JP4770148B2 - 重合体粒子、その製造方法、及び、アフィニティ分子固定材料 - Google Patents

重合体粒子、その製造方法、及び、アフィニティ分子固定材料 Download PDF

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Description

本発明は、クロマトグラフィー担体、免疫沈降担体、タンパク質収集用ビーズ、細胞収集用ビーズ、フローサイトメトリー担体、診断薬、医薬品担体、プロテインチップ、DNAチップ、バイオリアクター、バイオセンサー、バイオフィルター等の用途に好適に使用可能な重合体粒子、その製造方法、及びアフィニティ分子固定材料に関する。
近年、ペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド等生体分子の活性を保持したまま粒子や平板に固定し、そのアフィニティー性を利用して生体分子の収集や検出に使う試みが増えている。例えばアフィニティークロマトグラフィー、細胞収集用磁気ビーズ、フローサイトメトリー用診断ビーズ、DNAチップ、プロテインチップなどがある。中でも抗体を担体に固定して抗原を検出したり、抗原を固定して抗体を精製したりする場合には、固定するタンパク質を還元し、中に含まれるCysのSH基で固定する方法や、生体分子にSH基を有する低分子を結合させてからそのSH基で固定する方法が良く用いられる。
これに関して一般的に用いられている方法の1つとして、担体の硫黄原子に、固定する分子に含まれるCysの硫黄をS−Sで共有結合させる方法がある(例えば、非特許文献1参照。)。例えばアマシャムバイオサイエンス社のチオールセパロース担体は、アガロース粒子にグルタチオンを付加し、そのCysの硫黄に2、2’−ジピリジルジスルフィドをS−S結合させたものである。これに還元されたSH基を持つタンパク質を混合すると、2、2’−ジピリジルジスルフィド分子がタンパク質を置き換わり、担体上にタンパク質がS−S結合で固定される。ところがS−S結合は他にSH基があると容易に置き換わってしまうために、用途が限られてしまう。またアガロース粒子の場合種類によってはタンパク質が物理吸着してしまうので、非特異的吸着を避けるためにブロッキング操作など必要となる。
またSH基をもつタンパク質を固定化するもう一つの方法として、Sulfo−SMCC(sulfosuccinimidyl−4−(N−maleimidomethyl)cyclohexane−1−carbosylate)等の二官能性試薬を用いてことがある(例えば、非特許文献2参照。)。これは担体側のNH基に二官能性試薬のスルフォサクシイミド基側とを反応させて付加することにより、二官能性試薬のもう片側のマレイミジル基が担体表面に現れる。マレイミジル基はSH基と常温で容易に反応し、その後安定して保持される。しかしこの方法で用いるSulfo−SMCC等の二官能性試薬は安価でないこと、担体と二官能性試薬の反応、それとタンパク質の反応、と操作が2段階必要である。
アフィニティークロマトグラフィーハンドブック(アマシャムバイオサイエンス(株)),p81 Immobilized Affinity Ligand Techniques(ACADEMIC PRESS,INC.刊),p45
そこで本発明の課題は、生体分子固定後もその活性が保たれ、物理吸着性が低く、さらに特殊な試薬を用いる等の複雑な操作をすることなくSH基をもつ分子を強固に固定でき、固定分子と反応した後は安定で、かつ安価で安全性が高い重合体粒子、その製造方法、及びアフィニティ分子固定材料を提供することを目的とする。
上記課題に対して、本発明者らは、ポリマーに直接マレイミジル基を結合させることを試みてきた。これによるとSH基をもつ分子はマレイミジル基に直接結合するため、強固で、操作が単純で、比較的安価に固定化を行うことが出来る。
しかしマレイミジル基直結法においては、担体材料によって固定化された分子の活性が失われてアフィニティー特性が発揮されない場合が多い。また他の分子が物理吸着して非特異的吸着が起こりやすく、ブロッキング操作が必要になることが多い。ましてやアフィニティー特性と低物理吸着性を同時に実現することは困難であった。
そこで、マレイミジル基直結法の利点を活かしつつ、生体分子固定後の活性が維持され、かつ物理吸着性が低いマレイミジル基含有ポリマーで構成される重合体粒子およびその製造方法について鋭意研究を重ねた。その結果、下記に示す発明に至った。
<1> スチレンとt−ブチルメタクリレート共重合モル0:90〜70:30で架橋剤により架橋されてなる粒子の少なくとも一部が、下記一般式1で表されるマレイミジル基を含む官能基で置換された重合体粒子
> 磁性材料が分散されてなる磁性材料含有粒子であることを特徴とする前記<>に記載の重合体粒子。
> スチレンとt−ブチルメタクリレートとの共重合モル比が10:90〜70:30の共重合体粒子に、p−キシレン−α,α’−ジオールを導入した後、N−ヒドロキシメチルマレイミドと脱水反応させる前記<1>に記載の重合体粒子の製造方法。
> 10:90〜70:30のモル比のスチレン及びt−ブチルメタクリレートに、磁性材料を分散した後、該スチレンと該t−ブチルメタクリレートとを共重合させて、磁性材料含有の共重合体粒子を製造することを特徴とする前記<>に記載の重合体粒子の製造方法。
> 前記共重合体粒子に、p−キシレン−α,α’−ジオールを導入した後、N−ヒドロキシメチルマレイミドと脱水反応させた粒子を膨潤させた後、磁性材料を分散して、磁性材料含有の共重合体粒子を製造することを特徴とする前記<>に記載の重合体粒子の製造方法。
> 前記<1>又は前記<2>に記載の重合体粒子を用いるアフィニティ分子固定材料。
> 前記<1>に記載の重合体粒子にペプチド、タンパク質、DNA、RNA及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種であってSH基を含む分子を結合させた化合物を用いる前記<6>に記載のアフィニティ分子固定材料。
特に本発明のポリマーの製造方法はスチレンとt−ブチルメタクリレート共重合ポリマーにp−キシレン−α,α’−ジオールを導入して得られた水酸基含有ポリマーに、さらにN−ヒドロキシメチルマレイミドを反応させることを特徴とする。
スチレンは疎水性が強く、t−ブチルメタクリレートは比較的親水性である。スチレンとt−ブチルメタクリレートの共重合比率を10:90以下にすると親水性が強まりすぎて、固定化した生体分子にカップリングすべき分子が粒子の近くに留まり難く、結果として活性が低下する。一方、共重合比率が70:30を超えると疎水性が強まりすぎて物理吸着しやすくなり、分子の固定化を阻害したり、非特異的吸着の原因となる。疎水性と親水性の均整のとれる比率が、10:90から70:30であると考える。すなわち、このような比率とすることで、生体分子の物理吸着が起こりにくく、かつ一般式(1)で示されるマレイミジル基部に生体分子を固定化しても活性を保つことができる。
本発明に因れば、生体分子を固定化しても活性を保つことができるポリマー又は粒子を提供することができ、該ポリマー又は粒子を製造する方法の提供も行うことが可能となる。
本発明のポリマーは、スチレンとt−ブチルメタクリレート共重合ポリマーを骨格とし、一般式(1)で表されるマレイミジル基を含む官能基で一部置換されていることを特徴とする。
また、本発明のポリマーの製造方法は、スチレンとt−ブチルメタクリレート共重合ポリマーにp−キシレン−α,α’−ジオールを導入して得られた水酸基含有ポリマーに、さらにN−ヒドロキシメチルマレイミドを反応させることを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
<スチレンとt−ブチルメタクリレートとの共重合体>
本発明にかかるポリマーは、スチレンとt−ブチルメタアクリレートの共重合体(以下、「共重合体」と称する場合有り。)を骨格とする。スチレンとt−ブチルメタアクリレートのモル比は特に限定されるものではないが、固定化した分子の活性と物理吸着の低減を両立するために、10:90〜70:30が好ましい。
当該共重合体は、重合時に架橋させても、重合した後に架橋させてもよい。架橋の方法は特に限定されるものではないが、架橋剤の添加、電磁波の照射、電子線の照射、粒子線の照射などがある。架橋剤の種類は特に限定されるものではないがジビニルベンゼン、尿素樹脂、メラミン樹脂等がある。
<マレイミジル基を含む官能基>
本発明のポリマーは、下記一般式(1)で表されるマレイミジル基を含む官能基を含有する。
一般式(1)で表されるマレイミジル基を含む官能基は、p−キシレン−α,α’−ジオールとN−ヒドロキシメチルマレイミドとの反応により得ることができる。p−キシレン−α,α’−ジオールの水酸基とN−ヒドロキシメチルマレイミドの水酸基とが反応し、脱水することで、一般式(1)で表されるマレイミジル基を含む官能基が得られる。
<本発明のポリマー>
本発明のポリマーは、一般式(1)で表されるマレイミジル基を含む官能基が、前記共重合体の少なくとも一部と置換したものである。その結合は、共重合体のメタクリル酸エステルのt−ブチル基と、一般式(1)のp−キシレン−α,α’−ジオールの水酸基とが、エステル交換触媒で直接エステル交換反応することにより行われる。エステル交換は、一部分で行われていても、全部が交換されていてもよいが、好ましくは、t−ブチルメタクリレートが一部残存している場合である。t−ブチル基が一部残存することにより、ポリマーの疎水性の度合いに影響を与え、ポリマー全体として生体分子の物理吸着を阻害しつつ活性の維持を可能とする。
本発明のポリマーに含まれる一般式(1)で表されるマレイミジル基を含む官能基の量は特に限定されるものではないが、0.001mmol/g以上含有することが好ましく、単位質量当たりの反応量をできるだけ多くするという観点から、0.01mmol/g以上が更に好ましく、特に、0.05mmol/g以上が好ましい。0.001mmol/g以上とすることにより、アフィニティー担体としてSH基含有物質を固定化することができ、0.05mmol/g以上とすることにより固定化の能力が特に充足される。
本発明のポリマーは用途に応じて様々な形態をとり、それは限定されるものではないが、ブロック状、平板状、膜状、粒子状等がある。一般式(1)で表されるマレイミジル基を含む官能基は、様々な形状のポリマーにおいて、表面に有しても、内部に有してもよく、又は、表面及びその内部の両方に有しても良い。
<アフィニティ分子固定用ポリマー>
本発明のポリマーは、アフィニティ分子固定用として好適に用いることができる。本発明のポリマーにアフィニティ分子を固定化する方法としては、本発明のポリマーに導入したマレイミジル基とアフィニティ分子のメルカプト基との反応が好適に用いられ、SH基を含むあらゆる分子を共有結合することができる。特にアフィニティー担体として利用する場合にはアミノ酸、ペプチド、タンパク質、DNA、RNA等の生体分子を1種類または2種類以上結合させる。。アフィニティ分子がペプチドである場合、ペプチド連鎖中のシステイン残基のメルカプト基を利用して本発明のポリマーに固定化することができ、アフィニティ分子が抗体である場合は、抗体をペプシンで消化し、抗体の可変部位のみに精製して、アフィニティ分子に生成するメルカプト基を用いて本発明のポリマーに固定化することができる。また、ジスルフィド結合しているペプチドや抗体をアミノエタンチオールなどのチオール化合物で還元断片化し、生成したメルカプト基を用いて本発明のポリマーに固定化することができる。
またメルカプト基を含まないアフィニティー分子については、工業的にSHを含む誘導体とすることで結合させても良い。
マレイミジル基とメルカプト基との反応は速やかで、かつ得られた結合は化学的安定性が高い。本発明のポリマーへのアフィニティ分子の固定化は本発明のポリマーとアフィニティ分子とを純水中もしくはバッファ中で混合攪拌すれば良い。
ここで定義されるアフィニティ分子は、ターゲット物質と相互作用をもつものであれば、合成品、天然物の限定はされないが、抗体やレセプターなどを好ましく用いることができる。
ペプチドを用いるのであればグルタチオンの様な融合タンパク質精製に有用なものが使用できる。
抗体を用いるのであれば、たとえば抗CD3抗体、抗CD4抗体、抗CD28抗体、抗CD34抗体、抗CD199抗体、抗CCR4抗体、抗低比重リポ蛋白質(LDL)抗体、抗酸化LDL抗体、抗β2ミクログロブリン抗体、抗黄色ブドウ球菌毒素抗体などを用いることができ、目的によってその他のものも含めて種々選定することができる。
また、レセプターを使用するのであれば、例えばCCR3,CCR4等のサイトカインレセプターやFcγ,Fcε等のイムノグロブリンレセプター、RAGE,LDLレセプター等のスカベンジャ−レセプター等,T細胞レセプターや主要組織適合性抗原等の細胞認識レセプター等を用いることができるがこれらに限定されるものではない。
本発明のアフィニティ分子固定用ポリマーは水不溶性であることが好ましい。アフィニティ分子固定用ポリマーの形態は特に限定しないが、液体処理カラムとして用いる場合には、粒子、繊維、中空繊維、糸束、ヤーン、ネット、編地、織物等が用いられるが、表面積が大きくかつ細胞を流した場合にも詰まることなく、流路抵抗の低いことを考慮すると、粒子、繊維、編地、織物、中空糸、多孔質膜が好ましく用いられる。特に操作性の点で粒子が好ましい。さらには、プレート上あるいはフィルム上にスポットとしてアフィニティ分子固定化担体が形成されていても良い。この場合、粒子状のアフィニティ分子固定化担体がプレート上あるいはフィルム上に固着されていても良いし、プレート上あるいはフィルム上にアフィニティ分子固定化部位が直接形成されていても良い。
粒子の場合、その粒径は種々の用途に応じて選択可能であるが、一般的にその平均直径が10nm〜1mmであり、中でも、100nm〜100μmであること好ましく、特に100nm〜100μmであることが好ましい。
本発明において、ポリマーを粒子状とするためには公知の方法が利用でき、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、シード重合法等が好適に用いられる。さらに、膜乳化法として知られる乳化方法を使って懸濁重合することもできる。
本発明におけるアフィニティ分子固定用ポリマーは、特殊な反応性官能基を有さないので添加剤や溶媒との反応、残存による粒子物性への悪影響が全くないか、きわめて少ないという利点がある。また本発明におけるリガンド固定化用担体は熱および溶剤に対する安定性が高いので、ソックスレー抽出などの精製処理を長時間行うことで不純物を低減化でき、純度を上げることができる。
さらに本発明におけるアフィニティ分子固定用ポリマーは着色を目的に、公知の染料、顔料、カーボンブラック、磁性粉などを添加することも可能である。マイクロカプセルにすることも可能で、多孔質粒子とすることも可能である。
<ポリマー粒子>
本発明のポリマー粒子は、免疫沈降担体、タンパク質収集用ビーズ、細胞収集用ビーズ、フローサイトメトリー担体、診断薬、医薬品担体等多くの用途に利用できる。粒子の大きさは特に限定されるものではなく、種々の用途に応じて選択可能であるが、一般的にその平均直径が10nm〜1mmであり、中でも、100nm〜100μmであること好ましい。100nm〜100μmの範囲とすれば、固定化分子やそれにアフィニティーカップリングする分子に比べて充分な大きさ、質量を確保できるので、担体としての性質を保つことができる。
ポリマー粒子の形状は特に限定されるものではないが、球形、楕円形、多角形、不定形、針状形、多孔質形等あらゆる形のものを1種類もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
また、該ポリマー粒子には、上記ポリマーのほか、親水性又は疎水性の度合いを変更させない程度に、かつ活性を低下させない範囲で、適宜添加剤を含有させることも可能である。例えば、着色を目的に、公知の染料、顔料、カーボンブラックなどを添加することも可能である。下記の磁性材料を含有させる態様も、好ましい態様の一つである。
<ポリマー磁性粒子>
ポリマー粒子に磁性材料を含有させることにより、外部磁場により容易に収集等の操作することが可能である。これは分子固定化粒子を溶液に分散してアフィニティーカップリングさせた後、カップリングした分子を収集するときに有用である。
ポリマー粒子に含有する磁性材料としては、磁性をもつあらゆる物質が使用可能であり限定されるものではないが、一般的には金属、合金、金属酸化物を単体でもしくは2種類以上を混合して用いる。金属ではFe,Co,Ni,Gd、等を用いる。合金ではNi−Fe系、Ni−Mn系、Ni−Mo−Cu系、Fe−Al系、Fe−Co系、Fe−Si−Al系、Si−Fe系、Co−Ni系、Co−Pt系、Co−Sm系、Mn−Sb系、Cu−Mn−Al系、Co−Fe−V系等が使用できる。なかでもFeNi3、Ni3Mn、CoPt,Cu2MnAl、70Fe−30Co、FeCo,SmCo5,MnSb等を用いることができる。金属酸化物ではFe34、Fe23、BaFe1219、NiFe24,Y3Fe512、CoFe24、Ti35、VO、V25、MnO、Mn34、Mn23、MnO2、CoO、Co23、NiO等の他、MOFe23で一般的に表されるフェライト(Mは単一または複数の元素で、合計して化学量論比が1となる配合。Mの組成は特に限定するものではないが、Mg−Fe系,Mn−Zn系、Mn−Mg系、Mn−Mg−Al系、Ni、Ni−Cu系、Ni−Zn系、Ni−Cu−Co−Fe系、Cu−Zn系、Cu−Zn−Mg系等)等が使用できる。以上は代表的な化学量論比を示したにすぎず、実際に使用する磁性体はこれらの比に拘束されるものではない。これらを単体でもしくは2種類以上混合して使用することができる。
磁性材料は、ポリマー粒子の内部に塊として包含されても、分散して含有されてもよいが、分散して含有されることが好ましい。また、磁性材料はポリマー粒子の内部に含有させても、その表面に含有させても、あるいは内部及び表面に含有させてもよいが、疎水性などの物理的な性質や、活性の劣化への影響が少ないという点から、粒子内部に分散されることが好ましい。
磁性材料は、磁性粉の形状として添加されることが好ましく、磁性粉の大きさはポリマー粒子自体の直径を超えない範囲のあらゆる大きさのものを、均一もしくは取り混ぜて使用することができる。具体的には1nmから数mmで、なかでも10nm〜100μmがよく使用される。形状は球形、楕円形、多角形、不定形、針状形、多孔質形等あらゆる形のものを1種類もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
これらの磁性粉はそのままでも、もしくは原料モノマーとの親和性を良くするために表面処理して用いることもできる。表面処理法には既知のあらゆる手段が使用でき限定するものではない。一般的にはカップリング剤や様々なコート剤の添加処理を行う。カップリング剤にはSi,Ti,Zr,Al等の有機金属化合物を用いることができる。添加量は金属100重量部に対して0.0001〜10重量部が使用できるが、0.01〜5重量部が好ましい。
磁性材料はポリマー粒子合成時に適量添加して同時に造粒される。磁性ポリマー100重量部中に占める磁性材料の割合は0.1〜90重量部で、1〜60重量部が好ましい。
磁性材料は粒子ポリマーと反応するわけではないので、粒子表面のポリマーとしての化学特性が保持され、その後の化学反応が問題なく行える。
さらにポリマーの着色を目的に、公知の染料、顔料、カーボンブラックなどを添加することも可能である。
このように、本発明のマレイミジル基を含む官能基を含有したポリマーは、生体分子あるいは生体分子類似の合成分子中のSH基との間に選択的で安定な結合を形成し、固体化分子の活性を失わず、ポリマー表面への物理吸着もないので、アフィニティー担体として広く利用できる。
<ポリマーの製造方法>
(スチレン、t−ブチルメタクリレート共重合の製造方法)
スチレンモノマー及びt−ブチルメタクリレートモノマーをモル比10:90から70:30の範囲で混合してラジカル重合を行う。
このときに必要に応じてジビニルベンゼン等の架橋剤を添加することにより、重合と同時に架橋を行うことも可能である。
重合には公知の方法が利用でき、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、シード重合法等が好適に用いられる。さらに、膜乳化法として知られる乳化方法を使って懸濁重合することもできる。必要に応じて、当業者には周知の重合開始触媒を用いることができる。具体的には、ジアシルパーオキサイド、ケトンパーオキサイドおよびアルキルハイドロパーオキサイドのような有機過酸化物;過酸化水素およびオゾンのような無機過酸化物;およびアゾビスバレロニトリル(AIBN;和光純薬社よりV−60として入手可能)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(和光純薬社よりV−59として入手可能)および2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社よりV−65として入手可能)のような油溶性アゾ系有機化合物;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二酸塩(和光純薬社よりV−50として入手可能)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](和光純薬社よりVA−086として入手可能)および2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二酸塩(和光純薬社よりVA−044として入手可能)のような水溶性アゾ系有機化合物が挙げられる。重合開始剤を用いる場合は、それらは重合が良好に開始されるのに充分な量で用いられる。このような量は当業者に周知である。一般には、0.1〜5.0質量%の量で用いることが好ましい。
得られた共重合体はメタノール等の溶媒に希釈分散させ、濾別し、更に水洗及び/又は溶剤洗浄の後、噴霧乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥等の通常の手段によって粉体として単離することができる。
上記で重合された共重合体を熱融解したり、溶剤に溶解することにより所望の形に成型後、冷却したり、溶剤を除去することにより固化することができる。溶解や融解時にメラミン樹脂や尿素樹脂を添加することにより硬化させることができる。
(水酸基含有ポリマーの製造方法)
本発明に用いられる水酸基含有ポリマーは、スチレンとt−ブチルメタクリレートの共重合体を構成成分に有するポリマーに、p−キシレン−α,α’−ジオールを導入して得られるポリマーである。
導入する方法としては、その目的によって適宜選択することができが、重合ポリマーのt−ブチル基と水酸基を2個有するp−キシレン−α,α’−ジオールとを適当なエステル交換触媒で直接エステル交換反応させることにより、水酸基含有ポリマーとすることができる。エステル交換をスムーズに進行させるため、ポリマーに含まれるt−ブチル基の総モル量に対し等モル以上のp−キシレン−α,α’−ジオールを反応させることが好ましいが、実際にはポリマー中の全てのt−ブチル基がエステル交換するわけではないので等量以下であってもかまわない。
本発明において、共重合体と、p−キシレン−α,α’−ジオールとの反応割合は、t−ブチル基の導入量により異なるが、基本的には共重合体の重量で約1倍から20倍量のp−キシレン−α,α’−ジオールを用いる。共重合体のt−ブチル基のモル数に対しては、p−キシレン−α,α’−ジオールのモル数は、0.1倍〜100倍が好ましく、より好ましくは、1倍〜10倍である。
必要に応じて用いられる上記非反応性溶媒中、150℃から200℃の反応条件で、5〜24時間程度加熱して反応させることにより、水酸基含有ポリマーを得ることができる。
本発明で添加する前記含金属エステル交換反応用触媒は、ポリエステル合成時に使用される、いわゆるエステル交換触媒が好適に利用できる。前記含金属エステル交換触媒としては、例えば、酢酸鉛、酢酸亜鉛、アセチルアセトネート亜鉛、酢酸カドニウム、酢酸マンガン、マンガンアセチルアセトネート、酢酸コバルト、コバルトアセチルアセトネート、酢酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトネート、酢酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、酢酸チタン、テトラブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート、チタニウムオキシアセチルアセトネート、酢酸鉄、アセチルアセトネート鉄、酢酸ニオブなどの遷移金属化合物、ジブチルスズオキシド、モノブチルヒドロキシスズオキサイド、ジブチルスズジラウレート、三酸化アンチモン、酸化ゲルマニウム、炭酸ビスマスオキシド、酢酸ビスマスオキシドなどの典型金属化合物があげられる。また、酢酸マグネシウム、酢酸リチウム、酢酸カルシウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム,炭酸セシウムなどのアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物、さらに、酢酸ランタン、酢酸サマリウム、酢酸ユウロピウム、酢酸エルビウム、酢酸イッテルビウムなどの希土類化合物も用いることができる。
これらの触媒は、単独で用いても、2種以上組合せて用いてもよい。この中でも、チタニウムテトラアルコキシドが溶媒への溶解性、反応性の点でより好ましい。チタニウムテトラアルコキシドとしては、例えば、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタン、テトラ−第二−ブトキシチタン、テトラ−n−アミルオキシチタン、トリイソアミルオキシイソプロポキシチタンなどが挙げられる。
ポリマーに対する触媒の添加量(含有量)は、粒子中のポリマー重量100質量部に対して、通常0.01〜50質量部が用いられる。好ましくは0.1〜20質量部、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。触媒を0.01〜50質量部の範囲とすることにより、水酸基が導入し易くなり、また、反応後の触媒の除去も有利に進行させることができる。
架橋ポリマーの架橋度が高い場合には、反応促進の目的でポリマーを膨潤させうる非反応性溶媒を助溶剤として添加することができる。例えば、キシレン、メシチレン、ジエチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ジメチルナフタレン、シメン、ジメトキシベンゼンなどの芳香族化合物、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーエル、フェネトール、ブチルフェニルエーテルなどのエーテル化合物、アセトフェノン、イソホロン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどのケトン化合物、ジクロロベンゼン、クロロトルエン、ジクロロトルエンなどのハロゲン化合物があげられるが、前記目的を達成する非反応性溶媒であればいずれでも使用できる。この中でも、特に、キシレン、メシチレン、ジメトキシベンゼンなどの芳香族化合物が反応性の点で好ましい。
(マレイミジル基を含む官能基を含有するポリマーの製造方法)
本発明のマレイミジル基を含む官能基を含有するポリマーの製造方法は、p−キシレン−α,α’−ジオールを導入して得られた水酸基含有ポリマーに、N−ヒドロキシメチルマレイミドを反応させることを特徴とする。
前記水酸基含有ポリマーとN−ヒドロキシメチルマレイミドとの反応は、水1分子が外れて縮合した形態であり、従来公知の反応によって行うことができるが、中でも、エーテル化触媒の存在下で行うことが好ましい。
この反応には酸性あるいは塩基性の公知のエーテル化触媒が好適に使用できる。例えば、塩基性の触媒としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等が使用でき、単独又は2種類以上混合して使用できる。酸性の触媒としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の無機酸やp−トルエンスルホン酸、トリクロロ酢酸、酢酸等の有機酸が使用でき、これらは水和物の形態でもよい。また、ハイドロタルサイト類の固体触媒でも使用が可能である。
塩基性触媒や酸性触媒を使用する場合のその使用量は、対応する塩基又は酸として、N−ヒドロキシメチルマレイミドに対して、0.01〜40質量%、好ましくは0.1〜15質量%である。固体触媒の場合は、N−ヒドロキシメチルマレイミドに対して、0.001〜100質量%、好ましくは0.1〜50質量%である。前記触媒等は、反応液に均一に溶解した状態で使用しても不溶の状態で使用しても良いが、均一溶解状態では、使用量を少なくすることができる。一方、不溶の状態では、反応後に反応液から常法により容易に触媒を分離回収することができる。
前記水酸基含有ポリマーとN−ヒドロキシメチルマレイミドとの反応割合は、導入した水酸基の量によって異なるが、基本的には水酸基含有ポリマーの重量で約0.1〜10倍量の前記N−ヒドロキシメチルマレイミドを用いことによりマレイミジル基含有ポリマーを得ることができる。水酸基含有ポリマーの水酸基のモル数に対して、N−ヒドロキシメチルマレイミドのモル数は、0.1倍〜100倍が好ましく、より好ましくは、1倍〜10倍である。
また、この反応における反応温度、反応時間は、水酸基含有ポリマーのエステル部の組み合わせ、これら官能基の導入量等により異なり、適宜選択できる。一般的に、80〜180℃の反応条件で、2〜20時間加熱して反応させることにより、マレイミジル基含有ポリマーを得ることができる。
前記エーテル化反応の溶剤としては、反応を阻害しないものであればいずれの溶媒も使用できる。例えば、トルエン、キシレン、メシチレンが挙げられる。
前記水酸基導入ポリマーが粒子の場合、マレイミジル基導入量の再現性の面で、あらかじめ反応前に粒子を分級処理し、粒径をそろえてから反応させることが望ましい。こうして得られたマレイミジル基含有ポリマーは、メタノール等の溶媒に希釈分散させ、濾別し、更に水洗及び/又は溶剤洗浄の後、噴霧乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥等の通常の手段によって粉体として単離することができる。
また、本発明の製造方法は、大気下のみならず、加圧下においても、反応させることができるが、これらのその他の反応条件は、必要に応じて適用されるもので、特に限定されるものでははい。
前記操作により得られたマレイミジル基含有ポリマーにおけるマレイミジル基量は、マレイミジル基を過剰量の2−メルカプトエチルアミンと反応させ、反応後に残った2−メルカプトアミンの量を測定することにより、逆にポリマーのマレイミジル基を求めることができる。その具体例としては、例えば、(株)同仁化学研究所の総合カタログ(平成14年3月29日発行)第一部プロトコル集の80ページに記載されている。
本発明の製造方法により、生体分子固定後もその活性が保たれ、物理吸着性が低い、さらに特殊な試薬を用いる等の複雑な操作をすることなく、SH基をもつ分子を強固に固定でき、固定分子と反応した後は安定で、安価で、安全性が高く、さらに機械的に強く、親水性も高い得られるマレイミジル基を含む官能基を含有したポリマーが得られる。
上記ポリマーの製造方法の他、p−キシレン−α,α’−ジオールとN−ヒドロキシメチルマレイミドとを反応させ、下記一般式(2)で表される化合物を得た後、スチレンとt−ブチルメタクリレートとの共重合体に対して、エステル交換反応を行う方法も挙げられる。この場合のp−キシレン−α,α’−ジオールとN−ヒドロキシメチルマレイミドとの反応は、通常の脱水反応であり、上記同様、エーテル化触媒の存在下で行うことが好ましい。また、下記一般式(2)で表される化合物と、スチレンとt−ブチルメタクリレートとの共重合体とのエステル交換反応においても、上記の含金属エステル交換触媒を用いることができる。
<ポリマー粒子の製造方法>
本発明のポリマーの形状を粒子とするときは、上記における懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、シード重合法、膜乳化法等により生成した共重合体の粒子を、洗浄、分級等を経て用いる。この場合、前記モノマーとともに、トルエン、オクタン、シクロヘキサノン、ジブチルフタレート、ラウリルアルコール等の非重合性の添加剤を入れ、重合後に抽出除去して粒子を多孔質とすることも可能である。
このようにして得られた共重合体の粒子に対して、p−キシレン−α,α’−ジオールを適当なエステル交換触媒で直接エステル交換反応させ、N−ヒドロキシメチルマレイミドとの脱水反応を行うことで、本発明のポリマー粒子を得ることができる。
<磁性ポリマー粒子の重合>
磁性ポリマー粒子を得る方法は特に限定されるものではないが、共重合反応前に磁性材料をモノマー中に予め分散してから重合する方法がある。分散操作は公知の方法が利用でき、例えばボールミル、振動ミル、各種攪拌機、各種シェイカー、超音波装置などで行うことができる。
また磁性ポリマー粒子を得る他の方法として、重合して得られたポリマー粒子を水に膨潤させて、そこに磁性材料を添加し、その後アルカリ等で磁性材料を析出させることにより、磁性材料をポリマー粒子に定着させる方法を挙げることができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(スチレン:t−ブチルメタクリレート=10:90の粒子)
スチレンモノマー10、t−ブチルメタクリレート90、ジビニルベンゼン1のモル比で、重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル(以上和光純薬工業(株)製)を加えて懸濁重合反応を行った。分級操作により平均粒径50μmの架橋ポリマー粒子選別し、イオン交換水及び溶剤で洗浄後単離乾燥した。
得られたポリマー粒子10重量部にp−キシレン−α,α’−ジオール30重量部、メシチレン溶媒70重量部、チタンテトラブトキシド触媒0.3重量部(以上和光純薬(株)製)を混合して、160℃で3時間反応させた。得られた粒子をエタノールで3時間ソックスレー抽出装置で洗浄、さらに蒸留水で洗浄して水酸基導入ポリマー粒子を得た。
上記で得られた水酸基導入ポリマー10重量部にN−ヒドロキシメチルマレイミド5部、トルエン350部を入れ60−70℃に加熱撹拌し、触媒のp−トルエンスルホン酸一水和物0.5部を入れ、温度を上げて6時間還流下反応させた。得られた粒子をメタノールに分散/洗浄しさらに、エタノールで8時間ソックスレー抽出を行った。濾過した後、イオン交換水及び溶剤で再度洗浄後、単離乾燥した。
(スチレン:t−ブチルメタクリレート=50:50の粒子)
スチレンモノマー50、t−ブチルメタクリレート50、ジビニルベンゼン1のモル比で、重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル(以上和光純薬工業(株)製)を加えて懸濁重合反応を行った以外は実施例1と同様に作成した。
(スチレン:t−ブチルメタクリレート=70:30の粒子)
スチレンモノマー70、t−ブチルメタクリレート30、ジビニルベンゼン1のモル比で、重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル(以上和光純薬工業(株)製)を加えて懸濁重合反応を行った以外は実施例1と同様に作成した。
<比較例1>
(スチレン:t−ブチルメタクリレート=0:100の粒子)
スチレンモノマー0、t−ブチルメタクリレート100、ジビニルベンゼン1のモル比で、重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル(以上和光純薬工業(株)製)を加えて懸濁重合反応を行った以外は実施例1と同様に作成した。
<比較例2>
(スチレン:t−ブチルメタクリレート=100:0の粒子)
スチレンのベンゼン環p位置にCH2OHが結合したWang Resin粒子(ジビニルベンゼン1質量%、38〜75μm、和光純薬工業(株)製)を用いて、水酸基化、マレイミジル化を実施例1と同様に実施した。
このようにして得られたポリマー粒子のマレイミジル基量、及びアフィニティー特性を以下の様な方法で評価した。
<マレイミジル基含有担体粒子中のマレイミジル基定量法>
粒子を一定量ねじ口試験管にW(g)秤量し、あらかじめ調製した2−メルカプトエチルアミン(東京化成社製)の反応液を、2−メルカプトエチルアミンが過剰量になるよう一定量加え、攪拌反応させた。
粒子を遠心分離したのち上澄み溶液の2−メルカプトアミンと4,4’−ジチオジピリジンと反応させ、324nmの吸光度をからモル吸光係数ε=19800を用いて上澄み溶液中の2−メルカプトエチルアミン量B(mol)を求めた。ブランクとして、サンプルを含まない系の2−メルカプトアミン量C(mol)も同様に測定し、下記の式に従ってマレイミジル基量M(mmol/g)を求めた。
M=(C−B)/W×1000
<アフィニティー特性及び物理吸着特性の評価>
マウスIgG(和光純薬工業(株)製,商品コード132−13726)を一次抗体とし、この抗体を還元断片化し粒子に結合させた。ついで、抗マウスIgG,ウサギ,IgG(H+L)(和光純薬工業(株)製,商品コード017−17601)を二次抗体として、アフィニティカップリングさせた後、二次抗体の分離操作を行いSDS−PAGEにて二次抗体の回収の有無を調べた。
一次抗体を還元断片化処理しないでそのまま、粒子と混合し、二次抗体をアフィニティカップリングさせた後、二次抗体の分離操作を行いSDS−PAGEにて二次抗体の回収の有無を調べた。
各ポリマー粒子の結果を表1に示す。
表1の結果から、スチレン含有量が10mol%を下回るとアフィニティー特性がなくなり、スチレン含有量が70mol%を超えると物理吸着が増大することがわかった。アフィニティー特性が保たれ、しかも物理吸着がないのはスチレン:t−ブチルメタクリレートのモル比が10:90から70:30であることも判明した。

Claims (7)

  1. スチレンとt−ブチルメタクリレート共重合モル0:90〜70:30で架橋剤により架橋されてなる粒子の少なくとも一部が、下記一般式1で表されるマレイミジル基を含む官能基で置換された重合体粒子
  2. 磁性材料が分散されてなる磁性材料含有粒子であることを特徴とする請求項に記載の重合体粒子。
  3. スチレンとt−ブチルメタクリレートとの共重合モル比が10:90〜70:30の共重合体粒子に、p−キシレン−α,α’−ジオールを導入した後、N−ヒドロキシメチルマレイミドと脱水反応させる請求項1に記載の重合体粒子の製造方法。
  4. 10:90〜70:30のモル比のスチレン及びt−ブチルメタクリレートに、磁性材料を分散した後、該スチレンと該t−ブチルメタクリレートとを共重合させて、磁性材料含有の共重合体粒子を製造することを特徴とする請求項に記載の重合体粒子の製造方法。
  5. 前記共重合体粒子に、p−キシレン−α,α’−ジオールを導入した後、N−ヒドロキシメチルマレイミドと脱水反応させて得られた粒子を膨潤させた後、磁性材料を分散して、磁性材料含有の共重合体粒子を製造することを特徴とする請求項に記載の重合体粒子の製造方法。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の重合体粒子を用いるアフィニティ分子固定材料。
  7. 請求項1に記載の重合体粒子にペプチド、タンパク質、DNA、RNA及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種であってSH基を含む分子を結合させた化合物を用いる請求項に記載のアフィニティ分子固定材料。
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