JP2005014785A - 車両制御システム並びに鉄道車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の加減速等に際し、台車間での荷重差を小さく抑えることで、空転や滑走を生じにくくすること。
【解決手段】加速時や上り勾配区間上では、車体1は後方に傾斜され、台車2A,2B間での荷重差や空気ばね3A,3B間での内圧差は大きくなるが、その内圧差が0となるように、空気ばね3A,3Bそれぞれの内圧を減圧、増圧すべく制御することで、車体1を前方に傾斜させるようにする。逆に、減速時や下り勾配区間上では、車体1は前方に傾斜されることから、空気ばね3A,3Bそれぞれに対しては、加速時等の場合とは逆の操作が行われるようにする。
【選択図】 図5
【解決手段】加速時や上り勾配区間上では、車体1は後方に傾斜され、台車2A,2B間での荷重差や空気ばね3A,3B間での内圧差は大きくなるが、その内圧差が0となるように、空気ばね3A,3Bそれぞれの内圧を減圧、増圧すべく制御することで、車体1を前方に傾斜させるようにする。逆に、減速時や下り勾配区間上では、車体1は前方に傾斜されることから、空気ばね3A,3Bそれぞれに対しては、加速時等の場合とは逆の操作が行われるようにする。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、列車が加減速されたり、勾配区間上を走行するに際し、車体前後に位置されている台車それぞれに加わる荷重が均等化されるべく、台車各々への荷重が制御されることによって、空転や滑走が発生されにくくされた車両制御システム、更には、そのような車両制御システムが搭載されてなる鉄道車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道には定時運行が求められる。しかし、鉄道では、一般に車輪・レール間の摩擦係数が小さいため、空転や滑走が発生しやすい。特に雨天時等には、空転や滑走が起こりやすく、想定パターンでの運転は困難とされ、これがために、列車が遅延するといった不具合があった。
【0003】
一般的に、鉄道車両は、その車体(車両本体)自体がその前後にそれぞれ位置されている台車により支持される状態として、構成されるようになっている。それら台車各々はまた、その前後に2軸の車輪を有しているが、ある1台の台車に着目すれば、その台車での各車輪に加わる荷重は一般的に不均一となっている。特に加減速時での台車、あるいは車両全体に働く回転モーメントにより、加速時には、進行方向に対して前輪への荷重が減少する一方では、後輪への荷重は増大するようになっている。これとは逆に、減速時には、前輪への荷重が増大する一方では、後輪への荷重は減少するようになっている。荷重が減少した車輪では、車輪・レール間の摩擦が減少するが、摩擦が減少する程に、空転や滑走が生じやすくなっている。
【0004】
因みに、特許文献1には、加減速の際に、台車の前輪、後輪それぞれでの、荷重変化による空転や滑走を防ぐ技術が開示されている。この技術では、台車・車体間に前後2対の空気ばねが設けられた上、加速に際しては、進行方向に対して後方の空気ばねの内圧が下げられることで、前方の空気ばねに対して、大きな車体荷重がかけられている。これにより、減少気味にある前輪荷重を増加させている。また、それとは逆に、減速に際しては、前方の空気ばねの内圧が下げられることによって、減少気味にある後輪荷重を増加させている。換言すれば、台車内の前輪、後輪それぞれへの荷重は均等化されることで、車輪の空転や滑走の防止が図られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8―207763号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車体の前後にそれぞれ位置されている台車への荷重は、依然として不均一となっている。これがために、加減速により荷重が減少している台車内の車輪が空転、滑走しやすいという問題が残されている。一般に、台車内の前輪・後輪間距離よりも、車体の前後に亘る台車間距離の方が長く、したがって、列車の加減速により生じる荷重差としては、台車内の前輪・後輪間での荷重差よりも、台車間での荷重差の方が遥かに大きくなっている。この台車間での加重差が是正されない限りにおいては、十分な加減速性能が得られない場合があった。
【0007】
本発明の目的は、車両の加減速等に際し、台車間での荷重差が是正されることで、空転や滑走が生じにくくされた車両制御システムや鉄道車両を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両制御システムは、車体と該車体を支持すべく、少なくとも該車体の前後に位置されている台車各々との間に介在設置される前・後ばねと、該前・後ばね各々に対して共通に設けられ、且つ該前・後ばね各々を伸縮制御する、演算機能が具備されている伸縮制御装置とを含むようにして、構成されたものである。
【0009】
具体的には、上記前・後ばねは、それぞれ前・後空気ばねとされた上、上記伸縮制御装置は、当該列車のノッチ情報、あるいは該ノッチ情報と当該列車の速度を入力として、該伸縮制御装置により、上記前・後ばね各々は相反する状態として伸縮制御されるようにしたものである。また、以上とは別に、上記伸縮制御装置は、上記車体に搭載されている加速度計からの計測結果を入力として、該伸縮制御装置により、上記ばね各々が相反する状態として伸縮制御されるようにしたものである。
【0010】
更に、上記伸縮制御装置は、上記前・後空気ばね各々に対し設けられているセンサからの内圧計測結果を入力として、該伸縮制御装置により、上記前・後空気ばね各々は相反する状態として伸縮制御されるようにしたものである。
したがって、本発明の鉄道車両としては、以上のようにしてなる車両制御システムの何れかが搭載されるようにすればよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図1から図8により説明する。
先ず本発明の車両制御システムの第1の実施例について説明すれば、その一例での構成を図1に示す。図示のように、先頭車両とそれに後続する中間車両の2両分しか示されていないが、最後尾車両は逆方向に走行する場合での先頭車両とされる。結局、先頭車両と最後尾車両との間に中間車両が複数台連結された状態として、1編成の列車が構成される。
【0012】
さて、車両各々の構成について説明すれば、車体1の前部、後部それぞれには、前輪及び後輪を有する台車2A,2Bが空気ばね3A,3Bを介し取付けされる。これら空気ばね3A,3Bは、その内圧がバルブ6A,6Bにより制御されることで、その全体が伸縮可能となっている。具体的には、それらバルブ6A,6B各々での開閉操作は、通信線7や集線装置(機器間中継通信用)11を介し演算装置4から制御される。本例での場合、先頭車両には別途、中央装置9が設けられた上、各車両における演算装置4各々には、基幹通信線8を介し必要な情報が転送される。
【0013】
具体的には、運転台からのノッチ情報と当該列車の列車速度情報は一旦、中央装置9に収集された上、演算装置4各々に常時、転送されるようになっている。それら演算装置4各々では、ノッチ情報と列車速度情報から、当該列車の加減速度の大きさが算出されているが、演算装置4各々にはまた、加減速度の大きさに応じたバルブ操作量が予め変換テーブルとして設定されている。加減速時での台車2A,2Bそれぞれへの車体荷重が均等化されるべく、バルブ操作量が予め設定されている場合には、算出された加減速度に応じてバルブ6A,6B各々が所望に開閉操作されることで、加減速時での台車2A,2Bそれぞれへの車体荷重が均等化されることになる。
【0014】
より具体的に説明すれば、加速中、車体1全体は後側に傾斜されるような状態におかれるが、この際に、車体1前後の台車2A,2Bそれぞれへの荷重が均等化されるべく、車体1は前方に傾斜される状態におかれるよう、制御される。車体1を前方に傾斜させるには、空気ばね3Aは減圧される一方、空気ばね3Bは増圧されるべく、バルブ6A,6Bが制御されればよい。このような制御が採られれば、加速による台車2Aへの荷重減少と台車2Bへの荷重増加と、車体1を前方に傾斜させることによる台車2Aへの荷重増加と台車2Bへの荷重減少とが相殺され、この結果として、台車2A,2Bそれぞれへの荷重は均等化されるものである。
【0015】
以上のように、台車2A,2Bそれぞれへの荷重が均等化されることで、空転や滑走が発生しにくくなり、効率的な加速を行うことが可能となる。一方、減速の際に、台車2A,2Bそれぞれへの荷重が均等化されるには、加速の際と逆の制御が採られる。即ち、空気ばね3Aは増圧される一方、空気ばね3Bは減圧されるべく、バルブ6A,6Bが制御されるようにすればよい。
【0016】
ここで、演算装置4について説明すれば、その制御ブロック概要を図2に示す。既述のように、中央装置9からの、ノッチ情報と列車速度情報からは、加速度の大きさが加速度算出部41内部で予測算出されているが、この加速度の大きさは、ノッチ位置のみからも予測可能とされている。このようにして予測算出された加速度に基づき、例えば加速度―バルブ操作量変換テーブル(図示せず)が参照される。この変換テーブルには、加減速時での台車2A、2Bそれぞれへの車体荷重が均等化されるべく、加速度とバルブ操作量との関係が予め格納されていることから、その加速度には、ゲイン設定部42で所望のゲインが乗じられることで、バルブ6A,6B各々に応じたバルブ操作量が演算装置4から得られる。このバルブ操作量は、バルブ6A,6B各々に与えられることで、空気ばね3A,3B各々での内圧、したがって、その伸縮量が所望に制御されるようになっている。
【0017】
以上のような制御が採られた場合に、加速時での列車速度v、加速度a、台車それぞれへの車体荷重の変化過程を模式的に図3に示す。図示のように、時刻t1で列車が加速を開始し、時刻t4で加速を停止するモデルが想定されている。但し、モデルの列車は、停止時には台車2A,2Bそれぞれへの荷重が等しく、また、水平区間を走行している場合が想定されている。このモデルに基づき、時間帯毎に動作状態を説明すれば、以下のようである。
【0018】
即ち、先ず最初の時間帯である時刻t=0から時刻t1の区間では、列車は停止しており、車体1は水平状態におかれている。したがって、台車2A,2Bそれぞれへの荷重は等しく、荷重差は0である。次の時間帯である時刻t1から時刻t2の区間では、加速度aは徐々に増える状態にあることから、車体1には後方へ傾斜しようとする力が働くため、台車2Aへの荷重は減少し、また、台車2Bへの荷重は増加することになる。この際に、空気ばね3Aを減圧し、空気ばね3Bを増圧すれば、車体1を前方向に傾斜させる力が働くことになる。車体1を前方に傾斜させれば、重心が前方に移動される結果、台車2A,2Bそれぞれへの荷重は均等化される。尤も、この時間帯では、加速度aが徐々に増加しているため、台車2A,2B間での荷重差には定常偏差が残ることになる。
【0019】
更に、時刻t2から時刻t3の時間帯では、加速度aの大きさは一定となっている。この時間帯の初期では、時刻t1から時刻t2の時間帯で発生していた定常偏差が打消される過渡状態が観測されるが、この時間帯内では、殆ど荷重差が小さな状態が維持される。
【0020】
更にまた、時刻t3から時刻t4の時間帯では、加速度aの大きさは徐々に減少していることから、車体1には前方に傾斜しようとする力が働き、台車2A,2B間での荷重差は大きくなろうとする。よって、その荷重差を小さくすべく、空気ばね3Aを増圧し、空気ばね3Bを減圧する制御が採られる。この制御の結果として、車体1を水平状態におこうとする力が働き、台車2A,2B間での荷重差は小さく抑えられる。尤も、この時間帯でも、加速度aは徐々に減少しているため、台車2A,2B間での荷重差には定常偏差が残ることになる。
【0021】
時刻t4以降では、列車は一定速度の走行状態におかれる。その時刻t4直後には、時刻t3から時刻t4の時間帯で発生していた定常偏差が打消される過渡状態が観測されるが、その後は、殆ど荷重差が小さな状態が維持される。
【0022】
以上、第1の実施例について説明した。ここで、その第1の実施例について補足説明すれば、中央装置9は先頭車両と最後尾車両に設置されるため、列車編成中に2台設置されることになるが、1台のみ設置するようにしてもよい。また、基幹通信線8を介し、演算装置4各々に走行路線での勾配情報が転送される場合には、勾配区間での勾配角度に応じて、車体1を傾斜させることが可能となる。これを実現させるには、例えば、図2に示すゲイン設定部42の後段に加算部を設け、その1入力として、勾配情報に基づいて発生された、勾配角度に対応したバルブ操作量を入力させることが考えられる。したがって、勾配区間内であっても、台車2A,2Bそれぞれへの荷重を均等化し得、空転や滑走が発生されにくくなる。
【0023】
更に、本実施例では、車体1を傾斜させる手段として空気ばね3A,3Bが採用された上、その内圧が増減制御可能とされているが、それ例外には、例えば油圧シリンダを用い、車体1を傾斜させるようにしてもよい。油圧シリンダによる場合、扱いやすいという利点があるも、その反面、構成が複雑化する等、不利な面もある。更にまた、通信線7としてディジタル信号線が想定されているが、アナログ信号線としてもよく、この場合、機器同士を個別に接続するため、ネットワーク対応としなくてよいが、信号線の数が増えることは否めない。
【0024】
補足説明の最後として、本実施例では、加速時には車体1を前方に、また、減速時には車体1を後方に積極的に傾斜させているが、車体1を水平状態に近づけるように、傾斜させるだけでもよい。このような制御でも、従来よりは台車2A,2B間での荷重差が減少され得、空転や滑走の発生率の低減化が図れることになる。この場合での利点としては、車体1を傾斜させるための機構が簡略化可能であることが挙げられる。
【0025】
引き続き、第2の実施例での車両制御システムについて説明すれば、図4にその一例での構成を示す。図4に示す車両が複数台連結されて、1編成の列車が構成されているが、図1に示す車両との相違点としては、中央装置9が不要とされ、その代りに、加速度計10が車体1各々に搭載されていることが挙げられる。この加速度計10により、列車の加速度は常時、計測された上、演算装置4に転送される。演算装置4には、第1の実施例の場合と同様にして、加速度―バルブ操作量変換テーブルが予め用意されており、その加速度に応じたバルブ操作量が得られた後は、第1の実施例の場合と同様にして処理される。
【0026】
さて、その制御動作について説明すれば、加速中にあっては、車体1は後側に傾斜されようとするが、この際に、台車2A,2Bそれぞれへの荷重が均等化されるべく、車体1は前方に傾斜される。車体1を前方に傾斜させるには、空気ばね3Aを減圧し、同時に空気ばね3Bを増圧すればよい。これにより、台車2A,2Bそれぞれへの荷重が均等化され、その結果として、空転や滑走が発生しにくくなり、効率的な加速を行うことが可能となる。一方、減速の際に、台車2A,2Bそれぞれへの荷重が均等化されるには、加速の際と逆の操作が空気ばね3A,3Bに対し行われるようにすればよい。
【0027】
第2の実施例は以上のようであるが、第1の実施例と比較すると、車両間に跨る基幹通信線8は不要とされる。したがって、その分、第1の実施例に比し、システムは簡単に構成されることになる。また、第1の実施例の場合と同様、空気ばね3A,3Bの代わりに、油圧シリンダ等を用いたり、通信線7をアナログ信号線とすることが考えられる。更に、加速度計10を車両毎に設置するのではなく、編成中、1台のみとし、新たに設けられた基幹通信線を介し、加速度情報を各車両の演算装置4に提供することも考えられる。
【0028】
更にまた、第1の実施例と同様、基幹通信線を介し、演算装置4各々に走行路線での勾配情報が転送される場合には、勾配区間での勾配角度に応じて車体1を傾斜させることが可能となる。したがって、勾配区間内であっても、台車2A,2Bそれぞれへの荷重を均等化し得、空転や滑走が発生されにくくなる。同じく、第1の実施例と同様、車体1を水平状態に近づくように、傾斜させるだけでもよい。
【0029】
更に、第3の実施例について説明すれば、その一例での構成を図5に示す。第2の実施例と同様、図5に示す車両が複数台連結されて、1編成の列車が構成される。図1に示す車両との相違点としては、中央装置9が不要とされ、その代りに、空気ばね3A,3Bそれぞれに対し、内圧測定用のセンサ5A,5Bが取付けされた上、それぞれの内圧が常時、通信線7を介し演算装置4に転送されていることが挙げられる。
【0030】
さて、加速時や減速時には、車体1が前後方向に傾斜されることで、空気ばね3A,3B間での内圧差が大きくなるが、このような事情は、列車が勾配区間上を走行する場合にも同様となっている。よって、空気ばね3A,3B間での内圧差が目標値に近づくよう、演算装置4によりバルブ6A,6Bが操作されるようになっている。本例では、その内圧差の目標値は0に設定される。
【0031】
より具体的に説明すれば、加速時や上り勾配区間上では、車体1は後方に傾斜されようになり、内圧差は大きくなるが、そこで、その内圧差が0となるように、空気ばね3A,3Bに各々の内圧を制御し、車体1を前方に傾斜させるようにする。車体1を前方に傾斜させるには、空気ばね3Aを減圧し、空気ばね3Bを増圧すればよい。一方、それとは逆に、減速時や下り勾配区間上では、車体1が前方に傾斜されるようになり、内圧差は大きくなるが、この際には、空気ばね3A,3B各々に対しては、加速時等の場合と逆の操作が行われるようにすればよい。何れにしても、以上のように、空気ばね3A,3B間での内圧差が常時、0となるべく、空気ばね3A,3B各々の内圧が制御される場合は、台車2A,2B間での荷重差は常時、小さく抑えられ、その結果として、空転や滑走が発生しにくくなり、効率のよい運転が行えるようになる。
【0032】
図6にはまた、演算装置4の制御ブロック概要が示されているが、これにより演算装置4での動作について説明すれば、先ずセンサ5A,5B各々で計測された内圧からは、減算部44によりその内圧差が求められる。その後、更に、減算部43では、その内圧差と内圧差目標値(0)との間での差分が求められる。この差分にゲイン設定部42で所望のゲインが乗じられることで、バルブ6A,6B各々へのバルブ操作量がえられる。これにより空気ばね3A,3B各々での内圧、したがって、その伸縮量が所望に制御される。このように、ここでは、最も簡単な比例制御が用いられており、その際、ゲインは、応答早さや振動の面を考慮の上、最適に設定される。尤も、制御法としては、積分制御等、他の制御法を用いてもよい。
【0033】
以上の第3の実施例でも、空気ばね3A,3Bの代わりに、油圧シリンダを用いてもよく、また、通信線7をアナログ信号線とすることが考えられる。更に、加減速時や勾配区間上では、車体1は前方や後方に傾斜されているが、車体1を水平に近づけるように、傾斜させるだけでもよい。
【0034】
引き続き、第4の実施例について説明すれば、図7にその一例での構成を示す。図示のように、第1の実施例での構成に加え、空気ばね3A,3Bそれぞれに対し、内圧測定用のセンサ5A,5Bが取付けされた上、それぞれの内圧が常時、通信線7を介し演算装置4に転送されている。したがって、第3の実施例と同様にして、演算装置4では、台車2A,2B各々での荷重が均等化されるように、換言すれば、空気ばね3A,3B間での内圧差が内圧差目標値となるように、バルブ6A,6Bが操作される。この制御により空気ばね3A,3B間での内圧差が小さくなり、台車2A,2Bそれぞれへの荷重が均等化されると、空転や滑走が発生しにくくなり、効率的な加速や減速が可能となる。
【0035】
ところで、この第4の実施例での中央装置9は、第1の実施例や第2の実施例でのものとは異なり、中央装置9から基幹通信線8を介し、各車両の演算装置4各々には勾配情報が若干早めに提供されている。したがって、第3の実施例での機能に加え、演算装置4では、その勾配情報に基づき、勾配区間への進入直前時や、勾配区間からの退出直前時に合せて車体1の傾斜制御を行うことが可能とされている。換言すれば、上り勾配区間への進入直前時には、車体1を前方に傾斜させ、下り勾配区間への進入直前時には、車体1を後方に傾斜させる一方、勾配区間からの退出直前時には、車体1を水平状態に戻すようにする。このような制御には、第3の実施例で見受けられる、フィードバック制御であるが故の勾配区間の始めと終りで生じる制御遅れを補償する効果がある。
【0036】
具体的に、車体1を前方に傾斜させるには、空気ばね3Aを減圧し、空気ばね3Bを増圧すればよく、また、車体1を後方に傾斜させるには、車体1を前方に傾斜させる場合での操作と逆の操作が行われればよい。これにより、勾配区間への進入時や勾配区間からの退出時における空転や滑走が防止可能となるとともに、乗り心地も向上されることになる。なお、空気ばね3A,3B各々に対するバルブ操作量は、後述のように、進入しようとしている勾配区間内での勾配角の大きさに比例させる。また、中央装置9は、先頭車両と最後尾車両に設置される関係上、編成中に2台設置されるが、編成中に1台のみ設置するようにしてもよい。
【0037】
図8に、その1構成要素としての演算装置4の制御ブロック概要を示す。これによる場合、第3の実施例と同様にして、空気ばね3A,3B間での内圧差と内圧差目標値(ここでは、0に設定)との間での差分が求められ、この差分にゲイン設定部42で所望のゲインが乗じられているが、この値に、勾配区間への進入直前や勾配区間からの退出直前に合せて、車体1を傾斜させるためのバルブ制御量(勾配区間進入直前・退出直前時での内圧差増減量)が加算部45で加えられる。このように、ここでは、最も簡単な比例制御が用いられており、その際、ゲインは、応答早さや振動の面を考慮の上、最適に設定される。尤も、制御法としては、積分制御等、他の制御法を用いてもよい。
【0038】
以上の第4の実施例でも、空気ばね3A,3Bの代わりに、油圧シリンダ等を用いたり、通信線7をアナログ信号線とすることが考えられる。また、加速時には、車体1は前方に、減速時には、車体1は後方に傾斜されているが、車体1を水平に近づけるように傾斜制御するだけでもよい。
【0039】
以上、第1〜第4の実施例について説明したが、これから判るように、雨天時等、レール・車輪間の摩擦力が小さい状況下においても、空転や滑走が生じにくくなり、想定された運転パターンに近い運転が可能となる。また、体感加減速度が減少されることにより、良好な乗り心地が得られる。更に、乗り心地を従来並みとするならば、従来に比し、高加速度・高減速度での運転が可能となり、その分、到達時分が短縮化されることになる。
【0040】
以上、本発明について説明した。因みに、以上の発明の他、以下のような発明(1)〜(13)も考えられる。
(1)車体と、前記車体を支持する複数の台車と、前記車体と前記台車の間に設けられたばねと、前記ばねの伸びを制御する伸縮装置とを有する鉄道車両において、当該列車のノッチ情報、もしくは当該列車のノッチ情報と当該列車の速度に応じて、前記ばね伸縮装置により前記ばねの伸びを制御することを特徴とする鉄道車両制御システム。
(2)請求項1に示す鉄道車両制御システムにおいて、当該列車のノッチ情報、もしくは当該列車のノッチ情報と当該列車の速度から、加速と判断されるときは車体を前方に傾斜させることを、もしくは、減速と判断されるときは車体を後方に傾斜させることを特徴とする鉄道車両制御システム。
(3)請求項1から2に示す鉄道車両制御システムにおいて、当該列車のノッチ情報を有することを特徴とする演算装置。
(4)請求項1から2に示す鉄道車両制御システムにおいて、当該列車のノッチ情報を用いて前記ばねの伸びを制御することを特徴とする演算装置。
【0041】
(5)車体と、前記車体を支持する複数の台車と、前記車体と前記台車の間に設けられたばねと、前記ばねの伸びを制御する伸縮装置と、前記車体に設けられた加速度計と、を有する鉄道車両において、前記加速度計の計測結果に応じて前記ばね伸縮装置によりばねの伸びを制御することを特徴とする鉄道車両制御システム。
(6)請求項5において、当該列車が加速のときは車体を前方に傾斜させることを、もしくは、減速のときは車体を後方に傾斜させることを特徴とする鉄道車両制御システム。
(7)請求項5から6に示す鉄道車両制御システムにおいて、当該列車の加速度の情報を用いて前記ばねの伸びを制御することを特徴とする演算装置。
(8)車体と、前記車体を支持する複数の台車と、前記車体と前記台車の間に設けられたばねと、前記ばねの荷重を測るセンサと、前記ばねの伸びを制御するばね伸縮装置と、を有する鉄道車両において、車体前後のばねの荷重に応じて、前記ばね伸縮装置により前記ばねの伸びを制御することを特徴とする鉄道車両制御システム。
(9)請求項8において、荷重が大きい方のばねの伸びを大きくし、荷重が小さいほうのばねの伸びを小さくすることを特徴とする鉄道車両制御システム。
【0042】
(10)請求項8から9に示す鉄道車両制御システムにおいて、前記ばねの荷重に応じて、前記ばねの伸びを制御することを特徴とする演算装置。
(11)請求項1から10に示す鉄道車両制御システムにおいて、走行路線の勾配情報を有することを特徴とする演算装置。
(12)請求項1から10に示す鉄道車両制御システムにおいて、走行路線の勾配情報を用いて前記ばねの伸びを制御することを特徴とする演算装置。
(13)請求項1から12に示す鉄道車両制御システムにおいて、前記ばねが空気ばねであり、前記ばねの内圧を制御することを特徴とする演算装置。
【0043】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき、具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0044】
【発明の効果】
車両の加減速等に際し、台車間での荷重差が是正されることで、空転や滑走が生じにくい車両制御システムや鉄道車両が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両制御システムの第1の実施例での構成を示す図である。
【図2】その1構成要素としての演算装置の制御ブロック概要を示す図である。
【図3】その車両制御システムにおける、加速時での列車速度、加速度、台車それぞれへの車体荷重の変化過程を模式的に示す図である。
【図4】本発明の車両制御システムの第2の実施例での構成を示す図である。
【図5】本発明の車両制御システムの第3の実施例での構成を示す図である。
【図6】その1構成要素としての演算装置の制御ブロック概要を示す図である。
【図7】本発明の車両制御システムの第4の実施例での構成を示す図である。
【図8】その1構成要素としての演算装置の制御ブロック概要を示す図である。
【符号の説明】
1…車体、2A,2B…台車、3A,3B:空気ばね、4…演算装置、5A,5B:センサ(空気ばねの内圧測定用)、6A,6B…バルブ、10…加速度計
【発明の属する技術分野】
本発明は、列車が加減速されたり、勾配区間上を走行するに際し、車体前後に位置されている台車それぞれに加わる荷重が均等化されるべく、台車各々への荷重が制御されることによって、空転や滑走が発生されにくくされた車両制御システム、更には、そのような車両制御システムが搭載されてなる鉄道車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道には定時運行が求められる。しかし、鉄道では、一般に車輪・レール間の摩擦係数が小さいため、空転や滑走が発生しやすい。特に雨天時等には、空転や滑走が起こりやすく、想定パターンでの運転は困難とされ、これがために、列車が遅延するといった不具合があった。
【0003】
一般的に、鉄道車両は、その車体(車両本体)自体がその前後にそれぞれ位置されている台車により支持される状態として、構成されるようになっている。それら台車各々はまた、その前後に2軸の車輪を有しているが、ある1台の台車に着目すれば、その台車での各車輪に加わる荷重は一般的に不均一となっている。特に加減速時での台車、あるいは車両全体に働く回転モーメントにより、加速時には、進行方向に対して前輪への荷重が減少する一方では、後輪への荷重は増大するようになっている。これとは逆に、減速時には、前輪への荷重が増大する一方では、後輪への荷重は減少するようになっている。荷重が減少した車輪では、車輪・レール間の摩擦が減少するが、摩擦が減少する程に、空転や滑走が生じやすくなっている。
【0004】
因みに、特許文献1には、加減速の際に、台車の前輪、後輪それぞれでの、荷重変化による空転や滑走を防ぐ技術が開示されている。この技術では、台車・車体間に前後2対の空気ばねが設けられた上、加速に際しては、進行方向に対して後方の空気ばねの内圧が下げられることで、前方の空気ばねに対して、大きな車体荷重がかけられている。これにより、減少気味にある前輪荷重を増加させている。また、それとは逆に、減速に際しては、前方の空気ばねの内圧が下げられることによって、減少気味にある後輪荷重を増加させている。換言すれば、台車内の前輪、後輪それぞれへの荷重は均等化されることで、車輪の空転や滑走の防止が図られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8―207763号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車体の前後にそれぞれ位置されている台車への荷重は、依然として不均一となっている。これがために、加減速により荷重が減少している台車内の車輪が空転、滑走しやすいという問題が残されている。一般に、台車内の前輪・後輪間距離よりも、車体の前後に亘る台車間距離の方が長く、したがって、列車の加減速により生じる荷重差としては、台車内の前輪・後輪間での荷重差よりも、台車間での荷重差の方が遥かに大きくなっている。この台車間での加重差が是正されない限りにおいては、十分な加減速性能が得られない場合があった。
【0007】
本発明の目的は、車両の加減速等に際し、台車間での荷重差が是正されることで、空転や滑走が生じにくくされた車両制御システムや鉄道車両を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両制御システムは、車体と該車体を支持すべく、少なくとも該車体の前後に位置されている台車各々との間に介在設置される前・後ばねと、該前・後ばね各々に対して共通に設けられ、且つ該前・後ばね各々を伸縮制御する、演算機能が具備されている伸縮制御装置とを含むようにして、構成されたものである。
【0009】
具体的には、上記前・後ばねは、それぞれ前・後空気ばねとされた上、上記伸縮制御装置は、当該列車のノッチ情報、あるいは該ノッチ情報と当該列車の速度を入力として、該伸縮制御装置により、上記前・後ばね各々は相反する状態として伸縮制御されるようにしたものである。また、以上とは別に、上記伸縮制御装置は、上記車体に搭載されている加速度計からの計測結果を入力として、該伸縮制御装置により、上記ばね各々が相反する状態として伸縮制御されるようにしたものである。
【0010】
更に、上記伸縮制御装置は、上記前・後空気ばね各々に対し設けられているセンサからの内圧計測結果を入力として、該伸縮制御装置により、上記前・後空気ばね各々は相反する状態として伸縮制御されるようにしたものである。
したがって、本発明の鉄道車両としては、以上のようにしてなる車両制御システムの何れかが搭載されるようにすればよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図1から図8により説明する。
先ず本発明の車両制御システムの第1の実施例について説明すれば、その一例での構成を図1に示す。図示のように、先頭車両とそれに後続する中間車両の2両分しか示されていないが、最後尾車両は逆方向に走行する場合での先頭車両とされる。結局、先頭車両と最後尾車両との間に中間車両が複数台連結された状態として、1編成の列車が構成される。
【0012】
さて、車両各々の構成について説明すれば、車体1の前部、後部それぞれには、前輪及び後輪を有する台車2A,2Bが空気ばね3A,3Bを介し取付けされる。これら空気ばね3A,3Bは、その内圧がバルブ6A,6Bにより制御されることで、その全体が伸縮可能となっている。具体的には、それらバルブ6A,6B各々での開閉操作は、通信線7や集線装置(機器間中継通信用)11を介し演算装置4から制御される。本例での場合、先頭車両には別途、中央装置9が設けられた上、各車両における演算装置4各々には、基幹通信線8を介し必要な情報が転送される。
【0013】
具体的には、運転台からのノッチ情報と当該列車の列車速度情報は一旦、中央装置9に収集された上、演算装置4各々に常時、転送されるようになっている。それら演算装置4各々では、ノッチ情報と列車速度情報から、当該列車の加減速度の大きさが算出されているが、演算装置4各々にはまた、加減速度の大きさに応じたバルブ操作量が予め変換テーブルとして設定されている。加減速時での台車2A,2Bそれぞれへの車体荷重が均等化されるべく、バルブ操作量が予め設定されている場合には、算出された加減速度に応じてバルブ6A,6B各々が所望に開閉操作されることで、加減速時での台車2A,2Bそれぞれへの車体荷重が均等化されることになる。
【0014】
より具体的に説明すれば、加速中、車体1全体は後側に傾斜されるような状態におかれるが、この際に、車体1前後の台車2A,2Bそれぞれへの荷重が均等化されるべく、車体1は前方に傾斜される状態におかれるよう、制御される。車体1を前方に傾斜させるには、空気ばね3Aは減圧される一方、空気ばね3Bは増圧されるべく、バルブ6A,6Bが制御されればよい。このような制御が採られれば、加速による台車2Aへの荷重減少と台車2Bへの荷重増加と、車体1を前方に傾斜させることによる台車2Aへの荷重増加と台車2Bへの荷重減少とが相殺され、この結果として、台車2A,2Bそれぞれへの荷重は均等化されるものである。
【0015】
以上のように、台車2A,2Bそれぞれへの荷重が均等化されることで、空転や滑走が発生しにくくなり、効率的な加速を行うことが可能となる。一方、減速の際に、台車2A,2Bそれぞれへの荷重が均等化されるには、加速の際と逆の制御が採られる。即ち、空気ばね3Aは増圧される一方、空気ばね3Bは減圧されるべく、バルブ6A,6Bが制御されるようにすればよい。
【0016】
ここで、演算装置4について説明すれば、その制御ブロック概要を図2に示す。既述のように、中央装置9からの、ノッチ情報と列車速度情報からは、加速度の大きさが加速度算出部41内部で予測算出されているが、この加速度の大きさは、ノッチ位置のみからも予測可能とされている。このようにして予測算出された加速度に基づき、例えば加速度―バルブ操作量変換テーブル(図示せず)が参照される。この変換テーブルには、加減速時での台車2A、2Bそれぞれへの車体荷重が均等化されるべく、加速度とバルブ操作量との関係が予め格納されていることから、その加速度には、ゲイン設定部42で所望のゲインが乗じられることで、バルブ6A,6B各々に応じたバルブ操作量が演算装置4から得られる。このバルブ操作量は、バルブ6A,6B各々に与えられることで、空気ばね3A,3B各々での内圧、したがって、その伸縮量が所望に制御されるようになっている。
【0017】
以上のような制御が採られた場合に、加速時での列車速度v、加速度a、台車それぞれへの車体荷重の変化過程を模式的に図3に示す。図示のように、時刻t1で列車が加速を開始し、時刻t4で加速を停止するモデルが想定されている。但し、モデルの列車は、停止時には台車2A,2Bそれぞれへの荷重が等しく、また、水平区間を走行している場合が想定されている。このモデルに基づき、時間帯毎に動作状態を説明すれば、以下のようである。
【0018】
即ち、先ず最初の時間帯である時刻t=0から時刻t1の区間では、列車は停止しており、車体1は水平状態におかれている。したがって、台車2A,2Bそれぞれへの荷重は等しく、荷重差は0である。次の時間帯である時刻t1から時刻t2の区間では、加速度aは徐々に増える状態にあることから、車体1には後方へ傾斜しようとする力が働くため、台車2Aへの荷重は減少し、また、台車2Bへの荷重は増加することになる。この際に、空気ばね3Aを減圧し、空気ばね3Bを増圧すれば、車体1を前方向に傾斜させる力が働くことになる。車体1を前方に傾斜させれば、重心が前方に移動される結果、台車2A,2Bそれぞれへの荷重は均等化される。尤も、この時間帯では、加速度aが徐々に増加しているため、台車2A,2B間での荷重差には定常偏差が残ることになる。
【0019】
更に、時刻t2から時刻t3の時間帯では、加速度aの大きさは一定となっている。この時間帯の初期では、時刻t1から時刻t2の時間帯で発生していた定常偏差が打消される過渡状態が観測されるが、この時間帯内では、殆ど荷重差が小さな状態が維持される。
【0020】
更にまた、時刻t3から時刻t4の時間帯では、加速度aの大きさは徐々に減少していることから、車体1には前方に傾斜しようとする力が働き、台車2A,2B間での荷重差は大きくなろうとする。よって、その荷重差を小さくすべく、空気ばね3Aを増圧し、空気ばね3Bを減圧する制御が採られる。この制御の結果として、車体1を水平状態におこうとする力が働き、台車2A,2B間での荷重差は小さく抑えられる。尤も、この時間帯でも、加速度aは徐々に減少しているため、台車2A,2B間での荷重差には定常偏差が残ることになる。
【0021】
時刻t4以降では、列車は一定速度の走行状態におかれる。その時刻t4直後には、時刻t3から時刻t4の時間帯で発生していた定常偏差が打消される過渡状態が観測されるが、その後は、殆ど荷重差が小さな状態が維持される。
【0022】
以上、第1の実施例について説明した。ここで、その第1の実施例について補足説明すれば、中央装置9は先頭車両と最後尾車両に設置されるため、列車編成中に2台設置されることになるが、1台のみ設置するようにしてもよい。また、基幹通信線8を介し、演算装置4各々に走行路線での勾配情報が転送される場合には、勾配区間での勾配角度に応じて、車体1を傾斜させることが可能となる。これを実現させるには、例えば、図2に示すゲイン設定部42の後段に加算部を設け、その1入力として、勾配情報に基づいて発生された、勾配角度に対応したバルブ操作量を入力させることが考えられる。したがって、勾配区間内であっても、台車2A,2Bそれぞれへの荷重を均等化し得、空転や滑走が発生されにくくなる。
【0023】
更に、本実施例では、車体1を傾斜させる手段として空気ばね3A,3Bが採用された上、その内圧が増減制御可能とされているが、それ例外には、例えば油圧シリンダを用い、車体1を傾斜させるようにしてもよい。油圧シリンダによる場合、扱いやすいという利点があるも、その反面、構成が複雑化する等、不利な面もある。更にまた、通信線7としてディジタル信号線が想定されているが、アナログ信号線としてもよく、この場合、機器同士を個別に接続するため、ネットワーク対応としなくてよいが、信号線の数が増えることは否めない。
【0024】
補足説明の最後として、本実施例では、加速時には車体1を前方に、また、減速時には車体1を後方に積極的に傾斜させているが、車体1を水平状態に近づけるように、傾斜させるだけでもよい。このような制御でも、従来よりは台車2A,2B間での荷重差が減少され得、空転や滑走の発生率の低減化が図れることになる。この場合での利点としては、車体1を傾斜させるための機構が簡略化可能であることが挙げられる。
【0025】
引き続き、第2の実施例での車両制御システムについて説明すれば、図4にその一例での構成を示す。図4に示す車両が複数台連結されて、1編成の列車が構成されているが、図1に示す車両との相違点としては、中央装置9が不要とされ、その代りに、加速度計10が車体1各々に搭載されていることが挙げられる。この加速度計10により、列車の加速度は常時、計測された上、演算装置4に転送される。演算装置4には、第1の実施例の場合と同様にして、加速度―バルブ操作量変換テーブルが予め用意されており、その加速度に応じたバルブ操作量が得られた後は、第1の実施例の場合と同様にして処理される。
【0026】
さて、その制御動作について説明すれば、加速中にあっては、車体1は後側に傾斜されようとするが、この際に、台車2A,2Bそれぞれへの荷重が均等化されるべく、車体1は前方に傾斜される。車体1を前方に傾斜させるには、空気ばね3Aを減圧し、同時に空気ばね3Bを増圧すればよい。これにより、台車2A,2Bそれぞれへの荷重が均等化され、その結果として、空転や滑走が発生しにくくなり、効率的な加速を行うことが可能となる。一方、減速の際に、台車2A,2Bそれぞれへの荷重が均等化されるには、加速の際と逆の操作が空気ばね3A,3Bに対し行われるようにすればよい。
【0027】
第2の実施例は以上のようであるが、第1の実施例と比較すると、車両間に跨る基幹通信線8は不要とされる。したがって、その分、第1の実施例に比し、システムは簡単に構成されることになる。また、第1の実施例の場合と同様、空気ばね3A,3Bの代わりに、油圧シリンダ等を用いたり、通信線7をアナログ信号線とすることが考えられる。更に、加速度計10を車両毎に設置するのではなく、編成中、1台のみとし、新たに設けられた基幹通信線を介し、加速度情報を各車両の演算装置4に提供することも考えられる。
【0028】
更にまた、第1の実施例と同様、基幹通信線を介し、演算装置4各々に走行路線での勾配情報が転送される場合には、勾配区間での勾配角度に応じて車体1を傾斜させることが可能となる。したがって、勾配区間内であっても、台車2A,2Bそれぞれへの荷重を均等化し得、空転や滑走が発生されにくくなる。同じく、第1の実施例と同様、車体1を水平状態に近づくように、傾斜させるだけでもよい。
【0029】
更に、第3の実施例について説明すれば、その一例での構成を図5に示す。第2の実施例と同様、図5に示す車両が複数台連結されて、1編成の列車が構成される。図1に示す車両との相違点としては、中央装置9が不要とされ、その代りに、空気ばね3A,3Bそれぞれに対し、内圧測定用のセンサ5A,5Bが取付けされた上、それぞれの内圧が常時、通信線7を介し演算装置4に転送されていることが挙げられる。
【0030】
さて、加速時や減速時には、車体1が前後方向に傾斜されることで、空気ばね3A,3B間での内圧差が大きくなるが、このような事情は、列車が勾配区間上を走行する場合にも同様となっている。よって、空気ばね3A,3B間での内圧差が目標値に近づくよう、演算装置4によりバルブ6A,6Bが操作されるようになっている。本例では、その内圧差の目標値は0に設定される。
【0031】
より具体的に説明すれば、加速時や上り勾配区間上では、車体1は後方に傾斜されようになり、内圧差は大きくなるが、そこで、その内圧差が0となるように、空気ばね3A,3Bに各々の内圧を制御し、車体1を前方に傾斜させるようにする。車体1を前方に傾斜させるには、空気ばね3Aを減圧し、空気ばね3Bを増圧すればよい。一方、それとは逆に、減速時や下り勾配区間上では、車体1が前方に傾斜されるようになり、内圧差は大きくなるが、この際には、空気ばね3A,3B各々に対しては、加速時等の場合と逆の操作が行われるようにすればよい。何れにしても、以上のように、空気ばね3A,3B間での内圧差が常時、0となるべく、空気ばね3A,3B各々の内圧が制御される場合は、台車2A,2B間での荷重差は常時、小さく抑えられ、その結果として、空転や滑走が発生しにくくなり、効率のよい運転が行えるようになる。
【0032】
図6にはまた、演算装置4の制御ブロック概要が示されているが、これにより演算装置4での動作について説明すれば、先ずセンサ5A,5B各々で計測された内圧からは、減算部44によりその内圧差が求められる。その後、更に、減算部43では、その内圧差と内圧差目標値(0)との間での差分が求められる。この差分にゲイン設定部42で所望のゲインが乗じられることで、バルブ6A,6B各々へのバルブ操作量がえられる。これにより空気ばね3A,3B各々での内圧、したがって、その伸縮量が所望に制御される。このように、ここでは、最も簡単な比例制御が用いられており、その際、ゲインは、応答早さや振動の面を考慮の上、最適に設定される。尤も、制御法としては、積分制御等、他の制御法を用いてもよい。
【0033】
以上の第3の実施例でも、空気ばね3A,3Bの代わりに、油圧シリンダを用いてもよく、また、通信線7をアナログ信号線とすることが考えられる。更に、加減速時や勾配区間上では、車体1は前方や後方に傾斜されているが、車体1を水平に近づけるように、傾斜させるだけでもよい。
【0034】
引き続き、第4の実施例について説明すれば、図7にその一例での構成を示す。図示のように、第1の実施例での構成に加え、空気ばね3A,3Bそれぞれに対し、内圧測定用のセンサ5A,5Bが取付けされた上、それぞれの内圧が常時、通信線7を介し演算装置4に転送されている。したがって、第3の実施例と同様にして、演算装置4では、台車2A,2B各々での荷重が均等化されるように、換言すれば、空気ばね3A,3B間での内圧差が内圧差目標値となるように、バルブ6A,6Bが操作される。この制御により空気ばね3A,3B間での内圧差が小さくなり、台車2A,2Bそれぞれへの荷重が均等化されると、空転や滑走が発生しにくくなり、効率的な加速や減速が可能となる。
【0035】
ところで、この第4の実施例での中央装置9は、第1の実施例や第2の実施例でのものとは異なり、中央装置9から基幹通信線8を介し、各車両の演算装置4各々には勾配情報が若干早めに提供されている。したがって、第3の実施例での機能に加え、演算装置4では、その勾配情報に基づき、勾配区間への進入直前時や、勾配区間からの退出直前時に合せて車体1の傾斜制御を行うことが可能とされている。換言すれば、上り勾配区間への進入直前時には、車体1を前方に傾斜させ、下り勾配区間への進入直前時には、車体1を後方に傾斜させる一方、勾配区間からの退出直前時には、車体1を水平状態に戻すようにする。このような制御には、第3の実施例で見受けられる、フィードバック制御であるが故の勾配区間の始めと終りで生じる制御遅れを補償する効果がある。
【0036】
具体的に、車体1を前方に傾斜させるには、空気ばね3Aを減圧し、空気ばね3Bを増圧すればよく、また、車体1を後方に傾斜させるには、車体1を前方に傾斜させる場合での操作と逆の操作が行われればよい。これにより、勾配区間への進入時や勾配区間からの退出時における空転や滑走が防止可能となるとともに、乗り心地も向上されることになる。なお、空気ばね3A,3B各々に対するバルブ操作量は、後述のように、進入しようとしている勾配区間内での勾配角の大きさに比例させる。また、中央装置9は、先頭車両と最後尾車両に設置される関係上、編成中に2台設置されるが、編成中に1台のみ設置するようにしてもよい。
【0037】
図8に、その1構成要素としての演算装置4の制御ブロック概要を示す。これによる場合、第3の実施例と同様にして、空気ばね3A,3B間での内圧差と内圧差目標値(ここでは、0に設定)との間での差分が求められ、この差分にゲイン設定部42で所望のゲインが乗じられているが、この値に、勾配区間への進入直前や勾配区間からの退出直前に合せて、車体1を傾斜させるためのバルブ制御量(勾配区間進入直前・退出直前時での内圧差増減量)が加算部45で加えられる。このように、ここでは、最も簡単な比例制御が用いられており、その際、ゲインは、応答早さや振動の面を考慮の上、最適に設定される。尤も、制御法としては、積分制御等、他の制御法を用いてもよい。
【0038】
以上の第4の実施例でも、空気ばね3A,3Bの代わりに、油圧シリンダ等を用いたり、通信線7をアナログ信号線とすることが考えられる。また、加速時には、車体1は前方に、減速時には、車体1は後方に傾斜されているが、車体1を水平に近づけるように傾斜制御するだけでもよい。
【0039】
以上、第1〜第4の実施例について説明したが、これから判るように、雨天時等、レール・車輪間の摩擦力が小さい状況下においても、空転や滑走が生じにくくなり、想定された運転パターンに近い運転が可能となる。また、体感加減速度が減少されることにより、良好な乗り心地が得られる。更に、乗り心地を従来並みとするならば、従来に比し、高加速度・高減速度での運転が可能となり、その分、到達時分が短縮化されることになる。
【0040】
以上、本発明について説明した。因みに、以上の発明の他、以下のような発明(1)〜(13)も考えられる。
(1)車体と、前記車体を支持する複数の台車と、前記車体と前記台車の間に設けられたばねと、前記ばねの伸びを制御する伸縮装置とを有する鉄道車両において、当該列車のノッチ情報、もしくは当該列車のノッチ情報と当該列車の速度に応じて、前記ばね伸縮装置により前記ばねの伸びを制御することを特徴とする鉄道車両制御システム。
(2)請求項1に示す鉄道車両制御システムにおいて、当該列車のノッチ情報、もしくは当該列車のノッチ情報と当該列車の速度から、加速と判断されるときは車体を前方に傾斜させることを、もしくは、減速と判断されるときは車体を後方に傾斜させることを特徴とする鉄道車両制御システム。
(3)請求項1から2に示す鉄道車両制御システムにおいて、当該列車のノッチ情報を有することを特徴とする演算装置。
(4)請求項1から2に示す鉄道車両制御システムにおいて、当該列車のノッチ情報を用いて前記ばねの伸びを制御することを特徴とする演算装置。
【0041】
(5)車体と、前記車体を支持する複数の台車と、前記車体と前記台車の間に設けられたばねと、前記ばねの伸びを制御する伸縮装置と、前記車体に設けられた加速度計と、を有する鉄道車両において、前記加速度計の計測結果に応じて前記ばね伸縮装置によりばねの伸びを制御することを特徴とする鉄道車両制御システム。
(6)請求項5において、当該列車が加速のときは車体を前方に傾斜させることを、もしくは、減速のときは車体を後方に傾斜させることを特徴とする鉄道車両制御システム。
(7)請求項5から6に示す鉄道車両制御システムにおいて、当該列車の加速度の情報を用いて前記ばねの伸びを制御することを特徴とする演算装置。
(8)車体と、前記車体を支持する複数の台車と、前記車体と前記台車の間に設けられたばねと、前記ばねの荷重を測るセンサと、前記ばねの伸びを制御するばね伸縮装置と、を有する鉄道車両において、車体前後のばねの荷重に応じて、前記ばね伸縮装置により前記ばねの伸びを制御することを特徴とする鉄道車両制御システム。
(9)請求項8において、荷重が大きい方のばねの伸びを大きくし、荷重が小さいほうのばねの伸びを小さくすることを特徴とする鉄道車両制御システム。
【0042】
(10)請求項8から9に示す鉄道車両制御システムにおいて、前記ばねの荷重に応じて、前記ばねの伸びを制御することを特徴とする演算装置。
(11)請求項1から10に示す鉄道車両制御システムにおいて、走行路線の勾配情報を有することを特徴とする演算装置。
(12)請求項1から10に示す鉄道車両制御システムにおいて、走行路線の勾配情報を用いて前記ばねの伸びを制御することを特徴とする演算装置。
(13)請求項1から12に示す鉄道車両制御システムにおいて、前記ばねが空気ばねであり、前記ばねの内圧を制御することを特徴とする演算装置。
【0043】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき、具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0044】
【発明の効果】
車両の加減速等に際し、台車間での荷重差が是正されることで、空転や滑走が生じにくい車両制御システムや鉄道車両が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両制御システムの第1の実施例での構成を示す図である。
【図2】その1構成要素としての演算装置の制御ブロック概要を示す図である。
【図3】その車両制御システムにおける、加速時での列車速度、加速度、台車それぞれへの車体荷重の変化過程を模式的に示す図である。
【図4】本発明の車両制御システムの第2の実施例での構成を示す図である。
【図5】本発明の車両制御システムの第3の実施例での構成を示す図である。
【図6】その1構成要素としての演算装置の制御ブロック概要を示す図である。
【図7】本発明の車両制御システムの第4の実施例での構成を示す図である。
【図8】その1構成要素としての演算装置の制御ブロック概要を示す図である。
【符号の説明】
1…車体、2A,2B…台車、3A,3B:空気ばね、4…演算装置、5A,5B:センサ(空気ばねの内圧測定用)、6A,6B…バルブ、10…加速度計
Claims (16)
- 車体と該車体を支持すべく、少なくとも該車体の前後に位置されている台車各々との間に介在設置される前・後ばねと、該前・後ばね各々に対して共通に設けられ、且つ該前・後ばね各々を伸縮制御する、演算機能が具備されている伸縮制御装置とを含む車両制御システム。
- 請求項1記載の車両制御システムにおいて、
上記前・後ばねは、それぞれ前・後空気ばねとされる車両制御システム。 - 請求項1、または2に記載の車両制御システムにおいて、
上記伸縮制御装置は、当該列車のノッチ情報、あるいは該ノッチ情報と当該列車の速度を入力として、該伸縮制御装置により、上記前・後ばね各々は相反する状態として伸縮制御される車両制御システム。 - 請求項3記載の車両制御システムにおいて、
上記前ばね、後ばねは、加速の際、それぞれ縮み、伸びの状態に、減速の際には、それぞれ伸び、縮みの状態におかれるべく、伸縮制御される車両制御システム。 - 請求項3、または4に記載の車両制御システムにおいて、
上記伸縮制御装置には、走行路線の勾配情報が併せて入力された上、該勾配情報に基づき、勾配区間内では、上記前・後ばね各々は、勾配角度に応じた、相反する状態として伸縮制御される車両制御システム。 - 請求項5記載の車両制御システムにおいて、
上記前ばね、後ばねは、上り勾配区間内では、それぞれ縮み、伸びの状態に、下り勾配区間内では、それぞれ伸び、縮みの状態におかれるべく、伸縮制御される車両制御システム。 - 請求項1、または2に記載の車両制御システムにおいて、
上記伸縮制御装置は、上記車体に搭載されている加速度計からの計測結果を入力として、該伸縮制御装置により、上記ばね各々は相反する状態として伸縮制御される車両制御システム。 - 請求項7記載の車両制御システムにおいて、
上記前ばね、後ばねは、加速の際、それぞれ縮み、伸びの状態に、減速の際には、それぞれ伸び、縮みの状態におかれるべく、伸縮制御される車両制御システム。 - 請求項7、または8に記載の車両制御システムにおいて、
上記伸縮制御装置には、走行路線の勾配情報が併せて入力された上、該勾配情報に基づき、勾配区間内では、上記前・後ばね各々は、勾配角度に応じた、相反する状態として伸縮制御される車両制御システム。 - 請求項9記載の車両制御システムにおいて、
上記前ばね、後ばねは、上り勾配区間内では、それぞれ縮み、伸びの状態に、下り勾配区間内では、それぞれ伸び、縮みの状態におかれるべく、伸縮制御される車両制御システム。 - 請求項7〜10の何れかに記載の車両制御システムにおいて、上記加速度計は、各車体に共通なものとして設けられている車両制御システム。
- 請求項2記載の車両制御システムにおいて、
上記伸縮制御装置は、上記前・後空気ばね各々に対し設けられているセンサからの内圧計測結果を入力として、該伸縮制御装置により、上記前・後空気ばね各々は相反する状態として伸縮制御される車両制御システム。 - 請求項12記載の車両制御システムにおいて、
上記センサ各々からの内圧計測結果の差分が、常時、ゼロとなるべく、上記空気ばね各々が伸縮制御される車両制御システム。 - 請求項12、または13に記載の車両制御システムにおいて、
フィードバック制御に起因する、勾配区間での始めと終りで生じる制御遅れが補償されるべく、上記伸縮制御装置には、走行路線の勾配情報が併せて若干早めに入力された上、該勾配情報に基づき、上り/下り勾配区間への進入直線、該勾配区間からの退出直前に際して、上記前・後空気ばね各々は所定に伸縮制御される車両制御システム。 - 請求項14記載の車両制御システムにおいて、
上記前空気ばね、後空気ばねは、上り勾配区間への進入直前に際しては、それぞれ勾配角度に応じた縮み、伸びの状態に、下り勾配区間への進入直前に際しては、それぞれ勾配角度に応じた伸び、縮みの状態に、勾配区間からの退出直前に際しては、同一伸縮状態におかれるべく、伸縮制御される車両制御システム。 - 請求項1〜15の何れかに記載の車両制御システムが搭載されてなる鉄道車両。
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