JP2005027505A - 食用油を透明なプラスチック容器に充填した包装体 - Google Patents

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健二朗 田中
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Abstract

【課題】長期間保存にも容器壁から水分や酸素の侵入を防止、食用油の白濁、変質による商品価値低下を防ぐ透明プラスチック容器入り食用油の包装体を提供。
【解決手段】透明多層プラスチック容器入り植物系食用油の包装体。透湿度1.0g/m・日以下、酸素透過度0.05ml/日・bottleの多層プラスチック容器。ポリエステル樹脂外層/中間樹脂層/ポリエステル樹脂内層を有する少なくとも3層構成の多層ポリエステル延伸容器;熱可塑性樹脂内層及び外層と、中間層に酸素吸収層を有する多層プラスチック容器;少なくとも、オレフィンと環状オレフィンとの非晶乃至低結晶性重合体からなる第一層と、酸素バリアー性熱可塑性樹脂の第二層を有する多層プラスチック容器;ポリエステルの外層、酸素バリアー性熱可塑性樹脂の中間層、ポリプロピレン樹脂の内層を有する多層プラスチック容器;熱可塑性樹脂層と、蒸着膜層を有する多層プラスチック容器。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食用油、または食用油を含む調味料等の油脂加工品を多層プラスチックボトル等の透明なプラスチック容器に充填した包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂により構成した、ボトル、トレー、チューブ、パウチ等の容器は、各種の食品、飲料、洗剤、化粧品等を収納する容器として広く用いられている。
また、プラスチック容器のガスバリアー性、防湿性や機械的強度等を改善するために、多層構成を有するプラスチック容器も種々提案されている。(例えば、特許文献1〜4参照)
【0003】
【特許文献1】
特開昭52−32080号公報
【特許文献2】
特開平2−107437号公報
【特許文献3】
特開平9−267447号公報
【特許文献4】
特公平3−43140号公報
【0004】
一方、プラスチック容器に収納される内容物も多岐にわたり、食用油のように従来は金属缶やガラス製のボトルに収納されていた内容物も、軽量化や運搬・保管中の破損を防止するとともに、内容物の視認性を確保し、デザインを工夫した容器に収納して商品化することにより購買意欲を刺激するために、透明性を有するプラスチック容器に収納して販売されるようになってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、透明性を有するプラスチック容器に、食用油、特にいわゆる健康オイルと呼ばれている、植物系食用油を収納した場合には、プラスチック容器の器壁を通して容器内に侵入する水分や酸素によって、食用油が白濁したり、変質し、商品価値が著しく低下するという問題があった。
したがって、本発明は、長期間保存した場合にも容器の器壁から水分や酸素が容器内に侵入するのを防止して、食用油が白濁或いは変質し、商品価値が低下するのを防ぐことができる、食用油を透明なプラスチック容器に充填した包装体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、食用油を以下に説明する層構成を有する透明な多層プラスチック容器中に収納することによって、上記課題を解決するものである。
なお、本発明において「透明な」プラスチック容器とは、容器内に収納した食用油の状態を目視により認識することができるプラスチック容器を意味し、いわゆる半透明なプラスチック容器をも含むものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の包装体において、食用油を充填するプラスチック容器について説明する。
本発明では、食用油を充填するプラスチック容器としては、以下に説明する、異なる層構成を有する5種類の多層プラスチック容器が挙げられる。
第一の多層プラスチック容器(以下、「多層プラスチック容器(1)」ということがある)は、請求項10に記載のもので、詳細にはつぎのような層構成を有する多層ポリエステル延伸容器である。
【0008】
〔多層プラスチック容器(1)〕
ポリエステル樹脂外層/中間樹脂層/ポリエステル樹脂内層を有する少なくとも3層構成の多層ポリエステル延伸容器において、容器の最薄部でのヘイズが20%以下であることを特徴とする多層ポリエステル延伸容器である。
【0009】
上記の多層ポリエステル延伸容器のポリエステル樹脂外層及び内層を構成する樹脂としては、通常ボトル等の容器に用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂はいずれも使用することができる。このような熱可塑性ポリエステル樹脂としては、例えば、PET、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸等を使用することができる。
【0010】
外層及び内層を構成する好ましいポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリ乳酸が挙げられる。外層及び内層は、異種のポリエステル樹脂により構成することも可能であるが、コインジェクション等でプリフォームを製造するには、外層及び内層を同種のポリエステル樹脂により構成することが好ましい。
使用する熱可塑性ポリエステルは、器壁の機械的な性質の点からは、固有粘度が0.5以上、特に0.6以上であることが望ましい。更にこのポリエステルは、紫外線吸収剤、帯電防止剤などの添加剤を含有することもできる。
【0011】
多層ポリエステル延伸容器の中間樹脂層を構成する好ましい熱可塑性樹脂としては、例えばポリプロピレン系重合体、エチレンと環状オレフィンとの共重合体、密度1.5以上のポリエステル系樹脂等が挙げられる。
ポリプロピレン系重合体としては、ポリプロピレン単独重合体、プロピレンとエチレン等のα−オレフィンとの共重合体(ランダム共重合体及びブロック共重合体)、ポリプロピレン系重合体と石油樹脂、水添石油樹脂、水添テルペン樹脂からなる群から選択された少なくとも1種の樹脂とのブレンド物等が挙げられる。ポリプロピレン系重合体とこれらの樹脂との配合割合は任意であるが、通常はポリプロピレン系重合体を主体とし、ブレンド物の透湿度が上記の要件を満たす範囲でこれらの樹脂を配合する。
【0012】
エチレンと環状オレフィンとの共重合体(COC:cycloolefin copolymer)としては、容器を構成する材料として公知の共重合体(例えば特開平3−726号公報、特開平2−196832号公報参照)を使用することができる。COCとしては、実質的に全体がCOCからなるもののほかに、COCに他のポリオレフィン類をブレンドしたものでもよい。
COCとしては、10〜50モル%、特に20〜48モル%の環状オレフィンと残余のエチレンとから誘導され、5〜20℃、特に40〜190℃のガラス転移点を有する非晶質乃至低結晶性の共重合体が好適に使用される。また、環状オレフィンと共重合されるエチレンの一部を、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1−ペンテン、1−デセン等の炭素数3〜20程度の他のα−オレフィンで置換した共重合体を使用してもよい。
【0013】
中間樹脂層を構成する樹脂として、ポリプロピレン系重合体と、石油樹脂、水添石油樹脂、水添テルペン樹脂からなる群から選択された少なくとも1種の樹脂のブレンド物;或いはCOCを使用した場合には、プリフォームから容器を延伸ブローする際の延伸性が改善され樹脂層間のデラミネーションを防止する効果が顕著となるので、特に好ましい。
中間樹脂層の厚みは、容器外壁の厚みの10〜50%程度とすることが好ましい。
【0014】
ポリエステル樹脂内外層と中間樹脂層との間に介在させる接着樹脂として、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等の炭素数10までのα−オレフィンを共重合させたエチレン・α−オレフィン共重合体をアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸又はこれらの無水物でグラフト変性した樹脂を、必要に応じて使用することが好ましい。これらの接着樹脂のグラフト変性率は、0.05〜5重量%程度とすることが好ましい。これらの酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。また、予め高濃度の酸で変性したエチレン・α−オレフィン共重合体と、未変性の低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、高密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂を配合し、樹脂全体としての酸変性率を0.05〜5重量%程度に調整したブレンド物を接着樹脂として使用することも好ましい。
酸変性率を0.05重量%よりも少ない場合には、接着性が不足し、プリフォームのハンドリングやブロー成形時、或いは製品にした際のデラミネーションが生じるおそれがある。一方、酸変性率が5重量%を超える場合には、変性に必要なコストが高くなるとともに生産性が著しく低下し、ブロー成形時に発泡が生じやすくなり、成形範囲が極端に狭くなる等の問題が発生する。
この多層ポリエステル延伸容器では、ポリエステル樹脂内外層と中間樹脂層の間にこのような接着樹脂を介在させることによって、多層プリフォームを延伸ブローして容器を製造する際のデラミネーションを防止することができる。
【0015】
多層ポリエステル延伸容器を構成する各樹脂層中には、必要に応じてオレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド等の高級脂肪酸アミド等からなる滑剤や、プラスチック容器中に通常添加される結晶核剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料等の着色剤、酸化防止剤及び中和剤等の添加剤を配合することができる。
【0016】
多層プラスチック容器(1)としては、図1にみられるような中空ボトルをはじめとする各種形状のボトルが挙げられる。図2は、図1のAの部分の層構成を示す模式断面図であり、ポリエステル樹脂外層1/接着樹脂層2/中間樹脂層3/接着樹脂層4/ポリエステル樹脂内層5、からなる層構成を有する。
好ましいボトルの成形方法としては、コインジェクションによりボトルと同じ層構成の多層プリフォームを製造し、この多層プリフォームをブロー型内で、加熱しながら延伸ブロー成形する方法が挙げられる。この多層プリフォームは、ボトルを構成する各樹脂層を多層多重ダイを使用して、共射出することにより製造することができる。
また、中間樹脂層3としては、単層の樹脂層により構成されたものだけではなく、多層構成を有するものとすることも可能である。
【0017】
多層プラスチック容器(1)は、容器を上記特定の層構成とすることによって防湿性やガスバリヤー性が改善されるとともに、透明性や色調にも優れ、しかも軽量化が可能なものである。さらに、多層プラスチック容器の内層表面に、マイクロ波プラズマCVD法により珪素酸化膜層等の蒸着膜層を設けることにより、防湿性やガスバリヤー性を一段と向上させることができる。
したがって、この多層プラスチック容器(1)は、水分の増減が製品の外観や特性に影響を及ぼす食用油を収納する容器として好適に用いられる。このような食用油としては、例えば、微量の水分の増加により白濁や濁り、流動特性の変化等を生じ、商品価値が著しく低下する植物系食用油(いわゆる健康オイル)、特にジアシルグリセロール及び/又は植物ステロールを含有する常温で透明液状の食用油や、また、これらの食用油を含有するドレッシング、マヨネーズ等の調味料類が挙げられる。
【0018】
以下、多層プラスチック容器(1)の多層構造の例を示す。
Figure 2005027505
(PET:ポリエチレンテレフタレート、AD:接着剤、PP:ポリプロピレン系重合体、PG:ポリグリコール酸共重合体)
また、上記層構成の外層及び/又は内層表面に、珪素酸化膜層等の蒸着膜層を設けてもよい。
【0019】
本発明で食用油を充填するプラスチック容器として使用する第二の多層プラスチック容器は、請求項11に記載のもので、詳細にはつぎのような層構成を有する多層プラスチック容器(以下、「多層プラスチック容器(2)」ということがある)である。
【0020】
〔多層プラスチック容器(2)〕
熱可塑性樹脂からなる内層及び外層と、前記内層及び外層の間に酸素吸収層を有する多層プラスチック容器である。
【0021】
[酸素吸収層]
酸素吸収層としては、酸素を吸収して酸素の透過を防ぐものであれば、任意のものを使用することができる。例えば、酸化可能有機成分及び遷移金属触媒の組合せ、或いは実質的に酸化されないガスバリヤー性樹脂、酸化可能有機成分及び遷移金属触媒の組合せが使用されるが、容器としての諸物性を考慮した場合、後者の組合せが好ましい。
【0022】
実質的に酸化されないガスバリヤー性樹脂、酸化可能有機成分及び遷移金属触媒の組合せは、酸化可能有機成分の方が、ガスバリヤー性樹脂より酸化反応が速く、酸化可能有機成分が専ら酸化を受けて酸素を吸収する。従って、ガスバリヤー性樹脂は実質上酸化されないで酸化劣化による酸素バリヤー性の低下が生じないので、長時間酸素吸収機能を発揮できる。このため、この組合せが特に好ましい。即ち、この組合せでは、ガスバリヤー性樹脂による酸素バリヤー性の保持と、酸化可能有機成分による酸素吸収性の発現とが機能分離的に行われていると考えられる。
以下、各成分について詳説する。
【0023】
(1) ガスバリヤー性樹脂
実質的に酸化されないガスバリヤー性樹脂の例として、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を挙げることができ、例えば、エチレン含有量が20〜60モル%、特に25〜50モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が使用される。
【0024】
また、他のガスバリヤー性樹脂としては、ポリアミド樹脂が挙げられる。かかるポリアミド樹脂としては、(a)ジカルボン酸成分とジアミン成分とから誘導された脂肪族、脂環族又は半芳香族ポリアミド、(b)アミノカルボン酸又はそのラクタムから誘導されたポリアミド、又はこれらのコポリアミド又はこれらのブレンド物が挙げられる。
【0025】
これらのポリアミドのうちでも、ポリメタキシリレンアジパミドのようなキシリレン基含有ポリアミドが好ましい。
【0026】
キシリレン基含有ポリアミドは、40eq/10g以上の末端アミノ基濃度を有しているのが好ましい。末端アミノ基濃度が上記範囲を下回ると、ポリアミド樹脂の酸化劣化が生じるので好ましくない。
末端アミノ基濃度が前記範囲内にあるポリアミド樹脂は、市販のポリアミド樹脂から選択して用いることができる。
【0027】
(2)酸化可能有機成分
また、多層プラスチック容器(2)の酸素吸収層に用いる酸化可能有機成分はポリエンから誘導される重合体が好ましい。
かかるポリエンとしては、炭素原子数4〜20のポリエン、鎖状又は環状の共役又は非共役ポリエンから誘導された単位を含む樹脂が好適に使用される。これらの単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
【0028】
ポリエン系重合体としては、具体的には、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブダジエン、スチレン−イソプレン−スチレン、エチレン−プロピレン−ジエンゴム等を挙げることができるが、これらに限定されない。
重合体中における炭素−炭素二重結合は、特に限定されず、ビニレン基の形で主鎖中に存在しても、またビニル基の形で側鎖に存在していてもよい。
これらのポリエン系重合体は、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、水酸基が導入されていることが好ましい。これらの官能基を導入するのに用いられる単量体としては、上記の官能基を有するエチレン系不飽和単量体が挙げられる。
これらの単量体としては、不飽和カルボン酸又はこれらの誘導体を用いるのが望ましく、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸等のα,β−不飽和カルボン酸、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等のα,β不飽和カルボン酸無水物、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物等の不飽和カルボン酸の無水物が挙げられる。
【0029】
ポリエン系重合体の酸変性は、炭素−炭素二重結合を有する樹脂をベースポリマーとし、このベースポリマーに不飽和カルボン酸又はその誘導体をそれ自体公知の手段でグラフト共重合させることにより製造されるが、前述したポリエンと不飽和カルボン酸又はその誘導体とをランダム共重合させることによっても製造することができる。
特に好適な変性ポリエン系重合体は、不飽和カルボン酸又はその誘導体を、0.01〜10モル%の量で含有している。
不飽和カルボン酸又はその誘導体の含有量が上記の範囲にあると、酸変性ポリエン系重合体のポリアミド樹脂への分散が良好となると共に、酸素の吸収も円滑に行われる。
また、末端に水酸基を有する水酸基変性ポリエン系重合体も良好に使用することができる。
【0030】
(3)遷移金属触媒
多層プラスチック容器(2)に用いる遷移金属触媒としては、鉄、コバルト、ニッケル等の金属成分が好ましいが、他に、銅、銀、錫、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン等の金属成分を挙げることができる。これらの金属成分のうちでもコバルト成分は、酸素吸収速度が大きく、特に好ましい。
【0031】
遷移金属触媒は、上記遷移金属の低価数の無機酸塩又は有機酸塩又は錯塩の形で一般に使用される。
【0032】
[酸素吸収層の製造]
酸素吸収層が、実質的に酸化されないガスバリヤー性樹脂、酸化可能有機成分及び遷移金属触媒を含む場合について、ガスバリヤー性樹脂がポリアミド樹脂であるものを例にとって、以下に説明する。
酸化可能有機成分は、ポリアミド樹脂を基準として、0.01〜10重量%、特に0.5〜8重量%の量で含有されていることが好ましい。また、遷移金属触媒は、ポリアミド樹脂基準で、遷移金属量として100〜3000ppm、具体的にはコバルトでは100〜800ppm、鉄では150〜1500ppm、マンガンでは200〜2000ppmの量で含有されていることが好ましい。
ポリアミド樹脂に酸化可能有機成分及び遷移金属触媒を配合するには、種々の手段を用いることができる。この配合には、格別の順序はなく、任意の順序でブレンドを行ってよい。
例えば、酸化可能有機成分をポリアミド樹脂に乾式ブレンド又はメルトブレンドすることにより、両社のブレンド物を容易に調整することができる。一方、遷移金属触媒はポリアミド樹脂や酸化可能有機成分に比して少量であるので、ブレンドを均質に行うために、一般に遷移金属触媒を有機溶媒に溶解し、この溶液と粉末又は粒状のポリアミド樹脂及び酸化可能有機成分とを混合し、必要により、この混合物を不活性雰囲気下に乾燥するのがよい。
【0033】
遷移金属触媒を溶解させる溶媒としては、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒を用いることができ、一般に遷移金属触媒の濃度が5〜90重量%となるような濃度で用いるのがよい。
ポリアミド樹脂、酸化可能有機成分及び遷移金属触媒の混合、及びその後の保存は、組成物の前段階での酸化が生じないように、非酸化性雰囲気中で行うのがよい。この目的に減圧下又は窒素気流中での混合又は乾燥が好ましい。
この混合及び乾燥は、ベント式又は乾燥機付の押出機や射出機を用いて、成形工程の前段階で行うことができる。
【0034】
また、遷移金属触媒を比較的高い濃度で含有するポリアミド樹脂及び/又は酸化可能有機成分のマスターバッチを調整し、このマスターバッチを未配合のポリアミド樹脂と乾式ブレンドして、本発明の酸素吸収層を調整することもできる。
尚、本発明に用いるポリアミドは、一般的な乾燥条件である120〜180℃の温度で、0.5〜2mmHgの減圧下2〜6時間乾燥して後述する成形に用いるのがよい。
【0035】
酸素吸収層には、充填剤、着色剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、金属セッケン、ワックス等の滑剤、改質用樹脂又はゴム等の公知の樹脂配合剤を、それ自体公知の処方に従って配合できる。
【0036】
[内層及び外層]
多層プラスチック容器(2)の内層及び外層に用いる熱可塑性樹脂としては、用途に応じてオレフィン系樹脂やポリエステル樹脂等が使用される。
オレフィン系樹脂としては、低密度、中密度或いは高密度のポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、アイオノマー、ホモポリプロピレン、ブロック共重合或いはランダム共重合タイプのポリプロピレン等が使用される。
【0037】
ポリエステル樹脂としては、多層プラスチック容器(1)の外層及び内層を構成するポリエステル樹脂、すなわち、先に段落番号(0010)において記載した樹脂を使用することが好ましい。
【0038】
以下、多層プラスチック容器(2)についてさらに詳細に説明する。
[多層プラスチック容器(2)の構造]
図3は、多層プラスチック容器(2)における多層構造を示すもので、多層プラスチック容器(2)の主要部における壁部の拡大断面図である。
多層プラスチック容器11は、ポリエステル樹脂からなる内層12、ポリエステル樹脂からなる外層14、及びこれらの間に位置する酸素吸収層13からなり、さらに、前記外層14の表面に蒸着膜層15が設けられていてもよい。
しい。
【0039】
また、多層プラスチック容器11においては、内層12、外層14及び酸素吸収層13の他に、オレフィン系樹脂、ガスバリヤー性樹脂、環状オレフィン共重合体、リサイクルポリエステル等の他の層を含むことができる。
【0040】
以下に、多層プラスチック容器(2)の多層構造の例を示す。
二種三層構造:PET/酸素吸収層/PET
二種五層構造:PET/酸素吸収層/PET/酸素吸収層/PET
三種五層構造:PET/AD/酸素吸収層/AD/PET
【0041】
図4は、多層プラスチック容器(2)における多層構造の他の例を示すもので、多層プラスチック容器11は、ポリエステル樹脂からなる内層12、ポリエステル樹脂からなる外層14およびこれらの間に位置する酸素吸収層13からなる。さらに、前記内層12の表面に蒸着膜層15が設けられていてもよい。
【0042】
また、図5は、多層プラスチック容器(2)における多層構造のさらに他のを示すもので、多層プラスチック容器11は、ポリエステル樹脂からなる内層12、ポリエステル樹脂からなる外層14およびこれらの間に位置する酸素吸収層13からなり、さらに、前記内層12及び外層14の表面に蒸着膜層15が設けられている。
【0043】
各樹脂層間には必要により接着剤樹脂を介在させることができるが、このような接着剤樹脂としては、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸塩、カルボン酸アミド、カルボン酸エステル等に基づくカルボニル基を主鎖又は側鎖に1〜700meq/100g樹脂、特に10〜500meq/100g樹脂の濃度で含有する熱可塑性樹脂が挙げられる。接着剤樹脂の適当な例は、エチレン−アクリル酸共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、アクリル酸グラフトポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、共重合ポリエステル、共重合ポリアミド等の1種又は2種以上の組合せである。これらの樹脂は、同時押出又はサンドイッチラミネーション等による積層に有用である。
【0044】
[厚み]
1.酸素吸収層
多層プラスチック容器(2)において、酸素吸収層13の厚みは、特に制限はないが、一般に3〜100μm、特に5〜50μmの範囲にあるのが好ましい。即ち、酸素吸収層の厚みがある範囲よりも薄くなると酸素吸収性能が劣り、また、ある範囲よりも厚くなっても酸素吸収性の点では格別の利点がなく、樹脂量が増大する等経済性の点、材料の可撓性や柔軟性が低下する等の容器特性の点では不利となるからである。
【0045】
2.多層プラスチック容器(2)の全体の厚み
多層プラスチック容器11において、層全体の厚みは、用途によっても相違するが、一般に30〜7000μm、特に50〜5000μmであるのがよく、一方酸素吸収層の中間層の厚みは、全体の厚みの0.5〜95%、特に1〜50%の厚みとするのが適当である。
【0046】
[多層プラスチック容器(2)の製造方法]
以下、多層プラスチック容器(2)の形態を二軸延伸ボトルとする際の製造方法について説明するが、多層プラスチック容器(2)はこの形態に限定されるものではない。
1. 多層プリフォームの製造方法
多層プリフォームの製造は、従来公知の共射出成形機等を用いて、内層及び外層をポリエステル樹脂とし、内層外層の間に一層又はそれ以上の酸素吸収層を挿入し、射出用プリフォーム金型の形状に対応した、底部及び開口部を有する多層プリフォームを製造することができる。
【0047】
その一方法として、2台以上の射出機を備えた共射出成形機及び共射出用金型を用いて、内層及び外層をポリエステル樹脂とし、内層及び外層に覆われるように中間に一層又はそれ以上の酸素吸収層を挿入し、射出用プリフォーム金型の形状に対応した、底部及び開口部を有する多層プリフォームを製造することもできる。
【0048】
また、3台以上の射出機を備えた多段射出機により、まず第1次内層プリフォームを形成し、次いで第2次金型に移し中間層を射出し、さらに第3次金型で外層を射出して、逐次に多段金型を移して多層プリフォームを製造することもできる。
【0049】
さらに、多段射出機により、まず第1次内層プリフォームを射出成形し、次いで前記プリフォームを第2次金型を移して酸素吸収層を射出し、さらに前記プリフォームを第3次金型に移して外層を射出し、逐次に多段金型を用いて多層プリフォームを製造することもできる。
【0050】
他の方法としては、圧縮成形によって製造することもできる。この場合、内外層を形成する溶融樹脂塊中に酸素吸収層樹脂を設け、この溶融樹脂塊を実質上温度低下なしに雌型に供給すると共に雄型で圧縮成形する。
【0051】
このようにして得られたプリフォームの口頸部に耐熱性を与えるため、プリフォームの段階で、口頸部を熱処理により結晶化し白化させてもよい。また、後述の延伸ブローによる成形を完了させた後に、未延伸部分の口頸部を結晶化し白化させてもよい。
尚、必要に応じて、前記多層プリフォームの層間には接着層を設けてもよい。
【0052】
2.ブロー成形体の製造
次に、多層プリフォームを二軸延伸ブロー成形するが、その方法としては、大別して、ホットパリソン法とコールドパリソン法とがある。前者のホットパリソン法では、プリフォームを完全に冷却することなく、軟化状態で二軸延伸ブロー成形する。一方、後者のコールドパリソン法では、プリフォームを、最終形状の寸法よりかなり小さく、かつポリエステルが非晶質である過冷却有底プリフォームとして形成し、このプリフォームをその延伸温度に予備加熱し、ブロー成形金型中で軸方向に引張延伸すると共に、周方向にブロー延伸する。
いずれの方法においても、この多層プリフォームをガラス転移点(Tg)以上の延伸温度、例えば、85〜120℃に加熱後、金型内において二軸延伸ブロー成形し、延伸ロッドにより縦方向に延伸すると共にブローエアによって横方向に延伸する。最終ブロー成形体の延伸倍率は、縦方向で1.2〜6倍、横方向で1.2〜4.5倍が好ましい。
【0053】
本発明で食用油を充填するプラスチック容器として使用する第三の多層プラスチック容器は、請求項12に記載のもので、詳細にはつぎのような層構成を有する多層プラスチック容器(以下、「多層プラスチック容器(3)」ということがある)である。
【0054】
〔多層プラスチック容器(3)〕
少なくとも、オレフィンと環状オレフィンとの非晶性乃至低結晶性共重合体からなる第一の層と、酸素バリヤー性熱可塑性樹脂からなる第二の層を備えてなる多層プラスチック容器である。
【0055】
[内外層]
多層プラスチック容器(3)は、内外層を構成する樹脂にオレフィン系樹脂を選択することが好ましく、前記段落番号(0036)に記載したものを使用することができる。
【0056】
[第一の層]
第一の層として、オレフィンと環状オレフィンとの非晶乃至低結晶性共重合体を少なくとも1層設けることにより、保水性を向上させることができる。オレフィンとしてはエチレンが好適であるが、他にプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル1−ペンテン、1−デセン等の炭素数3〜20のα−オレフィンが、単独或いはエチレンとの組合せで使用される。
【0057】
[第二の層]
第二の層を構成する酸素バリヤー性熱可塑性樹脂としては、例えば、前記段落番号(0023)〜(0024)に記載のものを使用できる。
【0058】
多層プラスチック容器(3)では、酸素バリヤー性熱可塑性樹脂からなる第二の層に、酸化可能有機成分として、前記段落番号(0027)〜(0029)に記載したポリエン系重合体、および前記段落番号(0030)〜(0031)に記載した遷移金属触媒を配合してもよい。
【0059】
[容器]
次に多層プラスチック容器(3)の積層構造について、第二の層をOBRと表して、例示するが、これらに限定されるものではない。
層構成の例:外層から
▲1▼PE/AD/OBR/AD/COC/AD/PE
▲2▼PP/AD/OBR/AD/COC/AD/PP
▲3▼PE/AD/COC/AD/OBR/AD/COC/AD/PE
▲4▼PP/AD/OBR/AD/COC/AD/PP+REG/PP
▲5▼PET/AD/OBR/AD/COC/AD/PET
等を例示することができる。(図式中のREGは回収樹脂でり、PP+REGのように+で結ばれているものは混合物である。)
【0060】
多層プラスチック容器(3)において、第二の層の厚みは、特に制限はないが一般に3〜100μm、特に5〜50μmの範囲にあるのが好ましい。即ち、第二の層の厚みが上記範囲よりも薄くなると酸素バリヤー性能が劣り、また上記範囲よりも厚くなっても酸素バリヤー性能の点では格別の利点がなく、樹脂量が増大するなどの経済性の点、材料の可撓性や柔軟性が低下するなどの容器特性の点で不利となる。
【0061】
また、オレフィンと環状オレフィンとの共重合体からなる第一の層の厚みについては、特に制限はないが、一般に3〜100μm、特に5〜50μmにするのが好ましい。第一の層の厚みが上記範囲よりも薄くなると第二の層の酸素バリヤー性を低減させたり、上記範囲よりも厚くすると、挫屈時の割れが生じたり、機械的強度の低下を誘因する。
【0062】
本発明で食用油を充填するプラスチクック容器として使用する第四の多層プラスチック容器は、請求項13に記載のもので、詳細にはつぎのような層構成を有する多層プラスチック容器(以下、「多層プラスチック容器(4)」ということがある)である。
【0063】
〔多層プラスチック容器(4)〕
ポリエステル樹脂からなる外層、酸素バリヤー性熱可塑性樹脂からなる中間層、ポリプロピレン樹脂からなる内層を備えてなる多層プラスチック容器である。
[外層]
外層を構成する好ましいほリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)を挙げることができる。
[中間層]
多層プラスチック容器(4)は、中間層として酸素バリヤー性熱可塑性樹脂からなる層を備えている。中間層を構成する酸素バリヤー性熱可塑性樹脂としては酸素バリヤー性を有するものであれば特に制限はないが、好適な例としては、先に段落番号(0023)〜(0024)に記載した樹脂と同様なものを使用することができる。
【0064】
[内層]
多層プラスチック容器(4)では、内層としてポリプロピレン樹脂からなる層を備えている。このポリプロピレン樹脂としては、ポリプロピレン単独重合体、プロピレンとエチレン等のα−オレフィンとの共重合体(ランダム共重合体及びブロック共重合体)が挙げられる。この中でも、ランダム共重合体を使用することが、透明性の点で好ましい。
【0065】
また、多層プラスチック容器(4)においては、他の中間層として先に段落番号(0012)に記載したCOC樹脂や、段落番号(0027)〜(0031)に記載した酸素吸収層を設けても差し支えない。
さらに、外層及び/又は内層の表面に蒸着膜層を設けてもよい。容器を構成する各層間には、必要に応じて、接着樹脂を介在させることができる。
【0066】
本発明で食用油を充填するプラスチック容器として使用する第五の多層プラスチック容器は、請求項14に記載のもので、詳細にはつぎのような層構成を有する多層プラスチック容器(以下、「多層プラスチック容器(5)」ということがある)である。
【0067】
〔多層プラスチック容器(5)〕
熱可塑性樹脂からなる層、及び蒸着膜からなる層を有する多層プラスチック容器である。この場合、多層プラスチック容器を構成する外層が熱可塑性樹脂からなる層であっても、蒸着膜からなる層であってもよい。
【0068】
熱可塑性樹脂としては、前記段落番号(0009)〜(0010)に記載したポリエステル系樹脂や、前記段落番号(0036)に記載したオレフィン系樹脂と同様の樹脂を使用することができる。
【0069】
蒸着膜としては、珪素酸化物膜、酸化アルミニウム膜等の金属酸化物膜等を挙げることができる。
【0070】
本発明では、上記で説明した透明な多層プラスチック容器(1)〜(5)中に、食用油を充填することによって包装体を構成するが、プラスチック容器の形態としては、ボトル、カップ、トレー、チューブ等、任意のものとすることができる。
例えば、ボトル又はチューブは、パリソンを押出した後、一対の割型でパリソンをピンチオフし、その内部に流体を吹き込むダイレクトブロー成形、また、プリフォームを射出成形し、プリフォームを冷却後、延伸温度に加熱し、軸方向に延伸するとともに、流体圧により周方向にブローする二軸延伸ブロー成形により製造される。カップ又はトレー容器は、フィルム又はシートを真空成形、圧空成形、張出成形、プラグアシスト成形等の手段により製造される。
【0071】
好ましい層構成を有する多層プラスチック容器としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
▲1▼PET/酸素吸収層/PET/酸素吸収/PET(延伸ブローボトル)
▲2▼PET/酸素吸収層/COC/酸素吸収層/PET(延伸ブローボトル)
▲3▼PET/COC/PET/COC/PET(延伸ブローボトル)
▲4▼PET/COC/PET/COC/PET/蒸着膜層(延伸ブローボトル)
▲5▼PO/EVOH/COC/PO(ダイレクトブローボトル)
▲6▼PO/EVOH+酸素吸収材/COC/PO(ダイレクトブーボトル)
▲7▼PO/EVOH/PO+酸素吸収材/EVOH/PO(ダイレクトブローボトル)
▲8▼PET/蒸着膜層(延伸ブローボトル)
尚、上記図式中のPOはポリオレフィン系樹脂を示す。
【0072】
多層プラスチック容器内に充填する食用油としては、例えば、微量の水分の増加により白濁や濁り、流動特性の変化等を生じ、商品価値が著しく低下する植物系食用油(いわゆる健康オイル)、特にジアシルグリセロール及び/又は植物ステロールを含有する常温で透明液状の食用油や、また、これらの食用油を含有するドレッシング、マヨネーズ等の調味料のような油脂加工品が挙げられる。
【0073】
このような食用油の例としては、次の(a)〜(e)が挙げられる。
(a)ジアシルグリセロール15重量%以上及び植物ステロール2〜10重量%を含有する常温で透明液状の油脂であって、炭素数29〜31の炭化水素の含量が植物ステロール100重量部に対し1重量部以下であることを特徴とする食用油脂。
上記の植物ステロールとしては、α−シトステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカテロール、α−シトスタノール、β−シトスタノール、スチグマスタノール、カンペスタノール等、及びこれらの脂肪酸エステル、配糖体などが挙げられる。上記植物ステロールは、それぞれ一種以上を適宜選択して使用できる。
【0074】
好適な食用油脂としては、ジアシルグリセロールを15重量%以上、好ましくは30〜95重量%、さらに好ましくは55〜95重量%、特に好ましくは80〜95重量%含むものである。ジアシルグリセロールは、例えば油脂の加水分解物を蒸留して得られる脂肪酸とグリセリンを、1,3−位特異的リパーゼ等の酵素の存在下、エステル化反応させることにより製造することができる。ジアシルグリセロールの構成脂肪酸は、炭素数8〜24、特に12〜22であるものが好ましく、また、不飽和脂肪酸が全構成脂肪酸の55重量%以上、特に70重量%以上であるのが好ましい。
【0075】
(b)オレイン酸モノグリセライドの含有率が50重量%以上である未水添脂由来のモノグリセライドを食用油脂に0.1〜4重量%含有する加熱調理用油脂組成物。
上記のモノグリセライドには、飽和脂肪酸モノグリセライド(飽和酸モノグリセライドともいう。)を含んでいてもよいが、その含有率は多くとも10重量%であることが油脂に添加した際の冷却耐性の面で好ましい。また当該モノグリセライドは、オレイン酸残基の含有率が高いハイオレイックサフラワー油やインターマウンテン社(米国)が育種した低リノレン酸採種油、ハイオレイック採種油から調整するのが好ましい。特に、ハイオレイックサフラワー油由来のモノグリセライド、例えば当該油をエステル交換反応等により得られるモノグリセライドが好ましい。
【0076】
上記の加熱調理用油脂組成物としては、品温が0℃で、少なくとも5.5時間透明な状態を維持できるものが長時間低温下での保存を可能にする上で好まし
い。
【0077】
また、食用油としては、コーン油、大豆油、菜種油、綿実油、米油、紅花油、ひまわり油、胡麻油、オリーブ油、パーム油等一般的に使用されている油脂から任意に選んでもちいることができ、その性状は液体、固体を問わずそれぞれ単独で用いてもあるいは混合、水添、分別、エステル交換などの加工をして用いてもよい。
【0078】
モノグリセライドとしては、グリセロールと脂肪酸のモノエステルで、α−モノグリセライド、β−モノグリセライドのどちらでも可能である。当該モノグリセライドは、オレイン酸モノグリセライドを50重量%以上、好ましくは70〜100重量%含有する未水添脂由来のモノグリセライドである。
【0079】
(c)オリザノールを含有するフライ用油脂
このフライ用油脂は、油脂にオリザノールを65℃以上で溶解させ、0.5重量%以上含有させることにより、フライ衣のサクサク感が維持されるようにしたものである。
【0080】
上記オリザノールは米ぬか油由来のものであり、フェルラ酸とアルコールとのエステル化合物であることが好ましい。また、上記油脂がパルチミン酸を10〜50重量%含有することが好ましい。また、上記油脂がエステル交換されていることが好ましい。
オリザノールとは、フェルラ酸誘導体の総称であるγ−オリザノールが主体であって、フェルラ酸とアルコールとのエステル化合物であり、例えば、シクロアルテノールフェルラ酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールフェルラ酸エステル等が挙げられる。オリザノールは通常米ぬかの原油に1〜3重量%、また米ぬか油精製にも0.2重量%程度含まれている。
【0081】
オリザノールを溶解させる油脂としては、通常の食用油脂、例えば大豆油、高オレイン酸大豆油、菜種油、高オレイン酸菜種油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、綿実油、パーム油、オリーブ油、胡麻油、シソ油、エゴマ油、亜麻仁油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、ボラージ油、小麦胚芽油、藻類油、魚油、牛脂、豚脂等の油脂、およびそれらのエステル交換油、分別油、硬化油から選ばれる1種または2種以上の油脂を組み合わせてもよい。
パルチミン酸を10〜50重量%含まれるように選択、組合せた油脂がより好ましい。
【0082】
(d)食用油脂を含み、リノレン酸を1重量%以上の割合で、植物ステロールを1重量%から10重量%までの割合で、トコフェロールを0.01重量から1重量までの割合で、親油性乳化剤を0.005重量%から10重量%までの割合で含有する食用油脂組成物。
上記の食用油脂は、植物性油脂を含むことが好ましく、その場合、米油を10重量%以上の割合で含むことがより好ましい。後者の場合、食用油脂組成物は、オリザノールを0.01重量%から2重量%までの割合で含有することができる。
【0083】
上記の食用油脂組成物には、通常、食用油脂自体に含まれる植物ステロールに加えてさらに植物ステロールが配合される。その場合、配合される植物ステロールが脱臭処理されていることが好ましい。
【0084】
上記の食用油脂組成物において使用される親油性乳化剤は、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群の中から選ばれる1種または2種以上の乳化剤であり得る。特に、親油性乳化剤が、それぞれ6以下のHLB値を有するショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよびプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群の中から選ばれる1種または2種以上の乳化剤(第一の乳化剤)であると、植物ステロールの食用油脂からの析出をより一層効果的に抑制し得る。
【0085】
また、親油性乳化剤として、それぞれ7以下のHLB値を有するショ糖脂肪酸エステルおよびグリセリン脂肪酸エステルからなる群の中から選ばれる1種または2種以上の第2の乳化剤を配合すると加熱調理時の泡立ちを有効に抑制し得る。
【0086】
上記の食用油脂組成物は、それに含まれる成分における脂肪酸残基のうち、飽和脂肪酸が15重量%以下であるように調整することが好ましい。
上記の食用油脂組成物は、コレステロール吸収阻害効果を有する。また、この食用油脂組成物は、調理用に使用して特に好ましい。
【0087】
上記の食用樹脂組成物に使用される食用油脂には、植物性油脂、動物性油脂、ジグリセリドおよび食用精製加工油脂が含まれるが、これら油脂としては、脱臭工程前の脱色油のほか、抽出油、原油、脱酸油、脱ガム油、脱ロウ油等の工程油および精製油も用いることができる。植物性油脂としては、大豆油、大豆胚芽油、菜種油、コーン油、胡麻油、ゴマサラダ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、綿実油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、オリーブ油、米ぬか油、小麦胚芽油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、藻類油、およびこれらの分別油が含まれるがこれらに限定されるものではない。
【0088】
動物性油脂としては、牛脂、ラード、鶏油、乳脂、魚油、アザラシ油、およびこれらの分別油が含まれるが、これらに限定されるものではない。ジグリセリドは、グリセリンと動植物油由来の脂肪酸のジエステルである。油脂の加水分解後精製したもの、またはグリセリンと脂肪酸をエステル化し、精製したものを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0089】
食用精製加工油脂としては、前記植物性油脂、動物性油脂の水素添加油、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トリアセチン等の合成油脂、およびエステル交換油等が含まれるが、これらに限定するものではない。本発明に使用される食用油脂は、常温(25℃程度)で液状のものが好ましく、透明性を有するものがさらに好ましい。そのような食用油脂としては、上記植物性油脂が好ましい。
【0090】
上記の食用油脂組成物中に含まれるリノレン酸は、通常、上記食用油脂、特に亜麻仁油、菜種油等の植物性油脂中のグリセリドの形態で含まれるものであり、その量1重量%以上は、グリセリドの形態にあるリノレン酸を遊離の形態のリノレン酸に換算した量である。
【0091】
上記の食用油脂組成物がオリザノールを0.01〜2重量%の割合で含有する場合、米油はオリザノールを0.1〜2重量%程度含有するので、使用する食用油脂として米油または米油を含有する混合食用油脂を使用することができる。その場合、食用油脂は、米油を10重量%以上含有するものであることが好まし
い。
【0092】
上記の食用油脂組成物に含まれるトコフェロールは、通常、食用油脂中に含有されているものであるので、別途トコフェロールを配合する必要はない場合がある。
【0093】
上記の食用油脂組成物において使用される植物ステロールは、大豆油、大豆胚芽油、菜種油、コーン油、ゴマ油、ゴマサラダ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、綿実油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、オリーブ油、米ぬか油、小麦胚芽油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ油、藻類油等の油脂の脱臭工程で得られた脱臭留出物を濃縮、精製して得られる植物ステロールを含む。これら植物ステロールの成分は、ブラシカステロール類、カンペステロール類、スティグマステロール類、シトステロール類、イソフコステロール類、デルタ5−アベナステロール類、7−エルゴステロール類等であるが、その他シトスタノール類、カンペスタノール類、スティグマスタノール類等の類似構造を有する成分も含まれる。しかしながら、上記の食用油脂組成物において使用される植物ステロールは、成分を限定するものではない。
【0094】
上記の食用油脂組成物において使用される植物ステロールは、上記脱臭留出物を溶剤分別、加水分解、蒸留、吸着処理の組み合わせにより濃縮・精製されたものであるが、これらに限定されるものではなく、精製度の低いものも含まれる。
【0095】
(e)上記の食用油(a)〜(d)を含有する、ドレッシング、コーヒーホワイトナー、ホイップクリーム、マヨネーズ、乳化ドレッシング、ファッドスプレッド、ショートニング等の油脂加工品。
【0096】
【実施例】
以下、実施例により本発明の包装体についてさらに説明するが、下記の具体例は本発明を限定するものではない。
〔多層プラスチック容器(1)の製造〕
以下の例においては、常法によりコインジェクションによって多層プリフォームを製造し、得られたプリフォームを延伸ブロー成形することによって、多層ポリエステル延伸ボトルを製造した。
【0097】
(実施例1)
多層ボトルの(A)内外層を構成する樹脂としてポリエチレンテレフタレート(極限粘度相当値、IV:0.7)、(B)接着樹脂として、無水マレイン酸変性エチレン・1−オクテン共重合体(無水マレイン酸グラフト率:0.8重量%、エチレン含量:90モル%、MFR:4.2g/10min、密度:0.898)55重量%とエチレン・1−ブテン共重合体(エチレン含量:87モル%、MFR:8.0g/10min、密度:0.880)45重量%とのブレンド物、(C)中間樹脂層としてエチレン・2−ノルボルネン共重合体(エチレン含量:40モル%)をそれぞれ使用し、A、B、Cの順に逐次共射出(コインジェクション)して、図2に示す3種5層の層構成を有する、目付け35g(重量比でA:B:C=60:10:30)の多層プリフォームを製造した。
得られたプリフォームをブロー型内で赤外線で120℃迄加熱後、縦方向2.8倍、横方向3.2倍に延伸ブローし、金型内で冷却して内容量約700mlで表面積約700cm2の2軸延伸ブローボトルを作製した。
尚、下記方法にて測定した透湿度および酸素透過度は、それぞれ、0.7g/day・m、0.04ml/day・bottleであった。
また、下記方法で測定した透明性および食用油保存性を表1に示す。
【0098】
(透湿度)
ボトル内に十分乾燥させた塩化カルシウム30gとガラスビーズ30gを充填し、ポリプロピレンキャップで栓をして、40℃、相対湿度90%の雰囲気中に放置し、ボトルの胴壁を透過した水分による質量増加を測定することにより、ボトルの表面積からボトルの透湿度(g/m・day)を算出した。ボトル各3本について算出した平均値を透湿度とした。
(酸素透過度)
ボトルを脱気箱に入れて窒素置換した後に、ボトル内容量の2%の水を入れてアルミラミネートフィルムでヒートシールして10本密封した。うち5本を初期値としてガスクロマトグラフにてボトル内酸素濃度を測定し、初期値とした。残りの5本を30℃、相対湿度80%の雰囲気中に3週間放置した後に同様にボトル内酸素濃度を測定した。「酸素透過度」=(「ボトル内酸素濃度」−「初期値」)×「ボトル内容量」/「保存期間」よりボトル各5本について酸素透過度を算出し、平均値を酸素透過度とした。
(透明性)
JIS K7105に準じて、ボトル胴壁の最薄肉部の光線透過率(ヘイズ:%)を測定した。
(食用油保存性)
食用油を充填した包装体を、40℃、相対湿度90%の雰囲気で3か月保存した後に、内容品の濁りを積分球式デジタル濁度計により測定して、カオリンを基準濃度としてmg/Lで表記した。この値が2mg/Lを超えると、見た目に白濁した感じとなる。
【0099】
(実施例2)
実施例1で作製した、3種5層の2軸延伸ブローボトルの内層表面に、マイクロ波プラズマCVD法により厚さ30nmの珪素酸化膜層を設けた。
実施例1と同様な方法にて測定した透湿度および酸素透過度は、それぞれ0.3g/m・day、0.01ml/day・bottleであった。
また、透明性および食用油保存性について表1に示す。
【0100】
(実施例3)
共射出成形機を使用し、ポリエチレンテレフタレート[日本ユニペット(株)製RT543CTHP]を内外層用射出機へ供給した。一方、中間樹脂層として、エチレン・2−ノルボルネン共重合体を中間層用射出機へ供給した。さらに、ポリ(m−キシリレンアジパミド)樹脂ペレット[T−600:東洋紡績(株)製]に、遷移金属触媒としてネオデカン酸コバルト[DICNATE5000:大日本インキ化学工業(株)製]を、コバルト量で310ppm添加し、さらに酸化性有機成分として、マレイン酸変性ポリブタジエン[M−2000−20:日本石油(株)]を5重量%配合して、酸素吸収層用射出機へ供給した。これらの樹脂を共射出して、内外層がPET、中間層がエチレン・2−ノルボルネン共重合体樹脂、内層と中間層、中間層と外層の間にそれぞれ酸素吸収層を設けた3種5層のプリフォームを製造した。
さらに、このプリフォームを100℃に加熱後、常温の金型を用いて、延伸倍率が縦2.4倍、横2.9倍、面積6.96倍の二軸延伸ブロー成形を行って、内容量が500mlの3種5層の横断面形状が円形の多層ボトルを成形した。
重合体樹脂、内層と中間層、中間層と外層の間にそれぞれ酸素吸収層を設けた3実施例1と同様な方法にて測定した透湿度および酸素透過度は、それぞれ0.7g/m・day、0.01ml/day・bottleであった。
また、透明性および食用油保存性について表1に示す。
【0101】
(実施例4)
外層を構成する樹脂としてグリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂(イーストマンケミカル製EASTER−PETG−6763)、中間層としてエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂((株)クラレ製エバールF101B)、内層としてエチレン−プロピレンランダム共重合体樹脂(三井住友ポリオレフィン製S131DG)を用いて、押出機及び多層ダイにより、外層から順に、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂/接着剤/エチレン−ビニルアルコール共重合体/接着剤/エチレン−プロピレンランダム共重合体、からなる4種5層のパリソンを押出し、ダイレクトブロー成形法により、内容積500mlの多層容器を製造した。
実施例1と同様な方法にて測定した透湿度および酸素透過度は、それぞれ0.4g/m・day、0.04ml/day・bottleであった。
また、透明性および食用油保存性について表1に示す。
【0102】
(実施例5)
通常の製造方法により作製した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートボトルの内表面に、プラズマCVD法により珪素、酸素、炭素の組成比が2:3:5で膜厚が0.041μmの層を被覆し、その上にプラズマCVD法により珪素、酸素、炭素の組成比が3:6:1で膜厚が0.055μmの層を被覆して、内容積500mlの多層容器を製造した。
実施例1と同様な方法にて測定した透湿度および酸素透過度は、それぞれ0.4g/m・day、0.01ml/day・bottleであった。
また、透明性および食用油保存性について表1に示す。
【0103】
(比較例1)
常法によりポリエチレンテレフタレート製の単層のプリフォームを射出成形し、得られたプリフォームを延伸ブロー成形し、内容積500mlの二軸延伸ブローボトルを作製した。
実施例1と同様な方法にて測定した透湿度および酸素透過度は、それぞれ1.8g/m・day、0.05ml/day・bottleであった。
また、透明性および食用油保存性について表1に示す。
【0104】
【表1】
Figure 2005027505
【0105】
表1によれば、実施例1〜5で作製した容器内に充填した食用油に白濁や変質は発生せず、良好な外観と品質を維持していた。一方、比較例1で作製した容器内に充填した食用油では白濁が発生していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装体に使用するプラスチック容器の1例を示す図である。
【図2】図1のAの部分の層構成を示す模式断面図である。
【図3】本発明の包装体に使用する他のプラスチック容器の層構成を示す模式断面図である。
【図4】本発明の包装体に使用する他のプラスチック容器の層構成を示す模式断面図である。
【図5】本発明の包装体に使用する他のプラスチック容器の層構成を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1、14 ポリエステル樹脂外層
2、4 接着樹脂層
3 中間樹脂層
5、12 ポリエステル樹脂内層
13 酸素吸収層
15 蒸着膜

Claims (14)

  1. 食用油を、透湿度が1.0g/m・day以下、酸素透過度0.05ml/day・bottle以下の透明なプラスチック容器に充填した包装体。
  2. 食用油が、植物系食用油であることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
  3. 食用油が、ジアシルグリセロール及び/又は植物ステロールを含有する常温で透明液状の食用油であることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装体。
  4. 食用油が、ジアシルグリセロール15重量%以上及び植物ステロール2〜10重量%を含有する常温で透明液状の油脂であって、炭素数29〜31の炭化水素の含量が植物ステロール100重量部に対し1重量部以下である食用油脂であることを特徴とする請求項3に記載の包装体。
  5. 食用油が、オレイン酸モノグリセライドの含有率が50重量%以上である未水添脂由来のモノグリセライドを食用油脂に0.1〜4重量%含有させた加熱調理用油脂組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装体。
  6. 食用油が、オリザノールを含有するフライ用油脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装体。
  7. 食用油が、食用油脂を含み、リノレン酸を1重量%以上の割合で、植物ステロールを1重量%から10重量%までの割合で、親油性乳化剤を0.005重量%から10重量%までの割合で含有する食用油脂組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装体。
  8. 食用油が、油脂加工品中に含まれたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の包装体。
  9. プラスチック容器が多層プラスチック容器であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の包装体。
  10. 多層プラスチック容器が、ポリエステル樹脂外層/中間樹脂層/ポリエステル樹脂内層を有する少なくとも3層構成の多層ポリエステル延伸容器であり、且つ、容器の最薄部でのヘイズが20%以下であることを特徴とする請求項9に記載の包装体。
  11. 多層プラスチック容器が、熱可塑性樹脂から成る内層及び外層と、前記内層及び外層の間に酸素吸収層を有する多層プラスチック容器であることを特徴とする請求項9に記載の包装体。
  12. 多層プラスチック容器が、少なくとも、オレフィンと環状オレフィンとの非晶乃至低結晶性重合体からなる第一の層と、酸素バリアー性熱可塑性樹脂からなる第二の層を備えてなる多層プラスチック容器であることを特徴とする請求項9に記載の包装体。
  13. 多層プラスチック容器が、ポリエステル樹脂からなる外層、酸素バリアー性熱可塑性樹脂からなる中間層、ポリプロピレン樹脂からなる内層を備えてなる多層プラスチック容器であることを特徴とする請求項9に記載の包装体。
  14. 多層プラスチック容器が、熱可塑性樹脂からなる層、蒸着膜からなる層を備えてなる多層プラスチック容器であることを特徴とする請求項9に記載の包装体。
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