JP2002206881A - 放熱器 - Google Patents

放熱器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄型で高い放熱能力を有する放熱器を提供す
る。 【解決手段】 放熱器1は、高伝熱性材料からなるベー
ス板3と、受熱板3に一部(受熱部)が埋め込まれ、他
の一部(放熱部)がベース板3の外部に延出したプレー
ト型ヒートパイプ5と、複数のフィン列7等を具備す
る。ベース板3は、蛇腹状に折り曲げられたプレート型
ヒートパイプ5と、その間に挟まれたスペーサ11とか
らなる。ベース板3にプレート型ヒートパイプ5を埋め
込んだことにより、発熱体17から受熱板に伝わった熱
を迅速に放熱部へ移動させることができる。また、プレ
ート型ヒートパイプ5がベース板3の平面方向に延出し
た構造を有するため、放熱器1を薄くできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路基板上に配置
された半導体素子等の発熱体から生じる熱を放熱する放
熱器に関する。特には、薄型で高い放熱機能を有する放
熱器に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】電子機
器の回路基板上に搭載される半導体素子等の発熱体の冷
却には、従来より放熱器が使用されている。放熱器の中
で、ヒートパイプ式のものは熱輸送性能が高いことで知
られている。一般的なヒートパイプ式の放熱器は、発熱
体が取り付けられるベース板と、このベース板に一部が
取り付けられているヒートパイプとから主に構成されて
いる。ヒートパイプとは、中空体内部の密閉空間を真空
に引いた後に、水やブタン、アルコール等の作動流体を
封入したものである。発熱体からベース板に伝えられた
熱は、ベース板に接するヒートパイプに伝えられ、この
部分のヒートパイプ内の作動流体を蒸発させる。発生し
た蒸気は、ヒートパイプのベース板が取り付けられてい
ない部分(放熱部)に移り、同部において、蒸気は放熱
して液体に戻る。この密閉空間内の作動流体の相の変化
や移動により、発熱体の熱を放熱する。放熱部にはフィ
ンが設けられて、熱を有効に拡散させる。
【0003】近年では、電子機器の小型化にともなっ
て、電子機器に搭載される部品の集積度や搭載密度はま
すます上がっており、そのため放熱器の薄型化や放熱能
力の一層の向上が求められている。
【0004】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであって、薄型で高い放熱能力を有する放熱器を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の放熱器は、 高伝熱性材料からなる受熱板
と、 該受熱板に一部(受熱部)が埋め込まれ、他の一
部(放熱部)が前記受熱板の外部に延出したプレート型
ヒートパイプと、を具備することを特徴とする。受熱板
にプレート型ヒートパイプを埋め込んだことにより、発
熱体から受熱板に伝わった熱を迅速に放熱部へ移動させ
ることができる。また、プレート型ヒートパイプが受熱
板の平面方向に延出した構造を有するため、放熱器を薄
くできる。
【0006】本発明においては、 前記受熱板が、複数
列のプレート型ヒートパイプと、その間に挟まれたスペ
ーサとからなることが好ましい。プレート型ヒートパイ
プの受熱板への埋め込み作業を簡易化できる。さらに、
受熱板を薄くできる。
【0007】本発明においては、 前記受熱板が、前記
プレート型ヒートパイプと前記スペーサとが接合された
状態で面加工が施されていることとが好ましい。ヒート
パイプとスペーサの接合後に機械加工を行うので、面加
工された部分がフラットネスを確保でき、発熱体を密着
させて取り付けることができるため、発熱体から受熱板
への熱伝達が効率よく行われる。
【0008】本発明の他の形態の放熱器は、 蛇腹状に
成形されたプレート型ヒートパイプと、 該プレート型
ヒートパイプの一部(受熱部)において、隣り合うプレ
ート型ヒートパイプ間を埋める高伝熱性材料からなるス
ペーサと、を具備し、 前記プレート型ヒートパイプの
他の一部(放熱部)が冷却に適した形態を有することを
特徴とする。蛇腹状のプレート型ヒートパイプの一部
に、高伝熱性スペーサを介在させて受熱部を形成し、他
の一部に放熱部を形成することにより、プレート型ヒー
トパイプの熱輸送能力を有効に利用することができるた
め、高い放熱能力を有する放熱器を提供できる。
【0009】本発明においては、前記放熱部の隣り合う
プレート型ヒートパイプ間に伝熱フィンを設けることと
すれば、放熱能力をさらに高めることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ説明す
る。図1は、本発明の実施の形態に係る放熱器の構造を
示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図であ
る。図2は、図1の放熱器を模式的に示す一部斜視図で
ある。図3は、図1の放熱器を模式的に示す一部断面図
である。この放熱器1は、ベース板3と、同ベース板3
に一部(受熱部)が埋め込まれているプレート型ヒート
パイプ5と、同プレート型ヒートパイプ5の他の部分
(放熱部)に接続されている複数のフィン列7と、ファ
ン9とから構成される。
【0011】ベース板3は、アルミ等の高熱伝導性を有
する材料で作製されたスペーサであって、図2及び図3
に示すように、断面がL字型のスペーサ11を、プレー
ト型ヒートパイプ5を挟んで、複数並べたものである。
各スペーサ11はほぼ平たいバー状で、一つの側面に、
プレート型ヒートパイプ5の断面とほぼ同じ大きさの切
り欠き13が長手方向に形成されている。なお、切り欠
き13の大きさは、図3に示すように、長手方向の幅a
がプレート型ヒートパイプ5の幅とほぼ等しく、短手方
向の幅bはプレート型ヒートパイプ5の厚さよりもやや
薄い。
【0012】プレート型ヒートパイプ5は、蛇行細孔が
比較的薄い平板の中に作り込まれた蛇行細孔ヒートパイ
プ等が使用される。蛇行細孔プレート型ヒートパイプと
は、以下の特性を有するヒートパイプである(特開平4
−190090号参照)。 (1)細孔の両端末が相互に流通自在に連結されて密閉
されている。 (2)細孔のある部分は受熱部、他のある部分は放熱部
となっている。 (3)受熱部と放熱部が交互に配置されており、両部の
間を細孔が蛇行している。 (4)細孔内には2相凝縮性作動流体が封入されてい
る。 (5)細孔の内壁は、蒸気作動流体が常に管内を閉塞し
た状態のままで循環または移動することができる最大径
以下の径をもつ。
【0013】プレート型ヒートパイプ5は、細孔の長さ
方向に蛇腹状に折り曲げられている。したがって、プレ
ート型ヒートパイプ5は、両側の湾曲部5a、5b間
で、一定の間隔の空間を挟んでほぼ平行に蛇行して並ん
でいる。一方の湾曲部5b側のプレート型ヒートパイプ
5の間の各空間には、スペーサ11がはめ込まれてい
る。ここで、スペーサ11の長さは、折り曲げられたプ
レート型ヒートパイプ5の両湾曲部5a、5b間の長さ
のほぼ半分の長さである。このとき、スペーサ11の切
り欠き13にプレート型ヒートパイプ5をあてがうと、
隣り合うスペーサ11同士は、側面の一部(切り欠き部
13)がプレート型ヒートパイプ5を介した状態で配列
される。一方、残りの一部(切り欠きのない側面の部
分)は、隣りのスペーサ11の側面に、若干の空間15
が開いた状態で配置される。
【0014】上述の状態で、プレート型ヒートパイプ5
とスペーサ11間をロウ付けや熱伝導性の良い接着剤等
で接合する。これにより、複数のスペーサ11間にプレ
ート型ヒートパイプ5が埋め込まれたベース板3(受熱
部)が形成される。このとき、プレート型ヒートパイプ
5とスペーサ11が重なった部分を、重なり方向に両側
から治具等で挟んで締めれば、プレート型ヒートパイプ
5とスペーサ11との密着性が増す。隣り合うスペーサ
11の一部側面間には若干の空間15が形成されている
ため、プレート型ヒートパイプ5とスペーサ11とが密
着しやすくなる。
【0015】プレート型ヒートパイプ5の他方の湾曲部
5a側の、プレート型ヒートパイプ5の間の各空間に
は、フィン列7がはめ込まれて、ロウ付けや高熱伝導性
の接着剤等で固定されている。この部分が放熱部とな
る。フィン列7は、アルミ等の高熱伝導性材料で作製さ
れた、コルゲート型フィンである。このように、放熱部
は、ベース板3から同ベース板3と同じ面上に延びて、
同ベース板3とほぼ同じ厚さとなるため、放熱器1の厚
さを、プレート型ヒートパイプ5の幅程度に薄くするこ
とができる。
【0016】一例として、プレート型ヒートパイプ5の
幅は約18.8mmで、縦約275mm、横約286m
mとなるように蛇腹状に折り曲げられている。スペーサ
11は、長さが約140mm、断面の長辺の長さは約2
5mmである。短辺は上述のプレート型ヒートパイプ5
の折り曲げ間隔より若干短い長さである。
【0017】上述の放熱器1のベース板3の一面は、ス
ペーサ11の一側面3a(切り欠き13が形成されてい
ない面)が空間15を介して平面状に並んだ状態とな
り、ほぼ平坦な面となる。さらに、この面3aを切削加
工して平面性を確保して、発熱体17が取り付けられ
る。発熱体17から放出される熱は、スペーサ11の側
面3aからスペーサ11の中に伝わり、さらにプレート
型ヒートパイプ5に伝わる。プレート型ヒートパイプ5
に伝わった熱は、同プレート型ヒートパイプ5に沿って
放熱部に移動し、フィン列7から放熱される。放熱部に
は単数又は複数のファン9が設けられており、フィン列
7からの放熱を促進させている。
【0018】このように、発熱体17から熱が伝えられ
るベース板3にプレート型ヒートパイプ5を埋め込んだ
ことにより、ベース板3内での熱の移動がより促進さ
れ、放熱部への熱輸送能力が向上する。さらに、ベース
板3内に埋め込まれている部分のプレート型ヒートパイ
プ5の表面積が比較的大きいため、ベース板3内でプレ
ート型ヒートパイプ5に熱をより有効に移動させること
ができる。
【0019】図4は、本発明の他の実施の形態に係る放
熱器の構造を示す正面図である。この例の放熱器31
は、プレート型ヒートパイプ35の放熱部が、ベース板
33の両側に設けられている。放熱器31は、ベース板
33と、同ベース板33に一部(受熱部)が埋め込まれ
ているプレート型ヒートパイプ35と、同プレート型ヒ
ートパイプ35の他の部分(放熱部)に接続されている
複数のフィン列37から構成される。ベース板33は、
図1の実施例と同様に、アルミ等で作製された複数のス
ペーサ11から構成されている。
【0020】ベース板33は、折り曲げられたプレート
型ヒートパイプ35の、両側の湾曲部35a、35b間
のほぼ中央の各空間に設けられている。プレート型ヒー
トパイプ35の両側の湾曲部35a、35bは、ベース
板33の両側から、ベース板33と同じ面上を外方向に
延びている。この外方向に延びた両側の部分(放熱部)
に、フィン列37がロウ付け等により接続されている。
【0021】この例の放熱器31は、放熱部がベース板
33の両側に位置するため姿勢依存性がなく、いろいろ
なレイアウトに設置することができる。
【0022】図5は、本発明の他の実施の形態に係る放
熱器の構造を示す正面図である。この例の放熱器51
は、プレート型ヒートパイプ55の放熱部が、2枚のベ
ース板53の中央に設けられている。この例の放熱器5
1は、2枚のベース板53、54と、同ベース板53、
54に一部(受熱部)が埋め込まれているプレート型ヒ
ートパイプ55と、同プレート型ヒートパイプ55の他
の部分(放熱部)に接続されている複数のフィン列57
から構成される。ベース板53、54は、図1の実施例
と同様に、アルミ等で作製された複数のスペーサ11か
ら構成されている。
【0023】ベース板53、55は、折り曲げられたプ
レート型ヒートパイプ55の、両側の湾曲部55a、5
5bの付近の各空間に設けられている。ベース板53、
54の間は、プレート型ヒートパイプ55が空間を挟ん
で並んでおり、この部分(放熱部)に、フィン列57が
ロウ付け等により接続されている。
【0024】この例の放熱器51は、ベース板53、5
4が2枚であり、2ヶ所に発熱体を設置することができ
る。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ベース板にプレート型ヒートパイプを埋め込
んだことにより、発熱体から受熱板に伝わった熱を迅速
に放熱部へ移動させることができるため、高い熱輸送能
力を有するプレート型ヒートパイプを提供できる。ま
た、プレート型ヒートパイプが受熱板の平面方向に延出
した構造を有するため、放熱器を薄くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る放熱器の構造を示す
図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図2】図1の放熱器を模式的に示す一部斜視図であ
る。
【図3】図1の放熱器を模式的に示す一部断面図であ
る。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る放熱器の構造を
示す正面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る放熱器の構造を
示す正面図である。
【符号の説明】
1、31、51 放熱器 3、33、53 ベース板 5、53、55 プレート型ヒートパイプ 7、37、57 フィン列 9 ファン 11 スペー
サ 13 切り欠き 15 空間 17 発熱体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高伝熱性材料からなる受熱板と、 該受熱板に一部(受熱部)が埋め込まれ、他の一部(放
    熱部)が前記受熱板の外部に延出したプレート型ヒート
    パイプと、を具備することを特徴とする放熱器。
  2. 【請求項2】 前記受熱板が、複数列のプレート型ヒー
    トパイプと、その間に挟まれたスペーサとからなること
    を特徴とする請求項1記載の放熱器。
  3. 【請求項3】 前記受熱板が、前記プレート型ヒートパ
    イプと前記スペーサとが接合された状態で面加工が施さ
    れていることを特徴とする請求項2記載の放熱器。
  4. 【請求項4】 蛇腹状に成形されたプレート型ヒートパ
    イプと、 該プレート型ヒートパイプの一部(受熱部)において、
    隣り合うプレート型ヒートパイプ間を埋める高伝熱性材
    料からなるスペーサと、を具備し、 前記プレート型ヒートパイプの他の一部(放熱部)が冷
    却に適した形態を有することを特徴とする放熱器。
  5. 【請求項5】 前記放熱部の隣り合うプレート型ヒート
    パイプ間に伝熱フィンが設けられていることを特徴とす
    る請求項1〜4いずれか1項記載の放熱器。
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