JP2005019794A - 冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヒートシンク1を押し出し成形加工により、内部を貫通する空間列を複数設け、この空間列を利用して、パワー半導体モジュール2の発熱する熱により気化される冷媒7aを貯留する冷媒部7と、冷媒7aが気化した蒸気が充満する蒸発凝縮部8と、この蒸発凝縮部8を冷却する冷却水の経路となる冷却部9とを設け、ヒートシンク1の開口部となる両端面に、冷媒7a、蒸気および冷却水とを、ヒートシンク1を貫通する内部の空間列内に封じ込め、外部に対し気密と水密とを保つパッキン10、11と、これを押圧するヘッダ3、4とを具備するとともに、冷却水の経路をヘッダ3、4内部にも設けることにより、冷却水が連続的に循環できるようにする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば汎用インバータ等の電力制御機器を構成するIGBT等のパワー素子をモジュール化したパッケージによる発熱体を冷却するためのパワー半導体モジュールの冷却装置に関するものであり、特に発熱体からの熱によって気化された冷媒を蒸発凝縮部で冷却して液化する沸騰作用を利用した冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
産業用モータの回転数を可変制御するための汎用インバータにおいては、このインバータ回路を構成する主要デバイスはIGBT等のパワー素子が用いられている。
この様なパワー素子は、その動作時に大きな熱を発生するものであるため、このパワー素子を冷却するための冷却装置が設けられる。
すなわち、パワー素子等の発熱素子がモジュールとして構成されたパッケージを、アルミニウム等の熱伝導性の優れた材料によって構成したヒートシンクに取り付け、パワー素子で発生された熱を大気中に放出されるように構成されている。
【0003】
具体的には、アルミニウム製の放熱フィンにパワー半導体モジュールをボルト等によって密着固定し、更にファンによって発生した風を放熱フィンにあてるようにした強制空冷方式が多く採用されている。
しかし、この様な強制空冷方式を採用すると、常時冷却ファンを駆動しなければならないため、コストが嵩むとともに、駆動用モータの耐久性等が問題となる。
さらに冷却ファンの駆動時に発生する騒音なども問題となるケースもある。
この様な問題点を解決するために冷却ファンを取り除くことが考えられるが、放熱能力が低下してしまい、放熱フィンを大型化せざるを得なくなるという問題点が生じる。
【0004】
このような問題を解決するために、従来技術として沸騰冷却装置があった。
この沸騰冷却装置は蒸発凝縮部の冷却を、より熱伝達率の大きい水等の流体で行うこととしているものである(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−339327号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の冷却装置は以上のように構成されていたので、冷却装置を傾けて設置する場合、とくに90度近くにまで立てた状態では、冷媒が重力の影響で冷媒室の下方に偏り貯留されることになる。
また、装置内部には冷却水の流れる経路が設けられていない。
したがって、上方の発熱部では冷媒が発熱部に接触しないために吸熱ができず、また冷却水も装置内部に滞留することがあるため、発熱部の全体にわたる均質な冷却作用が行えないという問題点があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、冷却装置の姿勢による影響が冷却性能に及びにくく、かつ均質に個々の発熱体ごとに確実に冷却できるとともに、簡素な部材で構成し、耐久性にも優れるパワー半導体モジュールの冷却装置を提供摺ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る冷却装置は、発熱体による熱により気化される冷媒を貯蔵する冷媒部と、この冷媒が気化した蒸気が冷却され液化する蒸発凝縮部と、この蒸発凝縮部を冷却する冷却水を封入する冷却部とをヒートシンク内に設けたものであって、ヒートシンクの外面に発熱体が取り付けられるとともに、ヒートシンクの両端面には冷媒、蒸気及び冷却水を封じ込めるためのパッキン、及びこのパッキンを押圧するヘッダを備え、ヘッダ内部に冷却水の経路を設けることにより、冷却水がヒートシンク内を循環できるようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明のパワー半導体モジュール冷却装置を図に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1によるパワー半導体モジュール冷却装置を示す平面図、図2は左側面図、図3は右側面図、図4は正面図である。
図において、内部に冷媒と冷却水とを貯留、あるいは循環させるヒートシンク1の外面に、発熱体となるパワー半導体モジュール2が図示しないボルト等で固着されている。
ヒートシンク1の両端部はヘッダ3及びヘッダ4が設けられ、ヒートシンク1を両側から挟み込み、ヒートシンク1内部の冷媒と冷却水を封じ込ませる。そしてヘッダ3とヘッダ4は、ボルト5をヒートシンク1側に設置された図示しないメネジに締結することにより取り付けられる。
又ヘッダ4には、ヒートシンク1内部の冷却水経路と外部の冷却水経路とを接続するためのニップル6が設けられている。
【0010】
パワー半導体モジュール2の内部においては、図示しないパワー半導体素子がハンダ付け等によって図示しない銅ブロックに接合され、この銅ブロックを電気的に絶縁するために、図示しない絶縁板に接触配置する。
これらのパワー半導体モジュール内部を構成する部材を、トランスファーモールド工法により一体的に成形加工することにより、モジュール本体を形成する。
【0011】
上記絶縁板はトランスファーモールド工程において軟化され、あるいは溶解状態となり、パワー半導体素子がハンダ付けされた銅ブロックと接合される。
又、ヒートシンク1は熱伝導性が良好なアルミ等によって引き抜き加工を行うことによって形成される。
また、複数配置される発熱体であるパワー半導体モジュール2の列に対応して、ヒートシンク1も複数に分割された構成としている。
【0012】
図5は図1におけるA−A線断面側面図であり、ヒートシンク1内部の形状を示すものである。
発熱体であるパワー半導体モジュール2の列毎に対応して、冷媒7aが封入された冷媒部7を並べて形成する。
この冷媒部7に連通するとともに、冷媒部7に対して垂直方向に蒸発凝縮部8を設ける。
さらに冷却水の経路となる冷却部9が蒸発凝縮部8と交互に配置されている。
【0013】
この様な熱伝達機構を有するパワー半導体モジュール冷却装置において、冷却対象となるパワー半導体モジュール2が発熱すると、その熱がヒートシンク1に伝達され、さらにヒートシンク1内部に設けられた冷媒部7に伝熱され、ここで冷媒7aが加熱される。
このとき冷媒部7の内壁側に存在する冷媒7aが沸騰されて気化され、蒸発した冷媒7aは高温の蒸気となって蒸発凝縮部8内の空間に充満する。
【0014】
さらに蒸発凝縮部8はその隣に位置する冷却部12の内部の冷却水により常に低い温度に保たれているため、蒸発した高温蒸気は瞬時に冷却され、元の液体状の冷媒7aに凝縮され、冷媒部7に戻る。
そしてさらに発熱体であるパワー半導体モジュール2によって冷媒7aは加熱され、蒸発する。
以上のサイクルを繰り返すことにより、冷媒部7の内壁と冷却部12の冷却水との間で、冷媒7aの沸騰作用により高効率な熱伝達が行われる。
以上のような作用による熱伝達率は、自然対流の熱伝達率の100〜1000倍にも達する。
【0015】
冷媒部7での冷媒7aの沸騰によって、冷媒7aは液体から気化した蒸気の状態に変化し、この沸騰気化された蒸気7aは蒸発凝縮部8の上部に向かって上昇する。
そこで冷却部9の内部を循環する低温に保たれた冷却水により、蒸発凝縮部8の内部に充満する高温蒸気は冷却され凝縮し、冷媒液7aとなって熱を外部に放出する。
この凝縮における熱伝達率は、気化時と同様に高効率な熱伝達が行われる。
【0016】
図6はヘッダ3とヒートシンク1との間に挟み込まれるパッキンを示す側面図であり、図において、パッキン10はヘッダ3とヒートシンク1との間に挟みこまれ、冷媒部7内部の冷媒7a、蒸発凝縮部8内部の蒸気、並びに冷却部9内部の冷却水を、外部に対して気密、あるいは水密に保つためのものである。
冷媒部7と蒸発凝縮部8はヘッダ3とは遮断されており、この部分はパッキン10における遮断部10aを構成しており、パッキン10を形成する材料により、遮断隔壁が一体となって形成されている。
尚、パッキン10の材料としては、フッ素系ゴムあるいはエラストマーが用いられている。
冷却部9はヘッダ3と連通されており、したがってこの部分に相当するパッキン10には開口部10bが形成されている。
【0017】
図7はヘッダ3をヒートシンク1側から見た側面図、図8は図7のB−B線断面平面図である。
図8において、ヘッダ3にはパッキン10が入り込む空間部3aが設けられており、この空間部3aはパッキン10の厚みより僅かに薄くなるよう形成されており、ヘッダ3がヒートシンク1に組み立てられる際に、パッキン10を押すことにより変形させる際の潰し代を設けている。
【0018】
冷却部9の内部の冷却水を循環させるために、ヘッダ3の内部には、ヒートシンク1の隣り合う冷却部9同士を連通させるための冷却水の経路3bが設けられている。
即ち、パッキン10の開口部10bを通過した冷却部9の冷却水は、このヘッダ3の経路3bを通過して隣の冷却部9へと導かれることにより、冷却水はヒートシンク1の内部を循環することができる。
図7中の矢印は冷却水の流れの方向を示している。
【0019】
図9は図1におけるC−C線断面図であり、ヘッダ4をヒートシンク1側から見た側面図、図10は図9のD−D線断面平面図である。
図において、ヘッダ4には冷却水の外部の経路と接続するためのニップル6が一体的に取り付けられ、冷却水が出入するように構成されている。
図において、ヘッダ4には図11に示すパッキン11が入り込む空間部4aが設けられており、この空間部4aはパッキン11の厚みより僅かに薄くなるよう形成されており、ヘッダ4がヒートシンク1に組み立てられる際に、パッキン11を押すことにより変形させる際の潰し代を設けている。
【0020】
冷却水はニップル6を介してヘッダ4の開口部4bから流入してくる。
このあとヒートシンク1の冷却部9の経路の中を進み、対向するヘッダ3に到達する。
そしてヘッダ3の内部に形成された冷媒部7を迂回する冷却水の経路3bを進み、さらにヒートシンク1の隣の冷却部9の経路を辿りヘッダ4に戻ってくる。
【0021】
ヘッダ4内部においても冷媒部7を迂回する冷却水の経路4c、あるいは隣の冷却部9に移動する経路4dが形成してあり、これを辿って冷却水は折り返しながら進行する。
この進行方向の折り返しを繰り返すことで、ヒートシンク1の内部を冷却水が循環し、最後はヘッダ4の開口部4eから外部の経路へと出て行く。
【0022】
図11はヘッダ4とヒートシンク1との間に挟みこまれるパッキン11を示す側面図であり、図において、パッキン11はヘッダ4とヒートシンク1との間に挟みこまれ、冷却部7内部の冷媒7a、蒸発凝縮部8内部の蒸気、並びに冷却部9内部の冷却水を、外部に対して気密、あるいは水密に保つためのものである。
冷媒部7と蒸発凝縮部8はヘッダ4とは遮断されており、この部分はパッキン11における遮断部11aを構成しており、パッキン11を形成する材料により、遮断隔壁が一体となって形成されている。
【0023】
尚、パッキン11の材料としては、フッ素系ゴムあるいはエラストマーが用いられている。
これにより冷媒7aが外部と遮断され、気密と水密が保たれる。
冷却部9はヘッダ4と連通されており、したがってこの部分に相当するパッキン11には開口部11b、11c、11dが形成され、冷却水が通過する。
【0024】
図12は冷却装置と外部機器全体を示す斜視図であり、図において、ヘッダ4に一体的に取り付けられたニップル6は、配管12により、外部に設けられた冷却水の循環回路に接続される。
この外部の冷却水の循環回路は、冷却水を循環させるポンプ13と、このポンプ13を駆動するモータ14と、冷却水を外部の空気との間で熱交換するラジエータ(放熱器)15とから構成されている。
【0025】
次に冷却装置の動作について説明する。
冷媒部7内の冷媒7aは、発熱体であるパワー半導体モジュール2から伝達される熱を受けて沸騰し気化する。
気化した高温蒸気は蒸発凝縮部8に充満する。
この蒸発凝縮部8は両側から冷却部9により挟み込まれているために、低温が保たれている冷却部9内部の冷却水によって、高温蒸気は熱を奪い取られる。
【0026】
このとき冷却される蒸気は、凝縮作用により放熱するとともに、液体状の冷媒7aに相を変化させる。
液化した冷媒7aは蒸発凝縮部8の内壁を滴下し、冷媒部7に戻る。
一方高温蒸気から熱を奪い昇温した冷却部9内部の冷却水は、配管12を循環し、外部に設けられた熱交換器であるラジエータ15により、外部の空気に放熱することで、もとの低温状態の冷却水にもどり、配管12内部を流れて再びヘッダ4に一体的に取り付けられたニップル6から冷却装置内部に流入し循環する。
【0027】
本発明によるヒートシンク1は、押し出し成形加工により成形されるため、冷媒部7と蒸発凝縮部8、および冷却部9から構成される沸騰熱伝達を機能とする熱交換器の主要な構成要素を一つの部材で成立させることができる。
さらに外部に対し気密と水密を保つために用いるパッキン10、11およびヘッダ3、ヘッダ4から本装置は構成されるように、ヒートシンク1を含め二組のパッキン10、11とヘッダ3、4による5つの部材から本装置は構成されているので、最小限の少ない部材数で済み、更に個々の部材は簡素な形状で済ますことができる。
【0028】
したがって、これらの少ない部材数で構成することは、組立工数を軽減できるとともに、簡素な部材で構成するゆえに組み立てられた本装置自体が、機械的強度を強固にすることができるために、冷媒部7と蒸発凝縮部8を低圧にした場合の減圧下においても、機械的強度を確実に向上させることができ、生産性を向上させ、更には信頼性も兼ね備えた冷却装置を提供することができる。
【0029】
さらに、冷却水の経路をヘッダ3、4の内部に設け、ヒートシンク1内部の複数ある冷却部9をひとつづきの経路として構成することにより、一部に流れの滞留などが発生しないことから、蒸発凝縮部8の全体にわたり均質に冷却をおこなうことができる。
また、ヒートシンク1内部の冷却部7と、冷却すべき蒸発凝縮部8とを互いに交互に配列することにより、熱交換をおこなうべき温度差を持った2つの気体と液体を、より広い面積で対向させることができ、したがって、蒸発凝縮部8の全体にわたり高効率に冷却をおこなうことができる。
【0030】
冷媒部7と蒸発凝縮部8とをひとつづきの空間とし、発熱部であるパワー半導体モジュール2から発熱され、ヒートシンク1に伝達された熱を、冷媒部7が効率よく受熱することが必要となる。そして、冷媒部7を熱源となるパワー半導体モジュール2の発熱面に対し、広い面積で対峙させる配置が必要となる。
したがって本発明では、熱源となるパワー半導体モジュール2の発熱面に対し平行となるように冷媒部7を配置している。
【0031】
さらに冷媒7aが受熱し気化した蒸気は、これもより高効率で熱交換をおこなうためには広い面積で冷却部9と対峙させる必要があることから、冷媒部7と蒸発凝縮部8とをひとつづきの空間とし、蒸発凝縮部8を冷媒部7に対して直角方向に配置するとともに、蒸発凝縮部8を冷却部9との間に挟み込ませる配置とする必要がある。
【0032】
上記説明においては、冷媒部7は一定間隔ごとに独立させる例について説明したが、このことの効果について図を用いて説明する。
図13は本発明による冷却装置を垂直に近く立てた状態で設置した場合を示す側面図であり、図13に示すように、冷媒7aは重力の影響で冷媒部7と蒸発凝縮部8に流れ込み、下方に偏った状態で貯留させることになるが、ここでは発熱体であるパワー半導体モジュール2の配列に対応して、冷媒部7は独立して配置されているので、全てのパワー半導体モジュール2の近傍に冷媒7aを貯留させることが可能となり、沸騰冷却による高効率な冷却機能を維持させることができる。
【0033】
しかし図14に示すように、冷媒部7をひとつづきの空間とした場合は、冷媒7aが下方に偏ることになるので、最上段のパワー半導体モジュール2の冷却は行えないという問題が生じる。
従来技術として紹介した上記特許文献1に開示された沸騰冷却装置では、このような垂直近傍にまで傾けた状態で、冷却機能を維持することは難しいという問題点があった。
【0034】
図15は図1におけるE−E線断面図であり、断面正面図となる。
図15においては、冷却装置の長手方向が水平方向となるように設置した状態を表している。
図において、熱源であるパワー半導体モジュール2の配列に対応したヒートシンク1が3分割された構成で配置されており、ヘッダ3及びヘッダ4により、ヒートシンク1は両側から一体的に固着されている。
パッキン10及びパッキン11と冷媒部7とが接する部分は隔壁となっており、冷媒7aは分割されたそれぞれのヒートシンク1の内部に独立して貯留されている。
又、パッキン10及びパッキン11と、図示しない冷却部8との接合面は開口部となっており、冷却水は3つのヒートシンク1をひとつづきの経路として連通している。
【0035】
以上のように構成することにより、図16に示すように、冷却装置の長手方向を垂直近傍にまで立てた状態に設置した場合においても、パッキン10により冷媒7aが各発熱体であるパワー半導体モジュール2に対応する位置において貯留させることが可能となるために、パワー半導体モジュール2の近傍において、冷媒7aの沸騰気化による高効率な冷却を維持することができる。
【0036】
これに対して、図17に示すように、冷媒室7をパッキンで区切らず、ひとつづきの空間とした場合は、冷媒7aが下方に偏ることとなり、最上段にあるパワー半導体モジュール2の冷却は行えないという問題が生じる。
従来技術として紹介した上記特許文献1に開示された沸騰冷却装置では、このような垂直近傍にまで傾けた状態で、冷却機能を維持することは難しいという問題点があった。
【0037】
以上のようにこの発明に係る冷却装置にあっては、例えばIGBT等のパワー半導体素子からなる発熱体で発生される熱によって冷媒部7の冷媒7aが沸騰され、気化された冷媒7aが、蒸発凝縮部8に充満するとともに、両面から挟み込まれる配置を有する冷却部9により冷却されることにより、冷却水に熱が伝達される。
【0038】
このときの冷媒の沸騰熱伝達により、発熱部を高効率に冷却することができる。
又、一連の熱交換を行う液体を封入している経路の形成は、押し出し成形加工によるヒートシンク1形成過程において行うことにより、簡素な部材で構成することができ、結果として生産性に優れ、同時に耐久性にも優れるパワー半導体モジュールの冷却装置を得ることができる。
【0039】
また、冷却装置を自動車に搭載する場合には、取付方向に自由度があるため、重力の影響を考慮する制約が少なくなり、搭載姿勢の自由度が高くなる。
【0040】
実施の形態2.
図18はこの発明の実施の形態2による冷却装置を示す断面側面図であり、図1におけるA−A線断面図に相当する図である。
図において、ウイックと呼ばれる熱伝導性に優れた銅などを素材とする細線を、網状に編んだ繊維状の部材16を冷媒部7の内部に挿入する。
このウイック16に冷媒7aをしみ込ませることで、冷媒部7内に貯留させる。
【0041】
ウイック16にしみ込ませた冷媒7aは、冷媒7a自身の表面張力の作用により、重力の影響を受けずにウイック16全体に浸透した状態を保持することができる。
また、熱伝導性に優れる銅などの素材から形成されるウイック16により、発熱体となるパワー半導体モジュールから冷媒7aに熱を伝達する際の伝達面積を広くすることができる。
【0042】
このように構成した冷却装置によれば、冷却装置を垂直近傍に立てた状態に設置したとしても、冷媒7aが重力の影響で下部に偏ることがないために、発熱体全体を均質に冷却することができる。
さらに、ウイック16が冷媒7aと接触することにより、ウイック16を用いない実施の形態1の場合と比較すると、発熱部から冷媒7aへの熱伝達が良好に行われるために、冷却性能は確実に向上する。
【0043】
【発明の効果】
この発明の請求項1に係る冷却装置によれば、発熱体による熱により気化される冷媒を貯蔵する冷媒部と、この冷媒が気化した蒸気が冷却され液化する蒸発凝縮部と、この蒸発凝縮部を冷却する冷却水を封入する冷却部とをヒートシンク内に設けたものであって、ヒートシンクの外面に発熱体が取り付けられるとともに、ヒートシンクの両端面には冷媒、蒸気及び冷却水を封じ込めるためのパッキン、及びこのパッキンを押圧するヘッダを備え、ヘッダ内部に冷却水の経路を設けることにより、冷却水がヒートシンク内を循環できるようにしたので、発熱体を高い効率で冷却することができるとともに、生産性に優れ、同時に耐久性にも優れるパワー半導体モジュールの冷却装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による冷却装置を示す平面図である。
【図2】この発明の実施の形態1による冷却装置を示す左側面図である。
【図3】この発明の実施の形態1による冷却装置を示す右側面図である。
【図4】この発明の実施の形態1による冷却装置を示す正面図である。
【図5】図1におけるA−A線断面図である。
【図6】パッキンを示す側面図である。
【図7】ヘッド部分を示す側面図である。
【図8】図7のB−B線断面図である。
【図9】図1のC−C線断面図である。
【図10】図9のD−D線断面図である。
【図11】パッキンを示す側面図である。
【図12】冷却装置と外部機器全体を示す斜視図である。
【図13】冷却装置を示す側面図である。
【図14】冷却装置を示す側面図である。
【図15】図1におけるE−E線断面図である。
【図16】図1におけるE−E線断面図である。
【図17】冷却装置を示す断面正面図である。
【図18】この発明の実施の形態2による冷却装置を示す断面側面図である。
【符号の説明】
1 ヒートシンク、3,4 ヘッダ、7 冷媒部、7a 冷媒、8 蒸発凝縮部、9 冷却部、10,11 パッキン、15 ラジエータ、16 ウイック。
Claims (7)
- 発熱体による熱により気化される冷媒を貯蔵する冷媒部と、この冷媒が気化した蒸気が冷却され液化する蒸発凝縮部と、この蒸発凝縮部を冷却する冷却水を封入する冷却部とをヒートシンク内に設けた冷却装置であって、上記ヒートシンクの外面に発熱体が取り付けられるとともに、上記ヒートシンクの両端面には上記冷媒、蒸気及び冷却水を封じ込めるためのパッキン、及びこのパッキンを押圧するヘッダを備え、上記ヘッダ内部に上記冷却水の経路を設けることにより、上記冷却水が上記ヒートシンク内を循環できるようにしたことを特徴とする冷却装置。
- 上記パッキンには上記冷却水の経路となる部分には開口部を設けるとともに、上記冷却部及び蒸発凝縮部に接する部分には遮断部を設けたことを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
- 上記ヒートシンクは複数に分割され、分割面にはパッキンを設け、このパッキンには隣り合う上記冷却部を連通するための開口部を設けるとともに、隣り合う上記冷却部及び蒸発凝縮部を遮断するための隔壁を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の冷却装置。
- 上記ヒートシンク内には複数の独立した上記冷媒部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の冷却装置。
- 上記蒸発凝縮部と上記冷媒部とを互いに交互に配置したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の冷却装置。
- 上記冷却部には装置外部に通じる少なくとも2つの開口部を有し、この開口部を介して外部に設置されるラジエータに接続されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の冷却装置。
- 上記冷媒部にウイックを挿入したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の冷却装置。
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