JP2005021373A - 炊飯器 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合でも、浸漬時間に応じた最適な加熱出力で加熱し、焦げを発生させないように炊飯することができる炊飯器を提供すること。
【解決手段】本体の外蓋の開閉状態を検知する外蓋開閉検知手段4からの信号を基に米の浸漬時間を計測する浸漬時間計測手段5を備え、制御手段3は、浸漬時間計測手段5によって計測した時間を基に加熱手段2を制御するように構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に一般家庭で使用する炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
初めに炊飯について簡単に説明する。まず、炊飯とは、水分15%前後の米に水と熱を加え、水分65%前後のご飯に仕上げる作業のことである。この時加えられる水と熱は、米の主成分である澱粉の糊化に使われる。この米粒の澱粉の糊化は、60℃くらいから始まるが、その前に米粒を十分吸水させなければならない。十分に吸水させる前に60℃以上に加熱すると、米粒の芯の澱粉が糊化できずに残り、いわゆる芯のあるご飯が炊きあがってしまう。一般的に、この吸水に必要な時間(米の浸漬時間)は、水温5℃で約2時間、水温20℃で約1時間、水温60℃で約20分かかる。そこで、従来の炊飯器では、この性質を利用して、炊飯の初期の吸水工程において、米粒の澱粉の糊化が始まる直前の温度(40℃〜50℃)に水温を一定時間維持することで、短時間で米粒に十分な吸水を行わせたのち炊き上げるというものが主流となっている。
【0003】
一方、長時間の予約炊飯を行う時のように長時間米を水に浸漬させて行うような炊飯の場合には、米粒の吸水は十分となるが、時間と共に澱粉などの成分が少しずつ溶け出して鍋底に沈殿していくため(溶け出す早さは水温によって変わる)、それが原因で炊飯時に焦げが発生してしまうという課題があった。この課題に対して、従来の予約機能を備えた炊飯器では、予約炊飯の設定を完了した後から炊飯を開始するまでの待機時間を米の浸漬時間とみなし、予約炊飯終了予定時刻と予約炊飯設定完了時刻の間があらかじめ設定されている時間以上ある場合には、焦げを抑えるために加熱出力を抑えて炊飯をするようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−15440号公報(第2〜3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の炊飯器では、使用者が自ら米を水に十分浸漬させてから炊飯を開始する時には、上記予約炊飯時と同じような浸漬条件であるにも関わらず、通常炊飯時の加熱出力で炊飯を行うため、焦げが発生してしまうという課題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するもので、炊飯前に米を水に浸漬させている時間を計測し、その計測した時間を基に加熱手段を制御することにより、使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合でも、浸漬時間に応じた最適な加熱出力で加熱を行い、焦げを発生させないように炊飯することができる炊飯器を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、本体の外蓋の開閉状態を検知する外蓋開閉検知手段からの信号を基に米を水に浸漬させている時間を計測する浸漬時間計測手段を備え、制御手段は、浸漬時間計測手段によって計測した時間を基に加熱手段を制御するように構成したものである。これにより、使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合でも、浸漬時間に応じた最適な加熱出力で加熱を行い、焦げを発生させないように炊飯することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、本体内に着脱自在に収納され米と水を入れる鍋と、その鍋を加熱するための加熱手段と、その加熱手段を制御する制御手段と、本体の外蓋の開閉状態を検知する外蓋開閉検知手段と、その外蓋開閉検知手段からの信号を基に米を水に浸漬させている時間を計測する浸漬時間計測手段を備え、前記制御手段は、前記浸漬時間計測手段によって計測した時間を基に前記加熱手段を制御することを特徴とすることにより、使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合でも、浸漬時間に応じた最適な加熱出力で加熱を行い、焦げを発生させないように炊飯することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、浸漬時間計測手段は、外蓋開閉検知手段により一定時間以上外蓋の開状態を検知した後に閉状態となったのを検知してから炊飯開始の操作が行われるまでの時間を、米を水に浸漬させている時間として計測することを特徴とすることにより、使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合でも、正確に浸漬時間を計測することができ、浸漬時間に応じた最適な加熱出力で加熱を行い、焦げを発生させないように炊飯することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、制御手段は、浸漬時間計測手段によって計測した時間があらかじめ設定されている第1の浸漬時間を超えると、通常炊飯時より加熱出力を抑えて炊飯するように加熱手段を制御することを特徴とすることにより、使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合でも、浸漬時間に応じた最適な加熱出力で加熱を行い、焦げを発生させないように炊飯することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、上記請求項3に記載の発明において、報知動作をする報知手段を備え、制御手段は、浸漬時間計測手段によって計測した時間があらかじめ設定されている第1の浸漬時間以下の第2の浸漬時間になるとその旨を報知するように前記報知手段を制御することを特徴とすることにより、使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合に、使用者に米を水に長時間浸漬させているということを知らせ、焦げに対する注意を促すことができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、上記請求項3または4に記載の発明において、鍋の温度を検知する鍋温度検知手段を備え、制御手段は、前記鍋温度検知手段によって検知した温度を基にあらかじめ設定されている第1の浸漬時間と第2の浸漬時間を変更することを特徴とすることにより、米の浸漬時間だけでなく、浸漬させている水温も考慮に入れて、米の浸漬状態を管理することができるため、使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合でも、より最適な加熱出力で加熱を行い、焦げを発生させないように炊飯することができる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、上記請求項3または4に記載の発明において、制御手段は、鍋温度検知手段によって検知した温度を基にあらかじめ設定されている第1の浸漬時間または第2の浸漬時間を変更することを特徴とすることにより、米の浸漬時間だけでなく、浸漬させている水温も考慮に入れて、米の浸漬状態を管理することができるため、使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合でも、より最適な加熱出力で加熱を行い、焦げを発生させないように炊飯することができる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、上記請求項3〜6に記載の発明において、表示動作をする表示手段を備え、制御手段は、通常炊飯時より加熱出力を抑えて炊飯する場合、その旨を表示するように前記表示手段を制御することを特徴とすることにより、米を水に長時間浸漬させていたということと、加熱出力を抑えて炊飯しているため、ご飯の食味が通常炊飯時より劣るということを使用者に認識させ、次回の炊飯での米の浸漬時間に対する注意を促すことができる。
【0015】
請求項8に記載の発明は、上記請求項4〜7に記載の発明において、浸漬時間計測手段によって計測した時間があらかじめ設定されている第2の浸漬時間を超えた場合に自動的に炊飯を開始するかどうかを選択することができる炊飯開始選択手段を備え、制御手段は、前記炊飯開始選択手段により選択された開始方法に基づき、加熱手段の制御を開始することを特徴とすることにより、使用者が米を水に浸漬させていることを忘れていたり、第2の浸漬時間が経過した時に使用者が周辺にいない場合でも、第1の浸漬時間が経過する前に炊飯を開始することができるので通常通りの加熱出力で加熱を行うことができ、食味を損なうことなく、焦げのないご飯を炊くことができる。
【0016】
請求項9に記載の発明は、上記請求項8に記載の発明において、制御手段は、自動的に炊飯を開始した場合、その旨を表示するように表示手段を制御することを特徴とすることにより、使用者に誤動作で炊飯を始めたわけではないということを知らせ、次回の炊飯での米の浸漬時間に対する注意を促すことができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
(実施例1)
図1は、本実施例の炊飯器のブロック図を示している。
【0019】
加熱手段2は、インバータ10により駆動される加熱コイルからなり、米と水を入れた鍋1を加熱するものである。
【0020】
制御手段3と浸漬時間計測手段5は、マイクロコンピュータ11で構成されている。制御手段3は、浸漬時間計測手段5によって計測した米の浸漬時間と所定の炊飯シーケンスに基づいて、インバータ10を制御して、加熱手段2の加熱出力を制御し、さらに報知手段7であるブザーや表示手段8であるLCDを制御するものである。浸漬時間計測手段5は、鍋1の上面を覆う外蓋の開閉状態を検知する外蓋開閉検知手段4からの信号を基に米の浸漬時間を計測するものであり、外蓋が一定時間以上の開状態から閉状態になったのを検知すると、米の浸漬を開始したと判断し、浸漬時間の計測を開始する。そして、そこから炊飯を開始するまでの計測時間を米の浸漬時間とする。浸漬時間の初期化は、蓋が開状態となったのを検知して一定時間(本実施例では3秒とする)以上経過後に行うものとする。この時、浸漬時間の初期化に一定時間の猶予を設けるのは、炊飯を開始する前に鍋1の有無や鍋1の内容物の確認を行うために蓋を開けるといった使用者の行為に対して、浸漬時間を初期化してしまわないようにするためである。
【0021】
図2に蓋内に配置している外蓋開閉検知手段4を示す。フロート16は球状のマグネットであり、フロート検知17は、フロート16の磁気により接点を開閉するリードスイッチである。フロート16は傾斜のある溝18上に乗っているため、蓋が閉じた状態ではフロート16がフロート検知17側に移動し、逆に蓋が開いた状態ではフロート16がフロート検知17と反対側に移動する。このフロート16の移動によりフロート検知17への磁気の影響が変わるため、フロート検知17の接点が開閉し、蓋の開閉検知が可能となる。鍋温度検知手段6は、鍋センサで構成され、鍋1の底の温度を検知して制御手段3に入力するようにしている。炊飯開始選択手段9は、炊飯開始選択キーで構成され、所定の浸漬時間を超えた場合に通常通り使用者が手動で炊飯開始を指示するのか、それとも自動的に炊飯を開始させるのかを使用者が選択できるようにしている。
【0022】
上記構成において、本実施例の動作について、図3のフローチャートを中心に説明する。
【0023】
まず、ステップS1で外蓋開閉検知手段4により外蓋が開いているかどうかを検知する。もし開いていれば、ステップS2へ進むが、閉じていれば、再びステップS1へ戻り、開かれるまでステップS1を繰り返す。ステップS2では、炊飯準備のための鍋1のセットがあったかどうかを判定するために外蓋の開状態が3秒間続いたかどうかを判定する。3秒未満であれば、鍋1のセットがなかったと判定して、ステップS1へ戻るが、3秒経過していれば、炊飯準備のための長時間の外蓋の開放だと判定して、ステップS3へ進み、浸漬時間の初期化を行う。そして、ステップS4で外蓋が閉じられたかどうかを判定する。このとき、まだ、開状態であれば、閉じられるまでステップS4を繰り返す。もし、外蓋が閉じられていれば、次のステップS5で浸漬時間のカウントを開始する。次にステップS6で炊飯開始の要求があるかどうかを判定する。このとき、炊飯開始の要求があれば、ステップS11へ進み、炊飯を開始するが、炊飯開始の要求がなければ、ステップS7へ進む。
【0024】
ここで、先ほどのステップS5での浸漬時間のカウント開始は、鍋1の有無、もしくは鍋1の内容物の有無に関わらず、外蓋の開いている時間により判定しているため、外蓋が閉じられたかどうかを判定するステップS4の前までに鍋1がセットできていないと、再び外蓋の開放が必要となる。そこで、ステップS7では、再び外蓋の状態を検知する。ここで、外蓋が閉じられたままであれば、ステップS5へ戻り、浸漬時間のカウントを継続するが、外蓋が開いていれば、ステップS8へ進み、外蓋の開状態が3秒間続いたかどうかを判定する。ここで、3秒未満であれば、鍋1の有無、もしくは鍋1の内容物の確認だと判定して、ステップS5へ戻り、浸漬時間のカウントを継続するが、3秒経過していれば、鍋1のセットが行われたと判定して、ステップS9へ進み、浸漬時間の初期化を行う。そして、ステップS10で外蓋が閉じられたかどうかを判定する。このとき、まだ、開状態であれば、閉じられるまでステップS10を繰り返す。もし、外蓋が閉じられていれば、ステップS5へ戻り、新たに浸漬時間のカウントを開始する。
【0025】
ステップS6で炊飯開始の要求を確認すると、ステップS11へ進み、炊飯を開始する。ステップS11は吸水工程で、図4に示すように制御手段3により加熱手段2を制御して、水温を米粒の澱粉の糊化が始まる直前の温度(約50℃)に一定時間維持することで、短時間で米粒に十分な吸水を行わせる。但し、浸漬時間計測手段5により計測された浸漬時間が十分である(水温5℃で2時間以上、水温20℃で1時間以上)と判定されれば、この工程は短縮される。
【0026】
吸水工程が終われば、ステップS12の炊き上げ工程へ進む。ここでは、高火力で一気に加熱を行うのだが、図4の(A)の点線に示すように浸漬時間が第1の浸漬時間(水温5℃で3時間、水温20℃で2時間)以上であった場合、通常時よりも加熱出力を抑えて加熱を行う。これは、長時間の浸漬により、米粒から溶け出し、鍋底に沈殿した澱粉などの成分が高火力で加熱を行うことによって、焦げてしまわないようにするためである。炊き上げ工程では、鍋底温度は鍋内の水がなくなるまで100℃付近で維持され、その後、炊き上がり温度(130℃)まで上昇した時点で終了する。
【0027】
炊き上げ工程が終了すると、ステップS13の鍋内を均一になじませるむらし工程に移行する。むらし工程は、所定時間が経過すると終了し、これで炊飯終了となる。
【0028】
このように、炊飯前に米を水に浸漬させている時間を計測し、その計測した時間があらかじめ設定されている第1の浸漬時間を超えると、通常炊飯時より加熱出力を抑えて炊飯するように加熱手段2を制御することにより、使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合でも、浸漬時間に応じた最適な加熱出力で加熱を行い、焦げを発生させないように炊飯することができる。
【0029】
なお、本実施例では、加熱手段2に加熱コイルを用いたが、これはヒータやガス燃焼器具などを用いた加熱方式であってもよい。
【0030】
(実施例2)
以下、本発明の第2の実施例について説明する。構成は、実施例1の制御手段3において、浸漬時間計測手段5によって計測した時間があらかじめ設定されている第1の浸漬時間以下の第2の浸漬時間になるとその旨を報知するように報知手段7を制御するようにしたものである。他の構成は、上記実施例1と同じである。
【0031】
上記構成において、図5のフローチャートを用いて、動作を説明する。なお、ステップS1からステップS13までの動作は、上記実施例1の動作と同じであるので説明を省略する。
【0032】
ステップS5で浸漬時間のカウントをした後、ステップS14で計測している浸漬時間=第2の浸漬時間(水温5℃で2時間30分、水温20℃で1時間30分)かどうかを判定する。もし、同じであれば、ステップS15へ進み、報知手段7であるブザーによる報知を行い、使用者に焦げに対する注意を促す。同じでなければ、そのままステップS6へ進み、炊飯開始の要求があるかどうかを判定する。
【0033】
このように、計測した米の浸漬時間があらかじめ設定されている第2の浸漬時間になるとその旨を報知するように報知手段7を制御することにより、使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合に、使用者に米を水に長時間浸漬させているということを知らせ、焦げに対する注意を促すことができる。
【0034】
なお、本実施例では、報知手段7にブザーを用いたが、これはLEDやLCDでもよく、要は使用者に焦げに対する注意を促すことができるものであればよい。
【0035】
また、本実施例では、第2の浸漬時間を第1の浸漬時間より短く設定したが、これは第1の浸漬時間と同じでもよく、要は一般的に米が十分に吸水したと判断される時間より長く、第1の浸漬時間以下であればよい。
【0036】
(実施例3)
以下、本発明の第3の実施例について説明する。構成は、実施例2の制御手段3において、鍋温度検知手段6により浸漬中の鍋温度を計測し、その計測した温度を基に第1の浸漬時間と第2の浸漬時間を変更するようにしたものである。他の構成は、上記実施例2と同じである。
【0037】
上記構成において、図6のフローチャートを用いて、動作を説明する。なお、ステップS1からステップS15までの動作は、上記実施例2の動作と同じであるので説明を省略する。
【0038】
ステップS3で浸漬時間の初期化をした後、ステップS4で外蓋が閉じられたのを検知すると、ステップS16で鍋温度検知手段6である鍋センサにより、鍋温度を検知する。これは、浸漬中の水温を判断するためであり、この時検知した鍋温度によりステップS17であらかじめ設定されている第1の浸漬時間と第2の浸漬時間を変更する。
【0039】
このように、浸漬中の鍋温度を計測し、その計測した温度を基に第1の浸漬時間と第2の浸漬時間を変更することにより、米の浸漬時間だけでなく、浸漬させている水温も考慮に入れて、米の浸漬状態を管理することができるため、使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合でも、より最適な加熱出力で加熱を行い、焦げを発生させないように炊飯することができる。
【0040】
なお、本実施例では、計測した浸漬中の鍋温度を基に第1の浸漬時間と第2の浸漬時間の両方を変更したが、これはどちらか一方を変更するだけでもよく、要は、米の浸漬時間だけでなく、浸漬させている水温も考慮に入れて、米の浸漬状態を管理することによって、焦げを発生させないように最適な加熱出力で炊飯することができればよい。
【0041】
(実施例4)
以下、本発明の第4の実施例について説明する。構成は、実施例3の制御手段3において、通常炊飯時より加熱出力を抑えて炊飯する場合、炊飯中にその旨を表示するように表示手段8を制御するようにしたものである。他の構成は、上記実施例3と同じである。
【0042】
上記構成において、図7のフローチャートを用いて、動作を説明する。なお、ステップS1からステップS17までの動作は、上記実施例3の動作と同じであるので説明を省略する。
【0043】
ステップS6で炊飯開始の要求があると、ステップS18へ進み、計測した浸漬時間が第1の浸漬時間に到達していたかどうかを判定する。到達していなければ、そのままステップS11へ進み、炊飯を開始するが、到達していれば、ステップS19で加熱出力を抑えて炊飯する旨を表示手段8であるLCDに表示して、炊飯を開始する。
【0044】
このように、計測した浸漬時間が第1の浸漬時間に到達していたため、通常炊飯時より加熱出力を抑えて炊飯する場合、炊飯中にその旨を表示するように表示手段8を制御することにより、米を水に長時間浸漬させていたということと、加熱出力を抑えて炊飯しているため、ご飯の食味が通常炊飯時より劣るということを使用者に認識させ、次回の炊飯での米の浸漬時間に対する注意を促すことができる。
【0045】
なお、本実施例では、表示手段8にLCDを用いたが、これはLEDでもよく、要は通常炊飯時より加熱出力を抑えて炊飯していることを知らせることができるものであればよい。
【0046】
また、本実施例では、炊飯中に通常炊飯時より加熱出力を抑えて炊飯する旨を表示するようにしているが、これは炊飯終了後に表示させてもよく、要は使用者が炊きあがったご飯を食べる前までに、加熱出力を抑えて炊飯したため、ご飯の食味が通常炊飯時より劣るということを使用者に認識させ、次回の炊飯での米の浸漬時間に対する注意を促すことができればよい。
【0047】
(実施例5)
以下、本発明の第5の実施例について説明する。構成は、実施例4の制御手段3において、計測した浸漬時間があらかじめ設定されている第2の浸漬時間を超えた場合に自動的に炊飯を開始するかどうかを選択することができる炊飯開始選択手段9を備え、その炊飯開始選択手段9により選択された開始方法に基づき、加熱手段2の制御を開始するようにしたものである。また、自動的に炊飯を開始した場合、その旨を表示するように表示手段8を制御するように構成したものである。他の構成は、上記実施例4と同じである。
【0048】
上記構成において、図8のフローチャートを用いて、動作を説明する。なお、ステップS1からステップS19までの動作は、上記実施例4の動作と同じであるので説明を省略する。
【0049】
ステップS14で、計測している浸漬時間=第2の浸漬時間であると判定し、ステップS15でブザー報知を行った後、ステップS20で使用者が炊飯開始選択手段9である炊飯開始選択キーにより自動的に炊飯を開始することを選択しているかどうかを判定する。もし、選択していれば、ステップS21で自動的に炊飯を開始するという旨を表示手段8であるLCDに表示し、炊飯を開始する。選択していなければ、ステップS6へ進み、使用者から炊飯開始の要求があるまで炊飯を開始しない。
【0050】
このように、計測した浸漬時間があらかじめ設定されている第2の浸漬時間を超えた場合に自動的に炊飯を開始するかどうかを選択することができる炊飯開始選択手段9を備え、その炊飯開始選択手段9により選択された開始方法に基づき、加熱手段2の制御を開始することにより、使用者が米を水に浸漬させていることを忘れていたり、第2の浸漬時間が経過した時に使用者が周辺にいない場合でも、第1の浸漬時間が経過する前に炊飯を開始することができるので通常通りの加熱出力で加熱を行うことができ、食味を損なうことなく、焦げのないご飯を炊くことができる。
【0051】
また、自動的に炊飯を開始した場合、炊飯中にその旨を表示するように表示手段8を制御することにより、使用者に誤動作で炊飯を始めたわけではないということを知らせ、次回の炊飯での米の浸漬時間に対する注意を促すことができる。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合でも、浸漬時間に応じた最適な加熱出力で加熱を行い、焦げを発生させないように炊飯することができる。
【0053】
また、請求項2に記載の発明によれば、使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合でも、正確に浸漬時間を計測することができ、浸漬時間に応じた最適な加熱出力で加熱を行い、焦げを発生させないように炊飯することができる。
【0054】
また、請求項3に記載の発明によれば、使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合でも、浸漬時間に応じた最適な加熱出力で加熱を行い、焦げを発生させないように炊飯することができる。
【0055】
また、請求項4に記載の発明によれば、使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合に、使用者に米を水に長時間浸漬させているということを知らせ、焦げに対する注意を促すことができる。
【0056】
また、請求項5に記載の発明によれば、米の浸漬時間だけでなく、浸漬させている水温も考慮に入れて、米の浸漬状態を管理することができるため、使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合でも、より最適な加熱出力で加熱を行い、焦げを発生させないように炊飯することができる。
【0057】
また、請求項6に記載の発明によれば、米の浸漬時間だけでなく、浸漬させている水温も考慮に入れて、米の浸漬状態を管理することができるため、使用者が炊飯前に米を水に長時間浸漬させている場合でも、より最適な加熱出力で加熱を行い、焦げを発生させないように炊飯することができる。
【0058】
また、請求項7に記載の発明によれば、米を水に長時間浸漬させていたということと、加熱出力を抑えて炊飯しているため、ご飯の食味が通常炊飯時より劣るということを使用者に認識させ、次回の炊飯での米の浸漬時間に対する注意を促すことができる。
【0059】
また、請求項8に記載の発明によれば、使用者が米を水に浸漬させていることを忘れていたり、所定の浸漬時間が経過した時に使用者が周辺にいない場合でも、食味を損なうことなく、焦げのないご飯を炊くことができる。
【0060】
また、請求項9に記載の発明によれば、使用者に誤動作で炊飯を始めたわけではないということを知らせ、次回の炊飯での米の浸漬時間に対する注意を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における炊飯器のブロック図
【図2】本発明の実施例における炊飯器の外蓋開閉検知手段の断面図
【図3】本発明の第1の実施例における炊飯器の動作フローチャート
【図4】本発明の第1の実施例における炊飯工程を示す図
【図5】本発明の第2の実施例における炊飯器の動作フローチャート
【図6】本発明の第3の実施例における炊飯器の動作フローチャート
【図7】本発明の第4の実施例における炊飯器の動作フローチャート
【図8】本発明の第5の実施例における炊飯器の動作フローチャート
【符号の説明】
1 鍋
2 加熱手段
3 制御手段
4 外蓋開閉検知手段
5 浸漬時間計測手段
6 鍋温度検知手段
7 報知手段
8 表示手段
9 炊飯開始選択手段

Claims (9)

  1. 本体内に着脱自在に収納され米と水を入れる鍋と、その鍋を加熱するための加熱手段と、その加熱手段を制御する制御手段と、本体の外蓋の開閉状態を検知する外蓋開閉検知手段と、その外蓋開閉検知手段からの信号を基に米を水に浸漬させている時間を計測する浸漬時間計測手段を備え、前記制御手段は、前記浸漬時間計測手段によって計測した時間を基に前記加熱手段を制御することを特徴とした炊飯器。
  2. 浸漬時間計測手段は、外蓋開閉検知手段により一定時間以上外蓋の開状態を検知した後に閉状態となったのを検知してから炊飯開始の操作が行われるまでの時間を、米を水に浸漬させている時間として計測することを特徴とした請求項1に記載の炊飯器。
  3. 制御手段は、浸漬時間計測手段によって計測した時間があらかじめ設定されている第1の浸漬時間を超えると、通常炊飯時より加熱出力を抑えて炊飯するように加熱手段を制御することを特徴とした請求項1または2に記載の炊飯器。
  4. 報知動作をする報知手段を備え、制御手段は、浸漬時間計測手段によって計測した時間があらかじめ設定されている第1の浸漬時間以下の第2の浸漬時間になるとその旨を報知するように前記報知手段を制御することを特徴とした請求項3に記載の炊飯器。
  5. 鍋の温度を検知する鍋温度検知手段を備え、制御手段は、前記鍋温度検知手段によって検知した温度を基にあらかじめ設定されている第1の浸漬時間と第2の浸漬時間を変更することを特徴とした請求項3また4に記載の炊飯器。
  6. 制御手段は、鍋温度検知手段によって検知した温度を基にあらかじめ設定されている第1の浸漬時間または第2の浸漬時間を変更することを特徴とした請求項3また4に記載の炊飯器。
  7. 表示動作をする表示手段を備え、制御手段は、通常炊飯時より加熱出力を抑えて炊飯する場合、その旨を表示するように前記表示手段を制御することを特徴とした請求項3〜6のいずれか1項に記載の炊飯器。
  8. 浸漬時間計測手段によって計測した時間があらかじめ設定されている第2の浸漬時間を超えた場合に自動的に炊飯を開始するかどうかを選択することができる炊飯開始選択手段を備え、制御手段は、前記炊飯開始選択手段により選択された開始方法に基づき、加熱手段の制御を開始することを特徴とした請求項4〜7のいずれか1項に記載の炊飯器。
  9. 制御手段は、自動的に炊飯を開始した場合、その旨を表示するように表示手段を制御することを特徴とした請求項8に記載の炊飯器。
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