JP2009090642A - インクジェット記録装置、インクジェット記録方法およびデータ生成装置 - Google Patents

インクジェット記録装置、インクジェット記録方法およびデータ生成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】処理液を適確な時期に吐出することにより、耐擦過性などの画像性能を向上させることと、記録ヘッドを長寿命化させることが可能なインクジェット記録装置、インクジェット記録方法、およびデータ生成装置を提供すること。
【解決手段】インクによる画像の形成が終了した後の記録媒体上の所定領域に対して、記録ヘッド22C,22M,22Hの5回の走査における2回以上の走査時に、記録ヘッド22Hから処理液を吐出させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、記録媒体上にインクによる画像の形成と、処理液による形成画像の被覆と、を行うためのインクジェット記録装置、インクジェット記録方法およびデータ生成装置に関するものである。
近年、インクジェット記録装置は、記録する画像の高精細化に伴い、写真やポスター、グラフィックプリントなど大衆展示用途や商用印刷用途などで幅広く用いられている。このような大衆展示用途や商用印刷用途のために形成された画像では、高精細の他、光沢均一性やブロンズ性などの画像品位を高める要求や、画像の強度や長期保存性などを示す画像堅牢性を高める要求がある。ここでブロンズ性とは、照明光が画像表面で正反射(鏡面反射)する際、ブロンズ現象によって照明光の色と異なった色を反射する度合いのことであり、特に、シアンインクで顕著に現れることが知られている。
インクジェット記録装置に用いられる着色インクとしては、染料系と顔料系に大別される。染料インクは、着色染料が水やアルコール系媒体に分子状態で溶解しているため、顔料インクよりも透明性が高く発色に優れるという特性を有するが、紫外線や空気中の活性ガスによる退色が早いという欠点がある。一方、顔料インクは長期保存による耐退色性に優れている。近年、顔料インクは製造技術の進歩により、顔料インク本来の長期保存性能と、染料インクに匹敵する高発色性と、の両立が可能になった。そのため、記録した画像を長期に亘って保存する要求の高い、写真やポスターなどの商用印刷用途を中心に、顔料インクを用いたインクジェット記録装置が普及している。
しかし、顔料を用いた、特にこのような用途では、画像の光沢度が不均一になりやすい問題や、顔料シアンインクに代表されるブロンズ現象など、従来から懸念されてきた画像品位の問題が重要になりつつある。また、ポスターなどの展示用途が増すにつれ、オフセット印刷物と比較した場合の画像の強度や長期保存性などを示す画像堅牢性の弱さは、新たな問題として掲げられている。
以下に、画像堅牢性の問題のうち、耐擦過性の問題を一例として説明する。主たる問題は、顔料インクを使用して光沢紙に記録したときに、その記録後の取り扱い時や展示中など、一般的な取り扱い作業工程にも関わらず、画像が傷つきやすいことである。
図22(a)は、インク受容層が形成された記録媒体に、顔料インクを使用して形成した画像の断面を模式的に示した図である。顔料インクを使用して光沢紙に形成した画像が傷つきやすい理由を、図22(a)を用いて以下に説明する。
インクジェット記録装置に用いられる記録媒体は、紙やフィルムなどの基材(不図示)の表面に、インクの吸収を目的として、インク受容層24が形成された構成になっている。インク受容層24は、インクの滲み等を低減させるために、インク溶媒に対し吸収性の高いシリカやアルミナなど無機系の微粒子が多量に含まれている。写真の記録に用いられる光沢紙のような記録媒体においては、高い表面平滑性が必要となるために、サブミクロンオーダーの無機粒子が一般に用いられる。従って、インク受容層24に形成される無機微粒子間の隙間は、その粒子径と比例するため、サブミクロンオーダーの細孔で形成されている。
一方、顔料インクは、インク中において着色顔料が約100ナノメート程度の粒子として分散している。従って、着色顔料粒子よりインク受容層24の細孔径の方が小さい場合、着色顔料粒子がインク受容層24の内部に進入することができず、篩いに掛けられたように表面に留まってしまう。一般に、光沢紙のような記録媒体では、着色顔料粒子の径よりもインク受容層24の細孔径の方が小さいため、顔料インク層25はインク受容層24の表面に形成される。
このように、顔料インク層25がインク受容層24の表面に形成されるので、顔料インク層25に外力が加わった場合には、画像表面が傷つきやすい。また、場合によっては、外力によって顔料インク層25(画像)が剥れてしまうこともある。このような理由により、顔料インクを使用して形成した画像は、耐擦過性の問題が顕著に発生すると考えられている。
特許文献1には、顔料インクを使用して形成した画像を保護する一般的な方法として、画像の記録面をカバーフィルムによって覆うラミネートフィルム方式が開示されている。また特許文献2には、画像の記録面を透明樹脂液によって固める液ラミネート方式が開示されている。また、特許文献3には、記録媒体のインク受容層に熱可塑性樹脂粒子を混合し、顔料インクによって画像を記録した後に記録媒体を加熱して、顔料インク層とインク受容層とを接着させる後処理方式が開示されている。
ラミネートフィルム方式は、画像の表面を膜強度の高い樹脂フィルムによってカバーするために、耐擦過性の問題は解決できるものの、画像の表面をフィルムによって覆うために、紙などの記録媒体本来の風合いが損なわれてしまう。また、ラミネート処理は、記録装置とは別の装置を用いて行うため、コストアップを招いてしまう。
液ラミネート方式は、画像の記録直後に、同じ記録装置内にて液ラミネート処理を行うことができる。しかし、耐擦過性の十分な効果を得るためには、数ミクロンの膜厚を形成することが必要となり、ラミネートフィルム方式同様、紙などの記録媒体本来の風合いが損なわれてしまう。特許文献2に開示されているように、1ミクロン以下の薄膜を形成した場合には、実用上、さらに高い耐擦過性能が要求される。
後処理方式は、耐擦過性の向上が期待できる記録媒体の種類が限定され、また加熱処理工程を必要とするために装置の大型化を招いてしまう。
このような耐擦過性の問題に対しては、光沢紙上の顔料インク層25の表層に透明層を形成して、画像表面の動摩擦係数を下げることが極めて効果的である。そこで、近年のインクジェット記録装置では、耐擦過性の機能を持つ樹脂を含有した処理液によって透明層が形成された光沢紙を用いて、記録する構成が提案されている。
図22(b)は、処理液を用いて透明層が形成された画像の断面を模式的に示した図である。顔料インク層25を覆うように、最表面に処理液による透明層26を形成する。この透明層26による顔料インク層25の保護によって、爪の接触等の外力による画像表面の剥れや傷が発生しにくい画像を得ることができ、耐擦過性を改善することができる。
特許文献4には、以上のような処理液を付与させる一般的な付与方法として、アニオン性染料インクによる画像の耐水性を向上させるために、アニオン性染料インクの付与後に、カチオン性物質を含んだ処理液を付与させる方法が開示されている。この方法においては、マルチパス方式の記録装置を用い、複数回の走査に分けてインクを記録媒体に付与することにより画像を記録する。そして、それら複数回の記録走査の内の最後の記録走査(最終記録走査)において、処理液の吐出データに基づいて、インクが吐出された位置に処理液を吐出させる。
特開2000−153677号公報 特開2005−81754号公報 特開2003−170650号公報 特開平8−216432号公報
インクにより記録された記録媒体上の画像の最表面を透明層によって覆うことは、耐擦過性などの画像性能を向上させる上において極めて効果的である。しかし、複数色の顔料インクによって記録される画像に対して、その画像全面に処理液を付与するためには、顔料インクの各色と比較して、処理液は比較的多量に用いることになる。その結果、処理液用インクタンクの大型化、さらに、処理液消費量が多いことによるランニングコストがアップするなどの問題が生じていた。
また、特許文献4に開示されているように、最終記録走査においてのみ処理液を付与した場合には、処理液が1回の走査によって付与されることになる。そのため、記録媒体が一度に吸収できる総インク量の限界を超えて、その処理液が付与される場合がある。その場合には、インク過多によるインク溢れ現象、あるいは、ブリーディング、ビーディング、乾燥不良、更には、透明層の表面が鏡面に仕上がることによる干渉縞現象などの画像性能に問題が生じることがある。また、マルチパス方式の記録装置において、最終記録走査時にのみ、記録ヘッドの吐出口から処理液を吐出させる場合、処理液を吐出する吐出口が特定範囲の吐出口に集中してしまうため、記録ヘッドの耐久性が損なわれるおそれがある。また、インク吐出用の記録ヘッドを処理液吐出用の記録ヘッドとして用いた場合には、その処理液吐出用の記録ヘッドに存在する複数の吐出口の一部のみしか処理液の吐出に用いられず、他の吐出口は機能することなく無駄となることがある。
本発明の目的は、処理液を適確な時期に吐出することにより、耐擦過性などの画像性能を向上させることと記録ヘッドを長寿命化させることが可能なインクジェット記録装置、インクジェット記録方法、およびデータ生成装置を提供することにある。
本発明のインクジェット記録装置は、インクと当該インクに接触させるための処理液とを吐出可能な記録ヘッドを、記録媒体上の所定領域に対して複数回記録走査させることによって、前記記録媒体上に、前記インクによる画像の形成と、前記処理液による前記形成画像の被覆と、を行うインクジェット記録装置において、前記インクによる画像の形成が終了した後の前記所定領域に対して、前記記録ヘッドから前記処理液を吐出させるための処理液用吐出データを生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された前記処理液用吐出データに基づいて、前記記録ヘッドから前記処理液を吐出させる制御手段と、を備え、前記生成手段は、前記記録ヘッドの前記複数回の走査時に前記処理液を吐出させるように、前記処理液用吐出データを生成することを特徴とする。
本発明のインクジェット記録方法は、インクと当該インクに接触させるための処理液とを吐出可能な記録ヘッドを、記録媒体上の所定領域に対して複数回記録走査させることによって、前記記録媒体上に、前記インクによる画像の形成と、前記処理液による前記形成画像の被覆と、を行うインクジェット記録方法において、前記インクによる画像の形成が終了した後の前記所定領域に対して、前記記録ヘッドから前記処理液を吐出させるための処理液用吐出データを生成する生成工程と、前記生成工程によって生成された前記処理液用吐出データに基づいて、前記記録ヘッドから前記処理液を吐出させる制御工程と、を含み、前記生成工程は、前記記録ヘッドの前記複数回の走査時に前記処理液を吐出させるように、前記処理液用吐出データを生成することを特徴とする。
本発明のデータ生成装置は、記録媒体、および当該記録媒体上にインクにより形成された画像を被覆するための処理液を、記録ヘッドから吐出するための吐出データを生成するデータ生成装置であって、前記インクによる画像の形成が終了した後の前記記録媒体上の所定領域に対して、前記処理液を前記記録ヘッドから吐出させるための処理液用吐出データを生成する生成手段を備え、前記生成手段は、前記記録ヘッドの複数回の走査において前記処理液を吐出させるように、前記処理液用吐出データを生成することを特徴とする。
本発明によれば、インクによる画像の形成が終了した後の所定領域に対して、記録ヘッドの複数回の走査で処理液を吐出させることにより、処理液の吐出時期を2回以上の走査時に分けることができる。これにより、処理液によって画像の耐擦過性などの画像性能を向上させつつ、記録媒体に吐出された処理液の乾燥を促進させ、インク溢れなど発生を抑えて、高品位の画像を記録することができる。さらに、処理液の吐出時期を2回以上の走査時に分けるため、処理液の吐出に使用する記録ヘッドの範囲を広げて、記録ヘッドの耐久性を向上させることもできる。
本明細書において、「処理液」とは、インクと接触させることによって、画像堅牢性や画像品位といった画像性能を向上させる液体(画像性能向上液)である。ここで、「画像堅牢性を向上させる」とは、耐擦過性、耐候性、耐水性、耐アルカリ性の少なくとも1つを向上させて、インクにより形成された画像の堅牢性を向上させる意である。一方、「画像品位を向上させる」とは、光沢性、ヘイズ性、ブロンズ性の少なくとも1つを向上させて、インクにより形成された画像の品位を向上させる意である。本実施形態では、画像堅牢性のうち、耐擦過性を向上させる処理液を例に説明する。
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1から図14は、本発明の第1の実施形態の説明図である。以下、その第1の実施形態を(全体的構成)、(インクと処理液の組成)、(記録動作)、(画像処理システムの構成例)、(処理液の吐出データの生成方法)の項目に分けて説明する。
(全体的構成)
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置の要部を示した斜視図である。記録ヘッド22は、カラー顔料インク用の記録ヘッドと、処理液用の記録ヘッドと、を有する。これらの記録ヘッドに備えられた吐出口から、記録媒体1に対してカラー顔料インクや処理液が吐出されることにより、記録が行われる。記録ヘッド22は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のカラー顔料インク、および処理液(H)をそれぞれ吐出する5つの記録ヘッド22K、22C、22M、22Yを有する。また、インクタンク21は、記録ヘッド22K、22C、22M、22Y、22Hの夫々に供給する、対応する色のインクおよび処理液を貯蔵する5つのインクタンク21K、21C、21M、21Y、21Hを有する。そして、これらの記録ヘッド22およびインクタンク21は、主走査方向(矢印X方向)に移動可能になっている。
キャップ20は、7つの記録ヘッド夫々のインク吐出面をキャップするために、5つのキャップ20K、20C、20M、20Yおよび20Hを有する。記録ヘッド22およびインクタンク21は、記録を行なわないときには、キャップ20の有るホームポジションに戻って待機する。そして、記録ヘッド22のホームポジションでの待機が一定時間に達した場合には、記録ヘッド22のインク吐出面(吐出口の形成面)が乾燥するのを防止するために、記録ヘッド22がキャップされる。
なお、これらの記録ヘッドやインクタンクを個別的に言及する場合には、夫々に付された参照番号を用いるが、包括的に言及する場合には総称的な参照番号として、記録ヘッドには「22」、インクタンクには「21」、キャップには「20」を用いる。
本例において、記録ヘッドとインクタンクは、一体的または分離可能にヘッドカートリッジを構成し、そのヘッドカートリッジが不図示のキャリッジに着脱可能に搭載される。記録ヘッドとインクタンクは、ヘッドカートリッジを構成せずに、別々にキャリッジに搭載されるものであってもよい。
キャリッジは、矢印Xの主走査方向に沿って移動自在にガイドされており、ベルト4を介して、キャリッジモータ2により主走査方向に往復移動される。記録媒体1は、搬送ローラによって、主走査方向と交差(本例の場合は、直交)する副走査方向(矢印Y方向)に搬送される。
図2は、記録ヘッド22を吐出口側から見た図である。本例の記録ヘッド20K、20C、20M、20Y、および20Hには、ノズルを形成する吐出口23が主走査方向と交差(本例の場合は、直交)する方向(矢印Y方向)に沿って1200dpiの密度で1280個設けられている。各吐出口23から1度に吐出されるインクの吐出量は約4ngである。本実施形態では、顔料インクを吐出するための記録ヘッドと、処理液を吐出するための記録ヘッドは、同一形態のものを用いる。
(インクと処理液の組成)
次に、本実施形態で用いる顔料インクと処理液の組成について説明する。
(イエローインク)
(1)分散液の作製
まず、スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体(共重合比(重量比)=30/40/30)、酸価202、重量平均分子量6500、固形分10%のポリマー水溶液を、水酸化カリウムで中和した。上記ポリマー水溶液30部と、顔料[C.I.ピグメントイエロー74(製品名:Hansa Brilliant Yellow 5GX(クラリアント社製))]10部と、イオン交換水60部と、を混合し、機械的に撹拌した。次に、上記材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを150部充填し、水冷しつつ、12時間分散処理を行った。更に、この分散液を遠心分離機にかけて粗大粒子を除去した。そして、最終調製物として、固形分が約12.5%、重量平均粒径が120nmのイエロー顔料分散体を得た。
(2)インクの作製
インクの作製は、上記イエロー顔料分散体を使用し、これに以下の成分を混合し、十分に攪拌した後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)を用いて加圧濾過し、インクを調製した。
・上記イエロー顔料分散体 40部
・グリセリン 9部
・エチレングリコール 6部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物(商品名:アセチレノールEH)1部
・1,2−ヘキサンジオール 3部
・ポリエチレングリコール(分子量1000) 4部
・イオン交換水 37部
(マゼンタインク)
(1)分散液の作製
まず、ベンジルアクリレートとメタクリル酸を原料として、常法により、酸価300、数平均分子量2500のAB型ブロックポリマーを作り、更に、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50質量%ポリマー水溶液を作成した。上記ポリマー溶液の100gと、C.I.ピグメントレッド122の100gと、イオン交換水の300gと、を混合し、機械的に0.5時間撹拌した。次に、マイクロフリュイダイザーを使用し、上記混合物を、液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。更に、この分散液を遠心分離処理にかけて、粗大粒子を除去した。そして、最終調製物として、顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が5質量%のマゼンタ分散液を得た。
(2)インクの作製
インクの作製は、上記マゼンタ分散液を使用し、これに以下の成分を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)を用いて加圧濾過し、顔料濃度4質量%、分散剤濃度2質量%のインクを調製した。
・上記マゼンタ分散液 40部
・グリセリン 10部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレングリコールEO付加物 0.5部
・イオン交換水 39.5部
(シアンインク)
(1)分散液の作製
まず、ベンジルアクリレートとメタクリル酸を原料として、常法により、酸価250、数平均分子量3000のAB型ブロックポリマーを作り、更に、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50質量%ポリマー水溶液を作成した。上記のポリマー溶液の180gと、C.I.ピグメントブルー15:3の100gと、イオン交換水の220gと、を混合し、機械的に0.5時間撹拌した。次に、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。更に、この分散液を遠心分離処理にかけて粗大粒子を除去した。そして、最終調製物として、顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が10質量%のシアン分散液を得た。
(2)インクの作製
インクの作製は、上記シアン分散液を使用し、これに以下の成分を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)を用いて加圧濾過し、顔料濃度2質量%、分散剤濃度2質量%のインクを調製した。
・上記シアン分散液 20部
・グリセリン 10部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレングリコールEO付加物 0.5部
・イオン交換水 53.5部
(ブラックインク)
(1)分散液の作製
イエローインクに使用したポリマー水溶液を100g、カーボンブラックを100g、およびイオン交換水を300gを混合し、機械的に0.5時間撹拌する。次に、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。更に、この分散液を遠心分離処理にかけて粗大粒子を除去した。そして、最終調製物として、顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が6質量%のブラック分散液を得た。
(2)インクの作製
インクの作製は、上記ブラック分散液を使用し、これに以下の成分を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)を用いて加圧濾過し、顔料濃度5質量%、分散剤濃度3質量%のインクを調製した。
・上記ブラック分散液 50部
・グリセリン 10部
・トリエチレングリコール 10部
・アセチレングリコールEO付加物 0.5部
・イオン交換水 25.5部
(処理液)
(1)処理液の作製
以下の成分を混合し、十分に攪拌して、処理液を調製した。
・市販のアクリルシリコーン共重合体(商品名:サイマックUS−450;東亞合成製)5部
・グリセリン 5部
・エチレングリコール 15部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物(商品名:アセチレノールEH) 0.5部
・イオン交換水 74.5部
本実施形態の処理液には、画像の最表面に透明層を形成して、耐擦過性を向上させるための透明樹脂材料を含有させることが重要である。このような透明樹脂材料としては、ポリジメチルシロキサン成分を共重合した透明樹脂材料があり、これを用いると、滑り性が生じて動摩擦係数を効率的に下げることが可能となる。本実施形態では、市販のポリジメチルシロキサン成分を共重合した透明樹脂材料(上述したアクリルシリコーン共重合体:サイマックUS−450)を用いる。この処理液は、コートインク、表面コートインク、クリアインク、反応液と称することもある。
図21は、一般的なポリジメチルシロキサン成分の化学構造の模式図である。ポリジメチルシロキサン成分は、(Si−O−Si)のシロキサン結合鎖の周囲にメチル基(−CH3)が配置されているため、極性が低い分子構造となっている。従って、ポリジメチルシロキサン系化合物は、本実施形態で用いる処理液により形成された透明層の表面や界面に移動して、その表面や界面及びその近傍に局在化する性質を有する。この結果、透明層の表面エネルギーが低下し、透明層と人の爪との親和性も低くなり、人の爪に対する動摩擦係数を顕著に低下することができると考えられる。
滑り性が生じる透明樹脂材料としては、他に、アクリル系樹脂にシリコーンオイルを添加したものなどが挙げられるが、顔料インク層の最表面に透明層を形成し動摩擦係数を下げることが可能な樹脂材料であれば、いかなる材料も使用することができる。
(記録動作)
次に、本実施形態における記録動作について説明する。本例においては、5回の走査によって、1画素毎(所定領域毎)にインクによる画像層と処理液による透明層を形成するマルチパス記録方式を採用する。その記録方式は、4回の走査時に、各色インクシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)を吐出することによって所定領域に画像を記録し、また、その4回の走査時と、その後の5回目の走査時に、処理液を吐出して透明層を形成する。以下においては、記録動作の説明を簡単にするために、画像の記録に用いるインクは、シアン(C)とマゼンタ(M)インクのみとする。
図5は、本例における記録方法の説明図である。シアン(C),マゼンタ(M)インク吐出用の記録ヘッド22C,22M、および処理液吐出用の記録ヘッド22Hは、1280個の吐出口が256個ずつの5つのブロックB1,B2,B3,B4,B5に5等分される。記録ヘッド22C,22Mは、ブロックB1〜B4の範囲α(図2参照)における1024個の吐出口が用いられ、以下においては、それらのブロックB1〜B4の吐出口をA,B,C.D領域の吐出口ともいう。記録ヘッド22Hは、全ブロックB1〜B5の範囲γ(図2参照)における1280個の吐出口が用いられ、以下においては、それらのブロックB1〜B5の吐出口をa,b,c,d,e領域の吐出口ともいう。図5において50−1,50−2,50−3,…は、記録ヘッドの1つのブロックに相当する記録媒体1上の記録領域である。
まずは、第1走査において、記録領域50−1の第1走査時の吐出データに基づいて、記録ヘッド22C,22MのA領域の吐出口からインクを吐出する。また、第1走査時の処理液の吐出データに基づいて、記録ヘッド22Hのa領域の吐出口から処理液を吐出する。
次に、記録媒体1を、記録ヘッドの1/5の長さ分だけ副走査方向(矢印Y方向)に搬送する。図5においては、記録ヘッドが副走査方向と逆の方向(矢印X方向)に相対移動するものとして現されている。その後の第2走査においては、記録領域50−1の第2走査時の吐出データに基づいて、記録ヘッド22C,22MのB領域の吐出口からインクを吐出する。また、第2走査時の処理液の吐出データに基づいて、記録ヘッド22Hのb領域の吐出口から処理液を吐出する。この第2走査時には、記録領域50−2に対する第1走査が行なわれる。
次に、記録媒体1を、記録ヘッドの1/5の長さ分だけ副走査方向に搬送する。その後の第3走査においては、記録領域50−1の第3走査時の吐出データに基づいて、記録ヘッド22C,22MのC領域の吐出口からインクを吐出する。また、第3走査時の処理液の吐出データに基づいて、記録ヘッド22Hのc領域の吐出口から処理液を吐出する。この第3走査時には、記録領域50−2に対する第2走査と、記録領域50−3に対する第1走査と、が行なわれる。
次に、記録媒体1を、記録ヘッドの1/5の長さ分だけ副走査方向に搬送する。その後の第4走査においては、記録領域50−1の第4走査時の吐出データに基づいて、記録ヘッド22C,22MのD領域の吐出口からインクを吐出する。また、第4走査時の処理液の吐出データに基づいて、記録ヘッド22Hのd領域の吐出口から処理液を吐出する。この第4走査時には、記録領域50−2に対する第3走査と、記録領域50−3に対する第2走査と、記録領域50−4に対する第1走査と、が行なわれる。
このような第1から第4走査によって、シアン(C),マゼンタ(M)インクによる記録領域50−1の画像の記録が終了する。
次に、記録媒体1を、記録ヘッドの1/5の長さ分だけ副走査方向に搬送する。その後の第5走査においては、第5走査時における処理液の吐出データに基づいて、記録ヘッド22Hのe領域の吐出口から処理液を吐出する。これにより、記録領域50−1に対する処理液の付与、つまり透明層26の形成が終了する。この第5走査時には、記録領域50−2に対する第4走査と、記録領域50−3に対する第3走査と、記録領域50−4に対する第2走査と、記録領域50−5に対する第1走査と、が行なわれる。
以下、同様の走査を繰り返すことにより、記録領域50−2,50−3,…に対する画像の記録と透明層26の形成が順次終了することになる。
光沢紙に顔料インクを用いて画像を形成した場合、図22(a)を用いて上述したように、着色顔料粒子がインク受容層24の内部に進入することができず、顔料インク層25がインク受容層24の表面に形成される。従って、顔料インク層25に直接外力が加わった場合には、画像表面に傷がつきやすく、顔料インク層25が剥れてしまうこともある。実際の使用環境では、記録媒体を丸めたり壁に貼ったりなどのハンドリング過程において、「爪と接触」したときの画像の損傷が極めて大きく、顔料インク層25がインク受容層24から完全に剥がれ落ちる場合もある。一方、図22(b)のように、顔料インク層25の最表面を覆うように処理液によって透明層26を形成すると、顔料インク層が爪等と直接接触することがなくなるため、顔料インク層の剥れを抑制することができる。このように顔料インク層を直接的に保護することは、耐擦過性向上に対し極めて効果的である。
(画像処理システムの構成例)
図3は、本発明の代表的な実施形態であるインクジェット装置における制御系の構成を示すブロック図である。ホストコンピュータ(画像入力部)28は、ハードディスク等の各種記憶媒体に保存されている多値画像データを、インクジェット記録装置301内にある画像処理部29に送信する。多値画像データは、ホストコンピュータ28に接続されたスキャナやデジタルカメラ等の画像入力機器からも受け取ることができる。画像処理部29は、入力された多値画像データに後述する画像処理を施して、2値画像データに変換する。これにより、複数種類の顔料インクを記録ヘッドから吐出するための2値画像データ(インク用吐出データ)が生成可能である。また、処理液を吐出するための2値画像データ(処理液用吐出データ)もここで生成される。画像出力部30は、画像処理部29から送られてきた少なくとも2種類以上の顔料インクと処理液の2値画像データに基づいて、顔料インクおよび処理液を記録媒体に付与することで画像を記録する。
画像出力部30自体は、ROM304に記録されたプログラムに従って、MPU(Micro Processor Unit)302により制御される。RAM305は、MPU302の作業領域や一時データ保存領域として利用される。MPU302は、ASIC303を介して、キャリッジの駆動系308、記録媒体の搬送駆動系309、記録ヘッドの回復駆動系310、および記録ヘッドの駆動系311の制御を行う。また、MPU302は、ASIC303から読み書き可能なプリントバッファ306に対して、読み書きが可能な構成になっている。
プリントバッファ306は、記録ヘッドへ転送できる形式に変換された画像データを一時保管する。マスクバッファ307は、プリントバッファ306から記録ヘッドに転送されるデータを必要に応じてアンド処理するための所定のマスクパターンを、一時的に保管する。なお、パス数の異なるマルチパス記録のための複数組のマスクパターンは、ROM304内に用意され、実際の記録時に、該当するマスクパターンがROM304から読み出されてマスクバッファ307に格納される。
(処理液の吐出データの生成方法)
次に、本実施形態の処理液の吐出データの生成方法を、図4を用いて説明する。図4は、図3の画像処理部29のブロック構成図であって、この画像処理部29において、顔料インクの吐出データと、その顔料インクの吐出データに基づいた処理液の吐出データと、が生成される。
具体的には、まず、画像入力部28からRGB形式の多値画像データが入力される。次いで、そのRGB形式の多値画像データが、画像の記録に用いる複数種類のインク(K、C、M、Y)夫々に対応する多値画像データに変換される。次いで、2値化手段31において、2値化パターン記憶手段32に記憶されたパターンに従って、各種インクに対応する多値画像データが、各種インクに対応する2値のビットマップデータに展開される。これにより、複数種類の顔料インク夫々を付与するための2値画像データ(インク用吐出データ)が生成される。
処理液を付与するための処理液用吐出データは、このようにして生成された複数種類の顔料インクの2値画像データ(インク用吐出データ)に基づいて生成される。この処理液用吐出データの生成には、処理液用のパターン記憶手段35、処理液用のデータ生成手段33、および論理和演算処理手段(OR回路)34が用いられる。
図6は、処理液用のパターン記憶手段35に記憶されている処理液用マスクパターンを示した図である。この処理液用マスクパターンと、複数種類の顔料インクの2値画像データ(インク用吐出データ)に基づいて生成された処理液用の2値画像データと、のOR処理により、間引かれた処理液用の2値画像データが生成される。この処理液用マスクパターンは、4×4画素の単位マトリクスにおいて、記録デューティーが100%の処理液用の2値画像データを間引いて、インクの吐出数(インクドットの形成数)を75%とすることができる。本発明においては、必ずしも、図22(b)のように顔料インク層25の全面を処理液による透明層26で覆う必要は無く、顔料インク層が部分的に覆われていない箇所があってもよい。直接外力が加わらない程度に顔料インク層が透明層によって覆われていれば、耐擦過性は改善することができる。
本実施形態においては、図22(b)のように、顔料インクにより光沢紙(記録媒体)上に形成したインク層25を、75%覆う程度の透明層26によっても、爪との接触による画像面の剥がれや傷を軽減して、良好な耐擦過性を得ることができる。このような認識に基づき、処理液用マスクパターンとして、処理液用の2値画像データを75%の割合で間引くための図6のマスクパターンが記憶されている。この処理液用マスクパターンは、透明層26がインク層25を100%覆うように、処理液用の2値画像データを生成するパターンであってもよい。
次に、本実施形態で用いた顔料インクのうち、シアン(C)とマゼンタ(M)インクを例に挙げて、処理液の吐出データ(処理液用の2値画像データ)の生成方法について説明する。
前述したように、図4の2値化手段31によって、シアン(C)とマゼンタ(M)インクのビットマップ(C,Mデータ)が2値化される。それらのC,Mデータが、例えば図7のように、シアン(C)とマゼンタ(M)のインクドットを記録領域50−1(図5参照)に形成するものである場合には、以下の画像処理によって処理液の吐出データが生成される。図7において、シアン(C)インクのドットを形成するためのCデータを「C」、マゼンタ(M)インクのドットを形成するためのMデータを「M」と表示する。他の図面においても同様である。
まず、処理液用のデータ生成手段33(図4参照)は、シアン(C)およびマゼンタ(M)インク用の2値のビットマップ(C,Mデータ)に基づいて、それらのインクによる画像形成が、複数回の走査の内の何回目の走査で終了するかを1画素毎に検出する。そのために、それらのCデータおよびMデータを第1走査から第4走査毎のデータに分解する。記録領域50−1の第1,第2,第3,第4走査におけるC,Mデータは、記録ヘッド22C,22Mの領域A,B,C,D(図5参照)に対応する。本例においては、Cデータを図8(a)から(d)のように分解し、Mデータを図9(a)から(d)のように分解する。そして、図10(a)から(d)のように、各走査毎に、CデータとMデータとの和を求める。図11は、第1走査のデータ(図10(a))を「1」、第2走査のデータ(図10(b))を「2」、第3走査のデータ(図10(c))を「3」、第4走査のデータ(図10(d))を「4」の数値に置き換えて表している。同一画素に異なる走査のデータが重なった場合には、大きい数値を採用する。その理由は、インクによる画像形成が終了する走査を検知するためである。
このようにして、画像を形成するための複数回の走査において、1画素毎(所定領域毎)に、画像形成が終了する走査(画像形成終了走査)が何番目の走査であるかが検出される。つまり、図10(a)から(d)のデータに基づいて、画像形成終了時の走査番号(1から4)が検出される。後述するように、この画像形成終了走査以降における2回以上の走査時に、処理液が吐出されることになる。
次に、図12のように図11の数値に「1」を加える。これにより、インクによる画像形成終了時の走査番号が、処理液による透明層の形成が開始するときの走査番号に変換されたことになる。図11において、データが元々無かった余白画素については、既に画像形成が終了したものと見なし、後述するように第1走査において処理液が吐出できるように「1」とした。以上の処理は、処理液用のデータ生成手段33における処理内容である。
次に、論理和演算処理手段(OR回路)34によって、処理液用のパターン記憶手段35に予め記憶された図6のパターンと、処理液用のデータ生成手段33により生成された図12のデータと、の論理和をとって、図13のデータを生成する。このデータは、処理液吐出用の記録ヘッド22Hの第1走査から第5走査に振り分ける。つまり、論理和がとられたデータは、図14(a)から(e)のように、数値「1」,「2」,「3」,「4」,「5」に応じて、第1,第2,第3,第4,第5走査に振り分けられる。図14(a)から(e)において、処理液吐出用のデータ(ドットデータ)は「H」と表示する。前述したように、第1,第2,第3,第4,第5走査においては、記録ヘッド22Hの全範囲γ(領域a,b,c,d,e)の吐出口が用いられる。
このように、各走査毎の処理液の吐出データを生成することにより、前述したように、処理液吐出用の記録ヘッド22Hの全領域の範囲γを用いて、処理液を吐出することができる。なお、各インク色の吐出データから処理液の吐出データを生成する方法、および、処理液の吐出データを各走査に分配する方法は、前述した方法のみに特定されない。
各インク色の吐出データと、処理液の吐出データと、は、プリントデータとして画像出力部30へ送られる。画像出力部30は、そのプリントデータに基づいて、前述したように画像と透明層を形成する。
以上のように本実施形態は、画像を形成するための複数回の走査において、1画素毎(所定領域毎)に、画像形成が終了する走査(画像形成終了走査)が何番目の走査であるかを検出する。すなわち、1画素毎において、画像形成終了走査を検出し、その検出された走査の次の走査時以降に処理液を吐出する。そのため、1画素毎に吐出されるインクと処理液において、最後に吐出されるのは処理液となり、その処理液は、画像形成用の各色インクのドットを覆うように透明層を形成し、その透明層は、画像の耐擦過性を向上させることができる。また、処理液を吐出するために、記録ヘッド21Hの全範囲の吐出口を使用するため、ノズルの耐久性を向上させることができる。仮に、処理液の吐出を複数回の走査の内の最終走査(第5走査)の1回とした場合には、図23における記録ヘッド21Hの範囲βの吐出口が集中的に使用されることになり、そのノズルの耐久性が損なわれるおそれがある。また、処理液の吐出データを複数回の走査に分散させることにより、記録媒体上及び画像上での処理液のドット乾燥を促進して、インク溢れなどの画像不良問題、及び、透明層の表面が鏡面に仕上がることによる干渉縞現象などの画像性能を改善することもできる。
(第2の実施形態)
図15から図20は、本発明の第2の実施形態の説明図である。本実施形態においては、各色インクの吐出データを複数回の走査に分けるためのマスクパターンを利用して、処理液の吐出データを複数回の走査に分けるためのマスクパターンを設定し、それを予め用意しておく。本例の場合は、最終走査と、その前の走査と、の2回の走査において処理液を吐出することにより、透明層を形成する。また、後述するように、各色インクの吐出データが有る画素、および、その吐出データが無い画素(余白画素)のいずれにおいても、処理液吐出用のマスクパターンにしたがって、処理液を吐出するか否かが決定される。
本実施形態においても前述した実施形態と同様に、4回の走査によって画像を形成する記録方式とし、また画像の形成に用いる顔料インクはシアン(C)とマゼンタ(M)インクのみとして説明する。また、前述した実施形態と同様の部分については、説明を省略する。
図15は、本実施形態における記録方法の説明図であり、前述した実施形態と同様に、第1から第4走査によって、シアン(C)とマゼンタ(M)インクによる記録領域50−1の画像の記録が終了する。一方、透明層は、最終走査である第5走査と、その前の第4走査と、の2回の走査において処理液を吐出することにより形成される。このように処理液を吐出するための吐出データは、以下のように生成される。
前述したように、図4の2値化手段31によって、シアン(C)とマゼンタ(M)インクのビットマップ(C,Mデータ)が2値化される。それらのC,Mデータが、例えば図7のように、シアン(C)とマゼンタ(M)のインクドットを記録領域50−1(図15参照)に形成するものである場合には、以下の画像処理によって処理液の吐出データが生成される。
まず、それらのCデータおよびMデータは、第1走査から第4走査毎のデータに分解される。記録領域50−1の第1,第2,第3,第4走査におけるC,Mデータは、記録ヘッド22C,22Mの領域A,B,C,Dに対応する。前述した実施形態と同様に、Cデータを図8(a)から(d)のように分解し、Mデータを図9(a)から(d)のように分解する。Cデータの分解は、予め用意された図16(a)から(d)のランダムマスクCを用いて行ない、またMデータの分解は、予め用意された図17(a)から(d)のランダムマスクMを用いて行なう。図18は、第4走査のランダムマスクC(図16(d))と、第4走査のランダムマスクM(図17(d))と、の和に対応するマスクパターンである。
第5走査時における処理液の吐出データの生成には、図19(b)のマスクパターンを用いる。このマスクパターンは、図18のマスクパターンである。第4走査時にインクが吐出される予定の画素では、第5走査時でしか処理液を吐出することができないからである。第4走査時における処理液の吐出データの生成には、図18のマスクパターンの逆パターン(図19(a)のマスクパターン)を用いる。このマスクパターンは、第3走査時までにインクの吐出が終了する予定の画素のパターンになっている。このような図19(a),(b)のマスクパターンに対応する処理液用データの生成は、処理液用のデータ生成手段33における処理内容である。
次に、論理和演算処理手段(OR回路)34によって、処理液用のパターン記憶手段35に予め記憶された図6のパターンと、処理液用のデータ生成手段33により生成されたデータと、の論理和をとって、図20(a)から(e)のデータを生成する。すなわち、図6のパターンと、図19(a)のマスクパターンに対応する処理液用データと、の論理和によって、図20(d)のように、第4走査時における処理液の吐出データを生成する。また、図6のパターンと、図19(b)のマスクパターンに対応する処理液用データと、の論理和によって、図20(e)のように、第5走査時における処理液の吐出データを生成する。
図15のように、第4走査時の処理液の吐出には、記録ヘッド22Hの領域dの吐出口が用いられ、第5走査時には領域eの吐出口が用いられる。つまり、領域d,eの吐出口を用いて、2回の走査に分けて処理液を吐出することができる。なお、各インク色の吐出データを生成するためのマスクパターンから、処理液の吐出データを生成する方法は、前述した方法のみに特定されない。
このように本実施形態においては、顔料インクなどによる画像形成に用いられるマスクパターンに基づいて、最終走査と、その前の走査と、の2回の走査に分けて処理液を吐出する。したがって、それらの走査時における処理液の吐出パターン、つまり処理液によって形成されるドットの配置パターンを予め決定しておくことができ、その結果、記録のための制御が構造的にも時間的にも容易となる。
また、本実施形態においても前述した実施形態と同様に、処理液吐出用の記録ヘッドの吐出口の範囲が広くなることにより、ノズルの耐久性を向上させることができる。また、処理液の吐出データを複数回の走査に分散させることにより、記録媒体上及び画像上での処理液のドット乾燥を促進して、インク溢れなどの画像不良問題、及び、干渉縞現象を改善することもできる。
(他の実施形態)
前述の実施形態において、顔料インクを吐出するためのノズルを構成する吐出口と、処理液を吐出するためのノズルを構成する吐出口と、が主走査方向に並ぶように、記録ヘッドが構成されている。しかし、それらの吐出口が主走査方向と交差する方向(例えば、副走査方向)にずれるように構成された記録ヘッドを用いることもできる。また、処理液吐出用のノズルの数が顔料インク吐出用のノズルよりも多くて、前者のノズルの列が後者のノズルの列よりも長くてもよい。
前述した第1の実施形態において、処理液の吐出時期は、最終走査(第5走査)と、その前の複数の走査(第1,第2,第3,第4走査)と、に分けられた。また、第2の実施形態においては、処理液の吐出時期が、最終走査(第5走査)と、その前の走査(第4走査)と、に分けられた。しかし、1画素毎等の単位領域の画像形成が終了した後に、その画像形成が終了した単位領域に対して、処理液を複数回の走査に分けて吐出することができればよい。したがって、処理液の吐出時期の分割数や分割方法は、前述した実施形態のみに特定されず、例えば、最終走査(第5走査)と、その前の第1,第3走査と、に分けてもよい。また、全ての単位領域に関して、必ずしも画像形成後に処理液を付与する必要はない。全ての単位領域の内の一部に関しては、前述の実施形態のように、処理液用マスクパターンを用いて処理液用の吐出データを間引いても良い。また、全ての単位領域の内の一部に関しては、画像形成が終了する前に処理液を吐出してもよい。それは、記録媒体上及び形成画像上において吐出された処理液が広がり、画像性能を向上させるための必要な被覆率を超えれば良いからである。
また、顔料インクの吐出データが無い画素(余白画素)に関して、第1の実施形態においては最初の走査時に処理液を吐出し、また第2の実施形態においては、最終走査(第5走査)と、その前の走査(第4走査)と、に分けて処理液を吐出した。しかし、顔料インクの吐出データが無い画素(余白画素)に関しては、最終走査の1回のみにおいて処理液を吐出しても同様の効果を得ることができる。したがって、顔料インクの吐出データが無い画素(余白画素)に関しては、処理液の吐出時期の分割数や分割方法は限定されない。更には、顔料インクの吐出データが無い画素(余白画素)に関しては、処理液の吐出を行わなくても良い。
前述した実施形態においては、顔料インクによる画像形成が終了した後として、画像形成が終了した走査の次の走査以降で、処理液を吐出するようにした。しかし、顔料インクによる画像形成が終了した後ならば、画像形成が終了する同一の走査にて処理液を吐出するようにしてもよい。その場合、前述の実施形態で用いた記録ヘッド(図2)ならば処理液を吐出する吐出口列が1列のため、双方向印字のうち片方向(矢印X1方向)時において同一走査で処理液の吐出を行うことができる。また、記録ヘッドの両端に処理液を吐出する吐出口列を備えた記録ヘッドを用いた場合には、記録方向によって用いる処理液の吐出口列を切り替えることで、双方向記録のいずれの方向でも、同一走査内で処理液を吐出することができる。
本発明は、インクと処理液を吐出可能な記録ヘッドを、記録媒体上の所定領域に対して複数回走査させることによって、記録媒体上に、インクによる画像の形成と、処理液による形成画像の被覆と、を行う種々のインクジェット記録装置に対して適用できる。したがって、記録ヘッドの構成や配備数などは、前述した実施形態のみに特定されない。
また本発明は、インクによる画像の形成が終了した後の所定領域に対して、記録ヘッドの複数回の走査における2回以上の走査時に処理液を吐出させることができればよく、処理液を吐出するときの走査は、3回以上であってもよい。所定領域の画像が記録ヘッドの最大n(nは2以上の整数)回の走査によって形成される場合、記録ヘッドのn回以前における2回以上の走査時に、処理液を吐出させてもよい。また、記録ヘッドのn回以降の少なくとも1回の走査を含む2回以上の走査時に、処理液を吐出させてもよい。
また、インクによる画像が形成されない所定領域に関しては、記録ヘッドの複数回の走査における少なくとも1回の走査時に処理液を吐出させてもよい。例えば、記録ヘッドの複数回の走査における最初の走査時に処理液を吐出させることができる。また、所定領域の画像が記録ヘッドの最大n(nは2以上の整数)回の走査によって形成される場合に、記録ヘッドのn回以降の1回の走査時に、処理液を吐出させてもよい。
また、記録ヘッドは、画像を形成するためのインクとして、1種類のインクを吐出するものであってもよく、また異なる複数のインクを吐出するものであってもよい。
また、前述の実施形態では、画像形成に用いる顔料インクとは別に、これら顔料インクによる画像性能(前述の実施形態では耐擦過性)を向上させる処理液を用いた。このように、処理液は、基本的に画像形成とは別使用であるため、無色透明に近い状態のものであることが好ましい。しかし、ライトシアンインクやライトマゼンタインク、ライトグレーインクなど画像形成に用いる顔料インクのうち、淡色の顔料インクの一部、または全てに、耐擦過性などの機能を向上させる材料を追加してもよい。これにより、それらの有色インクに、画像形成と、耐擦過性などの機能向上と、の両方の役割を担わせることができる。この場合には、インクとは別の処理液のためのインクタンクや記録ヘッドなどの追加部品(使用インクの1色分の追加に伴う部品に相当)が要らないので、記録装置の小型化や低コスト化に大いに貢献できる。もちろん、画像形成に用いる顔料インクのうち、濃色の顔料インクの一部もしくは全てが処理液を兼ねても良い。
また所定領域は、インクによって記録媒体上に形成されるドットに対応する領域の他、種々の領域として設定することができる。また処理液は、記録媒体に表面に透明層を形成するための樹脂成分を含むものであることが望ましいものの、種々のものを用いることができる。
また本発明は、紙や布、不織布、OHPフィルム等の記録媒体を用いる種々の記録装置に適用することができ、具体的な適用装置としては、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの事務機等を挙げることができる。
また、前述の実施形態では、本発明の特徴的な処理を行う画像処理部29がインクジェット記録装置内部に備えられている形態について説明したが、画像処理部29は、インクジェット記録装置内部に備えられている必要はない。例えば、図24に示されるように、インクジェット記録装置と接続されるホストコンピュータのプリンタドライバに、画像処理部29の機能を持たせるようにしてもよい。この場合、プリンタドライバが、アプリケーションから受け取った多値画像データに基づいて、顔料インク用の吐出データと処理液用の吐出データとを生成し、これらをインクジェット記録装置301に供給することになる。このように、ホストコンピュ−タとインクジェット記録装置301を含んで構成されるインクジェット記録システムも本発明の範疇である。この場合、ホストコンピュータは、インクジェット記録装置にデータを供給するデータ供給装置として機能し、また、インクジェット記録装置を制御する制御装置としても機能することになる。
また、本発明の主たる特徴は、画像処理部29にて実行されるデータ処理にある。従って、本発明の特徴的なデータ処理を行う画像処理部29を備えたデータ生成装置も、本発明の範疇である。画像処理部29がインクジェット記録装置に備えられている場合には、このインクジェット記録装置が本発明のデータ生成装置として機能する。また、画像処理部29がホストコンピュ−タに備えられている場合には、このホストが本発明のデータ生成装置として機能する。
更に、上述した特徴的なデータ処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムや、そのプログラムをコンピュータにより読み出し可能に格納した記憶媒体も、本発明の範疇である。
本実施形態のインクジェット記録装置の要部を示した斜視図である。 本実施形態において用いられる記録ヘッドを吐出口側から見た図である。 本発明の代表的な実施形態であるインクジェット記録装置における制御系のブロック構成図である。 図3における画像処理部のブロック構成図である。 本発明の第1の実施形態における記録方法の説明図である。 図4の処理液用のパターン記憶手段に記憶される処理液用マスクパターンの説明図である。 シアンインクとマゼンタインクにより形成されるドットの配置の説明図である。 (a)から(d)は、それぞれ、図5中の第1走査から第4走査におけるシアンインクの吐出データの説明図である。 (a)から(d)は、それぞれ、図5中の第1走査から第4走査におけるマゼンタインクの吐出データの説明図である。 (a)から(d)は、それぞれ、図5中の第1走査から第4走査におけるシアンインクとマゼンタインクの吐出データの説明図である。 図10(a)から(d)の吐出データに対応する画像形成終了時の走査番号の説明図である。 図11中の数値に「1」を加えたデータの説明図である。 図6の吐出パターンと、図12のデータと、の論理和をとったデータの説明図である。 (a)から(e)は、それぞれ、図5中の第1走査から第5走査における処理液の吐出データの説明図である。 本発明の第2の実施形態における記録方法の説明図である。 (a)から(d)は、シアンインク吐出用のランダムマスクパターンの説明図である。 (a)から(d)は、マゼンタインク吐出用のランダムマスクパターンの説明図である。 図16(d)における第4走査用のマスクパターンと、図17(d)における第4走査用のマスクパターンと、を合わせたパターンの説明図である。 (a)および(b)は、それぞれ、第4走査時および第5走査時における処理液吐出用のランダムマスクパターンの説明図である。 (a)から(e)は、それぞれ、図15中の第1走査から第5走査における処理液の吐出データの説明図である。 処理液に用いるポリジメチルシロキサン成分の化学構造の模式図である。 (a)は、インク受容層が形成された記録媒体に顔料インクを用いて記録を行った場合の記録画像の断面を模式的に示した図、(b)は、処理液を用いて透明層を最表面に形成した記録画像の断面を模式的に示した図である。 比較例としての記録方法における記録ヘッドを吐出口側から見た図である。 本発明に適用可能なインクジェット記録システムの概略構成を示す図である。
符号の説明
1 記録媒体
22 記録ヘッド
23 吐出口
24 インク受容層
25 顔料インク層
26 透明樹脂層
28 画像入力部
29 画像処理部
30 画像出力部
31 2値化手段
32 2値化パターン記憶手段
33 コートインク用データの生成手段
34 論理和(OR)手段
35 コートインク用の吐出パターンの記憶手段

Claims (15)

  1. インクと処理液とを吐出可能な記録ヘッドを、記録媒体上の所定領域に対して複数回記録走査させることによって、前記記録媒体上に、前記インクによる画像の形成と、前記処理液による前記形成画像の被覆と、を行うインクジェット記録装置において、
    前記インクによる画像の形成が終了した後の前記所定領域に対して、前記記録ヘッドから前記処理液を吐出させるための処理液用吐出データを生成する生成手段と、
    前記生成手段によって生成された前記処理液用吐出データに基づいて、前記記録ヘッドから前記処理液を吐出させる制御手段と、
    を備え、
    前記生成手段は、前記記録ヘッドの前記複数回の走査時に前記処理液を吐出させるように、前記処理液用吐出データを生成することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記記録ヘッドから前記インクを吐出させるためのインク用吐出データに基づいて、前記所定領域毎に、前記インクによる画像の形成が終了するときの画像形成終了走査が前記複数回の走査の内の何回目となるかを検出するための検出手段を備え、
    前記生成手段は、前記画像形成終了走査以降の走査時に前記処理液を吐出させるように、前記処理液用吐出データを生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録ヘッドから前記インクを吐出させるためのインク用吐出データは、マスクパターンを用いて前記複数回の走査に振り分けられ、
    前記生成手段は、前記マスクパターンを用いて前記処理液用吐出データを生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記生成手段は、処理液用マスクパターンを用いて、複数の前記所定領域に対応する前記処理液用吐出データを所定の割合で間引くことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記所定領域の画像は、前記記録ヘッドの最大n(nは2以上の整数)回の走査によって形成され、
    前記生成手段は、前記処理液用吐出データとして、前記記録ヘッドの前記n回以前における2回以上の走査時に、前記処理液を吐出させるためのデータを生成可能である
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記所定領域の画像は、前記記録ヘッドの最大n(nは2以上の整数)回の走査によって形成され、
    前記生成手段は、前記処理液用吐出データとして、前記記録ヘッドの前記n回以降の少なくとも1回の走査を含む2回以上の走査時に、前記処理液を吐出させるためのデータを生成可能である
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記生成手段は、前記インクによる画像が形成されない前記所定領域に関しては、前記処理液用吐出データとして、前記記録ヘッドの前記複数回の走査における少なくとも1回の走査時に前記処理液を吐出させるためのデータを生成することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記生成手段は、前記インクによる画像が形成されない前記所定領域に関しては、前記処理液用吐出データとして、前記記録ヘッドの前記複数回の走査における最初の走査時に前記処理液を吐出させるためのデータを生成することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記所定領域の画像は、前記記録ヘッドの最大n(nは2以上の整数)回の走査によって形成され、
    前記生成手段は、前記インクによる画像が形成されない前記所定領域に関しては、前記処理液用吐出データとして、前記記録ヘッドの前記n回以降の1回の走査時に前記処理液を吐出させるためのデータを生成する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記記録ヘッドは、前記インクとして異なる複数のインクを吐出可能であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記処理液は、前記記録媒体及び前記形成画像の表面に透明層を形成するための樹脂成分を含むことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記処理液は有色であることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記処理液は、前記インクの色よりも薄いことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  14. インクと処理液とを吐出可能な記録ヘッドを、記録媒体上の所定領域に対して複数回記録走査させることによって、前記記録媒体上に、前記インクによる画像の形成と、前記処理液による前記形成画像の被覆と、を行うインクジェット記録方法において、
    前記インクによる画像の形成が終了した後の前記所定領域に対して、前記記録ヘッドから前記処理液を吐出させるための処理液用吐出データを生成する生成工程と、
    前記生成工程によって生成された前記処理液用吐出データに基づいて、前記記録ヘッドから前記処理液を吐出させる制御工程と、
    を含み、
    前記生成工程は、前記記録ヘッドの前記複数回の走査時に前記処理液を吐出させるように、前記処理液用吐出データを生成することを特徴とするインクジェット記録方法。
  15. 記録媒体、および当該記録媒体上にインクにより形成された画像を被覆するための処理液を、記録ヘッドから吐出するための吐出データを生成するデータ生成装置であって、
    前記インクによる画像の形成が終了した後の前記記録媒体上の所定領域に対して、前記処理液を前記記録ヘッドから吐出させるための処理液用吐出データを生成する生成手段を備え、
    前記生成手段は、前記記録ヘッドの複数回の走査において前記処理液を吐出させるように、前記処理液用吐出データを生成することを特徴とするデータ生成装置。
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