JPH107787A - 複合金属シアン化物錯体触媒およびその製造方法 - Google Patents

複合金属シアン化物錯体触媒およびその製造方法

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JPH107787A
JPH107787A JP16780296A JP16780296A JPH107787A JP H107787 A JPH107787 A JP H107787A JP 16780296 A JP16780296 A JP 16780296A JP 16780296 A JP16780296 A JP 16780296A JP H107787 A JPH107787 A JP H107787A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高活性、長寿命の複合金属シアン化物錯体触媒
の提供。 【解決手段】ハロゲン化金属塩水溶液とアルカリ金属シ
アノメタレート水溶液とを反応させて得られる反応生成
物を有機配位子中で熟成させることによる複合金属シア
ン化物錯体触媒の製造方法において、有機配位子として
t−ブタノールとジグライムの混合物を用いる複合金属
シアン化物錯体触媒の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複合金属シアン化合
物錯体触媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルキレンオキシドなどのモノエ
ポキシドを開環重合反応させる触媒として複合金属シア
ン化物錯体触媒が知られている(US3278457〜
9)。このとき用いられる複合金属シアン化物錯体触媒
の製造方法はUS3427256、US394184
9、US4472560、US4477589などに提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高活性、長寿命、低副
反応性、かつ狭分子量分布を有するポリエーテルが得ら
れる複合金属シアン化物錯体触媒の製造方法として、ハ
ロゲン化金属塩水溶液にアルカリ金属シアノメタレート
水溶液を滴下して複合金属シアン化物錯体触媒を合成
し、次にt−ブタノール等の長寿命性の触媒を与える有
機配位子を滴下して複合金属シアン化物錯体触媒を製造
する方法(例えば特開平4−145123)が提案され
ている。しかし、この方法では、この錯体触媒の結晶形
態により難濾過性を示すという欠点がある。
【0004】また、長寿命性の触媒を与える有機配位子
を配位させた複合金属シアン化物錯体触媒はきわめて高
活性、長寿命であるが、それゆえに高い重合度を持った
ポリオールを合成した場合、得られるポリオールの分子
量分布曲線において最頻分子量より低分子量側に比べて
最頻分子量より高分子量側に長く尾を引く(すなわち、
最頻分子量からより遠く離れた分子量のポリオールが高
分子量側に多い)という欠点がある。したがって、目的
とする分子量(最頻分子量)に比較してはるかに高い分
子量のポリオールが不純物として生成し、ポリオールの
粘度などの物性に好ましくない影響を生じる。このよう
な分子量分布を以下不均一分子量分布という。
【0005】複合金属シアン化物錯体触媒のモノエポキ
シドを開環重合させる機構は必ずしも明確ではないが、
複合金属シアン化物錯体触媒の有機配位子の種類および
配位状態が触媒の活性、触媒の寿命、副反応性、重合反
応生成物の分子量分布、に大きく影響すると考えられて
おり、高活性、長寿命、低副反応性、かつ狭分子量分布
を有するポリエーテルを得ることのできる複合金属シア
ン化物錯体触媒を製造でき、かつ、問題となっている難
濾過性を解決し、より高分子領域に現れるポリオールの
合成を抑制する方法が要望されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決すべくなされた下記の発明である。
【0007】ハロゲン化金属塩水溶液とアルカリ金属シ
アノメタレート水溶液とを反応させて得られる反応生成
物に2種以上の有機配位子が配位してなる複合金属シア
ン化物錯体触媒。
【0008】ハロゲン化金属塩水溶液とアルカリ金属シ
アノメタレート水溶液とを反応させて得られる反応生成
物に2種以上の有機配位子を配位させることを特徴とす
る、複合金属シアン化物錯体触媒の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるハロゲン化金
属塩の金属としては、Zn(II)、Fe(II)、Fe(III)
、Co(II)、Ni(II)、Mo(IV)、Mo(VI)、Al(II
I) 、Al(IV)、V(V) 、Sr(II)、W(IV)、W(VI)、
Mn(II)、Cr(III) 、Cu(II)、Sn(II)、およびP
b(II)から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
特にZn(II)またはFe(II)が好ましい。
【0010】アルカリ金属シアノメタレートの金属とし
ては、Fe(II)、Fe(III) 、Co(II)、Co(III) 、
Cr(II)、Cr(III) 、Mn(II)、Mn(III) 、Ni(I
I)、V(IV)、およびV(V) から選ばれる1種以上を用い
ることが好ましい。特にCo(III) またはFe(III) が
好ましい。
【0011】本発明においてハロゲン化金属塩水溶液と
アルカリ金属シアノメタレート水溶液とを反応させて反
応生成物を得る。
【0012】このときハロゲン化金属塩水溶液濃度とし
ては0.1g/cc以上、特に0.5g/cc以上であ
ることが好ましい。また、飽和濃度以下であることが好
ましい。上記所定濃度未満の濃度領域においては複合金
属シアン化物錯体触媒としてのハロゲン化金属塩の取り
込みが充分ではなくなり、結晶性の高い複合金属シアン
化物錯体触媒が合成され活性に不利になる。また飽和濃
度を超えた条件で行うと溶液の混合状態が不均一にな
り、やはり触媒活性に不利な複合金属シアン化物錯体触
媒が合成される。
【0013】アルカリ金属シアノメタレート水溶液濃度
は0.5g/cc以下、特に0.2g/cc以下が好ま
しい。また、0.02g/cc以上であることが好まし
い。所定濃度を超えた条件で行うとハロゲン化金属塩水
溶液に滴下した場所が部分的にアルカリ金属シアノメタ
レート過剰領域となり上記のハロゲン化金属塩の濃度が
低いときと同等の効果を生じ活性が低下する。また低濃
度の条件で行うと複合金属シアン化物錯体触媒に取り込
ませたハロゲン化金属塩が水中に溶解するため活性に不
利となる。
【0014】ハロゲン化金属塩水溶液とアルカリ金属シ
アノメタレート水溶液との反応は、ハロゲン化金属塩水
溶液にアルカリ金属シアノメタレート水溶液を滴下する
ことにより行うことが好ましい。
【0015】反応温度は0℃以上が好ましく、30℃以
上が特に好ましい。また、70℃未満が好ましく、50
℃未満が特に好ましい。高温領域で反応を行うとハロゲ
ン化金属塩を含まない結晶性の高い複合金属シアン化物
錯体触媒が合成され、さらに有機溶媒が配位できなくな
り触媒活性が生じない。また低温領域においては複合金
属シアン化物錯体触媒の合成反応が不充分となりやはり
触媒活性に不利な条件となる。
【0016】本発明における複合金属シアン化物錯体触
媒はハロゲン化金属塩水溶液とアルカリ金属シアノメタ
レート水溶液とを反応させて得られる反応生成物に2種
以上の有機配位子が配位してなる。
【0017】このような複合金属シアン化物錯体触媒
は、ハロゲン化金属塩水溶液とアルカリ金属シアノメタ
レート水溶液とを反応させて得られる反応生成物に2種
以上の有機配位子を配位させることにより製造する。
【0018】本発明において有機配位子が、単独で配位
させた場合に異なる触媒物性を与える2種以上の有機配
位子からなることが好ましい。
【0019】すなわち、本発明における2種以上の有機
配位子は、それぞれを単独で配位させた触媒が、相互に
触媒寿命、触媒活性等の触媒物性に相違を生じるような
有機配位子であることが好ましい。2種以上の有機配位
子の組み合わせとしては、特に触媒寿命について相違を
与える有機配位子の組み合わせが好ましい。この単独で
配位させた場合に異なる触媒寿命を与える2種以上の有
機配位子の組み合わせを以下、相対的に長寿命性を与え
る有機配位子(a)の1種以上と相対的に短寿命性を与
える有機配位子(b)の1種以上との組み合わせで表
す。
【0020】その場合、有機配位子(a)単独で配位さ
せた複合金属シアン化物錯体触媒(A)が、有機配位子
(b)単独で配位させた複合金属シアン化物錯体触媒
(B)に比べて、触媒の寿命が3倍以上であることが好
ましい。
【0021】このような有機配位子(a)は、エ−テ
ル、エステル、アルコール、アルデヒド、ケトン、アミ
ド、ニトリル、およびスルフィドから選択できる。t−
ブタノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ア
ミルアルコール、i−アミルアルコール、およびN,N
−ジメチルアセトアミドからなる群から選ばれる1種以
上であることが特に好ましい。最も長い触媒寿命を与え
かつ高い触媒活性を与える有機配位子であるt−ブタノ
ールが最も好ましい。
【0022】また、有機配位子(b)もエ−テル、エス
テル、アルコール、アルデヒド、ケトン、アミド、ニト
リル、およびスルフィドから選択できる。モノグライム
(エチレングリコールジメチルエーテル)、ジグライム
(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、トリグラ
イム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)、i
−プロパノール、およびジオキサンからなる群から選ば
れる1種以上であることが特に好ましい。モノグライ
ム、ジグライムが最も好ましい。
【0023】有機配位子(a)と有機配位子(b)の使
用割合は重量比で9/1〜2/8、特に8/2〜5/
5、であることが好ましい。
【0024】本発明においてハロゲン化金属塩水溶液と
アルカリ金属シアノメタレート水溶液とを反応させて得
られる反応生成物を上記2種以上の有機配位子からなる
混合有機配位子中で熟成させることにより製造すること
が好ましい。
【0025】本発明の複合金属シアン化物錯体触媒、す
なわち、異なる2種以上の有機配位子を配位させた複合
金属シアン化物錯体触媒を製造するためには、2種以上
の有機配位子が充分に混合された条件で熟成させること
が好ましい。なぜなら、有機配位子の配位力が異なる場
合には、配位力の強い配位子のみが配位される可能性が
高くなるためである。
【0026】具体的には、予め混合した混合有機配位子
を上記反応生成物と接触させることにより、または2種
以上の有機配位子を同時に接触させることにより行うこ
とができる。例えば、上記反応生成物を含む溶液中に混
合有機配位子を滴下し撹拌する方法などがある。
【0027】熟成温度は反応温度以上、特に30℃以
上、が好ましい。また、125℃未満、特に80℃以
下、が好ましい。熟成時間は15分以上が好ましい。熟
成時間の上限は特にないが、工業的には2〜3時間程度
を上限とすることが好ましい。
【0028】上記熟成により得たスラリーを濾過するこ
とにより複合金属シアン化物錯体触媒を含んだケーキを
得る。さらに必要であれば複数回、該ケーキに水、合成
に使用した有機配位子および合成に使用した有機配位子
とは異なる有機配位子からなる群から選ばれる化合物を
添加して、洗浄を行いさらに濾過操作を繰り返す。洗浄
に用いた有機配位子が触媒にすでに配位している有機配
位子に比較して特に配位力が強くない限り、洗浄に用い
た有機配位子がすでに配位している有機配位子と一部〜
全部置換することは少ない。
【0029】有機配位子(b)は一般に有機配位子
(a)よりも配位力が弱いので洗浄に用いる有機配位子
としては有機配位子(b)が好ましい。また、触媒の製
造や熟成に用いた混合有機配位子を洗浄に用いることも
できる。
【0030】なお、有機配位子(a)のみを配位させた
触媒を製造する場合、充分に洗浄しなければ副生ハロゲ
ン化アルカリが触媒中に残存し、その触媒本来の活性を
発揮しえない場合がある。
【0031】得られた複合金属シアン化物錯体触媒有機
相を含んだケーキを乾燥させ複合金属シアン化物錯体触
媒が得られる。乾燥は加熱による乾燥方法、真空状態で
の乾燥方法、または難揮発性液体と混合後揮発性水分お
よび有機配位子を除去する方法等が挙げられる。乾燥の
温度は0℃〜300℃で行うのが好ましい。
【0032】
【実施例】以下に本発明を実施例(例1〜2)および比
較例(例3〜7)により具体的に説明するが、本発明は
これらに限定されない。
【0033】(例1)塩化亜鉛10gを含んだ15cc
の水溶液中にヘキサシアノコバルト酸カリウムK3 Co
(CN)6 を2g含んだ90ccの水溶液を35℃に保
温しつつ30分間かけて滴下した。滴下終了後、t−ブ
タノール80cc、モノグライム30ccおよび水12
0ccの混合物を添加し、70℃に昇温させた。1時間
撹拌後濾過操作を行い、15分間を要してケーキを得
た。この複合金属シアン化物錯体触媒有機相を含んだケ
ーキを真空中で200℃で1時間乾燥し、粉砕を行い、
複合金属シアン化物錯体触媒Aを得た。
【0034】(例2)塩化亜鉛20gを含んだ15cc
の水溶液中にK3 Co(CN)6 を3.24g含んだ7
5ccの水溶液を50℃に保温しつつ10分間かけて滴
下した。滴下終了後、t−ブタノール50cc、次いで
i−プロパノール10ccを添加して2時間撹拌し、そ
の後濾過操作を行い15分間を要してケーキを得た。さ
らに、この複合金属シアン化物錯体触媒有機相を含んだ
ケーキにt−ブタノール10cc、i−プロパノール2
5ccおよび水80ccの混合物を添加して撹拌し、そ
の後濾過操作を行い30分間を要してケーキを得た。さ
らに、この複合金属シアン化物錯体触媒有機相を含んだ
ケーキにt−ブタノール30ccおよびi−プロパノー
ル85cc添加して撹拌し、その後濾過操作を行い30
分間の濾過によりケーキを得た。この複合金属シアン化
物錯体触媒有機相を含んだケーキを真空中で20℃で5
時間乾燥し、粉砕を行い、複合金属シアン化物錯体触媒
Bを得た。
【0035】(例3)塩化亜鉛20gを含んだ15cc
の水溶液中にK3 Co(CN)6 を3.24g含んだ7
5ccの水溶液を50℃に保温しつつ10分間かけて滴
下した。滴下終了後、i−プロパノール50ccを添加
して2時間撹拌し、その後濾過操作を行い10分間を要
してケーキを得た。さらに、この複合金属シアン化物錯
体触媒有機相を含んだケーキにi−プロパノール10c
cおよび水80ccの混合物を添加して撹拌し、その後
濾過操作を行い10分間を要してケーキを得た。さら
に、この複合金属シアン化物錯体触媒有機相を含んだケ
ーキにモノグライム30cc添加して撹拌し、その後濾
過操作を行い10分間を要してケーキを得た。この複合
金属シアン化物錯体触媒有機相を含んだケーキを空気中
で80℃で5時間乾燥し、粉砕を行い、複合金属シアン
化物錯体触媒Vを得た。
【0036】(例4)塩化亜鉛10gを含んだ15cc
の水溶液中にK3 Co(CN)6 を2g含んだ90cc
の水溶液を35℃に保温しつつ30分間かけて滴下し
た。滴下終了後、t−ブタノール80ccおよび水12
0cc添加し、70℃に昇温させた。1時間撹拌後、濾
過操作を行い5時間を要してケーキを得た。この複合金
属シアン化物錯体触媒有機相を含んだケーキを真空中で
200℃で1時間乾燥し、粉砕を行い、複合金属シアン
化物錯体触媒Wを得た。得られた触媒中には副生KCl
が残存し、充分な活性を発揮しえない触媒であった。
【0037】(例5)塩化亜鉛20gを含んだ15cc
の水溶液中にK3 Co(CN)6 を3.24g含んだ7
5ccの水溶液を50℃に保温しつつ10分間かけて滴
下した。滴下終了後、t−ブタノール50cc添加して
2時間撹拌し、その後濾過操作を行い5時間を要してケ
ーキを得た。さらに、この複合金属シアン化物錯体触媒
有機相を含んだケーキにt−ブタノール10ccおよび
水80ccを添加して撹拌し、その後濾過操作を行い8
時間を要してケーキを得た。さらに、この複合金属シア
ン化物錯体触媒有機相を含んだケーキにt−ブタノール
30cc添加して撹拌し、その後濾過操作を行い8時間
を要してケーキを得た。この複合金属シアン化物錯体触
媒有機相を含んだケーキを真空中で20℃で5時間乾燥
し、粉砕を行い、複合金属シアン化物錯体触媒Xを得
た。
【0038】(例6)塩化亜鉛20gを含んだ15cc
の水溶液中にK3 Co(CN)6 を3.24g含んだ7
5ccの水溶液を50℃に保温しつつ10分間かけて滴
下した。滴下終了後モノグライムを50cc添加して2
時間撹拌し、その後濾過操作を行い10分間を要してケ
ーキを得た。さらに、この複合金属シアン化物錯体触媒
有機相を含んだケーキにモノグライム10ccおよび水
80ccを添加して撹拌し、その後濾過操作を行い15
分間を要してケーキを得た。さらに、この複合金属シア
ン化物錯体触媒有機相を含んだケーキにモノグライム3
0ccを添加して撹拌し、その後濾過操作を行い10分
間を要してケーキを得た。この複合金属シアン化物錯体
触媒有機相を含んだケーキを真空中で20℃で5時間乾
燥し、粉砕を行い、複合金属シアン化物錯体触媒Yを得
た。
【0039】(例7)上記触媒X、触媒Yを1:1の重
量比で混合して複合金属シアン化物錯体触媒Zを得た。
【0040】(評価)得られた複合金属シアン化物錯体
触媒の、濾過時間、触媒の寿命(触媒Yを基準として比
較)および、不均一分子量分布の有無を表1に示す。不
均一分子量分布の有無については、触媒を用いて3官能
の開始剤の存在下プロピレンオキシドを重合して製造し
た分子20000のポリオキシプロピレンポリオールの
分子量分布をGPCを測定し、その分子量分布曲線がメ
インピーク(最頻分子量)より高分子量側に長く尾を引
いているものを不均一分子量分布有とし、それのないも
のを無とした。
【0041】表1の結果より、触媒A、Bは、触媒Yに
比べ、濾過時間が大幅に延びることもなく、長寿命で、
しかも高い重合度を持った高分子量体を重合しても不均
一物の認められない高活性の触媒であることがわかる。
【0042】また、触媒Zは、長寿命有機配位子を持つ
触媒Xと、低活性有機配位子を持つ触媒Yとの混合物で
あるが、この混合触媒は、長寿命ではあるものの、高い
重合度を持った高分子量体を重合すると不均一物が認め
られる触媒であることがわかる。
【0043】本発明の方法は高活性の複合金属シアン化
物錯体触媒が得られる点で、きわめて有用である。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】高活性、長寿命、低副反応性、かつ、狭
分子量分布を有するポリエーテルを得ることのできる複
合金属シアン化物錯体触媒が得られる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン化金属塩水溶液とアルカリ金属シ
    アノメタレート水溶液とを反応させて得られる反応生成
    物に2種以上の有機配位子が配位してなる複合金属シア
    ン化物錯体触媒。
  2. 【請求項2】ハロゲン化金属塩水溶液とアルカリ金属シ
    アノメタレート水溶液とを反応させて得られる反応生成
    物に2種以上の有機配位子を配位させることを特徴とす
    る、複合金属シアン化物錯体触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】ハロゲン化金属塩水溶液とアルカリ金属シ
    アノメタレート水溶液とを反応させて得られる反応生成
    物を2種以上の有機配位子からなる混合有機配位子中で
    熟成させることを特徴とする、請求項2の製造方法。
  4. 【請求項4】有機配位子が、単独で配位させた場合に異
    なる触媒物性を与える2種以上の有機配位子からなる、
    請求項2または3の製造方法。
  5. 【請求項5】有機配位子が、相対的に長寿命性を与える
    有機配位子(a)の1種以上と相対的に短寿命性を与え
    る有機配位子(b)の1種以上の2種以上からなり、有
    機配位子(a)単独で配位させた複合金属シアン化物錯
    体触媒(A)が、有機配位子(b)単独で配位させた複
    合金属シアン化物錯体触媒(B)に比べて、触媒の寿命
    が3倍以上である、請求項2または3の製造方法。
  6. 【請求項6】有機配位子(a)と有機配位子(b)の使
    用割合が重量比で9/1〜2/8である、請求項5の製
    造方法。
  7. 【請求項7】有機配位子(a)が、t−ブタノール、n
    −ブタノール、i−ブタノール、t−アミルアルコー
    ル、i−アミルアルコール、およびN,N−ジメチルア
    セトアミドからなる群から選ばれる1種以上である、請
    求項5または6の製造方法。
  8. 【請求項8】有機配位子(a)が、t−ブタノールであ
    る、請求項5または6の製造方法。
  9. 【請求項9】有機配位子(b)が、モノグライム、ジグ
    ライム、トリグライム、i−プロパノール、およびジオ
    キサンからなる群から選ばれる1種以上である、請求項
    5、6、7または8の製造方法。
  10. 【請求項10】ハロゲン化金属塩水溶液とアルカリ金属
    シアノメタレート水溶液とを反応させて得られる反応生
    成物を2種以上の有機配位子からなる混合有機配位子中
    で熟成させ、その後乾燥させることを特徴とする、請求
    項1〜9のいずれかの製造方法。
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