JP2005026272A - フェノール樹脂積層板及びそれを用いた電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来,紙基材フェノール樹脂積層板の切断紛や端材等,廃棄物として処理されていたものを再利用することにより,廃棄物を低減し,かつ安価な紙基材フェノール樹脂積層板およびこれを用いた電子部品を提供する。
【解決手段】紙基材にフェノール樹脂組生物を含浸乾燥したプリプレグを重ね合わせ,加熱加圧してなるフェノール樹脂積層板において,プリプレグにフィラーを含有させたフェノール樹脂積層板。前記フィラーが紙基材フェノール樹脂積層板を粉砕した再生物であるフェノール樹脂積層板。フェノール樹脂組成物に対し,前記粉砕再生物が5〜50重量%の範囲であるフェノール樹脂積層板。
【選択図】 なし
【解決手段】紙基材にフェノール樹脂組生物を含浸乾燥したプリプレグを重ね合わせ,加熱加圧してなるフェノール樹脂積層板において,プリプレグにフィラーを含有させたフェノール樹脂積層板。前記フィラーが紙基材フェノール樹脂積層板を粉砕した再生物であるフェノール樹脂積層板。フェノール樹脂組成物に対し,前記粉砕再生物が5〜50重量%の範囲であるフェノール樹脂積層板。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,フェノール樹脂積層板およびこれを用いた電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の小型化,多機能化に伴い,プリント配線板も高密度化,小型化が進んでいる中,紙基材フェノール樹脂積層板は,打抜加工性,ドリル加工性にすぐれ,かつ安価であるため民生用電子機器のプリント配線板用基板として広く用いられている。
紙基材フェノール樹脂積層板は,フェノール類とアルデヒド類とをアルカリ触媒の存在下に反応させてフェノール樹脂を得,フェノール樹脂を溶剤で調整し,紙基材に含浸乾燥して得られるプリプレグを所定枚数重ね合わせて加熱加圧して製造され,絶縁基板として使用されるほか,プリプレグと銅はくとを組合せて銅張積層板とし,銅はくをエッチングすることにより,回路を形成してプリント配線板として使用される。
紙基材フェノール樹脂銅張積層板は,製造工程において,加熱加圧成形後,4辺の耳切断や顧客使用サイズへの切断時に発生する端材および切断粉,または不良品等,種々の廃材が発生し,廃棄物として処理されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年の環境問題の意識の高まりから,廃棄物低減が求められている。
本発明は,従来,廃棄物として処理されていた,切断粉,端材等を粉末として,フェノール樹脂積層板に原材料として使用することにより,フェノール樹脂積層板およびこれを用いた電子部品を安価に製造し,かつ,廃棄物を低減する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は、紙基材にフェノール樹脂組生物を含浸乾燥したプリプレグを重ね合わせ,加熱加圧してなるフェノール樹脂積層板において,プリプレグにフィラーを含有させたフェノール樹脂積層板に関する。
(2)また、本発明は、(1)記載のフィラーが紙基材フェノール樹脂積層板を粉砕した再生物であるフェノール樹脂積層板に関する。
(3)また、本発明は、フェノール樹脂組成物に対し,(2)記載の粉砕再生物が5〜50重量%であるフェノール樹脂積層板に関する。
(4)また、本発明は、(1)〜(3)記載のフェノール樹脂積層板を用いた電子部品に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるフィラーとしては,紙基材フェノール樹脂積層板製造工程において,加熱加圧成形後,4辺の耳切断時に発生する切断紛や顧客使用サイズへの切断時に発生する端材および切断粉であり,端材については,粉砕して粉とする。また,外観不良等の紙基材フェノール樹脂積層板も粉砕して粉として使用できる。
【0006】
さらに,紙基材フェノール樹脂銅張積層板も使用でき、銅をエッチング等により取除いたものを使用することができる。
【0007】
これら粉砕物は,微細であればあるほど好ましく,10μm以下がより好ましい。
【0008】
粉砕物は,紙基材フェノール樹脂積層板の切断紛や端材を使用し,端材を微細粉末化してフェノール樹脂にフィラーとして配合するが,微細粉末化する方法としては,2軸粉砕機や衝撃型カッターミルを使用し,その後,ターボミル,ロールミル,ジェットミルなどにより微細粉末化する。
【0009】
微細粉末化した粉砕物は,フェノール樹脂組成物に対し5〜50重量%の範囲で配合して使用することができる。5重量%未満では,端材などの廃棄物を再利用する効果が少なく,紙基材フェノール樹脂積層板も安価になる効果が少ない。また,50重量%をこえると紙基材フェノール樹脂積層板の打抜加工性などが劣る。
【0010】
粉砕物は,熱硬化性樹脂に配合し,基材に含浸乾燥して,プリプレグを製造する。
【0011】
この場合,粉砕物が10μmを超えると熱硬化性樹脂に配合しても,粉砕物の沈殿および熱硬化性樹脂の粘度も上昇等により,基材への含浸性が劣る。
【0012】
また,粉砕物を配合したプリプレグを得る方法として,基材に熱硬化性樹脂を含浸,乾燥前に,粉砕物を基材に均一に散布し,乾燥させる方法もある。
【0013】
本発明で用いる基材は,打抜加工性の点から,紙基材を用いるのが好ましい。紙基材としては,クラフト紙,コットンリンター紙,リンターとクラフトパルプの混抄紙,ガラス繊維と紙繊維の混抄紙等も使用できる。
【0014】
本発明で使用する熱硬化性樹脂としては,安価な樹脂であることが望ましく、植物油変性フェノール樹脂などがあげられる。
【0015】
植物油変性フェノール樹脂は,フェノール類と植物油とを酸触媒の存在下に反応させ,ついで,アルデヒド類をアルカリ触媒の存在下に反応させることにより,植物油変性フェノール樹脂が得られる。
酸触媒としてはパラトルエンスルフォン酸などが挙げられる。
アルカリ触媒としては,アンモニア,トリメチルアミン,トリエチルアミンなどのアミン系触媒が挙げられる。
【0016】
本発明で用いる植物油としては,乾性油を用いることが好ましく,これらの例として,桐油,アマニ油,脱水ヒマシ油,オイチシカ油等がある。
フェノール類としては,フェノール,メタクレゾール,パラクレゾール,オルソクレゾール,イソプロピルフェノール,ノニルフェノール等が使用される。
アルデヒド類としては,ホルムアルデヒド,パラホルムアルデヒド,アセトアルデヒド,パラアセトアルデヒド,ブチルアルデヒド,オクチルアルデヒド,ベンズアルデヒド等が上げられ,特に制限されるものではない。一般にはホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドが使用される。
【0017】
本発明のフェノール樹脂組成物は,溶剤にて調整し,溶解ないし分散させワニスとして基材に含浸される。
【0018】
フェノール樹脂を含浸させる前段階として,水溶性フェノール樹脂や水溶性メラミン樹脂で処理してもよい。
【0019】
ワニスには,フェノール樹脂積層板に可塑性,難燃性を付与するために各種の可塑剤,難燃剤を添加してもよい。
【0020】
前記のワニスを紙基材に含浸乾燥してプリプレグとしてプリプレグを得られる。得られたプリプレグを所定枚数重ね,その上に銅はくを重ね,温度150〜180℃,圧力9〜20MPaで加熱加圧して紙基材フェノール樹脂積層板とする。得られた積層板を材料として配線板を製造し、電子部品を得る。
【0021】
【実施例】
次に実施例により本発明を具体的に説明するが,本発明は,これらに限定されるものではない。
【0022】
(上塗り用フェノール樹脂の合成)
桐油150重量部とフェノール280重量部,p−トルエンスルホン酸0.2重量を反応釜に仕込み,90℃で1時間反応させ,次いでパラホルムアルデヒド200重量部,28重量%アンモニア水30重量部を加えて75℃で2時間反応させて桐油変性率35重量%の桐油変性レゾール樹脂を得た。
桐油変性レゾール樹脂100重量部に表1に示すメラミン変性フェノール樹脂15重量部,トリフェニルホスフェイト35重量部を溶剤で溶解して,樹脂分50重量%のワニスとした。
【0023】
(水溶性フェノール樹脂の合成)
フェノール1モル,37重量%ホルマリンをホルムアルデヒド換算で1.2モルおよびトリエチルアミン換算で0.4モル量のトリエチルアミン水溶液(濃度:30重量%)を70℃6時間反応させて水溶性フェノール樹脂を得た。
得られた水溶性フェノール樹脂を重量比で,水1対メタノール1の混合溶媒で希釈し,固形分12重量%の水溶性フェノール樹脂とした。
【0024】
上記,上塗り用フェノール樹脂に,紙基材フェノール樹脂積層板の粉砕物を表1に示す割合で配合し,攪拌後,上塗り用フェノール樹脂とした。
始めに,水溶性フェノール樹脂を厚さ0.2mm,坪量125g/m2のクラフト紙に,付着量が18重量%となるように付着させ,次に,粉砕物を配合した上塗り用フェノール樹脂ワニスを,乾燥後の全樹脂付着量が,50重量%になるように含浸,乾燥してプリプレグを得た。
得られたプリプレグ8枚を重ね,その両側に銅箔の厚さが35μmで,接着剤付銅箔を接着剤層がプリプレグ側となるようにして重ね,温度170℃,圧力15MPaで90分加熱加圧して,厚さ1.6mmの片面銅張積層板を得た。
【0025】
【比較例】
上塗り用フェノール樹脂に粉砕物をを配合しないほかは,実施例と同様にして厚さ1.6mmの両面銅張積層板を得た。
【0026】
以上で得られた片面銅張積層板について,耐熱性,打抜加工性を評価した。その結果を表1に示す。
なお,試験方法は,以下の通りとした。
耐熱性評価は,JIS C 6481に準拠し,試験した。
打抜加工性は,試験片の表面温度を変えて,ポンチ径1.0〜1.2mm,穴間ピッチ2.54mm,24穴の試験用金型を用いて打抜加工した。
打抜加工した試験片の穴周辺の目視観察し,その状態を記号で示した。
○:はくり,目白なし
△:はくり,目白,若干あり
×:はくり,目白あり
【表1】
【0027】
【発明の効果】
本発明は,従来,廃棄物として処理されていた,切断粉,端材等を粉末として,フェノール樹脂積層板に原材料として使用することにより,フェノール樹脂積層板およびこれを用いた電子部品を安価に製造し,かつ,廃棄物を低減することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は,フェノール樹脂積層板およびこれを用いた電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の小型化,多機能化に伴い,プリント配線板も高密度化,小型化が進んでいる中,紙基材フェノール樹脂積層板は,打抜加工性,ドリル加工性にすぐれ,かつ安価であるため民生用電子機器のプリント配線板用基板として広く用いられている。
紙基材フェノール樹脂積層板は,フェノール類とアルデヒド類とをアルカリ触媒の存在下に反応させてフェノール樹脂を得,フェノール樹脂を溶剤で調整し,紙基材に含浸乾燥して得られるプリプレグを所定枚数重ね合わせて加熱加圧して製造され,絶縁基板として使用されるほか,プリプレグと銅はくとを組合せて銅張積層板とし,銅はくをエッチングすることにより,回路を形成してプリント配線板として使用される。
紙基材フェノール樹脂銅張積層板は,製造工程において,加熱加圧成形後,4辺の耳切断や顧客使用サイズへの切断時に発生する端材および切断粉,または不良品等,種々の廃材が発生し,廃棄物として処理されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年の環境問題の意識の高まりから,廃棄物低減が求められている。
本発明は,従来,廃棄物として処理されていた,切断粉,端材等を粉末として,フェノール樹脂積層板に原材料として使用することにより,フェノール樹脂積層板およびこれを用いた電子部品を安価に製造し,かつ,廃棄物を低減する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は、紙基材にフェノール樹脂組生物を含浸乾燥したプリプレグを重ね合わせ,加熱加圧してなるフェノール樹脂積層板において,プリプレグにフィラーを含有させたフェノール樹脂積層板に関する。
(2)また、本発明は、(1)記載のフィラーが紙基材フェノール樹脂積層板を粉砕した再生物であるフェノール樹脂積層板に関する。
(3)また、本発明は、フェノール樹脂組成物に対し,(2)記載の粉砕再生物が5〜50重量%であるフェノール樹脂積層板に関する。
(4)また、本発明は、(1)〜(3)記載のフェノール樹脂積層板を用いた電子部品に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるフィラーとしては,紙基材フェノール樹脂積層板製造工程において,加熱加圧成形後,4辺の耳切断時に発生する切断紛や顧客使用サイズへの切断時に発生する端材および切断粉であり,端材については,粉砕して粉とする。また,外観不良等の紙基材フェノール樹脂積層板も粉砕して粉として使用できる。
【0006】
さらに,紙基材フェノール樹脂銅張積層板も使用でき、銅をエッチング等により取除いたものを使用することができる。
【0007】
これら粉砕物は,微細であればあるほど好ましく,10μm以下がより好ましい。
【0008】
粉砕物は,紙基材フェノール樹脂積層板の切断紛や端材を使用し,端材を微細粉末化してフェノール樹脂にフィラーとして配合するが,微細粉末化する方法としては,2軸粉砕機や衝撃型カッターミルを使用し,その後,ターボミル,ロールミル,ジェットミルなどにより微細粉末化する。
【0009】
微細粉末化した粉砕物は,フェノール樹脂組成物に対し5〜50重量%の範囲で配合して使用することができる。5重量%未満では,端材などの廃棄物を再利用する効果が少なく,紙基材フェノール樹脂積層板も安価になる効果が少ない。また,50重量%をこえると紙基材フェノール樹脂積層板の打抜加工性などが劣る。
【0010】
粉砕物は,熱硬化性樹脂に配合し,基材に含浸乾燥して,プリプレグを製造する。
【0011】
この場合,粉砕物が10μmを超えると熱硬化性樹脂に配合しても,粉砕物の沈殿および熱硬化性樹脂の粘度も上昇等により,基材への含浸性が劣る。
【0012】
また,粉砕物を配合したプリプレグを得る方法として,基材に熱硬化性樹脂を含浸,乾燥前に,粉砕物を基材に均一に散布し,乾燥させる方法もある。
【0013】
本発明で用いる基材は,打抜加工性の点から,紙基材を用いるのが好ましい。紙基材としては,クラフト紙,コットンリンター紙,リンターとクラフトパルプの混抄紙,ガラス繊維と紙繊維の混抄紙等も使用できる。
【0014】
本発明で使用する熱硬化性樹脂としては,安価な樹脂であることが望ましく、植物油変性フェノール樹脂などがあげられる。
【0015】
植物油変性フェノール樹脂は,フェノール類と植物油とを酸触媒の存在下に反応させ,ついで,アルデヒド類をアルカリ触媒の存在下に反応させることにより,植物油変性フェノール樹脂が得られる。
酸触媒としてはパラトルエンスルフォン酸などが挙げられる。
アルカリ触媒としては,アンモニア,トリメチルアミン,トリエチルアミンなどのアミン系触媒が挙げられる。
【0016】
本発明で用いる植物油としては,乾性油を用いることが好ましく,これらの例として,桐油,アマニ油,脱水ヒマシ油,オイチシカ油等がある。
フェノール類としては,フェノール,メタクレゾール,パラクレゾール,オルソクレゾール,イソプロピルフェノール,ノニルフェノール等が使用される。
アルデヒド類としては,ホルムアルデヒド,パラホルムアルデヒド,アセトアルデヒド,パラアセトアルデヒド,ブチルアルデヒド,オクチルアルデヒド,ベンズアルデヒド等が上げられ,特に制限されるものではない。一般にはホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドが使用される。
【0017】
本発明のフェノール樹脂組成物は,溶剤にて調整し,溶解ないし分散させワニスとして基材に含浸される。
【0018】
フェノール樹脂を含浸させる前段階として,水溶性フェノール樹脂や水溶性メラミン樹脂で処理してもよい。
【0019】
ワニスには,フェノール樹脂積層板に可塑性,難燃性を付与するために各種の可塑剤,難燃剤を添加してもよい。
【0020】
前記のワニスを紙基材に含浸乾燥してプリプレグとしてプリプレグを得られる。得られたプリプレグを所定枚数重ね,その上に銅はくを重ね,温度150〜180℃,圧力9〜20MPaで加熱加圧して紙基材フェノール樹脂積層板とする。得られた積層板を材料として配線板を製造し、電子部品を得る。
【0021】
【実施例】
次に実施例により本発明を具体的に説明するが,本発明は,これらに限定されるものではない。
【0022】
(上塗り用フェノール樹脂の合成)
桐油150重量部とフェノール280重量部,p−トルエンスルホン酸0.2重量を反応釜に仕込み,90℃で1時間反応させ,次いでパラホルムアルデヒド200重量部,28重量%アンモニア水30重量部を加えて75℃で2時間反応させて桐油変性率35重量%の桐油変性レゾール樹脂を得た。
桐油変性レゾール樹脂100重量部に表1に示すメラミン変性フェノール樹脂15重量部,トリフェニルホスフェイト35重量部を溶剤で溶解して,樹脂分50重量%のワニスとした。
【0023】
(水溶性フェノール樹脂の合成)
フェノール1モル,37重量%ホルマリンをホルムアルデヒド換算で1.2モルおよびトリエチルアミン換算で0.4モル量のトリエチルアミン水溶液(濃度:30重量%)を70℃6時間反応させて水溶性フェノール樹脂を得た。
得られた水溶性フェノール樹脂を重量比で,水1対メタノール1の混合溶媒で希釈し,固形分12重量%の水溶性フェノール樹脂とした。
【0024】
上記,上塗り用フェノール樹脂に,紙基材フェノール樹脂積層板の粉砕物を表1に示す割合で配合し,攪拌後,上塗り用フェノール樹脂とした。
始めに,水溶性フェノール樹脂を厚さ0.2mm,坪量125g/m2のクラフト紙に,付着量が18重量%となるように付着させ,次に,粉砕物を配合した上塗り用フェノール樹脂ワニスを,乾燥後の全樹脂付着量が,50重量%になるように含浸,乾燥してプリプレグを得た。
得られたプリプレグ8枚を重ね,その両側に銅箔の厚さが35μmで,接着剤付銅箔を接着剤層がプリプレグ側となるようにして重ね,温度170℃,圧力15MPaで90分加熱加圧して,厚さ1.6mmの片面銅張積層板を得た。
【0025】
【比較例】
上塗り用フェノール樹脂に粉砕物をを配合しないほかは,実施例と同様にして厚さ1.6mmの両面銅張積層板を得た。
【0026】
以上で得られた片面銅張積層板について,耐熱性,打抜加工性を評価した。その結果を表1に示す。
なお,試験方法は,以下の通りとした。
耐熱性評価は,JIS C 6481に準拠し,試験した。
打抜加工性は,試験片の表面温度を変えて,ポンチ径1.0〜1.2mm,穴間ピッチ2.54mm,24穴の試験用金型を用いて打抜加工した。
打抜加工した試験片の穴周辺の目視観察し,その状態を記号で示した。
○:はくり,目白なし
△:はくり,目白,若干あり
×:はくり,目白あり
【表1】
【0027】
【発明の効果】
本発明は,従来,廃棄物として処理されていた,切断粉,端材等を粉末として,フェノール樹脂積層板に原材料として使用することにより,フェノール樹脂積層板およびこれを用いた電子部品を安価に製造し,かつ,廃棄物を低減することができる。
Claims (4)
- 紙基材にフェノール樹脂組生物を含浸乾燥したプリプレグを重ね合わせ,加熱加圧してなるフェノール樹脂積層板において,プリプレグにフィラーを含有させたフェノール樹脂積層板。
- 請求項1記載のフィラーが紙基材フェノール樹脂積層板を粉砕した再生物であるフェノール樹脂積層板。
- フェノール樹脂組成物に対し,請求項2記載の粉砕再生物が5〜50重量%の範囲であるフェノール樹脂積層板。
- 請求項1〜3記載のフェノール樹脂積層板を用いた電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003187004A JP2005026272A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | フェノール樹脂積層板及びそれを用いた電子部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003187004A JP2005026272A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | フェノール樹脂積層板及びそれを用いた電子部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005026272A true JP2005026272A (ja) | 2005-01-27 |
Family
ID=34185986
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003187004A Pending JP2005026272A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | フェノール樹脂積層板及びそれを用いた電子部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003187004A patent/JP2005026272A/ja active Pending
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