JP2005015463A - 植物ステロールエステル含有組成物及び毛髪化粧料用感触向上剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(I)植物油脱臭留出物からトコフェロールを抽出、分離、精製する際に得られる副産物を蒸留、脂肪酸エステル化、脱色、脱臭して調製される組成物を特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明の毛髪化粧料用感触向上剤には、(I);植物油脱臭留出物からトコフェロールを抽出、分離、精製する際に得られる副産物を蒸留、脂肪酸エステル化、脱色、脱臭して調製される組成物、を含有する。組成物(I)を含有することにより、ステロールワックスに近い風合いが得られる。更に、組成物(I)に含まれるステロールワックスの高分子成分により、傷んだ毛髪を修復・保護することができる。更に、組成物(I)は、単独に調製(若しくは分離等)して得られるフィトステロール又はフィトステロール脂肪酸エステルに比し、安価に製造できる。
1:各種植物油脂の精製工程で副生する低濃度トコフェロール含有物質のエステル化物または不ケン化物のアルコール抽出液をOH塩基性陰イオン交換樹脂で処理し、ホウ酸のアルコール溶液を抽出溶媒として前記処理した樹脂に通液することにより、ミツクストコフェロールを溶出させるトコフェロール類の濃縮精製法(特開昭49−85222号公報)、
本発明の組成物(I)は、上記植物油脱臭留出物からトコフェロールを抽出、分離、精製する際に得られる副産物(処理残渣)から、調製される。従って、組成物(I)を非常に低コストにて製造することができる。
(実施例)
[組成物(I)の調製]
調製例1
大豆油の脱臭処理により副産物として得られる脱臭留出物2000g(総トコフェロール含量10.3%、酸価81)を硫酸130gの存在下、メタノール1000ml及びトルエン1000mlの混合溶媒で還流下1時間メチルエステル化を行い、油状物質を分離し、水500mlで4回洗浄した。メチルエステル化反応により酸価は1であった。そして室温まで冷却後、析出した結晶をろ過で分離した。ろ過で8.9gの結晶が除去された。
植物油(大豆油及び葉種油1:1の混合物)の脱臭処理により副産物として得られる脱臭留出物2000g(総トコフェロール含量9.8%、酸価78)を硫酸130gの存在下、メタノール1,000ml及びトルエン1,000mlの混合溶媒で還流下1時間メチルエステル化を行い、油状物質を分離し、水500mlで4回洗浄した。メチルエステル化反応により酸価は1であった。そして室温まで冷却後、析出した結晶をろ過で分離した。ろ過で9.2gの結晶が除去された。
調製例1のGPC分析及び調製例2のGC分析を、以下の測定条件及び測定方法にて行った。測定結果(チャート)を、それぞれ図1及び図2に示す。尚、GPC分析チャート図の各ピークに付記した化合物名は、その化合物がそのピーク中に含まれることを意味する。
・標準溶液の調製
表1に示す各標準物質10〜25mgをそれぞれ50mLメスフラスコに精秤し、クロロホル厶を加え溶解し50mLにメスアップする。この溶液を、それぞれの標準溶液とする。
試料物質(調製例1)200mgを50mLメスフラスコに精秤し、トルエンを加え溶解し50mLにメスアップする。この溶液を、試料溶液とする。
カラ厶;K−801(Shodex製、排除限界分子量:1500)
K−802(Shodex製、排除限界分子量:5000)
溶離液;クロロホルム
流速;0.5mL/min
温度;35℃
検出;光散乱検出器(GAS1.0 NEB.40℃ EVA.80℃)
溶液の分析結果から、それぞれの標準物質の保持時間を確認する。試料溶液の分析結果より得られた各ピークの保持時間と標準物質の保持時間を照合し、各ピーク中に含まれる成分とする。それぞれのピークの面積百分率比を各ピークの成分含有量とする。
・内部標準溶液の調製
コレステリルn−デシレート(SIGMA:C−4633)25mgを50mLメスフラスコに精秤し、ヘキサンを20mL加え加熱溶解する。室温に戻しながらクロロホルムを加え、50mLにメスアップする。
前記表1に示す各標準物質10〜25mgをそれぞれ50mLメスフラスコに精秤し、トルエンを加え溶解し50mLにメスアップする。その溶液5mLを25mLスクリューバイアルに取る。そこに、上記にて調製した内部標準溶液5mLを加え、それぞれの標準溶液とする。
試料物質(調製例2)200mgを50mLメスフラスコに精秤し、トルエンを加え溶解し50mLにメスアップする。その溶液5mLを25mLスクリューバイアルに取る。そこに、上記にて調製した内部標準溶液5mLを加え、試料溶液とする。
装置:GC−17A
m film thickness)
キャリアーガス:He92kPa
昇温プログラム:150℃〜250℃(5℃/min.)+250℃〜350℃(10 ℃/min.)
注入方法:スプリット法(スプリット比45:1、温度350℃)
検出器:FID(温度350℃)
上記分析条件により、標準溶液及び試料溶液をそれぞれ2μL注入する。フィトステロールの面積は、ブラシカステロール、カンペステロール、スチグマステロール、及びシトステロールの4本のピークを合わせたものとし、フィトステロールの脂肪酸エステルの面積は、C−16脂肪酸エステルであるそれぞれのステロール由来の4本のピークを合わせたものとC−18脂肪酸エステルであるそれぞれのステロール由来の4本のピークを合わせたものとする。炭化水素類は、スクワレン及びパラフィンを合わせたものとする。得られたそれぞれの面積と溶液調製時の重量を下式に当てはめ、試料中の各成分含量を算出する。
比較調製例1
植物油脱臭留出物よりトコフェロールを抽出、分離、精製した副産物約1700gを蒸留機に仕込み、約1.0〜0.001Torr下、約150〜160℃にて、脂肪酸エステルを蒸留により留分として約1120g留出させた。蒸留残渣にヘキサン約2300mlを加えて攪拌し、不溶解分は濾過にて除去後、活性白土約60gを加えて30分間攪拌後、濾過、濃縮した。次に約10〜0.1Torr下、約150〜160℃にて、水約30mlを2時間にかけて吹き込んだ。以上の操作により約550gの淡黄色〜淡褐色のペースト状のオイル(植物ステロールワックス)が得られた。このオイルは酸価が約0.3、ケン化価が約48.5であり、ステロール、ステロール脂肪酸エステル、炭化水素の割合は、約19%、約41%、約16%であった。
実施例1〜10及び比較例1〜3
表3及び表4に示す組成に従って、各配合成分を、必要に応じ80℃程度に加熱溶融し、均一に撹拌混合して、各毛髪化粧料用感触向上剤を調製した。
ヘアーコンディショナーに、上記で得られた毛髪化粧料用感触向上剤(各実施例1〜10及び比較例1〜3)を加えて、下記組成を有する感触向上剤配合ヘアーコンディショナーを調製した。この感触向上剤配合ヘアーコンディショナーを、シャンプー処理した毛髪に塗布し、コーミングしてゆきわたらせ、すすぎ、ドライヤー乾燥した後、複数のパネラーによる官能評価試験を行った。最多評価結果を表3及び表4に示す。尚、製造コストは、原料の購入価格を基準に評価した。
セタノール 5,ミリスチン酸イソプロピル 1,塩化セチルトリメチルアンモニウム 2,親油型モノステアリン酸グリセリル 1,ジメチルポリシロキサン(高重合体含有) 3,パラフィン 0.5,グリセリン 3.5,感触向上剤 3,精製水 残量。
表3及び表4より、本発明の毛髪化粧料用感触向上剤(実施例1〜10)は、何れもべとつきが少なく、毛髪化粧料と容易に均一混合でき、更にはステロールワックスとラノリン類(ラノリン、液状ラノリン、及び硬質ラノリン等)に近い風合い・効能・効果(毛髪のしっとり感、油性感)を付与することができ、且つ製造コストも低く抑えることができる。
基剤1,2,4〜6,8,9〜17の調製
各配合成分を均一に撹拌混合して、調製した。表5及び6に配合組成を示す。
アニオン界面活性剤を除く各油性成分を均一に撹拌混合した後、この混合物中にアニオン界面活性剤及び水性成分を順次加え、均一に撹拌混合して調製した。表5に配合組成を示す。
サンプル1〜27、比較サンプル1〜17、並びに対照1〜9
必要に応じ加熱(約80℃)下、各油性成分を均一に撹拌混合した。一方、必要に応じ加熱(約80℃)下、各水性成分を均一に撹拌混合した。そして、上記油性混合物中に上記水性混合物を徐々に加えた後、冷却し、補水調製後、均一に撹拌混合して、各ヘアコンディショナー(各サンプル1〜27、比較サンプル1〜17、並びに対照1〜9)を調製した。表7〜10に配合組成を示す。
1)平均分子量1200。
2)組成物Aの組成;高重合メチルポリシロキサン(13重量%)+アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(15重量%)+メチルポリシロキサン(72重量%)。
3)組成物Bの組成;高重合メチルポリシロキサン(10万cs、30重量%)+高重合メチルポリシロキサン(1万cs、20重量%)+メチルポリシロキサン(20cs、50重量%)。
5)組成物Dの組成;[ポリビニルピロリドン・ビニルカプロラクタム・ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体+エタノール(重量比4:6)]混合物(50重量%)+1,3−ブチレングリコール(50重量%)。
シャンプー処理した毛髪にヘアコンディショナーを塗布し、コーミングしてゆきわたらせ、すすぎ、ドライヤー乾燥して、試験用毛髪を調製した。この試験用毛髪に対し、複数のパネラーによる官能評価試験を行った。
Claims (4)
- 下記組成物(I)。
(I);植物油脱臭留出物からトコフェロールを抽出、分離、精製する際に得られる副産物を蒸留、脂肪酸エステル化、脱色、脱臭して調製される組成物。 - 請求項1に記載の組成物(I)及び(II):植物由来の油脂を含有することを特徴とする毛髪化粧料用感触向上剤。
- 油脂(II)が植物油及び/又は植物(部分)硬化油であることを特徴とする請求項2に記載の毛髪化粧料用感触向上剤。
- 更に、(III):ショ糖脂肪酸エステル及び(IV):液状高級脂肪酸を含有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の毛髪化粧料用感触向上剤。
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