JP2005015786A - 複合金属シアン化物錯体触媒、その製造方法およびその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】工業的製造が容易で高活性な複合金属シアン化物錯体触媒の提供。
【解決手段】t−ブチルアルコールまたはt−ブチルアルコールと他の有機化合物を有機配位子として含む、微粒子状の複合金属シアン化物錯体触媒であって、該微粒子状触媒は、粒子径0.15μm以上の微粒子を測定する光散乱法による測定に基づき、体積平均粒子径が3〜20μmの範囲内にあり、粒子径0.15μm以上1μm以下の触媒粒子の含有割合が5体積%未満であり、かつ粒子径1μm超の触媒粒子の含有割合が95体積%を超え100体積%以下である、複合金属シアン化物錯体触媒。
【選択図】なし

Description

本発明はアルキレンオキシドの開環重合用触媒として使用できる複合金属シアン化物錯体触媒、その製造方法およびその利用に関する。
これまで、ポリウレタンエラストマー、接着剤、塗料、シーラント等の原料であるポリエーテルポリオールは、活性水素原子を持つ開始剤を用いてエチレンオキシド、プロピレンオキシドのようなアルキレンオキシドを重合して製造されてきた。代表的なアルキレンオキシドの重合触媒として、複合金属シアン化物錯体触媒(以下、DMC触媒ともいう)が知られている。DMC触媒は、有機配位子、金属化合物を含む触媒であり、亜鉛ヘキサシアノコバルテート(Zn[Co(CN))に、有機配位子、水、および塩化亜鉛が配位した化合物に代表される。このようなDMC触媒は、任意に有機配位子の存在下、過剰の塩化亜鉛の水溶液とアルカリ金属ヘキサシアノコバルテートの水溶液とを混合して固体を析出させ次いで有機配位子またはその水溶液を混合することにより有機配位子を配位させる方法などによって製造される。
近年、有機配位子としてt−ブチルアルコールを使用したDMC触媒の寿命が著しく長くなることが報告された(特許文献1)。また、特許文献2には、t−ブチルアルコール等の有機配位子を使用した高活性のDMC触媒を用いることにより、触媒使用量を少なくでき、ポリエーテルポリオールの製造後のDMC触媒の除去工程が不要とできることが記載されている。
DMC触媒の製造工程において、塩化亜鉛水溶液とアルカリ金属ヘキサシアノコバルテート水溶液を反応させた後有機配位子またはその水溶液を反応させて得られる、DMC触媒と有機配位子と水とを含んだスラリーには、副生するアルカリ金属ハロゲン化物も溶解している。ろ過法や遠心分離法などの方法により当該スラリーからDMC触媒を含むケーキが分離されるが、ろ過分離や遠心分離が充分に行われないと、DMC触媒を含むケーキ中に一部のアルカリ金属ハロゲン化物が残留する。これは触媒毒としての作用を有し、重合活性を損なう原因となることが知られている(特許文献3)。
この残留アルカリ金属ハロゲン化物は、有機配位子またはその水溶液によってDMC触媒を含む当該ケーキを洗浄することによって除かれるが、DMC触媒のろ過性が悪いと、洗浄効率が落ちることになる。したがって、ろ過性のよいDMC触媒が求められている。有機配位子としてグライムが配位したDMC触媒は結晶性の粒子となるので、ろ過性の点では工業的に満足できるものであった。しかし、有機配位子としてt−ブチルアルコールが配位したDMC触媒(以下、t−ブチルアルコール系DMC触媒ともいう)はろ過性が悪いため、製造工程で得られる、DMC触媒と水とt−ブチルアルコールを含むスラリーはしばしば糊状となり、該スラリーから、DMC触媒成分をろ過分離する場合、ろ過ケーキとろ液の分離が非常に困難である問題があった。
特許文献4では、DMC触媒を製造する際の、塩化亜鉛水溶液とアルカリ金属シアノメタレート水溶液との添加の順序、反応温度、Zn/Coの化学量論比を制御することにより、ろ過の容易なDMC触媒を製造する方法が提案されている。しかし、特許文献5に記載されているように、上記方法は、グライムを有機配位子とするDMC触媒では効果があるが、t−ブチルアルコール系DMC触媒では、Zn/Co比を高くすると、生成するDMC触媒を含むスラリーは、分離困難なゼラチン状となり有効ではなかった。
また、特許文献5では、t−ブチルアルコール系DMC触媒の製造において、調製時のZn/Co比を下げるか、または、DMC触媒を含むケーキの洗浄工程で過剰の塩化亜鉛を洗い流すことにより、結晶性の粒子が形成され、高活性で、ろ過性困難の問題のないDMC触媒を提供することが記載されている。しかしながら、ろ過分離は比較的容易になったものの、配位させる塩化亜鉛が少なすぎると結晶性が高くなりすぎ活性がなくなるなど配位させる塩化亜鉛の量の制御が困難な問題があった。
また、特許文献6には、t−ブチルアルコール系DMC触媒と、t−ブチルアルコールと水とからなるDMC触媒を含むケーキであって、DMC触媒粒子の粒子径が0.1〜10μmの粒子が90%以上であるDMC触媒を含むケーキが記載されている。この発明においては、当該ケーキからのDMC触媒の分離はろ過法では行えず、遠心分離によって、DMC触媒を含むケーキを分離するが、遠心分離法は、工業化には向いていない。
一方、特許文献7には、触媒を連続的に安定に製造する方法が記載されている。
特開平4−145123号公報 特表2000−513389号公報(WO97/23544) 米国特許第4472560号明細書(特開昭58−185621号公報) 米国特許第5158922号明細書(特開平6−41292号公報) 米国特許第5627122号明細書(特開平9−31185号公報) 米国特許第5639705号明細書(特表2000−513647号公報) 特開平3−89946号公報
上記に示したように、従来提案された方法によれば、t−ブチルアルコール等が配位した活性が高いDMC触媒が製造できる。しかしながら、DMC触媒のろ過性がよくない問題があり、ろ過分離に非常に時間がかかったり、複数回の触媒洗浄工程が必要となり、その結果、触媒コストが高くなる問題があった。
また、このようなDMC触媒を、ポリエーテルポリオール等に分散させて使用する場合には、該触媒含有組成物中のDMC触媒粒子の割合を高くすると、流動性がなくなり取り扱いが困難になる問題があった。
したがって、触媒活性が高く、ろ過性がよく、作業性に優れたDMC触媒を容易に製造する方法が強く求められていた。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、下記の発明に至った。
<1>:t−ブチルアルコールまたはt−ブチルアルコールと他の有機化合物を有機配位子として含む、微粒子状の複合金属シアン化物錯体触媒であって、該微粒子状触媒は、粒子径0.15μm以上の微粒子を測定する光散乱法による測定に基づき、体積平均粒子径が3〜20μmの範囲内にあり、粒子径0.15μm以上1μm以下の触媒粒子の含有割合が5体積%未満であり、かつ粒子径1μm超の触媒粒子の含有割合が95体積%を超え100体積%以下である、複合金属シアン化物錯体触媒。
<2>:上記複合金属シアン化物錯体触媒がポリエーテルモノオールおよびポリエーテルポリオールから選ばれる少なくとも1種の分散媒に分散している、触媒含有組成物。
<3>:(1)ハロゲン化金属化合物の水溶液の連続的な流れとアルカリ金属シアノメタレート水溶液の連続的な流れとを(ハロゲン化金属化合物中の金属原子)/(アルカリ金属シアノメタレート中のアルカリ金属以外の金属原子)の原子数比が5〜16となる割合で合流させて合流液を下記第一の反応器に移送する(a)工程、
(2)第一の反応器中で前記合流液を撹拌下に0〜90℃で平均滞留時間1分以上滞留させてハロゲン化金属化合物とアルカリ金属シアノメタレートを反応させ、生成した反応液を下記第二の反応器に連続的に移送する(b)工程、
(3)有機配位子もしくは有機配位子水溶液の流れを第二の反応器に連続的に導入し、第二の反応器中で有機配位子もしくは有機配位子水溶液と前記反応液との混合液を撹拌下に40〜100℃で平均滞留時間3分以上滞留させ、生成した複合金属シアン化物錯体を含有する分散液を下記(d)工程に連続的に移送する(c)工程、
および、
(4)複合金属シアン化物錯体を含有する分散液をろ過して複合金属シアン化物錯体を含むろ過ケーキ得る(d)工程、
を含む、前記の複合金属シアン化物錯体触媒の製造方法。
<4>:(d)工程で得られたろ過ケーキと有機配位子水溶液とを混合し、0〜100℃の温度下で所定時間撹拌した後ろ過して第二のろ過ケーキを得る(e)工程、および所望により該第二のろ過ケーキに対して有機配位子もしくは有機配位子水溶液を使用して当該(e)工程と同様の工程を1回以上繰り返して第三以降のろ過ケーキを得る(e’)工程、を含む、上記<3>に記載の製造方法。
<5>:前記の製造方法において得られたろ過ケーキと、ポリエーテルモノオールおよびポリエーテルポリオールから選ばれる少なくとも1種の分散媒とを混合し、所望により揮発成分を除去することを特徴とする、前記の触媒含有組成物の製造方法。
<6>:前記の製造方法において得られたろ過ケーキと有機配位子もしくは有機配位子水溶液とを混合して所定時間撹拌し、次いでポリエーテルモノオールおよびポリエーテルポリオールから選ばれる少なくとも1種の分散媒を混合し、その後有機配位子や水などの揮発成分を除去することを特徴とする、前記の触媒含有組成物の製造方法。
<7>:前記の複合金属シアン化物錯体触媒または前記の触媒含有組成物の存在下に、開始剤にアルキレンオキシドを開環重合させることを特徴とするポリエーテルの製造方法。
本発明の粒子径の分布幅が小さく、平均粒子径が大きい複合金属シアン化物錯体触媒は、ろ過性に優れるので、工業的製造が容易である。また、アルキレンオキシド開環重合に用いる場合に取扱いが容易であり、高い触媒活性を有する。また、本発明の複合金属シアン化物錯体触媒を用いて開始剤にアルキレンオキシドを開環重合させることにより、分子量分布が小さく、総不飽和度の低く、粘度の低い高分子量ポリエーテルを製造できる。
(複合金属シアン化物錯体触媒)
本発明において、t−ブチルアルコールまたはt−ブチルアルコールと他の有機化合物を有機配位子として含む複合金属シアン化物錯体触媒を使用する。複合金属シアン化物錯体触媒は、代表的には式(1)で表される。
[M (CN)c(M )d(HO)e(R)・・・(1)
(M、Mは金属、Xはハロゲン原子、Rは有機配位子、a、b、c、d、e、f、h、iは金属原子の原子価や有機配位子の配位数などによりかわりうる数を表す。)。
としてはZn(II)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Ni(II)、Mo(IV)、Mo(VI)、Al(III)、V(V)、Sr(II)、W(IV)、W(VI)、Mn(II)、Cr(III)、Cu(II)、Sn(II)、およびPb(II)から選ばれる金属が好ましく、Zn(II)またはFe(II)が特に好ましい。
としては、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Cr(II)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(III)、Ni(II)、V(IV)、およびV(V)から選ばれる金属が好ましく、Co(III)またはFe(III)が特に好ましい。
Rは有機配位子である。t−ブチルアルコールまたはt−ブチルアルコールと他の化合物の組合せが好ましく、t−ブチルアルコール以外の化合物としてはアルコール、エーテル、ケトン、エステル、アミンおよびアミドから選ばれる化合物が好ましい。
具体的には、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ペンチルアルコール、イソペンチルアルコール、N,N−ジメチルアセトアミド、グライム(エチレングリコールジメチルエーテル)、ジグライム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、トリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、イソプロピルアルコール、およびジオキサンから選ばれる1種または2種以上の化合物が挙げられる。ジオキサンとしては、1,4−ジオキサンでも1,3−ジオキサンでもよく、1,4−ジオキサンが好ましい。
Rはt−ブチルアルコール単独またはt−ブチルアルコールと、t−ペンチルアルコールもしくはエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテルとの組合せが好ましい。
本発明の複合金属シアン化物錯体触媒は、粒子径0.15μm以上の微粒子を測定する光散乱法による測定に基づき、体積平均粒子径が3〜20μmの範囲内にあり、粒子径0.15μm以上1μm以下の触媒粒子の含有割合が5体積%未満であり、かつ粒子径1μm超の触媒粒子の含有割合が95体積%を超え100体積%以下である、複合金属シアン化物錯体触媒である。
上記触媒粒子の体積平均粒子径および触媒粒子の体積分率はメタノールに分散した触媒粒子を光散乱法により測定した値に基づくものである。特に、光散乱現象に基づいた粒度分析計であるマイクロトラック法粒度分析計(日機装社製、FRA−9220、測定レンジ0.12から700μmの間を50区分に分割するもの)にて、分散溶媒および流通溶媒としてメタノールを用いて測定することにより得られる。このマイクロトラック法粒度分析計による測定では、粒子径0.15μm以上の微粒子の体積平均粒子径および触媒粒子の体積分率を測定することができる。
本発明の複合金属シアン化物錯体触媒としては、体積平均粒子径5〜15μm、特に7〜12μmの範囲内にあることが好ましい。また、粒子径0.15μm以上1μm以下の触媒粒子の含有割合が3体積%以下で粒子径1μm超の触媒粒子の含有量が97〜100体積%であることが好ましい。特に、粒子径0.15μm以上1μm以下の触媒粒子の含有割合が1体積%以下であることが好ましく、粒子径0.15μm以上1μm以下の触媒粒子を実質的に含まないことが最も好ましい。ここにおいて「実質的に含まない」とは、上記マイクロトラック法粒度分析計による測定では検出されないことをいう。
上記マイクロトラック法粒度分析計による測定では、粒子径0.15μm未満の微粒子を測定できない。しかし、本発明の複合金属シアン化物錯体触媒は粒子径0.15μm未満の微粒子を実質的に含まないと考えられる。なぜなら、粒子径0.15μm以上1μm以下の粒子の含有割合が5体積%未満でありかつ体積平均粒子径が3〜20μmであるような分布を持つ粒子集合体においては、その粒子集合体中の粒子径0.15μm未満の粒子の含有割合は、粒子径0.15μm以上1μm以下の粒子の含有割合よりも低いと考えられる。また、その粒子集合体が粒子径0.15μm以上1μm以下の粒子を実質的に含まない場合は粒子径0.15μm未満の微粒子も実質的に含まないと考えられるからである。特に下記製造方法ではろ過分離の工程を経て触媒粒子を得ることより、触媒中の粒子径0.15μm未満の粒子の含有割合は、粒子径0.15μm以上1μm以下の粒子の含有割合に比較してはるかに少ないと考えられる。
また、本発明の触媒は、粒子径100μm以上の粒子を、体積%で表した含有量として、実質的に含まないものが好ましく、特に粒子径50μm以上の粒子を実質的に含まないことが好ましい。
本発明における、このような特定の体積平均粒子径(以下、単に平均粒子径という)および体積分率をもった複合金属シアン化物錯体触媒は、後述するような特定の方法によって製造できる。この触媒は、液体に接触した状態(以下湿潤状態という)で使用時まで保存されることが好ましい。湿潤状態の触媒を乾燥すると触媒活性が低下するおそれがあり、一旦乾燥した後は湿潤状態に戻しても十分な触媒活性が発揮されにくい。これは、乾燥により配位子の配位状態が変化したり触媒の結晶構造が変化したりするためではないかと推定される。
湿潤状態の触媒としては後述製造工程で得られるろ過ケーキ(製造工程で使用した有機配位子や有機配位子水溶液などの液体を含む)、該ろ過ケーキに新たに分散媒を添加して得られる分散液などがある。特に、湿潤状態のまま反応に供することができる触媒が好ましい。
本発明はまた、上記複合金属シアン化物錯体触媒がポリエーテルモノオールおよびポリエーテルポリオールから選ばれる少なくとも1種の分散媒に分散している、触媒含有組成物である。この触媒含有組成物中の触媒は湿潤状態の触媒としてそのまま開始剤にアルキレンオキシドを開環重合させてポリエーテルを製造する反応に供することができる。分散媒であるポリエーテルモノオールやポリエーテルポリオールは開始剤として使用でき、また、目的とするポリエーテルに従って適切な開始剤を分散媒として選択して、触媒含有組成物を製造することができる。
本発明の触媒含有組成物は、その中に含まれる複合金属シアン化物錯体触媒の使用にあたって組成物全体を触媒と同様に取り扱うことができる。同様にポリエーテルモノオールやポリエーテルポリオール以外の分散媒に本発明の複合金属シアン化物錯体触媒が分散した組成物や他の湿潤状態にある本発明の複合金属シアン化物錯体触媒も、その全体を触媒と同様に取り扱うことができる。
本発明の触媒含有組成物において、分散媒として使用するポリエーテルモノオールまたはポリエーテルポリオールは、後に触媒含有組成物中の複合金属シアン化物錯体触媒をアルキレンオキシド開環重合触媒に用いた際、開始剤として作用しうる。したがって、製造しようとするポリエーテルモノオールまたはポリオールと、触媒含有組成物に含まれるポリエーテルモノオールやポリオールと官能基数が異なる場合には、その影響を少なくするために触媒含有組成物中に含まれるポリエーテルモノオールやポリオールは少量であることが好ましい。しかしながら、分散媒が少量になると触媒含有組成物自体の粘度が上昇し、流動性が失われ、取扱いに問題が生じるおそれがある。
本発明における複合金属シアン化物錯体触媒は、粒子径1μm以下の触媒粒子の含有量が非常に少ないか実質的に含まず、かつ平均粒子径が従来公知のものよりも大きいので、触媒含有組成物とした際に、触媒含有組成物中の複合金属シアン化物錯体触媒の含有量を大きくすることができる。そして、含有量を大きくしても、触媒含有組成物の流動性を保持できる効果を有する。また、触媒含有組成物を製造する際に、触媒粒子を分散媒に分散しやすい効果を有する。
触媒含有組成物を製造するのに用いうる分散媒としてのポリエーテルモノオールまたはポリオールとしては、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの1価〜多価のアルコールにアルカリ触媒やカチオン触媒を用いてアルキレンオキシドを開環重合させて製造して得られる水酸基数1〜12、水酸基価8〜200のものが好ましい。水酸基数は2〜8が好ましく、2〜3が特に好ましい。水酸基価は10〜120が好ましく、20〜75が特に好ましい。
アルキレンオキシドは炭素数3以上のアルキレンオキシドが好ましく、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、オキセタン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらは2種以上を併用できる。プロピレンオキシドが好ましい。
前述の通り、分散媒として用いたポリエーテルモノオールやポリオールはアルキレンオキシド開環重合時の開始剤としても使用できる。
本発明の触媒含有組成物中の複合金属シアン化物錯体触媒の含有量は5〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%がより好ましく、5〜10質量%が最も好ましい。なお、触媒含有組成物中の複合金属シアン化物錯体触媒の含有量は、触媒含有組成物を製造するために使用した、ろ過ケーキにおける、複合金属シアン化物錯体の含有量から算出できる。ろ過ケーキにおける複合金属シアン化物錯体の含有量は後述する。
(製造方法)
本発明の複合金属シアン化物錯体触媒は、下記工程を含む方法で製造されることが好ましい。
(1)ハロゲン化金属化合物の水溶液の連続的な流れとアルカリ金属シアノメタレート水溶液の連続的な流れとを(ハロゲン化金属化合物中の金属原子)/(アルカリ金属シアノメタレート中のアルカリ金属以外の金属原子)の原子数比が5〜16となる割合で合流させて合流液を下記第一の反応器に移送する(a)工程、
(2)第一の反応器中で前記合流液を撹拌下に0〜90℃で平均滞留時間1分以上滞留させてハロゲン化金属化合物とアルカリ金属シアノメタレートを反応させ、生成した反応液を下記第二の反応器に連続的に移送する(b)工程、
(3)有機配位子もしくは有機配位子水溶液の流れを第二の反応器に連続的に導入し、第二の反応器中で有機配位子もしくは有機配位子水溶液と前記反応液との混合液を撹拌下に40〜100℃で平均滞留時間3分以上滞留させ、生成した複合金属シアン化物錯体を含有する分散液を下記(d)工程に連続的に移送する(c)工程、
および、
(4)複合金属シアン化物錯体を含有する分散液をろ過して複合金属シアン化物錯体を含むろ過ケーキ得る(d)工程。
ハロゲン化金属化合物の金属としては、上記Mとして例示したものが好ましい。ハロゲン化金属化合物としては、ZnCl、FeClが好ましい。ハロゲン化金属化合物の水溶液の濃度としては質量10%以上、特に50質量%以上であることが好ましい。また、飽和濃度以下であることが好ましい。上記所定濃度未満の濃度領域においては、結晶性の高い複合金属シアン化物錯体が得られ、触媒活性が低下する。また飽和濃度を超えた条件で行うと溶液の混合状態が不均一になり、やはり触媒活性が低い複合金属シアン化物錯体が得られる。
アルカリ金属シアノメタレートのシアノメタレートを構成する金属(すなわち、アルカリ金属以外の金属)としては、上記Mとして例示したものが好ましい。アルカリ金属シアノメタレート水溶液の濃度は50質量%以下、特に20質量%以下が好ましい。また、2質量%以上であることが好ましい。所定濃度を超えた条件で行うとハロゲン化金属化合物水溶液と接触した場所で部分的にアルカリ金属シアノメタレート過剰領域となり上記のハロゲン化金属化合物の濃度が低いときと同等の効果を生じ触媒活性が低下する。また低濃度の条件で行うと触媒活性が低下する。
上記(a)工程において、ハロゲン化金属化合物の水溶液の貯蔵タンク、および、アルカリ金属シアノメタレート水溶液の貯蔵タンクからそれぞれの水溶液の連続的な流れを、第一の反応器につながった導管内で合流させ、合流液を速やかに第一の反応器に導くような操作法が好ましい。2つの流れの流量が多い場合は第一の反応器前で両流れが均一に混合されるように導管内に混合手段を設けることができる。各水溶液の温度は所望の温度に制御されていることが好ましい。特に、後述(b)工程の反応温度以下の一定温度に制御されていることが好ましい。
また、(ハロゲン化金属化合物中の金属原子)/(アルカリ金属シアノメタレート中のアルカリ金属以外の金属原子)の原子数比、即ち前記金属M/前記金属Mの原子数比、は5〜16であることが必要である。本出願人は、すでにこの工程に関する提案を行ってきたが(特許文献7)、M/Mの原子数比を特定範囲とすることは提案されていない。原子数比が16より大きいとハロゲン化金属化合物が無駄になり、触媒コストが大きく、原子数比が5より小さいとろ過性の良好な触媒粒子が得られない。特に好ましいM/Mの原子数比は8〜12である。なお、1分子中に1個のMを有するハロゲン化金属と1分子中に1個のMを有するアルカリ金属シアノメタレートを使用する場合はM/Mの原子数比は、(ハロゲン化金属化合物)/(アルカリ金属シアノメタレート)のモル比に相当する。
(b)工程において、第一の反応器中の温度を0〜90℃として、撹拌下に合流液中のハロゲン化金属化合物とアルカリ金属シアノメタレートとを反応させる。第一の反応器は通常撹拌手段と温度制御手段を有する。第一の反応器中の温度は好ましくは10〜70℃である。反応温度が上記範囲内でないと活性が高い触媒が得られない。特に、第一の反応器中の温度は10〜70℃内の一定温度に維持されることが好ましい。
なお、(a)工程におけるハロゲン化金属化合物水溶液とアルカリ金属シアノメタレート水溶液の各温度は、第一の反応器内の反応の温度が上記温度範囲内で選択された所定温度に制御される限り、特に限定されない。
また、第一の反応器での平均滞留時間は1分以上である。平均滞留時間を長くしても触媒性能に対して不都合はないが、触媒の生産性が低くなり、生産コストが高くなる。平均滞留時間は3分〜120分がより好ましく、5分〜60分が特に好ましい。したがって、所望の触媒活性を有する触媒が得られる限り、上記範囲内の比較的短い平均滞留時間を採用することが好ましい。
なお、平均滞留時間とは、第一反応器内の液の容積を、そこに導入される液の導入速度(容量/時間)で除した値をいう。第一反応器内の液の容積は第一反応器内で撹拌されている液の容積をいう。後述の第二の反応器における平均滞留時間もこの意味で使用する。
(b)工程においてハロゲン化金属化合物とアルカリ金属シアノメタレートが反応して複合金属シアン化物が生成し、液中に複合金属シアン化物の微粒子が析出する。(b)工程から排出される反応液は複合金属シアン化物の微粒子が水に分散している分散液であり、この反応液中には複合金属シアン化物以外に副生アルカリ金属ハロゲン化物や過剰量のハロゲン化金属化合物などを含む。アルカリ金属シアノメタレートはほぼ全量反応すると考えられ、反応液中の未反応アルカリ金属シアノメタレートは少ない。
(b)工程で生成した反応液は第一の反応器から排出され、第二の反応器に連続的に移送される。反応液の排出速度は通常第一の反応器に導入される合流液の導入速度と同一であり、これにより第一の反応器内の液の容積が一定に維持される。
(c)工程において、第二の反応器には第一の反応器から移送された反応液と有機配位子もしくは有機配位子水溶液(以下、両者を配位子液と総称する)とが導入される。反応液は第二の反応器に連続的に導入され、それに応じて配位子液も連続的に導入される。第二の反応器は第一の反応器と同様に通常温度制御手段と撹拌手段を備えている。反応液と配位子液は別々の流れでそれぞれ第二の反応器に導入してもよく、第二の反応器に通じる導管内で反応液の流れと配位子液の流れを合流させて第二の反応器に導入してもよい。反応液と配位子液の混合液は、第二の反応器内で撹拌下に所定温度下で所定時間滞留し、混合液中で複合金属シアン化物に有機配位子が配位して複合金属シアン化物錯体が形成される。
第二の反応器における反応温度は40〜100℃である必要がある。反応温度が40℃未満では、生成する複合金属シアン化物錯体の粒子径が小さくかつろ過性が低下して本発明の目的に沿う複合金属シアン化物錯体が生成せず、100℃を超えると複合金属シアン化物錯体の触媒活性が低下する。反応温度は、50〜90℃が好ましく、60〜70℃がより好ましい。反応温度はこの範囲内の所定温度に維持されることが好ましい。
第二の反応器での平均滞留時間は、3分以上であり、5分以上であることが好ましく、10分〜120分がさらに好ましく、10分〜60分が特に好ましい。第一反応器の場合と同様に、平均滞留時間を長くしても触媒性能に対して不都合はないが、触媒の生産性が低くなり、生産コストが高くなる。したがって、所望の触媒活性を有する触媒が得られる限り、上記範囲内の比較的短い平均滞留時間を採用することが好ましい。
有機配位子は、前記したとおり、t−ブチルアルコール単独またはt―ブチルアルコールと他の化合物を組み合わせて使用できる。組み合わせて使用する場合、t−ブチルアルコールとt−ブチルアルコール以外の有機配位子の全量に対するt−ブチルアルコールの割合は50〜100質量%であることが好ましい。第二の反応器には、有機配位子のみが導入されてもよく、所望濃度の有機配位子水溶液が導入されてもよい。
第二の反応器に導入する配位子液の量は、導入される反応液中の複合金属シアン化物量に対して有機配位子の量として質量比で1〜100倍とすることが好ましい。より好ましい有機配位子の量は質量比で1〜50倍であり、1〜20倍が最も好ましい。有機配位子の量が複合金属シアン化物量に対して1倍質量より少ないと、十分活性の高い触媒が得られず、また100倍質量を超えると有機配位子回収コストが高くなるなど経済的ではない。なお、反応液中の複合金属シアン化物量は、原料として使用したアルカリ金属シアノメタレートが全量反応して複合金属シアン化物に変換されると仮定して、そのアルカリ金属シアノメタレート量から換算されるM [M (CN)の質量として計算するものとする。
一方、第二の反応器に導入する有機配位子量は上記範囲であるとともに、第二の反応器内の混合液中の有機配位子濃度は15〜50質量%であることが好ましい。有機配位子濃度がこの範囲外であると得られる複合金属シアン化物錯体の触媒活性が低下するおそれがある。特に、有機配位子濃度が高すぎると、水の量が少ないために混合液中の副生アルカリ金属ハロゲン化物の溶解性が低下して複合金属シアン化物錯体中に析出し、触媒活性を低下させるおそれが大きい。また、過剰のハロゲン化金属化合物(M )が複合金属シアン化物錯体中に残ることにより触媒活性が低下するおそれが生じる。
(c)工程において複合金属シアン化物に有機配位子が配位して複合金属シアン化物錯体が生成する。(c)工程から排出される分散液は複合金属シアン化物錯体の微粒子が水に分散している分散液であり、この分散液中には複合金属シアン化物錯体以外に(b)工程から導入された反応液中に存在していた副生アルカリ金属ハロゲン化物や過剰量のハロゲン化金属化合物などを含む。
(c)工程で生成した分散液は第二の反応器から連続的に排出され、(d)工程に移送される。分散液の排出速度は通常第二の反応器に導入される反応液と配位子液の合計の導入速度と同一であり、これにより第二の反応器内の液の容積が一定に維持される。
(d)工程において第二の反応器から排出された分散液をろ過しろ過ケーキを得る。(d)工程におけるろ過は連続的に行う必要はなく、所定量貯留した分散液をバッチでろ過してもよい。分散液を貯留する場合の貯留温度は(c)工程の反応温度範囲内やそれ以下であればよいが、通常は室温で貯留される。ろ過により水および水に溶解した成分(ハロゲン化金属化合物や過剰の有機配位子など)が除去され、複合金属シアン化物錯体の粒子がろ過ケーキとして得られる。
ろ過により分散液中の固体粒子は実質的に全てろ過ケーキ中に回収されると考えられるが、場合によってはごく微細な粒子の一部は回収されないことも考えられる。本発明においては、保留粒子径が1μm以上のろ過材を使用してろ過ケーキを得ることが好ましい。ろ過材としてはろ紙やろ布が好ましい。ろ過は0.05〜1MPaの加圧下で行うことが好ましい。(c)工程から排出された分散液中の複合金属シアン化物錯体の粒子は、前記複合金属シアン化物錯体触媒として説明したように、微細な粒子が少なくかつ平均粒子径が大きいので、分散液のろ過性が良好である。したがって、短時間で含液量の小さいろ過ケーキが容易に得られる。
(d)工程で得られたろ過ケーキは複合金属シアン化物錯体粒子と残留液成分からなり、残留液成分は水と有機配位子を主成分とする。残留液成分中には副生アルカリ金属ハロゲン化物や過剰に使用したハロゲン化金属化合物が溶解しており、また複合金属シアン化物錯体粒子表面にこれらの不純物が付着していることもある。これら不純物を除くために、得られたろ過ケーキを洗浄液で洗浄して精製することが好ましい。残留液成分を除去するためにろ過ケーキを乾燥することは前記のように好ましくない。洗浄液としては有機配位子水溶液が好ましい。この洗浄液としての有機配位子水溶液の有機配位子濃度は10〜50質量%が好ましい。濃度が10%未満の有機配位子水溶液または水のみを洗浄液として使用すると、複合金属シアン化物錯体に配位した有機配位子やハロゲン化金属化合物(M )の量が変化し触媒活性が低下するおそれがある。濃度が50%超の有機配位子水溶液を洗浄液として使用すると、副生するアルカリ金属ハロゲン化物の除去が不充分となり触媒活性が低下するおそれがある。また、洗浄液に使用する有機配位子は(d)工程で使用した有機配位子と同じ有機配位子であっても異なる有機配位子であってもよい。
洗浄は、(d)工程で得られたろ過ケーキと洗浄液とを混合し、0〜100℃、好ましくは室温〜50℃、の温度下で所定時間撹拌した後ろ過する工程(以下、(e)工程という)で行うことが好ましい。(e)工程で得られるろ過ケーキを以下第二のろ過ケーキという。なお、(d)工程で得られたろ過ケーキを以下第一のろ過ケーキという。
洗浄は複数回繰り返すことができる。2回目以降の(e)工程を以下(e’)工程といい、各(e’)工程で得られるろ過ケーキを第三以降のろ過ケーキという。2回目以降の洗浄工程である(e’)工程では洗浄液における有機配位子の濃度は(e)工程における有機配位子濃度よりも高いことが好ましく、また有機配位子のみを洗浄液として使用することもできる。(e’)工程においては、洗浄液である有機配位子水溶液の有機配位子濃度は50質量%以上が好ましい。したがって、(e’)工程における洗浄液の有機配位子濃度は50〜100質量%が好ましく、特に80〜100質量%が好ましい。(e’)工程における洗浄液の有機配位子濃度が低い場合、複合金属シアン化物錯体中のハロゲン化金属化合物(M )の配位量が洗浄により少なくなり触媒活性が低下するおそれがある。
洗浄液の有機配位子濃度の相違を除き、(e)工程と(e’)工程は同じ条件で洗浄を行うことができる。以下、(e’)工程を含め(e)工程を説明する。
(e)工程で使用される洗浄液の量は、特に限定されるものではないが、洗浄効率と経済性からろ過ケーキに対して質量比で1〜20倍程度が好ましい。ろ過ケーキに洗浄液を混合し、所定温度下、所定時間撹拌した後ろ過して次のろ過ケーキを得る。(e)工程における温度は0〜100℃、特に室温〜50℃であればよいが、通常は室温が使用される。分散状態を保持する時間も特に限定されないが、通常1〜100分、特に10〜30分、が採用される。(e)工程におけるろ過の条件(使用するろ過材など)は前記(d)工程と同様の条件が適当である。(e)工程における複合金属シアン化物錯体の粒子は、(d)工程におけるものと同様に、微細な粒子が少なくかつ平均粒子径が大きいので、ろ過性が良好で、短時間で含液量の小さいろ過ケーキが容易に得られる。
洗浄による精製により複合金属シアン化物錯体の触媒としての活性が向上する。したがって、(d)工程で得られたろ過ケーキは少なくとも1回の洗浄により精製して触媒として使用することが好ましい。即ち第二以降のろ過ケーキを触媒として使用することが好ましい。また、後述触媒含有組成物を製造する場合も第二以降のろ過ケーキを使用することが好ましい。
第一のろ過ケーキを含め、各ろ過ケーキは高い濃度の複合金属シアン化物錯体粒子を含む。各ろ過ケーキの複合金属シアン化物錯体粒子の含有量は、通常20〜60質量%であり、25〜40質量%が好ましい。従来の方法で製造したt−ブチルアルコール配位複合金属シアン化物錯体の場合、ろ過性が悪いため、ろ過ケーキ中の複合金属シアン化物錯体粒子の含有量は20質量%未満となるのが通常である。なお、ここでろ過ケーキ中の複合金属シアン化物錯体粒子の含有量とは、ろ過ケーキを約80℃で、0.01MPa以下で5時間乾燥した後得られる残量(%)である。
第一のろ過ケーキを含め、各ろ過ケーキは湿潤状態の複合金属シアン化物錯体触媒としてそのままアルキレンオキシドの開環重合触媒として使用できる。また後述のように、各ろ過ケーキを分散媒であるポリエーテルモノオールやポリエーテルポリオールに分散させて前記触媒含有組成物を製造することができる。得られたろ過ケーキを乾燥させた後粉砕する方法では、本発明の特定の粒子径分布を有する活性の高い触媒は得られ難い。なお、各ろ過ケーキを直接アルキレンオキシド開環重合触媒として使用する場合は、触媒として使用する直前に含有する水や有機配位子を除去して使用することが好ましい。特に、ろ過ケーキと開始剤を混合した後減圧加熱等でこれら揮発性の成分を除去し、その後にアルキレンオキシドの反応を開始させることが好ましい。
(触媒含有組成物)
前記触媒含有組成物は、上述の工程で得られたろ過ケーキを分散媒であるポリエーテルモノオールもしくはポリエーテルポリオールに分散させて製造することができる。特に、ろ過ケーキを分散媒に分散させた後揮発成分を除去して触媒含有組成物を製造することが好ましい。揮発成分の除去により、ろ過ケーキに含まれる水や有機配位子(複合金属シアン化物錯体に配位していないもの)が除去され、ポリエーテル製造に不要な成分を含まない触媒含有組成物が得られる。ろ過ケーキに残留する水や水酸基含有有機配位子(t−ブチルアルコールなど)はアルキレンオキシドと反応するおそれがあるからである。また、第一のろ過ケーキや第二以降のろ過ケーキを前記洗浄剤と混合した後上記分散媒を加え、その後加熱減圧等により揮発性成分(水や有機配位子)を除去して、触媒含有組成物を製造することもできる。
ろ過ケーキと分散媒を通常の混合撹拌機で混合することによって複合金属シアン化物錯体粒子を分散媒に容易に分散させることができる。揮発成分の除去は減圧下(0.01MPa以下)40〜120℃に加熱することによって行うことが好ましい。
上記の工程を経て製造されることにより、t−ブチルアルコールが配位した複合金属シアン化物錯体にもかかわらず、前記した特定の平均粒子径と体積分率をもった複合金属シアン化物錯体が得られる。なお、従来のグライム系DMC触媒は、製法にかかわらず、結晶性が高く、粒子径の大きいDMC触媒を製造できるため、グライム系DMC触媒を製造する上では、上記の工程を用いて製造する意味は少ない。
平均粒子径の大きな触媒粒子は、複合金属シアン化物錯体を製造後、乾燥させて粉末を製造し、ついで粉砕処理を行うことによっても製造可能できる場合がある。しかし、粉砕法は手間がかかる上、粒子径分布が大きく、1μm以下の粒子ならびに20〜数100μmの不均質な粒子が混じった粉体となり、粒子径分布が小さい複合金属シアン化物錯体を得ることは困難である。
また、上記粉砕法で得た粉体を分散媒に分散させた場合には、粒子の分散性が悪くなり、粒子の凝集が起こり、粒子の平均粒子径が20μmよりも大きくなり、本発明の触媒含有組成物は得られ難い。
また、本発明の特定の触媒を用いてポリエーテルを製造した場合、分子量分布が小さく、粘度が低いポリエーテルが得られる効果を有するが、上記粉砕法によって得られた粉体を触媒として用いてポリエーテルを製造した場合には、分子量分布が小さく、粘度の低いポリオールを製造するのが困難である。これは、一旦乾燥させて粉末化した場合には複合金属シアン化物錯体の構造、組成、凝集状態に変化が生じ、触媒活性が低下するからであると考えられる。
(ポリエーテルの製造方法)
本発明は、また上記の複合金属シアン化物錯体触媒の存在下、開始剤の存在下アルキレンオキシドを開環重合させることを特徴とするポリエーテルの製造方法である。ここでいうポリエーテルはポリエーテルモノオールとポリエーテルポリオールの総称である。
本発明では、前記ろ過ケーキを湿潤状態のまま使用することができ、また前記触媒含有組成物をそのまま使用することができ、それらの中の複合金属シアン化物錯体を触媒としてアルキレンオキシドを開環重合させることができる。前記のように、これらが有機配位子や水を含んでいる場合には、乾燥させることなく有機配位子と水を除去して使用することが好ましい。
重合温度は60〜180℃が好ましく、90〜150℃がより好ましく、100〜140℃が最も好ましい。
開始剤としては、上記の触媒含有組成物を製造するための分散媒として使用しうるポリエーテルモノオールやポリエーテルポリオールと同様のものが使用できる。開始剤の水酸基数は1〜12が好ましく、2〜4がより好ましく、2〜3が特に好ましい。
開始剤は、製造するポリエーテルの水酸基価の2〜15倍、好ましくは3〜10倍の水酸基価を有するものが好ましい。水酸基価としては70〜300が好ましい。
開始剤としてのポリエーテルモノオールやポリエーテルポリオールは、重合反応の途中、単独でまたはアルキレンオキシドとともに反応系に供給してもよい。重合反応の途中で供給できる開始剤としては、上記低分子量のポリエーテルモノオールやポリエーテルポリオールの他、水、グリセリン、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールなどの特に低分子量のポリオールが挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、開始剤を製造するためのアルキレンオキシドとして例示したものと同様のものを用いることができる。また、炭素数2のアルキレンオキシドであるエチレンオキシドはそれ単独では重合反応させることは困難であるが、炭素数3以上のアルキレンオキシドと混合して重合系に加えることにより重合反応させることができる。特に好ましいアルキレンオキシドはプロピレンオキシドまたはプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの組み合せである。
本発明において、ポリエーテル製造時の触媒の使用量は、特に限定されないが、最終的に製造されるポリエーテルに対し、複合金属シアン化物錯体として、通常、3〜500ppmが好ましく、5〜100ppmがより好ましく、10〜50ppmが最も好ましい。
触媒の重合系への導入は、初めに一括して導入してもよく、順次分割して導入してもよい。重合系への導入の観点からは、ろ過ケーキのままよりも触媒含有組成物を使用する方が容易である。
本発明の触媒はアルキレンオキシド開環重合用触媒として活性、触媒寿命が長いので、反応終了後のポリエーテル中に残存する触媒の使用量を少なくできる。また反応終了後のポリエーテルは触媒除去を行わずにそのまま使用してもよい。もちろん、目的によっては、通常知られた各種の方法で触媒除去を行うことができる。
本発明の触媒を用いれば、副反応が抑えられ、低い総不飽和度を有する高分子量のポリエーテルも製造することができる。総不飽和度は0.001〜0.03meq/gが好ましく、0.003〜0.01meq/gであることが好ましい。
また、製造するポリエーテルの水酸基価は60以下であることが好ましく、28以下がより好ましい。24以下が特に好ましく、18以下が最も好ましい。水酸基価は2以上が好ましく、5以上が特に好ましい。
本発明における触媒を用いて製造したポリエーテルは、高分子量であっても、分子量分布が小さく、かつ粘度が低い効果を有する。また、触媒活性が高いので、触媒の使用量を少なくすることができる。本発明において分子量分布(Mw/Mn)はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により、室温下テトラヒドロフランを溶媒として測定したポリスチレン換算のものをいう。
(用途)
上記方法により得られたポリエーテルポリオールは、ポリウレタンフォーム、ポリウレタンエラストマーなどのポリウレタン原料、接着剤、塗料などの原料に使用できる。また、上記方法により得られたポリエーテルモノオールやポリエーテルポリオールは、界面活性剤、潤滑油などの機能油に使用できる。また、末端水酸基を他の官能基に変性してシーラント用途などに使用できる。
上記方法により得られたポリエーテルポリオールは、ポリウレタンフォームに使用することが特に好ましい。この場合、ポリマー微粒子を含むポリマー分散ポリオールとしても使用できる。軟質ポリウレタンフォームに使用することが特に好ましい。ポリウレタンフォームなどのポリウレタン原料として使用する場合には、上記方法により得られるポリエーテルポリオールの末端を、アルカリ触媒などを用いてエチレンオキシドを開環付加重合した後、使用することが好ましい。
以下に本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
下記の例で得られたろ過ケーキ、触媒含有組成物(以下、触媒スラリーという)および乾燥固体等の試料(例5)に含まれる、触媒の粒子の平均粒子径および、粒子径0.15μm以上の粒子における粒子径0.15μm以上1μm以下の触媒粒子の割合(以下、粒子径0.15〜1μmの粒子の割合、という)は、いずれもマイクロトラック粒度分析計(日機装社製、FRA−9220)にて測定した。ただし、試料は予めメタノールに分散させて用い、流通溶媒としてメタノールを用いて測定した。
「ろ過」は直径250mmの円形ろ板と微粒子用の定量ろ紙(ADVANTEC社製のNo.5C:保留粒子径1μm(JIS P 3801で規定された硫酸バリウムなどを、自然ろ過したときのろ過漏れ粒子径から求めたもの))を用い、0.25MPaの加圧下で行った。
ろ過ケーキ中の複合金属シアン化物錯体粒子含有量は、ろ過ケーキの一部を80℃、0.01MPa以下で5時間乾燥したときの残量である。
ポリオールR1は、ジプロピレングリコールにプロピレンオキシド(以下、POという。)を付加重合して得られた水酸基価74.8(分子量1500)のポリオキシプロピレンポリオールである。ポリオールR2は、グリセリンにPOを付加重合して得られた水酸基価168(分子量1000)のポリオキシプロピレンポリオールである。
(例1)「複合金属シアン化物錯体含有ろ過ケーキおよび触媒スラリーの製造」
(例1−1)
第一反応器(内容積600mL)につながった分岐導管の一方に濃度67質量%の塩化亜鉛水溶液を、他方に濃度5.5質量%のカリウムヘキサシアノコバルテート(KCo(CN))水溶液を導入し、第一反応器直前の分岐部分で合流させて第一反応器に合流液を導入した。塩化亜鉛水溶液は12.3g/分(比重を1.80g/mLとして6.83mL/分)の速度で、カリウムヘキサシアノコバルテート水溶液は31.5g/分(比重を1.0g/mLとして31.5mL/分)の速度で、貯蔵槽からポンプで連続的に供給した(Zn/Coの原子数比11.5)。40℃に保温された第一反応器内で液を撹拌翼で300rpmで撹拌し、その後第一反応器から反応液を導管を通じて60℃に保温された第二反応器に導入した。
第一反応器での平均滞留時間は15.7分であった。なお、この平均滞留時間は、第一反応器内の混合撹拌が充分に行われる部分の容積(600mL)を、そこに供給される液の速度(38.3mL/分)で除した値である。
第二反応器(内容積2300mL)には、反応液と同時に、有機配位子の水溶液として、50質量%のt−ブチルアルコール(以下、TBAと略す)水溶液を63.2g/分(比重を0.89g/mLとして71.0mL/分)で供給した。第二反応器内では液を撹拌翼で300rpmで撹拌し、第二反応器内で生成した分散液は第二反応器から導管を通じて貯蔵槽に送り込んで貯めた。
第二反応器での液の平均滞留時間は21.5分であった。なお、この平均滞留時間は、第二反応器内の混合撹拌が充分に行われる部分の容積(2300mL)を、そこに供給される液の速度(109.3mL/分)で除した値である。また定常状態におけるTBAの割合は第二反応器内の液量に対して29.5質量%であった。また、導入したTBAの量は、原料として使用したカリウムヘキサシアノコバルテート量から換算した亜鉛ヘキサシアノコバルテート(Zn[Co(CN))の質量の約9.7倍に相当する。
次に、貯蔵槽に貯められた分散液のうち、1100gに対してろ過を行い、25分ほどで、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−TBA錯体(以下、DMC−TBA触媒という)を含むろ過ケーキ(A1)を分離した。
ろ過ケーキ(A1)の112gと30質量%のTBA水溶液500gを室温で混合し、300rpmで1時間撹拌した後、ろ過を行い、20分ほどでDMC−TBA触媒を含むろ過ケーキ(A2)を分離した。
ろ過ケーキ(A2)の30gをポリオールR1の90gに混合し、室温で3時間撹拌し、その後80℃、0.005MPaの減圧下で、過剰量の有機配位子や水などの揮発成分を5時間行い、DMC−TBA触媒スラリー(触媒スラリー(A2−S))を得た。
(例1−2)
ろ過ケーキ(A2)の代わりに、ろ過ケーキ(A1)を用いる以外は、例1−1と同様に行い、DMC−TBA触媒スラリー(触媒スラリー(A1−S))を得た。
(例1−3)
ろ過ケーキ(A2)をポリオールR1に混合後、加熱減圧下での揮発成分の除去工程を行わない以外は例1−1と同様に行い、DMC−TBA触媒スラリー(触媒スラリー(A2−T))を得た。
(例2)「複合金属シアン化物錯体含有ろ過ケーキおよび触媒スラリーの製造」
(例2−1)
第二反応器に供給する有機配位子水溶液として、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル(以下、ETBEと略す)とTBAの混合水溶液(各々10質量%、40質量%)を用いた以外は例1−1と同様に行った。貯蔵槽に貯められた分散液のうち、1100gに対してろ過を行い、30分ほどで亜鉛ヘキサシアノコバルテート−TBA/ETBE錯体(以下、DMC−TBA/ETBE触媒という)を含むろ過ケーキ(B1)を分離した。
ろ過ケーキ(B1)の108gと30質量%のTBA/ETBEの混合水溶液500gを室温で混合し、300rpmで1時間撹拌した後、ろ過を行い、25分ほどでDMC−TBA/ETBE触媒を含むろ過ケーキ(B2)を分離した。ろ過ケーキ(B2)の一部とポリオールR1を用い、例1−1と同様に行い、DMC−TBA/ETBE触媒スラリー(触媒スラリー(B2−S))を得た。
(例2−2)
ろ過ケーキ(B2)の代わりに、ろ過ケーキ(B1)を用いる以外は、例2−1と同様に行い、DMC−TBA/ETBE触媒スラリー(触媒スラリー(B1−S))を得た。
(例3)「複合金属シアン化物錯体含有ろ過ケーキおよび触媒スラリーの製造」
濃度67質量%の塩化亜鉛水溶液と濃度5.5質量%のカリウムヘキサシアノコバルテート水溶液を各々6.6g/分(比重を1.80g/mLとして3.67mL/分)、31.5g/分(比重を1.0g/mLとして31.5mL/分)の速度で供給した(Zn/Coの原子数比6.2)以外は例1−1と同様に行った。貯蔵槽に貯められた分散液のうち、1100gに対してろ過を行い、28分ほどでDMC−TBA触媒を含むろ過ケーキ(C1)を分離した。
ろ過ケーキ(C1)の110gと30質量%のTBA水溶液500gを室温で混合し、300rpmで1時間撹拌した後、ろ過を行い、23分ほどでDMC−TBA触媒を含むろ過ケーキ(C2)を分離した。ろ過ケーキ(C2)とポリオールR1を用い、例1−1と同様に行い、DMC−TBA触媒スラリー(触媒スラリー(C2−S))を得た。第一反応器での平均滞留時間は17.1分、第二反応器での平均滞留時間は21.7分であった。
(例4)「比較例」
(例4−1)
40℃の湯浴中に保持された反応器(5L)に濃度67質量%の塩化亜鉛水溶液を316g仕込み、撹拌翼で300rpmで撹拌しながら濃度5.5質量%のカリウムヘキサシアノコバルテート水溶液を貯蔵槽からポンプで27g/分の速度で30分間供給し(Zn/Coの原子数比11.5)、さらに60分間撹拌混合を続け複合金属シアン化物の分散液を生成させた。次に、反応器内の温度を60℃に昇温し、300rpmで混合撹拌しながら、50質量%のTBA水溶液を53g/分で30分間導入した。反応器内の複合金属シアン化物錯体の分散液に対するTBAの割合は30質量%であった。さらに60分間撹拌を続け、反応を終了した。次に、得られた分散液のうち、1100gに対してろ過を行い、240分ほどでDMC−TBA触媒を含むろ過ケーキ(D1)を分離した。
ろ過ケーキ(D1)105gと30質量%のTBA水溶液500gを室温で、300rpmで1時間撹拌した後、ろ過を行い、210分ほどでDMC−TBA触媒を含むろ過ケーキ(D2)を分離した。ろ過ケーキ(D2)とポリオールR1を用い、例1−1と同様に行い、DMC−TBA触媒スラリー(触媒スラリー(D2−S))を得た。
(例4−2)
ろ過ケーキ(D2)の代わりに、ろ過ケーキ(D1)を用いる以外は、例4−1と同様に行い、DMC−TBA触媒スラリー(触媒スラリー(D1−S))を得た。
(例4−3)
ろ過ケーキ(D2)をポリオールR1に混合後、加熱減圧下での揮発成分の除去工程を行わない以外は例4−1と同様に行い、触媒スラリー(触媒スラリー(D2−T))を得た。
(例5)「比較例」
例1−1で得られたろ過ケーキ(A2)の一部(60g)を80℃、0.005MPaで、5時間乾燥して得られた固体を粉砕し、平均粒子径が22.5μmの乾燥した紛体状の固体触媒(E1)を得た。
(例6)「比較例」
濃度67質量%の塩化亜鉛水溶液と濃度5.5質量%のカリウムヘキサシアノコバルテート水溶液を貯蔵槽からポンプで各々4.4g/分(比重を1.80g/mLとして2.44mL/分)、31.5g/分(比重を1.0g/mLとして31.5mL/分)の速度で供給した(Zn/Coの原子数比3.9)以外は例1−1と同様に行った。第一反応器での平均滞留時間は17.7分、第二反応器での平均滞留時間は21.9分であった。貯蔵槽に貯められた分散液のうち、1100gに対してろ過を行い、115分ほどでDMC−TBA触媒を含むろ過ケーキ(F1)を分離した。
ろ過ケーキ(F1)の108gと30質量%のTBA水溶液500gを室温で混合し、300rpmで1時間撹拌した後、ろ過を行い、105分ほどでDMC−TBA触媒を含むろ過ケーキ(F2)を分離した。ろ過ケーキ(F2)とポリオールR1を用い、例1−1と同様に行い、DMC−TBA触媒スラリー(触媒スラリー(F2−S))を得た。
(例7)「比較例」
第一反応器、第二反応器がともに室温に保持された以外は例1−1と同様に行った。貯蔵槽に貯められた分散液のうち1100gに対し、ろ過を行い、120分ほどでDMC−TBA触媒を含むろ過ケーキ(G1)を分離した。
ろ過ケーキ(G1)110gと30質量%のTBA水溶液500gを室温で混合し、300rpmで1時間撹拌した後、ろ過を行い、103分ほどでDMC−TBA触媒を含むろ過ケーキ(G2)を分離した。ろ過ケーキ(G2)とポリオールR1を用い、例1−1と同様に行い、DMC−TBA触媒スラリー(触媒スラリー(G2−S))を得た。
上記の例で、得られたろ過ケーキ中の触媒含有割合、ろ過ケーキに含まれる触媒粒子の平均粒子径および粒子径0.15〜1μm以下の粒子の割合を表1に示した。また、得られた触媒スラリーにおける触媒含有割合、触媒スラリーに含まれる触媒粒子の平均粒子径および粒子径0.15〜1μm以下の粒子の割合、および流動性の良悪を表2に示した。また、乾燥した固体触媒(E1)の平均粒子径と粒子径0.15〜1μm以下の粒子の割合も表1に示す。
Figure 2005015786
Figure 2005015786
(例8)「5000mL反応器でのポリオールの製造」
撹拌器付きステンレス製5000mLの耐圧反応器中に、ポリオールR1の587gと、例1−1で調製した触媒スラリー(A2−S)を2.71g(触媒として0.225g)投入した。窒素置換後120℃に昇温し、POの59gを反応させた。系内の圧力が下がったら、まずPOを20g/分で2600g供給し、その後10g/分で1300g供給し、ポリオールを製造した。その間、反応器の内温を120℃、撹拌速度を220rpmに保った。得られたポリオールの性状を表3に示す。
(例9〜19)
表3に示す触媒スラリーを表に示す質量(g)(いずれも触媒として0.225gに相当する量)使用する以外は、例8と同様に行った。得られたポリオールの性状を表3に示す。例9〜13は実施例、例14〜19は比較例(例17では粉末触媒使用)である。
「200mL反応器での触媒活性(寿命テスト)」
撹拌器付きステンレス製200mLの耐圧反応器中に、ポリオールR1の25gと、表3に示す触媒スラリーを触媒として0.5mgに相当する量仕込んだ。窒素置換後120℃に昇温し、撹拌速度を500rpmに保ったまま、POの8gを反応させた。系内の圧力が下がったら、反応器の内温を120℃に保持しながら、POを1g/分で供給し、POが重合しなくなるまで撹拌を続けた。その後、減圧脱気し、生成ポリオールの質量を秤量した。生成ポリオールの質量(g)を0.5mgで除した値を、「活性」(POkg/g触媒)として算出した。結果を表3に示す。
Figure 2005015786
以上の例から明らかなように、例1〜3で得られた複合金属シアン化物錯体はろ過性がよいが、例4、6、7で得られた複合金属シアン化物錯体はろ過性が非常に悪かった。
例14と例15との比較から、従来の方法で製造した複合金属シアン化物錯体の場合には、複合金属シアン化物錯体のろ過ケーキの洗浄を行わない場合には、触媒活性が充分ではないが、例8と9との比較、および、例11と12との比較から、本発明の方法で製造した複合金属シアン化物錯体の場合には、複合金属シアン化物錯体のろ過ケーキの洗浄を行わない場合でも、触媒活性が高く、洗浄を行うことにより、触媒活性が高くなることが分かる。
本発明の方法以外の方法で製造した、複合金属シアン化物錯体触媒を使用する例17、18、19では、得られるポリエーテルの分子量分布が大きくなったり、触媒活性が不充分でない、等が見られた。
「軟質ポリウレタンフォーム用ポリオールの製造方法」
(例20)「ポリオールZ1の製造」
撹拌機付きステンレス製5000mLの耐圧反応器中に、ポリオールR2を400gと、例1−1で調製した触媒スラリー(A2−S)を1.77g(触媒として0.151g)投入した。窒素置換後130℃に昇温し、POの40gと反応させた。系内の圧力が下がったら、POを2100g供給し、系内の圧力が一定になるまで熟成させた。この後水酸化カリウム水溶液を添加し、水を留去後、エチレンオキシド(以下、EOという)を480g供給した。重合反応中は反応器の内温を130℃、撹拌速度を220rpmに保った。その後、触媒を除去し、ポリオールZ1を得た。
(例21)「ポリオールZ2の製造」
撹拌機付きステンレス製5000mLの耐圧反応器中に、ポリオールR2を400gと、例1−1で調製した触媒スラリー(A2−S)を1.76g(触媒として0.150g)投入した。窒素置換後130℃に昇温し、POの40gと反応させた。系内の圧力が下がったら、POを1200g供給した。その後、POとEOの混合物960g(質量比=85/15)を供給し、系内の圧力が一定になるまで熟成させた。この後水酸化カリウム水溶液を添加し、水を留去後、EOを400g反応させた。重合反応中は反応器の内温を130℃、撹拌速度を220rpmに保った。その後、触媒を除去し、ポリオールZ2を得た。
(例22)「ポリオールZ3の製造」
例2−1で調製した触媒スラリー(B2−S)を1.70g(触媒として0.151g)使用する以外は(例20)と同様に行った。
(例23)「ポリオールZ4の製造」
例2−1で調製した触媒スラリー(B2−S)を1.69g(触媒として0.150g)使用する以外は(例21)と同様に行った。
例20〜23で得られたポリオールZ1〜Z4の性状を表4に示す。
(例24〜27)「軟質ポリウレタンフォームの製造方法」
下記の方法により弾性ポリウレタンフォームを製造した。原料処方成分を表5に示す。ポリオールとしては、表5に示したポリマー分散ポリオールR3を40質量部およびポリオールH〜Kをそれぞれ60質量部混合して得られるポリオール混合物100質量部を使用した。
該ポリオール100質量部、表5に示した架橋剤mの3.0質量部、架橋剤nの1.0質量部、整泡剤rの1.0質量部、発泡剤sの3.0質量部、アミン触媒tの0.45質量部およびアミン触媒uの0.1質量部を混合したものをポリオールシステム液とした。
このポリオールシステム液とポリイソシアネートvをそれぞれ液温25℃に調温後混合し、高速撹拌機にて3000回転/分で5秒間撹拌後、成形型に投入し密閉した。イソシアネートインデックス(全活性水素化合物100当量に対するイソシアネート化合物の当量数)は100とした。成形型として400mm×400mm×100mm(t)の内寸法をもつ金型を使用し、その型温は60℃に調整した。金型からの脱型を原料注入の6分後に行い、高弾性ポリウレタンフォームを得た。
得られた高弾性ポリウレタンフォームのフォーム物性、振動特性および成形性を表6に示す。フォーム物性は全密度、コア密度(単位:kg/m)、25%ILD(単位:N/314cm)、通気性(単位:ft/分(SI換算:28.3L/分))、コア反発弾性率(単位:%)、引き裂き強度(単位:N/cm)、引っ張り強度(単位:kPa)、伸び率(単位:%)、乾熱圧縮永久歪(単位:%)、および、湿熱圧縮永久歪(単位:%)を評価した。以上はJIS K6400に準拠した方法で行った。
振動特性、およびヒステリシスロス測定方法はJASO B407−87に準拠した。振動特性は、400mm×400mm×100mm(t)のフォームサンプル上に質量490Nの鉄研盤を載せ、加振台を振幅±2.5mmで上下に振動させ共振振動数(単位:Hz)、共振伝達率、6Hzの伝達率を評価した。
成形性は、脱型1分後に、成形サンプルを、幅50mm(成形サンプルの初期厚みに対し、50%)のローラーに通す際の作業性を評価(クラッシング性)、およびクラッシング後の変形を目視で評価(キュアー性)した。
Figure 2005015786
Figure 2005015786
Figure 2005015786
本発明の複合金属シアン化物錯体触媒は、ろ過性に優れるので、工業的製造が容易であり、アルキレンオキシド開環重合に用いる触媒として有用である。また、本発明のポリエーテル類の製造方法によって得られるポリエーテルは、ポリウレタンフォームの原料等として好適である。

Claims (11)

  1. t−ブチルアルコールまたはt−ブチルアルコールと他の有機化合物を有機配位子として含む、微粒子状の複合金属シアン化物錯体触媒であって、該微粒子状触媒は、粒子径0.15μm以上の微粒子を測定する光散乱法による測定に基づき、体積平均粒子径が3〜20μmの範囲内にあり、粒子径0.15μm以上1μm以下の触媒粒子の含有割合が5体積%未満であり、かつ粒子径1μm超の触媒粒子の含有割合が95体積%を超え100体積%以下である、複合金属シアン化物錯体触媒。
  2. 粒子径0.15μm以上1μm以下の触媒粒子を実質的に含まない、請求項1に記載の複合金属シアン化物錯体触媒。
  3. 有機配位子としてt−ブチルアルコールと併用する有機化合物が、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ペンチルアルコール、イソペンチルアルコール、N,N−ジメチルアセトアミド、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、イソプロピルアルコールおよびジオキサンから選ばれる1種または2種以上である、請求項1または2に記載の複合金属シアン化物錯体触媒。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の複合金属シアン化物錯体触媒がポリエーテルモノオールおよびポリエーテルポリオールから選ばれる少なくとも1種の分散媒に分散している、触媒含有組成物。
  5. 触媒含有組成物中の触媒含有量が5〜30質量%である、請求項4に記載の触媒含有組成物。
  6. (1)ハロゲン化金属化合物の水溶液の連続的な流れとアルカリ金属シアノメタレート水溶液の連続的な流れとを(ハロゲン化金属化合物中の金属原子)/(アルカリ金属シアノメタレート中のアルカリ金属以外の金属原子)の原子数比が5〜16となる割合で合流させて合流液を下記第一の反応器に移送する(a)工程、
    (2)第一の反応器中で前記合流液を撹拌下に0〜90℃で平均滞留時間1分以上滞留させてハロゲン化金属化合物とアルカリ金属シアノメタレートを反応させ、生成した反応液を下記第二の反応器に連続的に移送する(b)工程、
    (3)有機配位子もしくは有機配位子水溶液の流れを第二の反応器に連続的に導入し、第二の反応器中で有機配位子もしくは有機配位子水溶液と前記反応液との混合液を撹拌下に40〜100℃で平均滞留時間3分以上滞留させ、生成した複合金属シアン化物錯体を含有する分散液を下記(d)工程に連続的に移送する(c)工程、
    および、
    (4)複合金属シアン化物錯体を含有する分散液をろ過して複合金属シアン化物錯体を含むろ過ケーキ得る(d)工程、
    を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の複合金属シアン化物錯体触媒の製造方法。
  7. (d)工程で得られたろ過ケーキと有機配位子水溶液とを混合し、0〜100℃の温度下で所定時間撹拌した後ろ過して第二のろ過ケーキを得る(e)工程、および所望により該第二のろ過ケーキに対して有機配位子もしくは有機配位子水溶液を使用して当該(e)工程と同様の工程を1回以上繰り返して第三以降のろ過ケーキを得る(e’)工程、を含む、請求項6に記載の製造方法。
  8. (d)工程、(e)工程または(e’)工程で得られたろ過ケーキ中の複合金属シアン化物錯体の含有量が20〜60質量%である、請求項6または7に記載の製造方法。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法における(d)工程、(e)工程または(e’)工程から得られたろ過ケーキと、ポリエーテルモノオールおよびポリエーテルポリオールから選ばれる少なくとも1種の分散媒とを混合し、所望により揮発成分を除去することを特徴とする、請求項4または5に記載の触媒含有組成物の製造方法。
  10. 請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法における(d)工程、(e)工程または(e’)工程から得られたろ過ケーキと有機配位子もしくは有機配位子水溶液とを混合して所定時間撹拌し、次いでポリエーテルモノオールおよびポリエーテルポリオールから選ばれる少なくとも1種の分散媒を混合し、その後有機配位子や水などの揮発成分を除去することを特徴とする、請求項4または5に記載の触媒含有組成物の製造方法。
  11. 請求項1〜3のいずれかに記載の複合金属シアン化物錯体触媒または請求項4または5に記載の触媒含有組成物の存在下に、開始剤にアルキレンオキシドを開環重合させることを特徴とするポリエーテルの製造方法。
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