JP2005017080A - 半導体加速度センサおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】センサ本体1は、矩形枠状のフレーム部11の内側に重り部12が配置されている。重り部12は、4つの撓み部13を介してフレーム部11に支持されている。また、センサ本体1では、抵抗体たるピエゾ抵抗R1x〜R4x,R1y〜R4y,R1z〜R4zが4つの撓み部13に適宜配置されている。撓み部13の幅寸法が主重り部12aから離れてフレーム部11に近づくにつれて徐々に大きくなっている。また、各撓み部13におけるフレーム部11側の端部13aを、主重り部12aから離れてフレーム部11に近づくほど厚み寸法が徐々に大きくなるような形状に形成するとともに、各撓み部13における主重り部12a側の端部13bを、フレーム部11から離れて主重り部12aに近づくほど厚み寸法が徐々に大きくなるような形状に形成してある。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車、家電製品などに用いられる半導体加速度センサおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から知られているピエゾ抵抗式の半導体加速度センサの一例として、複数方向それぞれの加速度に感度を有する半導体多軸加速度センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この種の半導体多軸加速度センサでは、例えば、図16に示すように、シリコン基板上にシリコンエピタキシャル層を成長した所謂エピ基板を用いて形成したセンサ本体1’の裏面にガラス製のカバー2が接合されている。
【0003】
センサ本体1’は、矩形枠状のフレーム部11’を備え、フレーム部11’の内側に配置された重り部12’がフレーム部11’よりも薄肉である4つの撓み部13’を介してフレーム部11’に連続一体に連結された構造を有しており、各撓み部13’には、それぞれひずみ検出素子として2個ずつのピエゾ抵抗Rが形成されている。
【0004】
ここにおいて、図16の左側に示したように、センサ本体1’の厚み方向をz軸方向、z軸方向に直交する平面においてフレーム部11’の一辺に沿った方向をx軸方向、この一辺に直交する辺に沿った方向をy軸方向と規定すれば、重り部12’は、x軸方向に延長された2つ1組の撓み部13’,13’と、y軸方向に延長された2つ1組の撓み部13’,13’とを介してフレーム部11’に支持されていることになり、x軸方向に延長された2つの撓み部13’,13’に形成された合計4つのピエゾ抵抗Rがブリッジ回路を構成するように金属配線17によって電気的に接続され、y軸方向に延長された2つの撓み部13’,13’に形成された合計4つのピエゾ抵抗Rが別のブリッジ回路を構成するように金属配線17によって電気的に接続されている。なお、各ブリッジ回路それぞれの各端子となるパッド16は各ブリッジ回路ごとに設けられフレーム部11’に形成されている。
【0005】
したがって、センサ本体1’にx軸方向ないしy軸方向の成分を含む外力(すなわち、加速度)が作用すると、重り部12’の慣性によってフレーム部11’に対して重り部12’が変位し、結果的に撓み部13’が撓んで当該撓み部13’に形成されているピエゾ抵抗Rの抵抗値が変化することになる。つまり、ピエゾ抵抗Rの抵抗値の変化を検出することによりセンサ本体1’に作用したx軸方向ないしy軸方向の加速度をそれぞれ検出することができる。
【0006】
ところで、センサ本体1’では、x軸方向およびy軸方向それぞれの加速度の検出感度の高感度化を図るために、各軸方向の加速度が作用した際に撓み部13’において発生する応力が最大となる重り部12’近傍の部分(応力集中部)にピエゾ抵抗Rを配置してある。つまり、ピエゾ抵抗Rの形成位置を最適化することでx軸方向およびy軸方向それぞれの加速度を高感度で検出できるようにしてある。なお、x軸方向およびy軸方向以外にz軸方向の加速度を高感度に検出できるような構成とするには、z軸方向の加速度が作用した際に各撓み部13’において発生する応力が最大となるフレーム部11’近傍の部分(応力集中部)にピエゾ抵抗を1つずつ配置すればよい。
【0007】
また、センサ本体1’に関しては、重り部12’の質量をm、撓み部13’の長さ寸法をL、撓み部13’の幅寸法をH、撓み部13’の厚み寸法をt、印加された加速度をα、感度をKとすれば、
K∝(m×L×α)/(H×t2)
という関係があり、撓み部13’の厚み寸法tを小さくしたり、撓み部13’の幅寸法Hを小さくしたり、撓み部13’の長さ寸法Lを大きくしたりすることにより高感度化を図ることができる。なお、上述の撓み部13’は、幅寸法Hおよび厚み寸法tが長手方向の全長に亘って均一となるように形成されており、長手方向に直交する断面形状および幅方向(短手方向)に直交する断面形状のいずれも細長の長方形状となっている。
【0008】
また、上述のカバー2’は、外形が矩形状であって、センサ本体1’におけるフレーム部11’の裏面に周部が陽極接合により接合されており、重り部12’との対向面に重り部12’の移動範囲を確保するための凹所2a’が形成されている。なお、センサ本体1’とカバー2’とで構成されるセンサチップは、パッケージ(図示せず)にエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などの接着剤により固着して使用されるのが一般的である。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−160348号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、半導体加速度センサは使用温度範囲が例えばー40℃〜80℃と比較的広いものであるから、重要な特性項目として感度の他に出力値の温度特性がある。
【0011】
しかしながら、上記従来構成の半導体多軸加速度センサでは、環境温度が変化する条件下で使用した場合、上記パッケージの熱収縮またはフレーム部11’の材料であるシリコンとカバー2’の材料であるガラスとの熱膨張係数差に起因する応力ひずみが発生し、この応力ひずみがセンサ本体1’のフレーム部11’へ伝達され、さらにフレーム部11’から撓み部13’へ伝達される。
【0012】
従来から1軸方向のみの加速度を検出する半導体加速度センサとして、いわゆる片持ち梁式の半導体加速度センサが知られているが、片持ち梁式の半導体加速度センサでは重り部において撓み部(梁)に連結されていない側が開放端となっているので、フレーム部から撓み部へ伝達する応力は重り部の変位により開放されることとなる。しかしながら、両持ち梁式の半導体加速度センサ、特に上述の半導体多軸加速度センサのように4つの撓み部(梁)13’が重り部12’を中心として十字状に配置された両持ち梁式の半導体多軸加速度センサにおいては、重り部12’が四方から拘束されているので、フレーム部11’から撓み部13’へ伝達した応力が撓み部13’に内在し、この応力を開放するために重り部12’がカバー2’に近づく向きへ変位することになる。つまり、上述の半導体多軸加速度センサは、加速度が印加されていない静止条件下でも周囲温度が変化すると、フレーム部11’の収縮などによる応力変化に伴い重り部12’がz軸方向(上下方向)に変位してしまうので、出力値の温度特性が悪化してしまうという不具合があった。また、上述の半導体多軸加速度センサでは、熱応力を主要因とした経時的な特性変動やヒステリシス特性が発生してしまうという不具合があった。
【0013】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、温度特性の優れた半導体加速度センサおよびその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、枠状のフレーム部の内側に配置した重り部が重り部を挟んで配置された少なくとも1組の撓み部を介してフレーム部に支持され、フレーム部に対する重り部の変位により撓み部に生じるひずみによって抵抗率の変化する抵抗体が撓み部に形成されたセンサ本体を備えた半導体加速度センサであって、各撓み部それぞれにおけるフレーム部側の端部が、重り部から離れてフレーム部に近づくほど幅寸法と厚み寸法との少なくとも一方が大きくなるような形状に形成されてなることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、各撓み部それぞれにおけるフレーム部側の端部が、重り部から離れてフレーム部に近づくほど幅寸法と厚み寸法との少なくとも一方が大きくなるような形状に形成されていることにより、各撓み部それぞれにおけるフレーム部側の端部では重り部から離れてフレーム部に近づくほど長手方向に直交する断面の断面積が大きくなっており、従来のように各撓み部それぞれについて厚み寸法および幅寸法が長手方向の全体にわたって均一に形成されている両持ち梁式の半導体加速度センサに比べて、各撓み部それぞれにおけるフレーム部側の端部の剛性を高めることができ(つまり、ばね係数を大きくすることができ)、フレーム部から各撓み部へ伝達する熱応力に起因した重り部の変位を少なくすることができるから、温度特性を向上させることができ、しかも、経時的な特性変動やヒステリシス特性の発生を抑制することができる。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記各撓み部それぞれにおける前記フレーム部側の端部が、前記重り部から離れて前記フレーム部に近づくほど幅寸法と厚み寸法との両方が大きくなるような形状に形成されてなることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、前記各撓み部それぞれにおける前記フレーム部側の端部が、前記重り部から離れて前記フレーム部に近づくほど幅寸法と厚み寸法とのいずれか一方のみが大きくなるような形状に形成されている場合に比べて、前記各撓み部それぞれにおける前記フレーム部側の端部での断面積を大きくすることができて、前記各撓み部それぞれにおける前記フレーム部側の端部の剛性をより高めることができ、前記フレーム部から前記各撓み部へ伝達する熱応力に起因した前記重り部の変位をより少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができる。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記各撓み部は、長手方向における略中央から前記フレーム部に近づくほど幅寸法と厚み寸法との少なくとも一方が大きくなるような形状に形成されてなることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、前記各撓み部それぞれにおける前記フレーム部側の端部のみで前記重り部から離れて前記フレーム部に近づくほど幅寸法と厚み寸法との少なくとも一方が大きくなるような形状に形成されている場合に比べて、前記フレーム部から前記各撓み部へ伝達する熱応力に起因した前記重り部の変位をより少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができる。
【0020】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記各撓み部は、長手方向における略中央から前記フレーム部に近づくほど幅寸法と厚み寸法との両方が大きくなるような形状に形成されてなることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、前記各撓み部それぞれにおける前記フレーム部側の端部のみで前記重り部から離れて前記フレーム部に近づくほど幅寸法と厚み寸法との両方が大きくなるような形状に形成されている場合に比べて、前記フレーム部から前記各撓み部へ伝達する熱応力に起因した前記重り部の変位をより少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができる。
【0022】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記各撓み部は、前記フレーム部側の端部において幅寸法に関係する幅方向の両側面と厚み寸法に関係する厚み方向の一面との少なくとも一方が曲面に形成されてなることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、過大な加速度が印加されたときに前記各撓み部における前記フレーム部側の端部での応力集中を緩和することができ、耐衝撃性が向上する。
【0024】
請求項6の発明は、請求項3の発明において、前記各撓み部は、長手方向における略中央から前記フレーム部までの部位において幅寸法に関係する幅方向の両側面と厚み寸法に関係する厚み方向の一面との少なくとも一方が曲面に形成されてなることを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、過大な加速度が印加されたときに前記各撓み部における前記フレーム部側の端部での応力集中を緩和することができ、耐衝撃性が向上する。
【0026】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、前記各撓み部それぞれにおける前記重り部側の端部が、前記フレーム部から離れて前記重り部に近づくほど幅寸法と厚み寸法との少なくとも一方が大きくなるような形状に形成されてなることを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、前記各撓み部それぞれにおける前記重り部側の端部の剛性を高めることができ、前記フレーム部から前記各撓み部へ伝達する熱応力に起因した前記重り部の変位をさらに少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができる。特に、前記各撓み部それぞれにおける前記重り部側の端部付近に抵抗体を配置してブリッジ回路を構成したような場合に、当該ブリッジ回路の出力値の温度特性を向上させることができる。
【0028】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、前記各撓み部それぞれにおける前記重り部側の端部が、前記フレーム部から離れて前記重り部に近づくほど幅寸法と厚み寸法との両方が大きくなるような形状に形成されてなることを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、前記各撓み部それぞれにおける前記重り部側の端部の剛性を高めることができ、前記フレーム部から前記各撓み部へ伝達する熱応力に起因した前記重り部の変位をさらに少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができる。特に、前記各撓み部それぞれにおける前記重り部側の端部付近に抵抗体を配置してブリッジ回路を構成したような場合に、当該ブリッジ回路の出力値の温度特性を向上させることができる。
【0030】
請求項9の発明は、請求項7の発明において、前記各撓み部は、前記重り部側の端部において幅寸法に関係する幅方向の両側面と厚み寸法に関係する厚み方向の一面との少なくとも一方が曲面に形成されてなることを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、過大な加速度が印加されたときに前記各撓み部における前記重り部側の端部での応力集中を緩和することができ、耐衝撃性が向上する。
【0032】
請求項10の発明は、請求項8の発明において、前記各撓み部は、前記重り部側の端部において幅寸法に関係する幅方向の両側面と厚み寸法に関係する厚み方向の一面とがそれぞれ曲面に形成されてなることを特徴とする。
【0033】
この発明によれば、過大な加速度が印加されたときに前記各撓み部における前記重り部側の端部での応力集中を緩和することができ、耐衝撃性が向上する。
【0034】
請求項11の発明は、請求項1ないし請求項10の発明において、前記各撓み部は、長手方向に直交する断面の断面形状が台形状となるような形状に形成されてなることを特徴とする。
【0035】
この発明によれば、前記各撓み部における表面側の剛性を裏面側の剛性に比べて高めることができ、熱応力による前記各撓み部の撓みを抑制することができる。
【0036】
請求項12の発明は、請求項1ないし請求項10の発明において、前記各撓み部は、長手方向に直交する断面形状における両側縁が互いに近づく向きに凹んだ円弧状に形成されてなることを特徴とする。
【0037】
この発明によれば、前記各撓み部それぞれの両側面の面積を大きくすることができ、熱応力による前記各撓み部の撓みを抑制することができる。
【0038】
請求項13の発明は、請求項1の発明において、前記各撓み部それぞれにおける長手方向の両端部が、長手方向の中央から離れるほど厚み寸法が大きくなるような形状に形成されてなることを特徴とする。
【0039】
この発明によれば、前記各撓み部それぞれにおける長手方向の両端部の剛性を高めることができ、前記フレーム部から前記各撓み部へ伝達する熱応力に起因した前記重り部の変位をさらに少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができる。
【0040】
請求項14の発明は、請求項1の発明において、前記各撓み部は前記重り部から離れて前記フレーム部に近づくほど厚み寸法が大きくなるような形状に形成されてなることを特徴とする。
【0041】
この発明によれば、前記フレーム部から前記各撓み部へ伝達する熱応力に起因した前記重り部の変位をさらに少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができる。
【0042】
請求項15の発明は、請求項11記載の半導体加速度センサの製造方法であって、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜が介在するSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板を裏面側から埋込酸化膜に達する深さまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後でSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板を表面側から埋込酸化膜に達する深さまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で埋込酸化膜の露出した部分をエッチングして除去する分離エッチング工程とを備え、表面側パターニング工程では、湿式の異方性エッチングにてシリコン層をエッチングすることを特徴とする。
【0043】
この発明によれば、表面側パターニング工程でSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板のシリコン層を表面側から埋込酸化膜に達する深さまで湿式の異方性エッチングにてエッチングすることにより、シリコン層のうち前記各撓み部に対応する部分それぞれの断面形状を台形状とすることができ、表面側パターニング工程の後で埋込酸化膜の露出した部分をエッチングして除去することにより前記各撓み部それぞれの断面形状を台形状としたまま前記フレーム部と前記重り部とを分離することができるから、温度特性の優れた半導体加速度センサを提供することができる。
【0044】
請求項16の発明は、請求項12記載の半導体加速度センサの製造方法であって、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜が介在するSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板を裏面側から埋込酸化膜に達する深さまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後でSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板を表面側から埋込酸化膜に達する深さまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で埋込酸化膜の露出した部分をエッチングして除去する分離エッチング工程とを備え、表面側パターニング工程では、湿式の等方性エッチングにてシリコン層をエッチングすることを特徴とする。
【0045】
この発明によれば、表面側パターニング工程でSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板のシリコン層を表面側から埋込酸化膜に達する深さまで湿式の等方性エッチングにてエッチングすることにより、前記各撓み部の長手方向に直交する断面形状における両側縁を互いに近づく向きに凹んだ円弧状に形成することができ、表面側パターニング工程の後で埋込酸化膜の露出した部分をエッチングして除去することにより前記各撓み部それぞれの長手方向に直交する断面形状における幅方向の両側縁が互いに近づく向きに凹んだ円弧状に形成することができるから、温度特性の優れた半導体加速度センサを提供することができる。
【0046】
請求項17の発明は、請求項13記載の半導体加速度センサの製造方法であって、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜が介在するSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板を裏面側から埋込酸化膜に達する深さまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後で埋込酸化膜をエッチングストッパ層として湿式の異方性エッチングにてシリコン基板の一部をエッチングすることで前記各撓み部それぞれに対応する部分の両端部の裏面側に厚み寸法が両端に近づくほど大きくなるような傾斜面を形成するテーパーエッチング工程と、テーパーエッチング工程の後でSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板を表面側から埋込酸化膜に達する深さまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で埋込酸化膜の露出した部分をエッチングして除去する分離エッチング工程とを備えることを特徴とする。
【0047】
この発明によれば、裏面側パターニング工程の後でテーパエッチング工程を行うことにより、前記各撓み部それぞれに対応する部分において前記フレーム部側の端部では前記フレーム部に近づくほど厚み寸法が徐々に大きくなり、前記重り部側の端部では前記重り部に近づくほど厚み寸法が徐々に大きくなるので、前記各撓み部それぞれの長手方向の両端部の剛性を高めることができ、温度特性の優れた半導体加速度センサを提供することができる。
【0048】
請求項18の発明は、請求項13記載の半導体加速度センサの製造方法であって、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜が介在するSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板を裏面側から埋込酸化膜に達する深さまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後でSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板を表面側から埋込酸化膜に達する深さまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で埋込酸化膜の露出した部分をエッチングして除去する分離エッチング工程とを備え、表面側パターニング工程において湿式の異方性エッチングを採用してシリコン層のエッチングと同時にシリコン基板の一部をエッチングすることで前記各撓み部それぞれに対応する部分の両端部の裏面側に厚み寸法が両端に近づくほど大きくなるような傾斜面を形成することを特徴とする。
【0049】
この発明によれば、表面側パターニング工程において湿式の異方性エッチングを採用してシリコン層のエッチングと同時にシリコン基板の一部をエッチングすることで前記各撓み部それぞれに対応する部分の両端部の裏面側に厚み寸法が両端に近づくほど大きくなるような傾斜面を形成することができるので、温度特性の優れた半導体加速度センサを請求項17の発明に比べて少ない工程数で製造することができる。
【0050】
請求項19の発明は、請求項14記載の半導体加速度センサの製造方法であって、シリコン基板の裏面側において前記フレーム部に対応する部位に重なり厚み寸法が一様に設定された第1の保護マスク部と前記重り部に対応する部位に重なり厚み寸法が一様に設定された第2の保護マスク部と前記各撓み部それぞれに対応する部位に重なり第2の保護マスク部から離れ第1の保護マスク部に近づくにつれて厚み寸法が徐々に大きくなるように設定された傾斜転写用マスク部とを有するマスク材層を形成するマスク材層形成工程と、マスク材層形成工程の後で第1の保護マスク部および第2の保護マスク部が残り傾斜転写用マスク部がなくなってシリコン基板の一部がエッチングされるようにエッチングを行う転写工程と、転写工程の後で前記重り部および前記フレーム部に対応する部分が残り前記各撓み部に対応する部分が所望の厚さになるようにシリコン基板を裏面側からドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後でシリコン基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るようにシリコン基板を表面側からエッチングする表面側パターニング工程とを備えることを特徴とする。
【0051】
この発明によれば、シリコン基板の裏面側にマスク材層を形成した後、マスク材層の傾斜転写用マスク部がなくなるまでエッチングを行うことにより、前記各撓み部に対応する部分が前記重り部から離れて前記フレーム部に近づくほど厚み寸法が大きくなるような形状に形成されるので、前記各撓み部における前記フレーム部側の端部の剛性を高めることができ、温度特性の優れた半導体加速度センサを提供することができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態では、半導体加速度センサとして、複数方向の加速度をそれぞれ検出する半導体多軸加速度センサを例示する。
【0053】
本実施形態の半導体多軸加速度センサは、図1に示すように、厚み方向の中間部にシリコン酸化膜からなる埋込酸化膜102を有するSOI基板100(図4(a)参照)を用いて形成したセンサ本体1の裏面にガラス製のカバー2を陽極接合により固着した構造を有する。なお、SOI基板100は、シリコン基板からなる支持基板101とn形のシリコン層(シリコン活性層)103との間に絶縁層である埋込酸化膜102が形成された所謂SOIウェハの一部により構成される。
【0054】
センサ本体1は、矩形枠状のフレーム部11を備え、フレーム部11の内側に配置された重り部12がフレーム部11よりも薄肉である4つの撓み部13を介してフレーム部11に連続一体に連結された構造を有している。ここにおいて、センサ本体1は、重り部12における埋込酸化膜102よりも裏面側の部分の厚さがフレーム部11における埋込酸化膜102よりも裏面側の部分の厚さに比べて薄くなっており、フレーム部11の裏面が全周にわたって矩形状のカバー2の周部に接合されている。したがって、重り部12の裏面とカバー2との間には重り部12の厚さ方向への重り部12の変位を可能とする隙間が形成されている。なお、本実施形態では、カバー2における重り部12との対向面に重り部12の移動範囲を確保するための凹所2aを形成してあるが、上述のように重り部12における埋込酸化膜102よりも裏面側の部分の厚さがフレーム部11における埋込酸化膜102よりも裏面側の部分の厚さに比べて薄くしてある場合には凹所2aを必ずしも設ける必要はない。逆にカバー2における重り部12との対向面に凹所2aを形成するのであれば、重り部12における埋込酸化膜102よりも裏面側の部分の厚さをフレーム部11における埋込酸化膜102よりも裏面側の部分の厚さと同じに設定してもよい。
【0055】
重り部12は、上述の4つの撓み部13を介してフレーム部11に支持された直方体状の主重り部12aと、センサ本体1の主表面側から見て主重り部12aの四隅それぞれに連続一体に連結された平面形状が菱形状の4つの付加重り部12bとを有している。つまり、各付加重り部12bは、フレーム部11と主重り部12aと互いに直交する方向に延長された2つの撓み部13,13とで囲まれる空間に配置され、各付加重り部12bそれぞれの周囲には主重り部12aとの連結部位を除いてスリット14が形成されている。なお、各付加重り部12bは、上述のSOI基板100の支持基板101の一部により構成されており、付加重り部12bの表面は主重り部12aの表面を含む平面からカバー2側へ離間して位置している。
【0056】
ところで、図1(a)の左下に示したように、センサ本体1の厚み方向をz軸方向、z軸方向に直交する平面において矩形枠状のフレーム部11の一辺に沿った方向をx軸方向、この一辺に直交する辺に沿った方向をy軸方向と規定すれば、重り部12は、x軸方向に延長されて主重り部12aを挟む2つ1組の撓み部13,13と、y軸方向に延長されて主重り部12aを挟む2つ1組の撓み部13,13とを介してフレーム部11に支持されていることになる。なお、重り部12は、主重り部12aだけでも重りとして機能するので、重り部12を主重り部12aのみで構成してもよいが、付加重り部12bを付加することにより加速度センサの感度を高めることができる。
【0057】
x軸方向を長手方向とする2つの撓み部13,13のうち図1(a)の左側の撓み部13は長手方向において主重り部12a近傍(重り部12側の端部13b)に2つのピエゾ抵抗R1x,R3xが形成されるとともにフレーム部11近傍(フレーム部11側の端部13a)に1つのピエゾ抵抗R4zが形成され、図1(a)の右側の撓み部13は長手方向において主重り部12a近傍に2つのピエゾ抵抗R2x,R4xが形成されるとともにフレーム部11近傍に1つのピエゾ抵抗R2zが形成されている。ここに、主重り部12a近傍の4つのピエゾ抵抗R1x,R2x,R3x,R4xは、x軸方向の加速度を検出するために形成されたものであって、長手方向を撓み部13の長手方向に一致させてあり、金属配線や拡散層配線などの配線(図示せず)を介して第1のブリッジ回路(図示せず)を構成するように接続されている。なお、ピエゾ抵抗R1x〜R4xは、x軸方向の加速度が作用したときに図1(a)の左右の撓み部13において最大応力が発生する領域(応力集中部)に形成されている。
【0058】
y軸方向を長手方向とする2つの撓み部13,13のうち図1(a)の上側の撓み部13は長手方向において主重り部12a近傍に2つのピエゾ抵抗R1y,R3yが形成されるとともにフレーム部11近傍に1つのピエゾ抵抗R1zが形成され、図1(a)の下側の撓み部13は長手方向において主重り部12a近傍に2つのピエゾ抵抗R2y,R4yが形成されるとともにフレーム部11近傍に1つのピエゾ抵抗R3zが形成されている。ここに、主重り部12a近傍の4つのピエゾ抵抗R1y,R2y,R3y,R4yは、y軸方向の加速度を検出するために形成されたものであり、長手方向を撓み部13の長手方向に一致させてあり、金属配線や拡散層配線などの配線(図示せず)を介して第2のブリッジ回路(図示せず)を構成するように接続されている。なお、ピエゾ抵抗R1y〜R4yは、y軸方向の加速度が作用したときに図1(a)の上下の撓み部13において最大応力が発生する領域(応力集中部)に形成されている。
【0059】
また、フレーム部11近傍の4つのピエゾ抵抗R1z,R2z,R3z,R4zは、z軸方向の加速度を検出するために形成されたものであり、金属配線や拡散層配線などの配線(図示せず)を介して第3のブリッジ回路(図示せず)を構成するように接続されている。ただし、ピエゾ抵抗R1z〜R4zは、z軸方向の加速度が作用したときに各撓み部13において最大応力が発生する領域に形成されている。また、2つ1組となる撓み部13,13のうち一方の組の撓み部13,13に形成したピエゾ抵抗R1z,R4zは長手方向が撓み部13,13の長手方向と一致するように形成されているのに対して、他方の組の撓み部13,13に形成したピエゾ抵抗R2z,R3zは長手方向が撓み部13,13の幅方向(短手方向)と一致するように形成されている。
【0060】
なお、フレーム部11には、8個のパッド(図示せず)を設けてあり、上述の各ブリッジ回路それぞれの出力端子となるパッドは各ブリッジ回路ごとに設けてあるが、各ブリッジ回路の入力端子となるパッドは3つのブリッジ回路で共通化されている(つまり、3つのブリッジ回路に対する入力端子としては2つのパッドのみ設けてある)。また、本実施形態では、ピエゾ抵抗R1x〜R4x,R1y〜R4y,R1z〜R4zそれぞれが、フレーム部11に対する重り部12の変位により撓み部13に生じるひずみによって抵抗率の変化する抵抗体を構成している。
【0061】
以下、加速度の検出原理について説明するが、検出原理は周知なので簡単に説明する。
【0062】
いま、センサ本体1にx軸方向の成分を含む外力(すなわち、加速度)が作用したとすると、重り部12の慣性によってフレーム部11に対して重り部12が変位し、結果的に図1(a)の左右の撓み部13,13が撓んで当該撓み部13,13に形成されているピエゾ抵抗R1x〜R4xの抵抗値が変化することになり、上記第1のブリッジ回路の出力電圧が変化するから、ピエゾ抵抗R1x〜R4xの抵抗値の変化を検出することによりセンサ本体1に作用したx軸方向の加速度を検出することができるのである。なお、x軸方向の加速度が作用したときには、上記第2のブリッジ回路および上記第3のブリッジ回路では抵抗値の増減が相殺されて出力電圧は略零となる。
【0063】
同様に、センサ本体1にy軸方向の成分を含む外力(すなわち、加速度)が作用したとすると、重り部12の慣性によってフレーム部11に対して重り部12が変位し、結果的に図1(a)の上下の撓み部13,13が撓んで当該撓み部13,13に形成されているピエゾ抵抗R1y〜R4yの抵抗値が変化することになり、上記第2のブリッジ回路の出力電圧が変化するから、ピエゾ抵抗R1y〜R4yの抵抗値の変化を検出することによりセンサ本体1に作用したy軸方向の加速度を検出することができるのである。
【0064】
また、センサ本体1にz軸方向の成分を含む外力(すなわち、加速度)が作用したとすると、重り部12の慣性によってフレーム部11に対して重り部12が変位し、結果的に各撓み部13が撓んで当該各撓み部13に形成されているピエゾ抵抗R1z〜R4zの抵抗値が変化することになる。ここにおいて、ピエゾ抵抗R1z〜Rz4は同じ応力を受けるが、ピエゾ抵抗R1z,R3zでは撓み部13の長手方向に沿った向きで電流が流れるのに対してピエゾ抵抗R2z,R4zでは撓み部13の幅方向に沿った向きで電流が流れることによりピエゾ抵抗R1z,R3zとピエゾ抵抗R2z,R4zとで抵抗値の増減が逆となり、上記第3のブリッジ回路の出力電圧が変化するから、ピエゾ抵抗R1z〜R4zの抵抗値の変化を検出することによりセンサ本体1に作用したz軸方向の加速度を検出することができるのである。
【0065】
なお、本実施形態では、上述のシリコン層103の導電形がn形なので、各ピエゾ抵抗R1x〜R4x、R1y〜R4y、R1z〜R4zの導電形をp形としてあるが、シリコン層103の導電形がp形の場合には各ピエゾ抵抗R1x〜R4x,R1y〜R4y,R1z〜R4zの導電形をn形とすればよい。また、SOI基板100については、支持基板101の厚さが400〜600μm程度、埋込酸化膜102の厚さが0.3〜1.5μm程度、シリコン層103の厚さが4〜6μm程度に設定してあるが、これらの数値は特に限定するものではない。また、SOI基板100としては、表面(シリコン層103の表面)が(100)面のものを用いている。
【0066】
ところで、本実施形態の半導体多軸加速度センサにおいては、図1(a)に示すように、撓み部13の幅寸法が重り部12の主重り部12aから離れてフレーム部11に近づくにつれて徐々に大きくなっている。要するに、本実施形態では、各撓み部13それぞれの長手方向におけるフレーム部11側の端部13aを、主重り部12aから離れてフレーム部11に近づくほど幅寸法が徐々に大きくなるような形状に形成してある。また、本実施形態では、図1(b)に示すように、各撓み部13それぞれの長手方向におけるフレーム部11側の端部13aを、主重り部12aから離れてフレーム部11に近づくほど厚み寸法が徐々に大きくなるような形状に形成するとともに、各撓み部13それぞれの長手方向における主重り部12a側の端部13bを、フレーム部11から離れて主重り部12aに近づくほど厚み寸法が徐々に大きくなるような形状に形成してある。なお、本実施形態における各撓み部13は、長手方向に直交する断面の断面形状が図2に示すような細長(撓み部13の幅方向に細長)の長方形状に形成されている。
【0067】
しかして、本実施形態の半導体多軸加速度センサでは、各撓み部13それぞれにおけるフレーム部11側の端部13aを、重り部12から離れてフレーム部11に近づくほど幅寸法と厚み寸法との両方が大きくなるような形状に形成していることにより、各撓み部13それぞれにおけるフレーム部11側の端部13aでは重り部12から離れてフレーム部11に近づくほど長手方向に直交する断面の断面積が大きくなっており、図16に示した従来構成のように各撓み部13’それぞれについて厚み寸法および幅寸法が長手方向の全体にわたって均一に形成されているものに比べて、各撓み部13それぞれにおけるフレーム部11側の端部13aの剛性を高めることができる(つまり、ばね係数を大きくすることができる)。その結果、フレーム部11から各撓み部13へ伝達する熱応力に起因した重り部12の変位を少なくすることができるから、温度特性を向上させることができ、特に、各撓み部13それぞれにおけるフレーム部11側の端部13a付近に抵抗体を配置してブリッジ回路を構成した上記第3のブリッジ回路の出力値の温度特性を向上させることができ、しかも、経時的な特性変動やヒステリシス特性の発生を抑制することができる。
【0068】
なお、本実施形態では、各撓み部13それぞれにおけるフレーム部11側の端部13aを、重り部12から離れてフレーム部11に近づくほど幅寸法と厚み寸法との両方が大きくなるような形状に形成してあるが、幅寸法と厚み寸法との少なくとも一方が大きくなるような形状に形成すればよい。ただし、本実施形態のように各撓み部13それぞれにおけるフレーム部11側の端部13aを、重り部12から離れてフレーム部11に近づくほど幅寸法と厚み寸法との両方が大きくなるような形状に形成することにより、重り部12から離れてフレーム部11に近づくほど幅寸法と厚み寸法とのいずれか一方のみが大きくなるような形状に形成されている場合に比べて、各撓み部13それぞれにおけるフレーム部11側の端部13aでの断面積を大きくすることができて、各撓み部13それぞれにおけるフレーム部11側の端部13aの剛性をより高めることができ、フレーム部11から各撓み部13へ伝達する熱応力に起因した重り部12の変位をより少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができる。また、本実施形態では、各撓み部13を、長手方向における略中央からフレーム部11に近づくほど幅寸法が大きくなるような形状に形成してあるので、各撓み部13それぞれにおけるフレーム部11側の端部13aのみで重り部12から離れてフレーム部11に近づくほど幅寸法が大きくなるような形状に形成されている場合に比べて、フレーム部11から撓み部13へ伝達する熱応力に起因した重り部12の変位をより少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができる。
【0069】
また、本実施形態の半導体多軸加速度センサでは、各撓み部13それぞれにおける重り部12側の端部13bを、フレーム部11から離れて重り部12に近づくほど厚み寸法が大きくなるような形状に形成してあるので、各撓み部13それぞれにおける重り部12側の端部13bの剛性を高めることができ、フレーム部11から各撓み部13へ伝達する熱応力に起因した重り部12の変位をさらに少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができる。特に、各撓み部13それぞれにおける重り部12側の端部13b付近に抵抗体を配置してブリッジ回路を構成した上記第1のブリッジ回路および上記第2のブリッジ回路の出力値の温度特性を向上させることができる。
【0070】
なお、本実施形態では、上述のSOI基板100を用いてセンサ本体1を形成してあるが、シリコン基板を用いてセンサ本体1を形成してもよく、シリコン基板を用いてセンサ本体1を形成した場合、センサ本体1の撓み部13は図3に示すような断面形状とすればよい。すなわち、図3に示す構成のセンサ本体1においても、各撓み部13それぞれにおける長手方向の両端部13a,13bを、両端に近づくにつれて徐々に厚みが大きくなるような形状に形成してある。
【0071】
以下、上述の図1に示したセンサチップの製造方法について図4および図5を参照しながら説明するが、図4は図1(a)のA−A’断面に対応する部分の断面を示し、図5は図1(a)のB−B’断面に対応する部分の断面を示している。
【0072】
まず、図4(a)および図5(a)に示すようなSOI基板100の表面側および裏面側にパイロジェニック酸化法によってシリコン酸化膜(図示せず)を形成し、その後、フォトリソグラフィ技術を利用して、SOI基板100の裏面側に凹所100aを形成するためにパターニングされた第1のレジスト層(図示せず)を形成し、第1のレジスト層をマスクとしてSOI基板100の裏面側のシリコン酸化膜をエッチングすることで当該シリコン酸化膜をパターニングしてから、第1のレジスト層を除去する。続いて、SOI基板100の裏面側のパターニングされたシリコン酸化膜をマスクとしてSOI基板100を裏面側から所定深さ(この所定深さは、重り部12とカバー2との間に形成する隙間の寸法に応じて適宜設定すればよい)までエッチングすることで凹所100aを形成することによって、図4(b)および図5(b)に示す構造を得る。なお、凹所100aを形成するエッチング工程では、KOH(水酸化カリウム水溶液)やTMAH(テトラメチルアンモニウム水溶液)のようなアルカリ系溶液を用いた湿式のエッチングを行うようにしてもよいし、RIE(反応性イオンエッチング)などのドライエッチングを行うようにしてもよい。
【0073】
その後、フォトリソグラフィ技術を利用して、上記拡散層配線を形成するためにパターニングされた第2のレジスト層(図示せず)をSOI基板100の表面側のシリコン酸化膜上に形成し、続いて、第2のレジスト層をマスクとしてSOI基板100の表面側のシリコン酸化膜の一部をエッチングしてから、第2のレジスト層を除去し、SOI基板100の表面側のパターニングされたシリコン酸化膜をマスクとしてp形不純物(例えば、ボロン)を拡散炉にてシリコン層103の内部へ導入する。その後、p形不純物の拡散による拡散層配線の形成と同時に、露出したシリコン層103表面にシリコン酸化膜を形成する。この拡散の際に形成されたシリコン酸化膜と最初にSOI基板100の表面側に形成した上述のシリコン酸化膜とでシリコン酸化膜からなる絶縁膜を構成している。なお、この工程におけるプロセス条件としては、例えば、処理温度(拡散温度)を1100℃、処理時間(拡散時間)を30分に設定してあり、処理炉(拡散炉)内の雰囲気を水蒸気と酸素との混合気体としてある。また、シリコン層103の内部へのp形不純物の導入はイオン注入により行ってもよい。
【0074】
次に、フォトリソグラフィ技術を利用して上記各ピエゾ抵抗R1x〜R4x,R1y〜R4y,Rz1〜R4zを形成するためにパターニングされた第3のレジスト層(図示せず)を上記絶縁膜上に形成し、続いて、第3のレジスト層をマスクとしてSOI基板100の表面側の絶縁膜の一部をエッチングしてから、第3のレジスト層を除去し、SOI基板100の表面側のパターニングされた絶縁膜をマスクとしてp形不純物(例えば、ボロン)を拡散炉にてシリコン層103の内部へ導入する。その後、p形不純物の拡散による各ピエゾ抵抗R1x〜R4x,R1y〜R4y,Rz1〜R4zの形成と同時に、露出したシリコン層103表面に第3の所定膜厚のシリコン酸化膜を形成する。この拡散の際に形成されたシリコン酸化膜と上記絶縁膜とでシリコン酸化膜からなる保護膜を構成している。なお、この工程におけるプロセス条件としては、例えば、処理温度(拡散温度)を1100℃、処理時間(拡散時間)を30分に設定してあり、処理炉(拡散炉)内の雰囲気を水蒸気と酸素との混合気体としてある。また、シリコン層103の内部へのp形不純物の導入はイオン注入により行ってもよい。なお、本実施形態では、保護膜をシリコン酸化膜により構成しているが、シリコン酸化膜と当該シリコン酸化膜上に積層したシリコン窒化膜とで保護膜を構成するようにしてもよい。
【0075】
続いて、上記保護膜にコンタクトホールを形成し、コンタクトホールを通して上記拡散層配線に電気的に接続された上記金属配線および上記パッドを形成した後で、SOI基板100においてフレーム部11および各撓み部13および重り部12に対応する部分が残るように埋込酸化膜102をエッチングストッパ層としてスリット14および撓み部13に対応する部位を裏面側から埋込酸化膜102に達する深さまで垂直にドライエッチングする裏面側パターニング工程を行うことによって、図4(c)および図5(c)に示す構造を得る。なお、この裏面側パターニング工程におけるエッチングマスクとしては、例えばレジストを用いればよく、エッチング装置としては、例えば、誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置を用いればよい。
【0076】
裏面側パターニング工程の後、埋込酸化膜をエッチングストッパ層として湿式の異方性エッチングにてSOI基板100における支持基板101の一部をエッチングすることで各撓み部13それぞれに対応する部分の両端部の裏面側に厚み寸法が両端に近づくほど大きくなるような傾斜面を形成するテーパーエッチング工程を行うことによって、図4(d)および図5(d)に示す構造を得る。なお、このテーパーエッチング工程では、SOI基板100の裏面側の上記シリコン酸化膜および表面側の上記保護膜をマスクとしているが、SOI基板100の表面側に形成されている上記パッドおよび上記金属配線を侵食しないエッチング液を用いる必要があり、ここではエッチング液としてTMAHを使用している。ただし、テーパエッチング工程に用いるエッチング液はTMAHに限定するものではなく、エッチング速度の結晶方位依存性を利用して支持基板101の異方性エッチングが可能で埋込酸化膜102とのエッチング選択比が大きく且つ上記パッドおよび上記金属配線を侵食しない溶液であればTMAH以外の溶液を用いてもよい。
【0077】
テーパーエッチング工程の後、SOI基板100においてフレーム部11および各撓み部13および重り部12に対応する部分が残るように埋込酸化膜102をエッチングストッパ層としてSOI基板100を表面側から埋込酸化膜102に達する深さまでエッチングする表面側パターニング工程を行い、表面側パターニング工程の後で埋込酸化膜102の露出した部分をフッ酸などによりエッチングして除去して分離用のスリット14を形成する分離エッチング工程を行うことで重り部12をフレーム部11から分離して4つの撓み部13により支持された構造とすることによって、図4(e)および図5(e)に示す構造を得る。ここにおいて、表面側パターニング工程におけるエッチングマスクとしては、例えばレジストを用いればよく、エッチング装置としては、例えば、誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置を用いればよい。
【0078】
上述の分離エッチング工程の後、センサ本体1の裏面側に、あらかじめ上記凹所2aを形成したガラス製のカバー2を陽極接合する接合工程を行うことによって、図4(f)および図5(f)に示す構造を得る。なお、接合工程では、センサ本体1とカバー2とを重ね、センサ本体1を所定温度(例えば、400℃)に加熱した状態で、センサ本体1を正極側、カバー2を負極側として、所定の直流電圧(例えば、600V)を印加することにより、センサ本体1とカバー2とを陽極接合している。また、本実施形態では、カバー2としてはパイレックス(登録商標)を用いているが、カバー2の材料は陽極接合や共晶接合などによりセンサ本体1との接合が可能な材料であればよく、例えばカバー2をシリコン基板により構成してもよい。また、カバー2としてプラスチックなどを用いてもよい。
【0079】
以上説明した製造方法によれば、各撓み部13の幅寸法が重り部12の主重り部12aから離れてフレーム部11に近づくほど大きくなるように裏面側パターニング工程および表面側パターニング工程それぞれにおいて用いるマスクパターンを設計しておくことにより、各撓み部13におけるフレーム部11側の端部13aを、重り部12から離れてフレーム部11に近づくほど幅寸法が大きくなる形状に形成することができ、温度特性の優れた半導体多軸加速度センサを提供することができる。
【0080】
また、上述の製造方法によれば、裏面側パターニング工程の後でテーパエッチング工程を行うことにより、各撓み部13それぞれにおいてフレーム部11側の端部13aではフレーム部11に近づくほど厚み寸法が徐々に大きくなり、重り部12側の端部13bでは重り部12に近づくほど厚み寸法が徐々に大きくなるので、各撓み部13それぞれの長手方向の両端部13a,13bの剛性を高めることができ、上記各ブリッジ回路の出力値に関する温度特性の優れた半導体多軸加速度センサを提供することができる。
【0081】
なお、上述の製造方法では、裏面側パターニング工程を行う際に埋込酸化膜102をエッチングストッパ層として利用することで、各撓み部13の厚み寸法を高精度に管理することが可能となって、歩留まりの向上が図れ、結果的に低コスト化を図れる。また、重り部12を形成するにあたって、SOI基板100においてスリット14および撓み部13に対応する部位を裏面側から誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置により埋込酸化膜102に達するまで垂直にエッチングしているので、従来のようにKOHなどのアルカリ系溶液を用いたシリコンの異方性エッチングを利用して重り部12を形成する場合に比べて、重り部12の外周面とフレーム部11の内周面との間の間隔を小さくすることができるから、センサ本体1の小型化を図れ、カバー2を含めたセンサチップの小型化を図ることができる。また、上述のテーパーエッチング工程を行わずに、表面側パターニング工程において湿式の異方性エッチングを採用してシリコン層103のエッチングと同時にシリコン基板からなる支持基板101の一部をエッチングすることで各撓み部13それぞれに対応する部分の両端部13a,13bの裏面側に厚み寸法が両端に近づくほど大きくなるような傾斜面を形成するようにすれば、工程数を少なくすることができる。
【0082】
ところで、上述の図1に示したセンサ本体1では各撓み部13それぞれの長手方向における両端部13a,13bを、両端に近づくにつれて徐々に厚みが大きくなるような形状に形成してあるが、図6に示すように各撓み部13を、厚み寸法が一定となる(撓み部13の厚みが均一になる)ような形状に形成してもよく、このような構造のセンサ本体1を採用することにより、上述の製造方法におけるテーパーエッチング工程をなくすことができるので、工程数削減と歩留まり向上とで製造コストの低減を図ることができる。
【0083】
また、上述の図1に示したセンサ本体1では、各撓み部13は、長手方向に直交する断面の断面形状が図2に示すような細長の長方形状に形成されているが、断面形状を、例えば、図7に示すような台形状の形状としてもよし、図8に示すように長手方向に直交する断面形状における両側縁(図8の左右両側縁)が互いに近づく向きに凹んだ円弧状になるような形状としてもよい。各撓み部13それぞれの長手方向に直交する断面形状を図7に示すような形状にした場合には、各撓み部13における表面側の剛性を裏面側の剛性に比べて高めることができ、熱応力による各撓み部13の撓みを抑制することができる。また、各撓み部13それぞれの長手方向に直交する断面形状を図8に示すような形状にした場合には、各撓み部13それぞれの両側面の面積を大きくすることができ、熱応力による各撓み部13の撓みを抑制することができる。ここにおいて、撓み部13の厚みが均一で撓み部13における長手方向に直交する断面形状が図8に示すような形状である場合、撓み部13の厚み寸法をt、上記円弧状の側縁の長さをt’とすれば、
t’=2π×(t/2)×(1/2)=(π/2)×t
となるので、撓み部13の両側面それぞれの面積は図2の断面形状を有する場合の略1.5倍となる。
【0084】
なお、各撓み部13それぞれの長手方向に直交する断面形状を図7に示すような形状に設定した場合には、上述の図4および図5を参照しながら説明した製造方法において、表面側パターニング工程で湿式の異方性エッチングにてシリコン層103をエッチングするようにすれば、表面側パターニング工程でSOI基板100においてフレーム部11および各撓み部13および重り部12に対応する部分が残るように埋込酸化膜102をエッチングストッパ層としてSOI基板100のシリコン層103を表面側から埋込酸化膜102に達する深さまで湿式の異方性エッチングにてエッチングすることにより、シリコン層103のうち各撓み部13に対応する部分それぞれの断面形状を台形状とすることができ、表面側パターニング工程の後で埋込酸化膜102の露出した部分をエッチングして除去することにより各撓み部13それぞれの断面形状を台形状としたままフレーム部11と重り部12とを分離することができるから、温度特性の優れた半導体加速度センサを提供することができる。ここにおける表面側パターニング工程では、SOI基板100の裏面側の上記シリコン酸化膜および表面側の上記保護膜をマスクとしているが、SOI基板100の表面側に形成されている上記パッドおよび上記金属配線を侵食しないエッチング液を用いる必要があり、エッチング液としてTMAHを使用している。ただし、この表面側パターニング工程に用いるエッチング液はTMAHに限定するものではなく、エッチング速度の結晶方位依存性を利用してシリコン層103の異方性エッチングが可能で埋込酸化膜102とのエッチング選択比が大きく且つ上記パッドおよび上記金属配線を侵食しない溶液であればTMAH以外の溶液を用いてもよい。
【0085】
また、各撓み部13それぞれの長手方向に直交する断面形状を図8に示すような形状に設定した場合には、上述の図4および図5を参照しながら説明した製造方法において、表面側パターニング工程で湿式の等方性エッチングにてシリコン層103をエッチングするようにすれば、表面側パターニング工程でSOI基板100においてフレーム部11および各撓み部13および重り部12に対応する部分が残るように埋込酸化膜102をエッチングストッパ層としてSOI基板100のシリコン層103を表面側から埋込酸化膜102に達する深さまで湿式の等方性エッチングにてエッチングすることにより、各撓み部13の長手方向に直交する断面形状における両側縁を互いに近づく向きに凹んだ円弧状に形成することができ、表面側パターニング工程の後で埋込酸化膜102の露出した部分をエッチングして除去することにより、各撓み部13それぞれの長手方向に直交する断面形状における両側縁が互いに近づく向きに凹んだ円弧状に形成することができるから、温度特性の優れた半導体加速度センサを提供することができる。ここにおける表面側パターニング工程では、エッチング液としてフッ酸と硝酸と酢酸との混合液を用いているが、エッチング液は特にこの混合液に限定するものではない。また、表面側パターニング工程において湿式の等方性エッチングを行う代わりに、プラズマエッチングなどによる乾式の等方性エッチングを行うようにしてもよい。
【0086】
(実施形態2)
本実施形態の半導体多軸加速度センサの基本構成は図1に示した実施形態1と略同じであって、図9に示すように、各撓み部13の形状が相違する。また、スリット14の幅は略一定に設定してあるので、重り部12における付加重り部12bの平面形状が実施形態1とは相違している。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0087】
ここにおいて、各撓み部13については、それぞれの長手方向における略中央からフレーム部11に近づくほど幅寸法が徐々に大きくなり、略中央から重り部12の主重り部12aにかけては幅寸法が均一となるような形状に形成されている点が図1にて説明した実施形態1とは相違している。
【0088】
しかして、本実施形態の半導体多軸加速度センサでは、主重り部12a近傍での各撓み部13の幅寸法を実施形態1に比べて小さくすることができるので、x軸方向の加速度およびy軸方向の加速度それぞれの検出感度の高感度化を図ることができる。また、各撓み部13それぞれにおけるフレーム部11側の端部13aのみで重り部12の主重り部12aから離れてフレーム部11に近づくほど幅寸法と厚み寸法との少なくとも一方が大きくなるような形状に形成されている場合に比べて、フレーム部11から各撓み部13へ伝達する熱応力に起因した重り部12の変位をより少なくすることができて温度特性を向上させることができる。
【0089】
なお、本実施形態の半導体多軸加速度センサにおけるセンサチップの製造方法は実施形態1にて説明した製造方法と同様なので説明を省略する。また、本実施形態では、各撓み部13に関して、長手方向における略中央からフレーム部11に近づくほど幅寸法のみが大きくなる形状に形成してあるが、厚み寸法についても長手方向における略中央からフレーム部11に近づくほど徐々に大きくなるような形状に形成してもよいし、幅寸法と厚み寸法とのいずれか一方のみが大きくなるような形状に形成してもよく、幅寸法と厚み寸法との両方が大きくなるような形状とすることで各撓み部13におけるフレーム部11側の端部13aの剛性をより高めることができる。また、本実施形態においても、実施形態1にて説明した図6〜図8の構造を適宜適用してもよい。
【0090】
(実施形態3)
本実施形態の半導体多軸加速度センサの基本構成は図1に示した実施形態1と略同じであって、図10に示すように、各撓み部13の形状が相違する。また、スリット14の幅は略一定に設定してあるので、重り部12における付加重り部12bの平面形状が実施形態1とは相違している。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0091】
ここにおいて、各撓み部13については、それぞれの長手方向におけるフレーム部11側の端部13aが、フレーム部11に近づくほど幅寸法が徐々に大きくなり、端部13aを除いた部分では幅寸法が均一となるような形状に形成されている点が図1にて説明した実施形態1とは相違している。
【0092】
しかして、本実施形態の半導体多軸加速度センサでは、主重り部12a近傍での各撓み部13の幅寸法を実施形態1に比べて小さくすることができるので、x軸方向の加速度およびy軸方向の加速度それぞれの検出感度の高感度化を図ることができる。また、各撓み部13におけるフレーム部11側の端部13aの両側面を曲面に形成してあるので、実施形態1および実施形態2に比べて、過大な加速度が印加されたときに各撓み部13におけるフレーム部11側の端部13aでの応力集中を緩和することができ、耐衝撃性が向上する。
【0093】
なお、本実施形態の半導体多軸加速度センサにおけるセンサチップの製造方法は実施形態1にて説明した製造方法と同様なので説明を省略する。また、本実施形態では、各撓み部13に関して、フレーム部11側の端部13aの両側面のみ曲面としてあるが、厚み方向の一面(裏面)についても曲面としてもよいし、幅方向の両側面と厚み方向の一面とのいずれか一方のみが曲面となるような形状に形成してもよく、幅方向の両側面と厚み方向の一面との両方が曲面となるような形状とすることで、耐衝撃性をより高めることができる。また、本実施形態においても、実施形態1にて説明した図6〜図8の構造を適宜適用してもよい。
【0094】
(実施形態4)
本実施形態の半導体多軸加速度センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、図11に示すように、各撓み部13の形状が相違する。また、スリット14の幅は略一定に設定してあるので、重り部12における付加重り部12bの平面形状が実施形態1とは相違している。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0095】
ここにおいて、各撓み部13については、それぞれの長手方向における重り部12側(主重り部12a側)の端部13bが、重り部12(主重り部12a)に近づくほど幅寸法が徐々に大きくなるような形状に形成されている点が図1にて説明した実施形態1とは相違している。
【0096】
しかして、本実施形態の半導体多軸加速度センサでは、主重り部12a近傍での各撓み部13の幅寸法を実施形態1に比べて大きくすることができるので、x軸方向の加速度を検出するための上記第1のブリッジ回路およびy軸方向の加速度を検出するための上記第2のブリッジ回路それぞれの出力値の温度特性を安定化することができる。
【0097】
なお、本実施形態の半導体多軸加速度センサにおけるセンサチップの製造方法は実施形態1にて説明した製造方法と同様であり、裏面側パターニング工程および表面側パターニング工程それぞれで用いるマスクのパターンを若干変更するだけなので説明を省略する。また、本実施形態においても、実施形態1にて説明した図6〜図8の構造を適宜適用してもよい。
【0098】
(実施形態5)
本実施形態の半導体多軸加速度センサの基本構成は実施形態2と略同じであって、図12に示すように、各撓み部13の形状が相違する。また、スリット14の幅は略一定に設定してあるので、重り部12における付加重り部12bの平面形状が実施形態2とは相違している。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0099】
ここにおいて、各撓み部13については、それぞれの長手方向における重り部12側(主重り部12a側)の端部13bが、重り部12(主重り部12a)に近づくほど幅寸法が徐々に大きくなるような形状に形成されている点が図9にて説明した実施形態2とは相違している。
【0100】
しかして、本実施形態の半導体多軸加速度センサでは、主重り部12a近傍での各撓み部13の幅寸法を実施形態2に比べて大きくすることができるので、x軸方向の加速度を検出するための上記第1のブリッジ回路およびy軸方向の加速度を検出するための上記第2のブリッジ回路それぞれの出力値の温度特性を安定化することができる。
【0101】
なお、本実施形態の半導体多軸加速度センサにおけるセンサチップの製造方法は実施形態1にて説明した製造方法と同様であり、裏面側パターニング工程および表面側パターニング工程それぞれで用いるマスクのパターンを若干変更するだけなので説明を省略する。また、本実施形態においても、実施形態1にて説明した図6〜図8の構造を適宜適用してもよい。
【0102】
(実施形態6)
本実施形態の半導体多軸加速度センサの基本構成は実施形態3と略同じであって、図13に示すように、各撓み部13の形状が相違する。また、スリット14の幅は略一定に設定してあるので、重り部12における付加重り部12bの平面形状が実施形態3とは相違している。なお、実施形態3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0103】
ここにおいて、各撓み部13については、それぞれの長手方向における重り部12側(主重り部12a側)の端部13bが、重り部12(主重り部12a)に近づくほど幅寸法が徐々に大きくなるような形状に形成されている点が図10にて説明した実施形態3とは相違している。
【0104】
しかして、本実施形態の半導体多軸加速度センサでは、主重り部12a近傍での各撓み部13の幅寸法を実施形態3に比べて大きくすることができるので、x軸方向の加速度を検出するための上記第1のブリッジ回路およびy軸方向の加速度を検出するための上記第2のブリッジ回路それぞれの出力値の温度特性を安定化することができる。また、各撓み部13における重り部12側の端部13bの両側面を曲面に形成してあるので、実施形態5に比べて、過大な加速度が印加されたときに各撓み部13における重り部12側の端部13bでの応力集中を緩和することができ、耐衝撃性が向上する。
【0105】
なお、本実施形態の半導体多軸加速度センサの製造方法は実施形態1にて説明した製造方法と同様であり、裏面側パターニング工程および表面側パターニング工程それぞれで用いるマスクのパターンを若干変更するだけなので説明を省略する。また、本実施形態においても、実施形態1にて説明した図6〜図8の構造を適宜適用してもよい。
【0106】
(実施形態7)
本実施形態の半導体多軸加速度センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、図14に示すように、センサ本体1における各撓み部13を、重り部12(主重り部12a)から離れてフレーム部11に近づくほど厚み寸法が大きくなるような形状に形成している点が相違する。また、実施形態1ではセンサ本体1をSOI基板を用いて形成していたが、本実施形態ではセンサ本体1をシリコン基板200(図15(a)参照)を用いて形成してある。他の構成は実施形態1と同様なので図示および説明を省略する。なお、シリコン基板200の表面は(100)面としてある。
【0107】
しかして、本実施形態の半導体多軸加速度センサでは、フレーム部11から各撓み部13へ伝達する熱応力に起因した重り部12の変位をさらに少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができる。
【0108】
本実施形態の半導体多軸加速度センサにおけるセンサチップの製造方法は実施形態1にて説明した製造方法に準拠し、撓み部13の形成方法が相違するので、以下、図14に示す撓み部13の形成方法について図15を参照しながら説明する。
【0109】
まず、図15(a)に示すようなシリコン基板200の裏面(図15(a)の上面)側にポジ型のレジストを塗布してレジスト層31を形成することにより、図15(b)に示す構造を得る。
【0110】
その後、図15(c)に示すような露光用のフォトマスク32を利用してレジスト層31を露光する。一般的なフォトリソグラフィ工程で用いるフォトマスクは光を遮断する光遮断領域と光を透過する光透過領域とからなるが、本実施形態で用いるフォトマスク32は、シリコン基板200においてフレーム部11に対応する部分に光遮断領域32a(以下、第1の光遮断領域32aと称す)、重り部12に対応する部分に光遮断領域32b(以下、第2の光遮断領域32bと称す)、撓み部13に対応する部分に光透過率分布を有する光透過領域32cをそれぞれ形成してあり、光透過領域32cの光透過率を第1の光遮断領域32a側から第2の光遮断領域32b側に近づくにつれて徐々に大きくなるように変化させてある点に特徴がある(要するに、本実施形態における光透過領域32cはグレーテッド型の光透過領域となっている)。なお、図15(c)中の矢印は露光用の光源からの光を模式的に示したものであり、各矢印の先端が光の到達位置を示している。
【0111】
フォトマスク32を利用してレジスト層31を露光した後、レジスト層31を現像してパターニングされたレジスト層31を形成することにより、図15(d)に示す構造を得る。本実施形態では、図15(d)に示すようにパターニングされたレジスト層31が、マスク材層を構成しており、シリコン基板200の裏面側においてフレーム部11に対応する部位に重なり厚み寸法が一様に設定された第1の保護マスク部31aと重り部12に対応する部位に重なり厚み寸法が一様に設定された第2の保護マスク部31bと各撓み部13それぞれに対応する部位に重なり第2の保護マスク部31bから離れて第1の保護マスク部31aに近づくにつれて厚み寸法が徐々に大きくなるように設定された傾斜転写用マスク部31cとを有している。
【0112】
上述のパターニングされたレジスト層31からなるマスク材層を形成するマスク材層形成工程を行った後、シリコン基板200の裏面側から例えば誘導結合プラズマ型のエッチング装置を用いてレジスト層31の傾斜転写用マスク部31がなくなるまでドライエッチングを行ってから、レジスト層31を除去することにより、図15(e)に示すような構造を得る。なお、本実施形態では、このドライエッチングを行う工程が、第1の保護マスク部31aおよび第2の保護マスク部31bが残り傾斜転写用マスク部31cがなくなってシリコン基板200の一部がエッチングされるようにエッチングを行う転写工程となる。
【0113】
次に、重り部12およびフレーム部11に対応する部分が残り各撓み部13に対応する部分が所望の厚さになるようにシリコン基板200をエッチングするためにパターニングされたレジスト層33を形成することにより、図15(f)に示す構造を得てから、重り部12およびフレーム部11に対応する部分が残り各撓み部13に対応する部分が所望の厚さになるようにシリコン基板200を裏面側からドライエッチングする裏面側パターニング工程を行い、その後、レジスト層33を除去することにより、図15(g)に示すような主重り部12a側からフレーム部11側にかけて厚み寸法が徐々に大きくなるような撓み部13を形成することができる。
【0114】
しかして、上述の製造方法によれば、シリコン基板200の裏面側にマスク材層を形成した後、マスク材層の傾斜転写用マスク部31cがなくなるまでエッチングを行うことにより、各撓み部13に対応する部分が重り部12から離れてフレーム部11に近づくほど厚み寸法が大きくなるような形状に形成されるので、各撓み部13におけるフレーム部11側の端部13aの剛性を高めることができ、温度特性の優れた半導体加速度センサを提供することができる。また、各撓み部13を重り部12から離れてフレーム部11に近づくほど厚み寸法が大きくなるような形状に形成してあれば、上記各実施形態1〜6にて説明した撓み部13の構造を適宜適用してもよい。
【0115】
なお、上記各実施形態ではx軸方向、y軸方向、z軸方向の3軸の加速度を検出する半導体加速度センサについて例示したが、2軸の加速度を検出する半導体加速度センサや1軸の加速度を検出する半導体加速度センサに本発明の技術思想を適用できることは勿論である。
【0116】
【発明の効果】
請求項1の発明では、従来のように各撓み部それぞれについて厚み寸法および幅寸法が長手方向の全体にわたって均一に形成されている両持ち梁式の半導体加速度センサに比べて、各撓み部それぞれにおけるフレーム部側の端部の剛性を高めることができ(つまり、ばね係数を大きくすることができ)、フレーム部から各撓み部へ伝達する熱応力に起因した重り部の変位を少なくすることができるから、温度特性を向上させることができるという効果があり、しかも、経時的な特性変動やヒステリシス特性の発生を抑制することができるという効果がある。
【0117】
請求項2の発明では、前記各撓み部それぞれにおける前記フレーム部側の端部が、前記重り部から離れて前記フレーム部に近づくほど幅寸法と厚み寸法とのいずれか一方のみが大きくなるような形状に形成されている場合に比べて、前記各撓み部それぞれにおける前記フレーム部側の端部での断面積を大きくすることができて、前記各撓み部それぞれにおける前記フレーム部側の端部の剛性をより高めることができ、前記フレーム部から前記各撓み部へ伝達する熱応力に起因した前記重り部の変位をより少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができるという効果がある。
【0118】
請求項3の発明では、前記各撓み部それぞれにおける前記フレーム部側の端部のみで前記重り部から離れて前記フレーム部に近づくほど幅寸法と厚み寸法との少なくとも一方が大きくなるような形状に形成されている場合に比べて、前記フレーム部から前記各撓み部へ伝達する熱応力に起因した前記重り部の変位をより少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができるという効果がある。
【0119】
請求項4の発明では、前記各撓み部それぞれにおける前記フレーム部側の端部のみで前記重り部から離れて前記フレーム部に近づくほど幅寸法と厚み寸法との両方が大きくなるような形状に形成されている場合に比べて、前記フレーム部から前記各撓み部へ伝達する熱応力に起因した前記重り部の変位をより少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができるという効果がある。
【0120】
請求項5の発明では、過大な加速度が印加されたときに前記各撓み部における前記フレーム部側の端部での応力集中を緩和することができ、耐衝撃性が向上するという効果がある。
【0121】
請求項6の発明では、過大な加速度が印加されたときに前記各撓み部における前記フレーム部側の端部での応力集中を緩和することができ、耐衝撃性が向上するという効果がある。
【0122】
請求項7の発明では、前記各撓み部それぞれにおける前記重り部側の端部の剛性を高めることができ、前記フレーム部から前記各撓み部へ伝達する熱応力に起因した前記重り部の変位をさらに少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができるという効果がある。
【0123】
請求項8の発明では、前記各撓み部それぞれにおける前記重り部側の端部の剛性を高めることができ、前記フレーム部から前記各撓み部へ伝達する熱応力に起因した前記重り部の変位をさらに少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができるという効果がある。
【0124】
請求項9の発明では、過大な加速度が印加されたときに前記各撓み部における前記重り部側の端部での応力集中を緩和することができ、耐衝撃性が向上するという効果がある。
【0125】
請求項10の発明では、過大な加速度が印加されたときに前記各撓み部における前記重り部側の端部での応力集中を緩和することができ、耐衝撃性が向上するという効果がある。
【0126】
請求項11の発明では、前記各撓み部における表面側の剛性を裏面側の剛性に比べて高めることができ、熱応力による前記各撓み部の撓みを抑制することができるという効果がある。
【0127】
請求項12の発明では、前記各撓み部それぞれの両側面の面積を大きくすることができ、熱応力による前記各撓み部の撓みを抑制することができるという効果がある。
【0128】
請求項13の発明では、前記各撓み部それぞれにおける長手方向の両端部の剛性を高めることができ、前記フレーム部から前記各撓み部へ伝達する熱応力に起因した前記重り部の変位をさらに少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができるという効果がある。
【0129】
請求項14の発明では、前記フレーム部から前記各撓み部へ伝達する熱応力に起因した前記重り部の変位をさらに少なくすることができるから、温度特性をより向上させることができるという効果がある。
【0130】
請求項15の発明では、温度特性の優れた半導体加速度センサを提供することができるという効果がある。
【0131】
請求項16の発明では、温度特性の優れた半導体加速度センサを提供することができるという効果がある。
【0132】
請求項17の発明では、温度特性の優れた半導体加速度センサを提供することができる。
【0133】
請求項18の発明では、温度特性の優れた半導体加速度センサを請求項17の発明に比べて少なく工程数で製造することができる。
【0134】
請求項19の発明では、温度特性の優れた半導体加速度センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1におけるセンサチップを示し、(a)は概略平面図、(b)は(a)のA−A’断面図、(c)は(a)のB−B’断面図である。
【図2】同上を示し、図1(a)のC−C’断面図である。
【図3】同上におけるセンサ本体の他の構成例の概略断面図である。
【図4】同上におけるセンサチップの製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図5】同上におけるセンサチップの製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図6】同上におけるセンサ本体の別の構成例の概略断面図である。
【図7】同上におけるセンサ本体のさらに別の構成例の要部概略断面図である。
【図8】同上におけるセンサ本体のさらに他の構成例の要部概略断面図である。
【図9】実施形態2におけるセンサチップを示し、(a)は概略平面図、(b)は(a)のA−A’断面図、(c)は(a)のB−B’断面図である。
【図10】実施形態3におけるセンサチップの概略平面図である。
【図11】実施形態4におけるセンサチップの概略平面図である。
【図12】実施形態5におけるセンサチップの概略平面図である。
【図13】実施形態6におけるセンサチップの概略平面図である。
【図14】実施形態7におけるセンサ本体の概略断面図である。
【図15】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図16】従来例を示す半導体多軸加速度センサの一部破断した概略斜視図である。
【符号の説明】
1 センサ本体
2 カバー
11 フレーム部
12 重り部
12a 主重り部
12b 付加重り部
13 撓み部
14 スリット
R1x〜R4x ピエゾ抵抗
R1y〜R4y ピエゾ抵抗
R1z〜R4z ピエゾ抵抗
Claims (19)
- 枠状のフレーム部の内側に配置した重り部が重り部を挟んで配置された少なくとも1組の撓み部を介してフレーム部に支持され、フレーム部に対する重り部の変位により撓み部に生じるひずみによって抵抗率の変化する抵抗体が撓み部に形成されたセンサ本体を備えた半導体加速度センサであって、各撓み部それぞれにおけるフレーム部側の端部が、重り部から離れてフレーム部に近づくほど幅寸法と厚み寸法との少なくとも一方が大きくなるような形状に形成されてなることを特徴とする半導体加速度センサ。
- 前記各撓み部それぞれにおける前記フレーム部側の端部が、前記重り部から離れて前記フレーム部に近づくほど幅寸法と厚み寸法との両方が大きくなるような形状に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の半導体加速度センサ。
- 前記各撓み部は、長手方向における略中央から前記フレーム部に近づくほど幅寸法と厚み寸法との少なくとも一方が大きくなるような形状に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の半導体加速度センサ。
- 前記各撓み部は、長手方向における略中央から前記フレーム部に近づくほど幅寸法と厚み寸法との両方が大きくなるような形状に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の半導体加速度センサ。
- 前記各撓み部は、前記フレーム部側の端部において幅寸法に関係する幅方向の両側面と厚み寸法に関係する厚み方向の一面との少なくとも一方が曲面に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の半導体加速度センサ。
- 前記各撓み部は、長手方向における略中央から前記フレーム部までの部位において幅寸法に関係する幅方向の両側面と厚み寸法に関係する厚み方向の一面との少なくとも一方が曲面に形成されてなることを特徴とする請求項3記載の半導体加速度センサ。
- 前記各撓み部それぞれにおける前記重り部側の端部が、前記フレーム部から離れて前記重り部に近づくほど幅寸法と厚み寸法との少なくとも一方が大きくなるような形状に形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の半導体加速度センサ。
- 前記各撓み部それぞれにおける前記重り部側の端部が、前記フレーム部から離れて前記重り部に近づくほど幅寸法と厚み寸法との両方が大きくなるような形状に形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の半導体加速度センサ。
- 前記各撓み部は、前記重り部側の端部において幅寸法に関係する幅方向の両側面と厚み寸法に関係する厚み方向の一面との少なくとも一方が曲面に形成されてなることを特徴とする請求項7記載の半導体加速度センサ。
- 前記各撓み部は、前記重り部側の端部において幅寸法に関係する幅方向の両側面と厚み寸法に関係する厚み方向の一面とがそれぞれ曲面に形成されてなることを特徴とする請求項8記載の半導体加速度センサ。
- 前記各撓み部は、長手方向に直交する断面の断面形状が台形状となるような形状に形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の半導体加速度センサ。
- 前記各撓み部は、長手方向に直交する断面形状における両側縁が互いに近づく向きに凹んだ円弧状に形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の半導体加速度センサ。
- 前記各撓み部それぞれにおける長手方向の両端部が、長手方向の中央から離れるほど厚み寸法が大きくなるような形状に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の半導体加速度センサ。
- 前記各撓み部は前記重り部から離れて前記フレーム部に近づくほど厚み寸法が大きくなるような形状に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の半導体加速度センサ。
- 請求項11記載の半導体加速度センサの製造方法であって、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜が介在するSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板を裏面側から埋込酸化膜に達する深さまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後でSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板を表面側から埋込酸化膜に達する深さまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で埋込酸化膜の露出した部分をエッチングして除去する分離エッチング工程とを備え、表面側パターニング工程では、湿式の異方性エッチングにてシリコン層をエッチングすることを特徴とする半導体加速度センサの製造方法。
- 請求項12記載の半導体加速度センサの製造方法であって、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜が介在するSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板を裏面側から埋込酸化膜に達する深さまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後でSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板を表面側から埋込酸化膜に達する深さまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で埋込酸化膜の露出した部分をエッチングして除去する分離エッチング工程とを備え、表面側パターニング工程では、湿式の等方性エッチングにてシリコン層をエッチングすることを特徴とする半導体加速度センサの製造方法。
- 請求項13記載の半導体加速度センサの製造方法であって、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜が介在するSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板を裏面側から埋込酸化膜に達する深さまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後で埋込酸化膜をエッチングストッパ層として湿式の異方性エッチングにてシリコン基板の一部をエッチングすることで前記各撓み部それぞれに対応する部分の両端部の裏面側に厚み寸法が両端に近づくほど大きくなるような傾斜面を形成するテーパーエッチング工程と、テーパーエッチング工程の後でSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板を表面側から埋込酸化膜に達する深さまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で埋込酸化膜の露出した部分をエッチングして除去する分離エッチング工程とを備えることを特徴とする半導体加速度センサの製造方法。
- 請求項13記載の半導体加速度センサの製造方法であって、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜が介在するSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板を裏面側から埋込酸化膜に達する深さまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後でSOI基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように埋込酸化膜をエッチングストッパ層としてSOI基板を表面側から埋込酸化膜に達する深さまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で埋込酸化膜の露出した部分をエッチングして除去する分離エッチング工程とを備え、表面側パターニング工程において湿式の異方性エッチングを採用してシリコン層のエッチングと同時にシリコン基板の一部をエッチングすることで前記各撓み部それぞれに対応する部分の両端部の裏面側に厚み寸法が両端に近づくほど大きくなるような傾斜面を形成することを特徴とする半導体加速度センサの製造方法。
- 請求項14記載の半導体加速度センサの製造方法であって、シリコン基板の裏面側において前記フレーム部に対応する部位に重なり厚み寸法が一様に設定された第1の保護マスク部と前記重り部に対応する部位に重なり厚み寸法が一様に設定された第2の保護マスク部と前記各撓み部それぞれに対応する部位に重なり第2の保護マスク部から離れ第1の保護マスク部に近づくにつれて厚み寸法が徐々に大きくなるように設定された傾斜転写用マスク部とを有するマスク材層を形成するマスク材層形成工程と、マスク材層形成工程の後で第1の保護マスク部および第2の保護マスク部が残り傾斜転写用マスク部がなくなってシリコン基板の一部がエッチングされるようにエッチングを行う転写工程と、転写工程の後で前記重り部および前記フレーム部に対応する部分が残り前記各撓み部に対応する部分が所望の厚さになるようにシリコン基板を裏面側からドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後でシリコン基板において前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るようにシリコン基板を表面側からエッチングする表面側パターニング工程とを備えることを特徴とする半導体加速度センサの製造方法。
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