JP2004314409A - 液体吐出装置、および液体吐出システム - Google Patents

液体吐出装置、および液体吐出システム Download PDF

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Akihito Sato
彰人 佐藤
Hiroichi Nunokawa
博一 布川
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Abstract

【課題】縁無し印刷にかかる時間を短縮する液体吐出装置等を実現する。
【解決手段】複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が副走査方向に整列されるとともに液体の種類毎に連ねて配設された吐出ヘッドと、液体吐出部と対向すべく主走査方向に沿って形成された複数の溝部を有する案内部材とを備え、媒体の端部には溝部と対向する液体吐出部から液体を吐出する液体吐出装置において、前記搬送方向の下流側の溝幅は上流側の溝幅より広い。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、媒体に対して液体を吐出する液体吐出装置、および液体吐出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
媒体に向けて液体を吐出する液体吐出装置として、例えば用紙等にインクを吐出して印刷するインクジェットプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。インクジェットプリンタには、用紙等の端部まで余白無く印刷する、所謂「縁無し印刷」という印刷機能を有するものがある。この「縁無し印刷」では、用紙等の端部に確実に印刷するために、用紙よりわずかに広い領域にインクを吐出する。このため、インク吐出部と対向して設けられ、用紙を案内する所謂プラテンには溝部が形成され、用紙より外側の領域に吐出されたインクがプラテンの用紙搬送面に付着しないように構成されている。すなわち、用紙の端部における印刷は溝部と対向するインク吐出部のみにて印刷される。
【0003】
このため、複数色のインクを用いて印刷するインクジェットプリンタであって、各色のインクを吐出するノズルがインク色毎に連ねられるとともに、用紙搬送方向に沿って一列に配置されている場合には、各色のインクを吐出するノズル毎にそれぞれ搬送方向の幅が等しい溝がプラテンに形成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−264319号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなインクジェットプリンタにて、縁無し印刷をする場合には、用紙の端部を印刷する際に、溝部と対向するわずかなノズルしか使うことができない。このため、すべてのインク色にて端部例えば先端部の印刷が終了するまで、他のノズルを使用することができず、1枚の用紙に印刷するために要する時間が長くなるという課題があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、縁無し印刷するために費やされる時間を短縮することが可能な液体吐出装置、および液体吐出システムを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための主たる発明は、所定の方向に沿って搬送される媒体に複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が前記媒体の搬送方向に沿って整列されるとともに吐出する前記液体の種類毎に連ねて配設され、前記搬送方向と交差する方向に移動しつつ前記液体を吐出する吐出ヘッドと、該吐出ヘッドが移動する際に前記液体吐出部と対向すべく設けられ、前記媒体が沿わされる案内面及び前記吐出ヘッドの移動方向に沿って形成された複数の溝部を有する案内部材と、を備え、前記搬送方向における前記媒体の上流側又は下流側の端部に液体を吐出すために前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体を吐出する液体吐出装置において、前記搬送方向の下流側に位置する溝部における前記搬送方向の幅は、上流側の溝部の前記幅より広いことを特徴とする液体吐出装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本明細書及び添付図面の記載により少なくとも以下の事項が明らかとなる。
所定の方向に沿って搬送される媒体に複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が前記媒体の搬送方向に沿って整列されるとともに吐出する前記液体の種類毎に連ねて配設され、前記搬送方向と交差する方向に移動しつつ前記液体を吐出する吐出ヘッドと、該吐出ヘッドが移動する際に前記液体吐出部と対向すべく設けられ、前記媒体が沿わされる案内面及び前記吐出ヘッドの移動方向に沿って形成された複数の溝部を有する案内部材と、を備え、前記搬送方向における前記媒体の上流側又は下流側の端部に液体を吐出すために前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体を吐出する液体吐出装置において、前記搬送方向の下流側に位置する溝部における前記搬送方向の幅は、上流側の溝部の前記幅より広いことを特徴とする液体吐出装置である。
【0008】
このような液体吐出装置によれば、搬送方向の下流側に設けられた溝部の搬送方向における溝幅は、上流側の溝幅より広いので、媒体の端部を印刷する際に上流側より多くの液体吐出部から液体を吐出することが可能である。したがって、下流側の液体吐出部を用いる際に、多くの液体吐出部から液体と吐出することにより、吐出ヘッドの1回の移動により媒体に対し液体が吐出される領域が広くなる。このため媒体の1回の搬送量を大きくすることが可能であり、媒体に対し液体を吐出する動作に費やされる時間を短縮することが可能である。
すなわち溝部と対向する液体吐出部にて媒体の端部に液体を吐出することにより、媒体の外側の領域に吐出された液体にて、後に搬送される媒体が汚れることを防止しつつ媒体の端部に液体を吐出することを可能とし、かつ、媒体の搬送量を大きくして、媒体に対し液体を吐出するために要する時間を短縮することが可能である。
【0009】
かかる液体吐出装置において、前記溝部は前記液体吐出部が吐出する前記液体の種類毎に対応させて設けられていることが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、搬送方向の下流側に設けられた液体吐出部から吐出される所定の種類の液体を吐出する場合に、媒体の搬送量を大きくすることが可能であり、所定の種類の液体を吐出する動作に費やされる時間を短縮することが可能である。
【0010】
かかる液体吐出装置において、前記搬送方向の最下流側にて同一種類の液体を吐出するための前記液体吐出部は、すべて前記溝部と対向していることが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、搬送方向の最下流側にて同一種類の液体を吐出する場合には、すべての液体吐出部から液体を吐出させることが可能である。したがって、最下流側の液体吐出部から所定の種類の液体を吐出する動作に費やされる時間を短縮することが可能である。
【0011】
かかる液体吐出装置において、前記搬送方向の最下流側に位置する前記溝部と対向する前記液体吐出部には、複数種類の液体を吐出するための液体吐出部が含まれていることが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、より多くの液体吐出部から液体と吐出することにより、吐出ヘッドの1回の移動により媒体に対し液体が吐出される領域がより広くなる。このため媒体の搬送量をより大きくすることが可能であり、媒体に対し液体を吐出する動作に費やされる時間をより短縮することが可能である。
【0012】
かかる液体吐出装置において、前記液体はインクであることが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、より多くの液体吐出部からインクを吐出して、媒体を大きな搬送量にて搬送し、高速にて媒体に印刷することが可能である。
【0013】
また、所定の方向に沿って搬送される媒体に複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が前記媒体の搬送方向に沿って整列されるとともに吐出する前記液体の種類毎に連ねて配設され、前記搬送方向と交差する方向に移動しつつ前記液体を吐出する吐出ヘッドと、該吐出ヘッドが移動する際に前記液体吐出部と対向すべく設けられ、前記媒体が沿わされる案内面及び前記吐出ヘッドの移動方向に沿って形成された複数の溝部を有する案内部材と、を備え、前記搬送方向における前記媒体の上流側又は下流側の端部に液体を吐出すために前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体を吐出する液体吐出装置において、前記液体はインクであり、前記搬送方向の下流側に位置する溝部における前記搬送方向の幅は、上流側の溝部の前記幅より広く、前記搬送方向の最下流側に位置する前記溝部と対向する前記液体吐出部には、前記搬送方向の最下流側にて同一種類の液体を吐出するためのすべての前記液体吐出部と、他の種類の液体を吐出するための液体吐出部が含まれていることを特徴とする液体吐出装置である。
【0014】
このような液体吐出装置によれば、溝部と対向する液体吐出部にて媒体の端部にインクを吐出することにより、媒体の外側の領域に吐出されたインクにて、後に搬送される媒体が汚れることを防止しつつ媒体の端部まで印刷することを可能とし、下流側では媒体の搬送量を大きくして印刷速度を向上されることが可能である。
【0015】
また、コンピュータ、このコンピュータに接続され、所定の方向に沿って搬送される媒体に複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が前記媒体の搬送方向に沿って整列されるとともに吐出する前記液体の種類毎に連ねて配設され、前記搬送方向と交差する方向に移動しつつ前記液体を吐出する吐出ヘッドと、該吐出ヘッドが移動する際に前記液体吐出部と対向すべく設けられ、前記媒体が沿わされる案内面及び前記吐出ヘッドの移動方向に沿って形成された複数の溝部を有する案内部材と、を備え、前記搬送方向における前記媒体の上流側又は下流側の端部に液体を吐出すために前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体を吐出する液体吐出装置、を有する液体吐出システムにおいて、前記搬送方向の下流側に位置する溝部における前記搬送方向の幅は、上流側の溝部の前記幅より広いことを特徴とする液体吐出システムも実現可能である。
【0016】
===カラープリンタの概略構成===
図1を参照して本実施の形態に係る液体吐出装置としてのカラープリンタの主として外部の概略構成について説明する。図1は本実施の形態に係るカラープリンタの概略構成を示した図である。なお、このカラープリンタ10は、取り外し可能に装着されたロール紙ユニット24とを有している。
【0017】
図1は、液体吐出装置の一例としてのカラープリンタ10を示している。
カラープリンタ10は、カラー画像の出力が可能なプリンタであり、例えば、液体としてのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4色の色インクを、媒体としての印刷用紙等に吐出してドットを形成することによって画像を形成するインクジェット方式のプリンタである。なお、インクとして、上記4色に加えて、ライトシアン(薄いシアン、LC)、ライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)、ダークイエロ(暗いイエロ、DY)、または発色性や光沢性を高めたり滲みを防止するための特殊なインク等を用いてもよい。
【0018】
図1に示すように、カラープリンタ10は、背面から供給された印刷用紙等の媒体を前面から排出する構造を備えており、前面には操作パネル11、排紙部12が備えられ、背面には給紙部13が備えられている。操作パネル11には、各種操作ボタン111、表示ランプ112が設けられている。排紙部12は、不使用時に排紙口を塞ぐ排紙トレー121が備えられている。給紙部13には、カット紙(図示しない)を保持する給紙トレー131、ロール紙ユニット24を保持するロール紙ユニットホルダ132、133が備えられている。ロール紙ユニット24には、搬送方向に長く形成された印刷用紙が芯材にロール状に巻き付けられており、給紙部13から供給される。
【0019】
===カラープリンタ10の内部構成===
次に、図1〜図4を参照してカラープリンタ10の内部構成について説明する。図2は本実施の形態に係るカラープリンタ10の内部構成を示した図、図3は印刷ヘッド9周辺の配置を示した説明図、図4は印刷用紙搬送機構の駆動部を説明するための説明図である。
【0020】
カラープリンタ10は、図示するように、キャリッジ3に搭載された吐出ヘッドとしての印刷ヘッド9を駆動してインクの吐出及びドット形成を行う機構と、このキャリッジ3をキャリッジモータ4によって印刷用紙の搬送方向(以下、副走査方向ともいう)と直交する方向(以下、主走査方向という)に往復動させる機構と、紙送りモータ(以下、PFモータともいう)1によって給紙トレー131(図1参照)及びロール紙ユニット24から供給される印刷用紙32を搬送する機構と、制御回路50とを有している。
【0021】
インクの吐出及びドット形成を行う機構は、液体吐出部としての複数のノズルnを備えた印刷ヘッド9と、印刷ヘッド9を駆動するためのヘッドドライバ16とを備え、印刷指令信号に基づいて所定のノズルnからインクを吐出させる。印刷ヘッド9の下面9aには、印刷用紙32の搬送方向に沿って、複数のノズルnが列状に配置された液体吐出部列としての複数のノズル列(図6)が、印刷用紙32の搬送方向と直交する主走査方向に複数列設けられている。印刷ヘッド9及びノズル配列の詳細は後述する。
【0022】
キャリッジ3を往復動させる機構は、キャリッジ3を駆動するキャリッジモータ(以下、CRモータともいう)4と、キャリッジモータ4を駆動するCRモータドライバ5と、主走査方向に設けられ、キャリッジ3を摺動可能に保持する摺動軸44と、キャリッジ3に固定されたリニア式エンコーダ17と、所定の間隔にスリットが形成されたリニア式エンコーダ用符号板19と、キャリッジモータの回転軸に取付けられたプーリ30と、プーリ30によって駆動されるタイミングベルト31から構成されている。
【0023】
キャリッジ3には、印刷ヘッド9に一体に設けられたカートリッジ装着部が固定され、このカートリッジ装着部には、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)等のインクが収容されたインクカートリッジが装着される。
【0024】
給紙トレー131及びロール紙ユニット24から供給される印刷用紙32を搬送する機構は、前記印刷ヘッド9と対向して配置され、印刷用紙32と印刷ヘッド9とが適切な距離となるように印刷用紙32を案内する案内面25cを有する案内部材としてのプラテン25と、このプラテン25に対し印刷用紙32の搬送方向の上流側に設けられ、供給された印刷用紙32をプラテン25に所定の角度にて接触するように搬送する搬送ローラ7と、プラテン25に対し印刷用紙32の搬送方向の下流側に設けられ、搬送ローラ7から外れた印刷用紙32を搬送して排紙するための排紙ローラ8と、搬送ローラ7及び排紙ローラ8を駆動するためのPFモータ1と、PFモータ1を駆動するための紙送りモータドライバ2と、印刷用紙32の搬送量を検出するためのロータリ式エンコーダ15と、印刷用紙32の有無及び印刷用紙32の先端・後端を検出するための用紙検出センサ20とを有している。
【0025】
PFモータ1は、紙送りモータドライバ2により搬送指令値に基づいて駆動され、必要に応じて補正データテーブルにより与えられる補正値を用いて回転量が補正されることにより印刷用紙32の搬送量が補正される。
【0026】
搬送ローラ7は印刷用紙32の搬送経路下側に設けられており、その上側には搬送ローラ7と対向させて印刷用紙32を保持するための従動ローラ7aが設けられている。排紙ローラ8も印刷用紙32の搬送経路下側に設けられて、その上側に排紙ローラ8と対向させ手印刷用紙32を保持するための従動ローラ8aが設けられているが、排紙ローラ8と対向する従動ローラ8aは薄板でなり外周部に細かな歯が設けられたローラであり、印刷後の印刷用紙32の表面と接触してもインクが擦れないように構成されている。
【0027】
また、搬送ローラ7と印刷用紙32との接触位置は、プラテン25と印刷用紙32との接触位置より高くなるように配置され、搬送ローラ7から搬送された印刷用紙32はプラテン25と所定の角度にて接触し、さらに搬送されることにより、印刷用紙32はプラテン25の案内面25cに沿わされて搬送される。即ち、印刷用紙32をプラテン25に押し付けるように所定の角度をもって当接させることができるため、プラテン25によって印刷用紙32をノズルnから適正な位置に維持させて良好な画像を得ることができる。プラテン25に沿わされて搬送された印刷用紙32は、自ずと排紙ローラ8へと導かれるように、プラテン25と排紙ローラ8とは配置されている。プラテン25の構造については後述する。
【0028】
また、搬送ローラ7と排紙ローラ8とは、ギア列6により繋げられ、PFモータ1の回転が伝達されて回動され、両ローラ7,8による印刷用紙32の搬送速度は一致している。
【0029】
用紙検知センサ20は、搬送ローラ7より搬送方向の上流側に設けられ、印刷用紙32の搬送経路より高い位置に回動中心を持つレバー20aとその上方に設けられ、発光部と受光部とを有する透過型光センサ20bとで構成されている。レバー20aは、自重によって搬送経路に垂れ下がるように配置され給紙トレー131から供給された印刷用紙32によって回動される作用部20cと、作用部20cと回動中心を挟んで反対側に位置し、発光部と受光部との間を通過するように設けられた遮光部20dとで構成されている。そして、用紙検知センサ20は、供給された印刷用紙32によりレバー20aが押され、印刷用紙32が所定位置に達すると遮光部20dは発光部が発した光を遮るため、印刷用紙32が所定の位置に達したことが検出される。その後、搬送ローラ7により印刷用紙32が搬送されて、印刷用紙32の後端が通過すると、レバー20aは自重によって垂れ下がり、遮光部20dが発光部と受光部との間から外れ、発光部の光が受光部に受光され、印刷用紙32の後端が所定の位置に到達することを検出する。したがって、遮光部20dが発光部の光を遮っている間は、少なくとも搬送経路内に印刷用紙32が存在することが検出される。
【0030】
===制御回路50の内部構造===
制御回路50は、ホストコンピュータ18から供給された信号を受信するバッファメモリ21と、印刷データを格納するイメージバッファ22と、カラープリンタ10全体の動作を制御するコントローラ26と、RAM、ROM、EEPROM等のメモリ27とを備えている。転送された印刷データは、一旦、バッファメモリ21に蓄えられる。カラープリンタ10の操作パネル11や接続されたホストコンピュータ18から印刷指令信号が入力されると、カラープリンタ10内では、印刷指令信号と共に送信された印刷データが、一旦、バッファメモリ21に蓄えられ、コントローラ26が、バッファメモリ21の印刷データの中から必要な情報を読み取り、これに基づいて、CRモータドライバ5、PFモータドライバ2、ヘッドドライバ16に対して制御信号を送る。イメージバッファ22には、バッファメモリ21で受信された複数の色成分の印刷データが格納される。ヘッドドライバ16は、コントローラ26からの制御信号に従って、イメージバッファ22から各色成分の印刷データを読出し、これに応じて印刷ヘッド9に設けられた各色のノズルnを駆動する。
【0031】
===ホストコンピュータの処理===
図5は、ホストコンピュータ18の処理を概略的に説明する図である。同図に示すように、ホストコンピュータ18は、カラープリンタ10に接続されたコンピュータ本体90と、表示装置93とを備えている。なお、カラープリンタ20とコンピュータ本体90とを含む液体吐出システムは、広義の「液体吐出装置」と呼ぶこともできる。
【0032】
コンピュータ本体90には、プリンタ1の動作を制御する「プリンタドライバ」と呼ばれるコンピュータプログラム96が搭載されている。プリンタドライバ96は、同図に示すように、ホストコンピュータ18に搭載された所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からは、これらのドライバを介して、カラープリンタ10に転送するための印刷データPDが出力される。画像のレタッチなどを行うアプリケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオドライバ91を介して表示装置93に画像を表示している。
【0033】
アプリケーションプログラム95が印刷命令を発すると、コンピュータ本体90のプリンタドライバ96が、画像データをアプリケーションプログラム95から受け取り、これをカラープリンタ10に供給する印刷データPDに変換する。プリンタドライバ96の内部には、解像度変換モジュール97と、色変換モジュール98と、ハーフトーンモジュール99と、ラスタライザ100と、ユーザインターフェース表示モジュール101と、UIプリンタインターフェースモジュール102と、色変換ルックアップテーブルLUTと、が備えられている。
【0034】
解像度変換モジュール97は、アプリケーションプログラム95で形成されたカラー画像データの解像度を、印刷解像度に変換する役割を果たす。こうして解像度変換された画像データは、まだRGBの3つの色成分からなる画像情報である。色変換モジュール98は、色変換ルックアップテーブルLUTを参照しつつ、各画素毎に、RGB画像データを、カラープリンタ10が利用可能な複数のインク色の多階調データに変換する。
【0035】
色変換された多階調データは、例えば256階調の階調値を有している。ハーフトーンモジュール99は、いわゆるハーフトーン処理を実行してハーフトーン画像データを生成する。このハーフトーン画像データは、ラスタライザ100によりカラープリンタ10に転送すべきデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷データPDとしてカラープリンタ10に出力される。印刷データPDは、各主走査時のドットの形成状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示すデータと、を含んでいる。
【0036】
ユーザインターフェース表示モジュール101は、印刷に関係する種々のユーザインターフェースウィンドウを表示する機能と、それらのウィンドウ内におけるユーザの入力を受け取る機能とを有している。
【0037】
UIプリンタインターフェースモジュール102は、ユーザインターフェース(UI)とカラープリンタ10間のインターフェースを取る機能を有している。ユーザがユーザインターフェースにより指示した命令を解釈して、カラープリンタ10へ各種コマンドCOMを送信したり、逆に、プリンタ1から受信したコマンドCOMを解釈して、ユーザインターフェースへ各種表示を行ったりする。
【0038】
なお、プリンタドライバ96は、各種コマンドCOMを送受信する機能、印刷データPDをカラープリンタ10に供給する機能等を実現する。このようなプリンタドライバ96の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、ホストコンピュータ18の内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、ホストコンピュータ18が読み取り可能な種々の媒体を利用できる。また、このようなコンピュータプログラムを、インターネットを介してコンピュータ本体90にダウンロードすることも可能である。
【0039】
なお、例えば、プリンタ10が、コンピュータ本体90、表示装置93等のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ10が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
また、プリンタを制御するコンピュータプログラムが、制御回路50の記憶媒体であるメモリ27に取り込まれていても良い。そして、制御回路50が、メモリ27に格納されたコンピュータプログラムを実行することとしてもよい。
【0040】
===印刷ヘッドのノズル配置例===
図6は、印刷ヘッド9の下面におけるノズルの配列を説明するための図である。印刷ヘッド9の下面には、ブラックノズル列NKと、カラーノズル列としてのイエローノズル列NY、マゼンタノズル列NM、シアンノズル列NCとが形成されている。すなわち、カラーノズル列は、144個のノズルが印刷用紙の搬送方向に沿って整列されるとともに、イエローインクY、マゼンタインクM、シアンインクCを吐出するためのそれぞれ48個のノズルnがインク色毎に連なって配設されている。以下、明細書中および図面では、ノズルnの番号に「#」を付して各ノズルを表す。このカラープリンタ10は、ブラックノズル列NK、イエローノズル列NY、マゼンタノズル列NM、シアンノズル列NCとから、それぞれ単色の画像を形成するように印刷用紙上の所定の位置に向けてインク滴を吐出する。そして、それらの画像が印刷用紙上に重ねて印刷されることで、フルカラー印刷が実現される。
【0041】
ブラックノズル列NKは144個のノズル#1〜#144(白丸)を有している。144個のノズル#1〜#144(白丸)は、図3に示す紙搬送方向に沿って、一直線上に一定の間隔(ノズルピッチk・D)でそれぞれ整列している。また、イエローノズル列NYは48個のノズル#1〜#48(白三角)を有し、マゼンタノズル列NMは48個のノズル#1〜#48(白四角)を有し、シアンノズル列NCは48個のノズル#1〜#48(白菱形)を有している。カラーインク用の144個の各ノズル#1〜#48(白三角、白四角、白菱形)は、図3に示す紙搬送方向に沿って、一直線上に一定の間隔(ノズルピッチk・D)でそれぞれ整列している。すなわち、イエローノズル#48とマゼンタノズル#1との間隔及びマゼンタノズル#48とシアンノズル#1との間隔も、他のノズルnの間隔と同様(ノズルピッチk・D)に形成されている。ここで、Dは、方向における最小のドットピッチ(つまり、印刷用紙32に形成されるドットの最高解像度での間隔)であり、例えば解像度が1440dpiであれば1/1440インチ(約17.65μm)である。また、kは、1以上の整数である。
【0042】
例えば、各ノズルnには、各ノズルnを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子として不図示のピエゾ素子が設けられている。しかし、ピエゾ素子に限定されるものではない。インク室内に配置された発熱抵抗体に電流を流して急速に発熱させることでインク室内のインクを気化させ、その際に発生する気泡(バブル)の圧力でインクをノズルnから吐出させる方法を適用してもよい。
なお、印刷時には、印刷用紙32が間欠的に所定の搬送量で副走査方向へ搬送され、この間欠的な搬送の間にキャリッジ3が主走査方向へ移動して各ノズルnからインク滴が吐出される。
【0043】
===印刷ヘッドの駆動===
図7において、駆動信号発生部は、複数のマスク回路204と、原駆動信号発生部206と、駆動信号補正部230とを備えている。マスク回路204は、印刷ヘッド9のノズル#1〜#144をそれぞれ駆動するための複数のピエゾ素子に対応して設けられている。なお、図7において、各信号名の最後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供給されるノズルnの番号を示している。原駆動信号発生部206は、ノズル#1〜#144に共通に用いられる原駆動信号ODRVを生成する。この原駆動信号ODRVは、一画素分の主走査期間内に、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む信号である。駆動信号補正部230は、マスク回路204が整形した駆動信号波形のタイミングを復路全体で前後にずらし、補正を行う。この駆動信号波形のタイミングの補正によって、往路と復路におけるインク滴の着弾位置のズレが補正される、すなわち、往路と復路におけるドットの形成位置のズレが補正される。
【0044】
図7に示すように、入力されたシリアル印刷信号PRT(i)は、原駆動信号発生部206から出力される原駆動信号ODRVとともにマスク回路204に入力される。このシリアル印刷信号PRT(i)は、一画素当たり2ビットのシリアル信号であり、その各ビットは、第1パルスW1と第2パルスW2とにそれぞれ対応している。
そして、マスク回路204は、シリアル印刷信号PRT(i)のレベルに応じて原駆動信号ODRVをマスクするためのゲートである。すなわち、マスク回路204は、シリアル印刷信号PRT(i)が1レベルのときには原駆動信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて駆動信号DRVとしてピエゾ素子に供給し、一方、シリアル印刷信号PRT(i)が0レベルのときには原駆動信号ODRVの対応するパルスを遮断する。
【0045】
===プラテンの構造===
図8はプラテン25の構造を説明するための模式図である。
プラテン25は、印刷ヘッド9の下面9a、即ちノズルnが設けられている面と対向し、印刷用紙32を接触させて案内する案内面25cを有している。
カラープリンタ10は前述したように、イエローノズル列NY、マゼンタノズル列NM、シアンノズル列NCが、印刷用紙の送り方向(副走査方向)に沿って順に配されている。そして、これらノズルnのうち、キャリッジ3が走査した際に、シアンノズル列NCのノズル#1〜#5と、マゼンタノズル列NMのノズル#1〜#38およびイエローノズル列NYのすべてのノズルnと対向する位置にあるプラテン25の部位には溝部25a、25bが設けられている。
すなわち、プラテン25は、主走査方向に沿って形成された2つの溝部25a,25bを有している。2つの溝部25a,25b内には、それぞれ多孔性の合成樹脂などにて形成された吸収材28が設けられており、インクが溝部25a,25bと対向するから吐出され、印刷用紙32上に滴下されない場合には、この吸収材28に吸収される。吸収材28の上面は、プラテン25の案内面25cより十分に低く形成されている。
そして、印刷用紙32の端部は、この溝部25a,25b上に搬送されたときに、それら溝部25a,25bと対向するシアンノズル列NCのノズル#1〜#5と、マゼンタノズル列NMのノズル#1〜#38およびイエローノズル列NYのすべてのノズルnからインクが吐出されて印刷される。
【0046】
===縁無し印刷の動作===
図9Aはキャリッジの最初の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図、図9Bはキャリッジの2回目の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図、図9Cはキャリッジの3回目の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図、図9Dはキャリッジの4回目の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図、図9Eはキャリッジの5回目の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図、図9Fはキャリッジの6回目の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図、図9Gはキャリッジの7回目の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図、図9Hはキャリッジの8回目の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図、図9Iはキャリッジの9回目の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図である。
【0047】
ここでは、イエローインクY、マゼンタインクM、シアンインクCを用い、副走査方向の解像度が360dpiのフルカラー画像を、縁無し印刷する際の動作の一例について説明する。このとき副走査方向におけるノズルピッチは180dpiであり、説明の便宜上印刷用紙の全領域に3色のインクにてドットを形成する画像を、インターレース方式にて印刷することとする。また、図9Aから図9Iは、キャリッジ3の各走査において形成されるドットのイメージを時系列的に示しており、キャリッジ3の各走査のときに既に形成されているドットを黒ドットにて、当該走査にて形成されるドットを白ドットにて示している。さらに、説明の便宜上印刷用紙32の直上にシアンインクにより形成されるドットを示し、マゼンタインクにより形成されるドットは、その上にドットを重ねて示しているが、印刷後のインクの状態を示すものではない。
【0048】
ユーザがホストコンピュータ18のユーザインターフェースから所定の画像を縁無し印刷するための指示を入力すると、上述したようにホストコンピュータ18にて、縁無し印刷するための印刷データPD、すなわち指定された印刷用紙のサイズより大きな領域に印刷するための印刷データPDが生成され、カラープリンタ10に送出される。
【0049】
プリンタ10は、印刷データPDに基づいて、給紙トレイ131から印刷用紙32を給紙し、搬送ローラ7により設定された頭出し位置に搬送する。このとき頭出し位置は、印刷用紙32の先端32aが最下流側の溝部25aに上に位置するように設定されている。すなわち、搬送ローラ7の部品精度、ロータリ式エンコーダ15の精度、PFモータ1などによる搬送精度等を考慮し、これらの精度が悪い場合でも印刷用紙32の先端32aが溝部25a上にて停止するように設定されている。ここでは、図9Aに示すように印刷用紙32は、その先端32aにシアンノズル#4から吐出されたインクによりドットが形成される位置に搬送される。
【0050】
そしてキャリッジ3の最初の走査によりシアンノズル#1 〜#5 からインクを吐出してシアンの画像の印刷を開始する。このとき印刷用紙32上には、シアンノズル#4,#5から吐出されたインクによりドットが形成され、印刷用紙32の最先端位置には間隔を隔てた2本のラスターラインが形成される。ここでラスターラインとは、キャリッジ3の走査時に吐出されたインクにより主走査方向に沿って形成されるドット列を示している。一方、シアンノズル#1 〜#3から吐出されたインクは溝部25aの吸収材28に吸収される。すなわち、印刷用紙32の先端32aを印刷するためのノズルnは溝部25aと対向して設けられているため、シアンノズル#1 〜#5から吐出したインクが印刷用紙32に滴下されない場合であっても、プラテン25の案内面25cにそのインクが付着することはない。したがって、その後、プラテン25の案内面25cに沿って印刷用紙32が搬送されても、印刷用紙32の裏面がインクにて汚れることはない。
【0051】
キャリッジ3の最初の走査が終了すると、印刷用紙32は5ドット分搬送され、キャリッジ3の2回目の走査によりシアンノズル#1 〜#5 からインクを吐出して5本のラスターラインが形成される。このとき、先端側に形成された2本のラスターラインと、最初の走査にて形成された2本のラスターラインとの4本ラスターラインによって印刷用紙32の先端が余白無く印刷され、その下流側にさらに2本のラスターラインが、それぞれ1ラスタライン分の間隔を隔てて形成されている。
【0052】
キャリッジ3の2回目の走査が終了すると、印刷用紙32はさらに5ドット分搬送され、キャリッジ3の3回目の走査によりシアンノズル#1 〜#5 からインクを吐出して5本のラスターラインが形成される。このとき、9本ラスターラインによって印刷用紙32の先端が余白無く印刷され、その下流側にさらに2本のラスターラインが、それぞれ1ラスタライン分の間隔を隔てて形成されている。
【0053】
このように、印刷用紙32を5ラスタライン分搬送する動作と、キャリッジ3の走査時にシアンノズル#1 〜#5 からインクを吐出して5本のラスターラインを形成する動作を6回繰り返すと、印刷用紙32には、その先端から24本ラスターラインが余白無く印刷され、その下流側に2本のラスターラインが間隔を隔てて形成される。その後、さらに印刷用紙32を5ラスタライン分搬送すると、印刷用紙32の先端は、プラテン25の下流側に設けられた溝部25b上に到達する。すなわち、図9Gに示すようにキャリッジ3が走査した際に、マゼンタノズル#39〜#48と対向する位置に設けられている案内面25cは印刷用紙32により覆われることになる。そして、キャリッジ3の7回目の走査では、シアンノズル#48を除く47個のノズルnからインクを吐出して47本のラスターラインを形成する。
【0054】
次に、印刷用紙32を5ラスタライン分搬送し、8回目の走査にてシアンノズル#1〜#47とマゼンタノズル#1〜#47とからインクを吐出して、シアンインクにより47本のラスターラインとマゼンタインクにより14本のラスターラインを形成する。このとき、マゼンタノズル#1〜#47のうち印刷用紙32と対向しているノズルは、搬送方向上流側に設けられた14個のノズルだけなので、印刷用紙上に形成されるラスターラインは14本となり、他の下流側に設けられたノズルからインクが吐出された場合には溝部25aの吸収材28に吸収されることになる。
【0055】
そして、印刷用紙32を47ラスタライン分の距離だけ搬送し、9回目の走査にてシアンノズル#1〜#47とマゼンタノズル#1〜#47とからインクを吐出してシアンインクにより47本のラスターラインとマゼンタインクにより38本のラスターラインを形成する。このときも8回目の走査の走査時と同様に、マゼンタインクでは印刷用紙32と対向しているノズルにより38本のラスターラインが形成され、他のノズルからインクが吐出された場合には溝部25aの吸収材28に吸収されることになる。
【0056】
その後、さらに印刷用紙32を47ラスタライン分搬送すると、印刷用紙32の先端が、イエローノズル#34と#35との間に位置するように移動する。そして、キャリッジ3の10回目の走査では、シアンノズル#1〜#47、マゼンタノズル#1〜#47、イエローノズル#1〜#47からインクを吐出して印刷用紙32にラスターラインを形成する。
【0057】
このように、印刷用紙32を47ラスタライン分の距離だけ搬送する搬送動作と、キャリッジ3を走査しつつシアンノズル#1〜#47、マゼンタノズル#1〜#47、イエローノズル#1〜#47からインクを吐出する動作とを繰り返す。その後、印刷用紙32の後端が、プラテン25の案内面の最上流側を越える位置に搬送されると、シアンノズル、マゼンタノズル、イエローノズルのうち溝部25a,25bと対向する5つのノズルnにてインクを吐出してインクを吐出する動作と、印刷用紙32を5ラスタライン分搬送する動作とを繰り返す。そして、すべてのシアンノズル及びマゼンタノズルと対向する位置を印刷用紙32の後端が通過すると、イエローノズルか#1〜#47からイエローインクを吐出し、印刷用紙32を47ライン分搬送して、イエローインクにて印刷されていない領域を高速にて印刷する。
【0058】
このようなプリンタによれば、印刷用紙の端部まで余白無く印刷する所謂縁無し印刷の印刷速度を向上させることが可能である。
例えば、従来のプリンタ構造の一例として、プラテンに形成する溝部が、各インク色のノズル#1〜#5と対向する位置に設けられている場合と比較する。
【0059】
この場合の頭出し位置は前述したプリンタと同じである。一方、搬送された印刷用紙にてノズルと対向する位置にある案内面が覆われるまでの搬送回数が相違する。具体的には、本発明の実施形態にて説明したプリンタ10では、印刷用紙がノズルと対向する位置に設けられている案内面を覆う位置に到達、すなわち溝部25bに印刷用紙32の先端32aが到達したのは、キャリッジ3の6回目の走査後の搬送動作である。一方、一例として挙げた従来のプリンタでは、印刷用紙の先端がイエローノズルと対向する溝部に到達するまでには、印刷用紙は頭出し位置から96ノズル(イエローノズル#5からシアンノズル#5まで)ピッチ分搬送されなければならない。そして5個のノズルのみにて印刷する際の1回の搬送量は5ドットピッチすなわち2.5ノズルピッチであるから、従来のプリンタにて、印刷用紙の先端がイエローノズルと対向する溝部に到達するまでには、頭出し位置から96/2.5≒39回の搬送動作が行われなければならない。このように、従来のプリンタであれば、ノズルをすべて使用して印刷するまでに39回の微少送り動作を繰り返さなければならないが、本発明の実施形態にて説明したプリンタによれば、微少送り動作は6回で済むことになる。このため縁無し印刷の印刷速度を向上させ、印刷時間を短縮することが可能である。
【0060】
本実施形態において、プラテン25に設けられた溝部25bはマゼンタノズル列NM及びイエローノズル列NYと対向するように形成されている例を示したが、溝部は必ずしも2色分のノズル列にわたって対向していなくても構わない。
【0061】
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき、本発明に係るプリンタ等の液体吐出装置について説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に係る液体吐出装置に含まれるものである。
【0062】
また、本実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部又は全部をソフトウェアによって置き換えてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアによって置き換えてもよい。
また、媒体は、印刷紙の他に、布やフィルムなどであってもよい。
また、液体吐出装置側にて行っていた処理の一部をホスト側にて行ってよく、また液体吐出装置とホストの間に専用の処理装置を介設して、この処理装置にて処理の一部を行わせるようにしてもよい。
【0063】
<液体吐出装置について>
本発明の液体吐出装置としては、前述したインクジェットプリンタ等の印刷装置をはじめ、これらの他に、例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造型機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置等に適用することも可能である。
【0064】
<液体について>
本発明の液体としては、前述したインク、例えば染料インクや顔料インクに限定されるものではなく、例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液等を含む(水も含む)を適用することもできる。また、液体の成分については、溶媒として水の他に溶剤など、液体を構成するものを含む。
【0065】
<媒体について>
媒体については、前述した用紙として、普通紙やマット紙、カット紙、光沢紙、ロール紙、用紙、写真用紙、ロールタイプ写真用紙等をはじめ、これらの他に、OHPフィルムや光沢フィルム等のフィルム材や布材、金属板材などであっても構わない。すなわち、液体の吐出対象となり得るものであれば、どのような媒体であっても構わない。
【0066】
【発明の効果】
本発明にあっては、縁無し印刷に費やされる時間を短縮することが可能な液体吐出装置、および液体吐出システムを実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラープリンタの一実施形態を示した斜視図。
【図2】カラープリンタの全体構成の説明図。
【図3】カラープリンタのキャリッジ等を示す図。
【図4】カラープリンタの搬送機構を示す図。
【図5】ホストコンピュータ側の処理を説明するための説明図。
【図6】印刷ヘッドにおけるノズルの配列を示す説明図。
【図7】ヘッド駆動回路内の構成を示すブロック図。
【図8】プラテンの構造を説明するための断面図。
【図9】図9Aはキャリッジの最初の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図、図9Bはキャリッジの2回目の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図、図9Cはキャリッジの3回目の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図、図9Dはキャリッジの4回目の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図、図9Eはキャリッジの5回目の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図、図9Fはキャリッジの6回目の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図、図9Gはキャリッジの7回目の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図、図9Hはキャリッジの8回目の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図、図9Iはキャリッジの9回目の走査にて形成されるラスターラインを説明するための図。
【符号の説明】
1 紙送りモータ(PFモータ) 2 紙送りドライバ
3 キャリッジ 4 キャリッジモータ(CRモータ)
5 キャリッジモータドライバ(CRモータドライバ)
7 搬送ローラ 7a 従動ローラ
8 排紙ローラ 8a 従動ローラ
9 印刷ヘッド 9a 印刷ヘッドの下面
10 カラープリンタ 11 操作パネル
111 操作ボタン 112 表示ランプ
12 排紙部 121 排紙トレイ
13 給紙部 131 給紙トレー
132 ホルダ 133 ホルダ
15 ロータリ式エンコーダ 16 ヘッドドライバ
17 リニア式エンコーダ 18 ホストコンピュータ
19 リニア式エンコーダ用符号板 20 用紙検出センサ
20a レバー 20b 透過型光センサ
20c 作用部 20d 遮光部
21 バッファメモリ 22 イメージバッファ
25 プラテン 25a 溝部
25b 溝部 25c 案内面
26 コントローラ 27 メモリ
28 吸収材 30 プーリ
31 タイミングベルト 32 印刷用紙
32a 印刷用紙の先端 44 摺動軸
50 制御回路 90 コンピュータ本体
91 ビデオドライバ 95 アプリケーションプログラム
96 プリンタドライバ 97 解像度変換モジュール
98 色変換モジュール 99 ハーフトーンモジュール
100 ラスタライザ
101 ユーザインターフェース表示モジュール
102 UIプリンタインターフェースモジュール
204 マスク回路 206 原駆動信号発生部
230 駆動信号補正部 COM コマンド
LUT 色変換ルックアップテーブル n ノズル
NK ブラックノズル列 NY イエローノズル列
NM マゼンタノズル列 NC シアンノズル列
ODRV 原駆動信号 PD 印刷データ

Claims (7)

  1. 所定の方向に沿って搬送される媒体に複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が前記媒体の搬送方向に沿って整列されるとともに吐出する前記液体の種類毎に連ねて配設され、前記搬送方向と交差する方向に移動しつつ前記液体を吐出する吐出ヘッドと、
    該吐出ヘッドが移動する際に前記液体吐出部と対向すべく設けられ、前記媒体が沿わされる案内面及び前記吐出ヘッドの移動方向に沿って形成された複数の溝部を有する案内部材と、
    を備え、
    前記搬送方向における前記媒体の上流側又は下流側の端部に液体を吐出すために前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体を吐出する液体吐出装置において、
    前記搬送方向の下流側に位置する溝部における前記搬送方向の幅は、上流側の溝部の前記幅より広いことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記溝部は前記液体吐出部が吐出する前記液体の種類毎に対応させて設けられていることを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記搬送方向の最下流側にて同一種類の液体を吐出するための前記液体吐出部は、すべて前記溝部と対向していることを特徴とする液体吐出装置。
  4. 請求項3に記載の液体吐出装置において、
    前記搬送方向の最下流側に位置する前記溝部と対向する前記液体吐出部には、複数種類の液体を吐出するための液体吐出部が含まれていることを特徴とする液体吐出装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の液体吐出装置において、
    前記液体はインクであることを特徴とする液体吐出装置。
  6. 所定の方向に沿って搬送される媒体に複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が前記媒体の搬送方向に沿って整列されるとともに吐出する前記液体の種類毎に連ねて配設され、前記搬送方向と交差する方向に移動しつつ前記液体を吐出する吐出ヘッドと、
    該吐出ヘッドが移動する際に前記液体吐出部と対向すべく設けられ、前記媒体が沿わされる案内面及び前記吐出ヘッドの移動方向に沿って形成された複数の溝部を有する案内部材と、
    を備え、
    前記搬送方向における前記媒体の上流側又は下流側の端部に液体を吐出すために前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体を吐出する液体吐出装置において、
    前記液体はインクであり、
    前記搬送方向の下流側に位置する溝部における前記搬送方向の幅は、上流側の溝部の前記幅より広く、
    前記搬送方向の最下流側に位置する前記溝部と対向する前記液体吐出部には、前記搬送方向の最下流側にて同一種類の液体を吐出するためのすべての前記液体吐出部と、他の種類の液体を吐出するための液体吐出部が含まれていることを特徴とする液体吐出装置。
  7. コンピュータ、このコンピュータに接続され、所定の方向に沿って搬送される媒体に複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が前記媒体の搬送方向に沿って整列されるとともに吐出する前記液体の種類毎に連ねて配設され、前記搬送方向と交差する方向に移動しつつ前記液体を吐出する吐出ヘッドと、
    該吐出ヘッドが移動する際に前記液体吐出部と対向すべく設けられ、前記媒体が沿わされる案内面及び前記吐出ヘッドの移動方向に沿って形成された複数の溝部を有する案内部材と、
    を備え、
    前記搬送方向における前記媒体の上流側又は下流側の端部に液体を吐出すために前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体を吐出する液体吐出装置、を有する液体吐出システムにおいて、
    前記搬送方向の下流側に位置する溝部における前記搬送方向の幅は、上流側の溝部の前記幅より広いことを特徴とする液体吐出システム。
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