JP2020034257A - 自励振動ヒートパイプ冷却装置および自励振動ヒートパイプ冷却装置を搭載した鉄道車両 - Google Patents

自励振動ヒートパイプ冷却装置および自励振動ヒートパイプ冷却装置を搭載した鉄道車両 Download PDF

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和広 遠藤
陽介 安田
Yosuke Yasuda
陽介 安田
史花 鍋島
Fumika Nabeshima
史花 鍋島
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Abstract

【課題】ヒートパイプ内の液体スラグや蒸気プラグの初期分布が均一な場合であっても、自励振動を発生させることで始動性の優れた自励振動ヒートパイプ冷却装置を提供する。【解決手段】自励振動ヒートパイプ冷却装置の構成として、作動流体を封入した密閉流路が自らの長さ方向に多数回U字状に折り曲げられた折り曲げ部分と直線部分とを有する平板状のヒートパイプと、発熱体からの熱を吸熱し多数の各折り曲げ部分から成るヒートパイプの一方側の端部に配置される吸熱部と、多数の各折り曲げ部分から成るヒートパイプの他方側の端部に配置される放熱部と、吸熱部と放熱部との間に位置しヒートパイプに接して配置される加熱部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、自励振動するヒートパイプを用いた冷却装置に関する。特に、半導体素子モジュールなどの冷却装置として鉄道車両に搭載する場合に好適である。
冷却装置に用いる自励振動ヒートパイプについて、非特許文献1には、加熱部と冷却部との間に1本の細い流路を多数回往復させて、この流路を真空に排気して蒸発液体を流路体積の半分程度封入することで、表面張力効果により液スラグと蒸気プラグが形成され、加熱量の増加に伴い液スラグの振動が自励的に発生し、加熱部から冷却部へ熱を輸送することが説明されている。
また、非特許文献2には、蒸発部が加熱されると、液体スラグや蒸気プラグの初期の不均一な分布により、加熱部と冷却部を往復する各流路内の圧力が異なる可能性があり、これが流体の輸送に寄与しているのではないかと説明されている。
一方、特許文献1には、発熱部と冷却部との間に冷却部を加熱するための加熱装置を配置することにより、冷却部において作動液の蒸発が過度に凝縮して気栓が消滅して、液柱の運動が阻害されるのを防ぐ構成が記載されている。
特開2013−194919号公報
長崎孝夫、自励振動ヒートパイプの熱輸送に関するレビュー、Journal of the Heat Transfer Society of Japan、Vol.44、No.186(2005年5月) Tang, X., Sha, L., Zhang, H., and Ju, Y., A review of recent experimental investigations and theoretical analyses for pulsating heat pipes, Front. Energy, Vol. 7, No. 2, pp. 161−173 (2013)
非特許文献2には、液体スラグや蒸気プラグの初期の不均一な分布が、自励振動の始動と関係していることが示唆されている。このことは、逆に、液体スラグや蒸気プラグの初期の分布が均一な場合、自励振動が発生しないことを述べている。
また、特許文献1には、冷却部において作動液の蒸発が過度に凝縮して気栓が消滅して、液柱の運動が阻害されるのを防ぐ構成が記載されているが、液体スラグや蒸気プラグの初期の分布が均一な場合の自励振動を発生させる構成については開示されていない。
本発明は、ヒートパイプ内の液体スラグや蒸気プラグの初期分布が均一な場合であっても、自励振動を発生させて始動性の優れた自励振動ヒートパイプ冷却装置を提供することを目的とする。
本発明に係る自励振動ヒートパイプ冷却装置は、作動流体を封入した密閉流路が自らの長さ方向に多数回U字状に折り曲げられた折り曲げ部分と直線部分とを有する平板状のヒートパイプと、発熱体からの熱を吸熱し多数の各折り曲げ部分から成るヒートパイプの一方側の端部に配置される吸熱部と、多数の各折り曲げ部分から成るヒートパイプの他方側の端部に配置される放熱部と、吸熱部と放熱部との間に位置しヒートパイプに接して配置される加熱部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ヒートパイプ内の液体プラグや蒸気プラグの初期分布が均一な場合であっても、自励振動を発生させることで始動性の優れた自励振動ヒートパイプ冷却装置を提供することができる。
実施例1に係る自励振動ヒートパイプ冷却装置の構造を示す三面図である。 図1に示す受熱板の高温時の変化の様子を示す側面図である。 従来の自励振動ヒートパイプ冷却装置における加熱開始後の流路内流体を示す概略図である。 本発明に係る自励振動ヒートパイプ冷却装置における加熱開始後の流路内流体を示す概略図である。 実施例2に係る自励振動ヒートパイプ冷却装置の構造を示す三面図である。 実施例2に係る発熱体200およびヒータのON/OFF状態を示すタイムチャートである。 実施例3に係る自励振動ヒートパイプ冷却装置の構造を示す三面図である。 実施例4に係る自励振動ヒートパイプ冷却装置の構造を示す三面図である。 実施例5に係る自励振動ヒートパイプ冷却装置の側面図である。 実施例5に係る自励振動ヒートパイプ冷却装置の斜視図である。 実施例5に係る自励振動ヒートパイプを展開した断面の概略図である。
以下、本発明を実施するための形態として、実施例1〜5について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、実施例1に係る自励振動ヒートパイプ冷却装置の構造を示す三面図である。
自励振動ヒートパイプ冷却装置100は、発熱体200として、例えばIGBTやMOSなどの半導体素子を備えたモジュールなどの冷却を行い、自励振動ヒートパイプ10、受熱板20、冷却体30、加熱体40および熱伝導板50から構成され、それぞれの材質としては、熱伝導性の良いアルミニウム合金や銅などの金属を用いる。ここで、冷却体30は、例えば、空気との熱交換を行うフィンや水との熱交換を行う水冷ブロックなどから構成される。
自励振動ヒートパイプ10は、平板状で、その内部に長さ方向に多数回U字状に折り曲げられた折り曲げ部分と直線部分とを有する細長い密閉流路1を備え(図1の(c))、その密閉流路1内には、流路体積の半分の量の作動流体(図示せず)が封入されている。
自励振動ヒートパイプ10の長さ方向片端の片側平面部には、発熱体200の熱を受ける受熱板20がロウ付けなどにより接合される。発熱体200の平面部は、受熱板20の平面部に熱伝導グリースを介して接触し、ボルトなどにより固定される。このとき、自励振動ヒートパイプ10は、密閉流路1の長さ方向に概略一定の距離毎に、受熱板20からの熱を吸収する第1の吸熱部11a、第2の吸熱部11b、第3の吸熱部11c、第4の吸熱部11dおよび第5の吸熱部11eを有する。すなわち、第1の吸熱部11a〜第5の吸熱部11eは、自励振動ヒートパイプ10の長さ方向一方端の片側平面部で自励振動ヒートパイプ10の幅方向に配置されることになる。
また、自励振動ヒートパイプ10の受熱板20とは反対側の長さ方向他端の片側平面部には、自励振動ヒートパイプ10からの熱を冷却するための冷却体30がロウ付けなどにより接合される。このとき、自励振動ヒートパイプ10は、密閉流路1の長さ方向に概略一定の距離毎に、冷却体30へ熱を放熱する第1の放熱部12a、第2の放熱部12b、第3の放熱部12cおよび第4の放熱部12dを有する。すなわち、第1の吸熱部11a〜第5の吸熱部11eは、自励振動ヒートパイプ10の長さ方向他方端の片側平面部で自励振動ヒートパイプ10の幅方向に配置されることになる。
加熱体40は、自励振動ヒートパイプ10の長さ方向の片側平面にあって、受熱板20と冷却体30との間に位置し、自励振動ヒートポンプ10側に凸平面部40aと凹部40bを備え(図1の(c))、凸平面部40aは自励振動ヒートパイプ10にロウ付けなどにより接合される。
熱伝導板50は、受熱板20の熱を加熱体40に伝える部材で、例えばバイメタルで形成される。これにより、図2に示すように、受熱板20が高温となり受熱板20の熱により熱伝導板50が所定値温度以上に上昇すると、バイメタルの特性により、熱伝導板50は曲がり、加熱体40とは接触しない状態となり、受熱板20の熱を加熱体40に伝えないことになる。
加熱体40の凸平面部40aは、密閉流路1の第1の吸熱部11aと第1の放熱部12aとの間の第1の加熱部13a、密閉流路1の第2の吸熱部11bと第2の放熱部12bとの間の第2の加熱部13b、密閉流路1の第3の吸熱部11cと第3の放熱部12cとの間の第3の加熱部13cおよび密閉流路1の第4の吸熱部11dと第4の放熱部12dとの間の第4の加熱部13dと、それぞれ接触する。
図3は、従来の自励振動ヒートパイプ冷却装置90において、加熱開始後の流路内流体を示す概略図である。
従来の自励振動ヒートパイプ冷却装置90は、自励振動ヒートパイプ10に加熱部を設けていない。自励振動ヒートパイプ10は、例えば垂直に設定され、上側が吸熱部、下側が放熱部となっている。密閉流路1内の作動流体2は、液体スラグ2aと蒸気プラグ2bの分布が均一となっている。このとき、発熱体が作動すると発熱体の温度が上昇し、熱伝導により受熱板の温度も上昇し、密閉流路1の吸熱部11a〜11eが加熱される。
これにより、自励振動ヒートパイプ10の長さ方向に温度勾配が生じ、液体スラグ2aと蒸気プラグ2bとの気液界面2cの温度が上昇し、気液界面2cで液体が蒸発する。このとき、全ての気液界面2cで蒸発温度が同じとなり、それに対応する飽和圧力も同じとなるため、それぞれの気液界面2cで同じ圧力が発生する。したがって、液体スラグ2a両端に圧力差が生じず、流体の輸送が行われず、自励振動は発生しない。
図4は、本発明に係る自励振動ヒートパイプ冷却装置100における加熱開始後の流路内流体を示す概略図である。図3に示す従来装置の構成とは、加熱部13a〜13dを追加した点が異なる。
図4(a)は加熱開始時を示し、図3と同様に、自励振動ヒートパイプ10は垂直に設定され、上側が吸熱部、下側が放熱部となっている。また、密閉流路1内の作動流体2は、液体スラグ2aと蒸気プラグ2bの分布が均一となっている。この状態で、発熱体200が作動すると発熱体200の温度が上昇し、熱伝導により受熱板100の温度も上昇し、密閉流路1の吸熱部11a〜11eが加熱されるとともに、熱伝導板50を介して加熱体40の温度も上昇し、密閉流路1の加熱部13a〜13dも加熱される。これにより、自励振動ヒートパイプ10の長さ方向に温度勾配が生じ、液体スラグ2aと蒸気プラグ2bとの気液界面2cの温度が上昇し、気液界面2cで液体が蒸発する。
このとき、加熱部13a〜13dを有する流路の方がより加熱され、流路壁の温度が高いため、蒸発温度も高くなり、その蒸発温度に対応する飽和圧力も高くなる。ここで、加熱部13a〜13dは、幅方向で見ると一つ置きに配置されているため、蛇行する流路が一つ置きに加熱されることにより、各々の液体スラグ2aの両端に同じ向きに圧力差が発生し、同じ向きに気液界面2cが移動する。その結果、図4(b)に示すように、液体スラグ2aの移動により、液体スラグ2aの形状がU字型からJ字型になる。さらに時間の経過に伴い、図4(c)に示すように、さらに気液界面2cの変位が大きくなる。
液体スラグ2aの形状がU字型からJ字型に変化するとき,放熱部12a〜12dに近づく側の気液界面2cは加熱部13a〜13dの加熱により最初温度が上昇し,蒸発により圧力が上昇するが,放熱部12a〜12dに近づくためある位置で温度が低下し,凝縮することにより逆に圧力が低下する。この圧力低下により,この気液界面2cは加熱部13a〜13d側に向きを変え移動し,加熱され圧力がまた上昇する。このような圧力の上昇と低下が繰り返されて自励振動が発生する。このとき、自励振動の始動時に、液体スラグの形状がバラバラでなく全体で揃っているため、自励振動が発生しやすい。
また、バイメタルで形成された熱伝導板50が所定の温度以上になると、加熱体40とは接触せず、受熱板20の熱を加熱体40に伝えない。したがって、所定温度以上では、加熱部13a〜13dの有無に関係なく、各流路の長さ方向の温度勾配は同じとなるため、自励振動の発生時、液体プラグ2aの両端は温度的に同じ条件となるため、熱的な偏りが無く自励振動が安定に継続する。
図5は、実施例2に係る自励振動ヒートパイプ冷却装置の構造を示す三面図である。以下では、実施例1と異なる部分について説明し、実施例1と重複する部分については説明を省略する。
実施例2では、自励振動ヒートパイプ100Aの加熱手段として、実施例1のように発熱体200の熱を用いるのではなく、ヒータ60の通電によるジュール熱を用いる。ここで、ヒータ60は、加熱体40と接触するように配置される。
図6は、発熱体200およびヒータ60の電源ON/OFF状態を示すタイムチャートである。ヒータ60の電源は、発熱体200の電源ONと同時にONされ、所定時間経過後にOFFされる。
実施例2においても、加熱開始後の流路内流体の状態は、図4に示す実施例1の場合と同じである。実施例1では、図2に示すように、熱伝導板50が所定の温度以上になると、加熱体40を加熱しない。もともと冷却体30の温度が高く、冷却体30が熱伝導板50の所定温度に近い条件の場合、熱伝導板50が加熱体40とほとんど接触せず、加熱部13a〜13dへの加熱が十分でない。このとき、液体スラグ2a両端に圧力差が生じにくく、自励振動も発生しにくくなる。
一方、本実施例2では、所定時間は必ず加熱体40を加熱するため、加熱部13a〜13dへの加熱不足が生じることはない。また、ヒータ60を用いるため、温度条件により加熱時間を制御することができる。例えば、低温時ほど加熱時間を長くして加熱部13a〜13dの温度を上昇させ、飽和圧力をより上昇させることにより、液体スラグ2aの両端の圧力差をより大きくして、低温時でも液体スラグ2aが移動しやすくすることができる。
図7は、実施例3に係る自励振動ヒートパイプ冷却装置の構造を示す三面図である。以下では、実施例1と異なる部分について説明し、実施例1と重複する部分については説明を省略する。
実施例3では、自励振動ヒートパイプ冷却装置100Bの加熱手段として、実施例1または2のように、加熱体を受熱板とは別体で設けるのではなく、加熱体を受熱板に一体化したものである。すなわち、実施例3では、一体化した受熱板21は、図7に示すように、密閉流路1の加熱部13a〜13dと接触するように突出させた突起部21aを有する。密閉流路1の加熱部13a〜13dは、実施例1または2と同様に、それぞれ第1の吸熱部11aと第1の放熱部12aとの間、第2の吸熱部11bと第2の放熱部12bとの間、第3の吸熱部11cと第3の放熱部12cとの間および第4の吸熱部11dと第1の放熱部12dとの間、それぞれに設けられる。すなわち、加熱部13a〜13dは、吸熱部11と放熱部12との間にあって、自励振動ヒートパイプ10の幅方向に一つ置きに配置されることになる。
実施例3においても、加熱開始後の流路内流体の状態は、図4に示す実施例1の場合と同様である。発熱体200が作動すると発熱体200の温度が上昇し、熱伝導により受熱板21の温度も上昇し、密閉流路1の吸熱部11a〜11eが加熱されるとともに、加熱部13a〜13dも加熱される。これにより、実施例1と同じように、蛇行する流路が一つおきに加熱されるため、各々の液体スラグの両端に同じ向きに圧力差が発生し、同じ向きに気液界面が移動し、その後振動が発生することになる。
実施例3では、実施例1または2と違い、常に受熱板21の熱が加熱部13a〜13dに伝わることになる。したがって、発熱体200の温度が定常になった時、液体スラグの両端のうち、加熱部13a〜13dがある方の温度が高く、液体プラグに加えられる熱が対称でなく偏りが生じ、自励振動の継続安定性が劣る恐れがある。そこで、加熱部13a〜13dの面積の大きさを適正にすることにより、自励振動の継続安定の低下を抑え、自励振動の始動性を向上することが可能である。
本実施例3は、実施例1または2と比較して部品点数を減らすことができるため、自励振動ヒートパイプ冷却装置の低コスト化を図ることができる。
図8は、実施例4に係る自励振動ヒートパイプ冷却装置の構造を示す三面図である。以下では、実施例1または3と異なる部分について説明し、実施例1または3と重複する部分については説明を省略する。
実施例4では、実施例3と比較して、自励振動ヒートパイプ冷却装置100Cの受熱板21の突起部21aの数が半分になっている。図8に示すように、密閉流路1の加熱部13aおよび13cは、それぞれ、第1の吸熱部11aと第1の放熱部12aとの間、第3の吸熱部11cと第3の放熱部12cとの間に設けられる。したがって、蛇行する流路が三つ置きに加熱される状態となり、一つ置きの液体スラグの両端に同じ向きに圧力差が発生し、この一つ置きの液体プラグは同じ向きに移動する。このとき、この一つ置きの液体プラグの隣の液体プラグも一緒に同じ向きに移動する。
実施例4においては、加熱開始後の流路内流体の状態が図4とは若干異なり、液体スラグの両端の気液界面の位置が若干不揃いとなる。形状がU字型からJ字型に変化する全部の液体スラグのうち、一番先に放熱部12a〜12dに近づき、温度が低下し圧力が低下した液体スラグが向きを換えることにより、これが起点となって隣の液体スラグの動きにも影響を与え、次第に振動が発生する。
本実施例4では、実施例3と比較して加熱部の加工工程の数を減らすことができるため、自励振動ヒートパイプ冷却装置の更なる低コスト化を図ることができる。
また、実施例1または2における加熱部13a〜13dを、本実施例4に倣って三つ置きとして加熱部13aと13cに間引いて設けることも可能である。
図9および図10は、実施例5に係る自励振動ヒートパイプ冷却装置の側面図および斜視図、図11は、実施例5に係る自励振動ヒートパイプを展開した断面の概略図である。以下では、実施例1または3と異なる部分について説明し、実施例1または3と重複する部分については説明を省略する。
実施例5に係る自励振動ヒートパイプ冷却装置100Dは、発熱体200の冷却を行い、自励振動ヒートパイプ110、受熱板120およびフィン130から構成され、それぞれの材質としては、熱伝導性の良いアルミニウム合金や銅などの金属を用いる。
自励振動ヒートパイプ110は、図11に示すように、平板状のものを多数回折り曲げた形状であり、その内部は、長さ方向に平行並列に配置された、相互に連通の無い多数の密閉流路101を有する。それぞれの密閉流路101内には、作動流体が流路体積の半分封入されている。自励振動ヒートパイプ110の多数回折り曲げられた片側の端部平面部には、発熱体200の熱を受ける受熱板120がロウ付けなどにより接合される。このとき、自励振動ヒートパイプ110は、平行並列に配置された多数の密閉流路101の長さ方向に概略一定の間隔で、受熱板20からの熱を吸収する多数の吸熱部111を有する(図11に示す111a〜111z)。
また、自励振動ヒートパイプ110の受熱板120との接合部以外は、空気との熱交換を行うフィン130がロウ付けなどにより接合される。このとき、自励振動ヒートパイプ110は、平行並列に配置された多数の密閉流路101の長さ方向に概略一定の間隔で、フィン130へ熱を放熱する多数の放熱部112を有する(図11に示す112a〜112y)。
さらにまた、受熱板120の一部として設けた突起120aは、多数折り曲げられた自励振動ヒートパイプ110の端部平面の角部に接触するようにロウ付けされ、多数の加熱部113を形成する(図11に示す113a〜113y)。このとき、多数の加熱部113(113a〜113y)は、図11に示すように、それぞれ第1の吸熱部111aと第1の放熱部112aとの間、第2の吸熱部111bと第2の放熱部112bとの間、・・・というように、吸熱部と放熱部との間に設けられる。すなわち、受熱板120の一部である突起120aは、加熱部113として、自励振動ヒートパイプ110の端部平面の角部の一端側に設けて接触させることになる。
実施例5においては、加熱開始後の流路内流体の状態を次のように考えることで、図4と同様となる。すなわち、自励振動ヒートパイプ110の内部は、長さ方向に平行並列に配置され、相互に連通の無い多数の密閉流路101を有することになるので、そのうちの一つの流路を取り上げれば、図4と同様の構成といえるからである。
本実施例5に係る自励振動ヒートパイプ冷却装置100Dの構成は、相互に連通の無い多数の密閉流路から構成されるため、一部に孔などの破損が生じた場合でも、残りの破損していない流路で自励振動ヒートパイプの作動が可能であるとともに、始動性にも優れている。
さらに、図9および10に示す構造を有する自励振動ヒートパイプ冷却装置100Dは、鉄道車両に用いる駆動用のパワーモジュール(IGBTやMOSなどのパワー半導体素子を備えたモジュール)の冷却用とて好適である。例えば、このパワーモジュールを発熱体200として受熱板120に実装した自励振動ヒートパイプ冷却装置100Dを、鉄道車両の床下に搭載することができる。これにより、多種の機器を搭載する鉄道車両の床下にあってもコンパクトに装備することが可能となる。また、鉄道車両用としては、実施例5に示す自励振動ヒートパイプ冷却装置100Dのみならず、実施例1〜4に示す自励振動ヒートパイプ冷却装置100A〜100Cを適用してもよい。
1,101 密閉流路、2 作動流体、2a 液体スラグ、2b 蒸気プラグ、
2c 気液界面、10,110 自励振動ヒートパイプ、11,111 吸熱部、
12,112 放熱部、13,113 加熱部、20,21,120 受熱板、
120a 突起、30 冷却体、40 加熱体、50 熱伝導板、60 ヒータ、
100,100A,100B,100C,100D 自励振動ヒートパイプ冷却装置、
130 フィン、200 発熱体

Claims (11)

  1. 作動流体を封入した密閉流路が自らの長さ方向に多数回U字状に折り曲げられた折り曲げ部分と直線部分とを有する平板状のヒートパイプと、
    発熱体からの熱を吸熱し、前記多数の各折り曲げ部分から成る前記ヒートパイプの一方側の端部に配置される吸熱部と、
    前記多数の各折り曲げ部分から成る前記ヒートパイプの他方側の端部に配置される放熱部と、
    前記吸熱部と前記放熱部との間に位置し前記ヒートパイプに接して配置される加熱部と
    を備える自励振動ヒートパイプ冷却装置。
  2. 請求項1に記載の自励振動ヒートパイプ冷却装置であって、
    前記ヒートパイプは、自らの平板の中に前記密閉流路が形成され、
    前記吸熱部は、前記ヒートパイプの前記一方側の端部がある平板部分に接して前記ヒートパイプの幅方向に配置され、
    前記放熱部は、前記ヒートパイプの前記他方側の端部がある平板部分に接して前記ヒートパイプの幅方向に配置され、
    前記加熱部は、前記密閉流路の前記直線部分がある前記ヒートパイプの平板部分に接して前記ヒートパイプの幅方向に一つ置きまたは三つ置きに配置される
    ことを特徴とする自励振動ヒートパイプ冷却装置。
  3. 請求項2に記載の自励振動ヒートパイプ冷却装置であって、
    前記加熱部は、前記吸熱部が吸熱した熱の一部を用いる
    ことを特徴とする自励振動ヒートパイプ冷却装置。
  4. 請求項2に記載の自励振動ヒートパイプ冷却装置であって、
    前記加熱部は、他の発熱源からの熱を用いる
    ことを特徴とする自励振動ヒートパイプ冷却装置。
  5. 請求項3または4に記載の自励振動ヒートパイプ冷却装置であって、
    前記加熱部は、与えられた熱により所定値温度以上に上昇すると加熱動作を停止する
    ことを特徴とする自励振動ヒートパイプ冷却装置。
  6. 請求項3に記載の自励振動ヒートパイプ冷却装置であって、
    前記吸熱部と前記加熱部とを、バイメタルで形成する熱伝導体で接続する
    ことを特徴とする自励振動ヒートパイプ冷却装置。
  7. 請求項3に記載の自励振動ヒートパイプ冷却装置であって、
    前記吸熱部と前記加熱部とを同一素材で一体化形成し、前記加熱部を前記吸熱部と前記放熱部との間に位置する前記密閉流路上まで突出させる
    ことを特徴とする自励振動ヒートパイプ冷却装置。
  8. 請求項1に記載の自励振動ヒートパイプ冷却装置であって、
    前記ヒートパイプは、自らの平板の中に多数の前記密閉流路が幅方向に平行並列に相互に連通無く配置され、前記U字状の底部分が平坦部分を有し、
    前記発熱体の熱を受ける受熱板を備え、当該受熱板は自らの一部として多数の突起を有し、
    前記加熱部は、前記多数の突起を前記ヒートパイプの一方側の端部にある前記平坦部分の一端側に接触する形態で形成され、
    前記吸熱部は、前記加熱部を除いて前記受熱板に接合する前記ヒートパイプの一方側の端部にある前記平坦部分に形成され、
    前記放熱部は、前記ヒートパイプの他方側の端部および前記密閉流路の前記直線部分がある前記ヒートパイプの平板部分に形成される
    ことを特徴とする自励振動ヒートパイプ冷却装置。
  9. 請求項8に記載の自励振動ヒートパイプ冷却装置であって、
    前記放熱部は、前記密閉流路の前記直線部分がある前記ヒートパイプの平板部分に前記ヒートパイプの長さ方向に概略一定の間隔で設置されたフィンを有する
    ことを特徴とする自励振動ヒートパイプ冷却装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の自励振動ヒートパイプ冷却装置であって、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の前記ヒートパイプ、前記吸熱部、前記放熱部および前記加熱部、請求項8または9に記載の前記受熱板、請求項9に記載の前記フィン、それぞれは、熱伝導性の良い金属を材質とする
    ことを特徴とする自励振動ヒートパイプ冷却装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の自励振動ヒートパイプ冷却装置を搭載した鉄道車両。
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