JP2007008582A - 多層プラスチック容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも、2層の熱可塑性樹脂層とこの熱可塑性樹脂層の間に位置する共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収性樹脂層とを、有する多層プラスチック容器。2層の熱可塑性樹脂層の少なくとも1層が熱可塑性ポリエステル樹脂からなることが好ましい。また、共役ジエン重合体環化物が10%以上の不飽和結合減少率を有するものであることが好ましい。更に、多層プラスチック容器は延伸ブロー成形されたものであることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
ところが、ポリエチレンテレフタレート樹脂製容器では、金属製缶やガラス瓶に比較して、容器外部の酸素が容器内に侵入しやすいため、賞味期限等の内容物の保存可能期間が短くなるという問題がある。このため、酸素等のガスに対するバリア性の改善が望まれている。
特に、近年になって使用量が増大している小型の容器等では、内容物量に対する容器表面積の比率が大きくなるので、内容物の保存可能期間がより短くなる傾向がある。更に、最近では、ビールやお茶等の、酸素や光線の影響を受けやすいものもペットボトルに充填して販売されるようになっている。
このため、ポリエチレンテレフタレート樹脂製容器等のプラスチック容器に対して、ガスバリア性の一層の向上が要求されている。
特許文献1では、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の層とメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂又はエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂からなるガスバリア樹脂層とを積層することが提案されている。しかしながら、この積層樹脂もガスバリア性が十分であるとは言いがたい。また、ポリエチレンテレフタレート樹脂等とガスバリア樹脂との接着性が十分ではなく、落下等の衝撃により、層間剥離が起きるという問題がある。
これらの方法に用いる酸素吸収剤ないし脱酸素剤として、ポリアミド等の酸化性有機ポリマーとコバルト等の重金属触媒とからなる酸素捕捉組成物(特許文献2)や、鉄、錫、亜鉛等の還元金属粉(特許文献3)等、金属をその一成分とするものが多く提案されている。
これらの酸素吸収剤等は、一定の酸素吸収効果を示すが十分ではなく、また、成形性に悪影響を及ぼすほか、何よりも、内容物中に混入する恐れがあり、衛生上の問題を引き起こす可能性がある。
しかしながら、このような複雑な容器構成を達成するためには、製造工程上の問題がある。
本発明の多層プラスチック容器において、2層の熱可塑性樹脂層の少なくとも1層が熱可塑性ポリエステル樹脂からなるものであることが好ましい。
また、本発明の多層プラスチック容器において、共役ジエン重合体環化物が10%以上の不飽和結合減少率を有するものであることが好ましい。
更に、本発明の多層プラスチック容器は、延伸ブロー成形されたものであることが好ましい。
本発明の多層プラスチック容器は、各種食品、飲料品、化粧品、薬剤等の容器として好適である。
熱可塑性樹脂層を構成するための熱可塑性樹脂は、熱結晶化可能な樹脂で、延伸ブロー成形が可能なものであれば、特に制限はなく、熱可塑性ポリエステル、アクリロニトリル樹脂、オレフィン樹脂(ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリエチレン等)を使用することができるが、特に、熱可塑性ポリエステルが好適である。
特に本発明の多層プラスチック容器においては、2層の熱可塑性樹脂層の少なくとも1層が熱可塑性ポリエステル樹脂からなるものであることが好ましい。
多塩基酸化合物の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族カルボン酸;アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族カルボン酸;これらの誘導体を挙げることができる。
多価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、グリセロール、ペンタエリスリトール等を挙げることができる。
熱可塑性ポリエステル樹脂は、1種類を単独で使用しても2種類以上を併用してもよく、更に、熱可塑性ポリエステル樹脂以外の樹脂との混合物であってもよい。
共役ジエン重合体環化物は、共役ジエン重合体を、酸触媒の存在下に環化反応させて得られるものである。
共役ジエン重合体としては、共役ジエン単量体の単独重合体及び共重合体並びに共役ジエン単量体とこれと共重合可能な単量体との共重合体を使用することができる。
共役ジエン単量体は、特に限定されず、その具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン等が挙げられる。
これらの単量体は、単独で使用しても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの単量体は、単独で使用しても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、重量平均分子量が1,000〜500,000の芳香族ビニル重合体ブロックと少なくとも一つの共役ジエン重合体ブロックとを有してなるブロック共重合体が好ましい。
共役ジエン重合体の重合方法は常法に従えばよく、例えば、チタン等を触媒成分として含むチーグラー系重合触媒、アルキルリチウム重合触媒又はラジカル重合触媒等の適切な触媒を用いて、溶液重合又は乳化重合により行われる。
環化反応に用いる酸触媒としては、公知のものが使用できる。その具体例としては、硫酸;フルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸、これらの無水物及びアルキルエステル等の有機スルホン酸化合物;三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、塩化アルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、エチルアンモニウムジクロリド、臭化アルミニウム、五塩化アンチモン、六塩化タングステン、塩化鉄等のルイス酸;等が挙げられる。これらの酸触媒は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。中でも、有機スルホン酸化合物が好ましく、p−トルエンスルホン酸やキシレンスルホン酸がより好ましい。
酸触媒の使用量は、共役ジエン重合体100重量部当たり、通常、0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.3〜2重量部である。
炭化水素溶媒としては、環化反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素;等が挙げられる。これらの炭化水素溶媒の沸点は、70℃以上であることが好ましい。
共役ジエン重合体の重合反応に用いる溶媒と環化反応に用いる溶媒とは、同一であってもよい。この場合は、重合反応が終了した重合反応液に環化反応用の酸触媒を添加して、重合反応に引き続いて環化反応を行うことができる。
炭化水素溶媒の使用量は、共役ジエン重合体の固形分濃度が、通常、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%となる範囲である。
環化反応における、反応温度や反応時間は、特に限定されない。反応温度は、通常、50〜150℃、好ましくは70〜110℃であり、反応時間は、通常、0.5〜10時間、好ましくは2〜5時間である。
環化反応を行った後、常法により、酸触媒を不活性化し、酸触媒残渣を除去し、次いで炭化水素溶媒を除去して、固形状の共役ジエン重合体環化物を得ることができる。
共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率が上記範囲内にあるとき、本発明の多層プラスチック容器の酸素吸収性が優れたものとなる。
いま、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、環化反応前の全プロトンピーク面積をSBT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSBU、環化反応後の全プロトンピーク面積をSAT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSAUとすると、
環化反応前の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SB)は、
SB=SBU/SBT
環化反応後の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SA)は、
SA=SAU/SAT
従って、不飽和結合減少率は、下記式により求められる。
不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SB
共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量が低すぎると、成形し難く、機械的強度が低くなる恐れがある。共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量が高すぎると、環化反応の際の溶液粘度が上昇して、取扱い難くなると共に、成形時の加工性が低下する恐れがある。
共役ジエン重合体環化物のゲル(トルエン不溶分)量は、通常、10重量%以下、好ましくは5重量%以下であるが、実質的にゲルを有しないことが特に好ましい。ゲル量が多いと、フィルムの平滑性を損なう恐れがある。
但し、酸化防止剤の添加量が多すぎると酸素吸収性を低下させるので、加工時の安定性を考慮しながら、添加量を適宜調節することが肝要である。
アミン系光安定化剤(HALS)としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどが挙げられる。
これらの樹脂のうち、ポリエチレン、ポリプロピレン並びにランダム及びブロック状のエチレン−プロピレン共重合体が好ましい。
本発明において、酸素吸収性樹脂層に用いるポリエステル樹脂としては、共役ジエン重合体環化物やオレフィン樹脂とブレンドしやすくするため、結晶化度が低い又は非晶性のポリエステルが好ましい。
ポリエステル樹脂の具体例としては、PET−G(SKYGREEN PETG S2008; SKケミカル社製)、バイロン(SI−173;東洋紡社製)、バイロン(RN−9300;東洋紡社製)等を挙げることができる。
これらの併用可能な樹脂は、ガスバリア性、強度や靭性や剛性等の機械的特性、耐熱性、印刷性、透明性、接着性等の所望の要求特性を勘案して、適宜選択することができる。これらの樹脂は、一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を併用してもよい。
その具体例としては、熱可塑性樹脂層−酸素吸収性樹脂層−熱可塑性樹脂層−酸素吸収性樹脂層−熱可塑性樹脂層の5層構造を示すことができる。このとき、2層の酸素吸収性樹脂層は、いずれもが共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収性樹脂層であってもよく、2層のうちの1層が共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収性樹脂層以外の酸素吸収性樹脂層であってもよい。そのための酸素吸収性成分としては、上記共役ジエン重合体環化物のほか、公知の酸素吸収剤を用いることができる。
また、3層の熱可塑性樹脂層は、同一であっても異なっていてもよい。
金属としては、一般に気体透過性の低いアルミニウムが用いられる。金属は、箔としてこれを樹脂フィルム等に積層してもよく、蒸着によって樹脂フィルム等上に薄膜を形成してもよい。
樹脂は、ガスバリア性では金属及び無機材料に及ばないものの、機械的性質、熱的性質、耐薬品性、光学的性質、並びに製造方法において多用な選択肢があり、これらの利点からガスバリア材として好ましく使用されている。本発明において、ガスバリア層に使用される樹脂は特に限定されず、良好なガスバリア性を有する樹脂であればいずれも使用することができるが、塩素を含まない樹脂を使用すると焼却処分時に有害ガスを発生することがないので好ましい。
これらのうち、樹脂フィルムに無機酸化物を蒸着した透明蒸着フィルムが好ましく用いられる。
支持基材層を構成する材料としてはオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂;ナイロン6やナイロン6−ナイロン66共重合体等のポリアミド樹脂;天然繊維;合成繊維;これらを抄造して得られる紙;が用いられる。
支持基材層は、熱可塑性樹脂層の外側に設けるのが好ましい。
本発明の多層プラスチック容器の厚みは、用途によっても相違し、特に限定されないが、通常、30〜7,000μmであり、50〜5,000μmであるのが好ましい。
また、酸素吸収性樹脂層の厚みにも、特に制限はないが、通常、3〜300μmであり、5〜100μmの範囲にあるのが好ましい。
延伸ブロー成形法においては、例えば、先ず、多層プリフォーム(パリソン)を製造し、これを延伸ブローして多層プラスチック容器とする。
その一方法として、2台以上の射出機を備えた共射出成形機及び共射出用金型を用いて、内外層を熱可塑性樹脂層とし、内外層に覆われるように中間に一層又はそれ以上の酸素吸収性樹脂層を挿入し、射出用プリフォーム金型の形状に対応した、底部及び開口部を有する多層プリフォームを製造する方法を示すことができる。
また、3台以上の射出機を備えた多段射出機により、まず第1次内層プリフォームを形成し、次いで第2次金型に移し中間層を射出し、更に第3次金型で外層を射出して、遂次に多段金型を移して多層プリフォームを製造することもできる。
更に、圧縮成形によって製造することもでき、この場合、内外層を形成する溶融塊熱可塑性樹脂中に酸素吸収性樹脂を設け、この溶融塊を実質上温度低下なしに雌型に供給すると共に雄型で圧縮成形する。
ホットパリソン法では、プリフォームを完全に冷却することなく、軟化状態で二軸延伸ブロー成形する。一方、コールドパリソン法では、プリフォームを、最終形状の寸法よりかなり小さく、かつポリエステル等の熱可塑性樹脂が非晶質である過冷却有底プリフォームとして形成し、このプリフォームをその延伸温度に予備加熱し、ブロー成形金型中で軸方向に引張延伸すると共に、周方向にブロー延伸する。
いずれの方法においても、この多層プリフォームをガラス転移点(Tg)以上の延伸温度、例えば、85〜120℃に加熱後、熱処理(ヒートセット)温度に加熱された金型内において二軸延伸ブロー成形法によって、延伸ロッドにより縦方向に延伸すると共にブローエアによって横方向に延伸する。最終ブロー成形体の延伸倍率は、縦方向で1.2〜6倍、横方向で1.2〜4.5倍が好ましい。
熱処理時間は、ブロー成形体の厚みや温度によっても相違するが、一般に1.5〜30秒、特に2〜20秒である。一方、冷却時間も、熱処理温度や冷却用流体の種類により異なるが、一般に0.1〜30秒、特に0.2〜20秒である。この熱処理によりブロー成形体は結晶化される。
更に、酸素吸収性樹脂層及び内側の熱可塑性樹脂層にも熱が伝わり、これらの層も結晶化される。多層プラスチック容器の各層の結晶化度は、主に、延伸配向による結晶化と、熱処理による結晶化により決まる。
結晶化度は、容器の肉厚、形状、ヒートセット温度、時間等の条件によるが、これらを最適化して少なくとも容器胴部における内外層の結晶化度を30〜55%となるようにするのが好ましい。
上述した冷却用流体を使用することにより、著しく大きい冷却温度を得ることができる。
また、二軸延伸ブロー成形に際して2個の金型を使用し、第1の金型では所定の温度及び時間の範囲内で熱処理した後、ブロー成形体を冷却用の第2の金型へ移し、再度ブローすると同時にブロー成形体を冷却してもよい。金型から取出したブロー成形体の外層は、放冷により、又は冷風を吹付けることにより冷却する。
このブロー成形体の製造方法によれば、ブロー成形体の底部が十分に延伸薄肉化され、熱間充填、加熱滅菌時の底部の変形や耐衝撃性に優れたブロー成形体を得ることができる。
なお、各特性は、以下の方法により評価した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算分子量として求める。
下記(i)及び(ii)の文献に記載された方法を参考にして、プロトンNMR測定により求める。
(i) M.A.Golub and J.Heller,Can.J.Chem.,
第41巻,937(1963).
(ii) Y.Tanaka and H.Sato,J.Polym.Sci:
Poly.Chem.Ed.,第17巻,3027(1979).
いま、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、環化反応前の全プロトンピーク面積をSBT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSBU、環化反応後の全プロトンピーク面積をSAT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSAUとすると、
環化反応前の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SB)は、
SB=SBU/SBT
環化反応後の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SA)は、
SA=SAU/SAT
従って、不飽和結合減少率は、下記式により求められる。
不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SB
JIS K7126に準拠した差圧法により、差圧式ガス・蒸気透過率測定装置(差圧式ガス透過装置:GTRテック社製、商品名「GTR−30XAD2」,検出器:ヤナコテクニカルサイエンス社製、商品名「G2700T・F」)を用いて、60±2℃、相対湿度65%、透過面の形状:直径4.4cmの円の条件で、測定する。単位は、cc/m2・day・atm(20μm)である。
JIS K6854に従い、T型剥離試験を行う。単位は、N/15mmである。
酸素吸収性多層プラスチック容器の内部の空気を完全に除去した後、改めて空気(酸素濃度20.7%)を封入して、所定期間放置した後、袋内部の酸素濃度を、酸素濃度計(米国セラマテック社製、商品名「フードチェッカー HS−750」)を用いて測定する。
攪拌機付きオートクレーブに、シクロヘキサン233部、スチレン25部及びn−ブチルリチウム0.113部(1.56モル/リットル濃度のヘキサン溶液で添加)を含むヘキサン溶液を仕込み、内温を60℃に昇温して30分間重合させた。スチレンの重合転化率は、ほぼ100%であった。
次いで、内温が75℃を超えないように制御しながら、イソプレン75部を60分掛けて連続的に添加した。添加終了後、70℃で更に1時間反応させた。この時点の重合転化率は、ほぼ100%であった。
得られた重合溶液に、β−ナフタレンスルホン酸−ホルマリン縮合物のナトリウム塩0.016部を1%水溶液で添加して重合反応を停止し、ポリスチレンブロックとポリイソプレンブロックとからなるジブロック構造のスチレン−イソプレンブロック共重合体Aを得た。このものの重量平均分子量は、78,000であった。
攪拌機、温度計、還流冷却管及び窒素ガス導入管を備えた耐圧反応器に、10mm角に裁断したポリイソプレン(シス−1,4構造単位73%、トランス−1,4構造単位22%、3,4構造単位5%、重量平均分子量144,000)300部を、シクロヘキサン700部とともに仕込み、反応器内を窒素置換した。内容物を75℃に加温して攪拌下でポリイソプレンをシクロヘキサンに完全に溶解した後、水分量が150ppm以下のp−トルエンスルホン酸2.85部を25%トルエン溶液として投入し、内温が80℃を超えないように制御しながら、環化反応を行った。7時間反応を継続した後、25%炭酸ナトリウム水溶液4.4部を投入して反応を停止した。80℃で共沸還流脱水により水分を除去した後、孔径2μmのガラス繊維フィルターを用いて、系中の触媒残渣を除去して、ポリイソプレン環化物BKの溶液を得た。
ポリイソプレン環化物BKの重量平均分子量は107,000、不飽和結合減少率は61%であった。
このポリイソプレン環化物BKを製造例1と同様の混練条件で混練して、ペレット化し、ポリイソプレン環化物BKのペレットbkを得た。
二軸押出機(φ=30mm、L/D=20)を用いて、ポリイソプレン環化物BKのペレットbkとポリエステル樹脂PET−G(SKYGREEN PETG S2008;SKケミカル社製)とを、重量比率40:60で混練し、ペレットckを作製した。
二軸押出機(φ=30mm、L/D=20)を用いて、重量比率99.5:0.5のポリメタキシリレンアジパミド樹脂(三菱瓦斯化学社製、商品名「MXD−6」)及びネオデカン酸コバルトを混練してペレットdを作製した。
製造例1で作製したスチレン−イソプレンブロック共重合体環化物AKのペレットakをコア層とし、ポリエチレンテレフタレート樹脂(日本ユニペット社製、商品名「RT−543SR」)をスキン層として、単軸押出機にTダイ及び二軸延伸試験装置(いずれも東洋精機製作所社製)を接続して押出成型し、スキン層の厚さ50μm、コア層の厚さ1mmの二種三層からなる多層シートを得た。
この多層シートについて、酸素ガス透過速度を測定した。また、多層シートから15mm幅の短冊状試験片を切り出し、スキン層とコア層との間のラミ強度を測定した。これらの結果を表1に示す。
スチレン−イソプレンブロック共重合体環化物AKのペレットakに代えて、ポリイソプレン環化物BKのペレットbk(実施例2)、ポリイソプレン環化物BK/ポリエステル樹脂PET−G混練物のペレットck(実施例3)又はポリメタキシリレンアジパミド樹脂/ネオデカン酸コバルト混練物のペレットd(比較例1)を用いるほかは実施例1と同様にして、多層シートを得た。この多層シートについて、実施例1と同様にして、酸素ガス透過速度及びラミ強度を測定した。これらの結果を表1に示す。
実施例1で使用したポリエチレンテレフタレート樹脂(日本ユニペット社製、商品名「RT−543SR」)のみで、実施例1で得た多層シートと同じ厚さ(1.1mm)のシートを得た。このシートについて、実施例1と同様にして、酸素ガス透過速度及びラミ強度を測定した。これらの結果を表1に示す。
これに対して、酸素吸収性樹脂層を設けない場合(ポリエステルのみで構成したシート)は、酸素ガス透過速度が非常に大きい(比較例2)。共役ジエン重合体環化物に代えてポリメタキシリレンアジパミド樹脂/ネオデカン酸コバルトからなる酸素吸収剤を用いた場合(比較例1)も酸素透過速度が大きく、また、ラミ強度も劣ることが分かる。
ポリエチレンテレフタレート樹脂(日本ユニペット社製、商品名「RT−543SR」)と製造例1で作製したスチレン−イソプレンブロック共重合体環化物AKのペレットak(実施例4)又は製造例3で作製したペレットck(実施例5)とを使用して、ポリエチレンテレフタレート樹脂(第1層)/スチレン−イソプレンブロック共重合体環化物(実施例4)又はポリイソプレン環化物BKとポリエステル樹脂PET−Gとの混練物(実施例5)(第2層)/ポリエチレンテレフタレート樹脂(第3層)の3層構成からなる長さ10cm(口頸部を含む)、重量32gの有底パリソンを、射出成形により、ポリエチレンテレフタレート樹脂側286℃及び共重合体環化物側280℃の条件で成形した。なお、このとき、第1層/第2層/第3層の重量比率が47%/6%/47%となるように、製造条件を設定した。
次いで、プリフォームの口頸部が190℃になるように熱処理して結晶化(白化)させた後、プリフォームの口頸部以外の本体を105℃となるように温度調整し、定法により2軸延伸ブロー成形に付して、350cc充填用のボトル形状の多層プラスチック容器を製造した。この多層プラスチック容器において、酸素吸収性樹脂層からなる中間層は、底部、胴部及び厚肉帯条部に亘って存在していた。
このボトル形状の多層プラスチック容器内部を酸素濃度20.7%の空気で置換した後、100ccの酸素濃度20.7%の空気を封入して、60℃で2週間放置した後の内部の酸素濃度を測定した。結果を表2に示す。
スチレン−イソプレンブロック共重合体環化物AKのペレットakに代えて、ポリメタキシリレンアジパミド樹脂とネオデカン酸コバルトとの混練物のペレットdを使用するほかは、実施例4と同様の試験を行った。結果を表2に示す。
Claims (4)
- 少なくとも、2層の熱可塑性樹脂層とこの2層の熱可塑性樹脂層の間に位置する共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収性樹脂層とを、有する多層プラスチック容器。
- 2層の熱可塑性樹脂層の少なくとも1層が熱可塑性ポリエステル樹脂からなるものである請求項1に記載の多層プラスチック容器。
- 共役ジエン重合体環化物が10%以上の不飽和結合減少率を有するものである請求項1又は2に記載の多層プラスチック容器。
- 延伸ブロー成形されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の多層プラスチック容器。
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