JP2005029660A - 水酸基含有ポリマー粒子の製造方法 - Google Patents

水酸基含有ポリマー粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、従来の水酸基含有粒子の製造方法に見られるように、特殊な原料や反応性官能基を有する単量体を必要としない安価で、安全性が高く、複雑な操作を必要とすることなく、水酸基量の制御が容易で、しかも粒子物性に悪影響を与える官能基の残存がない水酸基含有ポリマー粒子の製造方法を提供することにある。
【解決手段】下記一般式(I)で表される(メタ)アクリレート重合体を有する架橋ポリマー粒子と、含金属エステル交換反応用触媒の存在下、少なくとも2個の水酸基を有する化合物、及び少なくとも1個の一級アミノ基と少なくとも1個の水酸基とを有する化合物、から選択される1種以上とを反応させることにより得られる水酸基含有ポリマー粒子の製造方法。
【化1】
Figure 2005029660

【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、診断薬および医薬品担体、クロマトグラフィ担体、粘性調整剤、樹脂成形材料、塗料添加剤、架橋/硬化剤および化粧品添加剤のような用途に好適に使用可能な水酸基を有する架橋ポリマー粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水酸基を有するポリマー粒子の製造方法として、水酸基に変換しうる官能基を有する単量体をあらかじめ水性媒体中で懸濁重合し粒子化した後、該官能基を水酸基に変換する方法、あるいは、反応性官能基を有する架橋ポリマー粒子を作製し、該反応性官能基と反応して粒子に結合する水酸基含有化合物とを反応させることによって水酸基を粒子に導入する方法とがある。
【0003】
前者の公知例として、例えば、ペンタエリスリトールジメタクリレートの単独水性懸濁重合あるいはペンタエリスリトールジメタクリレートと親水性基及び/または親水性基に変性し得る基を有するメタクリレートモノマーとの水性懸濁共重合により得られる多孔性球状分離担体が示されている(例えば、特許文献1参照。)が、ペンタエリスリトールジメタクリレートは工業的に量産されていないため、原料のペンタエリスリトールジメタクリレートの製造から行なわねばならず操作が複雑である。
【0004】
また、カルボン酸ビニルエステル単量体とイソシアヌレート環を有する架橋性単量体との共重合で得られた共重合体のエステル基をケン化して水酸基に変換する方法が示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、カルボン酸ビニルエステルをケン化して得られる水酸基は主鎖に直結したポリビニルアルコール型の水酸基に限られ、水酸基周辺の化学構造を改変することができないという欠点がある。またアルカリで加水分解した後、粒子中からカルボン酸塩を除去することは容易ではなく、そのため操作が煩雑になるという欠点があった。
【0005】
前記後者の例として、グリシジル基を有するメタ(アクリル)酸エステルの架橋共重合体をポリエチレングリコールまたはグリセリンで開環反応させて水酸基を有する親水性分離担体を製造する方法が示されている(例えば、特許文献3参照。)が、グリシジル基のような反応性官能基は副反応を起こしやすく、水酸基量を制御することが難しく、目的とする粒子の物性に悪い影響を与えるという問題があった。さらに、グリシジル基を有するメタ(アクリル)酸エステルは有毒であり、安全衛生上も好ましくない。
【0006】
また、エポキシ基(例えば、グリシジル基)、水酸基、カルボン酸基から選ばれる反応性官能基を有する架橋重合体微粒子にポリエチレングリコールを反応させる方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、製法上、ポリエチレングリコールに起因する水酸基と、もともと粒子中にあった水酸基、カルボン酸基が粒子中に混在することになり、目的とする水酸基量の制御あるいは求める粒子物性の制御は困難である。エポキシ基(例えば、グリシジル基)については前述のグリシジル基と同じ問題がある。
このように水酸基を含有するポリマー粒子を得るための従来の製造法には課題があった。
【0007】
【特許文献1】
特公昭61−36177号公報
【特許文献2】
特公平2−19902号公報
【特許文献3】
特開昭60−96605号公報
【特許文献4】
特開平5−1106号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、従来の水酸基含有粒子の製造方法に見られるように、特殊な原料や反応性官能基を有する単量体を必要としない安価で、安全性が高く、複雑な操作を必要とすることなく、水酸基量の制御が容易で、しかも粒子物性に悪影響を与える官能基の残存がない水酸基含有ポリマー粒子の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、
<1> 下記一般式(I)で表される(メタ)アクリレート重合体を有する架橋ポリマー粒子を、含金属エステル交換反応用触媒の存在下、少なくとも2個の水酸基を有する化合物、及び少なくとも1個の一級アミノ基と少なくとも1個の水酸基とを有する化合物、から選択される1種以上とを反応させることにより得られる水酸基含有ポリマー粒子の製造方法
【0010】
【化2】
Figure 2005029660
[式中、R1は水素原子またはメチル基、R2〜R4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1から12の置換もしくは無置換のアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。nは1以上の整数を表す。]
<2> 前記反応において、前記一般式(I)で表される(メタ)アクリレート重合体を含有する架橋ポリマー粒子を膨潤させうる非反応性溶媒を用いることを特徴とする上記<1>に記載の水酸基含有ポリマー粒子の製造方法。
<3> 前記一般式(I)で表される(メタ)アクリレート重合体がt−ブチル(メタ)アクリレートの重合体であり、かつ、前記含金属エステル交換反応用触媒がチタニウムテトラアルコキシドであることを特徴とする上記<1>または<2>に記載の水酸基含有ポリマー粒子の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の水酸基含有ポリマー粒子の製造方法は、(メタ)アクリレート重合体を有する架橋ポリマー粒子と、含金属エステル交換反応用触媒の存在下、少なくとも2個の水酸基を有する化合物、及び少なくとも1個の一級アミノ基と少なくとも1個の水酸基とを有する化合物、から選択される1種以上とを反応させることを特徴とする。
【0012】
ここで「(メタ)アクリレート」とは、常用されるように「アクリル酸エステル」および「メタクリル酸エステル」を意味する。
本発明の製造方法により、特殊な原料や反応性官能基を有する単量体を必要としない安価で、安全性が高く、複雑な操作を必要とすることなく、水酸基量の制御が容易で、しかも粒子物性に悪影響を与える官能基の残存がない水酸基含有ポリマー粒子を提供することができる。
【0013】
以下、本発明を具体的に説明する。
【0014】
<架橋ポリマー粒子>
本発明に用いられる架橋ポリマー粒子は、下記一般式(I)で表される(メタ)アクリレート重合体を構成成分として有する。
【0015】
【化3】
Figure 2005029660
式中、R1は水素原子またはメチル基、R2〜R4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1から12の置換もしくは無置換のアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。nは1以上の整数を表す。
【0016】
前記一般式(I)で表される(メタ)アクリレート重合体において、R2〜R4のアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基であり、無置換でも置換基を有していても良く、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ベンジル等が挙げられ、メチル、エチル、プロピル、ベンジルが好ましく、メチルがより好ましい。
【0017】
前記アリール基としては、炭素数1〜12のアリール基であり、無置換でも置換基を有していても良く、例えば、フェニル、ナフチル、トリル、p−n−オクチルオキシフェニル等が挙げられるが、フェニルが好ましい。nは、1以上の整数を表す。
【0018】
前記置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基等が挙げられる。
該アルキル基としては、前記R2〜4を表すアルキル基の場合と同義である。
該アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等が挙げられ、メトキシ、エトキシが好ましい。
該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、フッ素原子、塩素原子が好ましい。
該アリール基としては、前記R2〜R4を表すアリール基の場合と同義である。
【0019】
前記一般式(I)で表される(メタ)アクリレート重合体の具体例としては、t−ブチル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチルプロピル(メタ)アクリレート、1,1,2−トリメチルプロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジエチルプロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチルヘキシル(メタ)アクリレート、1−メチル−1−フェニルエチル(メタ)アクリレートなどの単量体の重合体が挙げられる。これらの中でも特にt−ブチル(メタ)アクリレートの重合体が、その単量体の入手性、価格、反応性の点で好ましい。
【0020】
本発明の架橋ポリマー粒子は、具体的には、前記単量体と、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−([1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(メタ)アクリレート等の架橋性を有する単量体とを共重合することによって得られ、重合時に架橋構造とするか、重合によるポリマー粒子化した後に架橋させてもよい。
【0021】
また、前記架橋ポリマー粒子は、上記単量体の重合体成分の他に、他の単量体を共重合させても得ることができる。その重合体がエステル交換能力がないかあっても弱い単量体を、上記単量体と共重合させ、その共重合比を変えることで粒子の水酸基を制御することができる。この目的に好適な前記他の単量体としては、スチレン、メチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0022】
さらに架橋ポリマー粒子の着色を目的に、公知の染料、顔料、カーボンブラック、磁性粉などを添加することも可能である。
また、前記単量体とともに、トルエン、オクタン、シクロヘキサノン、ジブチルフタレート、ラウリルアルコール等の非重合性の添加剤を入れ、重合後に抽出除去して粒子を多孔質とすることも可能である。
【0023】
本発明の水酸基含有架橋ポリマー粒子は、特殊な反応性官能基を有さないので添加剤や溶媒との反応、残存による粒子物性への悪影響が全くないか、きわめて少ないという利点がある。
【0024】
<2個の水酸基を有する化合物>
本発明における2個の水酸基を有する化合物は、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有する化合物であって、2個以上の水酸基を有するものであれば良い。
【0025】
それらの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、ポリグリセリン、p−キシレンα,α−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール 、p−ヒドロキシフェニルエタノール、2,2’−イミノジエタノール、N−メチルジエタノールアミン、2−ヒドロキシエチルジスルフィド、2,2’−チオジエタノール、2,2’,2’’−ニトリロトリエタノール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2’’−ニトリロトリエタノール等のいわゆるアルコール化合物などを挙げることができる。
【0026】
<少なくとも1個の一級アミノ基と少なくとも1個の水酸基とを有する化合物>
また、一方、少なくとも1個の一級アミノ基と少なくとも1個の水酸基とを有する化合物とは、一分子中に水酸基の他に一個以上のアミノ基を有し、そのうちの少なくとも1個は一級アミノ基である化合物であり、具体的には、アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、N−アミノエチルエタノールアミン、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、N−アミノエチルエタノールアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、アミノベンジルアルコール、アミノフェネチルアルコール、アミノフェノールなどのいわゆるアミノアルコール化合物などをあげることができる。
【0027】
本発明では、上記アルコール化合物あるいはアミノアルコール化合物の水酸基もしくはアミノ基が、前述の(メタ)アクリル重合体のエステル部とエステル交換することによりポリマー粒子と結合し、他端の水酸基が残り水酸基含有ポリマー粒子となるのである。エステル交換をスムーズに進行させるため、該ポリマー粒子に含まれる該官能基の総モル量に対し等量以上の上記アルコール化合物あるいはアミノアルコール化合物を反応させることが好ましいが、実際にはポリマー粒子中の全ての官能基がエステル交換するわけではないので等量以下であってもかまわない。
また、使用する前記アルコール化合物あるいはアミノアルコール化合物の量を調整することにより、水酸基含有量の調整をすることができる。
【0028】
<含金属エステル交換反応用触媒>
本発明で添加する含金属エステル交換反応用触媒は、ポリエステル合成時に使用される、いわゆるエステル交換触媒が好適に利用できる。
例えば、酢酸鉛、酢酸亜鉛、アセチルアセトネート亜鉛、酢酸カドニウム、酢酸マンガン、マンガンアセチルアセトネート、酢酸コバルト、コバルトアセチルアセトネート、酢酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトネート、酢酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、酢酸チタン、テトラブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート、チタニウムオキシアセチルアセトネート、酢酸鉄、アセチルアセトネート鉄、酢酸ニオブなどの遷移金属化合物、ジブチルスズオキシド、モノブチルヒドロキシスズオキサイド、ジブチルスズジラウレート、三酸化アンチモン、酸化ゲルマニウム、炭酸ビスマスオキシド、酢酸ビスマスオキシドなどの典型金属化合物があげられる。
また、酢酸マグネシウム、酢酸リチウム、酢酸カルシウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム,炭酸セシウムなどのアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物、さらに、酢酸ランタン、酢酸サマリウム、酢酸ユウロピウム、酢酸エルビウム、酢酸イッテルビウムなどの希土類化合物も用いることができる。
【0029】
これらの触媒は、単独で用いても、2種以上組合せて用いてもよい。この中でも、チタニウムテトラアルコキシドが溶媒への溶解性、反応性の点でより好ましい。チタニウムテトラアルコキシドとしては、例えば、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタン、テトラ−第二−ブトキシチタン、テトラ−n−アミルオキシチタン、トリイソアミルオキシイソプロポキシチタンなどが挙げられる。
【0030】
前記架橋ポリマー粒子に対する触媒の添加量(含有量)は、粒子総重量100質量部に対して、通常0.01〜50質量部が用いられる。好ましくは0.1〜20質量部、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。
触媒を0.01〜50質量部の範囲とすることにより、水酸基が導入し易くなり、反応後の触媒の除去も有利に進行させることができる。
【0031】
本発明において、架橋ポリマー粒子を得る粒子化には公知の方法が利用でき、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、シード重合法等が好適に用いられる。さらに、膜乳化法として知られる乳化方法を使って懸濁重合することもできる。
【0032】
前記重合には、必要に応じて、当業者には周知の重合開始触媒を用いることができる。
具体的には、ジアシルパーオキサイド、ケトンパーオキサイドおよびアルキルハイドロパーオキサイドのような有機過酸化物;過酸化水素およびオゾンのような無機過酸化物;およびアゾビスバレロニトリル(AIBN;和光純薬社よりV−60として入手可能)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(和光純薬社よりV−59として入手可能)および2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社よりV−65として入手可能)のような油溶性アゾ系有機化合物;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二酸塩(和光純薬社よりV−50として入手可能)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](和光純薬社よりVA−086として入手可能)および2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二酸塩(和光純薬社よりVA−044として入手可能)のような水溶性アゾ系有機化合物が挙げられる。重合開始剤を用いる場合は、それらは重合が良好に開始されるのに充分な量で用いられる。このような量は当業者に周知である。一般には、0.1〜5.0質量%の量で用いることが好ましい。
【0033】
架橋ポリマー粒子の架橋度が高い場合には、反応促進の目的でポリマー粒子を膨潤させうる非反応性溶媒を助溶剤として添加することが好ましい。例えば、キシレン、メシチレン、ジエチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ジメチルナフタレン、シメン、ジメトキシベンゼンなどの芳香族化合物、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーエル、フェネトール、ブチルフェニルエーテルなどのエーテル化合物、アセトフェノン、イソホロン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどのケトン化合物、ジクロロベンゼン、クロロトルエン、ジクロロトルエンなどのハロゲン化合物があげられるが、前記目的を達成する非反応性溶媒であればいずれでも使用できる。この中でも、特に、キシレン、メシチレン、ジメトキシベンゼンなどの芳香族化合物が反応性の点で好ましい。
【0034】
本発明において、架橋ポリマー粒子と、アルコール化合物およびアミノアルコール化合物から選択される1以上の化合物との反応割合は、架橋ポリマー粒子のエステル部の組み合わせ及びこれら官能基の導入量により異なるが、基本的には架橋ポリマー粒子の重量の約2倍から10倍量の上記化合物を用い、必要に応じて用いられる上記非反応性溶媒中、120℃から200℃の反応条件で、5〜24時間程度加熱して反応させることにより、水酸基含有架橋ポリマー粒子を得ることができる。これらの添加量を調節することによって、容易に水酸基量の制御が可能である。
【0035】
ここで、水酸基導入量の再現性の面で、あらかじめ反応前に粒子を分級処理し、粒径をそろえてから反応させることが望ましい。こうして得られた水酸基含有架橋ポリマー粒子は、メタノール等の溶媒に希釈分散させ、濾別し、更に水洗及び/又は溶剤洗浄の後、噴霧乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥等の通常の手段によって粉体として単離することができる。
【0036】
また、大気下のみならず、加圧下においても、反応させることができるが、これらのその他の反応条件は、必要に応じて適用されるもので、特に限定されるものでははい。
【0037】
前記操作により得られた水酸基含有架橋ポリマー粒子における水酸基量は、一般的な滴定法により求めることができる。
例えば、架橋ポリマーを無水酢酸のピリジン溶液等の試薬を一定量加え、加熱して、水を加えて加水分解し、遠心分離機により粒子と上澄みとに分ける。上澄みをフェノールフタレイン等の指示薬を用いて、エタノール性水酸化カリウム溶液等で滴定することにより、その水酸基量を求めることができる。
【0038】
本発明の製造方法により得られた水酸基含有架橋ポリマー粒子は、診断薬および医薬品担体、クロマトグラフィ担体、粘性調整剤、樹脂成形材料、塗料添加剤、架橋/硬化剤および化粧品添加剤のような用途に好適に使用可能である。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、部は質量部を示す。
【0040】
(参考例1):架橋ポリマー粒子の合成
t−ブチルメタクリレート(和光純薬(株)製)100部、ジビニルベンゼン(純度55%)5部を用いて懸濁重合を行い、分級操作を施し平均粒径15μmの架橋ポリマー粒子を得た。得られた粒子をイオン交換水及び溶剤で洗浄後、単離乾燥して架橋ポリマー粒子を得た。
【0041】
(参考例2):比較用架橋ポリマー粒子の合成
メチルメタクリレート(東京化成(株)製)70部、ジビニルベンゼン(純度55%)5部を用いて懸濁重合を行い、分級操作を施し平均粒径15μm の架橋ポリマー粒子を得た。得られた粒子をイオン交換水及び溶剤で洗浄後、単離乾燥して架橋ポリマー粒子を得た。
【0042】
(実施例1)
参考例1で得られた架橋ポリマー粒子10部をポリエチレングリコール200(和光純薬(株)製)50部に分散させ、メシチレン(和光純薬(株)製)15部を加え、窒素雰囲気下テトラ−n−プロポキシチタンを0.2部滴下し、14時間還流下反応させた。
得られた粒子をメタノールに分散/洗浄し、さらにイオン交換水及び溶剤で洗浄後、単離乾燥して水酸基含有ポリマー粒子を得た。
このようにして得られた水酸基含有ポリマー粒子の水酸基量を以下の方法で測定した。
【0043】
粒子をキャップ付き試験管に秤量し、あらかじめ調製した無水酢酸(和光純薬(株)製)のピリジン(和光純薬(株)製)溶液を一定量加え、95度の温度条件で24時間加熱した。
さらに、蒸留水を加えて試験管中の無水酢酸を加水分解させた後、3000rpmで5分間遠心分離して粒子と上澄みに分けた。粒子をさらにエタノール(和光純薬(株)製)で超音波分散と遠心分離を繰り返し洗浄し、上澄みと洗浄液とをコニカルビーカーに集め、指示薬にフェノールフタレイン(和光純薬(株)製)を用いて0.1Mのエタノール性水酸化カリウム溶液(和光純薬(株)製)で滴定した。
粒子を用いないブランク実験も行い、その差分から下式に従って水酸基量(Ammol/g)を算出した。
A=((B−C)×0.1×f)/w
ここで、Bはブランク実験での滴下量(ml)、Cはサンプルの滴下量(ml)、fは水酸化カリウム溶液のファクター、wは粒子の重量(g)である。
この水酸基含有ポリマー粒子の水酸基量は1.6mmol/gであった。
【0044】
(実施例2)
参考例1で得られた架橋ポリマー粒子10部をp−キシレンα,α−ジオール50部の加熱溶融液中に分散させ、窒素雰囲気下テトラ−n−プロポキシチタン0.2部を加えて、14時間170℃で反応させた。得られた微粒子をメタノールに分散/洗浄しさらにイオン交換水及び溶剤で洗浄後、単離乾燥して水酸基含有ポリマー粒子を得た。このようにして得られた水酸基含有ポリマー粒子の水酸基量を実施例1と同じ方法で測定を行ったところ、この粒子の水酸基量は2.4mmol/gであった。
【0045】
(比較例1)
実施例1において、触媒を入れない以外は、実施例1と全く同じ処理を行い比較の粒子を得た。
この粒子の水酸基量を実施例1と同じ方法で測定を行ったところ、水酸基は全く測定されなかった。
【0046】
(比較例2)
実施例1において、参考例2で得られた架橋ポリマー粒子を用いて行った以外は、実施例1と全く同じ処理を行い比較の粒子を得た。
この粒子の水酸基量を実施例1と同じ方法で測定を行ったところ、水酸基は全く測定されなかった。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、特殊な原料や反応性官能基を有する単量体を必要としない安価で、安全性が高く、複雑な操作を必要とすることなく、水酸基量の制御が容易で、しかも粒子物性に悪影響を与える官能基の残存がない水酸基含有ポリマー粒子の製造方法を提供することができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(I)で表される(メタ)アクリレート重合体を有する架橋ポリマー粒子を、含金属エステル交換反応用触媒の存在下、少なくとも2個の水酸基を有する化合物、及び少なくとも1個の一級アミノ基と少なくとも1個の水酸基とを有する化合物、から選択される1種以上とを反応させることにより得られる水酸基含有ポリマー粒子の製造方法。
    Figure 2005029660
    [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2〜R4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1から12の置換もしくは無置換のアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。nは1以上の整数を表す。]
  2. 前記反応において、前記一般式(I)で表される(メタ)アクリレート重合体を含有する架橋ポリマー粒子を膨潤させうる非反応性溶媒を用いることを特徴とする請求項1に記載の水酸基含有ポリマー粒子の製造方法。
  3. 前記一般式(I)で表される(メタ)アクリレート重合体がt−ブチル(メタ)アクリレートの重合体であり、かつ、前記含金属エステル交換反応用触媒がチタニウムテトラアルコキシドであることを特徴とする請求項1または2に記載の水酸基含有ポリマー粒子の製造方法。
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