JP2005022793A - ウインチ制御装置およびスイングヤーダ - Google Patents

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Abstract

【課題】材の一端を接地させるランニングスカイライン方式の集材において、材の他端を十分に持ち上げることができるウインチ制御装置を提供する。
【解決手段】操作器から出力する一方および他方の操作信号を演算処理して制御用電気信号を出力する制御器と、この制御器からの制御用電気信号により一方および他方のウインチ22HAL,22HBLを油圧駆動する電気・油圧式制御回路45とを具備する。制御器は、少なくともワイヤを巻込む側のウインチ22HAL を減速制御することにより、反対側のウインチ22HBL のワイヤ巻出速度と同調させるインターロック制御部を備えている。電気・油圧式制御回路45は、ワイヤを巻込む側のウインチ22HAL の駆動力に対し、ワイヤ巻出側のウインチ22HBL の油圧回路に調整可能な負荷圧力を付与するバックテンション調整部100を備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1本のレバーで複数のウインチを制御するウインチ制御装置、およびこのウインチ制御装置を搭載したスイングヤーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
林業における集材作業には、主にウインチが使用されている。通常は、複数のウインチを装備しており、これらから出る複数のワイヤを操作・制御することで集材を行っている。さらに、これらのワイヤを効率良く運用するために滑車等が多用されている。
【0003】
現状の油圧ショベルのフロント作業機をタワーとして用いたランニングスカイライン方式(ランニングスカイライン方式とは、材の一端を地面に接地させて材を運ぶ集材方式である)の集材機、すなわちスイングヤーダを説明すると、油圧ショベルの上部旋回体に2つのウインチが搭載され、一方のウインチから巻出された一方のワイヤ(この一方のワイヤを「ワイヤHAL」という)は、前記作業機のアームの先端部に取付けられた下側の滑車を経て引出されている。
【0004】
また、他方のウインチから巻出された他方のワイヤ(この他方のワイヤを「ワイヤHBL」という)は、アームの先端部に取付けられた上側の滑車を経て引出され、遠隔地に位置する立木などに括り付けられた滑車に巻掛けられ、この滑車を経て折返された先端部はキャリッジに接続されている。
【0005】
このキャリッジは、上部におよび下部に滑車がそれぞれ回動自在に軸支され、上部の滑車は、上側に張設されたワイヤHBL上に移動自在に係合されている。また、一方のワイヤHALは、キャリッジの下部の滑車に巻掛けて下方へ垂下させ、その先端に取付けられたフックを材の結束ワイヤに引掛け、材を吊上げる。
【0006】
そして、2つのウインチの回転を制御して、ワイヤHALとワイヤHBLの張りを調整しながら、ワイヤHALの先端にある材をスイングヤーダの手前まで寄せたり、もしくは反対側に送るようにしている。
【0007】
このようなスイングヤーダは、固定式ウインチと異なり、必要な場所に即移動が可能であり、また、アーム先端のアタッチメント(例えば木材グラップル)などで集材作業も行えるため、近年注目されている。また、手元まで引寄せた材を、アーム、ブーム、旋回の同時操作で次工程(例えば枝打ち)にスムーズに移動できるなど、スイングヤーダならではの機能もある(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
操作手順は、(1)ワイヤHALおよびワイヤHBLの張力を調整して、キャリッジを材の所まで移動する。(2)ワイヤHALの先端のフックを材の結束ワイヤに引掛ける。(3)2つのウインチの回転を制御して、ワイヤHALおよびワイヤHBLの張力を調整することで、材の一端は地面に接地させたまま、材の他端を持ち上げる。(4)材を引きずる形でスイングヤーダ付近に材を寄せる。(5)ワイヤHALとワイヤHBLの張力を緩ませて、材を降ろす。この際に、上部旋回体を回転させて、材を横方向に持っていき、次工程用の機械、例えばグラップル装着車やプロセッサ装着車の手前に材を置くことも可能である。(6)材からフックを外し、作業を完了する。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−63967号公報(第4−9頁、図1−2)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記操作手順(4)の段階で、材を寄せるにあたり、下記の問題点がある。
【0011】
(A)材を引き始める際に、進行方向に切株などの障害物があると、材を寄せられない。特に、引き始めは材全体が地面に接地していることが多く、材全体を引きずる形となる。この際は、最も操作しにくい。森の中に材があることが多く、スイングヤーダから目視できないことも関係している。
【0012】
(B)材を引きずる際、(A)と異なり材の一端のみを接地させている場合でも、材の他端の持ち上げが十分でないと、例えば、この持ち上げている他端が木の枝などの障害物に引っ掛りやすく、前進できない場合があった。
【0013】
(C)斜面を材が登る際はもっと条件が厳しく、滑車とワイヤで持ち上げた部分が常に斜面より離れた状況にないと、材を持ち上げることができない。
【0014】
このように、ランニングスカイライン方式の集材では、特に材の傾き角度すなわち持ち上げ加減が重要となるが、今までは、その傾き角度を調整できずに、材を引寄せる際にいちいち戻したり、場合によっては人力で材を寄せたり、進路上の障害物を撤去するなどの必要があった。
【0015】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、材の一端を接地させるランニングスカイライン方式の集材において、材の他端を十分に持ち上げることができるウインチ制御装置およびスイングヤーダを提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、任意の方向へ傾動可能の1本のレバーを有しこのレバーの基端部で交差する2軸の一方の軸方向へのレバー操作により一方の操作信号を出力するとともに他方の軸方向へのレバー操作により他方の操作信号を出力する操作器と、一方の操作信号により少なくとも回転方向を制御されて一方の索条体を巻取る一方のウインチと、他方の操作信号により少なくとも回転方向を制御されて一方の索条体に対し反対方向へ張設された他方の索条体を巻取る他方のウインチと、操作器から出力される一方および他方の操作信号を演算処理して制御用電気信号を出力する制御器と、この制御器からの制御用電気信号により一方および他方のウインチを油圧駆動する電気・油圧式制御回路とを具備し、制御器は、少なくとも索条体を巻込む側のウインチを減速制御することにより、このウインチに巻込まれ漸次径大となる索条体の巻込速度を、反対側のウインチから巻出され漸次径小となる索条体の巻出速度と同調させるインターロック制御部を備え、電気・油圧式制御回路は、索条体を巻込む側のウインチの駆動力により索条体が巻出される側のウインチの油圧回路に調整可能な負荷圧力を付与するバックテンション調整部を備えたウインチ制御装置であり、インターロック制御部により2つのウインチを同調制御して、索条体の張力を適切に保てるとともに、バックテンション調整部により材の持ち上げ状態を調整できるため、材の一端を接地させるランニングスカイライン方式の集材において、材の他端を十分に持ち上げることができ、例えば、材の他端を極端に立たせたほぼ垂直状態で寄せることも可能となり、これにより材を傷めることなく、効率的に集材可能となる。また、斜面を登らせるように材を持ち上げる場合でも、進路上の斜面の角度、斜面上の障害物に対しても迅速に対応できる。
【0017】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載のウインチ制御装置におけるバックテンション調整部が、一方および他方のウインチを作動するそれぞれの油圧モータの巻込側ラインに連通されたバックテンション調整ラインと、これらのバックテンション調整ライン中にそれぞれ設けられて開閉制御される電磁切換弁と、これらの電磁切換弁の下流側にそれぞれ接続されてバックテンション調整ラインを通じて油圧モータの巻込側ラインの圧力をそれぞれ制御信号に比例する圧力に設定する電磁比例リリーフ弁とを具備したものであり、ウインチの油圧モータの巻込側ラインは、電磁切換弁を経て、電磁比例リリーフ弁に連通しているので、この電磁比例リリーフ弁で可変設定された圧力に制御され、この制御された圧力がウインチの自由回転にブレーキをかけるので、このウインチにより巻取られたワイヤに、適切に調整されたバックテンションをかけることができる。
【0018】
請求項3に記載された発明は、請求項2記載のウインチ制御装置における操作器が、電磁比例リリーフ弁への制御信号を手動調整するバックテンション調整操作部を具備したものであり、バックテンション調整操作部により、バックテンション調整部による材の持ち上げ状態を自在に手動調整できる。
【0019】
請求項4に記載された発明は、下部走行体と、この下部走行体上に旋回自在に設けられた上部旋回体と、この上部旋回体に取付けられた作業機と、この作業機に取付けられた滑車を経て索条体の巻込および巻出をする上部旋回体に搭載された請求項1乃至3のいずれか記載のウインチ制御装置とを具備したスイングヤーダであり、材の一端を接地させるランニングスカイライン方式の集材において、材の他端を十分に持ち上げることができるとともに、下部走行体により必要な場所に移動して滑車およびウインチを任意の場所に設置でき、また、上部旋回体により旋回される作業機により、集められた材を自在にハンドリングできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0021】
図2は、油圧ショベルの作業機をタワーとして用いたランニングスカイライン方式(またはタイトライン方式)の集材機、すなわちスイングヤーダ11を示す。
【0022】
このスイングヤーダ11は、油圧ショベルの下部走行体12に上部旋回体13が旋回自在に設けられ、この上部旋回体13に作業機14が取付けられたものであり、その作業機14は、ブームシリンダ15により上下方向に回動されるブーム16と、アームシリンダ17により前後方向に回動されるアーム18と、バケットシリンダ19によりバケットの代りに回動される材把持用のグラップル20とが順次連結されている。
【0023】
上部旋回体13の側面には、共通のウインチ取付ベース21に一方のウインチ22HAL と他方のウインチ22HBL とが、ダブルウインチとして設置されている。
【0024】
各ウインチ22HAL ,22HBL の油圧モータを操作する操作器24は、スイングヤーダ11の外部に設置されたスタンド25上などに設けられ、ケーブル26により上部旋回体13のキャブ13a内などに設置された制御器27に接続され、この制御器27を介して、上部旋回体13に搭載されたダブルウインチ制御用の電気・油圧式制御回路(図1)を制御する。
【0025】
一方のウインチ22HAL から巻出された一方の索条体としてのワイヤ28HAL は、前記作業機14のアーム18の先端部に取付けられた下側の滑車29a を経て引出されている。また、他方のウインチ22HBL から巻出された他方の索条体としてのワイヤ28HBL は、アーム18の先端部に取付けられた上側の滑車29b を経て引出されている。
【0026】
このワイヤ28HBL は、遠隔地に位置する定置物としての立木31にワイヤ32により括り付けられた滑車33に巻掛けられ、この滑車33を経て折返された先端部はキャリッジ34に接続されている。
【0027】
このキャリッジ34は、上部に滑車35が、また下部に滑車36がそれぞれ回動自在に軸支され、上部の滑車35は、上側に張設されたワイヤ28HBL 上に移動自在に係合されている。また、下側のワイヤ28HAL は、キャリッジ34の下部の滑車36に巻掛けて下方へ垂下させ、その先端に取付けられたフック37により荷としての材38を吊上げる。フック37は、材38の結束ワイヤ39に引掛ける。
【0028】
図3乃至図6に示されるように、操作器24は、基端部を支点にして任意の方向へ傾動可能の1本のジョイスティックレバー(以下、このジョイスティックレバーを単に「レバー」という)41を有し、このレバー41の基端部で交差する2軸の一方の軸方向としての一方の巻込指示方向42HALiおよび一方の巻出指示方向42HALoへのレバー操作により、レバー操作角度に応じた一方の操作信号を出力するとともに、他方の軸方向としての他方の巻込指示方向42HBLiおよび他方の巻出指示方向42HBLoへのレバー操作により、レバー操作角度に応じた他方の操作信号を出力する。
【0029】
前記一方のウインチ22HAL は、一方の巻取ドラム43a を一方の油圧モータ44a により回動するものであり、前記他方のウインチ22HBL は、他方の巻取ドラム43b を他方の油圧モータ44b により回動するものであり、図7に示されるように共通のウインチ取付ベース21に取付けられている。
【0030】
一方のウインチ22HAL は、一方の巻込指示方向42HALiおよび一方の巻出指示方向42HALoへの操作信号により巻取ドラム43a の回転方向および回転速度を制御され、また、他方のウインチ22HBL は、他方の巻込指示方向42HBLiおよび他方の巻出指示方向42HBLoへの操作信号により巻取ドラム43b の回転方向および回転速度を制御される。
【0031】
前記操作器24から出力される一方および他方の操作信号は、操作用電気信号であり、この操作器24には、この操作用電気信号を演算処理して制御用電気信号を出力する前記制御器27が接続されている。
【0032】
この制御器27には、この制御器27からの制御用電気信号により一方および他方のウインチ22HAL ,22HBL を油圧駆動する電気・油圧式制御回路45が接続されている。この電気・油圧式制御回路45は、後で詳述する。
【0033】
図3に示されるように、前記操作器24の操作盤46には、一方のウインチ22HAL へのワイヤ28HAL の巻込を指示する一方の巻込指示方向42HALiと、この一方の巻込指示方向42HALiに対し180°反対側にて一方のウインチ22HAL からのワイヤ28HAL の巻出を指示する一方の巻出指示方向42HALoと、一方の巻込指示方向42HALiおよび巻出指示方向42HALoに対し直交する方向に設けられ他方のウインチ22HBL へのワイヤ28HBL の巻込を指示する他方の巻込指示方向42HBLiと、この他方の巻込指示方向42HBLiに対し180°反対側にて他方のウインチ22HBL からのワイヤ28HBL の巻出を指示する他方の巻出指示方向42HBLoとが表示された表示板47が設けられ、操作器24のレバー41は、これらの指示方向および指示方向間に操作可能に設けられている。
【0034】
操作盤46上には、前記表示板47に加えて、電源入/切スイッチ48と、高速/低速切換スイッチ50と、インターロック入/切スイッチ51と、これらの作動状態を表示する表示灯49とがそれぞれ設けられている。
【0035】
前記レバー41の操作量すなわちレバー傾動角は、自在継手状の内部機構の2軸回りにそれぞれ設けられた回転量検出器、例えばポテンショメータ、磁気変調器、光学的または磁気的に回転角に伴うパルス数を検出するパルス変換器などを用いて検出すると良い。
【0036】
さらに、前記レバー指示方向の識別は、4つのスイッチによりなされる。例えば、図6に斜線部でオン領域が示されるように、一方の巻込指示方向42HALiおよび巻出指示方向42HALoへのレバー操作時に中立位置を除いてオンとなるスイッチ52HAL と、一方の巻込指示方向42HALiへのレバー操作時にオンとなるスイッチ52HALiとにより、一方の巻込指示方向42HALiと巻出指示方向42HALoとを識別し、また、他方の巻込指示方向42HBLiおよび巻出指示方向42HBLoへのレバー操作時に中立位置を除いてオンとなるスイッチ52HBL と、他方の巻込指示方向42HBLiへのレバー操作時にオンとなるスイッチ52HBLiとにより、他方の巻込指示方向42HBLiと巻出指示方向42HBLoとを識別する。
【0037】
図4に示されるように、操作器24の操作盤46は、箱体53の上側に設けられており、この箱体53の内部に各種スイッチ、回転量検出器および配線などが設けられ、また、箱体53の下面に前記ケーブル26のコネクタを接続するコネクタ接続部54が設けられている。
【0038】
図1に示されるように、前記電気・油圧式制御回路45は、スイングヤーダ11に搭載されたエンジン61により駆動される二つのメインポンプ62,63およびパイロットポンプ64を有する。
【0039】
一方のメインポンプ62は、タンク65より、一方のウインチ22HAL を駆動する油圧モータ44a のメイン回路66に作動油を供給するものであり、また、他方のメインポンプ63は、他方のウインチ22HBL を駆動する油圧モータ44b のメイン回路67に作動油を供給するものである。
【0040】
各々のメイン回路66,67は、各々のメインポンプ62,63からのポンプ吐出ライン68と、タンク65へのタンクライン69との間に、メインリリーフ弁71がそれぞれ設けられ、各ポンプ吐出ライン68に一方のコントロール弁72a および他方のコントロール弁72b がそれぞれ接続されている。
【0041】
一方のコントロール弁72a は、このコントロール弁72a により方向制御および流量制御された作動油を一方のウインチ駆動用の油圧モータ44a に供給し、他方のコントロール弁72b は、このコントロール弁72b により方向制御および流量制御された作動油を他方のウインチ駆動用の油圧モータ44b に供給する。
【0042】
各油圧モータ44a ,44b は容量可変型モータであり、これらの油圧モータ44a ,44b の容量可変用の斜板73には、容量を可変制御する油圧アクチュエータ74がそれぞれ接続され、これらの油圧アクチュエータ74には、高速/低速切換用の電磁切換弁75から引出された通路76が連通されている。この電磁切換弁75は、制御器27から出力された電気信号により切換って各油圧アクチュエータ74に作動油を供給する。
【0043】
これらの油圧アクチュエータ74は、例えば、材38を引寄せる場合のように高負荷状態のときは、油圧モータ44a ,44b を大容量に制御して低速・高トルク状態で駆動し、また、キャリッジ34のみを戻す場合のように低負荷状態のときは、油圧モータ44a ,44b を小容量に制御して、高速・低トルク状態で駆動する。
【0044】
各油圧モータ44a ,44b にはフェールセーフ型のメカニカルブレーキ77がそれぞれ設けられ、これらのメカニカルブレーキ77の解除用油圧シリンダ部78には、それぞれの通路79を経てブレーキ解除用の電磁切換弁80がそれぞれ接続されている。各メカニカルブレーキ77は、各電磁切換弁80から供給されたパイロット油圧によりブレーキ解除される。
【0045】
ブレーキ解除用の2つの電磁切換弁80は、ソレノイドSOL1,SOL2により切換動作され、また、高速/低速切換用の電磁切換弁75は、ソレノイドSOL3により切換動作される。
【0046】
各メイン回路66,67は、各コントロール弁72a ,72b の巻込側出力ポートと各油圧モータ44a ,44b の巻込側ポートとをそれぞれ連通する一方の通路としての巻込側ライン66i ,67i と、各コントロール弁72a ,72b の巻出側出力ポートと各油圧モータ44a ,44b の巻出側ポートとをそれぞれ連通する他方の通路としての巻出側ライン66o ,67o とを有する。
【0047】
これらの各メイン回路66,67の巻込側ライン66i ,67i および巻出側ライン66o ,67o には、相互に作用し合うカウンタバランス弁81がそれぞれ設けられている。これらのカウンタバランス弁81は、負荷の自由落下を防止するために、チェック弁82とともに油圧モータ44a ,44b に背圧を与えるための圧力制御弁である。
【0048】
そして、油圧モータ44a ,44b への一方の通路にモータ作動圧力が供給されないときは、カウンタバランス弁81により油圧モータ44a ,44b からの他方の通路を閉じて、油圧モータ44a ,44b の背圧を確保し、材38の自由落下を防止する。油圧モータ44a ,44b への一方の通路にモータ作動圧力が発生したときは、カウンタバランス弁81により油圧モータ44a ,44b からの他方の通路を開く。
【0049】
また、一方のメイン回路66の巻込側ライン66i と巻出側ライン66o との間、および他方のメイン回路67の巻込側ライン67i と巻出側ライン67o との間には、各油圧モータ44a ,44b の巻込側ポートを巻出側ポートへ短絡可能のバイパス通路83がそれぞれ2本ずつ設けられている。
【0050】
各バイパス通路83中には巻込側ライン66i ,67iから巻出側ライン66o ,67oへの連通を可能とするリリーフ弁84a ,84b およびチェック弁85がそれぞれ設けられている。
【0051】
これらのバイパス通路83中のリリーフ弁84a ,84b には、制御器27から出力された電気信号により各リリーフ弁84a ,84b を低圧での連通状態と圧力設定状態とにそれぞれ切換える電磁切換弁86a ,86b がそれぞれ一体的に設けられている。
【0052】
これらの電磁切換弁86a ,86b は、リリーフ弁84a ,84b からタンク65にわたって設けられたドレーンライン87中に介在され、通電オフによりドレーンライン87を開通して、リリーフ弁84a ,84b を低圧での連通状態とし、また、通電オンによりドレーンライン87を途中で遮断して、リリーフ弁84a ,84b を圧力設定状態とする。
【0053】
リリーフ弁84a ,84b の電磁切換弁86a ,86b は、ソレノイドSOL4,SOL5,SOL6,SOL7,により切換動作される。ソレノイドSOL4,SOL6は、一方のウインチ22HAL を巻込および巻出操作するときは原則として共にオフに制御され、ソレノイドSOL5、SOL7は、他方のウインチ22HBLを巻込および巻出操作するときは原則として共にオフに制御されるが、インターロック巻込操作時は、いずれのソレノイドSOL4,SOL5,SOL6,SOL7もオンに制御される。
【0054】
また、前記パイロットポンプ64は、タンク65より、パイロット油路88および減圧弁89を経て、前記高速/低速切換用の電磁切換弁75と、前記2つのブレーキ解除用の電磁切換弁80とにそれぞれパイロット油を供給するとともに、4つの電磁比例パイロット減圧弁90a1,90b1,90a2,90b2にもパイロット油を供給する。
【0055】
これらの電磁比例パイロット減圧弁90a1,90b1,90a2,90b2は、レバー41が操作されたときにそのレバー指示方向およびレバー操作角度に対応して制御器27から比例ソレノイドa1,b1,a2,b2に出力された制御用電気信号に応じてパイロット油圧を出力する減圧弁である。
【0056】
電磁比例パイロット減圧弁90b2は、インターロック入/切スイッチ51を切った状態で操作器24の一方の巻込指示方向42HALiにレバー41が操作されたときにこの方向に対応して制御器27から出力された制御用電気信号に応じて作動し、パイロット通路91を経て一方のコントロール弁72a の巻込側パイロット操作部にパイロット油圧を出力する一方のウインチ22HAL の巻込用である。
【0057】
電磁比例パイロット減圧弁90a2は、インターロック入/切スイッチ51を切った状態で操作器24の一方の巻出指示方向42HALoにレバー41が操作されたときにこの方向に対応して制御器27から出力された制御用電気信号に応じて作動し、パイロット通路92を経て一方のコントロール弁72a の巻出側パイロット操作部にパイロット油圧を出力する一方のウインチ22HAL の巻出用である。
【0058】
電磁比例パイロット減圧弁90b1は、インターロック入/切スイッチ51を切った状態で操作器24の他方の巻込指示方向42HBLiにレバー41が操作されたときにこの方向に対応して制御器27から出力された制御用電気信号に応じて作動し、パイロット通路93を経て他方のコントロール弁72b の巻込側パイロット操作部にパイロット油圧を出力する他方のウインチ22HBL の巻込用である。
【0059】
電磁比例パイロット減圧弁90a1は、インターロック入/切スイッチ51を切った状態で操作器24の他方の巻出指示方向42HBLoにレバー41が操作されたときにこの方向に対応して制御器27から出力された制御用電気信号に応じて作動し、パイロット通路94を経て他方のコントロール弁72b の巻出側パイロット操作部にパイロット油圧を出力する他方のウインチ22HBL の巻出用である。
【0060】
次に、一方のワイヤ28HAL および他方のワイヤ28HBL はキャリッジ34を介して一連に構成された索条体であるから、一方のウインチ22HAL により一端部より巻取られた索条体を、他方のウインチ22HBL は他端部より巻取った状態にある。
【0061】
このような一連の索条体の両端部を巻取る一方のウインチ22HAL および他方のウインチ22HBL は、前記制御器27内に設けられたインターロック制御部95により同調制御される。
【0062】
このインターロック制御部95は、前記インターロック入/切スイッチ51を入れたときに、1本のレバー41により2つのウインチ22HAL ,22HBL を自動的に連動操作するものである。
【0063】
例えば、ワイヤ28HAL を巻込む側のウインチ22HAL を減速制御するとともに、ワイヤ28HBL を巻出す側のウインチ22HBL をワイヤ張力により回転可能とすることにより、ウインチ22HAL に巻込まれ漸次径大となるワイヤ28HAL の巻込速度を、ワイヤ張力によりウインチ22HBL から巻出され漸次径小となるワイヤ28HBL の巻出速度と同調させる。
【0064】
あるいは、このインターロック制御部95により、ワイヤ28HAL を巻込む側のウインチ22HAL を減速制御するとともに、ワイヤ28HBL を巻出す側のウインチ22HBL を増速制御することにより、ウインチ22HAL に巻込まれ漸次径大となるワイヤ28HAL の巻込速度を、反対側のウインチ22HBL から巻出され漸次径小となるワイヤ28HBL の巻出速度と同調させる。
【0065】
また、前記インターロック入/切スイッチ51を「切」にしたときは、1本のレバー41により2つのウインチ22HAL ,22HBL をそれぞれ個々に操作する。
【0066】
次に、材38の一端を接地する程度のワイヤ28HALとワイヤ28HBLの張り調整を自動的に行っているインターロック機能に、手動調整機能(以降、「バックテンション調整機能」という)を付与する。
【0067】
すなわち、電気・油圧式制御回路45は、ワイヤ28HALまたは28HBLを巻込む側のウインチ22HALまたは22HBLの駆動力によりワイヤ28HBLまたは28HALが巻出される側のウインチ22HBL または22HALの油圧回路に調整可能な負荷圧力を付与するバックテンション調整部100を備えている。
【0068】
このバックテンション調整部100は、一方のウインチ22HALを作動する油圧モータ44aの巻込側ライン66iに連通されたバックテンション調整ライン101中に、開閉制御される電磁切換弁102が設けられ、この電磁切換弁102の下流側に、バックテンション調整ライン101を通じて油圧モータ44aの巻込側ライン66iの圧力を制御信号に比例する圧力に設定する電磁比例リリーフ弁103が接続され、この電磁比例リリーフ弁103は、ドレーンライン104に接続されている。
【0069】
同様に、他方のウインチ22HBLを作動する油圧モータ44bの巻込側ライン67iに連通されたバックテンション調整ライン105中に、開閉制御される電磁切換弁106が設けられ、この電磁切換弁106の下流側に、バックテンション調整ライン105を通じて油圧モータ44bの巻込側ライン67iの圧力を制御信号に比例する圧力に設定する電磁比例リリーフ弁107が接続され、この電磁比例リリーフ弁107は、ドレーンライン104に接続されている。
【0070】
このバックテンション調整部100は、図8に示されるように、マニホールドブロック108に、電磁切換弁102,106および電磁比例リリーフ弁103,107がそれぞれ装着されている。
【0071】
さらに、操作器24には、図3乃至図5に示されるように電磁比例リリーフ弁103,107への制御信号を手動調整するバックテンション調整操作部としてのダイヤル111が箱体53の一側面に装着され、また、箱体53の他側面には、レバー取付ボックス112が設けられ、このレバー取付ボックス112の開口部113よりバックテンション調整操作部としての調整レバー114が突出されている。
【0072】
そして、バックテンション調整機能は、この操作器24の側面に設けられたダイヤル111と調整レバー114とで行い、その調整量は、調整レバー114の傾き角度とダイヤル111の回転角度に一定の調整限界内で比例する。なお、調整レバー114は、手前に倒れた状態が「0」状態である。
【0073】
このダイヤル111と調整レバー114とにより調整されるバックテンション調整機能は、インターロック制御部95によるインターロック機能の作動時、かつ低速モード時にのみ作動するように条件設定されている。
【0074】
下記の表1に、運転操作と、電磁切換弁80のソレノイドSOL1,SOL2、電磁切換弁75のソレノイドSOL3、電磁切換弁86a ,86b のソレノイドSOL4,SOL5,SOL6,SOL7、電磁切換弁106,102のソレノイドSOL8,SOL9、電磁比例リリーフ弁103,107のソレノイドSOLA,SOLBおよび電磁比例パイロット減圧弁90a1,90b1,90a2,90b2のソレノイドa1,b1,a2,b2との関係を示す。この表1において、白丸印および黒丸印は励磁(オン)状態を示し、黒丸印は、励磁解除(オフ)時の遅延動作を示す。
【0075】
【表1】
Figure 2005022793
【0076】
次に、この実施形態の作用を説明する。
【0077】
(1) 先ず、ランニングスカイライン方式で、材38を立木31側からスイングヤーダ11側へ引寄せる場合を説明すると、図3に示された操作器24において、電源入/切スイッチ48を「入」にし、表示灯49の点灯を確認し、さらに、高負荷状態に対応して、高速/低速切換スイッチ50を「低速」に入れ、インターロック入/切スイッチ51を「入」にし、そして、レバー41を手前のワイヤ巻込側すなわち材引寄せ側に操作すると、材38が巻上げられる。
【0078】
(2)バックテンション調整機能
このとき、材38をその場で立たせるようなテンション調整を行う。例えば寄せる場合は、ワイヤ28HBLには4のテンション、ワイヤ28HALには6のテンションが生じており、差分2の力で材38は引寄せられるが、バックテンション調整機能を作動させて、ワイヤ28HBLに対して追加のテンションをかけると、すなわちバックテンション調整機能でさらにバックテンションを上げるように信号を出すと、材38の結束ワイヤ39をかけている部分が持ち上がり、材38の一端部は接地したまま、材38の他端部が持ち上がる。
【0079】
すなわち、表1の「インターロック入」の「寄せHAL 」の「低速」で示されるように、ブレーキ解除用の電磁切換弁80のソレノイドSOL1およびSOL2をオンにして、両方のメカニカルブレーキ77に解除用のパイロット油を供給して両方のウインチ22HAL ,22HBL の油圧モータ44a ,44b をブレーキ解除するとともに、電磁比例パイロット減圧弁90b1,90b2のソレノイドb1,b2をオンにして、一方および他方のコントロール弁72a ,72b を巻込側にパイロット操作し、両方の油圧モータ44a ,44b の巻込側ポートに作動油を供給すると、一方のウインチ22HAL の油圧モータ44a は油圧により巻込方向へ強制駆動されるが、他方のウインチ22HBL 側の巻込側ライン67i は、ソレノイドSOL8のオフ制御により連通状態にある電磁切換弁106を経て、電磁比例リリーフ弁107に連通しているので、ダイヤル111または調整レバー114の操作量に応じてこの電磁比例リリーフ弁107のソレノイドSOLBで可変設定された圧力に制御され、この制御された圧力が他方のウインチ22HBLの自由回転にブレーキをかけるので、ワイヤ28HBL に適切に調整されたバックテンションをかけることができる。
【0080】
(3)このようなバックテンション調整が行われた状態で、インターロック制御により、材38を、スイングヤーダ11側に引寄せる。
【0081】
すなわち、ワイヤ28HAL は一方のウインチ22HAL に巻込まれ、他方のウインチ22HBL はワイヤ28HBL にかかるバックテンション調整された張力により従動して巻出方向に回転し、材38は一方のウインチ22HAL に向かって移動する。
【0082】
このとき、レバー41の傾き角によって、ワイヤ28HAL ,28HBL のスピードは変化するが、レバー41の傾き角が一定であっても、両方のウインチ22HAL ,22HBL 間の相対的速度は自動的に同調制御される。
【0083】
すなわち、両方のウインチ22HAL ,22HBL の回転速度が常に同一であると、巻出側のウインチ22HBL のワイヤ巻掛径は段々と小径になるのに対して、巻込側のウインチ22HAL のワイヤ巻掛径は段々と大径になり、ワイヤ28HAL の巻込スピードが徐々に速くなってしまう不都合が生じるので、この不都合をなくすために、前記インターロック制御部95が機能して、電磁比例パイロット減圧弁90b2を徐々に減圧を強める側へ制御して、一方のコントロール弁72a を徐々に中立側へ絞り制御することにより、巻込側のウインチ22HAL の回転速度を徐々に減速制御して、巻込側のウインチ22HAL のワイヤ巻込速度と巻出側ウインチ22HBL のワイヤ巻出速度とを同調させるように制御する。
【0084】
両方のウインチ22HAL ,22HBL を停止させる際は、レバー41を操作盤46に対し垂直の中立状態に戻す。このレバー41が中立位置になった時点で自動的にメカニカルブレーキ77がかかり、ワイヤ28HAL ,28HBL の張りを保ったまま、停止する。
【0085】
材38全体を地表に下げる場合は、先ずインターロック入/切スイッチ51を切り、両方のウインチ22HAL ,22HBL を同時に「巻出」にして下げる。
【0086】
すなわち、操作器24のレバー41を一方の巻出指示方向42HALoと他方の巻出指示方向42HBLoとの間に操作すると、表1の「インターロック切」の「HAL 巻出」および「HBL 巻出」で示されるように、電磁比例パイロット減圧弁90a1,90a2のソレノイドa1,a2が励磁され、両方のコントロール弁72a ,72b が巻出側にパイロット操作され、両方のウインチ22HAL ,22HBL からワイヤ28HAL ,28HBL が巻出されて弛み、材38は地表まで下降する。この材38の結束ワイヤ39からフック37を外す。
【0087】
(4) 次に、ランニングスカイライン方式で、逆に材38をスイングヤーダ11から遠ざける方向、すなわち立木31側へ移送するときは、(1)の引寄せと同様に、高速/低速切換スイッチ50を「低速」に入れ、インターロック入/切スイッチ51を「入」にし、操作器24のレバー41を「HBL 巻込」側へ倒すことにより、表1の「インターロック入」の「返しHBL 」の「低速」を機能させる。
【0088】
これにより、先ず、両方のウインチ22HAL ,22HBL の巻込動作によりワイヤ28HAL ,28HBL が張られるとともに、フック37が上昇する。このとき、(2)と同様にバックテンション調整機能が働き、ワイヤ28HAL のバックテンション調整を行う。
【0089】
すなわち、電磁比例パイロット減圧弁90b1,90b2のソレノイドb1,b2をオンにして、一方および他方のコントロール弁72a ,72b を巻込側にパイロット操作し、両方の油圧モータ44a ,44b の巻込側ポートに作動油を供給すると、ウインチ22HBL の油圧モータ44b は油圧により巻込方向へ強制駆動されるが、ウインチ22HAL 側の巻込側ライン66i は、ソレノイドSOL9のオフ制御により連通状態にある電磁切換弁102を経て、電磁比例リリーフ弁103に連通しているので、ダイヤル111または調整レバー114の操作量に応じてこの電磁比例リリーフ弁103のソレノイドSOLAで可変設定された圧力に制御され、この制御された圧力が一方のウインチ22HALの自由回転にブレーキをかけるので、ワイヤ28HAL に調整されたバックテンションをかけることができる。
【0090】
このようなバックテンション調整が行われた状態で、インターロック制御により、材38を、スイングヤーダ11から遠ざける方向へ移送する。
【0091】
なお、空のキャリッジ34を所定の位置に返す場合は、高速/低速切換スイッチ50を「高速」側へ切換えておくと、空のキャリッジ34を素早く所定の位置に返すことが可能である。
【0092】
(5) その他、索張り・撤去時の両方のウインチ22HAL ,22HBL の同時巻出または同時巻込が可能である。また、一方のウインチ22HAL の巻出および他方のウインチ22HBL の巻込、もしくはその反対の操作も可能である。
【0093】
すなわち、操作器24のレバー41を一方の巻込指示方向42HALiと他方の巻込指示方向42HBLiとの間に操作すると、表1の「インターロック切」の「HAL 巻込」および「HBL 巻込」で示されるように、弛んだ状態のワイヤ28HAL ,28HBL は両方のウインチ22HAL ,22HBL に同時に巻込まれて張設される。
【0094】
また、操作器24のレバー41を一方の巻出指示方向42HALoと他方の巻出指示方向42HBLoとの間に操作すると、表1の「インターロック切」の「HAL 巻出」および「HBL 巻出」で示されるように、張設されたワイヤ28HAL ,28HBL を効率良く弛めることができる。
【0095】
さらに、操作器24のレバー41を一方の巻込指示方向42HALiと他方の巻出指示方向42HBLoとの間に操作すると、表1の「インターロック切」の「HAL 巻込」および「HBL 巻出」で示されるように、ワイヤ28HAL が一方のウインチ22HAL に巻込まれるとともに、ワイヤ28HBL が他方のウインチ22HBL から巻出され、材38は一方のウインチ22HAL に向かって移動する。
【0096】
以上のように、1本のレバー41により2つのウインチ22HAL ,22HBL の回転方向および速度をそれぞれ制御できるから、荷の引寄せまたは返しだけでなく、ワイヤ28HAL ,28HBL の張設や、荷の吊上げまたは降ろしなども単一のレバー操作で自在に制御でき、2つのウインチ22HAL ,22HBL を制御する際の操作性を向上できる。
【0097】
さらに、制御器27で操作用電気信号を演算処理して制御用電気信号を出力し、各ウインチ22HAL ,22HBL の電気・油圧式制御回路45を制御するから、各ウインチ22HAL ,22HBL の油圧系統の制御系の一部を電気信号に置き換えて、自在で容易な操作が可能となり、1本のレバー41による2つのウインチ22HAL ,22HBL の同調制御なども可能となる。
【0098】
特に、インターロック制御部95により2つのウインチ22HAL ,22HBL を同調制御して、ワイヤ28HAL ,28HBL の張力を適切に保てるとともに、ワイヤ28HAL ,28HBL の送り速度を定速に保ち、荷を定速で搬送できる。
【0099】
その際、電磁比例パイロット減圧弁90b2は、制御器27のインターロック制御部95から出力された制御用電気信号に応じてパイロット油圧を出力してコントロール弁72a を開度制御し、コントロール弁72a からウインチ22HAL の油圧モータ44a に供給される流量を自動制御して、その油圧モータ44a を自在に速度制御するから、一方のウインチ22HAL が巻込側で他方のウインチ22HBL が巻出側となった場合の両ウインチ22HAL ,22HBL の自在な同調制御が可能であり、ワイヤ28HAL ,28HBL の送り速度の増減、ワイヤ28HAL ,28HBL の張りと弛みのバランスなどの最適化が可能である。
【0100】
また、材38の一端を接地させて移送するランニングスカイライン方式の集材では、特に材38の傾き角度すなわち持ち上げ加減が重要となる。今までは、その傾き角度を調整できずに、材38を引寄せる際にいちいち戻したり、場合によっては人力で材38を寄せたり、進路上の障害物を撤去するなどの必要があったが、ダイヤル111または調整レバー114により手動操作されるバックテンション調整部100のバックテンション調整機能によって、材38の持ち上げ状態を自在に手動調整でき、このため、材38の一端は必ず接地させるが、材38の他端を十分に持ち上げることができ、例えば、材38の他端を極端に立たせたほぼ垂直状態で寄せることも可能となる。これにより材38を傷めることなく、効率的に集材可能となる。
【0101】
さらに、斜面を登らせるように材38を持ち上げる場合でも、進路上の斜面の角度、斜面上の障害物に対しても迅速に対応できる。
【0102】
また、スイングヤーダ11は、下部走行体12により必要な場所に移動して、滑車29a,29bおよびウインチ22HAL ,22HBLを任意の場所に設置でき、また、上部旋回体13により旋回される作業機14のグラップル20などにより、集められた材38を自在にハンドリングできる。
【0103】
なお、このウインチ制御装置は、スイングヤーダ11のみに限定されるものではなく、固定式ウインチにも適用できる。
【0104】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、インターロック制御部により2つのウインチを同調制御して、索条体の張力を適切に保てるとともに、バックテンション調整部により材の持ち上げ状態を調整できるため、材の一端を接地させるランニングスカイライン方式の集材において、材の他端を十分に持ち上げることができ、例えば、材の他端を極端に立たせたほぼ垂直状態で寄せることも可能となり、これにより材を傷めることなく、効率的に集材可能となる。また、斜面を登らせるように材を持ち上げる場合でも、進路上の斜面の角度、斜面上の障害物に対しても迅速に対応できる。
【0105】
請求項2記載の発明によれば、ウインチの油圧モータの巻込側ラインは、電磁切換弁を経て、電磁比例リリーフ弁に連通しているので、この電磁比例リリーフ弁で可変設定された圧力に制御され、この制御された圧力がウインチの自由回転にブレーキをかけるので、このウインチにより巻取られたワイヤに、適切に調整されたバックテンションをかけることができる。
【0106】
請求項3記載の発明によれば、バックテンション調整操作部により、バックテンション調整部による材の持ち上げ状態を自在に手動調整できる。
【0107】
請求項4記載の発明によれば、材の一端を接地させるランニングスカイライン方式の集材において、材の他端を十分に持ち上げることができるとともに、下部走行体により必要な場所に移動して滑車およびウインチを任意の場所に設置でき、また、上部旋回体により旋回される作業機により、集められた材を自在にハンドリングできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるウインチ制御装置の一実施の形態を示す油圧回路図である。
【図2】同上ウインチ制御装置をスイングヤーダに適用した場合の一例を示す説明図である。
【図3】同上ウインチ制御装置における操作器を示す平面図である。
【図4】同上操作器の正面図である。
【図5】同上操作器の側面図である。
【図6】同上操作器の表示板を示す平面図である。
【図7】(a)は、ダブルウインチの側面図、(b)は(a)のb−b線断面図である。
【図8】(a)は、同上ウインチ制御装置におけるバックテンション調整部を示す平面図、(b)はその正面図である。
【符号の説明】
11 スイングヤーダ
12 下部走行体
13 上部旋回体
14 作業機
22HAL 一方のウインチ
22HBL 他方のウインチ
24 操作器
27 制御器
28HAL ,28HBL 索条体としてのワイヤ
29a,29b 滑車
41 レバー
44a 一方の油圧モータ
44b 他方の油圧モータ
45 電気・油圧式制御回路
66i ,67i 巻込側ライン
95 インターロック制御部
100 バックテンション調整部
101,105 バックテンション調整ライン
102,106 電磁切換弁
103,107 電磁比例リリーフ弁
111,114 バックテンション調整操作部

Claims (4)

  1. 任意の方向へ傾動可能の1本のレバーを有しこのレバーの基端部で交差する2軸の一方の軸方向へのレバー操作により一方の操作信号を出力するとともに他方の軸方向へのレバー操作により他方の操作信号を出力する操作器と、
    一方の操作信号により少なくとも回転方向を制御されて一方の索条体を巻取る一方のウインチと、
    他方の操作信号により少なくとも回転方向を制御されて一方の索条体に対し反対方向へ張設された他方の索条体を巻取る他方のウインチと、
    操作器から出力される一方および他方の操作信号を演算処理して制御用電気信号を出力する制御器と、
    この制御器からの制御用電気信号により一方および他方のウインチを油圧駆動する電気・油圧式制御回路とを具備し、
    制御器は、少なくとも索条体を巻込む側のウインチを減速制御することにより、このウインチに巻込まれ漸次径大となる索条体の巻込速度を、反対側のウインチから巻出され漸次径小となる索条体の巻出速度と同調させるインターロック制御部を備え、
    電気・油圧式制御回路は、索条体を巻込む側のウインチの駆動力により索条体が巻出される側のウインチの油圧回路に調整可能な負荷圧力を付与するバックテンション調整部を備えた
    ことを特徴とするウインチ制御装置。
  2. バックテンション調整部は、
    一方および他方のウインチを作動するそれぞれの油圧モータの巻込側ラインに連通されたバックテンション調整ラインと、
    これらのバックテンション調整ライン中にそれぞれ設けられて開閉制御される電磁切換弁と、
    これらの電磁切換弁の下流側にそれぞれ接続されてバックテンション調整ラインを通じて油圧モータの巻込側ラインの圧力をそれぞれ制御信号に比例する圧力に設定する電磁比例リリーフ弁と
    を具備したことを特徴とする請求項1記載のウインチ制御装置。
  3. 操作器は、
    電磁比例リリーフ弁への制御信号を手動調整するバックテンション調整操作部を具備したことを特徴とする請求項2記載のウインチ制御装置。
  4. 下部走行体と、
    この下部走行体上に旋回自在に設けられた上部旋回体と、
    この上部旋回体に取付けられた作業機と、
    この作業機に取付けられた滑車を経て索条体の巻込および巻出をする上部旋回体に搭載された請求項1乃至3のいずれか記載のウインチ制御装置と
    を具備したことを特徴とするスイングヤーダ。
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