JP2005022506A - 二段ロック式シートロック装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】二段ロック式のシートロック装置において、簡単且つ安価な構成によってストライカーのガタツキを確実に防止する。
【解決手段】受け溝12を備えたベースプレート11と、揺動自在に枢支され且つ受け溝12に進入したストライカー5に係入可能な第1係入溝21と第2係入溝22とを設けたロックプレート13と、揺動自在に枢支され且つ第1係合面14dと第2係合面23aとを設けたガタ止めプレート14とを備え、ストライカー5が第1係入溝21に係入した一段目ロック状態では該第1係入溝21の溝壁21aとガタ止めプレート14の第1係合面14aとで、ストライカー5が第2係入溝22に係入した二段目ロック状態では該第2係入溝22の溝壁22aとガタ止めプレート14の第2係合面23aとで、それぞれ挟持する。これにより、何れのロック状態においてもストライカー5のガタツキが確実に防止される。
【選択図】 図2
【解決手段】受け溝12を備えたベースプレート11と、揺動自在に枢支され且つ受け溝12に進入したストライカー5に係入可能な第1係入溝21と第2係入溝22とを設けたロックプレート13と、揺動自在に枢支され且つ第1係合面14dと第2係合面23aとを設けたガタ止めプレート14とを備え、ストライカー5が第1係入溝21に係入した一段目ロック状態では該第1係入溝21の溝壁21aとガタ止めプレート14の第1係合面14aとで、ストライカー5が第2係入溝22に係入した二段目ロック状態では該第2係入溝22の溝壁22aとガタ止めプレート14の第2係合面23aとで、それぞれ挟持する。これにより、何れのロック状態においてもストライカー5のガタツキが確実に防止される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、シートバックを車体部材に係脱自在に連結して固定するシートロック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用のリヤシートにおいては、該リヤシートに着座した乗員の背凭れ感を良好ならしめるという観点から、該シートバックの下端部をヒンジ機構により支持してこれを前後方向に起倒自在とするとともに、該シートバックの上端部を、ここに設けたキャッチ機構を介して車体側に配置したストライカーに掛止してこれをロックするに際して、該キャッチ機構を「二段ロック式」、即ち、上記ストライカーに対する掛止位置をシート傾倒方向における前後二位置に設定し、これら二つの掛止位置を選択し得るようにすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、キャッチ機構を、ストライカーの進入溝を備え且つシートバックに固定されるベースプレートと、該ベースプレートに対して揺動自在に枢支されるとともに上記進入溝の口縁寄り部位に対応する一段目係入溝と該進入溝の奥部に対応する二段目係入溝とを設けたロックプレートとで構成し、上記ベースプレートの進入溝へ進入したストライカーを、上記ロックプレートの一段目係入溝に係入させて掛止することで一段目ロック状態を、二段目係入溝に係入させて掛止することで二段目ロック状態を、選択的に実現するように構成されている。
【0004】
この場合、二段目ロック状態においては、上記ベースプレートの進入溝の奥部まで進入したストライカーを、該進入溝の奥部面と上記二段目係入溝の一方の溝壁面の両者によって進入方向両側から挟持することから、該ストライカーのガタツキを確実に防止することができる。
【0005】
ところが、上記ベースプレートの進入溝は、その口縁側から奥部までストライカーを進入させ得ること機能上要求されることから、その溝途中に該ストライカーの進入を阻止する部材を設けることができない。このため、一段目ロック状態においては、上記ストライカーは単にロックプレートの一段目係入溝の両溝壁面の間に位置されることになる。しかし、このロックプレートの係入溝は、元来、ストライカーの係入を容易ならしめる必要上、ストライカーの径寸法よりも大きな溝幅に設定されているので、上記一段目係入溝の両溝壁面間に上記ストライカーが係入しても、該一段目係入溝の両溝壁面間によってこれを挟持することはできず、この結果、該一段目係入溝とストライカーとの間にガタツキが生じることになる。
【0006】
このような、ロック状態におけるストライカーのガタツキを防止するものとして、上記ロックプレートの一段目係入溝と二段目係入溝のそれぞれにラバー材を配置し、該ラバー材の弾性変形によって該ラバー部材と上記各係入溝の一方の溝壁面とによってストライカーを挟持してそのガタツキを防止する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−51866号公報(段落「0007」,「0017」,図1,図3)
【特許文献2】
特開2001−182397号公報(段落「0007」〜「0009,図2,図4」)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上掲の特許文献2に示される二段ロック式シートロック装置においては、上記ロックプレートの各係入溝の一側部にそれぞれ個別にラバー材を配置し且つこれらを上記ロックプレートの揺動方向にスライド可能に構成しているので、その構造が複雑で且つ部品点数も多く、従ってその低コスト化を図りにくいという問題があった。
【0009】
そこで本願発明は、二段ロック式シートロック装置において、簡単且つ安価な構成によってストライカーのガタツキを確実に防止することを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0011】
即ち、起倒可能とされたシートバック2を車体部材6側に係脱自在にロックするとともに、そのロック位置を起倒方向の前後二位置に選択的に設定可能とした二段ロック式シートロック装置において、上記車体部材6側に固定されたストライカー5と、上記シートバック2側に固定されたキャッチ機構10とを備えるとともに、上記キャッチ機構10を、上記ストライカー5が進入する受け溝12を備え上記シートバック2側に固定されるベースプレート11と、上記ベースプレート11に揺動自在に枢支されるとともに上記ベースプレート11の受け溝12に進入した上記ストライカー5に係入可能な第1係入溝21と第2係入溝22とを揺動径方向に前後して形成したロックプレート13と、上記ベースプレート11に揺動自在に枢支され且つ揺動径方向に前後して第1係合面14dと第2係合面23aとを形成したガタ止めプレート14とを備え、上記ストライカー5が上記ロックプレート13の第1係入溝21に係入した一段目ロック状態では該ストライカー5が該第1係入溝21の溝壁21aと上記ガタ止めプレート14の第1係合面14aとで、また上記ストライカー5が上記ロックプレート13の第2係入溝22に係入した二段目ロック状態では該ストライカー5が該第2係入溝22の溝壁22aと上記ガタ止めプレート14の第2係合面23aとで、それぞれ挟持されるように構成したことを特徴としている。
【0012】
【発明の効果】
本願発明に係る二段ロック式シートロック装置によれば、上記ストライカー5は、これが上記ロックプレート13の第1係入溝21に係入した一段目ロック状態では該第1係入溝21の溝壁21aと上記ガタ止めプレート14の第1係合面14aとにより挟持され、また該ストライカー5が上記ロックプレート13の第2係入溝22に係入した二段目ロック状態では該第2係入溝22の溝壁22aと上記ガタ止めプレート14の第2係合面23aとで挟持されることから、これら何れのロック状態においても、上記ストライカー5が上記第1係入溝21あるいは第2係入溝22内でガタツクのが確実に防止され、延いてはシートロック装置の商品価値の向上が期待できるものである。
【0013】
また、ストライカーのガタツキの防止が上記ガタ止めプレートのみによって行われる構成であることから、例えば従来の二段ロック式シートロック装置に比して、その構成の簡略化及び部品点数の低減が図れ、延いては二段ロック式シートロック装置の低コスト化が促進されることになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0015】
図1には、本願発明の実施形態に係る二段ロック式のシートロック装置Zを備えた車両用のリヤシートを示している。このリヤシートは、車体床面側に固定配置されるシートクッション1と、該シートクッション1の後端部にヒンジ機構3を介して起倒可能に支持されたシートバック2とを備えて構成される。
【0016】
さらに、上記シートバック2は、その上端部2aの左右両側部が次述するシートロック装置Zを介して車室後部の車体部材6にそれぞれ連結固定される。そして、このシートロック装置Zは、以下に述べるように上記車体部材6側に固定配置されたストライカー5と、上記シートバック2の上端部2a側に配置され且つ上記ストライカー5を係脱自在に掛止するキャッチ機構10とを備えて構成されるものであって、特にこの実施形態においては上記キャッチ機構10を「二段ロック式」、即ち、上記ストライカー5を掛止する位置がシートバック前後方向に二段階に設定され且つこれらを選択設定し得るようにした構造を備えており、上記シートバック2は、図1に実線図示する「一段目ロック姿勢」と同図に鎖線図示する「二段目ロック姿勢」の前後二つのロック姿勢に選択的に設定可能とされる。
【0017】
以下、本願発明の要旨たる上記シートロック装置Zの具体的構成等を図2以下を参照して説明する。
【0018】
図2及び図3には、上記シートロック装置Zの全体構成を示している。このシートロック装置Zは、上述のように、上記車体部材6側に固定された上記ストライカー5と、該ストライカー5を係脱自在に掛止する次述のキャッチ機構10とを備えて構成される。
【0019】
上記キャッチ機構10は、上記シートバック2側に固定配置されるベースプレート11と、該ベースプレート11に取り付けられるロックプレート13とガタ止めプレート14とを備えて構成される。
【0020】
(a) 上記ベースプレート11
上記ベースプレート11は、図4に示すように、相互に衝合合体される第1プレート11Aと第2プレート11Bとを備えて構成される。上記第1プレート11Aは、略縦長矩形の平面形状をもつ平板体で構成され、その上下両端部近傍にはそれぞれボルト穴37,38を備えるとともに、長軸方向の中間位置には軸穴31が形成されている。また、この第1プレート11Aの長辺側の一側には、該一側から短軸方向に沿って上記軸穴31の近傍まで切れ込み且つその溝幅が口縁部12aから奥部12bに向けて溝幅が漸減変化する受け溝12が形成されている。さらに、上記第1プレート11Aには、上記軸穴31の近傍に位置するようにしてストッパーピン8が突設されるとともに、上記ボルト穴37寄りの端縁には掛止ピン30が突設されている。
【0021】
これに対して、上記第2プレート11Bは、板材を板厚方向に屈曲させて成るものであって、屈曲方向の両端部をそれぞれボルト穴37,38を備えたフランジ部11Ba,11Bbとするとともに、該各フランジ部11Ba,11Bbの中間部を所定高さの平板状に隆起させてこれを本体部11Bcとしている。そして、この本体部11Bcには、上記第1プレート11A側の受け溝12と軸穴31に対応するようにして、これと同一構成の受け溝12と軸穴31とを設けている。また、上記ボルト穴38が設けられた上記フランジ部11Bbの端縁には掛止ピン29が突設されている。
【0022】
そして、このように構成された第1プレート11Aと第2プレート11Bは、該第1プレート11A側のボルト穴37,38と第2プレート11B側のボルト穴37,38とを、また第1プレート11A側の上記受け溝12と軸穴31と上記第2プレート11B側の受け溝12と軸穴31とを、それぞれ同軸上に位置せしめた状態で衝合合体されることで上記ベースプレート11を構成する。そして、このベースプレート11の上記第1プレート11Aと上記第2プレート11Bの本体部11Bcの間の空間部内に次述のロックプレート13とガタ止めプレート14とが収容配置される。
【0023】
(b) 上記ロックプレート13
上記第1ロックプレート13は、図5に示すように、略楕円状の平面形態をもつ板材で構成され、その長軸方向の一端部13aには軸穴32を形成するとともに、該軸穴32と長軸方向の他端部13bとの間には、短軸方向の側縁にそれぞれ開口する第1係入溝21と第2係入溝22とが、上記軸穴31の中心からその径方向に(即ち、上記軸穴32に挿通される後述の枢支ピン15を中心とする揺動径方向に)所定間隔をもって形成されている。また、上記第1ロックプレート13は、上記軸穴32が形成された一端部13aにその径方向外方へ延出するストッパー26を設けている。さらに、上記第1ロックプレート13の短軸方向の一端寄り側には、係合ピン16が、他端寄り側には掛止ピン27が、それぞれ設けられている。
【0024】
そして、上記第1係入溝21の上記他端部13b寄りの外側溝壁面21aと、上記第2係入溝22の上記他端部13b寄りの外側溝壁面22aは、共に該各係入溝21,22の奥部側へ向かうに伴って上記軸穴32に漸近するような弧状に形成し、これら両溝壁面21a,22aを後述のように上記ストライカー5の挟持部の一つとして利用するようにしている。また、上記ロックプレート13の他端部13b側の外周面は、上記第1係入溝21の口縁側から奥部側へ向かうに伴って上記軸穴32から離間するように傾斜するカム面13cとされている。
【0025】
(c) 上記ガタ止めプレート14
上記ガタ止めプレート14は、図6に示すように、略三角状の板材で構成され、その第1の頂部14aには軸穴33とその径方向へ延出するストッパー25とが設けられる一方、第2の頂部14bには掛止ピン9が、第3の頂部14cには掛止ピン28が、それぞれ設けられている。さらに、上記ガタ止めプレート14の第1の頂部14aと第2の頂部14bの中間位置には側縁に開口する係入溝23が形成されるとともに、該係入溝23の近傍位置には上記軸穴33の軸心を曲率中心とする弧状の係合長穴17が設けられている。
【0026】
そして、このガタ止めプレート14においては、上記係入溝23の上記軸穴33寄りの周壁面23aと、上記第2の頂部14bの外周面14dとを、共に上記係入溝23の奥部側から口縁側へ向かうに伴って上記軸穴33に漸近するような弧状に形成し、これら両面23a,14bを後述のように上記ストライカー5の挟持部の一つとして利用するようにしている。
【0027】
(d) ロックプレート13とガタ止めプレート14の組付け
上述のように構成された上記ロックプレート13と上記ガタ止めプレート14は、上記ベースプレート11に対して同軸状に取り付けられる。
【0028】
即ち、図2及び図3に示すように、上記ロックプレート13とガタ止めプレート14は、上記ロックプレート13の係合ピン16を上記ガタ止めプレート14の上記係合長穴17に係入させるとともに、それぞれその軸穴32及び軸穴33に上記ベースプレート11の軸穴31に挿通された枢支ピン15に枢支させることで該枢支ピン15回り(矢印a−b方向)に揺動自在とされている。
【0029】
そして、このロックプレート13とガタ止めプレート14のうち、該ロックプレート13はその掛止ピン27と上記ベースプレート11側の掛止ピン29との間に配置した第1スプリング18によって、また上記ガタ止めプレート14はその掛止ピン28と上記ベースプレート11の上記掛止ピン30との間に配置した第2スプリング19によって、共に矢印a方向に回動付勢されるとともに、上記ロックプレート13はそのストッパー26が、また上記ガタ止めプレート14はそのストッパー25が、それぞれ上記ストッパーピン8に当接することで矢印a方向への最大揺動位置が規制されている。
【0030】
尚、上記ロックプレート13及び上記ガタ止めプレート14は、上記のように上記ストッパーピン8によって矢印a方向への最大揺動位置規制が行われた状態において上記ストライカー5のロック作用を為すものであり、従って、以下においては、この状態における上記ロックプレート13及び上記ガタ止めプレート14の揺動位置を、共に「ロック位置」という。
【0031】
そして、この「ロック位置」においては、上記ロックプレート13の第1係入溝21と第2係入溝22が共に上記受け溝12に重合している。また、上記ガタ止めプレート14においては、上記係入溝23の内側溝壁面23aが上記受け溝12に重合するとともに、上記外周面14dも該受け溝12に重合している。
【0032】
また、このように上記ロックプレート13とガタ止めプレート14とが共に「ロック位置」に設定された状態においても、上記ロックプレート13は、これに矢印b方向への回動力が加えられることで、上記ガタ止めプレート14とは独立してこれ単体で矢印b方向へ回動し得るようになっている。例えば、図2に示す「ロック位置」においては、上記ロックプレート13に設けた上記係合ピン16は上記ガタ止めプレート14に設けた上記係合長穴17の下端側に位置しており、その下端側から上端側への移動が許容される状態となっている。従って、図2に鎖線図示(符号5′参照)するように、ストライカー5′が上記キャッチ機構10の前方から上記ベースプレート11の受け溝12側に接近し、該ストライカー5′が上記ロックプレート13のカム面13cに当接すると、該カム面13cのカム作用によって上記ロックプレート13には矢印b方向への回動力が作用し、該ロックプレート13は上記枢支ピン15を中心として矢印b方向へ揺動し、上記ストライカー5′の上記受け溝12内への進入を許容する。また、該ストライカー5′が上記カム面13cの下端を通過すると、上記ロックプレート13は上記第1スプリング18のバネ力を受けて矢印a方向へ回動し、再び「ロック位置」に復帰される。
【0033】
一方、上記ガタ止めプレート14の掛止ピン9には操作ロッド7が掛止されている。そして、この操作ロッド7は、上記シートバック2の上端に設けた操作ノブ4に連結されている。従って、上記操作ノブ4の引き上げ操作によって上記操作ロッド7が上方へ引かれると、上記ガタ止めプレート14が上記第2スプリング19のバネ力に抗して矢印b方向へ回動されると共に、該ガタ止めプレート14の係合長穴17が上記ロックプレート13の係合ピン16に係合していることで、該ロックプレート13も上記ガタ止めプレート14と一体的に矢印b方向へ回動し、図3に示す状態となる。即ち、上記ロックプレート13はそのカム面13cが上記ベースプレート11の受け溝12の上方側へ退避した位置となり、また上記ガタ止めプレート14はその外周面14dが上記ベースプレート11の受け溝12の上方側へ退避した位置となり、上記受け溝12がその口縁部12aから奥部12bまで連続した溝となり、該奥部12bへの上記ストライカー5の進入を許容し得る状態となる。以下、この時の上記ロックプレート13及びガタ止めプレート14の位置を「ロックオフ位置」という。
【0034】
(e) シートロック装置Zの作動
上記シートバック2の上端部を上記シートロック装置Zで固定して、上記「一段目ロック姿勢」あるいは上記「二段目ロック姿勢」とする場合には、先ず、図2に示すように、上記操作ロッド7(即ち、上記操作ノブ4)を非操作とした状態で(即ち、上記ロックプレート13と上記ガタ止めプレート14が共に「ロック位置」に設定された状態で)、上記シートバック2を引き起こし、車体部材6側に固定された上記ストライカー5側へ移動させる。
【0035】
このシートバック2の引き起こしに伴って、図2に鎖線図示するように上記ストライカー5′が上記ロックプレート13のカム面13cに当接し、該カム面13cのカム作用によって上記ロックプレート13のみが矢印b方向に回動してその他端部13bが上記受け溝12の口縁部12aから上方へ退避する。このロックプレート13の他端部12aの退避によって、上記ストライカー5はさらに上記受け溝12内に進入し、「ロック位置」にある上記ガタ止めプレート14の外周面14dに当接してその進入が停止される。このとき、同時に上記ロックプレート13が上記第1スプリング18のバネ力によって「ロック位置」に復帰し、図2に示す状態となり上記ストライカー5は上記ロックプレート13の第1係入溝21内に係入し「一段目ロック姿勢」が実現される。この「一段目ロック姿勢」では、上記ロックプレート13の第1係入溝21の外側溝壁面21aと上記ガタ止めプレート14の外周面14dの両者によって上記ストライカー5がその進入方向両側から挟持されることで、該ストライカー5のガタツキが確実に防止されている。このように、上記シートバック2をロックする場合、上記操作ノブ4を操作していない限り、先ず最初に「一段目ロック姿勢」に設定されるものである。
【0036】
ここで、上記シートバック2のロック姿勢を「一段目ロック姿勢」から「二段目ロック姿勢」に変更したい場合には、「一段目ロック姿勢」において上記操作ノブ4を操作して上記操作ロッド7を引き上げる。すると、図3に示すように、上記ロックプレート13とガタ止めプレート14とが共に矢印b方向へ回動され、「ロック位置」から「ロックオフ位置」に位置変更される。従って、上記ガタ止めプレート14が上記受け溝12から上方へ退避しているので、そのまま上記シートバック2を上記ストライカー5側へ押し込むことで該ストライカー5は上記受け溝12の奥部12aまで進入する。ここで、上記操作ロッド7に対する操作力を解除すると、上記ロックプレート13及びガタ止めプレート14は共に第1スプリング18及び第2スプリング19のバネ力によって「ロックオフ位置」から「ロック位置」に復帰し、上記ストライカー5は上記ロックプレート13の上記第2係入溝22と上記ガタ止めプレート14の係入溝23の重合部分に係入し、「二段目ロック姿勢」が実現される。
【0037】
そして、この場合、上記ストライカー5は、上記ロックプレート13の第2係入溝22の外側溝壁面22aと上記ガタ止めプレート14の内側溝壁面23aの両者によってその進入方向両側から挟持されることから、そのガタツキが確実に防止されるものである。
【0038】
このように、この実施形態の二段ロック式シートロック装置Zによれば、上記シートバック2を「一段目ロック姿勢」と「二段目ロック姿勢」の何れの姿勢に設定した状態でも、上記ストライカー5のガタツキが確実に防止されるものであり、それだけその商品価値が向上することになる。
【0039】
また、このシートロック装置Zにおいては、上記ストライカー5のガタツキの防止が上記ガタ止めプレート4のみによって行われる構成であることから、例えば従来の二段ロック式シートロック装置に比して、その構成の簡略化及び部品点数の低減が図れ、延いては二段ロック式シートロック装置Zの低コスト化が促進されることにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るシートロック装置を備えた車両用シートの全体斜視図である。
【図2】図1に示したシートロック装置のロック状態を示す正面図である。
【図3】図1に示したシートロック装置のロックオフ状態を示す正面図である。
【図4】図1に示したシートロック装置のベースプレートの分解斜視図である。
【図5】図1に示したシートロック装置のロックプレートの正面図である。
【図6】図1に示したシートロック装置のガタ止めプレートの正面図である。
【符号の説明】
1はシートクッション、2はシートバック、3はヒンジ機構、4は操作ノブ、5はストライカー、6は車体部材、7は操作ロッド、8はストッパーピン、9は掛止ピン、10はキャッチ機構、11はベースプレート、12は受け溝、13はロックプレート、14はガタ止めプレート、15は枢支ピン、16は係合ピン、17は係合長穴、18は第1スプリング、19は第2スプリング、21は第1係入溝、22は第2係入溝、23は係入溝、25はストッパー、26はストッパー、27は掛止ピン、28は掛止ピン、29は掛止ピン、30は掛止ピン、31〜33は軸穴、Zはシートロック装置である。
【発明の属する技術分野】
本願発明は、シートバックを車体部材に係脱自在に連結して固定するシートロック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用のリヤシートにおいては、該リヤシートに着座した乗員の背凭れ感を良好ならしめるという観点から、該シートバックの下端部をヒンジ機構により支持してこれを前後方向に起倒自在とするとともに、該シートバックの上端部を、ここに設けたキャッチ機構を介して車体側に配置したストライカーに掛止してこれをロックするに際して、該キャッチ機構を「二段ロック式」、即ち、上記ストライカーに対する掛止位置をシート傾倒方向における前後二位置に設定し、これら二つの掛止位置を選択し得るようにすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、キャッチ機構を、ストライカーの進入溝を備え且つシートバックに固定されるベースプレートと、該ベースプレートに対して揺動自在に枢支されるとともに上記進入溝の口縁寄り部位に対応する一段目係入溝と該進入溝の奥部に対応する二段目係入溝とを設けたロックプレートとで構成し、上記ベースプレートの進入溝へ進入したストライカーを、上記ロックプレートの一段目係入溝に係入させて掛止することで一段目ロック状態を、二段目係入溝に係入させて掛止することで二段目ロック状態を、選択的に実現するように構成されている。
【0004】
この場合、二段目ロック状態においては、上記ベースプレートの進入溝の奥部まで進入したストライカーを、該進入溝の奥部面と上記二段目係入溝の一方の溝壁面の両者によって進入方向両側から挟持することから、該ストライカーのガタツキを確実に防止することができる。
【0005】
ところが、上記ベースプレートの進入溝は、その口縁側から奥部までストライカーを進入させ得ること機能上要求されることから、その溝途中に該ストライカーの進入を阻止する部材を設けることができない。このため、一段目ロック状態においては、上記ストライカーは単にロックプレートの一段目係入溝の両溝壁面の間に位置されることになる。しかし、このロックプレートの係入溝は、元来、ストライカーの係入を容易ならしめる必要上、ストライカーの径寸法よりも大きな溝幅に設定されているので、上記一段目係入溝の両溝壁面間に上記ストライカーが係入しても、該一段目係入溝の両溝壁面間によってこれを挟持することはできず、この結果、該一段目係入溝とストライカーとの間にガタツキが生じることになる。
【0006】
このような、ロック状態におけるストライカーのガタツキを防止するものとして、上記ロックプレートの一段目係入溝と二段目係入溝のそれぞれにラバー材を配置し、該ラバー材の弾性変形によって該ラバー部材と上記各係入溝の一方の溝壁面とによってストライカーを挟持してそのガタツキを防止する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−51866号公報(段落「0007」,「0017」,図1,図3)
【特許文献2】
特開2001−182397号公報(段落「0007」〜「0009,図2,図4」)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上掲の特許文献2に示される二段ロック式シートロック装置においては、上記ロックプレートの各係入溝の一側部にそれぞれ個別にラバー材を配置し且つこれらを上記ロックプレートの揺動方向にスライド可能に構成しているので、その構造が複雑で且つ部品点数も多く、従ってその低コスト化を図りにくいという問題があった。
【0009】
そこで本願発明は、二段ロック式シートロック装置において、簡単且つ安価な構成によってストライカーのガタツキを確実に防止することを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0011】
即ち、起倒可能とされたシートバック2を車体部材6側に係脱自在にロックするとともに、そのロック位置を起倒方向の前後二位置に選択的に設定可能とした二段ロック式シートロック装置において、上記車体部材6側に固定されたストライカー5と、上記シートバック2側に固定されたキャッチ機構10とを備えるとともに、上記キャッチ機構10を、上記ストライカー5が進入する受け溝12を備え上記シートバック2側に固定されるベースプレート11と、上記ベースプレート11に揺動自在に枢支されるとともに上記ベースプレート11の受け溝12に進入した上記ストライカー5に係入可能な第1係入溝21と第2係入溝22とを揺動径方向に前後して形成したロックプレート13と、上記ベースプレート11に揺動自在に枢支され且つ揺動径方向に前後して第1係合面14dと第2係合面23aとを形成したガタ止めプレート14とを備え、上記ストライカー5が上記ロックプレート13の第1係入溝21に係入した一段目ロック状態では該ストライカー5が該第1係入溝21の溝壁21aと上記ガタ止めプレート14の第1係合面14aとで、また上記ストライカー5が上記ロックプレート13の第2係入溝22に係入した二段目ロック状態では該ストライカー5が該第2係入溝22の溝壁22aと上記ガタ止めプレート14の第2係合面23aとで、それぞれ挟持されるように構成したことを特徴としている。
【0012】
【発明の効果】
本願発明に係る二段ロック式シートロック装置によれば、上記ストライカー5は、これが上記ロックプレート13の第1係入溝21に係入した一段目ロック状態では該第1係入溝21の溝壁21aと上記ガタ止めプレート14の第1係合面14aとにより挟持され、また該ストライカー5が上記ロックプレート13の第2係入溝22に係入した二段目ロック状態では該第2係入溝22の溝壁22aと上記ガタ止めプレート14の第2係合面23aとで挟持されることから、これら何れのロック状態においても、上記ストライカー5が上記第1係入溝21あるいは第2係入溝22内でガタツクのが確実に防止され、延いてはシートロック装置の商品価値の向上が期待できるものである。
【0013】
また、ストライカーのガタツキの防止が上記ガタ止めプレートのみによって行われる構成であることから、例えば従来の二段ロック式シートロック装置に比して、その構成の簡略化及び部品点数の低減が図れ、延いては二段ロック式シートロック装置の低コスト化が促進されることになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0015】
図1には、本願発明の実施形態に係る二段ロック式のシートロック装置Zを備えた車両用のリヤシートを示している。このリヤシートは、車体床面側に固定配置されるシートクッション1と、該シートクッション1の後端部にヒンジ機構3を介して起倒可能に支持されたシートバック2とを備えて構成される。
【0016】
さらに、上記シートバック2は、その上端部2aの左右両側部が次述するシートロック装置Zを介して車室後部の車体部材6にそれぞれ連結固定される。そして、このシートロック装置Zは、以下に述べるように上記車体部材6側に固定配置されたストライカー5と、上記シートバック2の上端部2a側に配置され且つ上記ストライカー5を係脱自在に掛止するキャッチ機構10とを備えて構成されるものであって、特にこの実施形態においては上記キャッチ機構10を「二段ロック式」、即ち、上記ストライカー5を掛止する位置がシートバック前後方向に二段階に設定され且つこれらを選択設定し得るようにした構造を備えており、上記シートバック2は、図1に実線図示する「一段目ロック姿勢」と同図に鎖線図示する「二段目ロック姿勢」の前後二つのロック姿勢に選択的に設定可能とされる。
【0017】
以下、本願発明の要旨たる上記シートロック装置Zの具体的構成等を図2以下を参照して説明する。
【0018】
図2及び図3には、上記シートロック装置Zの全体構成を示している。このシートロック装置Zは、上述のように、上記車体部材6側に固定された上記ストライカー5と、該ストライカー5を係脱自在に掛止する次述のキャッチ機構10とを備えて構成される。
【0019】
上記キャッチ機構10は、上記シートバック2側に固定配置されるベースプレート11と、該ベースプレート11に取り付けられるロックプレート13とガタ止めプレート14とを備えて構成される。
【0020】
(a) 上記ベースプレート11
上記ベースプレート11は、図4に示すように、相互に衝合合体される第1プレート11Aと第2プレート11Bとを備えて構成される。上記第1プレート11Aは、略縦長矩形の平面形状をもつ平板体で構成され、その上下両端部近傍にはそれぞれボルト穴37,38を備えるとともに、長軸方向の中間位置には軸穴31が形成されている。また、この第1プレート11Aの長辺側の一側には、該一側から短軸方向に沿って上記軸穴31の近傍まで切れ込み且つその溝幅が口縁部12aから奥部12bに向けて溝幅が漸減変化する受け溝12が形成されている。さらに、上記第1プレート11Aには、上記軸穴31の近傍に位置するようにしてストッパーピン8が突設されるとともに、上記ボルト穴37寄りの端縁には掛止ピン30が突設されている。
【0021】
これに対して、上記第2プレート11Bは、板材を板厚方向に屈曲させて成るものであって、屈曲方向の両端部をそれぞれボルト穴37,38を備えたフランジ部11Ba,11Bbとするとともに、該各フランジ部11Ba,11Bbの中間部を所定高さの平板状に隆起させてこれを本体部11Bcとしている。そして、この本体部11Bcには、上記第1プレート11A側の受け溝12と軸穴31に対応するようにして、これと同一構成の受け溝12と軸穴31とを設けている。また、上記ボルト穴38が設けられた上記フランジ部11Bbの端縁には掛止ピン29が突設されている。
【0022】
そして、このように構成された第1プレート11Aと第2プレート11Bは、該第1プレート11A側のボルト穴37,38と第2プレート11B側のボルト穴37,38とを、また第1プレート11A側の上記受け溝12と軸穴31と上記第2プレート11B側の受け溝12と軸穴31とを、それぞれ同軸上に位置せしめた状態で衝合合体されることで上記ベースプレート11を構成する。そして、このベースプレート11の上記第1プレート11Aと上記第2プレート11Bの本体部11Bcの間の空間部内に次述のロックプレート13とガタ止めプレート14とが収容配置される。
【0023】
(b) 上記ロックプレート13
上記第1ロックプレート13は、図5に示すように、略楕円状の平面形態をもつ板材で構成され、その長軸方向の一端部13aには軸穴32を形成するとともに、該軸穴32と長軸方向の他端部13bとの間には、短軸方向の側縁にそれぞれ開口する第1係入溝21と第2係入溝22とが、上記軸穴31の中心からその径方向に(即ち、上記軸穴32に挿通される後述の枢支ピン15を中心とする揺動径方向に)所定間隔をもって形成されている。また、上記第1ロックプレート13は、上記軸穴32が形成された一端部13aにその径方向外方へ延出するストッパー26を設けている。さらに、上記第1ロックプレート13の短軸方向の一端寄り側には、係合ピン16が、他端寄り側には掛止ピン27が、それぞれ設けられている。
【0024】
そして、上記第1係入溝21の上記他端部13b寄りの外側溝壁面21aと、上記第2係入溝22の上記他端部13b寄りの外側溝壁面22aは、共に該各係入溝21,22の奥部側へ向かうに伴って上記軸穴32に漸近するような弧状に形成し、これら両溝壁面21a,22aを後述のように上記ストライカー5の挟持部の一つとして利用するようにしている。また、上記ロックプレート13の他端部13b側の外周面は、上記第1係入溝21の口縁側から奥部側へ向かうに伴って上記軸穴32から離間するように傾斜するカム面13cとされている。
【0025】
(c) 上記ガタ止めプレート14
上記ガタ止めプレート14は、図6に示すように、略三角状の板材で構成され、その第1の頂部14aには軸穴33とその径方向へ延出するストッパー25とが設けられる一方、第2の頂部14bには掛止ピン9が、第3の頂部14cには掛止ピン28が、それぞれ設けられている。さらに、上記ガタ止めプレート14の第1の頂部14aと第2の頂部14bの中間位置には側縁に開口する係入溝23が形成されるとともに、該係入溝23の近傍位置には上記軸穴33の軸心を曲率中心とする弧状の係合長穴17が設けられている。
【0026】
そして、このガタ止めプレート14においては、上記係入溝23の上記軸穴33寄りの周壁面23aと、上記第2の頂部14bの外周面14dとを、共に上記係入溝23の奥部側から口縁側へ向かうに伴って上記軸穴33に漸近するような弧状に形成し、これら両面23a,14bを後述のように上記ストライカー5の挟持部の一つとして利用するようにしている。
【0027】
(d) ロックプレート13とガタ止めプレート14の組付け
上述のように構成された上記ロックプレート13と上記ガタ止めプレート14は、上記ベースプレート11に対して同軸状に取り付けられる。
【0028】
即ち、図2及び図3に示すように、上記ロックプレート13とガタ止めプレート14は、上記ロックプレート13の係合ピン16を上記ガタ止めプレート14の上記係合長穴17に係入させるとともに、それぞれその軸穴32及び軸穴33に上記ベースプレート11の軸穴31に挿通された枢支ピン15に枢支させることで該枢支ピン15回り(矢印a−b方向)に揺動自在とされている。
【0029】
そして、このロックプレート13とガタ止めプレート14のうち、該ロックプレート13はその掛止ピン27と上記ベースプレート11側の掛止ピン29との間に配置した第1スプリング18によって、また上記ガタ止めプレート14はその掛止ピン28と上記ベースプレート11の上記掛止ピン30との間に配置した第2スプリング19によって、共に矢印a方向に回動付勢されるとともに、上記ロックプレート13はそのストッパー26が、また上記ガタ止めプレート14はそのストッパー25が、それぞれ上記ストッパーピン8に当接することで矢印a方向への最大揺動位置が規制されている。
【0030】
尚、上記ロックプレート13及び上記ガタ止めプレート14は、上記のように上記ストッパーピン8によって矢印a方向への最大揺動位置規制が行われた状態において上記ストライカー5のロック作用を為すものであり、従って、以下においては、この状態における上記ロックプレート13及び上記ガタ止めプレート14の揺動位置を、共に「ロック位置」という。
【0031】
そして、この「ロック位置」においては、上記ロックプレート13の第1係入溝21と第2係入溝22が共に上記受け溝12に重合している。また、上記ガタ止めプレート14においては、上記係入溝23の内側溝壁面23aが上記受け溝12に重合するとともに、上記外周面14dも該受け溝12に重合している。
【0032】
また、このように上記ロックプレート13とガタ止めプレート14とが共に「ロック位置」に設定された状態においても、上記ロックプレート13は、これに矢印b方向への回動力が加えられることで、上記ガタ止めプレート14とは独立してこれ単体で矢印b方向へ回動し得るようになっている。例えば、図2に示す「ロック位置」においては、上記ロックプレート13に設けた上記係合ピン16は上記ガタ止めプレート14に設けた上記係合長穴17の下端側に位置しており、その下端側から上端側への移動が許容される状態となっている。従って、図2に鎖線図示(符号5′参照)するように、ストライカー5′が上記キャッチ機構10の前方から上記ベースプレート11の受け溝12側に接近し、該ストライカー5′が上記ロックプレート13のカム面13cに当接すると、該カム面13cのカム作用によって上記ロックプレート13には矢印b方向への回動力が作用し、該ロックプレート13は上記枢支ピン15を中心として矢印b方向へ揺動し、上記ストライカー5′の上記受け溝12内への進入を許容する。また、該ストライカー5′が上記カム面13cの下端を通過すると、上記ロックプレート13は上記第1スプリング18のバネ力を受けて矢印a方向へ回動し、再び「ロック位置」に復帰される。
【0033】
一方、上記ガタ止めプレート14の掛止ピン9には操作ロッド7が掛止されている。そして、この操作ロッド7は、上記シートバック2の上端に設けた操作ノブ4に連結されている。従って、上記操作ノブ4の引き上げ操作によって上記操作ロッド7が上方へ引かれると、上記ガタ止めプレート14が上記第2スプリング19のバネ力に抗して矢印b方向へ回動されると共に、該ガタ止めプレート14の係合長穴17が上記ロックプレート13の係合ピン16に係合していることで、該ロックプレート13も上記ガタ止めプレート14と一体的に矢印b方向へ回動し、図3に示す状態となる。即ち、上記ロックプレート13はそのカム面13cが上記ベースプレート11の受け溝12の上方側へ退避した位置となり、また上記ガタ止めプレート14はその外周面14dが上記ベースプレート11の受け溝12の上方側へ退避した位置となり、上記受け溝12がその口縁部12aから奥部12bまで連続した溝となり、該奥部12bへの上記ストライカー5の進入を許容し得る状態となる。以下、この時の上記ロックプレート13及びガタ止めプレート14の位置を「ロックオフ位置」という。
【0034】
(e) シートロック装置Zの作動
上記シートバック2の上端部を上記シートロック装置Zで固定して、上記「一段目ロック姿勢」あるいは上記「二段目ロック姿勢」とする場合には、先ず、図2に示すように、上記操作ロッド7(即ち、上記操作ノブ4)を非操作とした状態で(即ち、上記ロックプレート13と上記ガタ止めプレート14が共に「ロック位置」に設定された状態で)、上記シートバック2を引き起こし、車体部材6側に固定された上記ストライカー5側へ移動させる。
【0035】
このシートバック2の引き起こしに伴って、図2に鎖線図示するように上記ストライカー5′が上記ロックプレート13のカム面13cに当接し、該カム面13cのカム作用によって上記ロックプレート13のみが矢印b方向に回動してその他端部13bが上記受け溝12の口縁部12aから上方へ退避する。このロックプレート13の他端部12aの退避によって、上記ストライカー5はさらに上記受け溝12内に進入し、「ロック位置」にある上記ガタ止めプレート14の外周面14dに当接してその進入が停止される。このとき、同時に上記ロックプレート13が上記第1スプリング18のバネ力によって「ロック位置」に復帰し、図2に示す状態となり上記ストライカー5は上記ロックプレート13の第1係入溝21内に係入し「一段目ロック姿勢」が実現される。この「一段目ロック姿勢」では、上記ロックプレート13の第1係入溝21の外側溝壁面21aと上記ガタ止めプレート14の外周面14dの両者によって上記ストライカー5がその進入方向両側から挟持されることで、該ストライカー5のガタツキが確実に防止されている。このように、上記シートバック2をロックする場合、上記操作ノブ4を操作していない限り、先ず最初に「一段目ロック姿勢」に設定されるものである。
【0036】
ここで、上記シートバック2のロック姿勢を「一段目ロック姿勢」から「二段目ロック姿勢」に変更したい場合には、「一段目ロック姿勢」において上記操作ノブ4を操作して上記操作ロッド7を引き上げる。すると、図3に示すように、上記ロックプレート13とガタ止めプレート14とが共に矢印b方向へ回動され、「ロック位置」から「ロックオフ位置」に位置変更される。従って、上記ガタ止めプレート14が上記受け溝12から上方へ退避しているので、そのまま上記シートバック2を上記ストライカー5側へ押し込むことで該ストライカー5は上記受け溝12の奥部12aまで進入する。ここで、上記操作ロッド7に対する操作力を解除すると、上記ロックプレート13及びガタ止めプレート14は共に第1スプリング18及び第2スプリング19のバネ力によって「ロックオフ位置」から「ロック位置」に復帰し、上記ストライカー5は上記ロックプレート13の上記第2係入溝22と上記ガタ止めプレート14の係入溝23の重合部分に係入し、「二段目ロック姿勢」が実現される。
【0037】
そして、この場合、上記ストライカー5は、上記ロックプレート13の第2係入溝22の外側溝壁面22aと上記ガタ止めプレート14の内側溝壁面23aの両者によってその進入方向両側から挟持されることから、そのガタツキが確実に防止されるものである。
【0038】
このように、この実施形態の二段ロック式シートロック装置Zによれば、上記シートバック2を「一段目ロック姿勢」と「二段目ロック姿勢」の何れの姿勢に設定した状態でも、上記ストライカー5のガタツキが確実に防止されるものであり、それだけその商品価値が向上することになる。
【0039】
また、このシートロック装置Zにおいては、上記ストライカー5のガタツキの防止が上記ガタ止めプレート4のみによって行われる構成であることから、例えば従来の二段ロック式シートロック装置に比して、その構成の簡略化及び部品点数の低減が図れ、延いては二段ロック式シートロック装置Zの低コスト化が促進されることにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るシートロック装置を備えた車両用シートの全体斜視図である。
【図2】図1に示したシートロック装置のロック状態を示す正面図である。
【図3】図1に示したシートロック装置のロックオフ状態を示す正面図である。
【図4】図1に示したシートロック装置のベースプレートの分解斜視図である。
【図5】図1に示したシートロック装置のロックプレートの正面図である。
【図6】図1に示したシートロック装置のガタ止めプレートの正面図である。
【符号の説明】
1はシートクッション、2はシートバック、3はヒンジ機構、4は操作ノブ、5はストライカー、6は車体部材、7は操作ロッド、8はストッパーピン、9は掛止ピン、10はキャッチ機構、11はベースプレート、12は受け溝、13はロックプレート、14はガタ止めプレート、15は枢支ピン、16は係合ピン、17は係合長穴、18は第1スプリング、19は第2スプリング、21は第1係入溝、22は第2係入溝、23は係入溝、25はストッパー、26はストッパー、27は掛止ピン、28は掛止ピン、29は掛止ピン、30は掛止ピン、31〜33は軸穴、Zはシートロック装置である。
Claims (1)
- 起倒可能とされたシートバック(2)を車体部材(6)側に係脱自在にロックするとともに、そのロック位置を起倒方向の前後二位置に選択的に設定可能とした二段ロック式シートロック装置であって、
上記車体部材(6)側に固定されたストライカー(5)と、
上記シートバック(2)側に固定されたキャッチ機構(10)とを備えるとともに、
上記キャッチ機構(10)が、
上記ストライカー(5)が進入する受け溝(12)を備え上記シートバック(2)側に固定されるベースプレート(11)と、
上記ベースプレート(11)に揺動自在に枢支されるとともに上記ベースプレート(11)の受け溝(12)に進入した上記ストライカー(5)に係入可能な第1係入溝(21)と第2係入溝(22)とを揺動径方向に前後して形成したロックプレート(13)と、
上記ベースプレート(11)に揺動自在に枢支され且つ揺動径方向に前後して第1係合面(14d)と第2係合面(23a)とを形成したガタ止めプレート(14)とを備え、
上記ストライカー(5)が上記ロックプレート(13)の第1係入溝(21)に係入した一段目ロック状態では該ストライカー(5)が該第1係入溝(21)の溝壁(21a)と上記ガタ止めプレート(14)の第1係合面(14a)とで、また上記ストライカー(5)が上記ロックプレート(13)の第2係入溝(22)に係入した二段目ロック状態では該ストライカー(5)が該第2係入溝(22)の溝壁(22a)と上記ガタ止めプレート(14)の第2係合面(23a)とで、それぞれ挟持されるように構成したことを特徴とするシートロック装置。
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