JP3608272B2 - 沸騰冷却装置およびその製造方法 - Google Patents

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    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
    • F28D15/0266Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes with separate evaporating and condensing chambers connected by at least one conduit; Loop-type heat pipes; with multiple or common evaporating or condensing chambers

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子等の発熱体を冷却する沸騰冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の沸騰冷却装置では、一般に高価なフロロカーボン系の冷媒が使用されるため、使用する冷媒量を少なくした方がコストを低く抑えることができる。そこで、例えば、プレス成形された2枚の薄肉部材を貼り合わせて厚み幅の薄い偏平な冷媒槽を構成することにより、使用する冷媒量を少なくした沸騰冷却装置が提案されている(特公昭55−51345号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、冷媒槽を薄肉部材で構成した場合、発熱体が取り付けられる取付け面の剛性不足により、発熱体との間の接触熱抵抗が増大して放熱性能が低下する。また、薄肉部材をプレス成形品とした場合、プレス用の金型に掛かる費用が高くつく。特に、発熱体の個数または発熱体の取付けピッチが異なる場合には、その発熱体の個数または取付けピッチに合わせたプレス型を新規設計する必要が生じるため、製造コストが大幅に高くなるという問題を生じる。
【0004】
さらに、冷媒槽を偏平形状とした場合は、所謂フラッディング現象が問題となる。即ち、発熱体の熱により沸騰して冷媒槽内を上昇する沸騰冷媒と、放熱器で凝縮液化されて冷媒槽内を流下する凝縮冷媒とが互いに衝突して冷媒の自然循環が乱されるため、最大熱輸送量が低く抑えられて性能の低下を招く。なお、このフラッディングを軽減するために、凝縮部内の下部にガイド板を設けた沸騰冷却装置が提案されている(特開昭57−204156号公報)が、冷媒槽の構成上、使用する冷媒量が多くなり、コストが高くなるという問題は依然解決されていない。
【0005】
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、第1の目的は製造コストの低減を図ること、第2の目的はフラッディングによる性能低下を防止すること、第3の目的はその沸騰冷却装置の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成を採用した。
請求項1では、表面に発熱体が取り付けられて、内部に前記発熱体の発する熱で気化する冷媒が収容された冷媒室を形成する冷媒槽と、前記冷媒室と連通して設けられ、前記冷媒室で気化した気相冷媒を凝縮液化する放熱器とを備え、前記冷媒槽は、押し出し成形された押出材を使用して構成され、厚み幅の薄い偏平形状を有し、その偏平表面に、前記発熱体が締結部材であるボルトの締め付けによって固定される沸騰冷却装置であって、前記押出材と別体に設けられて、前記ボルトを螺着するための雌ねじが形成された筒部を有する取付部材を備え、前記押出材には、前記発熱体を固定する前記ボルトの取り付けピッチに対応した位置に取付孔が形成され、この取付孔に前記取付部材が嵌め込まれて接合されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2では、請求項1に記載した沸騰冷却装置において、前記取付孔は、前記押出材の一端面側に開口する第1の取付孔と、他端面側に開口する第2の取付孔とが形成され、前記取付部材は、前記第1の取付孔と前記第2の取付孔とに嵌め込まれて、前記押出材を貫通した状態で接合されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3では、表面に発熱体が取り付けられて、内部に前記発熱体の発する熱で気化する冷媒が収容された冷媒室を形成する冷媒槽と、前記冷媒室と連通して設けられ、前記冷媒室で気化した気相冷媒を凝縮液化する放熱器とを備え、前記冷媒槽は、押し出し成形された押出材を使用して構成され、厚み幅の薄い偏平形状を有し、その偏平表面に、前記発熱体が締結部材であるボルトとナットの締め付けによって固定される沸騰冷却装置であって、前記押出材と別体に設けられて、前記ボルトを挿通する貫通孔が形成された筒形状を有する取付部材を備え、前記押出材には、前記発熱体を固定する前記ボルトの取り付けピッチに対応した位置に、前記押出材の一端面側に開口する第1の取付孔と、他端面側に開口する第2の取付孔とが形成され、前記取付部材が、前記第1の取付孔と前記第2の取付孔とに嵌め込まれて、前記押出材を貫通した状態で接合されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4では、請求項3に記載した沸騰冷却装置において、前記発熱体は、前記第1の取付孔側から前記取付部材の貫通孔に挿通された前記ボルトに対し、前記第2の取付孔側より取り出された前記ボルトの螺子部に前記ナットを締め付けて固定されることを特徴とする。
【0011】
請求項では、請求項1〜に記載した何れかの沸騰冷却装置において、前記冷媒槽は、前記冷媒室の内部に、前記発熱体の熱により気化した冷媒が前記冷媒室内を上昇する蒸気通路と、前記放熱器で凝縮液化した冷媒が前記冷媒室内を流下する凝縮液通路とが設けられて、前記蒸気通路と前記凝縮液通路が前記冷媒室内の下部で連通していることを特徴とする。
【0012】
請求項では、請求項に記載した沸騰冷却装置において、前記蒸気通路と前記凝縮液通路は、前記押出材と一体に設けられて前記冷媒室の内部を厚み方向に分割する隔壁によって構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項では、請求項に記載した沸騰冷却装置において、前記蒸気通路と前記凝縮液通路は、前記冷媒室内に配された冷媒流制御板により構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項では、請求項1〜に記載した何れかの沸騰冷却装置において、前記冷媒槽は、複数の前記発熱体に対応して複数の前記冷媒室を有し、各冷媒室が各々連通して設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項では、請求項に記載した沸騰冷却装置において、前記冷媒槽は、複数の前記冷媒室が並列に設けられた場合に、隣合う前記冷媒室同士の間に中空通路が形成されて、その中空通路の上部と下部とで各冷媒室に連通していることを特徴とする。
【0016】
請求項10では、請求項1〜に記載した何れかの沸騰冷却装置において、前記放熱器は、前記冷媒槽と一体に押し出し成形された押出材を使用して構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項11では、請求項1〜に記載した何れかの沸騰冷却装置は、押し出し成形によって前記押出材を成形した後、前記放熱器との連通口以外の開放端を閉塞部材により閉塞する工程を経て製造されることを特徴とする。
【0018】
請求項12では、請求項10に記載した沸騰冷却装置は、押し出し成形によって前記押出材を成形した後、不要な部位を削除し、その後、前記押出材の所要な開放面を閉塞部材により閉塞する工程を経て製造されることを特徴とする。
【0019】
請求項13では、請求項5〜9に記載した何れかの沸騰冷却装置において、前記放熱器は、前記冷媒槽に接続されて前記蒸気通路に通じる流入室および前記凝縮液通路に通じる流出室を形成する連結部材と、この連結部材に複数積層されて相互に連通して設けられた同一中空形状の放熱管とから成ることを特徴とする。
【0020】
請求項14では、請求項13に記載した沸騰冷却装置において、前記放熱管は、前記流入室に通じる流入側連通部、前記流出室に通じる流出側連通部、および前記流入側連通部と前記流出側連通部とを連通する冷媒通路を有し、前記流入側連通部から前記流出側連通部へ向かって前記冷媒通路の底面が下方へ傾斜していることを特徴とする。
【0021】
請求項15では、請求項13または14に記載した沸騰冷却装置において、前記冷媒槽は、前記押出材に設けられた少なくとも1本の支柱部によって複数の前記蒸気通路を有するとともに、前記発熱体の取付け位置より上方の側面に前記流入室に通じる蒸気流出口が開口して設けられ、
前記支柱部の上部を削除することにより、複数の前記蒸気通路を前記蒸気流出口と連通させたことを特徴とする。
【0022】
請求項16では、請求項13に記載した沸騰冷却装置において、前記冷媒室内の下部で前記蒸気通路と前記凝縮液通路とを連通する連通路は、各通路を仕切るために前記押出材に設けられた支柱部の下部を削除して、その押出材の下端面に閉塞部材を接合することで構成されていることを特徴とする。
【0024】
【作用および発明の効果】
(請求項1)
冷媒槽が押出材を使用して構成されることにより、プレス成形された薄肉部材を貼り合わせて構成した場合と比較して型費を安くできるため、製造コストの低減を図ることができる。また、発熱体の個数が増加する場合でも、各発熱体を直列(縦方向)に配置すれば、押出材を適宜な長さに切断して使用することができるため、プレス成形品の様に新規にプレス型を設ける必要がなく、型に掛かる費用を大幅に低減できる。さらに、押出材を使用して冷媒槽を構成することから、プレス成形品の様な薄肉部材で冷媒槽を構成した場合と比較して、発熱体が取り付けられる取付け面の剛性を十分に確保できる。これにより、取付け面(押出材の表面)と発熱体との間の接触熱抵抗を小さくできるため、放熱性能の低下を防止できる。特に、冷媒槽を偏平形状とすることにより、使用する冷媒量を少なくできるため、例えばフロロカーボン系の高価な冷媒を使用した場合でもコストを低く抑えることができる。
更に、本発明では、締結部材(ボルト)を取り付けるための取付部材を押出材と別体で設けることにより、押出材自体に締結部材を取り付けるための中密部を設定する必要がなくなる。これにより、押出材のヒートマス(熱容量)が小さくなるため、冷媒槽(押出材)と放熱器とをろう付けする場合のろう付け性が良好になる。
【0025】
(請求項2)
取付孔を押出材の一端面側と他端面側の両方に形成することにより、その取付孔(第1の取付孔と第2の取付孔)を介して、押出材を貫通した状態で取付部材を接合できる。これにより、取付部材の全長を長くできるので、ボルトとの結合長さを大きく確保して、ボルトの締結力を向上できる。
【0026】
(請求項3)
冷媒槽が押出材を使用して構成されることにより、プレス成形された薄肉部材を貼り合わせて構成した場合と比較して型費を安くできるため、製造コストの低減を図ることができる。また、発熱体の個数が増加する場合でも、各発熱体を直列(縦方向)に配置すれば、押出材を適宜な長さに切断して使用することができるため、プレス成形品の様に新規にプレス型を設ける必要がなく、型に掛かる費用を大幅に低減できる。さらに、押出材を使用して冷媒槽を構成することから、プレス成形品の様な薄肉部材で冷媒槽を構成した場合と比較して、発熱体が取り付けられる取付け面の剛性を十分に確保できる。これにより、取付け面(押出材の表面)と発熱体との間の接触熱抵抗を小さくできるため、放熱性能の低下を防止できる。特に、冷媒槽を偏平形状とすることにより、使用する冷媒量を少なくできるため、例えばフロロカーボン系の高価な冷媒を使用した場合でもコストを低く抑えることができる。
更に、本発明では、ボルトを挿通するための取付部材を押出材と別体で設けることにより、押出材自体に締結部材を取り付けるための中密部を設定する必要がなくなる。これにより、押出材のヒートマス(熱容量)が小さくなるため、冷媒槽(押出材)と放熱器とをろう付けする場合のろう付け性が良好になる。
また、取付部材は、内周面に雄ねじを形成する必要がなく、ボルトを挿通する貫通孔が形成された筒形状であれば良いので、取付部材の製作コストを低減できる。
【0027】
(請求項4)
取付部材の貫通孔に挿通されたボルトの端部(螺子部)にナットを締め付けて発熱体を固定するので、冷媒槽(押出材)の両面に発熱体を取り付けて、同時に固定することが可能である。
【0029】
(請求項
冷媒室の内部に蒸気通路と凝縮液通路とを設けたことにより、冷媒室内での沸騰冷媒と凝縮冷媒との流れを明確に分けることができる。そのため、冷媒槽が偏平形状であっても、沸騰冷媒と凝縮冷媒とが衝突するフラッディングを防止できる。
【0030】
(請求項
請求項に記載した蒸気通路と凝縮液通路は、冷媒室の内部を厚み方向に分割する隔壁によって構成することができる。この各壁は、押し出し成形により押出材と一体に容易に設けることができる。なお、各壁は、発熱体を冷媒槽の片面に取り付ける場合と、両面に取り付ける場合とに対応して設けることが可能である。即ち、発熱体を冷媒槽の片面に取り付ける場合は、冷媒室の内部を厚み方向に二分割するように設けて、両面に取り付ける場合には、冷媒室の内部を厚み方向に少なくとも三分割するように設けることができる。
【0031】
(請求項
また、冷媒室内に配された冷媒流制御板によって蒸気通路と凝縮液通路とを構成しても良い。この場合、フラッディング防止の効果とともに、冷媒流制御板が冷媒室の内壁面に当接した状態で配されることにより、冷媒室の剛性向上および冷媒室の放熱面積増大による放熱性能の向上が期待できる。
【0032】
(請求項
冷媒槽は、複数の発熱体を取り付ける場合に対応して、各発熱体毎に各々冷媒室を設けることができる。この場合、各冷媒室を連通することにより、冷媒槽全体で冷媒の循環が均等に行なわれるため、凝縮冷媒の偏りによる放熱性能の低下を防止できる。
【0033】
(請求項
複数の冷媒室が並列に設けられる場合は、隣合う冷媒室同士の間に各冷媒室と連通する中空通路を形成することにより、この中空通路を凝縮冷媒の通路として利用することができる。つまり、この中空通路にある冷媒は、発熱体から直接熱を受けることがなく、冷媒室の冷媒と比べて低温である。このため、中空通路を各冷媒室と連通して中空通路の冷媒を各冷媒室に供給することにより、放熱性能の向上が期待できる。また、隣合う冷媒室同士の間を中空通路とすることで軽量化を図ることもできる。
【0034】
(請求項10
冷媒槽のみならず、放熱器も冷媒槽と一体に押し出し成形された押出材を使用して構成することにより、従来装置と比較して放熱器のコストを低減できるばかりでなく、放熱器と冷媒槽との組付け工程が不要となることから、装置全体のコストダウンを図ることができる。
【0035】
(請求項11
沸騰冷却装置は、押し出し成形によって押出材を成形した後、放熱器との連通口以外の開放端を閉塞部材により閉塞する工程を経て製造される。なお、冷媒室内部に隔壁を設ける場合は、押出材を成形する際に一体に設けられる。
【0036】
(請求項12
冷媒槽とともに放熱器も押出材を使用して構成する場合は、まず押し出し成形によって押出材(冷媒槽と放熱器とを含む)を成形した後、不要な部位を削除する。その後、押出材の所要な開放面を閉塞部材により閉塞する工程を経て製造される。ここで所要な開放面とは、放熱器に形成される冷却媒体(例えば空気)の通路以外の開放面を言う。
【0037】
(請求項13
放熱器は、冷媒槽に接続された連結部材に同一中空形状の放熱管を複数積層して構成することができるため、発熱体の取付け個数が増加して総発熱量が増大した場合でも容易に放熱器の容量を変更できる。即ち、同一中空形状の放熱管を順次積層していくことで放熱器の容量を容易に増加できるため、総発熱量に相応した容量の放熱器を低コストで提供できる。
【0038】
(請求項14
各放熱管は、冷媒通路の底面が流入側連通部から流出側連通部へ向かって下方へ傾斜していることから、各放熱管の冷媒通路を流れる凝縮液が流入側連通部から流出側連通部へ向かって流れやすくなる。このため、冷媒通路の底面に溜まる凝縮液の量が減少して、蒸気冷媒の凝縮を効率良く行うことができる。
【0039】
(請求項15
押出材に設けられた支柱部の上部を削除するだけで複数の蒸気通路を蒸気流出口と連通させることができるため、特別な部品を追加することなく低コストで冷媒の循環を制御できる。
【0040】
(請求項16
押出材に設けられた支柱部の下部を削除して、その押出材の下端面に閉塞部材を接合することにより、冷媒室内の下部で蒸気通路と凝縮液通路とを連通することができる。このため、閉塞部材を簡単な形状(例えば単なる平板)にできるため、閉塞部材の製作が容易になる。
【0042】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の沸騰冷却装置の実施例を説明する。
【0043】
(第1実施例)
図1(a)は放熱器の一部正面図、および図1(b)は沸騰冷却装置の側面図(冷媒槽は断面図)である。本実施例の沸騰冷却装置1は、例えば電気自動車や一般電力制御機器のインバータ回路を構成するIGBTモジュール2(本発明の発熱体)の冷却装置であり、冷媒槽3、放熱器4、および冷却ファン5より構成される。
【0044】
IGBTモジュール2は、図2(図1のA−A断面図)に示すように、熱伝導性の良好な金属製(例えば銅製)の放熱板2aを有し、この放熱板2aが冷媒槽3の外壁面に密着した状態で、ボルト6の締め付けにより冷媒槽3に固定されている。なお、IGBTモジュール2は、放熱板2aと冷媒槽3の外壁面との間に熱伝導性グリースを介して固定しても良い。
【0045】
冷媒槽3は、例えばアルミニウム製のブロック材から押し出し成形によって得られる中空状の押出材7と、この押出材7の一方の開放端を塞ぐ底板8とから成る。押出材7の他方の開放端は、冷媒の出入口として放熱器4に接続される。押出材7は、IGBTモジュール2が取り付けられる外壁面の横幅および縦幅に対して厚み幅W(図2参照)の薄い偏平形状に設けられて、内部に複数の貫通路9、10が形成されている。また、貫通路9、10が形成されていない押出材7の厚肉部7aには、ボルト6を螺着するための雌ねじ部が形成されている。
【0046】
貫通路9、10は、押出材7の内部を厚み幅方向(図2の左右方向)に二分割する仕切壁11と、その二分割された一方側(図2の左側)の内部空間と他方側の内部空間とを各々横幅方向(図2の上下方向)に複数に分割する通路壁12とによって区画されている。但し、仕切壁11に対してIGBTモジュール2が取り付けられる側(一方側)の内部空間は、他方側の内部空間より多くの通路壁12によって細かく区画されており、一方側の内部空間に形成される貫通路9の方が、他方側の内部空間に形成される貫通路10より通路断面積が小さく、数多く設けられている。
【0047】
この貫通路9、10を形成する仕切壁11および通路壁12は、仕切壁11によって二分割された一方側の各貫通路9と他方側の各貫通路10とが連通するように、また一方側の各貫通路9同士および他方側の各貫通路10同士が連通するように、押出材7の外壁に対して底部側(図1の下側)が短く切断されている(図1(b)参照)。
【0048】
押出材7の一方の開放端を塞ぐ底板8は、押出材7と同じアルミニウム製で、例えば、ろう付けによって押出材7の開口内周面に接合されている。この底板8によって一方の開放端が閉塞された押出材7の内部空間(本発明の冷媒室)、即ち冷媒槽3の内部には、フロロカーボン系の冷媒が封入される。
【0049】
放熱器4は、放熱チューブ13、上部タンク14、下部タンク15、および放熱フィン16より構成されている。放熱チューブ13は、断面形状が長円形の偏平なアルミニウム管より成り、放熱フィン16と交互に積層されて、上部タンク14と下部タンク15とに支持されている。上部タンク14は、各放熱チューブ13の上端部が挿入されて、各放熱チューブ13と連通している。下部タンク15は、各放熱チューブ13の下端部が挿入されて、各放熱チューブ13と連通している。また、下部タンク15は、図1(b)に示すように、冷媒槽3の上端開口部(押出材7の他方の開放端部)が挿入されて、冷媒槽3と連通している。
【0050】
放熱フィン16は、例えば熱伝導率の高いアルミニウム製の薄板を交互に折り曲げて波状に成形したコルゲートフィンで、図1(a)に示すように、放熱チューブ13の外壁面に接触して取り付けられている。上記の冷媒槽3と放熱器4は、例えば、仮組付けされた後、炉中にて一体ろう付けによって接合することができる。
【0051】
冷却ファン5は、例えば軸流式ファンで、図1(b)に示すように、放熱器4の前面(または後面)に配されて、放熱器4に対して前後方向(図1(b)の左右方向)に送風する。なお、冷却ファン5は、放熱器4に対して送風方向の下流側に位置する吸込み式でも良いし、放熱器4に対して送風方向の上流側に位置する押込み式でも良い。
【0052】
次に、本実施例の沸騰冷却装置1の作用を説明する。IGBTモジュール2に内蔵された半導体素子が発熱すると、IGBTモジュール2の放熱板2aから冷媒槽3の外壁に熱伝導されて、冷媒槽3に封入された冷媒を沸騰気化させる。この時、冷媒槽3の内壁面(押出材7の内壁面)と冷媒との間で高効率な熱伝達(沸騰時で自然対流時の100〜1000倍にも達する)が行なわれる。ここで、冷媒槽3は、その内部が厚み幅方向に仕切壁11によって二分割されているため、仕切壁11より一方側の各貫通路9(以下、蒸気通路9と言う)に収容された冷媒が主に沸騰することになる。沸騰した冷媒は、気泡となって蒸気通路9を上昇し、放熱器4の下部タンク15へ流入した後、下部タンク15から各放熱チューブ13へ分配されて、各放熱チューブ13内を上昇する。
【0053】
放熱チューブ13内を流れる冷媒蒸気は、冷却ファン5の送風を受けて低温となっている放熱チューブ13の内壁面に凝縮して液化し、この際に凝縮潜熱を放出する。凝縮して液滴となった冷媒は、自重により放熱チューブ13内を流下して下部タンク15に一時溜まり、下部タンク15から主に冷媒槽3内の他方側の各貫通路10(以下、凝縮液通路10と言う)に流入する。この凝縮液通路10を流下した冷媒は、仕切壁11および通路壁12の下端と底板8との間に形成される連通口17を通って蒸気通路9へ流入し、再びIGBTモジュール2の冷却に使用される。
【0054】
一方、冷媒蒸気が凝縮液化する際に放出された凝縮潜熱は、放熱チューブ13の管壁から放熱フィン16へ伝わって大気へ放出される。この冷媒の沸騰・凝縮熱伝導が繰り返されることにより、IGBTモジュール2から伝わった熱が順次大気へ放出されて半導体素子の冷却が行なわれる。
【0055】
(第1実施例の効果)
本実施例の沸騰冷却装置1は、冷媒槽3が押出材7を使用して構成されている。このため、偏平な冷媒槽3を形成するためにプレス成形された薄肉部材を貼り合わせて冷媒槽3を構成した場合と比較して、押出材7に掛かる型費を安くできる。また、IGBTモジュール2の個数が増加する場合でも、増加するIGBTモジュール2を多段(縦方向)に配置すれば、押出材7を適宜な長さに切断して使用することができるため、プレス成形品を使用する場合の様に新規にプレス型を設ける必要がなく、型費を大幅に低減できる。
【0056】
押出材7を使用して冷媒槽3を構成することから、IGBTモジュール2が取り付けられる押出材7の取付け面剛性を十分に確保できる。このため、プレス成形品の様な薄肉部材で冷媒槽3を構成した場合と比較して、取付け面(押出材7の外壁面)とIGBTモジュール2との間の接触熱抵抗を小さくできるため、放熱性能の向上を図ることができる。また、押出材7を使用することから、雌ねじ部を形成するための厚肉部7aを十分確保できるとともに、蒸気通路9および凝縮液通路10の形状も自由に設定できる。このことは、冷媒槽3を偏平形状とした場合の耐圧性を向上する上でも有利である。即ち、冷媒使用量を減少するために冷媒槽3を偏平形状とすることは耐圧的に不利であるが、十分な耐圧性を確保できるように蒸気通路9および凝縮液通路10の形状を設定することができる。
【0057】
さらには、雌ねじ部を形成する厚肉部7aの取付け面積に余裕を持たせておくことにより、取付けねじピッチの異なる種々のIGBTモジュール2に対して同一の押出材7を使用するこができる。言い換えれば、同一形状の押出材7を使用した冷媒槽3に対して、取付けねじピッチの異なる種々のIGBTモジュール2を取り付けることができる。これにより、冷媒槽3の標準化が可能となることから、取付けねじピッチの異なるIGBTモジュール2を使用する場合のコストダウンを図ることができる。
【0058】
さらに、冷媒槽3の内部が仕切壁11によって蒸気通路9と凝縮液通路10に区画されているため、冷媒槽3内での沸騰冷媒と凝縮冷媒との流れを明確に分けることができる。これにより、沸騰冷媒と凝縮冷媒とが衝突する所謂フラッディングを防止して、高い放熱性能を得ることができる。また、仕切壁11によって蒸気通路9と凝縮液通路10とを区画したことにより、凝縮液通路10内の冷媒は、IGBTモジュール2から伝導する熱によって直接加熱されることがないため、蒸気通路9内の冷媒と比べて低温となっている。そして、この低温の冷媒が連通口17を通って順次凝縮液通路10から蒸気通路9へ供給されることにより、効率良くIGBTモジュール2の冷却を行なうことができる。
【0059】
(第2実施例)
図3は冷媒槽3の断面図である。本実施例では、冷媒槽3の下部タンク15との接合部、即ち、押出材7の他方の開口部が段付き状に加工されている。具体的には、図3に示すように、蒸気通路9の方が凝縮液通路10より少し長く設けられている。これにより、放熱器4の下部タンク15に溜まった液冷媒は、蒸気通路9へ流入することはなく、殆ど凝縮液通路10へ流入することができる。この結果、第1実施例の場合より、更にフラッディングを少なくして性能の向上を図ることができる。
【0060】
(第3実施例)
図4は沸騰冷却装置1の側面図である。本実施例は、冷媒槽3とともに放熱器4も同一の押出材70を使用して構成した場合の一例を示すものである。以下にその押出材70を使用した沸騰冷却装置1の製造方法を説明する。
【0061】
a)まず、アルミニウム製のブロック材から装置全体の押出材70を形成する。この時、押出材70の内部は、図5(図4のB−B断面図)に示すように、冷媒槽3の蒸気通路9と凝縮液通路10、および放熱器4の冷媒通路4a(第1実施例の放熱チューブ13に相当する通路)と送風通路4bが各々格子状に設けられた隔壁18によって細かく区画された状態で押出材70の上端から下端まで貫通して設けられている。
【0062】
b)続いて、図6に示すように、押出材70から不要な部位を削除する。但し、図6に示すL1については全面的に削除し、L2、L3については、図7(図4のC−C断面図)に示すように、冷媒通路4aを区画している隔壁18を削除する。L4については内部の隔壁18のみを削除する。
【0063】
c)続いて、押出材70の開放面をそれぞれ端板19〜21で気密に閉塞して、押出材70の内部空間を密閉する。なお、端板19の平面形状を図8に、端板20の平面形状を図9(a)、側面形状を図9(b)、および端板21の平面形状を図10に示す。
【0064】
以上の各工程により、冷媒槽3と放熱器4とを同一の押出材70を使用して構成した沸騰冷却装置1が製造される。本実施例によれば、第1実施例と比較して放熱器4のコストを低減できるばかりでなく、放熱器4と冷媒槽3との組付け工程が不要となることから、装置全体のコストダウンを図ることができる。
【0065】
(第4実施例)
図11は沸騰冷却装置1の正面図、図12は沸騰冷却装置1の側面図である。本実施例に示す冷媒槽3は、図11に示すように、横幅方向に3個のIGBTモジュール2を並んで取り付けることができる大きさを有し、冷媒槽3の内部に各IGBTモジュール2に対応した3つの冷媒室3a(図13参照)が形成されている。各冷媒室3aは、図14に示すように、押出材7の一方の開放端に被せられたエンドキャップ22によって連通している。
【0066】
押出材7は、第1実施例と同様にアルミニウム材を押し出し成形して得られるもので、内部に冷媒室3aを成す3つの中空部が貫通して設けられている。この押出材7は、水平方向の断面外周形状が、放熱器4の下部タンク15に設けられた挿入口15aの内周形状(図15参照)に合わせて設けられている。具体的には、図13に示すように、横幅方向の両端外周面がそれぞれ半円形を成す凸曲面で構成されている。
【0067】
エンドキャップ22は、例えば押出材7と同じアルミニウム製で、押出材7の一方の開放端に被せられた後、一体ろう付けにより接合される。但し、このエンドキャップ22は、押出材7の一方の開放端面に密着した状態ではなく、開放端面との間に隙間が確保された状態で被せられており、その隙間を通じて各冷媒室3aを連通している。
【0068】
本実施例においても、押出材7を使用して冷媒槽3を構成していることから、第1実施例で述べた押出材7を使用することにより得られる同様の効果を奏する。また、冷媒槽3の各冷媒室3aがそれぞれエンドキャップ22を通して連通することから、各冷媒室3aで冷媒の循環が均等に行なわれる。このため、凝縮冷媒が特定の冷媒室3aに偏る様なことはなく、冷媒の偏りによる放熱性能の低下を防止できる。
【0069】
(第5実施例)
図16は冷媒槽3(押出材7)の断面図である。本実施例では、第4実施例と同様に押出材7の内部に冷媒室3aを成す3つの中空部3aが貫通して設けられるとともに、さらに隣合う中空部3aの間にも中空通路3bが貫通して設けられている。各中空通路3bは、上端側が放熱器4の下部タンク15内に開口し、下端側がエンドキャップ22を通して各冷媒室3aと連通している(図17参照)。
【0070】
この様に中空通路3bを設けることにより、この中空通路3bを凝縮冷媒の通路として利用することができる。つまり、この中空通路3bにある冷媒は、IGBTモジュール2から直接熱を受けることがなく、冷媒室3aの冷媒と比べて低温である。このため、中空通路3bを冷媒室3aと連通して、中空通路3bの低温の冷媒を冷媒室3aに供給することにより、効率的にIGBTモジュール2の冷却を行なうことができる。また、中空通路3bを設けることで軽量化を図ることもできる。
【0071】
(第6実施例)
図18は沸騰冷却装置1の正面図(冷媒槽3は断面図)である。本実施例は、第4実施例で説明した冷媒槽3に対して、各冷媒室3aに冷媒流制御板23を配置した一例を示すものである。冷媒流制御板23は、例えば図19に示すように、波形のフィン形状に成形された整流部23aと、この整流部23aの一端部から斜めに延びる傾斜板23bとから成り、各冷媒室3a内で図18に示すように配置される。
【0072】
この冷媒流制御板23を各冷媒室3aに配置することにより、傾斜板23bによって凝縮冷媒の流れ(図18に実線矢印で示す)と沸騰冷媒の流れ(図18に破線矢印で示す)を分離できるため、沸騰冷媒と凝縮冷媒とが衝突するフラッディングを防止できる。また、整流部23aによって沸騰冷媒の流れを整流できるとともに、整流部23aが補強材の機能を果たすことで冷媒槽3の剛性が向上して、IGBTモジュール2(放熱板2a)と冷媒槽3との間の接触熱抵抗を小さくできる。さらに、冷媒流制御板23を熱伝導性の良好なアルミニウム製とした場合、整流部23aがインナフィンとしても機能することから冷媒槽3の放熱面積が増大する。これらの結果、放熱性能の向上を図ることができる。
【0073】
(第7実施例)
図20〜22は冷媒槽3(押出材7)の断面図である。本実施例は、第4実施例で説明した冷媒槽3に対して、各冷媒室3aに隔壁24(第1実施例の仕切壁11あるいは通路壁12に相当する)を設けた例を示すものである。隔壁24は、図20に示すように、冷媒槽3の厚み方向に沿って設けることで、冷媒槽3の剛性を向上できるとともに、各冷媒室3a内の冷媒の流れを整流できる。
【0074】
また、図21に示すように、隔壁24を冷媒槽3の横幅方向に沿って設けることにより、第1実施例と同様の蒸気通路9と凝縮液通路10とが形成されて、図23に示すように、沸騰冷媒の流れ(図23に破線矢印で示す)と凝縮冷媒の流れ(図23に実線矢印で示す)とを分離できる。これにより、沸騰冷媒と凝縮冷媒とが衝突するフラッディングを防止できることから、放熱性能が向上する。さらには、図22に示すように、隔壁24を冷媒槽3の厚み方向と横幅方向の両方に沿って設けることにより、図20の場合と図21の場合との両方の効果が期待できる。
【0075】
(第8実施例)
図24は沸騰冷却装置1の側面図(冷媒槽3は断面図)である。本実施例は、冷媒槽3の両面にそれぞれIGBTモジュール2を取り付けた場合の一例を示すもので、冷媒槽3の横幅方向に沿って設けられた2枚の隔壁24により、各冷媒室3aが厚み方向に三分割されている(図25参照)。この場合、厚み方向の真中に形成される空間が第1実施例で説明した凝縮液通路10となり、両側の空間がそれぞれ蒸気通路9となる。本実施例においても、沸騰冷媒と凝縮冷媒の流れを分離してフラッディングを防止することにより、放熱性能の向上を図ることができる。なお、IGBTモジュール2を固定するためのボルト6は、押出材7を貫通してナット25で締めつけられている。
【0076】
(第9実施例)
図26は沸騰冷却装置1の正面図、図27は沸騰冷却装置1の側面図である。本実施例は、IGBTモジュール2の個数を冷媒槽3の高さ方向に増やした場合(つまり、多段に配置した場合)の一例を示すものである。この場合、冷媒槽3を構成する押出材7の長さを変更するのみで対応できる。
【0077】
(第10実施例)
図28は沸騰冷却装置1の側面図である。本実施例は、図28に示すように、放熱器4が冷媒槽3に対して略90度に傾いて組付けられており、その放熱器4に対して略垂直方向に送風する場合の一例を示すものである。
【0078】
(第11実施例)
図29は沸騰冷却装置1の側面図である。本実施例は、所謂ドロンカップタイプの放熱器4を使用した場合の一例を示すものである。この場合、冷媒槽3を構成する押出材7は、放熱器4が冷媒槽3の側面に取り付けられることから、両方の開放端にそれぞれエンドキャップ22が被せられている。
【0079】
(第12実施例)
図30は沸騰冷却装置1の側面図である。本実施例は、IGBTモジュール2を冷媒槽3の両側に取り付けるとともに、第8実施例と同様に、IGBTモジュール2の個数を冷媒槽3の高さ方向にも増やした場合の一例を示すものである。なお、上述の第4実施例〜第12実施例では、押出材7の開放端にエンドキャップ22を被せた例を示したが、第1実施例のように底板8で閉塞しても良い。
【0080】
(第13実施例)
図31は冷媒槽3(押出材7)の断面図、図32は冷媒槽3の正面図である。図33は冷媒槽3(押出材7)の部分断面図である。本実施例は、ボルト6の締結部に押出材7と別体に設けられた取付部材26を用いた場合の一例を示すものである。取付部材26は、例えばアルミニウム製で、一端側のみ開口する有底筒体形状に形成され、その開口部外周にはフランジ部26aが形成されて、筒部の内周面には雌ねじ26b(図33参照)が形成されている。一方、押出材7には、ボルト6の取付けピッチに対応した位置に取付部材26を嵌め込むための取付孔28(図33参照)が形成されている。但し、取付孔28は、図33に示すように、押出材7の外壁に取付部材26のフランジ部26aを支持する壁面28aが残された状態で形成されている。
【0081】
上記の取付部材26は、取付孔28の壁面28aとフランジ部26aとの間にリング状のろう材シート29を挟んで取付孔28に嵌め込まれた後、一体ろう付けによって接合される。なお、取付孔28が開けられた押出材7は、一体ろう付けの際にリング状のろう材シート29が融解してフランジ部26aが取付孔28の壁面28aに接合されるため、冷媒槽3としての気密性が損なわれることはない。
【0082】
この構成によれば、押出材7にボルト6を締結するための螺子孔(雌ねじ部)を形成しなくても良いため、螺子孔を形成するための厚肉部を確保する必要がない。これにより、押出材7に余分な厚肉部を極力少なくして、その分、冷媒室3aを拡大したり、第5実施例で説明した凝縮冷媒の通路(中空通路3b)を形成することができる。この結果、押出材7のヒートマス(熱容量)が小さくなるため、冷媒槽3(押出材7)と放熱器4とをろう付けする際に押出材7の温度上昇が早くなり、冷媒槽3と比較してヒートマスの小さい放熱器4とのろう付け性が良好になる。
【0083】
(第14実施例)
図34〜37は、それぞれ冷媒槽3(押出材7)の部分断面図である。本実施例は、第13実施例で説明した取付部材26を用いた場合の他の実施例を示すものである。図34に示す取付部材26は、フランジ部26aの表面が押出材7の表面より若干後退した状態(凹んだ状態)で取付孔28に嵌め込まれており、第13実施例に示したろう材シート29によるろう付けではなく、トーチろう付け、あるいは溶接によって押出材7に接合されている。この場合、押出材7の表面に対してフランジ部26aの表面が凹んでいるため、ろう付け不良が発生してもトーチで再加熱することで補修を容易に行うことができる。
【0084】
図35に示す取付部材26は、押出材7の一端面側(例えば、図示上面側)から他端面側へ貫通するもので、図34に示した場合と同様にトーチろう付け、あるいは溶接によって押出材7に接合されている。つまり、取付部材26を嵌め込むための取付孔28は、押出材7の一端面側に開口する第1の取付孔(番号無し)と、他端面側に開口する第2の取付孔(番号無し)とが形成され、取付部材26が、第1の取付孔と第2の取付孔とに嵌め込まれて、押出材7を貫通した状態で接合されている。
この場合、取付部材26の全長が長くなるため、ボルト6との結合長さを大きく確保してボルト6の締結力を向上できる。また、内周面の雌ねじ26bが取付部材26の全長に渡って形成されることにより、押出材7の両面にIGBTモジュール2を固定することもできる。
【0085】
図36に示す取付部材26は、内周面に雌ねじ26bが形成されていない円筒形状を成すもので、押出材7の一端面側から他端面側へ貫通して設けられている。なお、取付部材26は、フランジ部26a側が取付孔28の壁面28aとの間にリング状のろう材シート29を配置して一体ろう付けにより接合されて、フランジ部26aと反対側がトーチろう付け、あるいは溶接により接合される。この場合、押出材7の両面にIGBTモジュール2を配置して、押出材7の一端面側(図36の上側)から取付部材26の内周にボルト6を挿通し、押出材7の他端面側でボルト6の先端部にナット25を螺着することにより、押出材7の両側に配置されたIGBTモジュール2を同時に固定できる。
また、取付部材26を嵌め込むための取付孔28は、図35の例と同様に、押出材7の一端面側に開口する第1の取付孔28cと、他端面側に開口する第2の取付孔28dとが形成され、取付部材26が、第1の取付孔28cと第2の取付孔28dとに嵌め込まれて、押出材7を貫通した状態で接合されている(図37参照)。
【0086】
図37に示す取付部材26は、図36に示した取付部材26と同様に、内周面に雌ねじ26bが形成されていない円筒形状であるが、フランジ部26aのない単純な円筒形に形成されている。これにより、取付部材26の製作コストを低減できるため、装置全体の低コスト化が可能となる。なお、押出材7に開けられた取付孔28の端部に内周側へ突き出た凸部28bを形成することで、取付部材26の位置決めを行うことができる。
【0087】
(第15実施例)
図38は沸騰冷却装置1の側面図、図39は冷媒槽の断面図、図40は図38のD−D断面図である。本実施例の沸騰冷却装置1は、冷媒槽3に取り付けられるIGBTモジュール2の個数(即ち、総発熱量)に応じて放熱器4の容量を変更できるように構成した場合の一例を示すものである。
【0088】
冷媒槽3は、押し出し加工によって成形された押出材7と、この押出材7の上下両端部に接合されるエンドキャップ22(22a、22b)とから成る。押出材7には、図39に示すように、上下方向に伸びる支柱部30、31、32によって区画された蒸気通路9、凝縮液通路10、および非作動通路33が長手方向に貫通して形成されるとともに、接続プレート34(図38参照/本発明の連結部材)を介して放熱器4(放熱管39)が接続される領域(図39の破線Eで示す領域)に蒸気通路9の流出口35と凝縮液通路10の流入口36とが開けられている。なお、流入口36と流出口35は、図39に示すように、流入口36の開口下端の方が流出口35の開口下端より若干下方位置となる様に高低差が付けられている。
【0089】
但し、流出口35は、非作動通路33の上方に開口しており、2本の蒸気通路9間に残る支柱部31および蒸気通路9と非作動通路33との間に残る支柱部32の上部(図39に破線Fで示す部分)がミーリング等の追加工によって削除されることにより各蒸気通路9と連通している。また、各支柱部30〜32には、IGBTモジュール2の取付けボルト6を螺子込むための螺子孔37が形成されている。なお、非作動通路33は、押し出し加工の際に、凝縮液通路10との釣り合いを持たせるために形成されたもので、凝縮液通路10としては使用されない。従って、必ずしも非作動通路33を形成する必要はない。
【0090】
エンドキャップ22は、押出材7の両端部に一体ろう付けにより接合されている。但し、上端側のエンドキャップ22aは、押出材7の上端開口面を閉塞しているが、下端側のエンドキャップ22bは、押出材7の下端面との間に蒸気通路9、凝縮液通路10、および非作動通路33をそれぞれ連通する連通路38を形成している。
【0091】
放熱器4は、所謂ドロンカップタイプの熱交換器で、図40に示すように、同一形状を成す中空状の放熱管39を複数積層して構成され、接続プレート34を介して冷媒槽3に接続されている。放熱管39は、平面形状が略矩形状を成す2枚の成形プレート40より成り、各成形プレート40の外周縁部を接合して中空体に形成されている。2枚の成形プレート40は、熱伝導性の良好な金属材(例えばアルミニウム材)をプレス成形して同一形状に設けられて、両端部に連通口41が開けられている。この放熱管39は、その中央部全体が偏平な冷媒通路42となり、その冷媒通路42には、アルミニウム製の薄板を波形状に成形したインナフィン43が挿入されている。また、冷媒通路42の両端には、それぞれ前記の連通口41を有する流入側連通部44と流出側連通部45とが設けられている。各連通部44、45は、連通口41を通じて他の放熱管39の各連通部44、45と接続されて放熱器4全体のタンク部を構成している。
【0092】
各放熱管39は、図40に示すように、互いの流入側連通部44同士および流出側連通部45同士を合わせて積層されて、各連通部44、45に開口する連通口41を通じて互いに連通し、積層された各放熱管39の間には放熱フィン16が介在されている。但し、最も外側に位置する放熱管39の外側の成形プレート40には連通口41が設けられていない。あるいは、連通口41を開けた成形プレート40を使用した場合でも、成形プレート40の外側から端板(図示しない)等で連通口41を塞いでも良い。
【0093】
接続プレート34は、図40に示すように、押出材7に形成された流入口36と流出口35とを覆って押出材7の外壁面に気密に接合され、その押出材7の外壁面との間に、流出口35を通じて各蒸気通路9および非作動通路33と連通する一方の連通室46(本発明の流入室)と、流入口36を通じて凝縮液通路10と連通する他方の連通室47(本発明の流出室)とを形成している。但し、一方の連通室46と他方の連通室47は、インナフィン43が介在された冷媒通路42を通じて連通している。なお、接続プレート34には、成形プレート40と同様の連通口41が開けられており、この連通口41を通じて各連通室と各放熱管39とが連通している。
【0094】
次に、本実施例の作用を説明する。IGBTモジュール2から発生した熱が伝わって沸騰した冷媒は、気泡となって蒸気通路9内を上昇し、流出口35から主に一方の連通室46内へ流入した後、さらに一方の連通室46から放熱器4の一方のタンク部(図40の右側の流入側連通部44)へ流入して各放熱管39の冷媒通路42へ分配される。各冷媒通路42を流れる蒸気冷媒は、冷却ファン5(図38参照)の送風を受けて低温となっている冷媒通路42の内壁面およびインナフィン43の表面に凝縮して凝縮潜熱を放出し、液滴となって冷媒通路42の底面を流れながら放熱器4の他方のタンク部(図40の左側の流出側連通部45)へ流入する。さらに他方のタンク部から他方の連通室47内へ流入して主に他方の連通室47内に溜まった凝縮液は、流入口36から凝縮液通路10に流入して凝縮液通路10を流下した後、エンドキャップ22b内の連通路38を通って再び蒸気通路9に供給される。一方、蒸気冷媒が凝縮する際に放出された凝縮潜熱は、冷媒通路42の壁面から放熱フィン16へ伝わって、各放熱管39の間を通過する送風空気に放出される。
【0095】
(本実施例の効果)
ドロンカップタイプの放熱器4を使用したことにより、IGBTモジュール2の取付け個数が増加して総発熱量が増大した場合でも、容易に放熱器4の容量を変更できる。即ち、同一形状の放熱管39を順次積層していくことで放熱器4の容量を容易に増加できるため、総発熱量に相応した容量の放熱器4を低コストで提供できる。また、押出材7の支柱部31、32の上部を削除するだけで各蒸気通路9を流出口35と連通することができるため、特別な部品を追加することなく低コストで冷媒の循環を制御できる。
【0096】
なお、本実施例の場合、放熱器4から冷媒槽3(凝縮液通路10)へ凝縮液を戻り易くするために、冷媒槽3に対して放熱器4に傾斜を付けても良い。また、冷媒槽3の下端側のエンドキャップ22bの代わりに、図41に示すように、押出材7に設けられた支柱部30〜32の下部(図41に破線Gで示す部分/なお支柱部32は何方でも良い)をミーリング等の追加工によって削除して、その押出材7の下端面に平板48(エンドキャップ22)をろう付けにより接合しても良い。これにより、下側のエンドキャップ22(平板48)の製作が容易になる。本実施例では、流入口36と流出口35とに高低差を付けて形成したが、同一の高さに設けても良い。また、流入口36と流出口35とを同一形状としても良い。
【0097】
(第16実施例)
図42は沸騰冷却装置1の正面図、図43は沸騰冷却装置1の側面図である。本実施例は、放熱器4で液化した凝縮液を戻り易くするために、放熱器4を構成する各放熱管39を傾斜して取り付けた場合の一例を示すものである。冷媒槽3は、例えばアルミニウム製のブロック材から押し出し加工によって成形された押出材7と、この押出材7の一方の開放端(図42の下端)に被せられたエンドキャップ22とから成る。押出材7には、上下方向に伸びる支柱部30〜32によって仕切られた複数の蒸気通路9、凝縮液通路10、および非作動通路33が設けられている。なお、複数の蒸気通路9、凝縮液通路10、および非作動通路33は、各支柱部30〜32の上端部が削除されていることで、押出材7の上端より若干低い位置に開口しており、その各蒸気通路9の開口面と凝縮液通路10の開口面がそれぞれ蒸気冷媒の流出口35と凝縮液の流入口36として設けられている。
【0098】
エンドキャップ22は、押出材7と同じアルミニウム製で押出材7の下端外周部に被せられて一体ろう付けにより接合されている。但し、エンドキャップ22と押出材7の下端面との間には、押出材7に形成された蒸気通路9、凝縮液通路10、および非作動通路33を各々連通する連通路38が形成されている。このエンドキャップ22には、図42に示すように、冷媒封入用チューブ49が設けられており、このチューブ49を通して装置1内の洗浄、冷媒の注入、および脱気が行われる。なお、脱気は、冷媒を注入した後、装置1全体を上下反転させて放熱器4を温水槽(冷媒の飽和蒸気圧が大気圧以上となる温度に保ったもの)に入れて、装置1内の冷媒を気化させて空気を追い出す(冷媒ガスは空気より重い)ことにより行われる。脱気した後、チューブ49の端部をかしめて溶接等により封じ切ることにより装置1内に冷媒が封入される。
【0099】
放熱器4は、所謂ドロンカップタイプの熱交換器で、図43に示すように、2枚のプレート50を貼り合わせて構成された連結管51(本発明の連結部材)と、同一中空形状を成す複数の放熱管39とを積層して構成されている。連結管51は、冷媒槽3の上端外周部に被せられて、その内部がセパレータ52によって冷媒槽3の流出口35に通じる流入室(図示しない)と流入口36に通じる流出室(図示しない)とに区画されている。連結管51の流入室には複数のインナフィン53が挿入されている。各インナフィン53は、図42に示すように、プレート50に設けられた複数の位置決め用リブ50aによって支持されている。
【0100】
放熱管39は、2枚の成形プレート40(例えばアルミニウム板)の外周縁部を接合して中空体に形成されて、両端部に連通口41を有する流入側連通部44と流出側連通部45が設けられている。この放熱管39は、両連通部44、45の間が偏平な冷媒通路42となり、その冷媒通路42には、アルミニウム製の薄板を波形状に成形したインナフィン(図示しない)が挿入されている。
【0101】
各放熱管39は、図43に示すように、連結管51の片側に積層されて、互いの連通口41を通じて相互に連通している。また、連結管51と放熱管39は、連結管51のプレート50(放熱管39側のプレート)に形成された連通口41と放熱管39に形成された連通口41とを通じて相互に連通している。但し、各放熱管39は、連結管51のプレート50に設けられた一対のリブ50bに位置決めされて、連結管51に対して流入側連通部44の方が流出側連通部45より高い位置になる様に全体が傾斜した状態で取り付けられている(図42参照)。なお、プレート50に設けられたリブ50bは、放熱管39の位置決めを行うとともに、放熱管39との接合面を補強する補強用リブとしても機能している。
【0102】
次に、本実施例の作用を説明する。IGBTモジュール2から発生した熱が伝わって沸騰した冷媒は、気泡となって各蒸気通路9内を上昇し、冷媒槽3の流出口35から連結管51の流入室へ流入した後、さらに流入室から各放熱管39の流入側連通部44へ流入して各放熱管39の冷媒通路42へ分配される。各冷媒通路42を流れる蒸気冷媒は、冷却ファン5(図43参照)の送風を受けて低温となっている冷媒通路42の内壁面およびインナフィンの表面に凝縮して凝縮潜熱を放出し、液滴となって冷媒通路42の底面を流れながら各放熱管39の流出側連通部45へ流入する。その後、流出側連通部45から連結管51の流出室へ流れ出た凝縮液は、冷媒槽3の流入口36から凝縮液通路10に流入して凝縮液通路10を流下した後、エンドキャップ内の連通路38を通って再び各蒸気通路9に供給される。
【0103】
(本実施例の効果)
本実施例では、連結管51に対して放熱管39を傾斜させたことにより、液化した凝縮液が放熱管39の冷媒通路42を流入側連通部44から流出側連通部45へ向かって流れやすくなる。これにより、冷媒通路42の底面に溜まる凝縮液の量が減少して、蒸気冷媒の凝縮を効率良く行うことができる。この結果、必要な冷媒量を低減でき、低コスト化ができる。また、支柱部31によって蒸気通路9を複数の通路に仕切ったことにより、蒸気通路9を流れる蒸気冷媒の流れを整流できるとともに、支柱部31により有効沸騰面積が増加して放熱性能を向上できる。また、冷媒槽3内の正、負圧に対する強度向上、およびIGBTモジュール2が取り付けられる取付け面の変形防止にも効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)放熱器の一部正面図、(b)沸騰冷却装置の側面図(冷媒槽は断面図)である(第1実施例)。
【図2】冷媒槽の断面図(図1(b)のA−A断面図)である(第1実施例)。
【図3】冷媒槽の断面図である(第2実施例)。
【図4】沸騰冷却装置の側面図である(第3実施例)。
【図5】図4のB−B断面図である(第3実施例)。
【図6】押出材の削除部分を示す側面図である(第3実施例)。
【図7】図4のC−C断面図である(第3実施例)。
【図8】端板の平面図である(第3実施例)。
【図9】(a)端板の平面図、および(b)端板の側面図である(第3実施例)。
【図10】端板の平面図である(第3実施例)。
【図11】沸騰冷却装置の正面図である(第4実施例)。
【図12】沸騰冷却装置の側面図である(第4実施例)。
【図13】冷媒槽(押出材)の断面図である(第4実施例)。
【図14】冷媒槽の正面図である(第4実施例)。
【図15】冷媒槽と下部タンクの斜視図である(第4実施例)。
【図16】冷媒槽(押出材)の断面図である(第5実施例)。
【図17】冷媒槽の正面図である(第5実施例)。
【図18】沸騰冷却装置の正面図(冷媒槽は断面図)である(第6実施例)。
【図19】冷媒流制御板の斜視図である(第6実施例)。
【図20】冷媒槽(押出材)の断面図である(第7実施例)。
【図21】冷媒槽(押出材)の断面図である(第7実施例)。
【図22】冷媒槽(押出材)の断面図である(第7実施例)。
【図23】沸騰冷却装置の側面図(冷媒槽は断面図)である(第7実施例)。
【図24】沸騰冷却装置の側面図(冷媒槽は断面図)である(第8実施例)。
【図25】冷媒槽(押出材)の断面図である(第8実施例)。
【図26】沸騰冷却装置の正面図である(第9実施例)。
【図27】沸騰冷却装置の側面図である(第9実施例)。
【図28】沸騰冷却装置の側面図である(第10実施例)。
【図29】沸騰冷却装置の側面図である(第11実施例)。
【図30】沸騰冷却装置の側面図である(第12実施例)。
【図31】冷媒槽(押出材)の断面図である(第13実施例)。
【図32】冷媒槽(押出材)の正面図である(第13実施例)。
【図33】冷媒槽(押出材)の部分断面図である(第13実施例)。
【図34】冷媒槽(押出材)の部分断面図である(第14実施例)。
【図35】冷媒槽(押出材)の部分断面図である(第14実施例)。
【図36】冷媒槽(押出材)の部分断面図である(第14実施例)。
【図37】冷媒槽(押出材)の部分断面図である(第14実施例)。
【図38】沸騰冷却装置の側面図である(第15実施例)。
【図39】冷媒槽の断面図である(第15実施例)。
【図40】図38のD−D断面図である(第15実施例)。
【図41】冷媒槽の下部断面図である(第15実施例)。
【図42】沸騰冷却装置の正面図である(第16実施例)。
【図43】沸騰冷却装置の側面図である(第16実施例)。
【符号の説明】
1 沸騰冷却装置
2 IGBTモジュール(発熱体)
3 冷媒槽
3a 冷媒室
3b 中空通路
4 放熱器
6 ボルト(締結部材)
7 押出材
7a 厚肉部(中密部)
8 底板(閉塞部材)
9 蒸気通路
10 凝縮液通路
11 仕切壁(隔壁)
22 エンドキャップ(閉塞部材)
23 冷媒流制御板
24 隔壁
25 ナット(締結部材)
26 取付部材
26b 雌ねじ
28 取付孔
30〜32 支柱部
34 接続プレート(連結部材)
35 流出口(蒸気流出口)
38 連通路
39 放熱管
42 冷媒通路
44 流入側連通部
45 流出側連通部
46 一方の連通室(流入室)
47 他方の連通室(流出室)
51 連結管(連結部材)
70 押出材(第3実施例)

Claims (16)

  1. 表面に発熱体が取り付けられて、内部に前記発熱体の発する熱で気化する冷媒が収容された冷媒室を形成する冷媒槽と、
    前記冷媒室と連通して設けられ、前記冷媒室で気化した気相冷媒を凝縮液化する放熱器とを備え、
    前記冷媒槽は、押し出し成形された押出材を使用して構成され、厚み幅の薄い偏平形状を有し、その偏平表面に、前記発熱体が締結部材であるボルトの締め付けによって固定される沸騰冷却装置であって、
    前記押出材と別体に設けられて、前記ボルトを螺着するための雌ねじが形成された筒部を有する取付部材を備え、
    前記押出材には、前記発熱体を固定する前記ボルトの取り付けピッチに対応した位置に取付孔が形成され、この取付孔に前記取付部材が嵌め込まれて接合されていることを特徴とする沸騰冷却装置。
  2. 請求項1に記載した沸騰冷却装置において、
    前記取付孔は、前記押出材の一端面側に開口する第1の取付孔と、他端面側に開口する第2の取付孔とが形成され、
    前記取付部材は、前記第1の取付孔と前記第2の取付孔とに嵌め込まれて、前記押出材を貫通した状態で接合されていることを特徴とする沸騰冷却装置。
  3. 表面に発熱体が取り付けられて、内部に前記発熱体の発する熱で気化する冷媒が収容された冷媒室を形成する冷媒槽と、
    前記冷媒室と連通して設けられ、前記冷媒室で気化した気相冷媒を凝縮液化する放熱器とを備え、
    前記冷媒槽は、押し出し成形された押出材を使用して構成され、厚み幅の薄い偏平形状を有し、その偏平表面に、前記発熱体が締結部材であるボルトとナットの締め付けによって固定される沸騰冷却装置であって、
    前記押出材と別体に設けられて、前記ボルトを挿通する貫通孔が形成された筒形状を有する取付部材を備え、
    前記押出材には、前記発熱体を固定する前記ボルトの取り付けピッチに対応した位置に、前記押出材の一端面側に開口する第1の取付孔と、他端面側に開口する第2の取付孔とが形成され、前記取付部材が、前記第1の取付孔と前記第2の取付孔とに嵌め込まれて、前記押出材を貫通した状態で接合されていることを特徴とする沸騰冷却装置。
  4. 請求項3に記載した沸騰冷却装置において、
    前記発熱体は、前記第1の取付孔側から前記取付部材の貫通孔に挿通された前記ボルトに対し、前記第2の取付孔側より取り出された前記ボルトの螺子部に前記ナットを締め付けて固定されることを特徴とする沸騰冷却装置。
  5. 請求項1〜に記載した何れかの沸騰冷却装置において、
    前記冷媒槽は、前記冷媒室の内部に、前記発熱体の熱により気化した冷媒が前記冷媒室内を上昇する蒸気通路と、前記放熱器で凝縮液化した冷媒が前記冷媒室内を流下する凝縮液通路とが設けられて、前記蒸気通路と前記凝縮液通路が前記冷媒室内の下部で連通していることを特徴とする沸騰冷却装置。
  6. 請求項に記載した沸騰冷却装置において、
    前記蒸気通路と前記凝縮液通路は、前記押出材と一体に設けられて前記冷媒室の内部を厚み方向に分割する隔壁によって構成されていることを特徴とする沸騰冷却装置。
  7. 請求項に記載した沸騰冷却装置において、
    前記蒸気通路と前記凝縮液通路は、前記冷媒室内に配された冷媒流制御板により構成されていることを特徴とする沸騰冷却装置。
  8. 請求項1〜に記載した何れかの沸騰冷却装置において、
    前記冷媒槽は、複数の前記発熱体に対応して複数の前記冷媒室を有し、各冷媒室が各々連通して設けられていることを特徴とする沸騰冷却装置。
  9. 請求項に記載した沸騰冷却装置において、
    前記冷媒槽は、複数の前記冷媒室が並列に設けられた場合に、隣合う前記冷媒室同士の間に中空通路が形成されて、その中空通路の上部と下部とで各冷媒室に連通していることを特徴とする沸騰冷却装置。
  10. 請求項1〜に記載した何れかの沸騰冷却装置において、
    前記放熱器は、前記冷媒槽と一体に押し出し成形された押出材を使用して構成されていることを特徴とする沸騰冷却装置。
  11. 請求項1〜に記載した何れかの沸騰冷却装置
    押し出し成形によって前記押出材を成形した後、前記放熱器との連通口以外の開放端を閉塞部材により閉塞する工程を有することを特徴とする沸騰冷却装置の製造方法。
  12. 請求項10に記載した沸騰冷却装置は、
    押し出し成形によって前記押出材を成形した後、不要な部位を削除し、その後、前記押出材の所要な開放面を閉塞部材により閉塞する工程を有することを特徴とする沸騰冷却装置の製造方法。
  13. 請求項5〜9に記載した何れかの沸騰冷却装置において、
    前記放熱器は、前記冷媒槽に接続されて前記蒸気通路に通じる流入室および前記凝縮液通路に通じる流出室を形成する連結部材と、この連結部材に複数積層されて相互に連通して設けられた同一中空形状の放熱管とから成ることを特徴とする沸騰冷却装置。
  14. 請求項13に記載した沸騰冷却装置において、
    前記放熱管は、前記流入室に通じる流入側連通部、前記流出室に通じる流出側連通部、および前記流入側連通部と前記流出側連通部とを連通する冷媒通路を有し、前記流入側連通部から前記流出側連通部へ向かって前記冷媒通路の底面が下方へ傾斜していることを特徴とする沸騰冷却装置。
  15. 請求項13または14に記載した沸騰冷却装置において、
    前記冷媒槽は、前記押出材に設けられた少なくとも1本の支柱部によって複数の前記蒸気通路を有するとともに、前記発熱体の取付け位置より上方の側面に前記流入室に通じる蒸気流出口が開口して設けられ、
    前記支柱部の上部を削除することにより、複数の前記蒸気通路を前記蒸気流出口と連通させたことを特徴とする沸騰冷却装置。
  16. 請求項13に記載した沸騰冷却装置において、
    前記冷媒室内の下部で前記蒸気通路と前記凝縮液通路とを連通する連通路は、各通路を仕切るために前記押出材に設けられた支柱部の下部を削除して、その押出材の下端面に閉塞部材を接合することで構成されていることを特徴とする沸騰冷却装置。
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