JP3431384B2 - 化粧料原料及びその化粧料原料を配合した化粧料組成物 - Google Patents
化粧料原料及びその化粧料原料を配合した化粧料組成物Info
- Publication number
- JP3431384B2 JP3431384B2 JP02854196A JP2854196A JP3431384B2 JP 3431384 B2 JP3431384 B2 JP 3431384B2 JP 02854196 A JP02854196 A JP 02854196A JP 2854196 A JP2854196 A JP 2854196A JP 3431384 B2 JP3431384 B2 JP 3431384B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- raw material
- cosmetic
- mol
- cosmetic raw
- esterified product
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Description
乳化安定性の優れた化粧料原料、ならびにその化粧料原
料を配合した化粧料組成物の提供にある。
え、さらに乳化安定性を向上させる化粧料原料としてラ
ノリンが用いられていた。ラノリンは、羊毛に付着して
いるウールグリースと呼ばれる淡黄〜黄褐色の粘性を有
する油分を精製した材料である。ラノリンは、化粧料原
料としては、湿潤効果を持ち、皮膚に対する親和性、エ
モリエント効果が非常に優れているので、クリーム、乳
液、口紅、頭髪用製品などに広く使用され、また毛髪用
化粧料としては、優れた光沢付与性及び乳化安定性を持
つ。しかし、ラノリンは、ウールグリースの精製の精度
により、一般的には、特異な匂いを有する。そこで、業
界ではラノリンの如く化粧料原料として、抱水性、光沢
付与性、更には乳化安定性等の優れた効果を持ち、且
つ、ラノリンの持つ匂い等の欠点を排したラノリン様の
エステル化物の検討が行われ、ジペンタエリトリット脂
肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル等のラノ
リン類似物が提案されている。しかし、多くのラノリン
類似物は、欠点である匂いを除いたが、ラノリンの持つ
特性のうち抱水性に重点を置いて開発された為、毛髪へ
の光沢付与性や乳化安定性に乏しいという新しい欠点が
あり、業界の要望を満足するものは無かった。
与性及び乳化安定性の優れた化粧料原料、ならびにその
化粧料原料を配合した化粧料組成物を提供せんとした。
リンゴ酸又はクエン酸1モルに対して、フィトステロー
ルが0.2〜0.5モルの割合で、炭素数8〜20の分
岐アルコールが0.5〜2.7モルの割合で存在する条
件下、エステル化反応によって得られる混合エステル化
物であり、特異な匂いを持たず、皮膚に対する安全性に
問題がなく、且つ、光沢付与性及び乳化安定性に優れた
化粧料原料に関する。請求項2記載の発明は、請求項1
記載の化粧料原料を配合した化粧料組成物に関する。
いて詳細に説明する。この発明で使用する混合エステル
化物とは、ステロイドエステル化物とアルコールエステ
ル化物の混合物のことを言い、より具体的には、炭素数
2〜6のヒドロキシ酸、例えば、リンゴ酸、クエン酸等
とフィトステロールをエステル化反応させて得られたス
テロイドエステル化物と、前記炭素数2〜6のヒドロキ
シ脂肪酸と炭素数8〜20の分岐アルコール、例えば、
2−エチルヘキサノール、イソデシルアルコール、2−
ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−
オクチルドデカノール等のアルコール類をエステル化反
応しアルコールエステル化物の混合物を言う。
は、β−シトステロール、スチグマステロール、及びカ
ンペステロール等の植物油脂から分離される物質が望ま
しく使用され、この発明においては、これらをそれぞれ
単独で使用するよりも混合して使用するのが好ましい。
この発明において、フィトステロールを混合して使用す
るのが好ましい理由は、フィトステロールは、混合物の
形で汎用され、単独物質を入手使用することは、生産上
困難であるからである。
て、直鎖アルコールではなく、分岐アルコールを使用す
る理由は、分岐アルコールは、他物質との相溶性が良
く、室温で毛髪あるいは皮膚に対して適度な密着性及び
展延性があり、優れた光沢付与性を有するからである。
分岐アルコールの炭素数が8〜20である理由は、分岐
アルコールの炭素数が8未満の場合は、毛髪あるいは皮
膚に対する密着性及び展延性が悪くなり、優れた光沢付
与性及び抱水性が得られにくいからであり、20を超え
た場合は、毛髪あるいは皮膚に対する光沢付与性が低下
し、また、乳化安定性も悪くなるからであり、いずれの
場合も好ましくないからである。
ルを使用する理由は、毛髪あるいは皮膚に対する密着性
及び展延性を高めるためである。
脂肪酸の炭素数が6以下である理由は、炭素数が6を超
えた場合には、室温での光沢付与性が低下して、好まし
くないからである。尚、炭素数2未満のヒドロキシ脂肪
酸は存在しない。
及びアルコールエステル化物を得る方法としては、常法
に準ずればよく、通常行われる様に、硫酸、Pトルエン
スルホン酸(PTS),あるいは酸化亜鉛等の触媒の存
在下、ヒドロキシ脂肪酸とフィトステロール及び分岐ア
ルコールを加えて、エステル化反応をすればよい。尚、
反応時に加えるアルコールの種類、順序は特に限定はな
く、ヒドロキシ脂肪酸に分岐アルコールを先にエステル
化した後、フィトステロールを混合してエステル化する
か、又はフィトステロールをエステル化した後、分岐ア
ルコールを混合してエステル化しても良い。又、更に分
岐アルコールとフィトステロールを同時に反応しても良
い。尚、反応は常に完全反応に必要なアルコールを添加
する。
キシ脂肪酸1モルに対して、フィトステロールは0.2
〜0.5モル、分岐アルコールは、0.5〜2.7モル
加える。このモル数を限定する理由は、上記のモル比で
得られるエステル化物が最も光沢付与性及び乳化安定性
が優れているからである。
テル化物、及び/又はアルコールエステル化物は、酸価
を0.6〜1.5程度有する。この酸価は低いほうが好
ましい。エステル化反応後、キシレンに溶解させてろ過
を行い、触媒を除去したのち過酸化水素水を用いて、エ
ステル化反応物を脱色する。
した化粧料原料は毛髪に対して優れた光沢を与え、クリ
ーム等の乳化安定性を向上させる。このような特徴を生
かして、ヘアートリートメント、ヘアリンス、トリート
メント、シャンプー、クリーム、乳液、口紅、ファンデ
ーション等に効果的に使用することができる。
粧料組成物に対する添加量は、混合エステル化物の組成
及び種類により異なるが、0.5〜30%(重量)程度
である。この理由は、重量%が0.5未満の場合、必要
な光沢付与性及び乳化安定性が得られず好ましくなく、
30%を超えた場合、光沢付与性及び乳化安定性は得ら
れるが粘着性が強くなりすぎ、使用感が悪くなり好まし
くないからである。
組成物とは薬事法上の医薬、医薬部外品、化粧品等のい
ずれに属していてもよく、化粧に用いる原料あるいは組
成物であればよい。 (原料の例)
に、化粧料原料の例、化粧料原料の比較例、ならびに、
その化粧料原料を配合した化粧料組成物の実施例及び比
較例を示す。 (原料の例1)リンゴ酸134.1g(1.0モル)、
2−エチルヘキサノール234.0g(1.8モル)、
フィトステロール(Lot.1)86.4g(0.2モ
ル)を2Lの反応容器に仕込み、触媒として酸化亜鉛
0.9gを添加し、180℃で8時間反応した。得られ
た混合エステル化物の酸価は1.0であった。混合エス
テル化物はキシレンに溶解し、ろ過を行い触媒を除去し
た後35%過酸化水素水1.5mlを用いて110℃で
30分間脱色した。淡黄褐色の粘性液397.5gが得
られた。
(1.0モル)、イソデシルルコール395.8g
(2.5モル)、フィトステロール(Lot.2)21
0.1g(0.5モル)を2Lの反応容器に仕込み、触
媒として酸化亜鉛1.6gを添加し、180℃で8時間
反応した。得られた混合エステル化物の酸価は1.2で
あった。混合エステル化物はキシレンに溶解し、ろ過を
行い触媒を除去した後35%過酸化水素水3.5mlを
用いて110℃で30分間脱色した。淡黄褐色の粘性液
721.6gが得られた。
(1.0モル)、2−ヘキシルデカノール411.9g
(1.7モル)、フィトステロール(Lot.3)12
9.3g(0.3モル)を2Lの反応容器に仕込み、触
媒としてPTS0.9gを添加し、160℃で8時間反
応した。得られた混合エステル化物の酸価は0.9であ
った。混合エステル化物はキシレンに溶解し、ろ過を行
い触媒を除去した後35%過酸化水素水3.0mlを用
いて110℃で30分間脱色した。淡黄褐色の粘性液6
26.1gが得られた。
料である混合エステル化物を得た。
ル)、2−エチルヘキサノール130.0g(1.0モ
ル)、イソステアリルアルコール(Lot.1)43.
2g(0.1モル)を2Lの反応容器に仕込み、触媒と
して酸価亜鉛1.1gを添加し、180℃で8時間反応
した。得られた混合エステル化物の酸価は0.8であっ
た。混合エステル化物はキシレンに溶解し、ろ過を行い
触媒を除去した後35%過酸化水素水2.3mlを用い
て110℃で30分間脱色した。淡黄褐色の粘性液48
6.9gが得られた。
で上記と同様に反応精製を行い、化粧料原料の比較例で
ある混合エステル化物を得た。
例11〜16で得られた混合エステル化物を用いて、表
3〜5の実施例及び比較例に示す処方に従って化粧料組
成物を調製し、化粧料組成物A〜Zを得た。表1はヘア
ートリートメント、表2はリンス、表5はマッサージク
リームに関する実施例及び比較例である。
評価 注−3:60℃、24時間における分離水の量(ml)
成物の処方例を、実施例及び試験結果を挙げて詳細に説
明する。 (処方例A)
A〜Iを用いて毛束処理をし、20人の被験者に、問診
で光沢について調べた。「非常に優れている」を5点、
「優れている」を4点、「普通」を3点、「特に劣る」
を2点、「非常に劣る」を1点とする5段階評価で問診
し、その平均値を表3に示す。又、60℃に於ける乳化
安定性を分離してくる水の量で評価した。結果は表3の
通りである。
毛束処理をし、20人の被験者に、問診で光沢について
調べた。「非常に優れている」を5点、「優れている」
を4点、「普通」を3点、「特に劣る」を2点、「非常
に劣る」を1点とする5段階評価で問診し、その平均値
を表3に示す。又、60℃に於ける乳化安定性を分離し
てくる水の量で評価した。結果は表4の通りである。
〜Zを用いて毛束処理をし、20人の被験者に、問診で
光沢について調べた。「非常に優れている」を5点、
「優れている」を4点、「普通」を3点、「特に劣る」
を2点、「非常に劣る」を1点とする5段階評価で問診
し、その平均値を表3に示す。又、60℃に於ける乳化
安定性を分離してくる水の量で評価した。結果は表5の
通りである。
組成物は、上記試験から明らかな如く、光沢付与性及び
乳化安定性が優れている。
Claims (2)
- 【請求項1】 リンゴ酸又はクエン酸1モルに対して、
フィトステロールが0.2〜0.5モルの割合で、炭素
数8〜20の分岐アルコールが0.5〜2.7モルの割
合で存在する条件下、エステル化反応によって得られる
混合エステル化物であり、特異な匂いを持たず、皮膚に
対する安全性に問題がなく、且つ、光沢付与性及び乳化
安定性に優れた化粧料原料。 - 【請求項2】 請求項1記載の化粧料原料を配合した化
粧料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02854196A JP3431384B2 (ja) | 1996-01-22 | 1996-01-22 | 化粧料原料及びその化粧料原料を配合した化粧料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02854196A JP3431384B2 (ja) | 1996-01-22 | 1996-01-22 | 化粧料原料及びその化粧料原料を配合した化粧料組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09194345A JPH09194345A (ja) | 1997-07-29 |
JP3431384B2 true JP3431384B2 (ja) | 2003-07-28 |
Family
ID=12251535
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02854196A Expired - Lifetime JP3431384B2 (ja) | 1996-01-22 | 1996-01-22 | 化粧料原料及びその化粧料原料を配合した化粧料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3431384B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FI974648A (fi) | 1997-09-09 | 1999-05-06 | Raisio Benecol Oy | Hydroksihappo-, maitohappo- ja hydroksialkanoaattiesterit ja niiden käyttö |
GB0419694D0 (en) * | 2004-09-06 | 2004-10-06 | Givaudan Sa | Anti-bacterial compounds |
JP2024114163A (ja) * | 2023-02-13 | 2024-08-23 | 日本精化株式会社 | 暖色コレステリック液晶組成物 |
-
1996
- 1996-01-22 JP JP02854196A patent/JP3431384B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09194345A (ja) | 1997-07-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3442101B2 (ja) | ラノリン様合成油剤及びこれを配合してなる化粧品、外用剤 | |
EP0596135B1 (en) | Lanolin fatty acids, separation thereof, and cosmetic and external preparation | |
JP3448669B2 (ja) | ラノリン脂肪酸エステル類、化粧料及び外用薬 | |
JPS6157838B2 (ja) | ||
JPH0520410B2 (ja) | ||
JPS6026379B2 (ja) | エステル化生成物及びこれを含む化粧料 | |
JP2006316003A (ja) | 水素添加ロジンのアルコールエステルを含有する安定な液状組成物およびそれを含有する化粧料 | |
JP3431384B2 (ja) | 化粧料原料及びその化粧料原料を配合した化粧料組成物 | |
JP6353939B1 (ja) | 油状組成物、その製法、油性基剤および皮膚外用剤 | |
FR2839308A1 (fr) | Derive de diol et composition le contenant | |
JPS6241202B2 (ja) | ||
GB2091102A (en) | Hair cosmetics containing a glyceryl ether | |
JP2005132729A (ja) | 化粧料 | |
JPH08208710A (ja) | 環状イヌロオリゴ糖誘導体及びそれを含有する化粧料 | |
JP3046340B2 (ja) | エステル化生成物およびこれらを配合してなる化粧料 | |
JPS60199809A (ja) | 化粧料用基材 | |
JPS63208505A (ja) | 化粧料 | |
JPS61129187A (ja) | エステル化生成物およびこれらを配合してなる化粧料 | |
JP3046341B2 (ja) | エステル化生成物およびこれらを配合してなる化粧料 | |
JPS6246553B2 (ja) | ||
JP2802445B2 (ja) | 頭髪用化粧料 | |
JPH11335260A (ja) | 化粧料組成物 | |
JP2000290232A (ja) | オリゴエステル化生成物及びこれらを含む化粧料 | |
JPS6033821B2 (ja) | エステル化生成物及びこれらを含む化粧料 | |
JP3522869B2 (ja) | 毛髪化粧料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090523 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090523 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100523 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120523 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130523 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140523 Year of fee payment: 11 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |