JP2005022262A - 液体吐出装置、コンピュータプログラム、液体吐出システム、及び、液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置、コンピュータプログラム、液体吐出システム、及び、液体吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】媒体の端部を余すことなく液体を吐出する際に費やされる時間を短縮することが可能な液体吐出装置等を実現する。
【解決手段】間欠的に搬送される媒体に複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が搬送方向に沿って液体の種類毎に連ねて配設され、搬送方向と交差する方向に移動しつつ液体を吐出する吐出ヘッドと、媒体が案内される案内面及び前記吐出ヘッドの移動方向に沿って形成された複数の溝部を有する案内部材とを備えた液体吐出装置であって、媒体は、隣接する2つの溝部の一方の溝部上を端部が通過する際に第1搬送量にて搬送されつつ、溝部と対向する液体吐出部から液体が吐出された後、溝部間を端部が移動する際に第1搬送量より大きな第2搬送量にて搬送されて、他方の溝部上に端部が移動される。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、媒体に対して液体を吐出する液体吐出装置、コンピュータプログラム、液体吐出システム、及び、液体吐出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
媒体に向けて液体を吐出する液体吐出装置として、例えば用紙等にインクを吐出して印刷するインクジェットプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。インクジェットプリンタには、用紙等の端部まで余白無く印刷する、所謂「縁無し印刷」という印刷機能を有するものがある。この「縁無し印刷」では、用紙等の端部に確実に印刷するために、用紙よりわずかに広い領域にインクを吐出する。このため、インク吐出部と対向して設けられ、用紙を案内する所謂プラテンには溝部が形成され、用紙より外側の領域に吐出されたインクがプラテンの用紙搬送面に付着しないように構成されている。すなわち、用紙の端部における印刷は溝部と対向するインク吐出部のみにて印刷される。
【0003】
このため、複数色のインクを用いて印刷するインクジェットプリンタであって、各色のインクを吐出するノズルがインク色毎に連ねられるとともに、用紙搬送方向に沿って一列に配置されている場合には、各色のインクを吐出するノズル毎にそれぞれ搬送方向の幅が等しい溝がプラテンに形成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−264319号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなインクジェットプリンタにて、縁無し印刷をする場合には、用紙の端部を印刷する際に、溝部と対向するわずかなノズルしか使うことができない。このため、すべてのインク色にて用紙の端部、例えば先端部の印刷が終了するまで、溝部と対向していないノズルを使用することができず、1枚の用紙に印刷するために要する時間が長くなるという課題があった。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、媒体の端部を余すことなく液体を吐出する際に費やされる時間を短縮することが可能な液体吐出装置、コンピュータプログラム、液体吐出システム、及び液体吐出方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための主たる発明は、所定方向に沿って間欠的に搬送される媒体に複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が前記媒体の搬送方向に沿って前記液体の種類毎に連ねて配設され、前記搬送方向と交差する方向に移動しつつ前記液体を吐出する吐出ヘッドと、前記媒体が案内される案内面及び前記吐出ヘッドの移動方向に沿って形成された複数の溝部を有する案内部材と、を備えた液体吐出装置であって、前記媒体は、前記複数の溝部において隣接する2つの溝部のうち、一方の溝部上を前記端部が通過する際に第1搬送量にて搬送されつつ、前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体が吐出された後、前記隣接する2つの溝部間を前記端部が移動する際に前記第1搬送量より大きな第2搬送量にて搬送されて、前記隣接する2つの溝部のうち、他方の溝部上に前記端部が移動されることを特徴とする液体吐出装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本明細書及び添付図面の記載により少なくとも以下の事項が明らかとなる。
所定方向に沿って間欠的に搬送される媒体に複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が前記媒体の搬送方向に沿って前記液体の種類毎に連ねて配設され、前記搬送方向と交差する方向に移動しつつ前記液体を吐出する吐出ヘッドと、前記媒体が案内される案内面及び前記吐出ヘッドの移動方向に沿って形成された複数の溝部を有する案内部材と、を備えた液体吐出装置であって、前記媒体は、前記複数の溝部において隣接する2つの溝部のうち、一方の溝部上を前記端部が通過する際に第1搬送量にて搬送されつつ、前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体が吐出された後、前記隣接する2つの溝部間を前記端部が移動する際に前記第1搬送量より大きな第2搬送量にて搬送されて、前記隣接する2つの溝部のうち、他方の溝部上に前記端部が移動されることを特徴とする液体吐出装置である。
【0009】
このような液体吐出装置によれば、媒体の端部が溝部上を通過する際には、溝部と対向する液体吐出部から液体が吐出されるため、媒体上に吐出されなかった液体は溝部に収容される。このため、媒体が案内される案内面に液体が付着しないので、案内面に沿って搬送される媒体の裏面に液体が付着することなく、媒体の端部に液体を確実に吐出することが可能である。また、このように案内面に液体を付着させることなく媒体の端部に液体を吐出させるためには、溝部と対向する液体吐出部のみから液体を吐出しなければならないため、媒体を溝部の幅より大きな搬送量にて搬送することができない。このため、従来では、搬送された媒体により案内面が覆われるまで溝部の幅より小さな搬送量にて媒体を搬送しており、媒体を出力するまでに多くの時間を費やしていた。ところが、上記液体吐出装置によれば、媒体の端部が隣接する溝部間を移動する際には、溝部上を通過する際より大きな搬送量にて搬送するため、媒体の端部が隣接する溝部間を移動する際の媒体の搬送時間を短縮することが可能である。よって、媒体の裏面に液体を付着させることなく媒体の端部に液体を確実に吐出して、端部まで液体が吐出された媒体を短時間にて出力することが可能である。
【0010】
かかる液体吐出装置であって、前記媒体は、前記端部が前記隣接する2つの溝部間の少なくとも一部の領域を移動する際に前記第2搬送量にて搬送されることが望ましい。
媒体の端部が隣接する2つの溝部間の少なくとも一部の領域を移動する際に第2搬送量にて媒体を搬送することにより、例えば第1搬送量のみにて搬送しつつ液体を吐出する場合より、端部まで液体が吐出された媒体を短時間にて出力することが可能である。また、第2搬送量にて媒体を搬送する領域を、隣接する2つの溝部間の少なくとも一部を端部が移動する際とすることにより、隣接する2つの溝部間を複数回に分けて異なる搬送量にて搬送することが可能である。このため、隣接する2つの溝部間の間隔に適した搬送量に調整して媒体を搬送することが可能であり、複数設けられた溝部上に媒体の端部を確実に移動させることが可能である。
【0011】
かかる液体吐出装置であって、前記媒体が搬送される搬送動作と、前記液体吐出部から液体を吐出する液体吐出動作とを交互に実行することが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、搬送動作と液体吐出動作とを交互に実行するので、溝部と対向する液体吐出部にて狭い領域に液体を吐出する場合には、その液体吐出動作の直前の搬送動作にて、小さい搬送量にて媒体を搬送することが可能である。また、他の液体吐出部も用いて広い領域に液体を吐出する場合には、その液体吐出動作の直前の搬送動作にて、大きな搬送量にて媒体を搬送することが可能である。このため、小さな搬送量による搬送動作が必要な場合のみ小さな搬送量の搬送動作を実行し、端部まで液体が吐出された媒体を短時間にて出力することが可能である。
【0012】
かかる液体吐出装置であって、前記溝部は前記液体吐出部が吐出する前記液体の種類毎に対応させて設けられていることが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、液体の種類毎に対応させて設けられた溝部と対向する液体吐出部を用いて、いずれの種類の液体も媒体の端部に吐出させることが可能である。
【0013】
かかる液体吐出装置であって、同一種類の液体を吐出する複数の液体吐出部のうち、前記溝部と対向していない前記液体吐出部の数は、前記溝部と対向する液体吐出部の数より多いことが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、第2搬送量を第1搬送量よりも確実に大きな搬送量として設定することが可能であり、また、溝部と対向していない液体吐出部にて一度に液体を吐出可能な領域が大きくなる。このため、溝部と対向していない液体吐出部にて液体を吐出した領域分を、第2搬送量として媒体を搬送することにより、大きな搬送量にて媒体を搬送しても、媒体の全域に液体を吐出することが可能である。
【0014】
かかる液体吐出装置であって、前記液体はインクであることが望ましい。
このような液体吐出装置によれば、媒体の裏面にインクを付着させることなく、媒体の端部にインクを確実に吐出して、媒体全体に画像等を印刷することが可能である。
【0015】
また、所定方向に沿って間欠的に搬送される媒体に複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が前記媒体の搬送方向に沿って前記液体の種類毎に連ねて配設され、前記搬送方向と交差する方向に移動しつつ前記液体を吐出する吐出ヘッドと、前記媒体が案内される案内面及び前記吐出ヘッドの移動方向に沿って前記液体の種類毎に対応させて形成された複数の溝部を有する案内部材と、を備えた液体吐出装置であって、前記液体はインクであり、同一種類の液体を吐出する複数の液体吐出部のうち、前記溝部と対向していない前記液体吐出部の数は、前記溝部と対向する液体吐出部の数より多く、前記媒体が搬送される搬送動作と、前記液体吐出部から液体を吐出する液体吐出動作とを交互に実行し、前記媒体は、前記複数の溝部において隣接する2つの溝部のうち、一方の溝部上を前記端部が通過する際に第1搬送量にて搬送されつつ、前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体が吐出された後、前記隣接する2つの溝部間の少なくとも一部の領域を前記端部が移動する際に前記第1搬送量より大きな第2搬送量にて搬送されて、前記隣接する2つの溝部のうち、他方の溝部上に前記端部が移動されることを特徴とする液体吐出装置である。
このような液体吐出装置によれば、上述した効果を奏するため、本発明の目的を最も有効に達成することが可能である。
【0016】
また、所定方向に沿って間欠的に搬送される媒体に複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が前記媒体の搬送方向に沿って前記液体の種類毎に連ねて配設され、前記搬送方向と交差する方向に移動しつつ前記液体を吐出する吐出ヘッドと、前記媒体が案内される案内面及び前記吐出ヘッドの移動方向に沿って形成された複数の溝部を有する案内部材と、を備えた液体吐出装置に、前記複数の溝部において隣接する2つの溝部のうち、一方の溝部上を前記端部が通過する際に第1搬送量にて前記媒体を搬送しつつ、前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体を吐出した後、前記隣接する2つの溝部間を前記端部が移動する際に前記第1搬送量より大きな第2搬送量にて前記媒体を搬送して、前記隣接する2つの溝部のうち、他方の溝部上に前記端部を移動する機能を実現させるためのコンピュータプログラムも実現可能である。
【0017】
また、コンピュータ、このコンピュータに接続され、所定方向に沿って間欠的に搬送される媒体に複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が前記媒体の搬送方向に沿って前記液体の種類毎に連ねて配設され、前記搬送方向と交差する方向に移動しつつ前記液体を吐出する吐出ヘッドと、前記媒体が案内される案内面及び前記吐出ヘッドの移動方向に沿って形成された複数の溝部を有する案内部材と、を備えた液体吐出装置、を有する液体吐出システムであって、前記媒体は、前記複数の溝部において隣接する2つの溝部のうち、一方の溝部上を前記端部が通過する際に第1搬送量にて搬送されつつ、前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体が吐出された後、前記隣接する2つの溝部間を前記端部が移動する際に前記第1搬送量より大きな第2搬送量にて搬送されて、前記隣接する2つの溝部のうち、他方の溝部上に前記端部が移動されることを特徴とする液体吐出システムも実現可能である。
【0018】
また、所定方向に沿って間欠的に搬送される媒体が案内される案内面を有する案内部材に前記媒体の搬送方向と交差する方向に沿って形成された複数の溝部において隣接する2つの溝部のうち、一方の溝部上を前記端部が通過する際に第1搬送量にて媒体を搬送するステップと、前記媒体の前記端部が前記一方の溝部上を通過する間に、複数種類の液体を吐出し前記媒体の搬送方向に沿って前記液体の種類毎に連ねて配設された複数の液体吐出部のうち、前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体を吐出するステップと、前記隣接する2つの溝部間を前記端部が移動する際に前記第1搬送量より大きな第2搬送量にて前記媒体を搬送するステップと、前記隣接する2つの溝部のうち、他方の溝部上に前記端部を移動するステップと、を有することを特徴とする液体吐出方法も実現可能である。
【0019】
===カラープリンタの概略構成===
図1を参照して本実施の形態に係る液体吐出装置としてのカラープリンタの主として外部の概略構成について説明する。図1は本実施の形態に係るカラープリンタの概略構成を示した図である。なお、このカラープリンタ10は、取り外し可能に装着されたロール紙ユニット24とを有している。
【0020】
図1は、液体吐出装置の一例としてのカラープリンタ10を示している。
カラープリンタ10は、カラー画像の出力が可能なプリンタであり、例えば、液体としてのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4色の色インクを、媒体としての印刷用紙等に吐出してドットを形成することによって画像を形成するインクジェット方式のプリンタである。なお、インクとして、上記4色に加えて、ライトシアン(薄いシアン、LC)、ライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)、ダークイエロ(暗いイエロ、DY)の色インク、または発色性や光沢性を高めたり滲みを防止するための特殊なインク等を用いてもよい。
【0021】
図1に示すように、カラープリンタ10は、背面から供給された印刷用紙等の媒体を前面から排出する構造を備えており、前面には操作パネル11、排紙部12が備えられ、背面には給紙部13が備えられている。操作パネル11には、各種操作ボタン111、表示ランプ112が設けられている。排紙部12は、不使用時に排紙口を塞ぐ排紙トレー121が備えられている。給紙部13には、カット紙(図示しない)を保持する給紙トレー131、ロール紙ユニット24を保持するロール紙ユニットホルダ132、133が備えられている。ロール紙ユニット24には、搬送方向に長く形成された印刷用紙が芯材にロール状に巻き付けられており、給紙部13から供給される。
【0022】
===カラープリンタ10の内部構成===
次に、図1〜図4を参照してカラープリンタ10の内部構成について説明する。図2は本実施の形態に係るカラープリンタ10の内部構成を示した図、図3は印刷ヘッド9周辺の配置を示した説明図、図4は印刷用紙搬送機構の駆動部を説明するための説明図である。
【0023】
カラープリンタ10は、図示するように、キャリッジ3に搭載された吐出ヘッドとしての印刷ヘッド9を駆動してインクを吐出するための機構と、このキャリッジ3をキャリッジモータ4によって印刷用紙の搬送方向(以下、副走査方向ともいう)と直交する方向(以下、主走査方向という)に往復動させる機構と、紙送りモータ(以下、PFモータともいう)1によって給紙トレー131(図1参照)及びロール紙ユニット24から供給される印刷用紙32を間欠的に搬送可能とする機構と、制御回路50とを有している。
【0024】
インクを吐出するための機構は、液体吐出部としての複数のノズルnを備えた印刷ヘッド9と、印刷ヘッド9を駆動するためのヘッドドライバ16とを備え、印刷指令信号に基づいて所定のノズルnからインクを吐出させる。印刷ヘッド9の下面9aには、印刷用紙32の搬送方向に沿って、複数のノズルnが列状に配置された複数のノズル列(図6)が、印刷用紙32の搬送方向と直交する主走査方向に2列設けられている。印刷ヘッド9及びノズル配列の詳細は後述する。
【0025】
キャリッジ3を往復動させる機構は、キャリッジ3を駆動するキャリッジモータ(以下、CRモータともいう)4と、キャリッジモータ4を駆動するCRモータドライバ5と、主走査方向に設けられ、キャリッジ3を摺動可能に保持する摺動軸44と、キャリッジ3に固定されたリニア式エンコーダ17と、所定の間隔にスリットが形成されたリニア式エンコーダ用符号板19と、キャリッジモータの回転軸に取付けられたプーリ30と、プーリ30によって駆動されるタイミングベルト31から構成されている。
【0026】
キャリッジ3には、印刷ヘッド9に一体に設けられたカートリッジ装着部が固定され、このカートリッジ装着部には、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)等のインクが収容されたインクカートリッジが装着される。
【0027】
給紙トレー131及びロール紙ユニット24から供給される印刷用紙32を間欠的に搬送可能とする機構は、前記印刷ヘッド9と対向して配置され、印刷用紙32と印刷ヘッド9とが適切な距離となるように印刷用紙32を案内する案内面25dを有する案内部材としてのプラテン25と、このプラテン25に対し印刷用紙32の搬送方向の上流側に設けられ、供給された印刷用紙32をプラテン25に所定の角度にて接触するように搬送する搬送ローラ7と、プラテン25に対し印刷用紙32の搬送方向の下流側に設けられ、搬送ローラ7から外れた印刷用紙32を搬送して排紙するための排紙ローラ8と、搬送ローラ7及び排紙ローラ8を駆動するためのPFモータ1と、PFモータ1を駆動するための紙送りモータドライバ2と、印刷用紙32の搬送量を検出するためのロータリ式エンコーダ15と、印刷用紙32の有無及び印刷用紙32の先端・後端を検出するための用紙検出センサ20とを有している。
PFモータ1は、紙送りモータドライバ2により搬送指令値に基づいて駆動され、必要に応じて補正データテーブルにより与えられる補正値を用いて回転量が補正されることにより印刷用紙32の搬送量が補正される。
【0028】
搬送ローラ7は印刷用紙32の搬送経路下側に設けられており、その上側には搬送ローラ7と対向させて印刷用紙32を保持するための従動ローラ7aが設けられている。排紙ローラ8も印刷用紙32の搬送経路下側に設けられて、その上側に排紙ローラ8と対向させ手印刷用紙32を保持するための従動ローラ8aが設けられているが、排紙ローラ8と対向する従動ローラ8aは薄板でなり外周部に細かな歯が設けられたローラであり、印刷後の印刷用紙32の表面と接触してもインクが擦れないように構成されている。プラテン25の構造については後述する。
また、搬送ローラ7と排紙ローラ8とは、ギア列6により繋げられ、PFモータ1の回転が伝達されて回動され、両ローラ7,8による印刷用紙32の搬送速度は一致している。
【0029】
用紙検知センサ20は、搬送ローラ7より搬送方向の上流側に設けられ、印刷用紙32の搬送経路より高い位置に回動中心を持つレバー20aとその上方に設けられ、発光部と受光部とを有する透過型光センサ20bとで構成されている。レバー20aは、自重によって搬送経路に垂れ下がるように配置され給紙トレー131から供給された印刷用紙32によって回動される作用部20cと、作用部20cと回動中心を挟んで反対側に位置し、発光部と受光部との間を通過するように設けられた遮光部20dとで構成されている。そして、用紙検知センサ20は、供給された印刷用紙32によりレバー20aが押され、印刷用紙32が所定位置に達すると遮光部20dは発光部が発した光を遮るため、印刷用紙32が所定の位置に達したことが検出される。その後、搬送ローラ7により印刷用紙32が搬送されて、印刷用紙32の後端が通過すると、レバー20aは自重又はバネ等の付勢手段によって垂れ下がり、遮光部20dが発光部と受光部との間から外れ、発光部の光が受光部に受光され、印刷用紙32の後端が所定の位置に到達することを検出する。したがって、遮光部20dが発光部の光を遮っている間は、少なくとも搬送経路内に印刷用紙32が存在することが検出される。
【0030】
===制御回路50の内部構造===
制御回路50は、ホストコンピュータ18から供給された信号を受信するバッファメモリ21と、印刷データを格納するイメージバッファ22と、カラープリンタ10全体の動作を制御するコントローラ26と、RAM、ROM、EEPROM等のメモリ27とを備えている。転送された印刷データは、一旦、バッファメモリ21に蓄えられる。カラープリンタ10の操作パネル11や接続されたホストコンピュータ18から印刷指令信号が入力されると、カラープリンタ10内では、印刷指令信号と共に送信された印刷データが、一旦、バッファメモリ21に蓄えられ、コントローラ26が、バッファメモリ21の印刷データの中から必要な情報を読み取り、これに基づいて、CRモータドライバ5、PFモータドライバ2、ヘッドドライバ16に対して制御信号を送る。イメージバッファ22には、バッファメモリ21で受信された複数の色成分の印刷データが格納される。ヘッドドライバ16は、コントローラ26からの制御信号に従って、イメージバッファ22から各色成分の印刷データを読出し、これに応じて印刷ヘッド9に設けられた各色のノズルnを駆動する。
【0031】
===ホストコンピュータの処理===
図5は、ホストコンピュータ18の処理を概略的に説明する図である。同図に示すように、ホストコンピュータ18は、カラープリンタ10に接続されたコンピュータ本体90と、表示装置93とを備えている。なお、カラープリンタ20とコンピュータ本体90とを含む液体吐出システムは、広義の「液体吐出装置」と呼ぶこともできる。
【0032】
コンピュータ本体90では、所定のオペレーティングシステム下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からは、これらのドライバを介して、カラープリンタ10に転送するための印刷データPDが出力される。画像のレタッチなどを行うアプリケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオドライバ91を介して表示装置93に画像を表示している。
【0033】
アプリケーションプログラム95が印刷命令を発すると、コンピュータ本体90のプリンタドライバ96が、画像データをアプリケーションプログラム95から受け取り、これをカラープリンタ10に供給する印刷データPDに変換する。プリンタドライバ96の内部には、解像度変換モジュール97と、色変換モジュール98と、ハーフトーンモジュール99と、ラスタライザ100と、ユーザインターフェース表示モジュール101と、UIプリンタインターフェースモジュール102と、色変換ルックアップテーブルLUTと、が備えられている。
【0034】
解像度変換モジュール97は、アプリケーションプログラム95で形成されたカラー画像データの解像度を、印刷解像度に変換する役割を果たす。こうして解像度変換された画像データは、まだRGBの3つの色成分からなる画像情報である。色変換モジュール98は、色変換ルックアップテーブルLUTを参照しつつ、各画素毎に、RGB画像データを、カラープリンタ10が利用可能な複数のインク色の多階調データに変換する。
【0035】
色変換された多階調データは、例えば256階調の階調値を有している。ハーフトーンモジュール99は、いわゆるハーフトーン処理を実行してハーフトーン画像データを生成する。このハーフトーン画像データは、ラスタライザ100によりカラープリンタ10に転送すべきデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷データPDとしてカラープリンタ10に出力される。印刷データPDは、各主走査時のドットの形成状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示すデータと、を含んでいる。
【0036】
ユーザインターフェース表示モジュール101は、印刷に関係する種々のユーザインターフェースウィンドウを表示する機能と、それらのウィンドウ内におけるユーザの入力を受け取る機能とを有している。
UIプリンタインターフェースモジュール102は、ユーザインターフェース(UI)とカラープリンタ10間のインターフェースとしての機能を有している。ユーザがユーザインターフェースにより指示した命令を解釈して、カラープリンタ10へ各種コマンドCOMを送信したり、逆に、カラープリンタ10から受信したコマンドCOMを解釈して、ユーザインターフェースへ各種表示を行ったりする。
【0037】
なお、プリンタドライバ96は、各種コマンドCOMを送受信する機能、印刷データPDをカラープリンタ10に供給する機能等を実現する。このようなプリンタドライバ96の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、ホストコンピュータ18の内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、ホストコンピュータ18が読み取り可能な種々の媒体を利用できる。また、このようなコンピュータプログラムを、インターネットを介してコンピュータ本体90にダウンロードすることも可能である。
【0038】
なお、例えば、プリンタ10が、コンピュータ本体90、表示装置93等のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、カラープリンタ10が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
【0039】
また、プリンタを制御するコンピュータプログラムが、制御回路50の記憶媒体であるメモリ27に取り込まれていても良い。そして、制御回路50が、メモリ27に格納されたコンピュータプログラムを実行することとしてもよい。
【0040】
===印刷ヘッドのノズル配置例===
図6は、印刷ヘッド9の下面におけるノズルの配列を説明するための図である。印刷ヘッド9の下面には、ブラックノズル列NKと、カラーノズル列としてのイエローノズル列NY、マゼンタノズル列NM、シアンノズル列NCとが形成されている。すなわち、カラーノズル列は、144個のノズルが印刷用紙の搬送方向に沿って整列されるとともに、イエローインクY、マゼンタインクM、シアンインクCを吐出するためのそれぞれ48個のノズルnがインク色毎に連なって配設されている。以下、明細書中および図面では、ノズルnの番号に「#」を付して各ノズルを表す。このカラープリンタ10は、ブラックノズル列NK、イエローノズル列NY、マゼンタノズル列NM、シアンノズル列NCとから、それぞれ単色の画像を形成するように印刷用紙上の所定の位置に向けてインク滴を吐出する。そして、それらの画像が印刷用紙上に重ねて印刷されることで、フルカラー印刷が実現される。
【0041】
ブラックノズル列NKは144個のノズル#1〜#144(白丸)を有している。144個のノズル#1〜#144(白丸)は、図3に示す紙搬送方向に沿って、一直線上に一定の間隔(ノズルピッチk・D)でそれぞれ整列している。また、イエローノズル列NYは48個のノズル#1〜#48(白三角)を有し、マゼンタノズル列NMは48個のノズル#1〜#48(白四角)を有し、シアンノズル列NCは48個のノズル#1〜#48(白菱形)を有している。カラーインク用の144個の各ノズル#1〜#48(白三角、白四角、白菱形)は、図3に示す紙搬送方向に沿って、一直線上に一定の間隔(ノズルピッチk・D)でそれぞれ整列している。すなわち、イエローノズル#48とマゼンタノズル#1との間隔及びマゼンタノズル#48とシアンノズル#1との間隔も、他のノズルnの間隔と同様(ノズルピッチk・D)に形成されている。ここで、Dは、方向における最小のドットピッチ(つまり、印刷用紙32に形成されるドットの最高解像度での間隔)であり、例えば解像度が1440dpiであれば1/1440インチ(約17.65μm)である。また、kは、1以上の整数である。
【0042】
例えば、各ノズルnには、各ノズルnを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子として不図示のピエゾ素子が設けられている。しかし、ピエゾ素子に限定されるものではない。インク室内に配置された発熱抵抗体に電流を流して急速に発熱させることでインク室内のインクを気化させ、その際に発生する気泡(バブル)の圧力でインクをノズルnから吐出させる方法を適用してもよい。
【0043】
なお、印刷時には、印刷用紙32が間欠的に所定の搬送量で副走査方向へ搬送される搬送動作と、この搬送動作の間にキャリッジ3が主走査方向へ移動して各ノズルnからインクを吐出するインク吐出動作とを交互に繰り返し実行する。
【0044】
===印刷ヘッドの駆動===
図7において、駆動信号発生部は、複数のマスク回路204と、原駆動信号発生部206と、駆動信号補正部230とを備えている。マスク回路204は、印刷ヘッド9のノズル#1〜#144をそれぞれ駆動するための複数のピエゾ素子に対応して設けられている。なお、図7において、各信号名の最後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供給されるノズルnの番号を示している。原駆動信号発生部206は、ノズル#1〜#144に共通に用いられる原駆動信号ODRVを生成する。この原駆動信号ODRVは、一画素分の主走査期間内に、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む信号である。駆動信号補正部230は、マスク回路204が整形した駆動信号波形のタイミングを復路全体で前後にずらし補正を行う。この駆動信号波形のタイミングの補正によって、往路と復路におけるインク滴の着弾位置のズレが補正される、すなわち、往路と復路におけるドットの形成位置のズレが補正される。
【0045】
図7に示すように、入力されたシリアル印刷信号PRT(i)は、原駆動信号発生部206から出力される原駆動信号ODRVとともにマスク回路204に入力される。このシリアル印刷信号PRT(i)は、一画素当たり2ビットのシリアル信号であり、その各ビットは、第1パルスW1と第2パルスW2とにそれぞれ対応している。
【0046】
そして、マスク回路204は、シリアル印刷信号PRT(i)のレベルに応じて原駆動信号ODRVをマスクするためのゲートである。すなわち、マスク回路204は、シリアル印刷信号PRT(i)が1レベルのときには原駆動信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて駆動信号DRVとしてピエゾ素子に供給し、一方、シリアル印刷信号PRT(i)が0レベルのときには原駆動信号ODRVの対応するパルスを遮断する。
【0047】
===プラテンの構造===
図8はプラテン25の構造を説明するための模式図である。
プラテン25は、印刷ヘッド9の下面9a、即ちノズルnが設けられている面と対向し、印刷用紙32を接触させて案内する案内面25dを有している。
【0048】
カラープリンタ10は前述したように、イエローノズル列NY、マゼンタノズル列NM、シアンノズル列NCが、印刷用紙の送り方向(副走査方向)に沿って順に配されている。そして、これらノズルnのうち、キャリッジ3が走査した際に、シアンノズル列NCのノズル#1〜#5と、マゼンタノズル列NMのノズル#1〜#5およびイエローノズル列NYのノズル#1〜#5と対向する位置にあるプラテン25の部位には溝部25a、25b、25cが設けられている。すなわち、プラテン25は、主走査方向に沿って形成された3つの溝部25a,25b、25cを有している。
【0049】
印刷用紙32は、先端部及び後端部が溝部25a,25b、25c上に搬送されたときに、各溝部25a,25b、25cと対向するシアンノズル列NCのノズル#1〜#5と、マゼンタノズル列NMのノズル#1〜#5およびイエローノズル列NYのノズル#1〜#5からインクが吐出されて印刷される。
【0050】
3つの溝部25a,25b、25c内には、それぞれ多孔性の合成樹脂などにて形成された吸収材28が設けられており、インクが溝部25a、25b、25cと対向するノズルから吐出され、印刷用紙32上に滴下されない場合には、この吸収材28に吸収される。吸収材28の上面は、プラテン25の案内面25dより十分に低く形成されている。
【0051】
===縁無し印刷の動作===
図9Aはキャリッジが最初に走査する際における印刷用紙の位置を説明するための模式図、図9Bはキャリッジが2回目の走査をする際における印刷用紙の位置を説明するための模式図、図9Cはキャリッジが3回目の走査をする際における印刷用紙の位置を説明するための模式図、図9Dはキャリッジが4回目の走査をする際における印刷用紙の位置を説明するための模式図、図9Eはキャリッジが5回目の走査をする際における印刷用紙の位置を説明するための模式図、図9Fはキャリッジが6回目の走査をする際における印刷用紙の位置を説明するための模式図、図9Gはキャリッジが7回目の走査をする際における印刷用紙の位置を説明するための模式図である。そして、図9A〜図9Gに示した印刷用紙の位置の差が、間欠的に搬送される印刷用紙の搬送量を示している。例えば、図9Aの印刷用紙と図9Bの印刷用紙との位置の差は、キャリッジ3の最初の走査と2回目の走査との間に印刷用紙が搬送される際の搬送量を示しており、図9Bの印刷用紙と図9Cの印刷用紙との位置の差は、キャリッジ3の2回目の走査と3回目の走査との間に印刷用紙が搬送される際の搬送量を示している。図10はプリンタの動作を説明するためのフローチャートである。
【0052】
本実施形態では、イエローインクY、マゼンタインクM、シアンインクCを用い、副走査方向の解像度が360dpiのフルカラー画像を、縁無し印刷する際の動作の一例について説明する。このとき副走査方向におけるノズルピッチは180dpiであり、説明の便宜上印刷用紙の全領域に3色のインクにてドットを形成する画像を、インターレース方式にて印刷することとする。また、図9Aから図9Gは、キャリッジ3の各走査において形成されるドットのイメージを時系列的に示しており、印刷ヘッド9の下端部9aに黒色の矩形にてノズルnの位置を示し、キャリッジ3の各走査時に既に形成されているドットを黒ドットにて、当該走査にて形成されるドットを白ドットにて示している。さらに、説明の便宜上印刷用紙32の直上にシアンインクにより形成されるドットを示し、マゼンタインクにより形成されるドットは、シアンインクにより形成されるドットの上にドットを重ねて示しているが、実際に吐出したインクの状態を示すものではない。
【0053】
ユーザがホストコンピュータ18のユーザインターフェースから所定の画像を縁無し印刷するための指示を入力すると、上述したようにホストコンピュータ18にて、縁無し印刷するための印刷データPD、すなわち指定された印刷用紙のサイズより大きな領域に印刷するための印刷データPDが生成され、カラープリンタ10に送出される。
【0054】
プリンタ10は、印刷データPDに基づいて、給紙トレー131から印刷用紙32を給紙し、搬送ローラ7により設定された頭出し位置に搬送する搬送動作を実行する(S101)。このとき頭出し位置は、印刷用紙32の先端32aが最下流側の溝部25aに上に位置すべく搬送されるように設定されている。すなわち、搬送ローラ7の部品精度、ロータリ式エンコーダ15の精度、PFモータ1などによる搬送精度等を考慮し、これらの精度が悪い場合でも印刷用紙32の先端が溝部25a上にて停止するように設定されている。ここでは、図9Aに示すように、印刷用紙32が最初に搬送された時点では、その先端がシアンノズル#3とシアンノズル#4との間に到達しているものとする。
【0055】
そしてキャリッジ3の最初の走査によりシアンノズル#1〜#5からインクを吐出してシアン画像を印刷するためのインク吐出動作を実行する(S102)。このとき印刷用紙32上には、シアンノズル#4,#5から吐出されたインクによりドットが形成され、印刷用紙32の先端部分には間隔を隔てた2本のラスターラインが形成される(図9A)。ここでラスターラインとは、キャリッジ3の走査時に吐出されたインクにより主走査方向に沿って形成されるドット列を示している。一方、シアンノズル#1〜#3から吐出されたインクは溝部25aの吸収材28に吸収される。すなわち、印刷用紙32の先端を印刷するためのノズルnは溝部25aと対向して設けられているため、シアンノズル#1〜#5から吐出したインクが印刷用紙32に滴下されない場合であっても、吐出したインクがプラテン25の案内面25dに付着することはない。したがって、その後、プラテン25の案内面25dに沿って印刷用紙32が搬送されても、印刷用紙32の裏面がインクにて汚れることはない。
【0056】
キャリッジ3の最初の走査が終了すると、印刷用紙32を5本のラスターライン分(第1搬送量)搬送する搬送動作を実行した後(S103)、キャリッジ3の2回目の走査によりシアンノズル#1〜#5からインクを吐出して5本のラスターラインを形成するインク吐出動作を実行する(104)。このとき、2回目のインク吐出動作により先端側に形成された3本のラスターラインと、最初のインク吐出動作にて形成された2本のラスターラインとの5本ラスターラインによって印刷用紙32の先端部が余白無く印刷され、その上流側にさらに2本のラスターラインが、それぞれ1ラスターライン分の間隔を隔てて形成されている(図9B)。この2回のインク吐出動作により、搬送ローラ7の部品精度、ロータリ式エンコーダ15の精度、PFモータ1などによる搬送精度等にばらつきがあったとしても、印刷用紙32の先端部に余白が形成されることなく確実に印刷されるように設定されている。
【0057】
キャリッジ3の2回目の走査が終了すると、印刷用紙32をさらに5本のラスターライン分(第1搬送量)搬送する搬送動作を実行する(S105)。この搬送動作により、キャリッジ3が走査する際にすべてのシアンノズル#1〜#48と対向する位置にあるプラテン25は、印刷用紙32にて覆われることになる。すなわち、3回目の走査から後端がプラテン25上に到達する前までの間は、すべてのシアンノズル#1〜#48からインクを吐出しても、吐出したシアンインクがプラテン25の案内面25dに付着することはない。このため、印刷速度を高めるべく、1回の走査においてできるだけ多くのノズルからインクを吐出し、その後大きな搬送量にて印刷用紙32を搬送することが望ましい。ところが、3回目の走査の前に大きな搬送量にて印刷用紙を搬送すると、これまでの2回のインク吐出動作にて印刷用紙の先端に印刷した5本のラスターラインと、3回目以降のインク吐出動作にて印刷される領域との間に白紙の領域が発生してしまう。このため、3回目の走査及び4回目のインク吐出動作の前には、印刷用紙32を5ドット分搬送し、3回目のインク吐出動作及び4回目のインク吐出動作時には、すべてのシアンノズル#1〜#48からインクを吐出する。この3回目及び4回目のインク吐出動作により、5回目のインク吐出動作の直前には印刷用紙を大きな搬送量にて搬送することが可能となる。
【0058】
キャリッジ3の2回目の走査の後、印刷用紙32を5本のラスターライン分搬送し、すべてのシアンノズル#1〜#48からインクを吐出するインク吐出動作を実行する(S106)。このインク吐出動作により印刷用紙32には3回目のインク吐出動作により先端側に形成された3本のラスターラインと、2回目までのインク吐出動作にて形成された7本のラスターラインとの10本ラスターラインによって印刷用紙32の先端部が余白無く印刷され、搬送方向の上流側にさらに45本のラスターラインが、それぞれ1ラスタライン分の間隔を隔てて形成される(図9C)。
【0059】
キャリッジ3の3回目の走査の後、印刷用紙32をさらに5ドット分搬送する搬送動作を実行する(S107)。この搬送動作により、シアンノズル#1は、印刷用紙32の先端から11番目のラスターが形成される位置と対向する。そしてキャリッジ3の4回目の走査にてすべてのシアンノズル#1〜#48からインクを吐出するインク吐出動作を実行する(S108)。このインク吐出動作により、4回目のインク吐出動作により先端側に形成された48本のラスターラインのうちの46本のラスターラインと、3回目までのインク吐出動作にて形成された55本のラスターラインとの101本ラスターラインによって印刷用紙32の先端側の領域が余白無く印刷され、搬送方向の上流側にさらに2本のラスターラインが、それぞれ1ラスタライン分の間隔を隔てて形成される(図9D)。
【0060】
キャリッジ3の4回目の走査の後には、キャリッジ3が走査した際にシアンノズル#1〜#48と対向するプラテン25は、印刷用紙32により覆われており、かつ、印刷用紙32の最も先端側に位置する空白行(ラスターラインが形成されていない部分)と、シアンノズル#1とは、92本のラスターライン分間隔を隔てている。このため、4回目の走査後に実行する印刷用紙32の搬送では、印刷用紙32の先端32aを溝部25a上に位置させるように搬送させたこれまでの搬送量より大きな搬送量にて搬送することが可能である。
【0061】
キャリッジ3の4回目の走査の後には、インターレース方式にて印刷することが可能な最大搬送量にて印刷用紙32を搬送する搬送動作を実行する(S109)。ここで、インターレース方式にて印刷可能な搬送量とは、ノズルピッチの間に形成すべきラスターラインを印刷するためにキャリッジが走査する回数(N)と、各色のノズル数(x)とが互いに素となるような搬送量である。本実施形態の例では、ノズルピッチ180dpiの印刷ヘッドにて、副走査方向の解像度360dpiの画像を、1ラスターラインを1回の走査にて形成するため、ノズルピッチの間の走査回数(N)は2であり、各色のノズル数(x)は48である。よって、ノズルピッチの間の走査回数(N)2と、ノズル数(x)48とが、互いに素となる最大搬送量、すなわち47本のラスターライン分だけキャリッジ3の4回目の走査の後に印刷用紙32を搬送する。
【0062】
印刷用紙32を47本のラスターライン分(第2搬送量)搬送することにより、印刷用紙32は、先端から2番目のラスターラインがマゼンタノズル#21と対向する位置まで移動している(図9E)。そして、印刷用紙32の最も先端側に位置する空白行はシアンノズル#23と対向している。このため、キャリッジ3の5回目の走査では、シアンノズル#23〜#48を用いて、26本のラスターラインを形成するインク吐出動作を実行する(S110)。
【0063】
キャリッジ3の5回目の走査時には、前述した通り、印刷用紙32は、先端から2番目のラスターラインがマゼンタノズル#21と対向する位置に位置している。すなわち、印刷用紙32の先端32aと、溝部25bと対向し最上流側に設けられたマゼンタノズル#5とは、30本のラスターライン分間隔を隔てている。ところが、印刷用紙32を30本のラスターライン分搬送するとインターレース方式にて印刷することができない。このため、30本のラスターライン分の搬送量より小さく、かつ、インターレース方式にて印刷可能な最大搬送量、ここでは29ラスターライン分、印刷用紙32を、キャリッジ3の5回目のインク吐出動作後に搬送する搬送動作を実行する(S111)。
【0064】
印刷用紙32を29本のラスターライン分搬送することにより、印刷用紙32は、最先端のラスターラインがマゼンタノズル#6と対向する位置まで移動している(図9F)。そして、印刷用紙32の最も先端側に位置する空白行はシアンノズル#11と対向している。このため、キャリッジ3の6回目の走査では、シアンノズル#11〜#48を用いて38本のラスターラインを形成するインク吐出動作を実行する(S112)。キャリッジ3の6回目の走査時には、印刷用紙の先端は、マゼンタノズル#1〜#5と対向する位置に形成された溝部25b上にさしかかる直前に位置している。このため、キャリッジ3の7回目の走査にて、印刷用紙32の先端部にマゼンタインクを吐出するインク吐出動作を実行する。このときも、キャリッジ3の最初の走査時と同様に、吐出したマゼンタインクがプラテン25の案内面25dに付着しないように、溝部25bと対向するマゼンタノズル#1〜#5のみからインクを吐出する。このため、印刷用紙32の先端32aが溝部25d上に位置するように、キャリッジ3の7回目の走査の直前には、印刷用紙32は5本のラスターライン分(第1搬送量)だけ搬送する搬送動作を実行する(S113)。
【0065】
印刷用紙32を5本のラスターライン分搬送することにより、印刷用紙32は、先端から2本目のラスターラインがマゼンタノズル#4と対向する位置まで移動している(図9G)。そして、印刷用紙32の最も先端側に位置する空白行はシアンノズル#32と対向している。このため、キャリッジ3の7回目の走査では、マゼンタノズル#1〜#5と、シアンノズル#32〜#48を用いて、マゼンタのラスターライン2本とシアンのラスターライン17本のラスターラインを形成するインク吐出動作を実行する(S114)。
【0066】
このように印刷用紙32を間欠的に搬送する搬送動作と、各搬送動作の間にキャリッジ3を走査しつつ適宜所定のノズルからインクを吐出させるインク吐出動作とを交互に実行することにより、シアンインクにより印刷用紙の先端から余白が生じることなくラスターラインが形成される。
【0067】
また、7回目の走査後における印刷用紙の位置とマゼンタノズル列との相対位置と、キャリッジ3の最初の走査後における印刷用紙の位置とシアンノズル列との相対位置と同一となる。すなわち、上記のシアンノズル列を対象とした最初のインク吐出動作から7回目のインク吐出動作を、マゼンタノズル列を対象として実行し、マゼンタノズル列よりインクを吐出して印刷用紙の先端から余白なくラスターラインを形成する(S115)。さらに、キャリッジ3の13回目の走査後における印刷用紙の位置とイエローノズル列との相対位置と、キャリッジ3の最初の走査後における印刷用紙の位置とシアンノズル列との相対位置と同一となる。このため、上記のシアンノズル列を対象とした最初のインク吐出動作から4回目のインク吐出動作を繰り返した後には、プラテン25は、キャリッジ3が走査した際にノズルnと対向する位置が、印刷用紙32にて覆われることになる(S116)。このため、キャリッジ3の18回目の走査からは、47本のラスターライン分印刷用紙を搬送し、シアンノズル列、マゼンタノズル列、イエローノズル列のノズルを有効に駆動して印刷する(S117)。
【0068】
このようなプリンタによれば、印刷用紙の端部まで余白無く印刷する所謂縁無し印刷を実行する際の印刷速度を向上させることが可能である。
例えば、従来のプリンタの一例として、プラテンの案内面が印刷用紙にて覆われるまで、印刷用紙の端部が溝部上を移動する際のように、例えば5本のラスターライン分ずつ搬送する場合と比較する。
【0069】
従来のプリンタも頭出し位置は前述したプリンタ10と同じであるが、搬送された印刷用紙にてノズルと対向する位置にある案内面が覆われるまでの搬送回数が相違する。具体的には、本発明の実施形態にて説明したプリンタ10では、印刷用紙がノズルと対向する位置に設けられている案内面を覆う位置に到達、すなわち溝部25cに印刷用紙32の先端32aが到達するのは、キャリッジ3の18回目の走査後の搬送動作である。一方、搬送量を変えることなく搬送する例として挙げた従来のプリンタでは、印刷用紙の先端がイエローノズルと対向する溝部に到達するまでには、印刷用紙は頭出し位置から96ノズル(イエローノズル#5からシアンノズル#5まで)ピッチ分搬送されなければならない。そして5個のノズルのみにて印刷する際の1回の搬送量は5ドットピッチすなわち2.5ノズルピッチであるから、従来のプリンタにて、印刷用紙の先端がイエローノズルと対向する溝部に到達するまでには、頭出し位置から96/2.5≒39回の搬送動作が行われなければならない。このように、従来のプリンタであれば、ノズルをすべて使用して印刷するまでに39回の微少送り動作を繰り返さなければならないが、本発明の実施形態にて説明したプリンタによれば、微少送り動作は18回で済むことになる。このため縁無し印刷の印刷速度を向上させ、印刷時間を短縮することが可能である。
【0070】
本実施形態においては、印刷用紙の先端に余白が生じないようにインクを吐出する例を示したが、印刷用紙の後端についても同様である、すなわち、印刷用紙の端部が溝部上を通過する際に5本のラスターライン分搬送し、溝部と対向するノズルからインクを吐出し、隣接する溝間を端部が移動する際には、47本及び29本のラスターライン分搬送し、適宜ノズルからインクを吐出することにより印刷用紙の後端においても、従来のプリンタより短時間にて余白が生じないように印刷することが可能である。
【0071】
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき、本発明に係るプリンタ等の液体吐出装置について説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に係る液体吐出装置に含まれるものである。
【0072】
また、本実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部又は全部をソフトウェアによって置き換えてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアによって置き換えてもよい。
また、液体吐出装置側にて行っていた処理の一部をホスト側にて行ってよく、また液体吐出装置とホストの間に専用の処理装置を介設して、この処理装置にて処理の一部を行わせるようにしてもよい。
【0073】
<液体吐出装置について>
本発明の液体吐出装置としては、前述したインクジェットプリンタ等の印刷装置をはじめ、これらの他に、例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造型機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置等に適用することも可能である。
【0074】
<液体について>
本発明の液体としては、前述したインク、例えば染料インクや顔料インクに限定されるものではなく、例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液等を含む(水も含む)を適用することもできる。また、液体の成分については、溶媒として水の他に溶剤など、液体を構成するものを含む。
【0075】
<媒体について>
媒体については、前述した印刷用紙として、普通紙やマット紙、カット紙、光沢紙、ロール紙、用紙、写真用紙、ロールタイプ写真用紙等をはじめ、これらの他に、OHPフィルムや光沢フィルム等のフィルム材や布材、金属板材などであっても構わない。すなわち、液体の吐出対象となり得るものであれば、どのような媒体であっても構わない。
【0076】
===まとめ===
上記実施形態についての説明をまとめる。
【0077】
(1)上述したプリンタ10は、シアン、マゼンタ、イエロー等の異なる種類のインク(液体)を吐出するノズル(液体吐出部)nが、印刷用紙(媒体)32の搬送方向に沿ってインク色毎に連ねて配設された印刷ヘッド(吐出ヘッド)9を有している。印刷ヘッド9は、印刷用紙32の搬送方向と交差する方向に移動しつつノズルnからインクを吐出して印刷用紙32にラスターラインを形成する。印刷用紙32はプラテン(案内部材)25の案内面25dに沿って間欠的に搬送される。プラテン25には、印刷ヘッド25の走査方向に沿う方向に、各インク色のインクを吐出するノズル列NC,NM,NYのノズル#1〜#5と対向する部位に溝部25a,25b、25cが設けられている。
【0078】
この溝部25a,25b、25cは、印刷用紙32の全域にわたって余白無く印刷する場合において、印刷用紙32の端部が溝部上を通過する際に、溝部と対向するノズル#1〜#5のみからインクを吐出することにより、プラテン25の案内面25dにインクを付着させないようにするためのものである。従来のプリンタでは、プラテン25上を印刷用紙の端部が通過する際に、溝部と対向するノズルのみにより印刷していた。すなわち、印刷用紙の端部がプラテン25上に位置する間は、印刷用紙の搬送方向における溝部の幅より小さな搬送量でしか印刷用紙を搬送できないため、印刷用紙の先端部及び後端部を印刷する際に多大な時間を要し、スループットが低下していた。
【0079】
このため、本実施形態のプリンタ10では、複数の溝部25a,25b,25cにおける隣接する2つの溝部(例えば25aと25b)のうち、一方の溝部25aを印刷用紙32の端部が通過する際に、5本のラスターライン分の搬送量(第1搬送量)にて搬送し、溝部25aと対向するシアンノズルNC#1〜#5からシアンインクを吐出した後、隣接する2つの溝部間(25aと25bとの間)を端部が移動する際に、47本及び29本のラスターライン分の搬送量(第2搬送量)にて搬送して、他方の溝部25b上に端部を移動することとしている。上記実施形態においては、印刷用紙32の端部32aが溝部25a,25b,25c上を移動する際の搬送量を5本のラスターライン分の搬送量とし、隣接する溝部間(25aと25bとの間及び25bと25cとの間)を移動する際の搬送量を47本及び29本のラスターライン分の搬送量としたが、これに限るものではなく、ノズル数、ノズルピッチ、溝部の幅、溝部間の距離等を考慮して、プリンタや印刷方法に好適な設定とすることにより高い効果を奏する。
【0080】
本実施形態のプリンタ10によれば、印刷用紙32の端部が溝部25a,25b,25c上を通過する際には、溝部25a,25b,25cと対向するノズル#1〜#5からインクが吐出されるため、印刷用紙32上に吐出されなかったインクは溝部32の吸収材28に収容されることになる。このため、印刷用紙32が案内される案内面25dにインクが付着しないので、案内面25dに沿って搬送された印刷用紙32の裏面にインクを付着させることなく、印刷用紙32の端部にインクを確実に吐出させて所謂縁無し印刷を実行することが可能である。
【0081】
また、本実施形態のプリンタ10によれば、印刷用紙32の端部が隣接する溝部間(25aと25bとの間及び25bと25cとの間)を移動する際には、溝部25a,25b,25c上を通過する際より大きな搬送量(例えば47本のラスターライン分の搬送量)にて印刷用紙32を搬送するため、印刷用紙32の端部が隣接する溝部間(25aと25bとの間及び25bと25cとの間)を移動する際に費やされる印刷用紙の搬送時間を短縮することが可能である。よって、印刷用紙32の裏面にインクを付着させることなく印刷用紙32の端部にインクを確実に吐出して、端部まで画像等が印刷された印刷物を短時間にて出力することが可能である。
【0082】
(2)本実施形態のプリンタ10は、印刷用紙32の端部が隣接する2つの溝部間(25aと25bとの間及び25bと25cとの間)の少なくとも一部の領域を移動する際に5本のラスターライン分の搬送量より大きな搬送量(第2搬送量)にて印刷用紙が搬送されることとしている。このため、印刷用紙32の端部がプラテン25上を移動する間中、例えば5本のラスターライン分の搬送量のみにて搬送しつつインクを吐出するような従来のプリンタ場合より短時間にて、縁無し印刷した印刷物を出力することが可能である。また、5本のラスターライン分の搬送量(第1搬送量)より大きな搬送量(第2搬送量)にて印刷用紙を搬送する領域を、隣接する2つの溝部間の少なくとも一部を端部が移動する際とすることにより、搬送量の設定において自由度を持たせることが可能である。このため、例えば隣接する2つの溝部間(25aと25bとの間及び25bと25cとの間)を複数回に分けて異なる搬送量にて搬送することが可能である。これにより、隣接する2つの溝部間(25aと25bとの間及び25bと25cとの間)の間隔に適した搬送量に調整して印刷用紙32を搬送することが可能となり、複数設けられた溝部25a,25b,25c上に印刷用紙32の端部を確実かつ容易に位置させることが可能である。
【0083】
(3)本実施形態のプリンタ10は、印刷用紙32が搬送される搬送動作と、ノズルnからインクを吐出するインク吐出動作とを交互に実行することとしている。これにより、搬送動作とインク吐出動作とを交互に実行するので、溝部25a,25b,25cと対向するノズル#1〜#5を用いて印刷用紙32の狭い領域に印刷する場合には、そのインク吐出動作の直前の搬送動作にて、小さい搬送量にて印刷用紙32を搬送することが可能である。また、他のノズル#6〜#48も用いて広い領域にインクを吐出した場合には、そのインク吐出動作の直後の搬送動作にて、大きな搬送量にて媒体を搬送することが可能である。このため、例えば5本のラスターライン分の搬送量による搬送動作が必要な場合のみ5本のラスターライン分の搬送量の搬送動作を実行して、縁無し印刷する際のスループットを向上させることが可能である。
【0084】
(4)本実施形態のプリンタ10は、溝部25a,25b,25cはノズルnが吐出するインク色(液体の種類)毎に対応させて設けられていることとしている。このような構成とすることにより、インク色毎に対応させた溝部と対向するノズル#1〜#5を用いて、いずれの色のインクであっても印刷用紙32の端部に吐出させてフルカラーの縁無し印刷を実現することが可能である。
【0085】
(5)本実施形態のプリンタ10は、同一色のインクを吐出する48個のノズル#1〜#48のうち、溝部25a,25b,25cと対向していないノズル#6〜#48の数は、溝部25a,25b,25cと対向するノズル#1〜#5の数より多いこととしている。このような構成とすることにより、案内面25d上を端部が通過する際の搬送量(第2搬送量)を溝部25a,25b,25c上を端部が通過する際の搬送量(第1搬送量)よりも確実に大きな搬送量として設定することが可能であり、また、溝部25a,25b,25cと対向していないノズル#6〜#48にて一度にインクを吐出可能な領域が大きくなる。このため、溝部25a,25b,25cと対向していないノズル#6〜#48にてインクを吐出した領域分を、第2搬送量として印刷用紙32を搬送することにより、大きな搬送量(例えば、47本及び29本のラスターライン分の搬送量)にて印刷用紙32を搬送しても、縁無し印刷を実現することが可能である。
【0086】
【発明の効果】
本発明にあっては、媒体の端部を余すことなく液体を吐出する際に費やされる時間を短縮することが可能な液体吐出装置、コンピュータプログラム、液体吐出システム、及び液体吐出方法を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラープリンタの一実施形態を示す外観図。
【図2】カラープリンタの内部構成を説明するための説明図。
【図3】印刷ヘッド周辺の配置を示した説明図。
【図4】印刷用紙搬送機構の駆動部を説明するための説明図。
【図5】ホストコンピュータ側の処理を説明するための説明図。
【図6】印刷ヘッドにおけるノズルの配列を示す説明図。
【図7】ヘッド駆動回路内の構成を示すブロック図。
【図8】プラテンの構造を説明するための断面図。
【図9】図9Aはキャリッジが最初に走査する際における印刷用紙の位置を説明するための模式図、図9Bはキャリッジが2回目の走査をする際における印刷用紙の位置を説明するための模式図、図9Cはキャリッジが3回目の走査をする際における印刷用紙の位置を説明するための模式図、図9Dはキャリッジが4回目の走査をする際における印刷用紙の位置を説明するための模式図、図9Eはキャリッジが5回目の走査をする際における印刷用紙の位置を説明するための模式図、図9Fはキャリッジが6回目の走査をする際における印刷用紙の位置を説明するための模式図、図9Gはキャリッジが7回目の走査をする際における印刷用紙の位置を説明するための模式図。
【図10】プリンタの動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1 紙送りモータ(PFモータ) 2 紙送りドライバ
3 キャリッジ 4 キャリッジモータ(CRモータ)
5 キャリッジモータドライバ(CRモータドライバ)
7 搬送ローラ 7a 従動ローラ
8 排紙ローラ 8a 従動ローラ
9 印刷ヘッド 9a 印刷ヘッドの下面
10 カラープリンタ 11 操作パネル
111 操作ボタン 112 表示ランプ
12 排紙部 121 排紙トレー
13 給紙部 131 給紙トレー
132 ホルダ 133 ホルダ
15 ロータリ式エンコーダ 16 ヘッドドライバ
17 リニア式エンコーダ 18 ホストコンピュータ
19 リニア式エンコーダ用符号板 20 用紙検出センサ
20a レバー 20b 透過型光センサ
20c 作用部 20d 遮光部
21 バッファメモリ 22 イメージバッファ
24 ロール紙ユニット 25 プラテン
25a 溝部 25b 溝部
25c 溝部 25d 案内面
26 コントローラ 27 メモリ
28 吸収材 30 プーリ
31 タイミングベルト 32 印刷用紙
32a 印刷用紙の先端 44 摺動軸
50 制御回路 90 コンピュータ本体
91 ビデオドライバ 93 表示装置
95 アプリケーションプログラム 96 プリンタドライバ
97 解像度変換モジュール 98 色変換モジュール
99 ハーフトーンモジュール 100 ラスタライザ
101 ユーザインターフェース表示モジュール
102 UIプリンタインターフェースモジュール
204 マスク回路 206 原駆動信号発生部
230 駆動信号補正部 COM コマンド
LUT 色変換ルックアップテーブル n ノズル
NK ブラックノズル列 NY イエローノズル列
NM マゼンタノズル列 NC シアンノズル列
ODRV 原駆動信号 PD 印刷データ

Claims (10)

  1. 所定方向に沿って間欠的に搬送される媒体に複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が前記媒体の搬送方向に沿って前記液体の種類毎に連ねて配設され、前記搬送方向と交差する方向に移動しつつ前記液体を吐出する吐出ヘッドと、
    前記媒体が案内される案内面及び前記吐出ヘッドの移動方向に沿って形成された複数の溝部を有する案内部材と、
    を備えた液体吐出装置であって、
    前記媒体は、前記複数の溝部において隣接する2つの溝部のうち、一方の溝部上を前記端部が通過する際に第1搬送量にて搬送されつつ、前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体が吐出された後、
    前記隣接する2つの溝部間を前記端部が移動する際に前記第1搬送量より大きな第2搬送量にて搬送されて、前記隣接する2つの溝部のうち、他方の溝部上に前記端部が移動されることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記媒体は、前記端部が前記隣接する2つの溝部間の少なくとも一部の領域を移動する際に前記第2搬送量にて搬送されることを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の液体吐出装置であって、
    前記媒体が搬送される搬送動作と、前記液体吐出部から液体を吐出する液体吐出動作とを交互に実行することを特徴とする液体吐出装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記溝部は前記液体吐出部が吐出する前記液体の種類毎に対応させて設けられていることを特徴とする液体吐出装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    同一種類の液体を吐出する複数の液体吐出部のうち、前記溝部と対向していない前記液体吐出部の数は、前記溝部と対向する液体吐出部の数より多いことを特徴とする液体吐出装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記液体はインクであることを特徴とする液体吐出装置。
  7. 所定方向に沿って間欠的に搬送される媒体に複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が前記媒体の搬送方向に沿って前記液体の種類毎に連ねて配設され、前記搬送方向と交差する方向に移動しつつ前記液体を吐出する吐出ヘッドと、
    前記媒体が案内される案内面及び前記吐出ヘッドの移動方向に沿って前記液体の種類毎に対応させて形成された複数の溝部を有する案内部材と、
    を備えた液体吐出装置であって、
    前記液体はインクであり、同一種類の液体を吐出する複数の液体吐出部のうち、前記溝部と対向していない前記液体吐出部の数は、前記溝部と対向する液体吐出部の数より多く、
    前記媒体が搬送される搬送動作と、前記液体吐出部から液体を吐出する液体吐出動作とを交互に実行し、
    前記媒体は、前記複数の溝部において隣接する2つの溝部のうち、一方の溝部上を前記端部が通過する際に第1搬送量にて搬送されつつ、前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体が吐出された後、
    前記隣接する2つの溝部間の少なくとも一部の領域を前記端部が移動する際に前記第1搬送量より大きな第2搬送量にて搬送されて、前記隣接する2つの溝部のうち、他方の溝部上に前記端部が移動されることを特徴とする液体吐出装置。
  8. 所定方向に沿って間欠的に搬送される媒体に複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が前記媒体の搬送方向に沿って前記液体の種類毎に連ねて配設され、前記搬送方向と交差する方向に移動しつつ前記液体を吐出する吐出ヘッドと、
    前記媒体が案内される案内面及び前記吐出ヘッドの移動方向に沿って形成された複数の溝部を有する案内部材と、
    を備えた液体吐出装置に、
    前記複数の溝部において隣接する2つの溝部のうち、一方の溝部上を前記端部が通過する際に第1搬送量にて前記媒体を搬送しつつ、前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体を吐出した後、
    前記隣接する2つの溝部間を前記端部が移動する際に前記第1搬送量より大きな第2搬送量にて前記媒体を搬送して、前記隣接する2つの溝部のうち、他方の溝部上に前記端部を移動する機能を実現させるためのコンピュータプログラム。
  9. コンピュータ、及び、
    このコンピュータに接続され、所定方向に沿って間欠的に搬送される媒体に複数種類の液体を吐出するための複数の液体吐出部が前記媒体の搬送方向に沿って前記液体の種類毎に連ねて配設され、前記搬送方向と交差する方向に移動しつつ前記液体を吐出する吐出ヘッドと、
    前記媒体が案内される案内面及び前記吐出ヘッドの移動方向に沿って形成された複数の溝部を有する案内部材と、
    を備えた液体吐出装置、を有する液体吐出システムであって、
    前記媒体は、前記複数の溝部において隣接する2つの溝部のうち、一方の溝部上を前記端部が通過する際に第1搬送量にて搬送されつつ、前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体が吐出された後、
    前記隣接する2つの溝部間を前記端部が移動する際に前記第1搬送量より大きな第2搬送量にて搬送されて、前記隣接する2つの溝部のうち、他方の溝部上に前記端部が移動されることを特徴とする液体吐出システム。
  10. 所定方向に沿って間欠的に搬送される媒体が案内される案内面を有する案内部材に前記媒体の搬送方向と交差する方向に沿って形成された複数の溝部において隣接する2つの溝部のうち、一方の溝部上を前記端部が通過する際に第1搬送量にて前記媒体を搬送するステップと、
    前記媒体の前記端部が前記一方の溝部上を通過する間に、複数種類の液体を吐出し前記媒体の搬送方向に沿って前記液体の種類毎に連ねて配設された複数の液体吐出部のうち、前記溝部と対向する前記液体吐出部から液体を吐出するステップと、
    前記隣接する2つの溝部間を前記端部が移動する際に前記第1搬送量より大きな第2搬送量にて前記媒体を搬送するステップと、
    前記隣接する2つの溝部のうち、他方の溝部上に前記端部を移動するステップと、
    を有することを特徴とする液体吐出方法。
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