JP3751623B2 - ループ型サーモサイフォン、放熱システムおよびスターリング冷却庫 - Google Patents

ループ型サーモサイフォン、放熱システムおよびスターリング冷却庫 Download PDF

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Description

本発明は、ループ型サーモサイフォンおよび放熱システムならびにこれらを備えたスターリング冷却庫に関する。
熱源にて発生する熱を放熱する放熱システムとして、ヒートシンクやヒートパイプ、サーモサイフォン等を用いた放熱システムが知られている。ヒートシンクを用いた放熱システムにあっては、熱源に取り付けたヒートシンクに顕著な温度分布が生じるため、熱源から離れれば離れるほど放熱に寄与しなくなり、放熱性能の向上には自ずと限界がある。これに対し、ヒートパイプやサーモサイフォンを用いた放熱システムでは、熱源にて生じた熱を作動流体を用いて伝達するため、熱搬送能力がヒートシンクに比べて非常に高く、放熱性能を高く維持することが可能である。
ヒートパイプは、閉回路内に配設されたウィックの毛管力を用いて作動流体を循環させる毛管力駆動型熱搬送デバイスである。これに対しサーモサイフォンは、作動流体が蒸発および凝縮することによって生じる作動流体の密度差を利用した重力駆動型熱搬送デバイスである。なお、ループ型サーモサイフォンとはループ状に構成された閉回路内を作動流体が循環するように構成されたサーモサイフォンである。
ループ型サーモサイフォンを備えたスターリング冷却庫を開示した文献として、たとえば特開2003−50073号公報(特許文献1)がある。また、スターリング冷凍機の放熱部側ではないが、吸熱部側にループ型サーモサイフォンを適用した文献として、たとえば特開2001−33139号公報(特許文献2)がある。
特開2003−50073号公報 特開2001−33139号公報
ループ型サーモサイフォンにおいては、熱源を囲むように構成された放熱部と蒸発器との間の熱交換を促進させ、蒸発器内の作動流体の蒸発を促すことにより、冷却性能が向上するようになる。放熱部と蒸発器との熱交換を促進させるためには、これらの密着性を高めたり、接触面積を大きく確保したりすることが効果的である。しかしながら、密着性を高めたり、接触面積を大きく確保したりしたとしても、必ずしも十分な冷却性能が得られるものではなく、また、接触面積を大きく確保するためには装置が大型化するという問題もあり、ループ型サーモサイフォンの利用が一部の分野に限定されていた。
したがって、本発明は、上述の問題を解決すべくなされたものであり、冷却効率のよいループ型サーモサイフォンおよび放熱システムならびにこれらを備えたスターリング冷却庫を提供することを目的とする。
本発明に基づくループ型サーモサイフォンは、熱源から熱を奪い、内部の作動流体を蒸発させる蒸発器と、作動流体の熱を外部に放出し、内部の作動流体を凝縮させる凝縮器とを備え、作動流体がこれら蒸発器と凝縮器との間を循環するように、蒸発器と凝縮器とが接続されてなるものである。蒸発器は、熱源に当接する当接面を含む内側枠体と、熱源に当接しない外側枠体とを含む。本ループ型サーモサイフォンにあっては、当接面の反対側に位置する内側枠体の壁面に、その壁面から突出しかつその頂面に粗面化処理部が設けられた台状部形成るとともに、この台状部が形成されていない部分の内側枠体の壁面外側枠体がろう材にて接続される接続部を設け、粗面化処理部と接続部との間の距離を隔てることによってろう付けの際のろう材の粗面化処理部への流入が防止されている。
本発明に基づく放熱システムは、熱源を取り囲む放熱部と、この放熱部から熱を奪い、内部の作動流体を蒸発させる蒸発器と、作動流体の熱を外部に放出し、内部の作動流体を凝縮させる凝縮器とを備え、作動流体がこれら蒸発器と凝縮器との間を循環するように、蒸発器と凝縮器とが接続されてなるものである。蒸発器は、作動流体が流動する流路を内側に含む環状の枠体からなり、この環状の枠体は、環状の枠体の軸線を含む断面において、放熱部に取着する側に開口を有している。上記流路は、環状の枠体の内壁面と、上記開口を塞ぐように位置する放熱部の外壁面とによって構成されている。本放熱システムにあっては、放熱部の外壁面放熱部の外壁面から流路側に向かって突出しかつその頂面に粗面化処理部が設けられた台状部形成るとともに、この台状部が形成されていない部分の放熱部の外壁面環状の枠体がろう材にて接続される接続部を設け、粗面化処理部と接続部との間の距離を隔てることによってろう付けの際のろう材の粗面化処理部への流入が防止されている。
本発明の第1の局面に基づくスターリング冷却庫は、スターリング冷凍機を搭載した冷却庫であって、スターリング冷凍機は上述のループ型サーモサイフォンを備えている。そして、本スターリング冷却庫においては、上述のループ型サーモサイフォンの蒸発器がスターリング冷凍機の放熱部と熱交換するように構成されている。
本発明の第2の局面に基づくスターリング冷却庫は、スターリング冷凍機を搭載した冷却庫であって、スターリング冷凍機は上述の放熱システムを備えている。そして、本スターリング冷却庫においては、上述の放熱システムの蒸発器がスターリング冷凍機の放熱部と熱交換するように構成されている。
上記構造を採用することにより、蒸発器内における作動流体の蒸発が促進されるため、冷却効率に優れたループ型サーモサイフォンおよび放熱システムならびにそれらを備えたスターリング冷却庫とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態における放熱システムは、スターリング冷凍機にて発生する熱を外部へ放熱するために、ループ型サーモサイフォンを採用した放熱システムである。すなわち、本実施の形態における放熱システムは、スターリング冷凍機の圧縮空間を熱源として、圧縮空間に生じる熱をスターリング冷凍機に設けられた放熱部を介してループ型サーモサイフォンの蒸発器にて回収し、蒸発器内の作動流体を媒体として凝縮器に熱を搬送し、外部に放熱するものである。
図1は、本発明の実施の形態1におけるループ型サーモサイフォンを備えたスターリング冷凍機の概略斜視図である。まず、図1を参照して、ループ型サーモサイフォンおよびこのループ型サーモサイフォンが取り付けられたスターリング冷凍機の設置構造について説明する。
図1に示すように、スターリング冷凍機1は、支持台5上に載置され、支持台5の底板に設けられた支持部6によって支持されている。また、ループ型サーモサイフォン10も支持台5上に載置され、支持台5の底板に設けられた支持部6によって支持されている。なお、後述するループ型サーモサイフォン10の蒸発器11は、スターリング冷凍機1の放熱部4に締め付けバンド7によって固定されている。これら支持台5にて支持されたスターリング冷凍機1およびループ型サーモサイフォン10は、所定の機器(たとえば、冷却庫等)の筐体内に設置される。
次に、スターリング冷凍機1の構造および動作について説明する。
図1に示すように、スターリング冷凍機1は、圧力容器2を備えている。圧力容器2内には、ピストンおよびディスプレーサが嵌装されたシリンダが設けられている。シリンダ内はヘリウム等の作動媒体によって充填されている。シリンダ内の空間は、ピストンおよびディスプレーサによって圧縮空間と膨張空間とに区画されている。圧縮空間の周囲には放熱部(ウォームヘッド)4が設けられており、膨張空間の周囲には吸熱部(コールドヘッド)3が設けられている。
シリンダ内に嵌装されたピストンは、リニアアクチュエータによって駆動され、シリンダ内を往復動する。ディスプレーサは、ピストンが往復動することによって生じる圧力変化により、シリンダ内をピストンの往復動と一定の位相差をもって往復動する。このピストンおよびディスプレーサの往復動により、シリンダ内に逆スターリングサイクルが実現される。これにより、圧縮空間を取り囲むように設けられた放熱部4は昇温し、膨張空間を取り囲むように設けられた吸熱部3は極低温にまで冷却される。
次に、ループ型サーモサイフォン10の構造および動作について説明する。
図1に示すように、ループ型サーモサイフォン10は、蒸発器11と凝縮器13とを備える。蒸発器11は、スターリング冷凍機1の放熱部4と接するように配置され、放熱部4に生じる熱を奪い、蒸発器11内に充填された作動流体を蒸発させる部位である。凝縮器13は、蒸発器11よりも高所に配置され、蒸発器11にて蒸発した作動流体を凝縮させる部位である。蒸発器11と凝縮器13とは、送り管12および戻り管14によって接続されており、これらによって閉回路が構成されている。なお、図示するループ型サーモサイフォン10にあっては、熱源である放熱部4の外形が円筒形状であるため、蒸発器11は円弧状に分割された2つの蒸発器11A,11Bにて構成されている。
凝縮器13は、送り管側母管(送り管側ヘッダーパイプ)13aと、戻り管側母管(戻り管側ヘッダーパイプ)13cと、これら送り管側母管13aと戻り管側母管13cとを接続する複数の並行管13bと、並行管13bに接触して設けられた放熱フィン13dとからなる組立体としてユニット化されて構成されている。
送り管側母管13aは、送り管12に接続され、導入された作動流体を分流する分配器である。これに対して、戻り管側母管13cは、戻り管14に接続され、分流された作動流体を合流させる管寄せである。
蒸発器11内においてスターリング冷凍機1の放熱部4から熱を奪って蒸発した作動流体は、蒸発器11と凝縮器13との蒸気圧力差によって重力に抗して上昇し、送り管12を通って凝縮器13に導入される。凝縮器13内で冷却され凝縮した作動流体は、重力によって落下し、戻り管14を通って蒸発器11に導入される。以上のような相変化を伴う作動流体の対流作用により、スターリング冷凍機1の放熱部4にて生じる熱を外部へと放熱することが可能になる。
図2は、スターリング冷凍機の放熱部を取り囲むように設置された蒸発器の端面図である。また、図3は、蒸発器の組立て構造を示す分解斜視図である。以下においては、これらの図を参照して、蒸発器の構造について詳細に説明する。
図2に示すように、蒸発器11は、円筒形状の放熱部4の外周面に対して密着して取付けが可能となるように、2つの半円環状に分割された蒸発器11A,11Bによって構成される。すなわち、蒸発器11A,11Bは、組付け後において略円環状に構成される。それぞれの蒸発器11A,11Bは、その上部において、送り管12および戻り管14に接続されている。
放熱部4と蒸発器11A,11Bとの間には、高熱伝導グリス20が介在している。高熱伝導グリス20は、放熱部4と蒸発器11A,11Bとの密着性を高めるために塗布されるものであり、この高熱伝導グリス20にて放熱部4と蒸発器11A,11Bの間の隙間を充填することにより、放熱部4に生じる熱が蒸発器11A,11Bに効率よく伝熱される。なお、本明細書においては、放熱部と蒸発器とが直接接触するように構成された場合に限らず、本実施の形態の如く放熱部と蒸発器とが放熱グリス等の伝熱材を介して間接的に接触するように構成された場合をも含めて、放熱部と蒸発器とが当接していると表現する。
図2および図3に示すように、蒸発器11A,11Bは、複数に分割された枠体にてそれぞれ構成されている。複数に分割された枠体は、放熱部4に当接する当接面15aを含む内側枠体15と、放熱部4に当接しない外側枠体16と、内側枠体15と外側枠体16を組立てた場合に蒸発器11A,11Bの周方向端部に生じる開口を塞ぐキャップ17,18とからなる。これら複数に分割された枠体同士は、ろう材を用いた溶接にて接続される。なお、外側枠体16の外周面には、組立て後において送り管12および戻り管14と蒸発器11A,11Bの内部とを接続する孔16a,16bが設けられており、この孔16a,16bに対応する位置に送り管12および戻り管14が溶接によって接続される。
上記構成の蒸発器11A,11Bとすることにより、蒸発器11A,11Bの内部には、作動流体が流動可能な流路が構成される。この蒸発器11A,11Bの内部には、作動流体として、たとえば水にエタノールやエチレングリコールなどを含む添加剤が混入させた冷媒が封入される。
図4は、図2に示すIV−IV線に沿った蒸発器の断面図である。また、図5は、図4に示す領域Vの拡大断面図である。以下においては、これらの図を参照して、蒸発器内部の構造について説明する。
図4に示すように、蒸発器11Aの内側枠体15と外側枠体16とは、その接続部位においてろう材21によって接続されている。内側枠体15の当接面15aの反対側に位置する壁面である内側壁面15bには、流路側に向かって突出する台状部15cが設けられている。台状部15cの頂面15c1には、予め粗面化処理が施されることにより加工面15dが形成されている。
ここで、粗面化処理とは、表面に微小な凹凸形状を付与する処理のことであり、たとえば切削具を用いて内側枠体15の内側壁面15bを切り起こすことにより、内側壁面15bに無数の突部15eを形成し、その後ローラにて突部15eの先端を折り曲げる処理のことを指す。このような粗面化処理を施すことにより、作動流体に面する部分の内側枠体15の内側壁面15bに無数の突部15eが位置することとなり、蒸発器11A,11Bを構成する枠体と作動流体との接触面積が大きく確保されるようになる。このため、熱交換が促進されて蒸発器11A,11Bの冷却性能が大幅に向上するようになる。また、上述の如く切り起こした突部15eに折り曲げ処理を加えることにより、突部15eによって囲まれた空間内に気泡の核が形成され易くなるため、作動流体の蒸発が促進され、蒸発器の冷却性能をさらに向上させることが可能になる。
以上において説明したように、本実施の形態の如く、ループ型サーモサイフォンの蒸発器の放熱部と当接する部位の内壁面に粗面化処理を施すことにより、放熱部から蒸発器の枠体に伝熱された熱が効率よく作動流体の蒸発に利用されるようになるため、冷却効率に優れたループ型サーモサイフォンとすることが可能になる。また、蒸発器を複数の枠体に分割することにより、蒸発器の組立て前に放熱部に当接する部位を有する枠体のみに粗面化処理を施すことが可能になるため、煩雑な製造工程を経ることなく容易に上記構成の蒸発器を形成することが可能になる。
しかしながら、上述のように、内側枠体に粗面化処理を施した後に複数に分割された枠体をろう材を用いた溶接にて接続する構成とした場合には、粗面化処理による加工面にろう材が流入し易くなる問題が生じる。冷却性能をより高く維持するためには、内側枠体の流路に面する部分のすべてが粗面化処理されていることが好ましいが、このように構成した場合にはろう材が加工面の凹凸部分に吸い込まれ易くなり、結果としてろう材が蒸発器内部に大量に流入して冷却性能の低下を引き起こすこととなってしまう。このため、本実施の形態におけるループ型サーモサイフォンにおいては、上述の如く、蒸発器の内側枠体の内側壁面に台状部を設け、この台状部の頂面に粗面化処理を施すことによってこの問題を解決している。以下、この点について、図を参照して詳細に説明する。
図4に示すように、蒸発器11Aの軸方向における外側枠体16の外形寸法L1に対し、蒸発器11Aの軸方向における内側枠体15の外形寸法L2がより大きく構成されている。このため、組付け後において、内側枠体15の蒸発器11Aの軸方向における端部は、外側枠体16よりも突出して位置することになる。
図6は、図4に示す領域VIの拡大断面図である。内側枠体15の蒸発器11Aの軸方向における端部近傍の内側壁面15b側には、台状部15cを設けられることによって生ずる段差部が位置しており、組付け時にはこの段差部に外側枠体16の縁が嵌め込まれ、ろう付けが施される。ここで、台状部15cの頂面15c1に位置する加工面15dの厚みH2は、加工面の頂面15d1から段差部の底面である内側壁面15bまでの距離H1に比べて小さく構成されている。
内側枠体15および外側枠体16をこのような形状とすることにより、内側枠体15と外側枠体16との溶接時にろうが盛られる位置から、加工面15dまでの距離が大きく確保されるようになるため、ろう材21が蒸発器11A内に流入して加工面15dに吸い込まれることが回避されるようになり、冷却性能の低下が防止されるようになる。
また、図2に示すように、本実施の形態におけるループ型サーモサイフォン10の蒸発器11は、半円環状に分割された2つの蒸発器11A,11Bによって構成され、外形が円筒形状の放熱部4の外周面に組付けられる。このため、溶接後の内側枠体15および外側枠体16にキャップ17,18を溶接にて取付ける際には、ろう材が内側枠体15の当接面15a側にはみ出したり、キャップの表面にはみ出したりしないように注意して溶接する必要がある。万が一、これらの場所にろう材がはみ出した場合には、放熱器と蒸発器の密着性が阻害され、ループ型サーモサイフォン10の冷却性能が低下するおそれがある。このため、本実施の形態におけるループ型サーモサイフォン10においては、キャップの取付け位置を工夫することにより、この問題の解決を図っている。以下、この点について、図を参照して詳細に説明する。
図7は、蒸発器の軸線と直交する面における蒸発器の断面を示す図である。また、図8は、図7に示す領域VIIIの拡大図であり、図9は、図7に示す領域IXの拡大図である。
図7に示すように、溶接後における内側枠体15および外側枠体16の周方向端部に生じる開口を閉塞するように取付けられるキャップ17は、蒸発器11Aの径方向において、外側に僅かにずれた位置にて取付けられる。すなわち、図8に示すように、領域VIIIにおいては、内側枠体15の加工面15dの頂面15d1から内側枠体15の当接面15aまでの距離H4に比べ、内側枠体15の頂面15d1からキャップ17の端部までの距離H3がより小さくなるように、キャップ17が取付けられる。また、図9に示すように、領域IXにおいては、外側枠体16の厚みH5に比べ、内側枠体の内壁面からキャップ17の端部までの距離H6がより大きくなるように、キャップ17が取付けられる。
このように、溶接後における内側枠体15および外側枠体16にキャップ17を僅かにずらして取付けられることにより、ろう材が内側枠体15の当接面15a側にはみ出したり、キャップ17の表面にはみ出したりするおそれがなくなる。このため、放熱部と蒸発器の高い密着性を実現することが可能になり、冷却性能が高く維持されたループ型サーモサイフォンとすることが可能になる。
(実施の形態2)
本実施の形態における放熱システムは、上述の実施の形態1と同様に、スターリング冷凍機にて発生する熱を外部へ放熱するために、ループ型サーモサイフォンを採用した放熱システムである。図10は、本実施の形態における放熱システムの構成例を説明するためのスターリング冷凍機およびループ型サーモサイフォンの部分断面図である。
図10に示すようにスターリング冷凍機1の放熱部4は、熱源である圧縮空間23を囲むように配設されており、圧縮空間23に設けられた内部熱交換器24を介して圧縮空間23内に生じる熱を回収する。放熱部4の外壁面4bには、ループ型サーモサイフォンの蒸発器を構成する外側枠体16が溶接等によって組付けられる。なお、内部熱交換器24の膨張空間側には、再生器25が配置されている。
本実施の形態におけるループ型サーモサイフォンの蒸発器は、環状の枠体19のみによって構成されており、上述の実施の形態1の如くの内側枠体15は備えていない。すなわち、蒸発器は、作動流体が流動する流路を内側に含む環状の枠体19からなり、環状の枠体19は、環状の枠体19の軸線を含む断面において、スターリング冷凍機1の放熱部4側に開口を有している。このため、溶接等によって環状の枠体19が放熱部4に組付けられた後においては、流路は、環状の枠体19の内壁面と、上記開口を塞ぐように位置する放熱部4の外壁面4bとによって構成されることになる。
本実施の形態における放熱システムにおいては、スターリング冷凍機1の放熱部4の外壁面4bのうちの流路に面する部分に、粗面化処理の加工面4dが位置している。このように構成することにより、放熱部から直接作動流体に熱が与えられるとともに、放熱部と作動流体の接触面積が大きく確保されるため、効率よく作動流体を蒸発させることが可能になり、冷却効率に優れたループ型サーモサイフォンとすることが可能になる。
図11は、本実施の形態における放熱システムの変形例を示すスターリング冷凍機およびループ型サーモサイフォンの部分断面図である。図11に示すように、本実施の形態における放熱システムにおいても、上述の実施の形態1と同様に、スターリング冷凍機の放熱部4の外壁面のうちの流路に面する部分に、台状部4cを設け、この台状部4cの頂面4c1に粗面化処理の加工面4dを形成することにより、溶接時におけるろう材の流路内への流入が効果的に防止されるようになる。
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3におけるスターリング冷却庫の構造を示す模式断面図である。本実施の形態におけるスターリング冷却庫は、上述の実施の形態1または2に記載のスターリング冷凍機およびループ型サーモサイフォンを搭載している。
図12に示すように、スターリング冷却庫30は、冷却空間として冷凍空間38と冷蔵空間39とを備える。スターリング冷却庫30は、スターリング冷凍機1の放熱部4の冷却を行なう放熱部側熱搬送システムとしてループ型サーモサイフォン10を備えている。なお、スターリング冷凍機1の吸熱部3に発生する極低温は、吸熱部側熱搬送システム31(図12中の破線部分参照)によって庫内の冷却に利用される。この吸熱部側の熱搬送システムとしては、放熱部側熱搬送システムと同様にループ型サーモサイフォンによって構成してもよいし、強制対流型の熱搬送システムとしてもよい。
ここで、放熱部側熱搬送システムであるループ型サーモサイフォン10は、スターリング冷凍機1の放熱部4の周囲に接触して取り付けられた蒸発器11と、送り管および戻り管によって上記蒸発器11と接続された凝縮器13とから構成される。この蒸発器11、凝縮器13、送り管および戻り管からなる循環回路内には、たとえばエタノールが添加された水などが冷媒として封入される。そして、冷媒の蒸発と凝縮による自然対流を利用して放熱部4で発生した熱を伝達することができるように、凝縮器13が蒸発器11より上方(高所)に配置されている。
図12に示すように、スターリング冷凍機1は、スターリング冷却庫30の背面上部に配置される。また、吸熱部側熱搬送システム31は、スターリング冷却庫30の背面側に配置される。これに対し、放熱部側熱搬送システムであるループ型サーモサイフォン10は、スターリング冷却庫30の上部に配置される。なお、ループ型サーモサイフォン10の凝縮器13はスターリング冷却庫30の上部に設けたダクト34に内設される。
スターリング冷凍機1を動作させると、放熱部4で発生した熱が、ループ型サーモサイフォン10の凝縮器13を介してダクト34内の空気と熱交換される。このとき、送風ファン35により、ダクト34内の暖かい空気がスターリング冷却庫30の庫外へ排出されるとともに、スターリング冷却庫30の庫外の空気が取り込まれ、熱交換が促進される。
一方、吸熱部3で発生した極低温は、冷気ダクト33内の気流(図12中の矢印)と熱交換される。このとき、冷凍空間側ファン36および冷蔵空間側ファン37により、冷却された冷気がそれぞれ冷凍空間38および冷蔵空間39に送風される。各冷却空間38,39からの暖かくなった気流は再び冷気ダクト33に導入され、繰り返し冷却される。
上記のスターリング冷却庫に搭載された放熱システムは、上述の実施の形態1または2に記載の放熱システムであるため、冷却効率に優れた放熱システムである。このため、スターリング冷凍機を高効率で運転させることが可能になり、スターリング冷却庫の性能も向上する。
なお、上述の実施の形態においては、ループ型サーモサイフォンを含む放熱システムをスターリング冷凍機の放熱部側熱搬送システムに採用した場合を例示して説明を行なったが、熱源を有する他のデバイスにも当然に適用可能である。
このように、今回開示した上記各実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の実施の形態1におけるループ型サーモサイフォンを備えたスターリング冷凍機の概略斜視図である。 スターリング冷凍機の放熱部を取り囲むように設置された蒸発器の端面図である。 蒸発器の組立て構造を示す分解斜視図である。 図2に示すIV−IV線に沿った蒸発器の断面図である。 図4に示す領域Vの拡大断面図である。 図4に示す領域VIの拡大断面図である。 蒸発器の軸線と直交する面における蒸発器の断面を示す図である。 図7に示す領域VIIIの拡大図である。 図7に示す領域IXの拡大図である。 本発明の実施の形態2における放熱システムの構成例を示すスターリング冷凍機およびループ型サーモサイフォンの部分断面図である。 本発明の実施の形態2における放熱システムの変形例を示すスターリング冷凍機およびループ型サーモサイフォンの部分断面図である。 本発明の実施の形態3におけるスターリング冷却庫の模式縦断面図である。
符号の説明
1 スターリング冷凍機、2 圧力容器、3 吸熱部、4 放熱部、4b 外壁面、4c 台状部、4c1 頂面、4d 加工面、5 支持台、6 支持部、7 締め付けバンド、10 ループ型サーモサイフォン、11 蒸発器、12 送り管、13 凝縮器、13a 送り管側母管、13b 並行管、13c 戻り管側母管、13d 放熱フィン、14 戻り管、15 内側枠体、15a 当接面、15b 内側壁面、15c 台状部、15c1 頂面、15d 加工面、15d1 頂面、15e 突部、16 外側枠体、16a,16b 孔、17,18 キャップ、19 枠体、20 高熱伝導グリス、21 ろう材、23 圧縮空間、24 内部熱交換器、25 再生器、30 スターリング冷却庫、31 吸熱部側熱搬送システム、33 冷気ダクト、34 ダクト、35 送風ファン、36 冷凍空間側ファン、37 冷蔵空間側ファン、38 冷凍空間、39 冷蔵空間。

Claims (4)

  1. 熱源から熱を奪い、内部の作動流体を蒸発させる蒸発器と、
    作動流体の熱を外部に放出し、内部の作動流体を凝縮させる凝縮器とを備え、
    前記作動流体が前記蒸発器と前記凝縮器との間を循環するように、前記蒸発器と前記凝縮器とが接続されてなるループ型サーモサイフォンであって、
    前記蒸発器は、前記熱源に当接する当接面を含む内側枠体と、前記熱源に当接しない外側枠体とを含み、
    記当接面の反対側に位置する前記内側枠体の壁面に該壁面から突出しかつその頂面に粗面化処理部が設けられた台状部形成るとともに、前記台状部が形成されていない部分の前記壁面前記外側枠体がろう材にて接続されてなる接続部を設け、前記粗面化処理部と前記接続部との間の距離を隔てることによって前記ろう材の前記粗面化処理部への流入が防止されていることを特徴とする、ループ型サーモサイフォン。
  2. スターリング冷凍機を搭載したスターリング冷却庫であって、
    前記スターリング冷凍機は、請求項1に記載のループ型サーモサイフォンを備えており、
    前記蒸発器が、前記スターリング冷凍機の放熱部と熱交換するように構成されている、スターリング冷却庫。
  3. 熱源を取り囲む放熱部と、
    前記放熱部から熱を奪い、内部の作動流体を蒸発させる蒸発器と、
    作動流体の熱を外部に放出し、内部の作動流体を凝縮させる凝縮器とを備え、
    前記作動流体が前記蒸発器と前記凝縮器との間を循環するように、前記蒸発器と前記凝縮器とが接続されてなる放熱システムであって、
    前記蒸発器は、作動流体が流動する流路を内側に含む環状の枠体からなり、
    前記環状の枠体は、前記環状の枠体の軸線を含む断面において、前記放熱部に取着する側に開口を有し、
    前記流路は、前記環状の枠体の内壁面と、前記開口を塞ぐように位置する前記放熱部の外壁面とによって構成され、
    前記放熱部の外壁面前記放熱部の外壁面から前記流路側に向かって突出しかつその頂面に粗面化処理部が設けられた台状部形成るとともに、前記台状部が形成されていない部分の前記放熱部の外壁面前記環状の枠体がろう材にて接続されてなる接続部を設け、前記粗面化処理部と前記接続部との間の距離を隔てることによって前記ろう材の前記粗面化処理部への流入が防止されていることを特徴とする、放熱システム。
  4. スターリング冷凍機を搭載したスターリング冷却庫であって、
    前記スターリング冷凍機は、請求項3に記載の放熱システムを備えており、
    前記蒸発器が、前記スターリング冷凍機の放熱部と熱交換するように構成されている、スターリング冷却庫。
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