JP2005086078A - 発熱体の冷却装置 - Google Patents

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伸直 鈴木
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    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
    • F28D15/0266Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes with separate evaporating and condensing chambers connected by at least one conduit; Loop-type heat pipes; with multiple or common evaporating or condensing chambers

Abstract

【課題】 マイクロチャンネル方式の集熱器を採用することにより集熱効率および冷却装置の設置自由度を高めるとともに、冷却装置の製造原価上昇を抑制する。
【解決手段】 集熱器2と放熱器3とを分離するとともに、発熱素子1のベースプレート2aに微細流路を設けてマイクロチャンネル化し、かつ、放熱器3のヒートシンク3jに対向振動流型熱輸送方式の熱拡散板(熱輸送デバイス本体3a)を接合し、放熱器3(熱輸送デバイス本体3a)の流路3bと集熱器2の微細流路とをフレキシブルチューブ4で繋ぐ。これにより、マイクロチャンネル方式の集熱器を採用することにより集熱効率および冷却装置の設置自由度を高めるとともに、冷却装置の製造原価上昇を抑制することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発熱体の冷却装置に関するもので、電子計算機用の集積回路、携帯電話と最寄りの交換局等との間で送受信される信号を処理する送受信モデム、及び携帯電話へ発信する電波を増幅させるIGBT(パワートランジスタ)等の半導体電子部品の冷却装置に適用して有効である。
IGBT(パワートランジスタ)等の大電流が流れるパワー素子等の発熱素子を冷却する従来型の冷却装置として、例えば図10に示す蒸発潜熱を利用した沸騰式のヒートスプレッダ、および図11に示すように、液冷媒(冷却水)を循環させる水冷方式等が知られている。
そして、図10に示すヒートスプレッダでは、板状の吸熱板10内に低圧の空間を設けるとともに、その空間内にフロンや水等の液相冷媒を封入して液相冷媒を蒸発させることにより発熱素子1から吸熱し、蒸発した気相冷媒の熱を放熱フィン11を介して大気中に放熱するものである。
なお、大気に放熱して凝縮した冷媒は、吸熱板の内壁を流れて下方側に溜まり、発熱素子から吸熱して再び蒸発して上方側で冷却される。
また、図11に示す水冷式の冷却装置では、流路が構成された放熱板12のうち発熱素子が固定される部位のみ、微細な流路13が形成されたマイクロチャンネル方式の集熱器構造としている。
しかし、図10に示すヒートスプレッダでは、液相冷媒を蒸発させることにより発熱素子を冷却するので、発熱素子の位置と液相冷媒の液面位置(液面高さ)とを一致させる必要がある。
このため、図10に示すヒートスプレッダでは、発熱素子を液相冷媒が溜まる下方側に配置せざるを得ないので、ヒートスプレッダの設置方向が大きく制約され、設置自由度が著しく低いという問題がある。
さらに、図10に示すヒートスプレッダでは、発熱素子を吸熱板に直接固定しているので、発熱素子と吸熱板との間に僅かな空隙が発生し易く、接触抵抗の増大を招き易い。
また、図11に示す水冷式の冷却装置では、微細な流路が形成されたマイクロチャンネル方式の集熱器構造としているので、周知のごとく、発熱素子から効率よく集熱することができるものの、流路が構成された放熱板のうち発熱素子が固定される部位のみマイクロチャンネル構造となっているので、放熱板のうちマイクロチャンネル構造部分のみ特殊加工を施す必要があり、放熱板の製造原価が上昇してしまう。
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な発熱体の冷却装置を提供し、第2には、マイクロチャンネル方式の集熱器を採用することにより集熱効率および冷却装置の設置自由度を高めるとともに、冷却装置の製造原価上昇を抑制することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、発熱体(1)を冷却する冷却装置であって、発熱体(1)で発生する熱を集めるとともに、冷媒が満たされた微細な流路が形成されたマイクロチャンネル方式の集熱器(2)と、集熱器(2)と分離して設けられ、集熱器(2)で集められた熱を放熱する放熱器(3)と、集熱器(2)で集められた熱を放熱器(3)に伝える伝熱手段(4、4a)とを備えることを特徴とする。
そして、本実施形態では、集熱器(2)と放熱器(3)とを分離しているので、集熱器(2)全体に微細流路を形成してマイクロチャンネル構造とすればよく、一部のみをマイクロチャンネル構造とする図11に示す従来技術に比べて、容易に微細流路を形成することができる。
また、集熱器(2)と放熱器(3)とを分離し、両者(2)、(3)を伝熱手段(4、4a)で繋ぐので、冷却装置の設置自由度を高めることができる。
したがって、マイクロチャンネル方式の集熱器(2)を採用することにより集熱効率を高めながら、冷却装置の設置自由度を高めつつ、冷却装置の製造原価上昇を抑制することができる。
請求項2に記載の発明では、発熱体(1)は、半導体電子部品であり、さらに、発熱体(1)のベースプレート(2a)に微細な流路が形成されて、マイクロチャンネル方式の集熱器(2)が構成されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明では、放熱器(3)は、放熱フィン(3k)を有するヒートシンク(3j)と、発熱体(1)から回収した熱をヒートシンク(3j)略全域に拡散させる熱拡散手段(3a、3h)とを有して構成されていることを特徴とする。
これにより、ヒートシンク(3j)全体を略同一温度とすることができ得るので、ヒートシンク(3j)の部位によらず、ヒートシンク(3j)と雰囲気との温度差が略均一となり、ヒートシンク(3j)全体で効率よく放熱することができる。
請求項4に記載の発明では、熱拡散手段(3a、3h)は、隣り合う流路(3b)において流体を対向振動させることにより隣り合う流路(3b)間で熱交換し、熱を高温側から低温側に輸送する対向振動流型熱輸送装置にて構成されていることを特徴とする。
これにより、流体を相変化をさせずに熱を拡散させることができるので、その吸熱および放熱能力は、発熱体(1)の取り付け位置や冷却装置の取付姿勢の影響を殆ど受けない。
したがって、放熱器(3)および集熱器(2)の設置方向によらず、集熱効果および放熱効果を略一定とすることができ、安定的に発熱体(1)の熱を吸熱しながら放熱することができる。
請求項5に記載の発明では、流路(3b)において流体を振動させるポンプ(3h)として、ピストンを往復運動させる往復ポンプが用いられていることを特徴とする。
これにより、羽根車を回転させるポンプに比べて、摺動部の面圧と摺動速度を低くすることができ、かつ、摺動距離を短くできるので、ポンプの長寿命化を図ることができる。
請求項6に記載の発明では、伝熱手段(4、4a)は、可撓性を有していることを特徴とする。
これにより、集熱器(2)および放熱器(3)の設置自由度を更に高めることができる。
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る発熱体の冷却装置を携帯電話基地局内の電子機器や電気機器(特に、IGBT等のパワー素子)等の冷却に適用したものであり、図1、2は本実施形態に係る冷却装置の模式図であり、図3は熱輸送デバイス本体の構造説明図であり、図4は集熱器の説明図である。
携帯電話基地局内には、商用電源等の電源から供給される電力を整流する整流器、携帯電話と最寄りの交換局等との間で送受信される信号を処理する送受信モデム等からなる無線機、および携帯電話へ発信する電波を増幅させるIGBT等のパワー素子等からなる送信アンプ等の発熱素子1が収容されている。
なお、整流器は、無線機や発熱素子1等の通信機器に直流電力を供給するものであり、携帯電話基地局は、断熱性の高い密閉空間を構成するもので、外部から携帯電話基地局内に熱が進入することが抑制されている。
そして、発熱素子1等の携帯電話基地局内の発熱体は、携帯電話基地局内の空気(室内空気)の温度を調節することにより、その温度が適正温度となるように冷却されており、本実施形態では、室内空気の温度を調節(冷却)する冷却手段として、携帯電話基地局内の空気と携帯電話基地局外の空気とを熱交換する熱交換器、この熱交換器に携帯電話基地局内の空気を送風する室内送風機、および熱交換器に携帯電話基地局外の空気を送風する室内送風機等からなる熱交換ユニットにて構成されている。なお、熱交換ユニット、つまり室内送風機および室内送風機は、電子制御装置(ECU)にて制御されている。
次に、本実施形態の要部をなす発熱体の冷却装置を図1、図2、図3および図4を用いて説明する。
本実施形態に係る発熱体の冷却装置は、図1および図2に示すように、概略3個のユニットから構成されており、具体的には、発熱素子1で発生する熱を集めるとともに、冷媒が満たされた微細な流路が形成されたマイクロチャンネル方式の集熱器2、この集熱器2と分離して設けられて集熱器2で集められた熱を携帯電話基地局内の空気中に放熱する空冷式の放熱器3、集熱器2で集められた熱を放熱器3に伝える伝熱手段をなすフレキシブルチューブ4等から構成されている。
なお、本実施形態では、フレキシブルチューブ4をゴム等の可撓性を有する材質を管状に構成したものであり、このフレキシブルチューブ4により集熱器2内に流路と放熱器3内の流路とが繋がれている。
そして、集熱器2は、図4に示すように、発熱素子1の半導体コアに一体化されたベースプレート2aに微細な流路2bを多数本形成したマイクロチャンネル方式のもので、このベースプレート2aは、アルミニウムや銅等の熱伝導率の高い金属製のものである。
なお、本実施形態に係るベースプレート2aは、押し出し加工もしくは引き抜き加工にて微細流路2bを一体成形する、または金属板にエッチングを施して微細流路(微細な溝)2bを形成した後、その微細流路(微細な溝)2bを他の金属板にて閉塞する等して製造されたものである。
因みに、本実施形態では、ベースプレート2aは、はんだ付け等のろう接により発熱素子1の半導体コアに一体化されている。ここで、「ろう接」とは、例えば「接続・接合技術」(東京電機大学出版局)に記載されているように、ろう材やはんだを用いて母材を溶融させないように接合する技術を言う。
そして、融点が450℃以上の溶加材を用いて接合するときをろう付けと言い、その際の溶加材をろう材と呼び、融点が450℃以下の溶加材を用いて接合するときをはんだ付けと言い、その際の溶加材をはんだと呼ぶ。
また、放熱器3の熱輸送デバイス本体3aは、図3に示すように、蛇行した流路3b内に流体が充填された略帯板状のもので、この熱輸送デバイス本体3aは、銅やアルミニウム等の熱伝導率が高い金属材からなる多穴チューブ3cの長手方向両端側をプレート3d、3eにて閉塞することにより蛇行した流路3bを構成したものである。
そして、本実施形態では、紙面右側のプレート3dにフレキシブルチューブ4が接続されるパイプ部3fが接合され、紙面左側のプレートeに振動装置3h(図1および図2参照)と熱輸送デバイス本体3aとを接続するための接続パイプ部2gが接合されている。
振動装置3hは、熱輸送デバイス本体3a内の流体およびフレキシブルチューブ4を介して接続されたベースプレート2a内の流体を振動させるポンプ手段であり、この振動装置3hは、例えば電磁力により変位する可動子と流体を振動させるピストンとが一体化されたプランジャを往復動さることにより流体を振動させる往復ポンプである。なお、この振動装置3hの作動は、電子制御装置にて制御される。
因みに、流路3b内に充填される流体として、本実施形態では水を採用しているが、粘度を低下させる添加剤を混合した水等を採用してもよいことは言うまでもない。
また、熱輸送デバイス本体3aの板面略全域には、図1に示すように、空気との伝熱面積を増大させて熱輸送デバイス本体3a内の流体と冷却用の空気(本実施形態では、携帯電話基地局内の空気)との熱交換を促進するヒートシンク3jが熱輸送デバイス本体3aにろう接されている。
そして、本実施形態に係るヒートシング3jは、帯板状に形成された複数枚の放熱フィン3k等からなるもので、このヒートシンク3j、つまり放熱フィン3kもアルミニウムや銅等の熱伝導率の高い金属製としている。
なお、放熱器3は、帯板状の放熱フィン3kの長手方向が上下方向に一致させるようにして、自然対流を利用して放熱フィン3k(ヒートシンク3j)に冷却風を送風しているが、送風機により強制的に冷却風を放熱フィン3k(ヒートシンク3j)に送風してもよい。
因みに、送風機にて強制に冷却風を放熱フィン3k(ヒートシンク3j)に送風する場合には、帯板状の放熱フィン3kの長手方向を必ずしも上下方向に一致させる必要はなく、例えば、放熱フィン3kの長手方向を水平としてもよい。
次に、本実施形態に係る発熱体の冷却装置の概略作動を述べる。
本実施形態において、熱輸送デバイス本体3aおよび振動装置3hは、集熱器2にて回収された発熱素子1の熱をヒートシンク3j略全域に拡散させる熱拡散手段(熱拡散板)を構成するもので、この熱拡散板は、振動流による拡散促進効果(特開2002−364991号公報等参照)を利用した対向振動流型熱輸送方式のものである。
以下、対向振動流型熱輸送方式の熱拡散板の作動原理の概略を述べる。
すなわち、図5に示すように、円管内に液体があり、温度に分布がある場合を考える。いま、簡単のために、液体の振動はH点に半周期滞在し、即座にL点に移動し、そこで半周期滞在し、その後に即座にH点に戻る矩形波振動を考える。
振動がない場合にC点にいる液体部分(これを要素と呼ぶ。)を考えると、この要素が振動によりH点に移動すると、H点での円管壁の温度は要素より高いので、要素は壁から熱をもらう。要素が振動によりL点に移動すると、L点での壁の温度は要素より低いので要素は壁に熱を吐き出す。
すなわち、1回の振動により、熱がH点からL点に「蛙飛び」のように移動したことになる。こうした「蛙飛び」は振動が無い場合には起らず、振動により付加的に起ったものである。したがって、振動数が高くなれば単位時間当たりに起る「蛙飛び」回数が増え、振幅が大きくなると「蛙飛び」距離が増えるので、「蛙飛び」による熱の付加的移動は、振幅や周期の増加とともに増えることになる。
したがって、振動装置3hにより流路3b(熱輸送デバイス本体3a)内の流体を振動させると、隣り合う流路3bに存在する流体間で熱交換され、フレキシブルチューブ4内の流体を介して熱輸送デバイス本体3aに伝えられた発熱素子1の熱が熱輸送デバイス本体3aの幅方向端部側、および熱輸送デバイス本体3aの長手方向端部側に向かって輸送され、熱輸送デバイス本体3a全体に広がる。
そして、熱輸送デバイス本体3a全体に広がった熱は、熱輸送デバイス本体3aに接合されたヒートシンク3j(放熱フィン3k)を介して携帯電話基地局内の空気中に放出される。
なお、本実施形態では、集熱器2で回収した熱を放熱器3(熱輸送デバイス本体3a)に伝える必要があるので、流体の振動振幅がフレキシブルチューブ4の長さ以上となるように振動装置3hの吐出流量を調節している。
次に、本実施形態の特徴を述べる。
本実施形態で、集熱器2、つまりベースプレート2aがマイクロチャンネル構造となっているので、発熱素子1から効率よく集熱することができる。
このとき、集熱器2、つまりベースプレート2aが放熱器3と分離しているので、ベースプレート2a全体に微細流路2bを形成してマイクロチャンネル構造とすればよく、一部のみをマイクロチャンネル構造とする図11に示す従来技術に比べて、容易に微細流路2bを形成することができる。
また、本実施形態において、マイクロチャンネル構造の集熱器2に発熱素子1から吸熱して、その吸熱した熱を対向振動流型熱輸送方式の熱拡散板をなす熱輸送デバイス本体3aにてヒートシンク3j全体に拡散して放熱するので、図10に示す沸騰式のヒートスプレッダと異なり、冷媒の相変化を利用しない吸熱および放熱することができる。
したがって、熱輸送デバイス本体3a、つまり放熱器3および集熱器2の設置方向によらず、集熱効果および放熱効果は略一定である。
つまり図10に示す沸騰式のヒートスプレッダでは、周知のごとく、冷媒の相変化、つまり沸騰に伴う蒸発を利用して発熱体から吸熱し、蒸発して密度が低下した気相冷媒と放熱して凝縮した液相冷媒との密度差を利用して冷媒を自然対流させながら熱を拡散させるので、ヒートスプレッダに対する発熱素子の取り付け位置によって、発熱体の熱が液相冷媒に与えられる場合と既に蒸発した気相冷媒に与えられる場合が発生する。
このとき、発熱素子が既に蒸発した気相冷媒と熱交換せざるを得ない位置に配置されると、冷媒は発熱素子から熱を蒸発潜熱として吸熱することができず、単に気相冷媒の冷媒過熱度を上昇させる顕熱として吸熱されるので、効率よく発熱体の熱を吸熱することができない。
また、密度差を利用して冷媒を自然対流させながら熱を集熱および拡散させるので、ヒートスプレッダの傾斜角度が変化すると、図6(a)に示すように、熱抵抗、つまり集熱および熱拡散時における熱移動のし難さを示す大きさが変化する。なお、図6(b)はヒートスプレッダの傾斜角度の定義を示す図であり、ヒートスプレッダの傾斜角度は、水平面とのなす角によって定義される。
これに対して、本実施形態では、流体を相変化させずに熱を拡散させるので、その吸熱および放熱能力は、発熱素子1の取り付け位置や冷却装置の取付姿勢の影響を殆ど受けない。
したがって、放熱器3および集熱器2の設置方向によらず、集熱効果および放熱効果は略一定であり、安定的に発熱素子1の熱を吸熱しながら放熱することができる。
以上に述べたように、本実施形態では、発熱素子1の取り付け位置や冷却装置の取付姿勢の影響を殆ど受けることなく、マイクロチャンネル方式の集熱器を採用することにより集熱効率を高めながら、冷却装置の設置自由度を高めつつ、冷却装置の製造原価上昇を抑制することができる。
また、集熱器2で回収した熱を熱輸送デバイス本体3a等にてヒートシンク3j全体に拡散させているので、ヒートシンク3j全体が略同一温度となる。
したがって、ヒートシンク3jの部位によらず、携帯電話基地局1内空気との温度差が略均一となるので、ヒートシンク3j全体で効率よく放熱することができる。延いては、ヒートシンク3jの断面積を増大させてヒートシンク3j内を伝わる熱量を増大させる等の手段を講じることなく、図7に示すように、図10に示す従来型の冷却装置に比べて発熱素子1の表面温度を低下させることができる。
また、仮に、発熱素子3の温度を従来と同等とすれば、冷却風量を低減できるので、低騒音化、消費電力低減が可能となる。
また、発熱素子3は、一般的に温度が低いほど出力効率が向上することから、従来に比べて発熱素子1の出力効率を向上させることできる。
また、振動装置3hの振動周波数および振幅等を制御することにより、発熱素子1の温度を容易に制御することが可能となるので、発熱素子1の内部配線の熱ひずみによる発熱素子1の破壊または劣化を未然に防止でき得る。
なお、本実施形態では、ベースプレート2a内の微細流路2bも蛇行流路としているので、ベースプレート2aにおいても、熱輸送デバイス本体3aと同様に発熱素子1の熱がベースプレート2a全体に拡散される。
このため、本実施形態に係る集熱器2では、マイクロチャンネル構造化に伴う集熱効率の向上に加えて、発熱素子1の熱がベースプレート2a全体に拡散されることによる集熱効率の向上が見込まれるので、非常に高い集熱効率を得ることができる。
また、集熱器2で集められた熱を放熱器3に伝える伝熱手段として、可撓性を有するフレキシブルチューブ4を用いているので、集熱器2および放熱器3の設置自由度を更に高めることができる。
また、振動装置3hとして、ピストンを往復運動させる往復ポンプを採用しているので、羽根車を回転させるポンプに比べて、摺動部の面圧と摺動速度を低くすることができ、かつ、摺動距離を短くすることができるので、ポンプの長寿命化を図ることができる。
因みに、羽根車を回転させるポンプにおいて、摺動部の面圧を低くすると、漏れが大きくなるので、摺動部の面圧を低くすることが難しい。
(第2実施形態)
第1実施形態では、発熱素子1の半導体コアに一体化されたベースプレート2aに微細流路2bを設けたが、本実施形態は、ベースプレート2aの微細流路2bを廃止するとともに、微細流路2bが形成されてマイクロチャンネル構造化された集熱プレート2cをベースプレート2aにろう接等の手段により密着接合したものである。
なお、集熱プレート2cは、アルミニウムや銅等の熱伝導率の高い金属製である。
(第3実施形態)
上述の実施形態では、集熱器2で集められた熱を放熱器3に伝える伝熱手段として、弾性材料からなるフレキシブルチューブ4を用いたが、本実施形態は、図9に示すように、内部に集熱器2の微細流路2bと熱輸送デバイス本体3aの流路3bとを繋ぐ通路が形成された可撓性を有する板状のヒンジ部材4aにて伝熱手段を構成したものである。
なお、本実施形態は、ヒンジ部材4aをゴム製としている。
因みに、図9では、集熱器2は、第2実施形態と同様に、ベースプレート2aの微細流路2bを廃止するとともに、微細流路2bが形成されてマイクロチャンネル構造化された集熱プレート2cをベースプレート2aにろう接等の手段により密着接合しているが、本実施形態は、本実施形態はこれに限定されるものではなく、集熱プレート2cを廃止して、発熱素子1の半導体コアに一体化されたベースプレート2aに微細流路2bを設けてもよい。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、集熱器2で集められた熱を放熱器3に伝える伝熱手段として、可撓性を有するものを採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、上述の実施形態では、伝熱手段を構成する可撓性材料として、ゴムを採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、上述の実施形態では、放熱器3を対向振動流型熱輸送方式の熱拡散手段を採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ヒートシンク3j内に冷媒流路を設けた、いわゆる水冷式としてもよい。
また、本発明の適用は、携帯電話基地局1用の冷却システムに限定されるものではなく、例えばパーソナルコンピュータ、ワークステーションおよびメインフレーム等にも適用できる。
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
本発明の第1実施形態に係る冷却装置の模式図である。 本発明の第1実施形態に係る冷却装置の模式図である。 本発明の実施形態に係る熱輸送デバイス本体の構造説明図である。 本発明の第1実施形態に係る集熱器の説明図である。 対向振動流型熱輸送方式の作動原理を示す図である。 a)は傾斜角度と熱抵抗との関係を示すグラフであり、(b)は傾斜角度の定義を示す図である。 発熱素子表面温度と冷却風速との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る冷却装置の模式図である。 本発明の第3実施形態に係る冷却装置の模式図である。 従来の技術に係る冷却装置の模式図である。 従来の技術に係る冷却装置の模式図である。
符号の説明
1…発熱素子、2…集熱器、3…放熱器、3a…熱輸送デバイス本体、3b…流路、
3h…振動装置4…フレキシブルチューブ

Claims (6)

  1. 発熱体(1)を冷却する冷却装置であって、
    発熱体(1)で発生する熱を集めるとともに、冷媒が満たされた微細な流路が形成されたマイクロチャンネル方式の集熱器(2)と、
    前記集熱器(2)と分離して設けられ、前記集熱器(2)で集められた熱を放熱する放熱器(3)と、
    前記集熱器(2)で集められた熱を前記放熱器(3)に伝える伝熱手段(4、4a)とを備えることを特徴とする発熱体の冷却装置。
  2. 前記発熱体(1)は、半導体電子部品であり、
    さらに、前記発熱体(1)のベースプレート(2a)に微細な流路が形成されて、マイクロチャンネル方式の前記集熱器(2)が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の発熱体の冷却装置。
  3. 前記放熱器(3)は、
    放熱フィン(3k)を有するヒートシンク(3j)と、
    前記発熱体(1)から回収した熱を前記ヒートシンク(3j)略全域に拡散させる熱拡散手段(3a、3h)とを有して構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の発熱体の冷却装置。
  4. 前記熱拡散手段(3a、3h)は、隣り合う流路(3b)において流体を対向振動させることにより隣り合う前記流路(3b)間で熱交換し、熱を高温側から低温側に輸送する対向振動流型熱輸送装置にて構成されていることを特徴とする請求項3に記載の発熱体の冷却装置。
  5. 前記流路(3b)において流体を振動させるポンプ(3h)として、ピストンを往復運動させる往復ポンプが用いられていることを特徴とする請求項4に記載の発熱体の冷却装置。
  6. 前記伝熱手段(4、4a)は、可撓性を有していることを特徴とする請求項ないし5のいずれか1つに記載の発熱体の冷却装置。
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