JP2004294230A - 半導体多軸加速度センサおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化を図れ且つ耐衝撃性に優れた半導体多軸加速度センサおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】センサ本体1は、矩形枠状のフレーム部11の内側に重り部12が配置されている。重り部12は、4つの撓み部13を介してフレーム部11に支持された直方体状のコア部12aと、コア部12aと一体に形成されコア部12aとフレーム部11とフレーム部11の周方向において隣り合う各一対の撓み部13の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部12bとを有している。各撓み部13は、両側縁から側方へ突出した突出片13b,13bが一体に形成されており、各付随部12bは、重り部12が表面側に変位したときに突出片13cの裏面に当たって重り部12の変位を制限するストッパ部12cを突出片13bの表裏方向において重なるように突設してある。
【選択図】 図1
【解決手段】センサ本体1は、矩形枠状のフレーム部11の内側に重り部12が配置されている。重り部12は、4つの撓み部13を介してフレーム部11に支持された直方体状のコア部12aと、コア部12aと一体に形成されコア部12aとフレーム部11とフレーム部11の周方向において隣り合う各一対の撓み部13の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部12bとを有している。各撓み部13は、両側縁から側方へ突出した突出片13b,13bが一体に形成されており、各付随部12bは、重り部12が表面側に変位したときに突出片13cの裏面に当たって重り部12の変位を制限するストッパ部12cを突出片13bの表裏方向において重なるように突設してある。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車、家電製品などに用いられる半導体多軸加速度センサおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から提供されている半導体加速度センサとしては、ピエゾ抵抗式のものや静電容量式のものなどがある。ここにおいて、ピエゾ抵抗式の半導体加速度センサであって複数方向それぞれの加速度に感度を有するものの一例として、図20に示す構成の半導体多軸加速度センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この半導体多軸加速度センサは、シリコン基板201上にシリコンエピタキシャル層202を成長した所謂エピ基板200を用いて形成したセンサ本体1’の裏面にガラス製のカバー2’が接合されている。なお、図20は一部破断した概略斜視図である。
【0003】
センサ本体1’は、矩形枠状のフレーム部11’を備え、フレーム部11’の内側に配置された重り部12’がフレーム部11’よりも薄肉である4つの撓み部13’を介してフレーム部11’に連続一体に連結された構造を有している。なお、4つの撓み部13’は十字状に配置されている。
【0004】
各撓み部13には、それぞれ歪みを検出する抵抗素子として2個ずつのピエゾ抵抗Rが形成されている。ピエゾ抵抗Rは、ブリッジ回路を構成するように配線(図示せず)によって接続されている。また、ブリッジ回路の各端子となるパッド16はフレーム部11’に形成されている。
【0005】
ここにおいて、図20の左側に示したように、センサ本体1’の厚み方向をz軸方向、z軸方向に直交する平面においてフレーム部11’の一辺に沿った方向をx軸方向、この一辺に直交する辺に沿った方向をy軸方向と規定すれば、重り部12’は、x軸方向に延長された2つ1組の撓み部13’,13’と、y軸方向に延長された2つ1組の撓み部13’,13’とを介してフレーム部11’に支持されていることになり、x軸方向に延長された2つの撓み部13’,13’に形成された合計4つのピエゾ抵抗Rがブリッジ回路を構成するように配線によって電気的に接続され、y軸方向に延長された2つの撓み部13’,13’に形成された合計4つのピエゾ抵抗Rが別のブリッジ回路を構成するように配線によって電気的に接続されている。
【0006】
上述のカバー2’は、外形が矩形状であって、センサ本体1’の裏面に周部が陽極接合により接合されており、重り部12’との対向面に重り部12’の移動範囲を確保するための凹所2a’が形成されている。
【0007】
したがって、センサ本体1’にx軸方向ないしy軸方向の成分を含む外力(すなわち、加速度)が作用すると、重り部12’の慣性によってフレーム部11’に対して重り部12’が変位し、結果的に撓み部13’が撓んで当該撓み部13’に形成されているピエゾ抵抗Rの抵抗値が変化することになる。つまり、ピエゾ抵抗Rの抵抗値の変化を検出することによりセンサ本体1’に作用したx軸方向ないしy軸方向の加速度をそれぞれ検出することができる。
【0008】
ところで、図20におけるセンサ本体1’では、フレーム部11’と重り部12’とを分離するために、水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ系溶液を用い上記エピ基板200の裏面側からエッチング速度の結晶方位依存性を利用してウェットエッチングによる異方性エッチングを行っているので、センサ本体1’の小型化が上記異方性エッチングを行う際に上記エピ基板200の裏面に形成するマスクの開口寸法に応じて制限されてしまい、撓み部13’の長さが短くなり高感度化が難しくなってしまう。そこで、図20におけるセンサ本体1’では、上記異方性エッチングを行った後に切込溝203を形成することで撓み部13’の長さを長くすることによって、高感度化を図っている。
【0009】
これに対して、近年のシリコンマイクロマシンニング技術の進展に伴い、ウェットエッチングによる異方性エッチングの代わりに、ドライエッチングによりシリコンの結晶方位に依存せずに垂直に深掘り加工する技術が利用できるようになり、図21に示す構成の半導体多軸加速度センサが提案されている。なお、図21は一部破断した概略斜視図である。
【0010】
図21に示す構成の半導体多軸加速度センサは、厚み方向の中間部にシリコン酸化膜からなる埋込酸化膜102を有するSOI基板100を用いて形成したセンサ本体1の裏面にガラス製のカバー2を陽極接合した構造を有する。なお、SOI基板100は、シリコン基板からなる支持基板101とn形のシリコン層(シリコン活性層)103との間に絶縁膜である埋込酸化膜102が形成された所謂SOIウェハの一部により構成される。
【0011】
センサ本体1は、矩形枠状のフレーム部11を備え、フレーム部11の内側に配置された重り部12がフレーム部11よりも薄肉である4つの撓み部13を介してフレーム部11に連続一体に連結された構造を有している。ここにおいて、センサ本体1は、重り部12における埋込酸化膜102よりも裏面側の部分の厚さがフレーム部11における埋込酸化膜102よりも裏面側の部分の厚さに比べて薄くなっており、フレーム部11の裏面が全周にわたって矩形状のカバー2の周部に接合されている。したがって、重り部12の裏面とカバー2との間には重り部12の厚さ方向への重り部12の変位を可能とする隙間が形成されている。なお、各撓み部13は、上述のシリコン層103の一部により形成されている。また、4つの撓み部13は十字状に配置されている。
【0012】
重り部12は、上述の4つの撓み部13を介してフレーム部11に支持された直方体状のコア部12aと、コア部12aと一体に形成されコア部12aとフレーム部11とフレーム部11の周方向において隣り合う各一対の撓み部13の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部12bとを有している。ここに、各付随部12bそれぞれの周囲にはコア部12aとの連結部位を除いてスリット14が形成されている。また、センサ本体1は、撓み部13の裏面側であって隣り合う付随部12bの間にスリット14に連通する分離溝18が形成されている。
【0013】
図21に示した構成の半導体多軸加速度センサでは、上述のドライエッチングにより垂直に深掘り加工する技術を利用して重り部12を形成しているので、図20に示した構成の半導体多軸加速度センサのようにウェットエッチングによる異方性エッチングを利用して重り部12’を形成したものに比べて、小型化を図る(チップサイズの小型化を図る)ことができるという利点がある。
【0014】
【特許文献1】
特開平9−289327号公報(第3頁〜第4頁、図1、図2)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図21に示した構成の半導体多軸加速度センサでは、重り部12に対してz軸方向へ過大な加速度が作用したときに、重り部12がカバー2側へ変位する場合にはカバー2により重り部12の変位が制限されるが、重り部12がカバー2から離れる向きへ変位する場合には制限がかからないので、撓み部13が破損してしまうという不具合があった。そこで、センサ本体1の厚み方向においてカバー2とは反対側に別のカバーを接合することが考えられるが、センサ全体としての厚さ寸法が大きくなってしまう。
【0016】
また、図21に示した構成の半導体多軸加速度センサでは、重り部12に対してx軸方向またはy軸方向へ過大な加速度が作用したときには、重り部12に当該重り部12の重心を中心として回転モーメントが作用し、重り部12が例えば図22における時計回り方向に回転するが、図22の右側の付随部12bがカバー2に当たり、カバー2との当接点を支点として重り部12が時計回り方向に回転し、撓み部13が破損してしまうという不具合があった。
【0017】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、小型化を図れ且つ耐衝撃性に優れた半導体多軸加速度センサおよびその製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、枠状のフレーム部の表裏に貫通する開口窓内にフレーム部から離間して配置された重り部が十字状に配置された4つの撓み部を介してフレーム部に支持され、重り部の変位により撓み部に生じる歪みを検出する抵抗素子が撓み部に設けられたセンサ本体を備えた半導体多軸加速度センサであって、重り部は、各撓み部の一端部が連結されたコア部と、コア部と一体に形成されコア部とフレーム部とフレーム部の周方向において隣り合う各一対の撓み部の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部とを有し、各撓み部は、両側縁から側方へ突出した突出片が一体に形成され、各付随部は、重り部が表面側に変位したときに突出片の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を突出片の表裏方向において重なるように突設してなることを特徴とする。この請求項1の発明の構成によれば、重り部とフレーム部とを撓み部を介して連結する部位を除いて分離する際にドライエッチングによる深掘り加工技術を利用することでセンサ本体の小型化を図ることができ、しかも、各撓み部は、両側縁から側方へ突出した突出片が一体に形成され、各付随部には、重り部が表面側に変位したときに突出片の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を撓み部の表裏方向において重なるように突設しているので、ストッパ部が突出片の裏面に当たることでセンサ本体の表面側への重り部の変位が制限されて撓み部の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、センサ本体の表面側にカバーを設ける場合に比べてセンサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れる。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記センサ本体は、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜を介在させたSOI基板を用いて形成され、前記各撓み部それぞれがシリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間の距離が埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されてなることを特徴とする。この請求項2の発明の構成によれば、製造時に埋込酸化膜のうち前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間に介在する部分を選択的にエッチングすることにより前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間の距離の製品間でのばらつきを小さくすることができ、製造歩留まりの向上を図れ、結果的に低コスト化を図ることができる。
【0020】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記突出片は、表裏に貫通する複数の貫通孔が形成されてなることを特徴とする。この請求項3の発明の構成によれば、製造時に前記埋込酸化膜のうち前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間に介在する部分を選択的にエッチングする際のエッチング時間の短縮が可能となる。
【0021】
請求項4の発明は、枠状のフレーム部の表裏に貫通する開口窓内にフレーム部から離間して配置された重り部が十字状に配置された4つの撓み部を介してフレーム部に支持され、重り部の変位により撓み部に生じる歪みを検出する抵抗素子が撓み部に設けられたセンサ本体を備えた半導体多軸加速度センサであって、重り部は、各撓み部の一端部が連結されたコア部と、コア部と一体に形成されコア部とフレーム部とフレーム部の周方向において隣り合う各一対の撓み部の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部とを有し、各付随部は、重り部が表面側に変位したときに撓み部の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を撓み部の表裏方向において重なるように突設してなることを特徴とする。この請求項4の発明の構成によれば、重り部とフレーム部とを撓み部を介して連結する部位を除いて分離する際にドライエッチングによる深掘り加工技術を利用することでセンサ本体の小型化を図ることができ、しかも、各付随部には、重り部が表面側に変位したときに撓み部の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を撓み部の表裏方向において重なるように突設しているので、ストッパ部が撓み部の裏面に当たることでセンサ本体の表面側への重り部の変位が制限されて撓み部の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、センサ本体の表面側にカバーを設ける場合に比べてセンサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れる。また、重り部の各付随部からストッパ部が突設されていることにより、重り部の重量を大きくでき、感度が向上するという利点がある。
【0022】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記センサ本体は、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜を介在させたSOI基板を用いて形成され、前記各撓み部それぞれがシリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記ストッパ部と前記撓み部の裏面との間の距離が埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されてなることを特徴とする。この請求項5の発明の構成によれば、製造時に埋込酸化膜のうち前記ストッパ部と前記撓み部の裏面との間に介在する部分を選択的にエッチングすることにより前記ストッパ部と前記撓み部の裏面との間の距離の製品間でのばらつきを小さくすることができ、製造歩留まりの向上を図れ、結果的に低コスト化を図ることができる。
【0023】
請求項6の発明は、請求項2または請求項3または請求項5の発明において、前記フレーム部は、前記周方向において隣り合う各一対の前記撓み部の間の部位に内側面と表面とが開放されている凹所が形成され、前記重り部の前記各付随部は、前記重り部が裏面側に変位したときに凹所の内底面に当たって前記重り部の変位を制限する突片を前記フレーム部の表裏方向において凹所の内底面に重なるように突設してなることを特徴とする。この請求項6の発明の構成によれば、突片が凹所の内底面に当たることで前記センサ本体の裏面側への前記重り部の変位が制限されて前記撓み部の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、前記センサ本体の裏面側にカバーを設ける場合に比べて前記センサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れる。また、前記重り部の前記各付随部から突片が突設されていることにより、前記重り部の重量を大きくでき、感度が向上するという利点がある。
【0024】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記突片が前記シリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記突片と前記凹所の内底面との間の距離が前記埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されてなることを特徴とする。この請求項7の発明の構成によれば、製造時に埋込酸化膜のうち前記突片と前記凹所の内底面との間に介在する部分を選択的にエッチングすることにより前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間の距離の製品間でのばらつきを小さくすることができ、製造歩留まりの向上を図れ、結果的に低コスト化を図ることができる。
【0025】
請求項8の発明は、請求項6または請求項7の発明において、前記重り部の前記各付随部は、前記フレーム部との対向面と表面とが開放されている凹部が形成され、前記フレーム部は、前記重り部が前記表面側に変位したときに凹部の内底面が当たって前記重り部の変位を制限する規制片を突設してなることを特徴とする。この請求項8の発明の構成によれば、前記重り部の前記表面側への変位をより確実に制限することができ、耐衝撃性がさらに向上する。
【0026】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記規制片が前記シリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記規制片と前記凹部の内底面との間の距離が前記埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されてなることを特徴とする。この請求項9の発明の構成によれば、製造時に埋込酸化膜のうち前記規制片と前記凹部の内底面との間に介在する部分を選択的にエッチングすることにより前記規制片と前記凹部の内底面との間の距離の製品間でのばらつきを小さくすることができ、製造歩留まりの向上を図れ、結果的に低コスト化を図ることができる。
【0027】
請求項10の発明は、請求項2,3,5〜9の発明において、前記フレーム部は、前記表裏方向における表面側の端部に、前記撓み部の裏面に重なる突部が突設されてなることを特徴とする。この請求項10の発明の構成によれば、前記フレーム部の前記表裏方向における表面側の端部に突部を突設していない場合に比べて前記撓み部と前記フレーム部との連結部位に応力が集中するのを緩和することができて前記撓み部が破損しにくくなり、耐衝撃性が高くなる。
【0028】
請求項11の発明は、請求項2記載の半導体多軸加速度センサの製造方法であって、前記シリコン層のうち前記フレーム部および前記各撓み部および前記各突出片および前記重り部に対応する部分が残るように前記シリコン層を前記SOI基板の表面側から前記埋込酸化膜に達するまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とが分離され且つ前記ストッパ部に対応する部分が形成されるように前記シリコン基板を前記SOI基板の裏面側から前記埋込酸化膜に達するまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分および前記突出片に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングして除去する犠牲層エッチング工程とを備えることを特徴とする。この請求項11の発明によれば、裏面側パターニング工程において前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とを分離するのと同時に前記ストッパ部を形成することができ、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングするのと同時に前記突出片に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングすることができるので、小型化を図れ且つ耐衝撃性に優れた半導体多軸加速度センサを提供することができる。
【0029】
請求項12の発明は、請求項3記載の半導体多軸加速度センサの製造方法であって、前記シリコン層のうち前記フレーム部および前記各撓み部および前記各突出片および前記重り部に対応する部分が残り且つ前記貫通孔が形成されるように前記シリコン層を前記SOI基板の表面側から前記埋込酸化膜に達するまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とが分離され且つ前記ストッパ部に対応する部分が形成されるように前記シリコン基板を前記SOI基板の裏面側から前記埋込酸化膜に達するまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部分に重なる部分をウェットエッチングして除去する犠牲層エッチング工程とを備えることを特徴とする。この請求項12の発明によれば、裏面側パターニング工程において前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とを分離するのと同時に前記ストッパ部を形成することができ、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングするのと同時に前記突出片に相当する部位に重なる部分を前記貫通孔を通してもウェットエッチングすることができるので、小型化を図れ且つ耐衝撃性に優れた半導体多軸加速度センサを提供することができる。
【0030】
請求項13の発明は、請求項5記載の半導体多軸加速度センサの製造方法であって、前記シリコン層のうち前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように前記シリコン層を前記SOI基板の表面側から前記埋込酸化膜に達するまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とが分離され且つ前記ストッパ部に対応する部分が形成されるように前記シリコン基板を前記SOI基板の裏面側から前記埋込酸化膜に達するまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングして除去する犠牲層エッチング工程とを備えることを特徴とする。この請求項13の発明によれば、裏面側パターニング工程において前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とを分離するのと同時に前記ストッパ部を形成することができ、小型化を図れ且つ耐衝撃性に優れた半導体多軸加速度センサを提供することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態の半導体多軸加速度センサは、図1ないし図3に示すように、厚み方向の中間部にシリコン酸化膜からなる埋込酸化膜102を有するSOI基板100を用いて形成したセンサ本体1を備えている。なお、SOI基板100は、シリコン基板からなる支持基板101とn形のシリコン層(シリコン活性層)103との間に絶縁膜である埋込酸化膜102が形成された所謂SOIウェハの一部により構成される。ここに、支持基板101、埋込酸化膜102、シリコン層103それぞれの厚さ寸法は、400〜600μm、0.5〜3μm、4〜10μm程度であればよく、シリコン層103の厚さ寸法は支持基板101の厚さ寸法に比べて十分に小さな値となる。
【0032】
センサ本体1は、枠状(本実施形態では、矩形枠状)のフレーム部11を備え、フレーム部11の表裏に貫通する開口窓11a内にフレーム部11から離間して配置された重り部12が十字状に配置された4つの撓み部13を介してフレーム部11に支持されている。ここにおいて、センサ本体1は、重り部12における埋込酸化膜102よりも裏面側の部分の厚さがフレーム部11における埋込酸化膜102よりも裏面側の部分の厚さに比べて薄くなっている。したがって、重り部12の裏面とフレーム部11の裏面を含む平面との間には重り部12の厚さ方向への重り部12の変位を可能とする隙間が形成されている。なお、各撓み部13は、フレーム部11に比べて薄肉であって、上述のSOI基板100のシリコン層103を利用して形成されている。
【0033】
重り部12は、上述の4つの撓み部13を介してフレーム部11に支持された直方体状のコア部12aと、コア部12aと一体に形成されコア部12aとフレーム部11とフレーム部11の周方向において隣り合う各一対の撓み部13の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部12bとを有している。ここに、各付随部12bそれぞれの周囲にはコア部12aとの連結部位を除いてスリット14が形成されている。また、センサ本体1は、撓み部13の裏面側であって隣り合う付随部12bの間にスリット14に連通する分離溝18が形成されている。なお、各付随部12bは直方体状に形成されている。
【0034】
ところで、図1の左側に示したように、センサ本体1の厚み方向をz軸方向、z軸方向に直交する平面において矩形枠状のフレーム部11の一辺に沿った方向をx軸方向、この一辺に直交する辺に沿った方向をy軸方向と規定すれば、重り部12は、x軸方向に延長されてコア部12aを挟む2つ1組の撓み部13,13と、y軸方向に延長されてコア部12aを挟む2つ1組の撓み部13,13とを介してフレーム部11に支持されていることになる。
【0035】
x軸方向に延長された2つの撓み部13,13のうち図2の左側の撓み部13は延長方向においてコア部12a近傍に2つのピエゾ抵抗R1x,R3xが形成されるとともにフレーム部11近傍に1つのピエゾ抵抗R2zが形成され、図2の右側の撓み部13は延長方向においてコア部12a近傍に2つのピエゾ抵抗R2x,R4xが形成されるとともにフレーム部11近傍に1つのピエゾ抵抗R3zが形成されている。ここに、コア部12a近傍の4つのピエゾ抵抗R1x,R2x,R3x,R4xは、x軸方向の加速度を検出するために形成されたものであり、長手方向を撓み部13の延長方向に一致させてあり、図10に示す左側のブリッジ回路を構成するように接続されている。なお、ピエゾ抵抗R1x〜R4xは、重り部12の変位により撓み部13に生じる歪みを検出する抵抗素子であって、x軸方向の加速度が作用したときに撓み部13において最大応力が発生する領域に形成されている。また、図2では各ピエゾ抵抗R1x〜R4xに電気的に接続された配線の図示を省略してある。
【0036】
y軸方向に延長された2つの撓み部13,13のうち図2の上側の撓み部13は延長方向においてコア部12a近傍に2つのピエゾ抵抗R1y,R3yが形成されるとともにフレーム部11近傍に1つのピエゾ抵抗R1zが形成され、図2の下側の撓み部13は延長方向においてコア部12a近傍に2つのピエゾ抵抗R2y,R4yが形成されるとともにフレーム部11近傍に1つのピエゾ抵抗R4zが形成されている。ここに、コア部12a近傍の4つのピエゾ抵抗R1y,R2y,R3y,R4yは、y軸方向の加速度を検出するために形成されたものであり、長手方向を撓み部13の延長方向に一致させてあり、図10に示す中央のブリッジ回路を構成するように接続されている。なお、ピエゾ抵抗R1y〜R4yは、重り部12の変位により撓み部13に生じる歪みを検出する抵抗素子であって、y軸方向の加速度が作用したときに撓み部13において最大応力が発生する領域に形成されている。また、図2では各ピエゾ抵抗R1y〜R4yに電気的に接続された配線の図示を省略してある。
【0037】
また、フレーム部11近傍の4つのピエゾ抵抗R1z,R2z,R3z,R4zは、z軸方向の加速度を検出するために形成されたものであり、図10に示す右側のブリッジ回路を構成するように接続されている。ただし、ピエゾ抵抗R1z〜R4zは、重り部12の変位により撓み部13に生じる歪みを検出する抵抗素子であって、z軸方向の加速度が作用したときに撓み部13において最大応力が発生する領域に形成されている。また、2つ1組となる撓み部13,13のうち一方の組の撓み部13,13に形成したピエゾ抵抗R1z,R4zは長手方向が撓み部13,13の延長方向(長手方向)に一致するように形成されているのに対して、他方の組の撓み部13,13に形成したピエゾ抵抗R2z,R3zは長手方向が撓み部13,13の幅方向(短手方向)に一致するように形成されている。なお、図2では各ピエゾ抵抗R1z〜R4zに電気的に接続された配線の図示を省略してある。
【0038】
ところで、フレーム部11には、8個のパッド(図示せず)を設けてある。すなわち、上述の各ブリッジ回路それぞれの出力端子となるパッドは各ブリッジ回路ごとに設けてあるが、各ブリッジ回路の入力端子となるパッドは3つのブリッジ回路で共通化されている(3つのブリッジ回路に対して入力端子としては2つのパッドのみ設けてある)。図10の回路においては、x軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路の2つの出力端子X1,X2、y軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路の2つの出力端子Y1,Y2、z軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路の2つの出力端子Z1,Z2がそれぞれパッドに対応している。また、図10の回路においては、各ブリッジ回路に共通の2つの入力端子VDD,GNDがそれぞれパッドに対応している。なお、入力端子VDDと入力端子GNDとの間には外部電源(図示せず)から電圧が印加されが、入力端子VDDが外部電源の高電位側、入力端子GNDが低電位側(グランド側)に接続される。
【0039】
次に、加速度の検出原理について図11を参照しながら説明するが、検出原理については周知なので簡単に説明する。なお、図11は上述の各ブリッジ回路を示しており、x軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路の場合には図11のピエゾ抵抗R1〜R4が上述のピエゾ抵抗R1x〜R4xとなるとともに図11の出力端子V1,V2が上述の出力端子X1,X2となり、y軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路の場合には図11中のピエゾ抵抗R1〜R4が上述のピエゾ抵抗R1y〜R4yとなるとともに図11の出力端子V1,V2が上述の出力端子Y1,Y2となり、z軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路の場合には図11中のピエゾ抵抗R1がピエゾ抵抗R1z、ピエゾ抵抗R2がR4z、ピエゾ抵抗R3がピエゾ抵抗R2z、ピエゾ抵抗R4がピエゾ抵抗R3zとなるとともに図11の出力端子V1,V2が上述の出力端子Z1,Z2となる。
【0040】
いま、センサ本体1にx軸方向の成分を含む外力(すなわち、加速度)が作用したとすると、重り部12の慣性によってフレーム部11に対して重り部12が変位し、結果的に撓み部13が撓んで当該撓み部13に形成されているピエゾ抵抗R1〜R4(R1x〜R4x)の抵抗値が変化することになる(例えば、ピエゾ抵抗R1,R3は抵抗値が増大し、ピエゾ抵抗R2,R4は抵抗値が減少することになる)ので、図11における出力端子V1,V2(X1,X2)間に電位差が生じる。ここに、出力端子V1の電位をv1、出力端子V2の電位をv2、ブリッジ回路の出力電圧をvとすれば、v=v1−v2となるから、ピエゾ抵抗R1〜R4の抵抗値の変化を検出することによりセンサ本体1に作用したx軸方向の加速度を検出することができるのである。なお、x軸方向の加速度が作用したときには、y軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路およびz軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路では抵抗値の増減が相殺されて出力端子V1,V2間に電位差は生じない。
【0041】
同様に、センサ本体1にy軸方向の成分を含む外力(すなわち、加速度)が作用した場合にも、重り部12の慣性によってフレーム部11に対して重り部12が変位し、結果的に撓み部13が撓んで当該撓み部13に形成されているピエゾ抵抗R1〜R4(R1y〜R4y)の抵抗値が変化することになり、出力端子V1,V2(Y1,Y2)間に電位差が生じるので、出力端子V1の電位をv1、出力端子V2の電位をv2、ブリッジ回路の出力電圧をvとすれば、v=v1−v2となるから、ピエゾ抵抗R1〜R4の抵抗値の変化を検出することによりセンサ本体1に作用したy軸方向の加速度を検出することができるのである。
【0042】
また、センサ本体1にz軸方向の成分を含む外力(すなわち、加速度)が作用した場合には、重り部12の慣性によってフレーム部11に対して重り部12が変位し、結果的に撓み部13が撓んで当該撓み部13に形成されているピエゾ抵抗R1〜R4(R1z〜R4z)の抵抗値が変化することになる。ここにおいて、ピエゾ抵抗R1z〜Rz4は同じ応力を受けるが、ピエゾ抵抗R1z,R3zでは撓み部13の延長方向に沿った向きで電流が流れるのに対してピエゾ抵抗R2z,R4zでは撓み部13の幅方向に沿った向きで電流が流れることによりピエゾ抵抗R1z,R3zとピエゾ抵抗R2z,R4zとで抵抗値の増減が逆となり、出力端子V1,V2(Z1,Z2)間に電位差が生じるので、出力端子V1の電位をv1、出力端子V2の電位をv2、ブリッジ回路の出力電圧をvとすれば、v=v1−v2となるから、ピエゾ抵抗R1〜R4の抵抗値の変化を検出することによりセンサ本体1に作用したz軸方向の加速度を検出することができるのである。
【0043】
ところで、上述の説明から分かるように、センサ本体1では、ピエゾ抵抗R1x〜R4x,R1y〜R4y,R1z〜R4zが上記各ブリッジ回路を構成するように配線により電気的に接続されるとともにパッドに電気的に接続されるが、本実施形態では、ピエゾ抵抗R1x〜R4x,R1y〜R4y,R1z〜R4zに電気的に接続された配線として拡散層配線と金属配線(例えば、アルミニウム配線)との2種類があり、少なくとも各撓み部13に形成される部分が拡散層配線により構成されている。なお、各ピエゾ抵抗R1x〜R4x,R1y〜R4y,R1z〜R4zに電気的に接続された配線のうちフレーム部11に形成される部分の配線の大部分は金属配線により構成されているが、各ピエゾ抵抗R1x〜R4x,R1y〜R4y,R1z〜R4zおよび各パッドのレイアウトの関係上配線を交差させる必要がある場合には、互いに交差する配線の一方を拡散層配線により構成するとともに他方を金属配線により構成するようにしてある。
【0044】
ところで、上述の重り部12は、4つの撓み部13を介してフレーム部11に支持された直方体状のコア部12aと、コア部12aと一体に形成されコア部12aとフレーム部11とフレーム部11の周方向において隣り合う各一対の撓み部13の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部12bとを有しているが、各撓み部13は、両側縁から側方へ突出した突出片13b,13bが一体に形成されており、各付随部12bは、重り部12が表面側に変位したときに突出片13cの裏面に当たって重り部12の変位を制限するストッパ部12cを突出片13bの表裏方向(重り部12の厚み方向)において重なるように突設してある。ここにおいて、突出片13cの厚さ寸法は、撓み部13の厚さ寸法と一致させてあり、加速度が作用していない状態での上記表裏方向における突出片13cの裏面とストッパ部12cとの間の距離は、埋込酸化膜102の厚さ寸法と同じ値に設定してある。なお、突出片13bは、表裏に貫通する複数の貫通孔13c(図4参照)が形成されている。
【0045】
しかして、本実施形態の半導体多軸加速度センサでは、各撓み部13の両側縁から側方へ突出した突出片13bが一体に形成され、各付随部12bには重り部12が表面側に変位したときに突出片13bの裏面に当たって重り部12の変位を制限するストッパ部12cを突出片13bの表裏方向において重なるように突設しているので、ストッパ部12cが突出片13bの裏面に当たることでセンサ本体1の表面側への重り部12の変位が制限されて撓み部13の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、センサ本体1の表面側にカバーを設ける場合に比べてセンサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れる。
【0046】
また、フレーム部11は、周方向において隣り合う各一対の撓み部13の間の部位に内側面と表面とが開放されている凹所11d(図7(a)参照)が形成されており、重り部12の各付随部12bは、重り部12が裏面側に変位したときに凹所11dの内底面に当たって重り部12の変位を制限する突片12d(図7(a)参照)をフレーム部11の表裏方向において重なるように突設してある。したがって、突片12dが凹所11dの内底面に当たることでセンサ本体1の裏面側への重り部12の変位が制限されて撓み部13の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、センサ本体1の裏面側にカバーを設ける場合に比べてセンサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れる。また、重り部12の各付随部12bから突片12dが突設されていることにより、重り部12の重量を大きくでき、感度が向上するという利点がある。ここにおいて、突片12dは上述のSOI基板100のシリコン層103を利用して形成されており、突片12dの厚さ寸法は、撓み部13の厚さ寸法と一致させてあり、加速度が作用していない状態での上記表裏方向における突片12dと凹所11dの内底面との間の距離が埋込酸化膜102の厚さ寸法と同じ値に設定されている。
【0047】
また、重り部12の各付随部12bは、フレーム部11との対向面と表面とが開放されている凹部12e(図7(b)参照)が形成され、フレーム部11は、重り部12が表面側に変位したときに凹部12eの内底面が当たって重り部12の変位を制限する規制片11e(図7(b)参照)を突設してある。したがって、重り部12の表面側への変位をより確実に制限することができ、耐衝撃性がさらに向上する。ここにおいて、規制片11eは上述のSOI基板100のシリコン層103を利用して形成されており、規制片11eの厚さ寸法は、撓み部13の厚さ寸法と一致させてあり、加速度が作用していない状態での規制片11eと凹部11dの内底面との間の距離は、埋込酸化膜102の厚さ寸法と同じ値に設定してある。
【0048】
以上の説明から分かるように、本実施形態では、埋込酸化膜102の厚さ寸法により重り部12の変位量が制限されるから、埋込酸化膜102の厚さ寸法は、重り部12の厚み方向へ重り部12が変位したときに撓み部13が破損しないような変位に応じて設定することが望ましい。
【0049】
また、フレーム部11は、表裏方向における表面側の端部に、撓み部13の裏面に重なる突部11f(図8参照)が突設されている。ここにおいて、突部11fは、支持基板101の一部と埋込酸化膜102の一部とにより構成されており、支持基板101の一部により形成されている部分には、上記表裏方向において撓み部13に近づくほどフレーム部11の開口窓11aの開口幅を狭くするように傾斜した傾斜面が形成されている。したがって、センサ本体1は、フレーム部11の表裏方向における表面側の端部に突部11fを突設していない図9に示すような場合に比べて撓み部13とフレーム部11との連結部位に応力が集中するのを緩和することができて撓み部13が破損しにくくなり、耐衝撃性が高くなる。
【0050】
以下、センサ本体1の製造方法について図5および図6を参照しながら説明するが、図5は図2のB−B’断面に対応する部分の製造工程断面を示し、図6は図2のA−A’断面に対応する部分の製造工程断面を示している。
【0051】
まず、SOI基板100(実際にはSOIウェハ)の表面側のシリコン層103に上述の各ピエゾ抵抗R1x〜R4x,R1y〜R4y,Rz1〜R4zおよび各拡散層配線を不純物拡散技術などにより形成し、その後、SOI基板100の表面および裏面それぞれの全面にシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層膜からなる絶縁膜31,32を形成することにより、図5(a),図6(a)に示す構造を得る。なお、上述の金属配線は、シリコン酸化膜を形成した後、シリコン窒化膜を形成する前に形成する。
【0052】
次に、SOI基板100のシリコン層103のうちフレーム部11および各撓み部13および各突出片13bおよび重り部12に対応する部分を残し且つ貫通孔13cを形成するためにSOI基板100の表面側の絶縁膜31をパターニングし、パターニングされた絶縁膜31をマスクとして、SOI基板100のシリコン層103を表面側から埋込酸化膜1022に達する深さまでエッチングする表面側パターニング工程を行うことでスリット14に対応する部位に溝24を形成するとともに貫通孔13cに対応する部位にエッチング孔(図示せず)を形成し、その後、SOI基板100において重り部12に対応する部位をフレーム部11に対応する部位に比べて薄くするためにSOI基板100の裏面側の絶縁膜32をパターニングし、パターニングされた絶縁膜32をマスクとしてSOI基板100を裏面側から所定深さまでエッチングして凹所37を形成することにより、図5(b),図6(b)に示す構造を得る。なお、凹所37を形成する工程は表面側パターニング工程の前に行ってもよい。
【0053】
その後、支持基板101のうちフレーム部11に対応する部分と重り部12に対応する部分とが分離され且つストッパ部12cに対応する部分が形成されるようにSOI基板100の裏面側にマスク用のレジスト層33をパターン形成してから、支持基板101をSOI基板100の裏面側から埋込酸化膜102に達するまでドライエッチングすることにより、図5(c),図6(c)に示す構造を得る。なお、ここでは、誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置のように深堀り加工が可能なドライエッチング装置を用いて支持基板101の露出部位を埋込酸化膜102に達するまで垂直にエッチングしており、隣り合う付随部12bを分離する分離溝18の開口幅が最終的な開口幅よりも狭く、付随部12bの大きさが最終的な付随部12bの大きさよりも大きくなっている。また、支持基板101においてスリット14に対応する部位に溝26が形成されているが、この溝26の開口幅も最終的な開口幅よりも狭くなっている。また、ここでは、埋込酸化膜102がエッチングストッパ層として機能する。
【0054】
次に、上述のレジスト層33を残した状態で、TMAH水溶液(テトラメチル水酸化アンモニウム水溶液)ようなアルカリ系溶液を用いて支持基板101を裏面側から異方性エッチングし、レジスト層33を除去することにより、図5(d),図6(d)に示す構造を得る。なお、このアルカリ系溶液を用いた異方性エッチングを行うことにより、分離溝18および溝26の開口幅が広がり、付随部12bのサイズが若干小さくなり、しかも、上述の突部11fが形成される。
【0055】
その後、埋込酸化膜102のうち露出している部位をバッファードフッ酸溶液(フッ酸の緩衝溶液)のようなエッチング液を用いてウェットエッチングする犠牲層エッチング工程を行うことでスリット14を形成するとともに重り部12と撓み部13とを分離することにより、図5(e),図6(e)に示す構造を得る。ここに、埋込酸化膜102のうち撓み部13に対応する部位は犠牲層となり溝24などを通して導入されるエッチング液によりエッチングされ、埋込酸化膜102のうち突出片13bに対応する部位も犠牲層となり上記エッチング孔などを通して導入されるエッチング液によりエッチングされる。
【0056】
以上説明した製造方法によれば、SOI基板100の裏面側および主表面側それぞれからのエッチング時に埋込酸化膜102をエッチングストッパ層として利用することで、撓み部13の厚さ寸法を高精度に管理することが可能となって、歩留まりの向上が図れ、結果的に低コスト化を図れる。また、図20に示した従来例のようにKOHなどのアルカリ系溶液を用いたシリコンの異方性エッチングを利用して重り部12を形成する場合に比べて、重り部12の外周面とフレーム部11の内周面との間の間隔を小さくすることができるので、センサ本体1の小型化を図れる。
【0057】
また、重り部12とフレーム部11とを撓み部13を介して連結する部位を除いて分離する際にドライエッチングによる深掘り加工技術を利用することで図20に示した従来例に比べてセンサ本体1の小型化を図ることができる。また、上述の裏面側パターニング工程において支持基板101のうちフレーム部11に対応する部分と重り部12に対応する部分とを分離するのと同時にストッパ部12cを形成することができ、裏面側パターニング工程の後で埋込酸化膜102の露出した部分および埋込酸化膜102のうち撓み部13に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングするのと同時に突出片13bに相当する部位に重なる部分を貫通孔13c(上記エッチング孔)を通してウェットエッチングすることができるから、小型化を図れ且つ耐衝撃性に優れた半導体多軸加速度センサを提供することができる。
【0058】
(実施形態2)
本実施形態の半導体多軸加速度センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、図12ないし図14に示すように、実施形態1で説明した突出片13bを設けず、重り部12のサイズを大きくして、重り部12が表面側に変位したときにストッパ部12cが撓み部13の裏面に当たることで撓み部13の変位が制限されるように構成している点などが相違する。要するに、本実施形態では、重り部12の各付随部12bに、重り部12が表面側に変位したときに撓み部13の裏面に当たって重り部12の変位を制限するストッパ部12cを撓み部13の表裏方向において重なるように突設してある。ここに、本実施形態では、実施形態1に比べてフレーム部11の開口窓11aのサイズを変更することなしに表裏方向に直交する面内での付随部12bのサイズを大きくしている。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
しかして、本実施形態の半導体多軸加速度センサでは、ストッパ部12cが撓み部13の裏面に当たることでセンサ本体1の表面側への重り部12の変位が制限されて撓み部13の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、センサ本体1の表面側にカバーを設ける場合に比べてセンサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れる。また、本実施形態では、実施形態1に比べて重り部12の重量が大きいので、実施形態1に比べて感度が向上する。
【0060】
なお、本実施形態の半導体多軸加速度センサの製造方法は、実施形態1における突出片13bおよび貫通孔13cを形成する必要のない点以外は実施形態1にて説明した製造方法と同様である。また、実施形態1にて説明した製造方法においてアルカリ系溶液により異方性エッチングを行う工程をなくして、図15に示すように隣り合う付随部12b間の距離を短くして表裏方向において撓み部13に重なるストッパ部12cの重量を大きくすれば、結果的に重り部12の重量を大きくすることができて、感度を向上させることができる。
【0061】
(実施形態3)
本実施形態の半導体多軸加速度センサの基本構成は実施形態2と略同じであって、実施形態2では付随部12bから突設したストッパ部12cが撓み部13の延長方向における中央部のみに重なるように形成されているのに対して、図16および図17に示すように、付随部12bに形成するストッパ部12cを撓み部13の延長方向に沿った方向の全長に亘って形成している点が相違する。したがって、本実施形態では、実施形態1に比べてフレーム部11の開口窓11aのサイズを変更することなしに撓み部13とストッパ部12cとの重なる面積を大きくするとともに重り部12の重量を大きくしている。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
しかして、本実施形態の半導体多軸加速度センサでは、実施形態2に比べて重り部12の重量が大きいので、実施形態2に比べて感度が向上する。
【0063】
なお、本実施形態の半導体多軸加速度センサの製造方法は、突出片13bおよび貫通孔13cを形成する必要のない点以外は実施形態1にて説明した製造方法と同様である。
【0064】
(実施形態4)
本実施形態の半導体多軸加速度センサの基本構成は実施形態3と略同じであって、図18および図19に示すように、フレーム部11に形成する凹所11dと付随部12から突設する突片11dとの組の数を2倍にするとともに、付随部12bに形成する凹部12eとフレーム部11から突設する規制片11eとの組の数を2倍にしている点が相違する。すなわち、本実施形態では、フレーム部11に形成する凹所11dと付随部12から突設する突片11dとの組を各付随部12bそれぞれに対応して2組ずつ設け、付随部12bに形成する凹部12eとフレーム部11から突設する規制片11eとの組を各付随部12bそれぞれに対応して2組ずつ設けてある。なお、実施形態3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】
しかして、本実施形態の半導体多軸加速度センサでは、実施形態3に比べてより確実に重り部12の変位を制限することができ、耐衝撃性が向上する。
【0066】
なお、本実施形態の半導体多軸加速度センサの製造方法は、突出片13bおよび貫通孔13cを形成する必要のない点以外は実施形態1にて説明した製造方法と同様である。
【0067】
【発明の効果】
請求項1の発明は、枠状のフレーム部の表裏に貫通する開口窓内にフレーム部から離間して配置された重り部が十字状に配置された4つの撓み部を介してフレーム部に支持され、重り部の変位により撓み部に生じる歪みを検出する抵抗素子が撓み部に設けられたセンサ本体を備えた半導体多軸加速度センサであって、重り部は、各撓み部の一端部が連結されたコア部と、コア部と一体に形成されコア部とフレーム部とフレーム部の周方向において隣り合う各一対の撓み部の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部とを有し、各撓み部は、両側縁から側方へ突出した突出片が一体に形成され、各付随部は、重り部が表面側に変位したときに突出片の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を突出片の表裏方向において重なるように突設してなるものであり、重り部とフレーム部とを撓み部を介して連結する部位を除いて分離する際にドライエッチングによる深掘り加工技術を利用することでセンサ本体の小型化を図ることができ、しかも、各撓み部は、両側縁から側方へ突出した突出片が一体に形成され、各付随部には、重り部が表面側に変位したときに突出片の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を撓み部の表裏方向において重なるように突設しているので、ストッパ部が突出片の裏面に当たることでセンサ本体の表面側への重り部の変位が制限されて撓み部の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、センサ本体の表面側にカバーを設ける場合に比べてセンサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れるという効果がある。
【0068】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記センサ本体は、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜を介在させたSOI基板を用いて形成され、前記各撓み部それぞれがシリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間の距離が埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されているので、製造時に埋込酸化膜のうち前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間に介在する部分を選択的にエッチングすることにより前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間の距離の製品間でのばらつきを小さくすることができ、製造歩留まりの向上を図れ、結果的に低コスト化を図ることができるという効果がある。
【0069】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記突出片は、表裏に貫通する複数の貫通孔が形成されているので、製造時に前記埋込酸化膜のうち前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間に介在する部分を選択的にエッチングする際のエッチング時間の短縮が可能となるという効果がある。
【0070】
請求項4の発明は、枠状のフレーム部の表裏に貫通する開口窓内にフレーム部から離間して配置された重り部が十字状に配置された4つの撓み部を介してフレーム部に支持され、重り部の変位により撓み部に生じる歪みを検出する抵抗素子が撓み部に設けられたセンサ本体を備えた半導体多軸加速度センサであって、重り部は、各撓み部の一端部が連結されたコア部と、コア部と一体に形成されコア部とフレーム部とフレーム部の周方向において隣り合う各一対の撓み部の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部とを有し、各付随部は、重り部が表面側に変位したときに撓み部の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を撓み部の表裏方向において重なるように突設してなるものであり、重り部とフレーム部とを撓み部を介して連結する部位を除いて分離する際にドライエッチングによる深掘り加工技術を利用することでセンサ本体の小型化を図ることができ、しかも、各付随部には、重り部が表面側に変位したときに撓み部の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を撓み部の表裏方向において重なるように突設しているので、ストッパ部が撓み部の裏面に当たることでセンサ本体の表面側への重り部の変位が制限されて撓み部の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、センサ本体の表面側にカバーを設ける場合に比べてセンサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れるという効果がある。また、重り部の各付随部からストッパ部が突設されていることにより、重り部の重量を大きくでき、感度が向上するという利点がある。
【0071】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記センサ本体は、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜を介在させたSOI基板を用いて形成され、前記各撓み部それぞれがシリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記ストッパ部と前記撓み部の裏面との間の距離が埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されているので、製造時に埋込酸化膜のうち前記ストッパ部と前記撓み部の裏面との間に介在する部分を選択的にエッチングすることにより前記ストッパ部と前記撓み部の裏面との間の距離の製品間でのばらつきを小さくすることができ、製造歩留まりの向上を図れ、結果的に低コスト化を図ることができるという効果がある。
【0072】
請求項6の発明は、請求項2または請求項3または請求項5の発明において、前記フレーム部は、前記周方向において隣り合う各一対の前記撓み部の間の部位に内側面と表面とが開放されている凹所が形成され、前記重り部の前記各付随部は、前記重り部が裏面側に変位したときに凹所の内底面に当たって前記重り部の変位を制限する突片を前記フレーム部の表裏方向において凹所の内底面に重なるように突設しているので、突片が凹所の内底面に当たることで前記センサ本体の裏面側への前記重り部の変位が制限されて前記撓み部の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、前記センサ本体の裏面側にカバーを設ける場合に比べて前記センサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れるという効果がある。また、前記重り部の前記各付随部から突片が突設されていることにより、前記重り部の重量を大きくでき、感度が向上するという利点がある。
【0073】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記突片が前記シリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記突片と前記凹所の内底面との間の距離が前記埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されているので、製造時に埋込酸化膜のうち前記突片と前記凹所の内底面との間に介在する部分を選択的にエッチングすることにより前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間の距離の製品間でのばらつきを小さくすることができ、製造歩留まりの向上を図れ、結果的に低コスト化を図ることができるという効果がある。
【0074】
請求項8の発明は、請求項6または請求項7の発明において、前記重り部の前記各付随部は、前記フレーム部との対向面と表面とが開放されている凹部が形成され、前記フレーム部は、前記重り部が前記表面側に変位したときに凹部の内底面が当たって前記重り部の変位を制限する規制片を突設しているので、前記重り部の前記表面側への変位をより確実に制限することができ、耐衝撃性がさらに向上するという効果がある。
【0075】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記規制片が前記シリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記規制片と前記凹部の内底面との間の距離が前記埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されているので、製造時に埋込酸化膜のうち前記規制片と前記凹部の内底面との間に介在する部分を選択的にエッチングすることにより前記規制片と前記凹部の内底面との間の距離の製品間でのばらつきを小さくすることができ、製造歩留まりの向上を図れ、結果的に低コスト化を図ることができるという効果がある。
【0076】
請求項10の発明は、請求項2,3,5〜9の発明において、前記フレーム部は、前記表裏方向における表面側の端部に、前記撓み部の裏面に重なる突部が突設されているので、前記フレーム部の前記表裏方向における表面側の端部に突部を突設していない場合に比べて前記撓み部と前記フレーム部との連結部位に応力が集中するのを緩和することができて前記撓み部が破損しにくくなり、耐衝撃性が高くなるという効果がある。
【0077】
請求項11の発明は、請求項2記載の半導体多軸加速度センサの製造方法であって、前記シリコン層のうち前記フレーム部および前記各撓み部および前記各突出片および前記重り部に対応する部分が残るように前記シリコン層を前記SOI基板の表面側から前記埋込酸化膜に達するまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とが分離され且つ前記ストッパ部に対応する部分が形成されるように前記シリコン基板を前記SOI基板の裏面側から前記埋込酸化膜に達するまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分および前記突出片に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングして除去する犠牲層エッチング工程とを備えるので、裏面側パターニング工程において前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とを分離するのと同時に前記ストッパ部を形成することができ、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングするのと同時に前記突出片に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングすることができるから、小型化を図れ且つ耐衝撃性に優れた半導体多軸加速度センサを提供することができるという効果がある。
【0078】
請求項12の発明は、請求項3記載の半導体多軸加速度センサの製造方法であって、前記シリコン層のうち前記フレーム部および前記各撓み部および前記各突出片および前記重り部に対応する部分が残り且つ前記貫通孔が形成されるように前記シリコン層を前記SOI基板の表面側から前記埋込酸化膜に達するまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とが分離され且つ前記ストッパ部に対応する部分が形成されるように前記シリコン基板を前記SOI基板の裏面側から前記埋込酸化膜に達するまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部分に重なる部分をウェットエッチングして除去する犠牲層エッチング工程とを備えるので、裏面側パターニング工程において前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とを分離するのと同時に前記ストッパ部を形成することができ、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングするのと同時に前記突出片に相当する部位に重なる部分を前記貫通孔を通してもウェットエッチングすることができるから、小型化を図れ且つ耐衝撃性に優れた半導体多軸加速度センサを提供することができるという効果がある。
【0079】
請求項13の発明は、請求項5記載の半導体多軸加速度センサの製造方法であって、前記シリコン層のうち前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように前記シリコン層を前記SOI基板の表面側から前記埋込酸化膜に達するまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とが分離され且つ前記ストッパ部に対応する部分が形成されるように前記シリコン基板を前記SOI基板の裏面側から前記埋込酸化膜に達するまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングして除去する犠牲層エッチング工程とを備えるので、裏面側パターニング工程において前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とを分離するのと同時に前記ストッパ部を形成することができ、小型化を図れ且つ耐衝撃性に優れた半導体多軸加速度センサを提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の半導体多軸加速度センサの一部破断した概略斜視図である。
【図2】同上におけるセンサ本体の概略平面図である。
【図3】同上を示し、(a)は図2のA−A’断面図、(b)は図2のB−B’断面図である。
【図4】同上の要部斜視図である。
【図5】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図6】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図7】同上を示し、(a)は図2のC−C’断面図、(b)は図2のD−D’断面図、(c)は図2のE−E’断面図である。
【図8】同上を示し、図2のF−F’断面図である。
【図9】同上の他の構成例の断面図である。
【図10】同上におけるセンサ本体に形成された回路の回路図である。
【図11】同上の動作説明図である。
【図12】実施形態2の半導体多軸加速度センサの一部破断した概略斜視図である。
【図13】同上におけるセンサ本体の概略平面図である。
【図14】図13のA−A’断面図である。
【図15】同上の他の構成例の断面図である。
【図16】実施形態3の半導体多軸加速度センサの一部破断した概略斜視図である。
【図17】同上におけるセンサ本体の概略平面図である。
【図18】実施形態4の半導体多軸加速度センサの一部破断した概略斜視図である。
【図19】同上におけるセンサ本体の概略平面図である。
【図20】従来例を示す半導体多軸加速度センサの一部破断した概略斜視図である。
【図21】他の従来例を示す半導体多軸加速度センサの一部破断した概略斜視図である。
【図22】同上の動作説明図である。
【符号の説明】
1 センサ本体
11 フレーム部
11a 開口窓
12 重り部
12a コア部
12b 付随部
12c ストッパ部
13 撓み部
13b 突出片
14 スリット
18 分離溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車、家電製品などに用いられる半導体多軸加速度センサおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から提供されている半導体加速度センサとしては、ピエゾ抵抗式のものや静電容量式のものなどがある。ここにおいて、ピエゾ抵抗式の半導体加速度センサであって複数方向それぞれの加速度に感度を有するものの一例として、図20に示す構成の半導体多軸加速度センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この半導体多軸加速度センサは、シリコン基板201上にシリコンエピタキシャル層202を成長した所謂エピ基板200を用いて形成したセンサ本体1’の裏面にガラス製のカバー2’が接合されている。なお、図20は一部破断した概略斜視図である。
【0003】
センサ本体1’は、矩形枠状のフレーム部11’を備え、フレーム部11’の内側に配置された重り部12’がフレーム部11’よりも薄肉である4つの撓み部13’を介してフレーム部11’に連続一体に連結された構造を有している。なお、4つの撓み部13’は十字状に配置されている。
【0004】
各撓み部13には、それぞれ歪みを検出する抵抗素子として2個ずつのピエゾ抵抗Rが形成されている。ピエゾ抵抗Rは、ブリッジ回路を構成するように配線(図示せず)によって接続されている。また、ブリッジ回路の各端子となるパッド16はフレーム部11’に形成されている。
【0005】
ここにおいて、図20の左側に示したように、センサ本体1’の厚み方向をz軸方向、z軸方向に直交する平面においてフレーム部11’の一辺に沿った方向をx軸方向、この一辺に直交する辺に沿った方向をy軸方向と規定すれば、重り部12’は、x軸方向に延長された2つ1組の撓み部13’,13’と、y軸方向に延長された2つ1組の撓み部13’,13’とを介してフレーム部11’に支持されていることになり、x軸方向に延長された2つの撓み部13’,13’に形成された合計4つのピエゾ抵抗Rがブリッジ回路を構成するように配線によって電気的に接続され、y軸方向に延長された2つの撓み部13’,13’に形成された合計4つのピエゾ抵抗Rが別のブリッジ回路を構成するように配線によって電気的に接続されている。
【0006】
上述のカバー2’は、外形が矩形状であって、センサ本体1’の裏面に周部が陽極接合により接合されており、重り部12’との対向面に重り部12’の移動範囲を確保するための凹所2a’が形成されている。
【0007】
したがって、センサ本体1’にx軸方向ないしy軸方向の成分を含む外力(すなわち、加速度)が作用すると、重り部12’の慣性によってフレーム部11’に対して重り部12’が変位し、結果的に撓み部13’が撓んで当該撓み部13’に形成されているピエゾ抵抗Rの抵抗値が変化することになる。つまり、ピエゾ抵抗Rの抵抗値の変化を検出することによりセンサ本体1’に作用したx軸方向ないしy軸方向の加速度をそれぞれ検出することができる。
【0008】
ところで、図20におけるセンサ本体1’では、フレーム部11’と重り部12’とを分離するために、水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ系溶液を用い上記エピ基板200の裏面側からエッチング速度の結晶方位依存性を利用してウェットエッチングによる異方性エッチングを行っているので、センサ本体1’の小型化が上記異方性エッチングを行う際に上記エピ基板200の裏面に形成するマスクの開口寸法に応じて制限されてしまい、撓み部13’の長さが短くなり高感度化が難しくなってしまう。そこで、図20におけるセンサ本体1’では、上記異方性エッチングを行った後に切込溝203を形成することで撓み部13’の長さを長くすることによって、高感度化を図っている。
【0009】
これに対して、近年のシリコンマイクロマシンニング技術の進展に伴い、ウェットエッチングによる異方性エッチングの代わりに、ドライエッチングによりシリコンの結晶方位に依存せずに垂直に深掘り加工する技術が利用できるようになり、図21に示す構成の半導体多軸加速度センサが提案されている。なお、図21は一部破断した概略斜視図である。
【0010】
図21に示す構成の半導体多軸加速度センサは、厚み方向の中間部にシリコン酸化膜からなる埋込酸化膜102を有するSOI基板100を用いて形成したセンサ本体1の裏面にガラス製のカバー2を陽極接合した構造を有する。なお、SOI基板100は、シリコン基板からなる支持基板101とn形のシリコン層(シリコン活性層)103との間に絶縁膜である埋込酸化膜102が形成された所謂SOIウェハの一部により構成される。
【0011】
センサ本体1は、矩形枠状のフレーム部11を備え、フレーム部11の内側に配置された重り部12がフレーム部11よりも薄肉である4つの撓み部13を介してフレーム部11に連続一体に連結された構造を有している。ここにおいて、センサ本体1は、重り部12における埋込酸化膜102よりも裏面側の部分の厚さがフレーム部11における埋込酸化膜102よりも裏面側の部分の厚さに比べて薄くなっており、フレーム部11の裏面が全周にわたって矩形状のカバー2の周部に接合されている。したがって、重り部12の裏面とカバー2との間には重り部12の厚さ方向への重り部12の変位を可能とする隙間が形成されている。なお、各撓み部13は、上述のシリコン層103の一部により形成されている。また、4つの撓み部13は十字状に配置されている。
【0012】
重り部12は、上述の4つの撓み部13を介してフレーム部11に支持された直方体状のコア部12aと、コア部12aと一体に形成されコア部12aとフレーム部11とフレーム部11の周方向において隣り合う各一対の撓み部13の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部12bとを有している。ここに、各付随部12bそれぞれの周囲にはコア部12aとの連結部位を除いてスリット14が形成されている。また、センサ本体1は、撓み部13の裏面側であって隣り合う付随部12bの間にスリット14に連通する分離溝18が形成されている。
【0013】
図21に示した構成の半導体多軸加速度センサでは、上述のドライエッチングにより垂直に深掘り加工する技術を利用して重り部12を形成しているので、図20に示した構成の半導体多軸加速度センサのようにウェットエッチングによる異方性エッチングを利用して重り部12’を形成したものに比べて、小型化を図る(チップサイズの小型化を図る)ことができるという利点がある。
【0014】
【特許文献1】
特開平9−289327号公報(第3頁〜第4頁、図1、図2)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図21に示した構成の半導体多軸加速度センサでは、重り部12に対してz軸方向へ過大な加速度が作用したときに、重り部12がカバー2側へ変位する場合にはカバー2により重り部12の変位が制限されるが、重り部12がカバー2から離れる向きへ変位する場合には制限がかからないので、撓み部13が破損してしまうという不具合があった。そこで、センサ本体1の厚み方向においてカバー2とは反対側に別のカバーを接合することが考えられるが、センサ全体としての厚さ寸法が大きくなってしまう。
【0016】
また、図21に示した構成の半導体多軸加速度センサでは、重り部12に対してx軸方向またはy軸方向へ過大な加速度が作用したときには、重り部12に当該重り部12の重心を中心として回転モーメントが作用し、重り部12が例えば図22における時計回り方向に回転するが、図22の右側の付随部12bがカバー2に当たり、カバー2との当接点を支点として重り部12が時計回り方向に回転し、撓み部13が破損してしまうという不具合があった。
【0017】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、小型化を図れ且つ耐衝撃性に優れた半導体多軸加速度センサおよびその製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、枠状のフレーム部の表裏に貫通する開口窓内にフレーム部から離間して配置された重り部が十字状に配置された4つの撓み部を介してフレーム部に支持され、重り部の変位により撓み部に生じる歪みを検出する抵抗素子が撓み部に設けられたセンサ本体を備えた半導体多軸加速度センサであって、重り部は、各撓み部の一端部が連結されたコア部と、コア部と一体に形成されコア部とフレーム部とフレーム部の周方向において隣り合う各一対の撓み部の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部とを有し、各撓み部は、両側縁から側方へ突出した突出片が一体に形成され、各付随部は、重り部が表面側に変位したときに突出片の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を突出片の表裏方向において重なるように突設してなることを特徴とする。この請求項1の発明の構成によれば、重り部とフレーム部とを撓み部を介して連結する部位を除いて分離する際にドライエッチングによる深掘り加工技術を利用することでセンサ本体の小型化を図ることができ、しかも、各撓み部は、両側縁から側方へ突出した突出片が一体に形成され、各付随部には、重り部が表面側に変位したときに突出片の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を撓み部の表裏方向において重なるように突設しているので、ストッパ部が突出片の裏面に当たることでセンサ本体の表面側への重り部の変位が制限されて撓み部の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、センサ本体の表面側にカバーを設ける場合に比べてセンサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れる。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記センサ本体は、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜を介在させたSOI基板を用いて形成され、前記各撓み部それぞれがシリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間の距離が埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されてなることを特徴とする。この請求項2の発明の構成によれば、製造時に埋込酸化膜のうち前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間に介在する部分を選択的にエッチングすることにより前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間の距離の製品間でのばらつきを小さくすることができ、製造歩留まりの向上を図れ、結果的に低コスト化を図ることができる。
【0020】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記突出片は、表裏に貫通する複数の貫通孔が形成されてなることを特徴とする。この請求項3の発明の構成によれば、製造時に前記埋込酸化膜のうち前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間に介在する部分を選択的にエッチングする際のエッチング時間の短縮が可能となる。
【0021】
請求項4の発明は、枠状のフレーム部の表裏に貫通する開口窓内にフレーム部から離間して配置された重り部が十字状に配置された4つの撓み部を介してフレーム部に支持され、重り部の変位により撓み部に生じる歪みを検出する抵抗素子が撓み部に設けられたセンサ本体を備えた半導体多軸加速度センサであって、重り部は、各撓み部の一端部が連結されたコア部と、コア部と一体に形成されコア部とフレーム部とフレーム部の周方向において隣り合う各一対の撓み部の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部とを有し、各付随部は、重り部が表面側に変位したときに撓み部の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を撓み部の表裏方向において重なるように突設してなることを特徴とする。この請求項4の発明の構成によれば、重り部とフレーム部とを撓み部を介して連結する部位を除いて分離する際にドライエッチングによる深掘り加工技術を利用することでセンサ本体の小型化を図ることができ、しかも、各付随部には、重り部が表面側に変位したときに撓み部の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を撓み部の表裏方向において重なるように突設しているので、ストッパ部が撓み部の裏面に当たることでセンサ本体の表面側への重り部の変位が制限されて撓み部の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、センサ本体の表面側にカバーを設ける場合に比べてセンサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れる。また、重り部の各付随部からストッパ部が突設されていることにより、重り部の重量を大きくでき、感度が向上するという利点がある。
【0022】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記センサ本体は、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜を介在させたSOI基板を用いて形成され、前記各撓み部それぞれがシリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記ストッパ部と前記撓み部の裏面との間の距離が埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されてなることを特徴とする。この請求項5の発明の構成によれば、製造時に埋込酸化膜のうち前記ストッパ部と前記撓み部の裏面との間に介在する部分を選択的にエッチングすることにより前記ストッパ部と前記撓み部の裏面との間の距離の製品間でのばらつきを小さくすることができ、製造歩留まりの向上を図れ、結果的に低コスト化を図ることができる。
【0023】
請求項6の発明は、請求項2または請求項3または請求項5の発明において、前記フレーム部は、前記周方向において隣り合う各一対の前記撓み部の間の部位に内側面と表面とが開放されている凹所が形成され、前記重り部の前記各付随部は、前記重り部が裏面側に変位したときに凹所の内底面に当たって前記重り部の変位を制限する突片を前記フレーム部の表裏方向において凹所の内底面に重なるように突設してなることを特徴とする。この請求項6の発明の構成によれば、突片が凹所の内底面に当たることで前記センサ本体の裏面側への前記重り部の変位が制限されて前記撓み部の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、前記センサ本体の裏面側にカバーを設ける場合に比べて前記センサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れる。また、前記重り部の前記各付随部から突片が突設されていることにより、前記重り部の重量を大きくでき、感度が向上するという利点がある。
【0024】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記突片が前記シリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記突片と前記凹所の内底面との間の距離が前記埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されてなることを特徴とする。この請求項7の発明の構成によれば、製造時に埋込酸化膜のうち前記突片と前記凹所の内底面との間に介在する部分を選択的にエッチングすることにより前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間の距離の製品間でのばらつきを小さくすることができ、製造歩留まりの向上を図れ、結果的に低コスト化を図ることができる。
【0025】
請求項8の発明は、請求項6または請求項7の発明において、前記重り部の前記各付随部は、前記フレーム部との対向面と表面とが開放されている凹部が形成され、前記フレーム部は、前記重り部が前記表面側に変位したときに凹部の内底面が当たって前記重り部の変位を制限する規制片を突設してなることを特徴とする。この請求項8の発明の構成によれば、前記重り部の前記表面側への変位をより確実に制限することができ、耐衝撃性がさらに向上する。
【0026】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記規制片が前記シリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記規制片と前記凹部の内底面との間の距離が前記埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されてなることを特徴とする。この請求項9の発明の構成によれば、製造時に埋込酸化膜のうち前記規制片と前記凹部の内底面との間に介在する部分を選択的にエッチングすることにより前記規制片と前記凹部の内底面との間の距離の製品間でのばらつきを小さくすることができ、製造歩留まりの向上を図れ、結果的に低コスト化を図ることができる。
【0027】
請求項10の発明は、請求項2,3,5〜9の発明において、前記フレーム部は、前記表裏方向における表面側の端部に、前記撓み部の裏面に重なる突部が突設されてなることを特徴とする。この請求項10の発明の構成によれば、前記フレーム部の前記表裏方向における表面側の端部に突部を突設していない場合に比べて前記撓み部と前記フレーム部との連結部位に応力が集中するのを緩和することができて前記撓み部が破損しにくくなり、耐衝撃性が高くなる。
【0028】
請求項11の発明は、請求項2記載の半導体多軸加速度センサの製造方法であって、前記シリコン層のうち前記フレーム部および前記各撓み部および前記各突出片および前記重り部に対応する部分が残るように前記シリコン層を前記SOI基板の表面側から前記埋込酸化膜に達するまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とが分離され且つ前記ストッパ部に対応する部分が形成されるように前記シリコン基板を前記SOI基板の裏面側から前記埋込酸化膜に達するまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分および前記突出片に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングして除去する犠牲層エッチング工程とを備えることを特徴とする。この請求項11の発明によれば、裏面側パターニング工程において前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とを分離するのと同時に前記ストッパ部を形成することができ、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングするのと同時に前記突出片に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングすることができるので、小型化を図れ且つ耐衝撃性に優れた半導体多軸加速度センサを提供することができる。
【0029】
請求項12の発明は、請求項3記載の半導体多軸加速度センサの製造方法であって、前記シリコン層のうち前記フレーム部および前記各撓み部および前記各突出片および前記重り部に対応する部分が残り且つ前記貫通孔が形成されるように前記シリコン層を前記SOI基板の表面側から前記埋込酸化膜に達するまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とが分離され且つ前記ストッパ部に対応する部分が形成されるように前記シリコン基板を前記SOI基板の裏面側から前記埋込酸化膜に達するまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部分に重なる部分をウェットエッチングして除去する犠牲層エッチング工程とを備えることを特徴とする。この請求項12の発明によれば、裏面側パターニング工程において前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とを分離するのと同時に前記ストッパ部を形成することができ、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングするのと同時に前記突出片に相当する部位に重なる部分を前記貫通孔を通してもウェットエッチングすることができるので、小型化を図れ且つ耐衝撃性に優れた半導体多軸加速度センサを提供することができる。
【0030】
請求項13の発明は、請求項5記載の半導体多軸加速度センサの製造方法であって、前記シリコン層のうち前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように前記シリコン層を前記SOI基板の表面側から前記埋込酸化膜に達するまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とが分離され且つ前記ストッパ部に対応する部分が形成されるように前記シリコン基板を前記SOI基板の裏面側から前記埋込酸化膜に達するまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングして除去する犠牲層エッチング工程とを備えることを特徴とする。この請求項13の発明によれば、裏面側パターニング工程において前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とを分離するのと同時に前記ストッパ部を形成することができ、小型化を図れ且つ耐衝撃性に優れた半導体多軸加速度センサを提供することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態の半導体多軸加速度センサは、図1ないし図3に示すように、厚み方向の中間部にシリコン酸化膜からなる埋込酸化膜102を有するSOI基板100を用いて形成したセンサ本体1を備えている。なお、SOI基板100は、シリコン基板からなる支持基板101とn形のシリコン層(シリコン活性層)103との間に絶縁膜である埋込酸化膜102が形成された所謂SOIウェハの一部により構成される。ここに、支持基板101、埋込酸化膜102、シリコン層103それぞれの厚さ寸法は、400〜600μm、0.5〜3μm、4〜10μm程度であればよく、シリコン層103の厚さ寸法は支持基板101の厚さ寸法に比べて十分に小さな値となる。
【0032】
センサ本体1は、枠状(本実施形態では、矩形枠状)のフレーム部11を備え、フレーム部11の表裏に貫通する開口窓11a内にフレーム部11から離間して配置された重り部12が十字状に配置された4つの撓み部13を介してフレーム部11に支持されている。ここにおいて、センサ本体1は、重り部12における埋込酸化膜102よりも裏面側の部分の厚さがフレーム部11における埋込酸化膜102よりも裏面側の部分の厚さに比べて薄くなっている。したがって、重り部12の裏面とフレーム部11の裏面を含む平面との間には重り部12の厚さ方向への重り部12の変位を可能とする隙間が形成されている。なお、各撓み部13は、フレーム部11に比べて薄肉であって、上述のSOI基板100のシリコン層103を利用して形成されている。
【0033】
重り部12は、上述の4つの撓み部13を介してフレーム部11に支持された直方体状のコア部12aと、コア部12aと一体に形成されコア部12aとフレーム部11とフレーム部11の周方向において隣り合う各一対の撓み部13の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部12bとを有している。ここに、各付随部12bそれぞれの周囲にはコア部12aとの連結部位を除いてスリット14が形成されている。また、センサ本体1は、撓み部13の裏面側であって隣り合う付随部12bの間にスリット14に連通する分離溝18が形成されている。なお、各付随部12bは直方体状に形成されている。
【0034】
ところで、図1の左側に示したように、センサ本体1の厚み方向をz軸方向、z軸方向に直交する平面において矩形枠状のフレーム部11の一辺に沿った方向をx軸方向、この一辺に直交する辺に沿った方向をy軸方向と規定すれば、重り部12は、x軸方向に延長されてコア部12aを挟む2つ1組の撓み部13,13と、y軸方向に延長されてコア部12aを挟む2つ1組の撓み部13,13とを介してフレーム部11に支持されていることになる。
【0035】
x軸方向に延長された2つの撓み部13,13のうち図2の左側の撓み部13は延長方向においてコア部12a近傍に2つのピエゾ抵抗R1x,R3xが形成されるとともにフレーム部11近傍に1つのピエゾ抵抗R2zが形成され、図2の右側の撓み部13は延長方向においてコア部12a近傍に2つのピエゾ抵抗R2x,R4xが形成されるとともにフレーム部11近傍に1つのピエゾ抵抗R3zが形成されている。ここに、コア部12a近傍の4つのピエゾ抵抗R1x,R2x,R3x,R4xは、x軸方向の加速度を検出するために形成されたものであり、長手方向を撓み部13の延長方向に一致させてあり、図10に示す左側のブリッジ回路を構成するように接続されている。なお、ピエゾ抵抗R1x〜R4xは、重り部12の変位により撓み部13に生じる歪みを検出する抵抗素子であって、x軸方向の加速度が作用したときに撓み部13において最大応力が発生する領域に形成されている。また、図2では各ピエゾ抵抗R1x〜R4xに電気的に接続された配線の図示を省略してある。
【0036】
y軸方向に延長された2つの撓み部13,13のうち図2の上側の撓み部13は延長方向においてコア部12a近傍に2つのピエゾ抵抗R1y,R3yが形成されるとともにフレーム部11近傍に1つのピエゾ抵抗R1zが形成され、図2の下側の撓み部13は延長方向においてコア部12a近傍に2つのピエゾ抵抗R2y,R4yが形成されるとともにフレーム部11近傍に1つのピエゾ抵抗R4zが形成されている。ここに、コア部12a近傍の4つのピエゾ抵抗R1y,R2y,R3y,R4yは、y軸方向の加速度を検出するために形成されたものであり、長手方向を撓み部13の延長方向に一致させてあり、図10に示す中央のブリッジ回路を構成するように接続されている。なお、ピエゾ抵抗R1y〜R4yは、重り部12の変位により撓み部13に生じる歪みを検出する抵抗素子であって、y軸方向の加速度が作用したときに撓み部13において最大応力が発生する領域に形成されている。また、図2では各ピエゾ抵抗R1y〜R4yに電気的に接続された配線の図示を省略してある。
【0037】
また、フレーム部11近傍の4つのピエゾ抵抗R1z,R2z,R3z,R4zは、z軸方向の加速度を検出するために形成されたものであり、図10に示す右側のブリッジ回路を構成するように接続されている。ただし、ピエゾ抵抗R1z〜R4zは、重り部12の変位により撓み部13に生じる歪みを検出する抵抗素子であって、z軸方向の加速度が作用したときに撓み部13において最大応力が発生する領域に形成されている。また、2つ1組となる撓み部13,13のうち一方の組の撓み部13,13に形成したピエゾ抵抗R1z,R4zは長手方向が撓み部13,13の延長方向(長手方向)に一致するように形成されているのに対して、他方の組の撓み部13,13に形成したピエゾ抵抗R2z,R3zは長手方向が撓み部13,13の幅方向(短手方向)に一致するように形成されている。なお、図2では各ピエゾ抵抗R1z〜R4zに電気的に接続された配線の図示を省略してある。
【0038】
ところで、フレーム部11には、8個のパッド(図示せず)を設けてある。すなわち、上述の各ブリッジ回路それぞれの出力端子となるパッドは各ブリッジ回路ごとに設けてあるが、各ブリッジ回路の入力端子となるパッドは3つのブリッジ回路で共通化されている(3つのブリッジ回路に対して入力端子としては2つのパッドのみ設けてある)。図10の回路においては、x軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路の2つの出力端子X1,X2、y軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路の2つの出力端子Y1,Y2、z軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路の2つの出力端子Z1,Z2がそれぞれパッドに対応している。また、図10の回路においては、各ブリッジ回路に共通の2つの入力端子VDD,GNDがそれぞれパッドに対応している。なお、入力端子VDDと入力端子GNDとの間には外部電源(図示せず)から電圧が印加されが、入力端子VDDが外部電源の高電位側、入力端子GNDが低電位側(グランド側)に接続される。
【0039】
次に、加速度の検出原理について図11を参照しながら説明するが、検出原理については周知なので簡単に説明する。なお、図11は上述の各ブリッジ回路を示しており、x軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路の場合には図11のピエゾ抵抗R1〜R4が上述のピエゾ抵抗R1x〜R4xとなるとともに図11の出力端子V1,V2が上述の出力端子X1,X2となり、y軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路の場合には図11中のピエゾ抵抗R1〜R4が上述のピエゾ抵抗R1y〜R4yとなるとともに図11の出力端子V1,V2が上述の出力端子Y1,Y2となり、z軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路の場合には図11中のピエゾ抵抗R1がピエゾ抵抗R1z、ピエゾ抵抗R2がR4z、ピエゾ抵抗R3がピエゾ抵抗R2z、ピエゾ抵抗R4がピエゾ抵抗R3zとなるとともに図11の出力端子V1,V2が上述の出力端子Z1,Z2となる。
【0040】
いま、センサ本体1にx軸方向の成分を含む外力(すなわち、加速度)が作用したとすると、重り部12の慣性によってフレーム部11に対して重り部12が変位し、結果的に撓み部13が撓んで当該撓み部13に形成されているピエゾ抵抗R1〜R4(R1x〜R4x)の抵抗値が変化することになる(例えば、ピエゾ抵抗R1,R3は抵抗値が増大し、ピエゾ抵抗R2,R4は抵抗値が減少することになる)ので、図11における出力端子V1,V2(X1,X2)間に電位差が生じる。ここに、出力端子V1の電位をv1、出力端子V2の電位をv2、ブリッジ回路の出力電圧をvとすれば、v=v1−v2となるから、ピエゾ抵抗R1〜R4の抵抗値の変化を検出することによりセンサ本体1に作用したx軸方向の加速度を検出することができるのである。なお、x軸方向の加速度が作用したときには、y軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路およびz軸方向の加速度を検出するためのブリッジ回路では抵抗値の増減が相殺されて出力端子V1,V2間に電位差は生じない。
【0041】
同様に、センサ本体1にy軸方向の成分を含む外力(すなわち、加速度)が作用した場合にも、重り部12の慣性によってフレーム部11に対して重り部12が変位し、結果的に撓み部13が撓んで当該撓み部13に形成されているピエゾ抵抗R1〜R4(R1y〜R4y)の抵抗値が変化することになり、出力端子V1,V2(Y1,Y2)間に電位差が生じるので、出力端子V1の電位をv1、出力端子V2の電位をv2、ブリッジ回路の出力電圧をvとすれば、v=v1−v2となるから、ピエゾ抵抗R1〜R4の抵抗値の変化を検出することによりセンサ本体1に作用したy軸方向の加速度を検出することができるのである。
【0042】
また、センサ本体1にz軸方向の成分を含む外力(すなわち、加速度)が作用した場合には、重り部12の慣性によってフレーム部11に対して重り部12が変位し、結果的に撓み部13が撓んで当該撓み部13に形成されているピエゾ抵抗R1〜R4(R1z〜R4z)の抵抗値が変化することになる。ここにおいて、ピエゾ抵抗R1z〜Rz4は同じ応力を受けるが、ピエゾ抵抗R1z,R3zでは撓み部13の延長方向に沿った向きで電流が流れるのに対してピエゾ抵抗R2z,R4zでは撓み部13の幅方向に沿った向きで電流が流れることによりピエゾ抵抗R1z,R3zとピエゾ抵抗R2z,R4zとで抵抗値の増減が逆となり、出力端子V1,V2(Z1,Z2)間に電位差が生じるので、出力端子V1の電位をv1、出力端子V2の電位をv2、ブリッジ回路の出力電圧をvとすれば、v=v1−v2となるから、ピエゾ抵抗R1〜R4の抵抗値の変化を検出することによりセンサ本体1に作用したz軸方向の加速度を検出することができるのである。
【0043】
ところで、上述の説明から分かるように、センサ本体1では、ピエゾ抵抗R1x〜R4x,R1y〜R4y,R1z〜R4zが上記各ブリッジ回路を構成するように配線により電気的に接続されるとともにパッドに電気的に接続されるが、本実施形態では、ピエゾ抵抗R1x〜R4x,R1y〜R4y,R1z〜R4zに電気的に接続された配線として拡散層配線と金属配線(例えば、アルミニウム配線)との2種類があり、少なくとも各撓み部13に形成される部分が拡散層配線により構成されている。なお、各ピエゾ抵抗R1x〜R4x,R1y〜R4y,R1z〜R4zに電気的に接続された配線のうちフレーム部11に形成される部分の配線の大部分は金属配線により構成されているが、各ピエゾ抵抗R1x〜R4x,R1y〜R4y,R1z〜R4zおよび各パッドのレイアウトの関係上配線を交差させる必要がある場合には、互いに交差する配線の一方を拡散層配線により構成するとともに他方を金属配線により構成するようにしてある。
【0044】
ところで、上述の重り部12は、4つの撓み部13を介してフレーム部11に支持された直方体状のコア部12aと、コア部12aと一体に形成されコア部12aとフレーム部11とフレーム部11の周方向において隣り合う各一対の撓み部13の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部12bとを有しているが、各撓み部13は、両側縁から側方へ突出した突出片13b,13bが一体に形成されており、各付随部12bは、重り部12が表面側に変位したときに突出片13cの裏面に当たって重り部12の変位を制限するストッパ部12cを突出片13bの表裏方向(重り部12の厚み方向)において重なるように突設してある。ここにおいて、突出片13cの厚さ寸法は、撓み部13の厚さ寸法と一致させてあり、加速度が作用していない状態での上記表裏方向における突出片13cの裏面とストッパ部12cとの間の距離は、埋込酸化膜102の厚さ寸法と同じ値に設定してある。なお、突出片13bは、表裏に貫通する複数の貫通孔13c(図4参照)が形成されている。
【0045】
しかして、本実施形態の半導体多軸加速度センサでは、各撓み部13の両側縁から側方へ突出した突出片13bが一体に形成され、各付随部12bには重り部12が表面側に変位したときに突出片13bの裏面に当たって重り部12の変位を制限するストッパ部12cを突出片13bの表裏方向において重なるように突設しているので、ストッパ部12cが突出片13bの裏面に当たることでセンサ本体1の表面側への重り部12の変位が制限されて撓み部13の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、センサ本体1の表面側にカバーを設ける場合に比べてセンサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れる。
【0046】
また、フレーム部11は、周方向において隣り合う各一対の撓み部13の間の部位に内側面と表面とが開放されている凹所11d(図7(a)参照)が形成されており、重り部12の各付随部12bは、重り部12が裏面側に変位したときに凹所11dの内底面に当たって重り部12の変位を制限する突片12d(図7(a)参照)をフレーム部11の表裏方向において重なるように突設してある。したがって、突片12dが凹所11dの内底面に当たることでセンサ本体1の裏面側への重り部12の変位が制限されて撓み部13の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、センサ本体1の裏面側にカバーを設ける場合に比べてセンサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れる。また、重り部12の各付随部12bから突片12dが突設されていることにより、重り部12の重量を大きくでき、感度が向上するという利点がある。ここにおいて、突片12dは上述のSOI基板100のシリコン層103を利用して形成されており、突片12dの厚さ寸法は、撓み部13の厚さ寸法と一致させてあり、加速度が作用していない状態での上記表裏方向における突片12dと凹所11dの内底面との間の距離が埋込酸化膜102の厚さ寸法と同じ値に設定されている。
【0047】
また、重り部12の各付随部12bは、フレーム部11との対向面と表面とが開放されている凹部12e(図7(b)参照)が形成され、フレーム部11は、重り部12が表面側に変位したときに凹部12eの内底面が当たって重り部12の変位を制限する規制片11e(図7(b)参照)を突設してある。したがって、重り部12の表面側への変位をより確実に制限することができ、耐衝撃性がさらに向上する。ここにおいて、規制片11eは上述のSOI基板100のシリコン層103を利用して形成されており、規制片11eの厚さ寸法は、撓み部13の厚さ寸法と一致させてあり、加速度が作用していない状態での規制片11eと凹部11dの内底面との間の距離は、埋込酸化膜102の厚さ寸法と同じ値に設定してある。
【0048】
以上の説明から分かるように、本実施形態では、埋込酸化膜102の厚さ寸法により重り部12の変位量が制限されるから、埋込酸化膜102の厚さ寸法は、重り部12の厚み方向へ重り部12が変位したときに撓み部13が破損しないような変位に応じて設定することが望ましい。
【0049】
また、フレーム部11は、表裏方向における表面側の端部に、撓み部13の裏面に重なる突部11f(図8参照)が突設されている。ここにおいて、突部11fは、支持基板101の一部と埋込酸化膜102の一部とにより構成されており、支持基板101の一部により形成されている部分には、上記表裏方向において撓み部13に近づくほどフレーム部11の開口窓11aの開口幅を狭くするように傾斜した傾斜面が形成されている。したがって、センサ本体1は、フレーム部11の表裏方向における表面側の端部に突部11fを突設していない図9に示すような場合に比べて撓み部13とフレーム部11との連結部位に応力が集中するのを緩和することができて撓み部13が破損しにくくなり、耐衝撃性が高くなる。
【0050】
以下、センサ本体1の製造方法について図5および図6を参照しながら説明するが、図5は図2のB−B’断面に対応する部分の製造工程断面を示し、図6は図2のA−A’断面に対応する部分の製造工程断面を示している。
【0051】
まず、SOI基板100(実際にはSOIウェハ)の表面側のシリコン層103に上述の各ピエゾ抵抗R1x〜R4x,R1y〜R4y,Rz1〜R4zおよび各拡散層配線を不純物拡散技術などにより形成し、その後、SOI基板100の表面および裏面それぞれの全面にシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層膜からなる絶縁膜31,32を形成することにより、図5(a),図6(a)に示す構造を得る。なお、上述の金属配線は、シリコン酸化膜を形成した後、シリコン窒化膜を形成する前に形成する。
【0052】
次に、SOI基板100のシリコン層103のうちフレーム部11および各撓み部13および各突出片13bおよび重り部12に対応する部分を残し且つ貫通孔13cを形成するためにSOI基板100の表面側の絶縁膜31をパターニングし、パターニングされた絶縁膜31をマスクとして、SOI基板100のシリコン層103を表面側から埋込酸化膜1022に達する深さまでエッチングする表面側パターニング工程を行うことでスリット14に対応する部位に溝24を形成するとともに貫通孔13cに対応する部位にエッチング孔(図示せず)を形成し、その後、SOI基板100において重り部12に対応する部位をフレーム部11に対応する部位に比べて薄くするためにSOI基板100の裏面側の絶縁膜32をパターニングし、パターニングされた絶縁膜32をマスクとしてSOI基板100を裏面側から所定深さまでエッチングして凹所37を形成することにより、図5(b),図6(b)に示す構造を得る。なお、凹所37を形成する工程は表面側パターニング工程の前に行ってもよい。
【0053】
その後、支持基板101のうちフレーム部11に対応する部分と重り部12に対応する部分とが分離され且つストッパ部12cに対応する部分が形成されるようにSOI基板100の裏面側にマスク用のレジスト層33をパターン形成してから、支持基板101をSOI基板100の裏面側から埋込酸化膜102に達するまでドライエッチングすることにより、図5(c),図6(c)に示す構造を得る。なお、ここでは、誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置のように深堀り加工が可能なドライエッチング装置を用いて支持基板101の露出部位を埋込酸化膜102に達するまで垂直にエッチングしており、隣り合う付随部12bを分離する分離溝18の開口幅が最終的な開口幅よりも狭く、付随部12bの大きさが最終的な付随部12bの大きさよりも大きくなっている。また、支持基板101においてスリット14に対応する部位に溝26が形成されているが、この溝26の開口幅も最終的な開口幅よりも狭くなっている。また、ここでは、埋込酸化膜102がエッチングストッパ層として機能する。
【0054】
次に、上述のレジスト層33を残した状態で、TMAH水溶液(テトラメチル水酸化アンモニウム水溶液)ようなアルカリ系溶液を用いて支持基板101を裏面側から異方性エッチングし、レジスト層33を除去することにより、図5(d),図6(d)に示す構造を得る。なお、このアルカリ系溶液を用いた異方性エッチングを行うことにより、分離溝18および溝26の開口幅が広がり、付随部12bのサイズが若干小さくなり、しかも、上述の突部11fが形成される。
【0055】
その後、埋込酸化膜102のうち露出している部位をバッファードフッ酸溶液(フッ酸の緩衝溶液)のようなエッチング液を用いてウェットエッチングする犠牲層エッチング工程を行うことでスリット14を形成するとともに重り部12と撓み部13とを分離することにより、図5(e),図6(e)に示す構造を得る。ここに、埋込酸化膜102のうち撓み部13に対応する部位は犠牲層となり溝24などを通して導入されるエッチング液によりエッチングされ、埋込酸化膜102のうち突出片13bに対応する部位も犠牲層となり上記エッチング孔などを通して導入されるエッチング液によりエッチングされる。
【0056】
以上説明した製造方法によれば、SOI基板100の裏面側および主表面側それぞれからのエッチング時に埋込酸化膜102をエッチングストッパ層として利用することで、撓み部13の厚さ寸法を高精度に管理することが可能となって、歩留まりの向上が図れ、結果的に低コスト化を図れる。また、図20に示した従来例のようにKOHなどのアルカリ系溶液を用いたシリコンの異方性エッチングを利用して重り部12を形成する場合に比べて、重り部12の外周面とフレーム部11の内周面との間の間隔を小さくすることができるので、センサ本体1の小型化を図れる。
【0057】
また、重り部12とフレーム部11とを撓み部13を介して連結する部位を除いて分離する際にドライエッチングによる深掘り加工技術を利用することで図20に示した従来例に比べてセンサ本体1の小型化を図ることができる。また、上述の裏面側パターニング工程において支持基板101のうちフレーム部11に対応する部分と重り部12に対応する部分とを分離するのと同時にストッパ部12cを形成することができ、裏面側パターニング工程の後で埋込酸化膜102の露出した部分および埋込酸化膜102のうち撓み部13に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングするのと同時に突出片13bに相当する部位に重なる部分を貫通孔13c(上記エッチング孔)を通してウェットエッチングすることができるから、小型化を図れ且つ耐衝撃性に優れた半導体多軸加速度センサを提供することができる。
【0058】
(実施形態2)
本実施形態の半導体多軸加速度センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、図12ないし図14に示すように、実施形態1で説明した突出片13bを設けず、重り部12のサイズを大きくして、重り部12が表面側に変位したときにストッパ部12cが撓み部13の裏面に当たることで撓み部13の変位が制限されるように構成している点などが相違する。要するに、本実施形態では、重り部12の各付随部12bに、重り部12が表面側に変位したときに撓み部13の裏面に当たって重り部12の変位を制限するストッパ部12cを撓み部13の表裏方向において重なるように突設してある。ここに、本実施形態では、実施形態1に比べてフレーム部11の開口窓11aのサイズを変更することなしに表裏方向に直交する面内での付随部12bのサイズを大きくしている。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
しかして、本実施形態の半導体多軸加速度センサでは、ストッパ部12cが撓み部13の裏面に当たることでセンサ本体1の表面側への重り部12の変位が制限されて撓み部13の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、センサ本体1の表面側にカバーを設ける場合に比べてセンサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れる。また、本実施形態では、実施形態1に比べて重り部12の重量が大きいので、実施形態1に比べて感度が向上する。
【0060】
なお、本実施形態の半導体多軸加速度センサの製造方法は、実施形態1における突出片13bおよび貫通孔13cを形成する必要のない点以外は実施形態1にて説明した製造方法と同様である。また、実施形態1にて説明した製造方法においてアルカリ系溶液により異方性エッチングを行う工程をなくして、図15に示すように隣り合う付随部12b間の距離を短くして表裏方向において撓み部13に重なるストッパ部12cの重量を大きくすれば、結果的に重り部12の重量を大きくすることができて、感度を向上させることができる。
【0061】
(実施形態3)
本実施形態の半導体多軸加速度センサの基本構成は実施形態2と略同じであって、実施形態2では付随部12bから突設したストッパ部12cが撓み部13の延長方向における中央部のみに重なるように形成されているのに対して、図16および図17に示すように、付随部12bに形成するストッパ部12cを撓み部13の延長方向に沿った方向の全長に亘って形成している点が相違する。したがって、本実施形態では、実施形態1に比べてフレーム部11の開口窓11aのサイズを変更することなしに撓み部13とストッパ部12cとの重なる面積を大きくするとともに重り部12の重量を大きくしている。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
しかして、本実施形態の半導体多軸加速度センサでは、実施形態2に比べて重り部12の重量が大きいので、実施形態2に比べて感度が向上する。
【0063】
なお、本実施形態の半導体多軸加速度センサの製造方法は、突出片13bおよび貫通孔13cを形成する必要のない点以外は実施形態1にて説明した製造方法と同様である。
【0064】
(実施形態4)
本実施形態の半導体多軸加速度センサの基本構成は実施形態3と略同じであって、図18および図19に示すように、フレーム部11に形成する凹所11dと付随部12から突設する突片11dとの組の数を2倍にするとともに、付随部12bに形成する凹部12eとフレーム部11から突設する規制片11eとの組の数を2倍にしている点が相違する。すなわち、本実施形態では、フレーム部11に形成する凹所11dと付随部12から突設する突片11dとの組を各付随部12bそれぞれに対応して2組ずつ設け、付随部12bに形成する凹部12eとフレーム部11から突設する規制片11eとの組を各付随部12bそれぞれに対応して2組ずつ設けてある。なお、実施形態3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】
しかして、本実施形態の半導体多軸加速度センサでは、実施形態3に比べてより確実に重り部12の変位を制限することができ、耐衝撃性が向上する。
【0066】
なお、本実施形態の半導体多軸加速度センサの製造方法は、突出片13bおよび貫通孔13cを形成する必要のない点以外は実施形態1にて説明した製造方法と同様である。
【0067】
【発明の効果】
請求項1の発明は、枠状のフレーム部の表裏に貫通する開口窓内にフレーム部から離間して配置された重り部が十字状に配置された4つの撓み部を介してフレーム部に支持され、重り部の変位により撓み部に生じる歪みを検出する抵抗素子が撓み部に設けられたセンサ本体を備えた半導体多軸加速度センサであって、重り部は、各撓み部の一端部が連結されたコア部と、コア部と一体に形成されコア部とフレーム部とフレーム部の周方向において隣り合う各一対の撓み部の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部とを有し、各撓み部は、両側縁から側方へ突出した突出片が一体に形成され、各付随部は、重り部が表面側に変位したときに突出片の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を突出片の表裏方向において重なるように突設してなるものであり、重り部とフレーム部とを撓み部を介して連結する部位を除いて分離する際にドライエッチングによる深掘り加工技術を利用することでセンサ本体の小型化を図ることができ、しかも、各撓み部は、両側縁から側方へ突出した突出片が一体に形成され、各付随部には、重り部が表面側に変位したときに突出片の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を撓み部の表裏方向において重なるように突設しているので、ストッパ部が突出片の裏面に当たることでセンサ本体の表面側への重り部の変位が制限されて撓み部の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、センサ本体の表面側にカバーを設ける場合に比べてセンサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れるという効果がある。
【0068】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記センサ本体は、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜を介在させたSOI基板を用いて形成され、前記各撓み部それぞれがシリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間の距離が埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されているので、製造時に埋込酸化膜のうち前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間に介在する部分を選択的にエッチングすることにより前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間の距離の製品間でのばらつきを小さくすることができ、製造歩留まりの向上を図れ、結果的に低コスト化を図ることができるという効果がある。
【0069】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記突出片は、表裏に貫通する複数の貫通孔が形成されているので、製造時に前記埋込酸化膜のうち前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間に介在する部分を選択的にエッチングする際のエッチング時間の短縮が可能となるという効果がある。
【0070】
請求項4の発明は、枠状のフレーム部の表裏に貫通する開口窓内にフレーム部から離間して配置された重り部が十字状に配置された4つの撓み部を介してフレーム部に支持され、重り部の変位により撓み部に生じる歪みを検出する抵抗素子が撓み部に設けられたセンサ本体を備えた半導体多軸加速度センサであって、重り部は、各撓み部の一端部が連結されたコア部と、コア部と一体に形成されコア部とフレーム部とフレーム部の周方向において隣り合う各一対の撓み部の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部とを有し、各付随部は、重り部が表面側に変位したときに撓み部の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を撓み部の表裏方向において重なるように突設してなるものであり、重り部とフレーム部とを撓み部を介して連結する部位を除いて分離する際にドライエッチングによる深掘り加工技術を利用することでセンサ本体の小型化を図ることができ、しかも、各付随部には、重り部が表面側に変位したときに撓み部の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を撓み部の表裏方向において重なるように突設しているので、ストッパ部が撓み部の裏面に当たることでセンサ本体の表面側への重り部の変位が制限されて撓み部の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、センサ本体の表面側にカバーを設ける場合に比べてセンサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れるという効果がある。また、重り部の各付随部からストッパ部が突設されていることにより、重り部の重量を大きくでき、感度が向上するという利点がある。
【0071】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記センサ本体は、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜を介在させたSOI基板を用いて形成され、前記各撓み部それぞれがシリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記ストッパ部と前記撓み部の裏面との間の距離が埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されているので、製造時に埋込酸化膜のうち前記ストッパ部と前記撓み部の裏面との間に介在する部分を選択的にエッチングすることにより前記ストッパ部と前記撓み部の裏面との間の距離の製品間でのばらつきを小さくすることができ、製造歩留まりの向上を図れ、結果的に低コスト化を図ることができるという効果がある。
【0072】
請求項6の発明は、請求項2または請求項3または請求項5の発明において、前記フレーム部は、前記周方向において隣り合う各一対の前記撓み部の間の部位に内側面と表面とが開放されている凹所が形成され、前記重り部の前記各付随部は、前記重り部が裏面側に変位したときに凹所の内底面に当たって前記重り部の変位を制限する突片を前記フレーム部の表裏方向において凹所の内底面に重なるように突設しているので、突片が凹所の内底面に当たることで前記センサ本体の裏面側への前記重り部の変位が制限されて前記撓み部の破損が防止されるから、耐衝撃性を高めることができ、前記センサ本体の裏面側にカバーを設ける場合に比べて前記センサ全体の厚さ寸法を小さくすることができて小型化を図れるという効果がある。また、前記重り部の前記各付随部から突片が突設されていることにより、前記重り部の重量を大きくでき、感度が向上するという利点がある。
【0073】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記突片が前記シリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記突片と前記凹所の内底面との間の距離が前記埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されているので、製造時に埋込酸化膜のうち前記突片と前記凹所の内底面との間に介在する部分を選択的にエッチングすることにより前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間の距離の製品間でのばらつきを小さくすることができ、製造歩留まりの向上を図れ、結果的に低コスト化を図ることができるという効果がある。
【0074】
請求項8の発明は、請求項6または請求項7の発明において、前記重り部の前記各付随部は、前記フレーム部との対向面と表面とが開放されている凹部が形成され、前記フレーム部は、前記重り部が前記表面側に変位したときに凹部の内底面が当たって前記重り部の変位を制限する規制片を突設しているので、前記重り部の前記表面側への変位をより確実に制限することができ、耐衝撃性がさらに向上するという効果がある。
【0075】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記規制片が前記シリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記規制片と前記凹部の内底面との間の距離が前記埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されているので、製造時に埋込酸化膜のうち前記規制片と前記凹部の内底面との間に介在する部分を選択的にエッチングすることにより前記規制片と前記凹部の内底面との間の距離の製品間でのばらつきを小さくすることができ、製造歩留まりの向上を図れ、結果的に低コスト化を図ることができるという効果がある。
【0076】
請求項10の発明は、請求項2,3,5〜9の発明において、前記フレーム部は、前記表裏方向における表面側の端部に、前記撓み部の裏面に重なる突部が突設されているので、前記フレーム部の前記表裏方向における表面側の端部に突部を突設していない場合に比べて前記撓み部と前記フレーム部との連結部位に応力が集中するのを緩和することができて前記撓み部が破損しにくくなり、耐衝撃性が高くなるという効果がある。
【0077】
請求項11の発明は、請求項2記載の半導体多軸加速度センサの製造方法であって、前記シリコン層のうち前記フレーム部および前記各撓み部および前記各突出片および前記重り部に対応する部分が残るように前記シリコン層を前記SOI基板の表面側から前記埋込酸化膜に達するまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とが分離され且つ前記ストッパ部に対応する部分が形成されるように前記シリコン基板を前記SOI基板の裏面側から前記埋込酸化膜に達するまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分および前記突出片に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングして除去する犠牲層エッチング工程とを備えるので、裏面側パターニング工程において前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とを分離するのと同時に前記ストッパ部を形成することができ、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングするのと同時に前記突出片に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングすることができるから、小型化を図れ且つ耐衝撃性に優れた半導体多軸加速度センサを提供することができるという効果がある。
【0078】
請求項12の発明は、請求項3記載の半導体多軸加速度センサの製造方法であって、前記シリコン層のうち前記フレーム部および前記各撓み部および前記各突出片および前記重り部に対応する部分が残り且つ前記貫通孔が形成されるように前記シリコン層を前記SOI基板の表面側から前記埋込酸化膜に達するまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とが分離され且つ前記ストッパ部に対応する部分が形成されるように前記シリコン基板を前記SOI基板の裏面側から前記埋込酸化膜に達するまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部分に重なる部分をウェットエッチングして除去する犠牲層エッチング工程とを備えるので、裏面側パターニング工程において前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とを分離するのと同時に前記ストッパ部を形成することができ、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングするのと同時に前記突出片に相当する部位に重なる部分を前記貫通孔を通してもウェットエッチングすることができるから、小型化を図れ且つ耐衝撃性に優れた半導体多軸加速度センサを提供することができるという効果がある。
【0079】
請求項13の発明は、請求項5記載の半導体多軸加速度センサの製造方法であって、前記シリコン層のうち前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように前記シリコン層を前記SOI基板の表面側から前記埋込酸化膜に達するまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とが分離され且つ前記ストッパ部に対応する部分が形成されるように前記シリコン基板を前記SOI基板の裏面側から前記埋込酸化膜に達するまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングして除去する犠牲層エッチング工程とを備えるので、裏面側パターニング工程において前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とを分離するのと同時に前記ストッパ部を形成することができ、小型化を図れ且つ耐衝撃性に優れた半導体多軸加速度センサを提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の半導体多軸加速度センサの一部破断した概略斜視図である。
【図2】同上におけるセンサ本体の概略平面図である。
【図3】同上を示し、(a)は図2のA−A’断面図、(b)は図2のB−B’断面図である。
【図4】同上の要部斜視図である。
【図5】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図6】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図7】同上を示し、(a)は図2のC−C’断面図、(b)は図2のD−D’断面図、(c)は図2のE−E’断面図である。
【図8】同上を示し、図2のF−F’断面図である。
【図9】同上の他の構成例の断面図である。
【図10】同上におけるセンサ本体に形成された回路の回路図である。
【図11】同上の動作説明図である。
【図12】実施形態2の半導体多軸加速度センサの一部破断した概略斜視図である。
【図13】同上におけるセンサ本体の概略平面図である。
【図14】図13のA−A’断面図である。
【図15】同上の他の構成例の断面図である。
【図16】実施形態3の半導体多軸加速度センサの一部破断した概略斜視図である。
【図17】同上におけるセンサ本体の概略平面図である。
【図18】実施形態4の半導体多軸加速度センサの一部破断した概略斜視図である。
【図19】同上におけるセンサ本体の概略平面図である。
【図20】従来例を示す半導体多軸加速度センサの一部破断した概略斜視図である。
【図21】他の従来例を示す半導体多軸加速度センサの一部破断した概略斜視図である。
【図22】同上の動作説明図である。
【符号の説明】
1 センサ本体
11 フレーム部
11a 開口窓
12 重り部
12a コア部
12b 付随部
12c ストッパ部
13 撓み部
13b 突出片
14 スリット
18 分離溝
Claims (13)
- 枠状のフレーム部の表裏に貫通する開口窓内にフレーム部から離間して配置された重り部が十字状に配置された4つの撓み部を介してフレーム部に支持され、重り部の変位により撓み部に生じる歪みを検出する抵抗素子が撓み部に設けられたセンサ本体を備えた半導体多軸加速度センサであって、重り部は、各撓み部の一端部が連結されたコア部と、コア部と一体に形成されコア部とフレーム部とフレーム部の周方向において隣り合う各一対の撓み部の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部とを有し、各撓み部は、両側縁から側方へ突出した突出片が一体に形成され、各付随部は、重り部が表面側に変位したときに突出片の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を突出片の表裏方向において重なるように突設してなることを特徴とする半導体多軸加速度センサ。
- 前記センサ本体は、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜を介在させたSOI基板を用いて形成され、前記各撓み部それぞれがシリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記ストッパ部と前記突出片の裏面との間の距離が埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されてなることを特徴とする請求項1記載の半導体多軸加速度センサ。
- 前記突出片は、表裏に貫通する複数の貫通孔が形成されてなることを特徴とする請求項2記載の半導体多軸加速度センサ。
- 枠状のフレーム部の表裏に貫通する開口窓内にフレーム部から離間して配置された重り部が十字状に配置された4つの撓み部を介してフレーム部に支持され、重り部の変位により撓み部に生じる歪みを検出する抵抗素子が撓み部に設けられたセンサ本体を備えた半導体多軸加速度センサであって、重り部は、各撓み部の一端部が連結されたコア部と、コア部と一体に形成されコア部とフレーム部とフレーム部の周方向において隣り合う各一対の撓み部の間の空間にそれぞれ配置された4つの付随部とを有し、各付随部は、重り部が表面側に変位したときに撓み部の裏面に当たって重り部の変位を制限するストッパ部を撓み部の表裏方向において重なるように突設してなることを特徴とする半導体多軸加速度センサ。
- 前記センサ本体は、裏面側のシリコン基板と表面側のシリコン層との間に埋込酸化膜を介在させたSOI基板を用いて形成され、前記各撓み部それぞれがシリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記ストッパ部と前記撓み部の裏面との間の距離が埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されてなることを特徴とする請求項4記載の半導体多軸加速度センサ。
- 前記フレーム部は、前記周方向において隣り合う各一対の前記撓み部の間の部位に内側面と表面とが開放されている凹所が形成され、前記重り部の前記各付随部は、前記重り部が裏面側に変位したときに凹所の内底面に当たって前記重り部の変位を制限する突片を前記フレーム部の表裏方向において凹所の内底面に重なるように突設してなることを特徴とする請求項2または請求項3または請求項5記載の半導体多軸加速度センサ。
- 前記突片が前記シリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記突片と前記凹所の内底面との間の距離が前記埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されてなることを特徴とする請求項6記載の半導体多軸加速度センサ。
- 前記重り部の前記各付随部は、前記フレーム部との対向面と表面とが開放されている凹部が形成され、前記フレーム部は、前記重り部が前記表面側に変位したときに凹部の内底面が当たって前記重り部の変位を制限する規制片を突設してなることを特徴とする請求項6または請求項7記載の半導体多軸加速度センサ。
- 前記規制片が前記シリコン層の一部により形成され、前記重り部に加速度が作用していない状態での前記規制片と前記凹部の内底面との間の距離が前記埋込酸化膜の厚さ寸法に設定されてなることを特徴とする請求項8記載の半導体多軸加速度センサ。
- 前記フレーム部は、前記表裏方向における表面側の端部に、前記撓み部の裏面に重なる突部が突設されてなることを特徴とする請求項2,3,5〜9のいずれかに記載の半導体多軸加速度センサ。
- 請求項2記載の半導体多軸加速度センサの製造方法であって、前記シリコン層のうち前記フレーム部および前記各撓み部および前記各突出片および前記重り部に対応する部分が残るように前記シリコン層を前記SOI基板の表面側から前記埋込酸化膜に達するまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とが分離され且つ前記ストッパ部に対応する部分が形成されるように前記シリコン基板を前記SOI基板の裏面側から前記埋込酸化膜に達するまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分および前記突出片に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングして除去する犠牲層エッチング工程とを備えることを特徴とする半導体多軸加速度センサの製造方法。
- 請求項3記載の半導体多軸加速度センサの製造方法であって、前記シリコン層のうち前記フレーム部および前記各撓み部および前記各突出片および前記重り部に対応する部分が残り且つ前記貫通孔が形成されるように前記シリコン層を前記SOI基板の表面側から前記埋込酸化膜に達するまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とが分離され且つ前記ストッパ部に対応する部分が形成されるように前記シリコン基板を前記SOI基板の裏面側から前記埋込酸化膜に達するまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部分に重なる部分をウェットエッチングして除去する犠牲層エッチング工程とを備えることを特徴とする半導体多軸加速度センサの製造方法。
- 請求項5記載の半導体多軸加速度センサの製造方法であって、前記シリコン層のうち前記フレーム部および前記各撓み部および前記重り部に対応する部分が残るように前記シリコン層を前記SOI基板の表面側から前記埋込酸化膜に達するまでエッチングする表面側パターニング工程と、表面側パターニング工程の後で前記シリコン基板のうち前記フレーム部に対応する部分と前記重り部に対応する部分とが分離され且つ前記ストッパ部に対応する部分が形成されるように前記シリコン基板を前記SOI基板の裏面側から前記埋込酸化膜に達するまでドライエッチングする裏面側パターニング工程と、裏面側パターニング工程の後で前記埋込酸化膜の露出した部分および前記埋込酸化膜のうち前記撓み部に相当する部位に重なる部分をウェットエッチングして除去する犠牲層エッチング工程とを備えることを特徴とする半導体多軸加速度センサの製造方法。
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