移動するようになっている。
【0039】
===反射型光学センサの構成例===
図5は、センサとして反射型光学センサ300の一実施形態を示した模式図である。反射型光学センサ300は、同図に示すように、キャリッジ41に設けられ、キャリッジ41とともに媒体Sに対して相対的に移動するようになっている。
反射型光学センサ300の発光部300Aは、媒体Sに対して光が所定の角度をなして照射されるように設定されている。他方、受光部300Bは、媒体Sの表面で反射された光(正反射光および拡散反射光を含む)を検出するようになっている。これにより、反射型光学センサ300は、受光部300Bで受光された光の反射量を測定して媒体Sの光沢度や色の濃度などを検出するようになっている。反射型光学センサ300の検出結果は、システムコントローラ126に出力される。
【0040】
なお、本実施形態では、発光部300Aと受光部300Bとが隣接して配置されていたが、相互に間隔をあけて別々に配置されていても良い。
【0041】
===リニア式エンコーダ===
次にリニア式エンコーダ51について詳しく説明する。図6は、キャリッジ41に設けられたリニア式エンコーダ51の構成を模式的に示したものである。 このリニア式エンコーダ51は、発光ダイオード511と、コリメータレンズ512と、検出処理部513とを備えている。検出処理部513は、複数(例えば4個)のフォトダイオード514と、信号処理回路515と、例えば2個のコンパレータ516A、516Bとを有している。
【0042】
発光ダイオード511の両端に抵抗を介して電圧VCCが印加されると、発光ダイオード511から光が発せられる。この光はコリメータレンズ512により平行光に集光されてリニア式エンコーダ用符号板517を通過する。リニア式エンコーダ用符号板517には、所定の間隔(例えば1/180インチ(1インチ=2.54cm))毎にスリットが設けられている。
【0043】
リニア式エンコーダ用符号板517を通過した平行光は、図示しない固定スリットを通って各フォトダイオード514に入射し、電気信号に変換される。4個のフォトダイオード514から出力される電気信号は信号処理回路515において信号処理され、信号処理回路515から出力される信号はコンパレータ516A、516Bにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。コンパレータ516A、516Bから出力されるパルスENC−A、ENC−Bがリニア式エンコーダ51の出力となる。
【0044】
図7は、キャリッジモータ42の正転時及び逆転時におけるリニア式エンコーダ51の2つの出力信号の波形を示したタイミングチャートである。
図7A及び図7Bに示すように、キャリッジモータ42の正転時及び逆転時のいずれの場合も、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度だけ異なっている。キャリッジモータ42が正転しているとき、即ち、キャリッジ41がガイド軸70に沿って移動しているときは、図7Aに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が進み、キャリッジモータ42が逆転しているときは、図7Bに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れる。そして、パルスENC−A及びパルスENC−Bの1周期Tは、キャリッジ41がリニア式エンコーダ用符号板517のスリット間隔を移動する時間に等しい。
【0045】
そして、リニア式エンコーダ51の出力パルスENC−A、ENC−Bの各々の立ち上がりエッジ、立ち上がりエッジが検出され、検出されたエッジの個数が計数され、この計数値に基づいてキャリッジモータ42の回転位置が演算される。この計数はキャリッジモータ42が正転しているときは1個のエッジが検出されると「+1」を加算し、逆転しているときは、1個のエッジが検出されると「−1」を加算する。パルスENC−A及びENC−Bの各々の周期は、リニア式エンコーダ用符号板517の、あるスリットがリニア式エンコーダ51を通過してから次のスリットがリニア式エンコーダ51を通過するまでの時間に等しく、かつ、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度だけ異なっている。このため、上記計数のカウント値「1」はリニア式エンコーダ用符号板517のスリット間隔の1/4に対応する。これにより上記計数値にスリット間隔の1/4を乗算すれば、その乗算値に基づいて、計数値が「0」に対応する回転位置からのキャリッジモータ42の移動量を求めることができる。このときリニア式エンコーダ51の解像度はリニア式エンコーダ用符号板517のスリットの間隔の1/4となる。
【0046】
===印刷ヘッド===
図8は、印刷ヘッド21の下面部に設けられたインクのノズルの配列を示した図である。印刷ヘッド21の下面部には、同図に示すように、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、マットブラック(MBk)、フォトブラック(PBk)、レッド(R)、バイオレット(V)の各色ごとにそれぞれ複数のノズル♯1〜♯180からなるノズル列211が設けられている。さらに本実施形態では、これら各色のノズル列211に加え、クリアインク(CL)のノズル列212(本発明におけるクリアインク吐出部に相当)が設けられている。なお、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、マットブラック(MBk)、フォトブラック(PBk)、レッド(R)、バイオレット(V)の各色のノズル列211は、本発明の色インク吐出部に相当する。また、クリアインク(CL)のノズル列212は、本発明のクリアインク吐出部に相当する。また、本発明では、色インクとして、前述した色以外に他の色、例えば、ブルーやグリーンなどの色インクを用いても良い。
【0047】
各ノズル列211、212の各ノズル♯1〜♯180は、媒体Sの搬送方向に沿って直線状に配列されている。各ノズル列211、212は、印刷ヘッド21の移動方向(走査方向)に沿って相互に間隔をあけて平行に配置されている。各ノズル♯1〜♯180には、インク滴を吐出するための駆動素子としてピエゾ素子(図示外)が設けられている。
【0048】
ここで、「D」は、媒体Sの搬送方向における最小ドットピッチ(つまり、媒体Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、「k」は、1以上の整数である。各ノズル列211、212の各ノズル♯1〜♯180の各間隔はそれぞれ「k・D」、即ち、媒体Sに形成されるドットの最高解像度での間隔の整数倍に設定されている。
【0049】
ピエゾ素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すると、電圧の印加時間に応じて伸張し、インクの流路の側壁を変形させる。これによって、インクの流路の体積がピエゾ素子の伸縮に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴となって各色の各ノズル♯1〜♯180から吐出される。
【0050】
図9は、各ノズル♯1〜♯180の駆動回路220を示したものである。この駆動回路220は、同図に示すように、原駆動信号発生部221と、複数のマスク回路222と、駆動信号補正回路223とを備えている。原駆動信号発生部221は、各ノズル♯1〜♯180に共通して用いられる原信号ODRVを生成する。この原信号ODRVは、一画素分の主走査期間内(キャリッジ41が一画素の間隔を横切る時間内)において、図中下部に示すように、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む信号である。原駆動信号発生部221で生成された原信号ODRVは、各マスク回路222に出力される。
【0051】
マスク回路222は、印刷ヘッド21のノズル♯1〜♯180をそれぞれ駆動する複数のピエゾ素子に対応して設けられている。各マスク回路222には、原信号発生部221から原信号ODRVが入力されるとともに、印刷信号PRT(i)が入力される。この印刷信号PRT(i)は、画素に対応する画素データであり、一画素に対して2ビットの情報を有する2値信号である。その各ビットは、それぞれ第1パルスW1と第2パルスW2とに対応している。マスク回路222は、印刷信号PRT(i)のレベルに応じて、原信号ODRVを遮断したり通過させたりするためのゲートである。すなわち、印刷信号PRT(i)がレベル『0』のときには、原信号ODRVのパルスを遮断する一方、印刷信号PRT(i)がレベル『1』のときには、原信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて駆動信号DRVとして駆動信号補正回路223に出力する。
【0052】
駆動信号補正回路223は、マスク回路222からの駆動信号DRVの波形のタイミングをずらして補正をする。ここで補正される駆動信号DRVの波形のタイミングのずらし幅は、システムコントローラ126等からの指示によって適宜調節される。すなわち、駆動信号補正回路223は、システムコントローラ126等からの指示によって駆動信号DRVの波形を所望のタイミングにずらすことができる。駆動信号補正回路223により補正された駆動信号DRVは、各ノズル♯1〜♯10のピエゾ素子に向けて出力される。各ノズル♯1〜♯10のピエゾ素子は、駆動信号補正回路223からの駆動信号DRVに基づき駆動してインクの吐出を行う。
【0053】
図10は、駆動信号発生部の動作を示す原信号ODRV、印刷信号PRT(i)、駆動信号DRV(i)のタイミングチャートである。同図に示すように、原信号ODRVは、各画素区間T1、T2、T3、T4において、第1パルスW1と第2パルスW2とを順に発生する。なお、画素区間とは、一画素分のキャリッジの移動区間と同じ意味である。
【0054】
ここで、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『1、0』に対応しているとき、第1パルスW1のみが一画素区間の前半で出力される。これにより、ノズルから小さいインク滴が吐出され、媒体には小さいドット(小ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『0、1』に対応しているとき、第2パルスW2のみが一画素区間の後半で出力される。これにより、ノズルから中サイズのインク滴が吐出され、媒体には中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『1、1』に対応しているとき、第1パルスW1と第2パルスW2とが一画素区間で出力される。これにより、ノズルから大きいサイズのインク滴が吐出され、媒体には大きいサイズのドット(大ドット)が形成される。以上説明したとおり、一画素区間における駆動信号DRV(i)は、印刷信号PRT(i)の3つの異なる値に応じて互いに異なる3種類の波形を有するように整形され、これらの信号に基づいて印刷ヘッド21は、3種類のサイズのドットを形成し、また画素区間無いにて吐出するインク量を調整することが可能である。また、画素区間T4のように、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『0、0』に対応しているときには、ノズルからインク滴が吐出されず、媒体にはドットが形成されないことになる。
【0055】
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1では、このようなノズル♯1〜♯180の駆動回路220が、各ノズル列211、212ごと、即ち、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、マットブラック(MBk)、フォトブラック(PBk)、レッド(R)、バイオレット(V)の各色およびクリアインク(CL)に各々個別に設けられ、各ノズル列211、212ごとに個別にピエゾ素子の駆動が行われるようになっている。
【0056】
===色インク・クリアインク===
ここで本発明における色インクおよびクリアインクについて説明する。
色インクとは、ここでは、イエロ(Y)やマゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、マットブラック(MBk)、フォトブラック(PBk)、レッド(R)、バイオレット(V)、ライトマゼンダ(LM)、ライトシアン(LC)、ダークイエロ(DY)、グリーン(G)、ブルー(B)などといった有色非透明のインクのことをいう。これら色インクは、染料インクや顔料インクなどからなる。
【0057】
一方、クリアインクとは、一般に、色インクと対照的に無色透明なインクのことである。ここで、特にこのような無色透明に限らず、有色透明であったり、また有色非透明であっても、媒体Sに印刷されたときに、前述した反射型光学センサなどの各種センサにより検知が難しいインクを広くいう。つまり、イエロ(Y)やマゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)などといった有色非透明の色インクは、媒体Sに付着したときに、反射型光学センサ300など、印刷装置に搭載されたセンサにより検知可能であるのに対して、クリアインクとは、媒体Sに付着しても付着しているのか否か特定がセンサによりきわめて難しいインクのことをいう。
【0058】
===吐出検査===
本実施形態にかかるインクジェットプリンタ1では、前述した各色の色インクおよびクリアインクがノズル列211、212の各ノズル♯1〜♯180から適正に吐出されているか否かの検査、即ち「ドット抜け検出」をすることができる。この吐出検査にあっては、実際に各ノズル♯1〜♯180から色インクまたはクリアインクを吐出して媒体S上に所定の検査用パターンを形成して行う。そして、形成したその検査用パターンに基づき、各ノズル列のノズル♯1〜♯180に目詰まり等の吐出不良がないかどうかチェックする。そのチェックの結果、ノズル♯1〜♯180に吐出不良が発見された場合には、ノズル♯1〜♯180についてクリーニングをする。
【0059】
図11は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の吐出検査手順の一例を示したものである。同図に示すように、吐出検査を行う場合には、まず、各ノズル列211、212の各ノズル♯1〜180から色インクまたはクリアインクを吐出して媒体S上に所定の検査用パターンを形成する(S102)。なお、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1では、各色の色インクのノズル列211の各ノズル♯1〜180の吐出検査に用いる検査用パターン(本発明の第1検査用パターンに相当)と、クリアインクのノズル列212の各ノズル♯1〜180の吐出検査に用いる検査用パターン(本発明の第2検査用パターンに相当)とが形成される。ここで形成される検査用パターンについては後で詳しく説明する。
【0060】
このようにして所定の検査用パターンを形成した後、次に、形成した検査用パターンに基づいてチェックを行う(S104)。このチェックは、当該インクジェットプリンタ1のキャリッジ41に搭載された反射型光学センサ300により行う。この反射型光学センサ300により、媒体S上に形成された検査用パターンを検知して、その検知結果に基づき各色の色インクのノズル列211の各ノズル♯1〜♯180またはクリアインクのノズル列212の各ノズル♯1〜♯180に吐出不良がないかどうか調べる(S106)。ここで、吐出不良があると判断した場合には、ノズルクリーニングを実行する(S108)。ノズルクリーニングについては後で詳しく説明する。他方、各ノズル列211、212のいずれにも吐出不良がないと判断した場合には、直ちに処理を終了する。
【0061】
===色インクの検査用パターン===
次に本実施形態に係るプリンタ1で形成される色インクの検査用パターンについて説明する。
図12は、各色の色インクのノズル列211の各ノズル♯1〜♯180の吐出検査に用いられる検査用パターン400の概要を示したものである。この検査用パターン400は、同図に示すように、イエロ(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、マットブラック(MBk)、フォトブラック(PBk)、レッド(R)、バイオレット(V)の各色の色インクにより各々形成された長方形状のパターン402により構成されている。本実施形態では、同図に示すように、各色のブロック状のパターン402が、キャリッジ41の移動方向に沿って横一列に並べられて配置されて形成される。各色のパターン402には、それぞれ各色の各ノズル♯1〜♯180に各々対応したブロック状のパターンが形成されている。なお、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、マットブラック(MBk)、フォトブラック(PBk)、レッド(R)、バイオレット(V)の各色のノズル列211の各ノズル♯1〜♯180は、本発明の色インクノズルに相当する。また、クリアインク(CL)のノズル列212の各ノズル♯1〜♯180は、本発明のクリアインクノズルに相当する。
【0062】
図13は、各ブロック状のパターン402の構成を拡大して詳しく説明したものである。このパターン402には、同図に示すように、その上下左右両側部にそれぞれ上部検査マージン404と、下部検査マージン406と、右部検査マージン408と、左部検査マージン410とが設けられ、さらにこれら各検査マージン404、406、408、410に取り囲まれるようにしてその内側に、複数のブロック状の検査用パターン412を有するノズル別検査用パターン群414が設けられている。上部検査マージン404は、各色の色インクのノズル列211のノズル♯1〜8、♯10〜♯17から吐出された色インクにより形成され、下部検査マージン406は、各色の色インクのノズル列211のノズル♯163〜♯170、♯172〜♯179から吐出された色インクにより形成されている。また、右部検査マージン408および左部検査マージン410は、それぞれ各色の色インクのノズル列211の図中に示すノズル番号(♯1〜♯180)に対応するノズルから吐出された色インクにより形成されている。
【0063】
一方、ノズル別検査パターン群414に形成された各検査用パターン412は、各色の色インクのノズル列211の図中に示すノズル番号(♯1〜♯180)に対応するノズルから吐出された色インクによってそれぞれ形成されている。つまり、各色の色インクのノズル列211のノズル1つに対して、1つの検査パターン412が割り当てられ、各ブロック状のパターン412は、それぞれ対応するノズルから吐出された色インクのみによって形成されている。すなわち、ノズル別検査パターン群414には、あるノズル列211の全ノズル♯1〜♯180に対応する検査パターン412が形成されている。本実施形態では、このようなブロック状の検査パターン412が、紙面縦方向(媒体Sの搬送方向)に沿って20行、紙面横方向(キャリッジ41の移動方向)に沿って9列形成され、合計で180個、即ちノズル♯1〜♯180の個数分だけ設けられている。
【0064】
図14は、ノズル別検査パターン群414に形成されたブロック状の検査パターン412の1つを詳しく説明するものである。1つのノズル別検査パターン412は、同図に示すように、各色の色インクのノズルから吐出された色インクが媒体S上に付着して形成された多数のドットにより構成されている。各ドットは、紙面横方向(キャリッジ41の移動方向)及び紙面縦方向(媒体Sの搬送方向)に沿ってそれぞれ適当な間隔をあけて形成される。ここでは、1つの検査パターン412につき、紙面横方向(キャリッジ41の移動方向)に沿って28ドット、紙面縦方向(媒体Sの搬送方向)に沿って18ドット、合計504ドット形成されている。本実施形態では、各色の色インクのノズル列211の各ノズル♯1〜♯180からそれぞれ大きいサイズのインク滴が吐出され、各ドットは、大きいサイズのドット(大ドット)として形成されている。
【0065】
===クリアインクの検査用パターン===
<検査用パターン>
図15は、クリアインクの検査用パターンの一実施形態を示したものである。また、図16は、そのクリアインクの検査用パターン500を拡大して詳しく示したものである。図17は、そのクリアインクの検査用パターン500に形成される1つのブロック状のパターンを詳しく示したものである。
【0066】
この検査用パターン500は、図15に示すように、クリアインクが吐出されて形成されたクリアインクパターン502と、色インクが吐出されて形成された色インクパターン504、506との2つのパターンにより形成されている。クリアインクパターン502は、多数のブロック状のパターン508により構成されている。各ブロック状のパターン508は、図16に示すように、クリアインクを吐出する各ノズル♯1〜♯180に対応するようにそれぞれ形成されたものである。つまり、クリアインクを吐出するノズル1つに対して、1つのブロック状のパターン508が形成されている。各ブロック状のパターン508は、それぞれ各々対応するノズルから吐出されたクリアインクのみが付着して形成されている。1つのブロック状のパターンは、図17に示すように、横1.98mm(56ドット:56/720inch)、縦1.27mm(18ドット:18/360inch)の寸法に、長方形状に成形されている。本実施形態では、このようなブロック状のパターン508が、紙面縦方向(媒体の搬送方向)に沿って10行、紙面横方向(キャリッジ41の移動方向)に沿って18列、相互に間隔をあけて形成されている。
【0067】
一方、色インクパターン504、506は、このようなクリアインクパターン502に重ねられて形成されたものである。本実施形態では、色インクパターン504、506は、上部パターン504と下部パターン506との2つのパターンにより構成され、同図に示すようにクリアインクパターン502全体を覆うように長方形状に形成されている。本実施形態では、色インクパターン504,506を形成する色インクとして、シアン(C)が用いられ、色インクパターン504、506は、180dpi(横)×360dpi(縦)の解像度で形成されている。この他に、色インクパターン504,506を形成する色インクとしては、本実施形態では、最も色の薄いイエロ(Y)を除く他の色、即ち、マゼンダ(M)やマットブラック(MBk)、フォトブラック(PBk)、レッド(R)、バイオレット(V)の色インクを用いても構わない。
【0068】
なお、本実施形態では、プリンタ1が印刷に用いる色インクとして、イエロ(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、マットブラック(MBk)、フォトブラック(PBk)、レッド(R)、バイオレット(V)の各色の色インクを備えているから、最も色の薄いイエロ(Y)以外の他の色の色インクを色インクパターン504、506の形成に用いることができたが、プリンタ1に色インクが他の組み合わせて搭載された場合には、個々の組み合わせに応じて適宜、色インクパターン504、506の形成に用いる色インクが選出される。つまり、例えば、プリンタ1が、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(Bk)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンダ(LM)、ダークイエロ(DY)の組み合わせて色インクを備えていた場合には、ライトシアン(LC)またはライトマゼンダ(LM)が、色インクパターン504、506の形成に用いられない色インクとして選出され、これらを除く他の色インク、即ち、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(Bk)、ダークイエロ(DY)の中から適宜選出しても良い。
【0069】
<色インクパターンを形成する理由>
このように色インクのパターン504、506をクリアインクのパターン502と重ねて形成するのは、次の理由からである。つまり、クリアインクのパター502と色インクのパターン504、506とを重ねて形成した場合、両インクのパターン502、504、506が重なった領域が、図15および図16に示すように、色インクのみが付着した部分に対して異なる色となるからである。これは、クリアインクと色インクとが同一の領域に付着することで、両インクが滲んだだめに生じるものと考えられる。つまり、色インクがクリアインクと滲むことで、色インクが媒体上において広がるからである。色インクがドットとして媒体に形成された場合には、そのドットの隙間から下地の色、即ち媒体の白色が表側にあらわれて色が薄く見える。一方、色インクがクリアインクと滲んで媒体上で広がった場合には、媒体表面が色インクで覆ってしまうため、下地の色、即ち媒体の白色が表側にあらわれず、色があまり薄くならないのである。
【0070】
特に、媒体に対してクリアインクを先に打ち込んで、後から、このクリアインクが先に打ち込まれた領域に色インクを打ち込むことで、クリアインクと色インクの滲みを一層顕著に抑制することができる。これは、クリアインクを媒体に先に打ち込んむことで、媒体表面をクリアインクで浸した状態にしておくことができ、その上に後から打ち込まれた色インクは、直ちにクリアインクと滲むため、媒体上に広く広がるからと考えられる。これにより、色の相違をより明確にすることができる。
【0071】
もちろん、先に色インクを打ち込み、後からクリアインクを打ち込んだ場合でも、色インクとクリアインクとを滲ませることができるが、先に打ち込まれた色インクの多くが媒体上に浸透するなどして定着してしまう場合があるため、後からクリアインクを打ち込んでもクリアインクとの滲みは少なく、色の相違はあまり顕著には現れない虞がある。特に、普通紙と違って光沢紙等は、表面にインクを定着させるための定着層が形成されているため、先に色インクが打ち込まれると、色インクが媒体上に定着されてしまうため、後からクリアインクを打ち込んでもあまり滲まない。ユーザーにより検査が行われる場合を想定することを考慮すると、検査用パターンを形成するための媒体として、普通紙が使用されるのか光沢紙が使用されるのか不明なため、普通紙でも光沢紙でも様々な媒体において汎用的に検査用パターンの形成が可能な方法、即ちクリアインクを先に打ち込み、後から色インクを打ち込む手法を採用するのが好ましい。
【0072】
<検査用パターンの形成手順>
このような検査用パターン500の形成方法について説明する。図18は、クリアインクの検査用パターン500の形成手順の一例を示したものである。クリアインクの検査用パターン500を形成するのは、まず、前述したように、図18Aに示すように媒体に対してクリアインクを吐出して、各ノズル別のブロック状のパターン508からなるクリアインクパターン502を形成する。本実施形態では、各ブロック状のパターン508が、前述した「大ドット」で形成される。このような解像度で前述するようなブロック状のパターン508を形成する動作が複数回にわたって行われる。つまり、媒体上の同一の領域に例えば4回等、複数回にわたりクリアインクが吐出される。
【0073】
次にこうしてクリアインクの打込みにより形成された検査用パターン502の上にこれに覆い被さるようにして、色インクのパターン504、506を形成する。ここでは、色インクの吐出が2段階に分けられて行われる。まず、図18Bに示すように、クリアインクのパターン502の上半分を覆うようにして色インクの上部パターン504を形成し、次に図18Cに示すように、クリアインクのパターン502の下半分を覆うようにして色インクの下部パターン506を形成する。なお、色インクの上部パターン504の形成は、その色インクを吐出するノズル♯1〜♯108を用いて行われ、下部パターン506の形成は、その色インクを吐出するノズル♯73〜♯180を用いて行われる。本実施形態では、上部パターン504および下部パターン506は、前述した「大ドット」で形成される。
【0074】
このようにしてクリアインクにより形成されたクリアインクのパターン502の全体を覆うようにして色インクのパターン504、506を形成して、クリアインクの検査用パターンの形成を終了する。
【0075】
===色インクパターンの形成方法===
前述したクリアインクの検査用パターン500では、色インクパターン504、506を形成する色インクのノズル列211のノズル♯1〜♯180に吐出不良が発生した場合、色インクパターン504、506が適正に形成されず、クリアインクの吐出検査を的確に行えない虞がある。
【0076】
そこで、本実施形態に係るプリンタ1では、このような場合であっても、色インクパターン504、506を適正に形成することができるようにするために、クリアインクのノズル列212の各ノズルに対応した各ブロック状のパターン508に対して、それぞれ2以上の色インクのノズルを割り当てる。このために本実施形態では、色インクパターン504、506の形成を、『インターレース方式』または『オーバーラップ方式』により行う。これら『インターレース方式』および『オーバーラップ方式』について以下に詳しく説明する。
【0077】
<インターレース方式>
図19は、インターレース方式により色インクパターン504、506を形成する方法について概略的に説明するものである。なお、ここでは、説明の便宜上、色インクを吐出するノズル列211(ヘッド21)が媒体Sに対して移動しているように描かれているが、同図はノズル列211と媒体Sとの相対的な位置関係を示すものであって、実際には、媒体Sが搬送方向に沿って移動している。また、同図において、黒丸で示されたノズルはインクを吐出可能なノズルであり、白丸で示されたノズルは、インクを吐出不可なノズルである。図19Aは、パス1〜パス4におけるノズル列211(ヘッド21)の位置とドットの形成の様子を示し、図19Bは、パス1〜パス6におけるノズル列211(ヘッド21)の位置とドットの形成の様子を示している。
【0078】
なお、ここで、『インターレース方式』とは、kが2以上であって、1回のパスで記録されるラスタラインの間に記録されないラスタラインが挟まれるような印刷方式をいう。また、『パス』とは、ノズルが走査方向(キャリッジ41の移動方向)に1回走査移動することをいう。『ラスタライン』とは、走査方向に並ぶ画素の列であり、走査ラインともいう。また、『画素』とは、インク滴を着弾させドットを記録する位置を規定するために、媒体S上に仮想的に定められた方眼状の桝目である。
【0079】
インターレース方式では、媒体Sが搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで記録されたラスタラインのすぐ上のラスタラインを記録する。このように搬送量を一定にして記録を行うためには、インクを吐出可能なノズル数N(整数)はkと互いに素の関係にあり、搬送量FはN・Dに設定される。
【0080】
ここでは、ノズル列211のノズル♯1〜♯180のうちの♯1〜♯4を使って色インクパターン504、506が形成される様子を示す。なお、ノズル列211のノズルピッチは4Dなので、インターレース方式で行うための条件である「Nとkが互いに素の関係」を満たすために、全てのノズルを用いることはできない。そこで、ここでは、簡略的に3つのノズル♯1〜♯3を用いてインターレース方式で色インクパターン504、506の形成を行う場合について説明する。また、3つのノズルが用いられるため、紙は搬送量3・Dにて搬送される。その結果、例えば、180dpi(4・D)のノズルピッチのノズル列211を用いて、720dpi(=D)のドット間隔にて紙にドットが形成される。
【0081】
同図は、最初のラスタラインはパス3のノズル♯1が形成し、2番目のラスタラインはパス2のノズル♯2が形成し、3番目のラスタラインはパス1のノズル♯3が形成し、4番目のラスタラインはパス4のノズル♯1が形成し、連続的なラスタラインが形成される様子を示している。なお、パス1では、ノズル♯3のみがインクを吐出し、パス2では、ノズル♯2とノズル♯3のみがインクを吐出している。これは、パス1及びパス2において全てのノズルからインクを吐出すると、連続したラスタラインを紙に形成できないためである。なお、パス3以降では、3つのノズル(♯1〜♯3)がインクを吐出し、紙が一定の搬送量F(=3・D)にて搬送されて、連続的なラスタラインがドット間隔Dにて形成される。
【0082】
これにより、図19A及び図19Bの図中右側に示すように、クリアインクのノズル列212の各ノズル♯1〜♯180別のブロック状のパターン508は、それぞれ2以上のノズルから吐出された色インクにより形成された複数のドットにより構成される。これにより、色インクのノズル♯1〜♯180の一部に吐出不良が発生しても、色インクパターン504、506が適正に形成されなくなるのを回避することができる。このことから、クリアインクの吐出検査を的確に行うことができる。
【0083】
図20は、インターレース方式の他の方法を説明するものである。ここでは、使用するノズル数が異なっている。ノズルピッチ等は、前述の説明図の場合と同様であるので、説明を省略する。図20Aは、パス1〜パス4におけるノズル列211の位置とドットの形成の様子を示し、図20Bは、パス1〜パス9におけるノズル列211の位置とドットの形成の様子を示している。
【0084】
同図では、ノズル列211のノズル♯1〜♯180のうちの♯1〜♯8を付って色インクパターン504、506を形成する例を説明する。ここで、ノズル列のノズルピッチは4Dなので、インターレース方式で行うための条件である「Nとkが互いに素の関係」を満たすために、全てのノズルを用いることはできない。そこで、ここでは、簡略的に7つのノズル♯1〜♯7を用いてインターレース方式で行う場合について説明する。紙の搬送量は、7つのノズル♯1〜♯7が用いられることから7・Dに設定される。
【0085】
同図は、最初のラスタラインはパス3のノズル♯2が形成し、2番目のラスタラインはパス2のノズル♯4が形成し、3番目のラスタラインはパス1のノズル♯6が形成し、4番目のラスタラインはパス4のノズル♯1が形成し、連続的なラスタラインが形成される様子を示している。なお、パス3以降では、7つのノズル(♯1〜♯7)がインクを吐出し、紙が一定の搬送量F(=7・D)にて搬送されて、連続的なラスタラインがドット間隔Dにて形成される。
【0086】
前述のインターレース方式と比較すると、色インクの吐出に用いられるノズルの数が多くなっている。このため、インクを吐出可能なノズル数Nが多くなるので、1回の搬送量Fが大きくなり、印刷速度が速くなる。このように、インターレース方式で行う際に、インクを吐出可能なノズル数が増えると、印刷速度が速くなるので、有利になる。
【0087】
<オーバーラップ方式>
図21は、オーバーラップ方式により色インクパターン504、506を形成する方法を概略的に説明するものである。図21Aは、パス1〜パス8におけるノズル列211の位置とドットの形成の様子を示し、図21Bは、パス1〜パス12におけるノズル列211の位置とドットの形成の様子を示している。前述のインターレース方式では、一つのラスタラインは一つのノズルにより形成されていた。一方、オーバーラップ方式では、例えば、一つのラスタラインが、二つ以上のノズルにより形成されている。
【0088】
オーバーラップ方式では、紙が搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、数ドットおきに間欠的にドットを形成する。そして、他のパスにおいて、他のノズルが既に形成されている間欠的なドットを補完するようにドットを形成することにより、1つラスタラインが複数のノズルにより完成する。このようにM回のパスにて1つのラスタラインが完成する場合、オーバーラップ数Mと定義する。同図では、各ノズルは、1ドットおきに間欠的にドットが形成されるので、パス毎に奇数番目の画素又は偶数番目の画素にドットが形成される。そして、1つのラスタラインが2つのノズルにより形成されているので、オーバーラップ数M=2になる。なお、前述のインターレース方式の場合、オーバーラップ数M=1になる。
【0089】
オーバーラップ方式において、搬送量を一定にして記録を行うためには、
(1)N/Mが整数であること、
(2)N/Mはkと互いに素の関係にあること、
(3)搬送量Fが(N/M)・Dに設定されること、が条件となる。
【0090】
同図では、ここでは、ノズル列211のノズル数は180である。しかし、ノズル列211のノズルピッチは4D(k=4)なので、オーバーラップ方式により印刷を実施するための条件である「N/Mとkが互いに素の関係」を満たすために、全てのノズルを用いることはできない。そこで、ここでは、簡略的に、ノズル列211のノズル♯1〜♯180のうちの♯1〜♯6を付って色インクパターン504、506が形成される例について説明する。6つのノズルが用いられることから、紙は搬送量3・Dにて搬送される。その結果、例えば、180dpi(4・D)のノズルピッチのノズル群を用いて、720dpi(=D)のドット間隔にて紙にドットが形成される。また、1つのパスにおいて、各ノズルは走査方向に1ドットおきに間欠的にドットを形成する。図中において、走査方向に2つのドットが描かれているラスタラインは既に完成されている。例えば、図21Aにおいて、最初のラスタラインから6番目のラスタラインまでは、既に完成されている。1つのドットが描かれているラスタラインは、1ドットおきに間欠的にドットが形成されているラスタラインである。例えば、7番目や10番目のラスタラインは、1ドットおきに間欠的にドットが形成されている。なお、1ドットおきに間欠的にドットが形成された7番目のラスタラインは、パス9のノズル♯1が補完するようにドットを形成することによって、完成される。
【0091】
同図は、最初のラスタラインはパス3のノズル♯4及びパス7のノズル♯1が形成し、2番目のラスタラインはパス2のノズル♯5及びパス6のノズル♯2が形成し、3番目のラスタラインはパス1のノズル♯6及びパス5のノズル♯3が形成し、4番目のラスタラインはパス4のノズル♯4及びパス8のノズル♯1が形成し、連続的なラスタラインが形成される様子を示している。なお、パス1〜パス6において、ノズル♯1〜ノズル♯6のなかにインクを吐出しないノズルが存在する。これは、パス1〜パス6において全てのノズルからインクを吐出すると、連続したラスタラインを紙に形成できないためである。なお、パス7以降では、6つのノズル(♯1〜♯6)がインクを吐出し、紙が一定の搬送量F(=3・D)にて搬送されて、連続的なラスタラインがドット間隔Dにて形成される。
【0092】
以下に、それぞれのパスにおいて形成されるドットの走査方向の形成位置をまとめて示す。
パ ス 1 2 3 4 5 6 7 8
記録画素 奇数 偶数 奇数 偶数 偶数 奇数 偶数 奇数
ここで、「奇数」とは、走査方向に並ぶ画素(ラスタラインの画素)のうちの奇数番目の画素にドットを形成することを意味する。また、表中の「偶数」とは、走査方向に並ぶ画素のうちの偶数番目の画素にドットを形成することを意味する。例えば、パス3では、各ノズルは、奇数番目の画素にドットを形成する。1つのラスタラインがM個のノズルにより形成される場合、ノズルピッチ分のラスタラインが完成するためには、k×M回のパスが必要となる。例えば、本実施形態では、1つのラスタラインが2つのノズルにより形成されているので、4つのラスタラインが完成するためには、8回(4×2)のパスが必要となる。表1から分かるとおり、前半の4回のパスは、奇数−偶数−奇数−偶数の順にドットが形成される。この結果、前半の4回のパスが終了すると、奇数番目の画素にドットが形成されたラスタラインの隣のラスタラインには、偶数番目の画素にドットが形成されている。後半の4回のパスは、偶数−奇数−偶数−奇数の順にドットが形成される。つまり、後半の4回のパスは、前半の4回のパスと逆の順にドットが形成される。この結果、前半のパスにより形成されたドットの隙間を補完するように、ドットが形成される。
【0093】
オーバーラップ方式も前述のインターレース方式と同様に、インクを吐出可能なノズル数Nが多くなると、1回の搬送量Fが大きくなり、印刷速度が速くなる。そのため、オーバーラップ方式で行う際に、インクを吐出可能なノズル数が増えると、印刷速度が速くなるので、有利になる。
【0094】
以上のことから、色インクパターン504、506の形成の際に、これら『インターレース方式』または『オーバーラップ方式』を適用することで、クリアインクのノズル列の各ノズルに対応した各ブロック状のパターン508に対して、それぞれ2以上の色インクのノズルを簡単に割り当てることができる。これによって、色インクのノズルに吐出不良があった場合であっても、他の色インクノズルから色インクを吐出してクリアインクのノズル別の検査用パターン508を形成することができ、このことから、クリアインクの吐出検査を的確に行うことができる。
【0095】
なお、本発明にあってはこれら『インターレース方式』または『オーバーラップ方式』以外の他の方式により、色インクパターン504、506を形成しても良い。
【0096】
===検査用パターンのチェック方法===
次に、検査用パターン400、500のチェック方法について説明する。検査用パターン400、500のチェックは、キャリッジ41に設けられた反射型光学センサ300により行う。反射型光学センサ300は、検査用パターン400、500の上方に配置され、キャリッジ41の移動により媒体Sに対して相対的に移動して、検査用パターン400、500に形成された各ブロック状のパターン412、508を1行ずつチェックする。このとき、反射型光学センサ300の発光部300Aから媒体Sに向けて光が発せられ、この発せられた光が媒体S上で反射されて受光部300Bにおいて受光される。反射型光学センサ300は、この受光部300Bの受光量をシステムコントローラ126に出力する。
【0097】
システムコントローラ126は、反射型光学センサ300からの受光結果に基づき、吐出不良が無いかどうかノズル別にチェックする。具体的には、システムコントローラ126は、反射型光学センサ300の受光部300Bの受光量を予めメインメモリ127等に記憶している所定の閾値と比較して吐出不良の有無を判定する。1行分のチェックが終了すると、搬送部により媒体を搬送して次行のチェックを実行する。このようにして次々に検査用パターン400、500に基づき吐出不良の有無をチェックする。なお、このシステムコントローラ126は、本発明におけるチェック手段に相当する。
【0098】
===ノズルクリーニング===
吐出検査の結果、ノズルに吐出不良があると判断された場合に実施されるノズルクリーニングとしては、次のようなものがある。
【0099】
<ノズル吸引>
図2で説明したクリーニング装置により行う方法である。具体的には、前述したポンプ装置31によりノズルからインクを強制的に吸い出して目詰まり等の吐出不良を解消する。
【0100】
<フラッシング>
フラッシングは、ノズルからインクを強制的に吐出する方法である。具体的には、ノズルのピエゾ素子を駆動してノズルからインクを強制的に排出する。これにより、目詰まり等の吐出不良を解消する。
なお、これら「ノズル吸引」および「フラッシング」については、ポンプ装置31の吸引力またはインクの吐出量を例えば段階的など、適宜変更できると好ましい。これにより、ノズルの吐出不良の解消具合に応じて、ポンプ装置31の吸引力またはインクの吐出量を変更して、ノズルの吐出不良をスムーズに解消することができる。具体的には、例えば、1回のノズルクリーニングでもノズルの目詰まり等が解消されない場合、さらに強力なノズルクリーニングを実施して吐出不良を解消するといった動作を行う行うことができる。
【0101】
===印刷システム等の構成===
次に、本発明に係る印刷システムの一例として、印刷装置としてインクジェットプリンタを備えた印刷システムを例にして説明する。
【0102】
図22は、印刷システムの外観構成を示した説明図である。印刷システム1000は、コンピュータ本体1102と、表示装置1104と、プリンタ1106と、入力装置1108と、読取装置1110とを備えている。コンピュータ本体1102は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置1104は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ1106は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置1108は、本実施形態ではキーボード1108Aとマウス1108Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置1110は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置1110AとCD−ROMドライブ装置1110Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magnet Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
【0103】
図23は、図22に示した印刷システムの構成を示すブロック図である。コンピュータ本体1102が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ1202と、ハードディスクドライブユニット1204等の外部メモリがさらに設けられている。
【0104】
上述したプリンタの動作を制御するコンピュータプログラムは、例えばインターネット等の通信回線を経由して、プリンタ1106に接続されたコンピュータ1000等にダウンロードさせることができるほか、コンピュータによる読み取り可能な記録媒体に記録して配布等することもできる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスクFD、CD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスクMO、ハードディスク、メモリ等の各種記録媒体を用いることができる。なお、このような記憶媒体に記憶された情報は、各種の読取装置1110によって、読み取り可能である。
【0105】
なお、以上の説明においては、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110と接続されてコンピュータシステムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、コンピュータシステムが、コンピュータ本体1102とプリンタ1106から構成されても良く、コンピュータシステムが表示装置1104、入力装置1108及び読取装置1110のいずれかを備えていなくても良い。また、例えば、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ1106が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
【0106】
また、上述した実施形態において、プリンタを制御するコンピュータプログラムが、制御ユニット60の記憶媒体であるメモリ65に取り込まれていても良い。そして、制御ユニット60が、メモリ65に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、上述した実施形態におけるプリンタの動作を達成しても良い。
【0107】
このようにして実現された印刷システムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
【0108】
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき、本発明に係るプリンタ等の印刷装置について説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に係る印刷装置に含まれるものである。
【0109】
また、本実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部又は全部をソフトウェアによって置き換えてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアによって置き換えてもよい。
また、被印刷体は、印刷紙の他に、布やフィルムなどであってもよい。
また、印刷装置側にて行っていた処理の一部をホスト側にて行ってよく、また印刷装置とホストの間に専用の処理装置を介設して、この処理装置にて処理の一部を行わせるようにしてもよい。
【0110】
<印刷装置について>
本発明の印刷装置としては、前述したインクジェットプリンタに限らず、バブルジェット(登録商標)方式のプリンタなどの他のインク吐出形式により印刷を行う印刷装置であっても良い。
【0111】
<色インクノズルについて>
前述した実施形態では、色インクノズルとして、前述したような多数のノズルが直線状に配置されたノズル列を挙げていたが、本発明にあっては、このようなノズル列に限らず、色インクを吐出するノズルであれば、どのような形態で配置されていても構わない。
【0112】
<クリアインクノズルについて>
前述した実施形態では、クリアインクノズルとして、前述したような多数のノズルが直線状に配置されたノズル列を挙げていたが、本発明にあっては、このようなノズル列に限らず、クリアインクを吐出するノズルであれば、どのような形態で配置されていても構わない。
【0113】
<媒体Sについて>
媒体Sについては、前述した用紙として、普通紙やマット紙、カット紙、光沢紙、ロール紙、用紙、写真用紙、ロールタイプ写真用紙等をはじめ、これらの他に、OHPフィルムや光沢フィルム等のフィルム材や布材、金属板材などであっても構わない。すなわち、液体の吐出対象となり得るものであれば、どのような媒体であっても構わない。
【0114】
<センサについて>
前述した実施の形態では、検査用パターンを検出するセンサとして、反射型光学センサ300を備えていたが、本発明にあってはこれに限らず、反射型以外の他のタイプの光学センサをはじめ、検査用パターンの検出が可能であれば、他の方式の各種センサを備えていても良い。
また、前述した実施形態では、センサ300(反射型光学センサ)がキャリッジ41に設けられていたが、本発明にあってはこれに限らず、キャリッジ41以外の他の場所に設置されていても良い。
【0115】
<検査方法>
前述した実施形態では、クリアインクおよび色インク双方の検査用パターンを印刷装置に搭載したセンサ300(反射型光学センサ)により検出して印刷装置により自動的に検査を行っていたが、本発明にあってはこれに限らず、検査用パターンのチェックは他の検査装置等により行っても良く、また人などによって行っても良い。
【0116】
【発明の効果】
本発明によれば、色インクノズルに吐出不良があっても、クリアインクノズルの検査用パターンを的確に形成することができ、これによってクリアインクノズルの吐出検査を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタの斜視図。
【図2】インクジェットプリンタの内部構成図。
【図3】インクジェットプリンタの搬送部を示す断面図。
【図4】インクジェットプリンタのシステム構成を示すブロック構成図。
【図5】反射型光学センサの構成を示した説明図。
【図6】リニア式エンコーダの説明図。
【図7】リニア式エンコーダの出力波形を示したタイミングチャート。
【図8】印刷ヘッドを下面から見た図。
【図9】ノズル駆動回路の一実施形態を示す回路図。
【図10】駆動信号発生部の動作を示す原信号ODRV、印刷信号PRT(i)、駆動信号DRV(i)のタイミングチャート。
【図11】吐出検査手順の一例を示したフローチャート。
【図12】色インクの検査用パターンの一例を示す図。
【図13】ある色の検査用パターンの詳細図。
【図14】ノズル別パターンの詳細図。
【図15】クリアインクの検査用パターンの一例を示す図。
【図16】クリアインクの検査用パターンの拡大詳細図。
【図17】ブロック状のパターンの詳細図。
【図18】クリアインクの検査用パターンの形成手順の説明図。
【図19】色インクパターンの形成方法の一例の説明図。
【図20】色インクパターンの形成方法の他例の説明図。
【図21】色インクパターンの形成方法の他例の説明図。
【図22】印刷システムの外観構成図。
【図23】印刷システムの構成を示すブロック構成図。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ、2 操作パネル、3 排紙部、4 給紙部、
5 操作ボタン、6 表示ランプ、7 排紙トレー、8 給紙トレー、
10 紙搬送ユニット、 11A 紙挿入口、 11B ロール紙挿入口、
13 給紙ローラ、 14 プラテン、
15 紙搬送モータ(PFモータ)、
17A 搬送ローラ、 17B 排紙ローラ、
18A・18B フリーローラ、 20 インク吐出ユニット、
21 ヘッド、 211 ノズル列、 212 ノズル列、
22 ヘッドドライバ、 30 クリーニングユニット、
31 ポンプ装置、 32 ポンプモータ、33 ポンプモータドライバ、
35 キャッピング装置、41 キャリッジ、
42 キャリッジモータ(CRモータ)、
44 プーリ、 45 タイミングベルト、 46 ガイドレール、
48 インクカートリッジ、 51 リニア式エンコーダ、
122 バッファメモリ、 124 イメージバッファ、
126 システムコントローラ、 127 メインメモリ、
128 キャリッジモータ制御部、 129 EEPROM、
130 搬送制御部、 132 ヘッド駆動部、
134 ロータリ式エンコーダ、
140 ホストコンピュータ、
211 ノズル列、 212 ノズル列、
300 反射型光学センサ、 300A 発光部、 300B 受光部、
302 反射型光学センサ制御部、
400 色インクの検査用パターン、 402 検査用パターン、
404 上部検査マージン、 406 下部検査マージン、
408 右部検査マージン、 410 左部検査マージン、
412 ブロック状パターン、 414 ノズル別検査用パターン群、
500 クリアインクの検査用パターン、
502 クリアインクパターン、504 色インクパターン、
506 色インクパターン、 508 ブロック状パターン、
511 発光ダイオード、512 コリメータレンズ、 513 検出処理部、
514 フォトダイオード、 515 信号処理回路、
516A コンパレータ 、516B コンパレータ
517 リニア式エンコーダ符号板、
1000 コンピュータシステム、 1102 コンピュータ本体、
1104 表示装置、 1106 プリンタ、 1108 入力装置、
1108A キーボード、 1108B マウス、 1110 読取装置、
1110A フレキシブルディスクドライブ装置、
1110B CD−ROMドライブ装置、 1202 内部メモリ、
1204 ハードディスクドライブユニット

Claims (15)

  1. 色インクを吐出する複数の色インクノズルと、クリアインクを吐出する複数のクリアインクノズルとを備え、前記各クリアインクノズルから吐出した前記クリアインクと、前記クリアインクが付着すべき領域に向けて前記色インクノズルから吐出した前記色インクとにより、媒体上に、前記クリアインクノズルの吐出検査に用いる検査用パターンを前記クリアインクノズル別に形成する印刷装置において、
    前記クリアインクが付着すべき領域に向けて色インクを吐出すべき前記色インクノズルが、前記検査用パターンごとにそれぞれ2以上割り当てられていることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記色インクノズルとして、異なる色の色インクを吐出する複数種類の色インクノズルを備え、これら複数種類の色インクノズルのうちのいずれか1種類の色インクノズルが、前記検査用パターンの形成に用いられることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記色インクパターンの形成に用いられる色インクの色は、前記複数色の色インクのうちの最も色が薄い色インク以外の色インクであることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記クリアインクが付着した領域に前記色インクが付着したときに、前記色インクが前記クリアインクに滲むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷装置。
  5. 前記クリアインクが付着した領域に前記色インクが付着したときの色の濃度が、前記クリアインクが付着されていない領域に前記色インクが付着したときの色の濃度と異なることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷装置。
  6. 前記クリアインクが付着した領域に前記色インクが付着したときの色の濃度が、前記クリアインクが付着されていない領域に前記色インクが付着したときの色の濃度よりも濃いことを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
  7. 前記クリアインクが付着されるべきではない領域に対しても、前記色インクノズルから前記色インクが吐出されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷装置。
  8. 前記媒体上に前記色インク吐出部の吐出検査に用いる検査用パターンを形成し得ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷装置。
  9. 前記色インク吐出部の吐出検査に用いる検査用パターンが、前記クリアインク吐出部の吐出検査に用いる検査用パターンと同一の媒体上に形成されることを特徴とする請求項8の記載の印刷装置。
  10. 前記媒体に形成された前記検査用パターンを検知するセンサと、前記センサからの検知情報に基づき前記クリアインク吐出部における吐出不良の有無をチェックするチェック手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の印刷装置。
  11. 色インクを吐出する複数の色インクノズルと、クリアインクを吐出する複数のクリアインクノズルとを備え、前記各クリアインクノズルから吐出した前記クリアインクと、前記クリアインクが付着すべき領域に向けて前記色インクノズルから吐出した前記色インクとにより、媒体上に、前記クリアインクノズルの吐出検査に用いる検査用パターンを前記クリアインクノズル別に形成する印刷装置において、
    前記クリアインクが付着すべき領域に向けて色インクを吐出すべき前記色インクノズルが、前記検査用パターンごとにそれぞれ2以上割り当てられているとともに、
    前記色インクノズルとして、異なる色の色インクを吐出する複数種類の色インクノズルを備え、これら複数種類の色インクノズルのうちのいずれか1種類の色インクノズルが、前記検査用パターンの形成に用いられ、
    前記色インクパターンの形成に用いられる色インクの色は、前記複数色の色インクのうちの最も色が薄い色インク以外の色インクであり、
    前記クリアインクが付着した領域に前記色インクが付着したときの色の濃度が、前記クリアインクが付着されていない領域に前記色インクが付着されたときの色の濃度よりも濃く、
    前記クリアインクが付着されるべきではない領域に対しても、前記色インクノズルから前記色インクが吐出され、
    前記媒体上に前記色インク吐出部の吐出検査に用いる検査用パターンを形成し、
    前記色インク吐出部の吐出検査に用いる検査用パターンが、前記クリアインク吐出部の吐出検査に用いる検査用パターンと同一の媒体上に形成され、
    前記媒体に形成された前記検査用パターンを検知するセンサと、前記センサからの検知情報に基づき前記クリアインク吐出部における吐出不良の有無をチェックするチェック手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。
  12. クリアインクノズルから吐出した前記クリアインクと、前記クリアインクが付着すべき領域に向けて前記色インクノズルから吐出した前記色インクとにより、媒体上に、前記クリアインクノズルの吐出検査に用いる検査用パターンを前記クリアインクノズル別に形成する吐出検査方法において、
    前記クリアインクが付着すべき領域に向けて色インクを吐出すべき前記色インクノズルを、前記検査用パターンごとにそれぞれ2以上割り当てることを特徴とする吐出検査方法。
  13. クリアインクノズルから吐出した前記クリアインクと、前記クリアインクが付着すべき領域に向けて前記色インクノズルから吐出した前記色インクとにより、媒体上に、前記クリアインクノズルの吐出検査に用いる検査用パターンを前記クリアインクノズル別に形成する吐出検査用パターンの形成方法において、
    前記クリアインクが付着すべき領域に向けて色インクを吐出すべき前記色インクノズルを、前記検査用パターンごとにそれぞれ2以上割り当てることを特徴とする吐出検査用パターンの形成方法。
  14. 色インクを吐出する複数の色インクノズルと、クリアインクを吐出する複数のクリアインクノズルとを備え、前記各クリアインクノズルから吐出した前記クリアインクと、前記クリアインクが付着すべき領域に向けて前記色インクノズルから吐出した前記色インクとにより、媒体上に、前記クリアインクノズルの吐出検査に用いる検査用パターンを前記クリアインクノズル別に形成する印刷装置において実行されるプログラムであって、
    前記クリアインクが付着すべき領域に向けて色インクを吐出すべき前記色インクノズルが、前記検査用パターンごとにそれぞれ2以上設定する処理を実行することを特徴とするプログラム。
  15. コンピュータ本体と、このコンピュータ本体に接続可能な印刷装置とを具備した印刷システムにおいて、
    前記印刷装置は、色インクを吐出する複数の色インクノズルと、クリアインクを吐出する複数のクリアインクノズルとを備え、前記各クリアインクノズルから吐出した前記クリアインクと、前記クリアインクが付着すべき領域に向けて前記色インクノズルから吐出した前記色インクとにより、媒体上に、前記クリアインクノズルの吐出検査に用いる検査用パターンを前記クリアインクノズル別に形成する印刷装置であって、
    前記クリアインクが付着すべき領域に向けて色インクを吐出すべき前記色インクノズルが、前記検査用パターンごとにそれぞれ2以上割り当てられていることを特徴とする印刷システム。
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