JP2015009696A - サスペンション制御装置 - Google Patents

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力 岩村
智博 木下
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智博 木下
典之 内海
Noriyuki Uchiumi
典之 内海
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Abstract

【課題】 連接列車の振動を抑制することができるサスペンション制御装置を提供する。【解決手段】 車体2iと車体2i+1は連結部3iによって連結される。連結部3iの下側には台車4iを設けると共に、台車4iの左右方向の両側には、台車4iと連結部3iとに連結された上下動ダンパ7を設ける。上下動ダンパ7は、アクチュエータ7Aによって減衰力が制御される。台車4iの直上位置には、上下方向の振動を検出するための加速度センサ9iを設ける。制御装置10は、加速度センサ9i-1,9i,9i+1からの検出信号を用いて、車体2i,2i+1の振動を検出し、全ての車体21〜2nの振動を考慮して各台車4iの上下動ダンパ7に対するi番台車制御力指令uiを演算する。【選択図】 図1

Description

本発明は、鉄道車両の振動等を低減するのに好適に用いられるサスペンション制御装置に関する。
編成両数の変更の必要性の低い路線を走る鉄道車両においては、車両の連結部分に台車を配置し、隣り合う2つの車体を1つの台車で支持する方式を採用することがある。このような台車を連接台車といい、連接台車を採用した車両を連接列車という。連接列車は非連接の列車と比較して、台車の位置が客室から離れているため、客室騒音を小さくする、車体重心を低下させる、枕ばね支持高さを高くする等の車両運動面で有利な設計がし易いという利点がある。
また、鉄道車両の車体と台車との間に減衰力調整式緩衝器等のシリンダ装置を設け、制御信号(指令電流)に応じてシリンダ装置による減衰力特性を可変に制御する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−76553号公報
ところで、特許文献1に記載された構成は、車体間は上下方向に互いに変位可能な状態で柔に連結された非連接列車に適用される。非連接列車では、隣の車体の上下振動が自身の車体の上下振動に与える影響が小さく、また、前後の台車の上下動ダンパは自身の車体のみに繋がる。そのため、上下動ダンパに自身の車体の振動を抑える減衰力を発生させれば、車体の振動を抑えることができる。
これに対し、連接列車では、連結部(連接部)によって車体間は上下方向に互いに変位不能な状態で剛に連結されており、隣の車体の上下振動が自身の車体の上下振動に強い影響を与える。このため、連接台車によって繋がる全ての車体が結び付きを持ち、上下動ダンパは、それらの車体の振動吸収を担う。この結果、従来技術のように、上下動ダンパに自身の車体の振動を抑える減衰力を発生させるだけでは、車体の振動を十分に抑えることができないという問題がある。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、連接列車の振動を抑制することができるサスペンション制御装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、第1の車体と、前記第1の車体と隣接する第2の車体と、前記第1の車体と前記第2の車体との間を駆動力が伝達可能となるように連結する連結部と、少なくとも前記第1の車体の前記第2の車体側においてバネ部材を介して支持する連接台車と、前記連接台車と前記第1の車体との間に設けられ、アクチュエータによって作動力を調整可能なシリンダ装置と、前記アクチュエータを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記第1の車体の振動を検出する第1の振動検出手段の検出値と、前記第2の車体の振動を検出する第2の振動検出手段の検出値と、に基づいて前記アクチュエータの指令値を算出することを特徴としている。
本発明によれば、連接列車の振動を抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態によるサスペンション制御装置が適用された鉄道車両を示す正面図である。 第1の実施の形態による鉄道車両を模式的に示す説明図である。 図1中の連結部、台車、上下動ダンパ等の配置関係を示す説明図である。 第1の実施の形態による制御装置を示すブロック図である。 車体のピッチングモードを示す説明図である。 車体のバウンシングモードを示す説明図である。 車体のピッチングとバウンシングが複合されたモードを示す説明図である。 第1の実施の形態における鉄道車両をシミュレーションするために作成したモデル図である。 i番目の台車と車体との間の結合力を示す説明図である。 i号車後方に加わる牽引力を示す説明図である。 i番目の車体とi+1番目の車体との相対回転を抑える向きに働く力を示す説明図である。 i番目の車体とi+1番目の車体との間の相対回転によって生じる力を示す説明図である。 第1の変形例による鉄道車両を模式的に示す説明図である。 第2の実施の形態による鉄道車両を模式的に示す説明図である。 第2の実施の形態による制御装置を示すブロック図である。 車体のバウンシングのPSDを示す特性線図である。 車体のピッチングのPSDを示す特性線図である。 第3の実施の形態による制御装置を示すブロック図である。 第4の実施の形態による制御装置を示すブロック図である。 第5の実施の形態による制御装置を示すブロック図である。 第6の実施の形態による制御装置を示すブロック図である。 登坂路線の走行中に客車に加わる牽引力を示す説明図である。 第7の実施の形態による鉄道車両を模式的に示す説明図である。 第2の変形例による鉄道車両を模式的に示す説明図である。 第3の変形例による鉄道車両を模式的に示す説明図である。 第4の変形例による鉄道車両を模式的に示す説明図である。 第8の実施の形態による鉄道車両を模式的に示す説明図である。 第8の実施の形態による制御装置を示すブロック図である。 第9の実施の形態による制御装置を示すブロック図である。 仮想的な鉄道車両を示す説明図である。 第10の実施の形態による鉄道車両を模式的に示す説明図である。 第10の実施の形態による制御装置を示すブロック図である。 第11の実施の形態による鉄道車両を模式的に示す説明図である。 第11の実施の形態による制御装置を示すブロック図である。 第5の変形例による鉄道車両を模式的に示す説明図である。 第12の実施の形態による制御装置を示すブロック図である。 第6の変形例による鉄道車両を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態によるサスペンション制御装置を、添付図面に従って詳細に説明する。
図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態を示している。図1および図2において、鉄道車両1は、車体2i、連結部3i、台車4i、上下動ダンパ7、加速度センサ9i、制御装置10等を有している。鉄道車両1は、例えばn台の車体21〜2nが連結された連接台車を用いた連接列車である。このような連結台車は、例えば小田急電鉄株式会社の50000系電車や江ノ島電鉄株式会社の300系電車に用いられている。
車体2iには、例えば乗客、乗員等が乗車する。また、車体2iの前側には、車体2i-1が隣接して設けられ、車体2iの後側には、車体2i+1が隣接して設けられる。このため、n両編成の鉄道車両1(連接列車)では、先頭が車体21で、最後尾が車体2nになる。以下では、車体21〜2nを総称するときには、車体2iという。
連結部3iは、車体2iと車体2i+1との間を駆動力が伝達可能となるように連結する。連結部3iは、図示されないゴムブッシュまたは機械的なリンク機構によって、車体2iと車体2i+1とを繋いでいる。これにより、軌道がカーブしている場合、車体2i間の進行方向に対する左右方向の折れを許容し、また、軌道が傾斜に入る場合の車両1の上下方向の折れを許容している。
また、車体2iの後側には連結部3iが配置され、車体2iの前側には連結部3i-1が配置される。このため、例えばn両編成の列車では、1号車の車体21と2号車の車体22との間に連結部31が配置され、n−1号車の車体2n-1と最後尾となるn号車の車体2nとの間に連結部3n-1が配置される。以下では、連結部31〜3n-1を総称するときには、連結部3iという。
連結部3iは、車体2iおよび車体2i+1の間を、それらが上下方向に同相に略同量だけ変位するように連結している。即ち、車体2iおよび車体2i+1は、連結部3iが基点となり、上下方向に剛に連結されている。このため、車体2iおよび車体2i+1は、連結部3iの位置で上下方向に一緒に変位する。なお、連結部3iにより車体2iおよび車体2i+1は上下方向に剛で連結される、つまり上下方向への相対変位ができない状態で連結されることが望ましいが、多少の上下方向へのずれは許すものとする。
台車4iは、車体2iの下側または連結部3iの下側に設けられる。ここで、台車41〜4n-1は、例えば車体2iと車体2i+1のように2両分を支持する連接台車であり、連結部31〜3n-1の下側にそれぞれ設けられる。また、台車40は、先頭の車体21の前部下側に設けられ、台車4nは、最後尾の車体2nの後部下側に設けられる。これらの台車40,4nは、車体21,2nのように1両分だけを支持する。以下では、台車40〜4nを総称するときには、台車4iという。
図1および図3に示すように、台車4iは、空気ばね5、車輪6、上下動ダンパ7、牽引リンク(図示せず)等を有する。台車40,4nは、牽引リンクを用いて車体21,2nに連結されている。台車41〜4n-1は、牽引リンクを用いて連結部31〜3n-1に連結されている。台車4iは、例えば左,右両端に車輪6が設けられた車軸を2本備えることによって、合計4個の車輪6が取付けられている。鉄道車両1は、各車輪6が左,右のレール8(一方のみ図示)上を回転することによりレール8に沿って、例えば前進時に矢示A方向に走行駆動される。
空気ばね5は、本発明のバネ部材であり、台車4iに設けられた枕ばねを構成する。空気ばね5は、例えば台車4iの左右方向の両側にそれぞれ設けられ、台車4iに対して連結部31〜3n-1や車体21,2nを上下方向に弾性的に支持する。この空気ばね5は、台車4iと、連結部31〜3n-1や車体21,2nとの間の上下方向の振動を低減させる。
また、牽引リンクは、台車4iと連結部31〜3n-1や車体21,2nとの間で前後方向に加わる牽引力や制動力を伝達する。牽引リンクは、台車4iに対して連結部31〜3n-1や車体21,2nが上下方向、左右方向、ヨー(台車旋回)方向、およびピッチング方向に相対変位する(動く)ことを許容するように、ゴムブッシュ等を用いて構成される。
上下動ダンパ7は、台車4iの右側と左側にそれぞれ位置して、車体21,2nと台車40,4nとの間、または連結部31〜3n-1と台車41〜4n-1との間に設けられる。上下動ダンパ7は、例えばゴムブッシュ等を介して連結部31〜3n-1や車体21,2nと台車4iとにそれぞれ連結される。この上下動ダンパ7は、作動力となる減衰力を個別に調整可能なシリンダ装置(例えば、セミアクティブダンパと呼ばれる減衰力調整式の油圧緩衝器)を構成し、シリンダ装置内の作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰力発生機構(図示せず)を有する。
減衰力発生機構は、シリンダ装置内の作動流体の流れを制御して減衰力を発生させるアクチュエータ7Aによって構成される。このアクチュエータ7Aは、例えば流量制御バルブを構成し、発生減衰力の特性(減衰力特性)をハードな特性(硬特性)からソフトな特性(軟特性)に連続的に調整する。具体的には、アクチュエータ7Aは、例えば電流制御型の比例ソレノイドバルブ等によって構成される。そして、上下動ダンパ7は、アクチュエータ7Aに流れる電流値に応じて減衰力特性を調節可能としている。なお、減衰力調整用のアクチュエータ7Aは、減衰力特性を連続的でなくとも、2段階または複数段階に調整可能なものであってもよい。
そして、上下動ダンパ7は、車体2iの振動を低減するために、減衰力特性をハードな特性とソフトな特性との間で任意な特性に調整する。具体的には、車体2iのピッチングやバウンシングを低減させるように、後述の制御装置10によってi番台車制御力指令uiに応じた制御信号(指令電流)がアクチュエータ7Aに供給され、制御信号に従って上下動ダンパ7の減衰力が可変に制御される。これにより、上下動ダンパ7は、車体2iの上下方向の振動を抑えるための制御力を発生させる。
加速度センサ9iは、連結部31〜3n-1や車体21,2nにそれぞれ設けられる。具体的には、加速度センサ91〜9n-1は、台車41〜4n-1と対応した位置として連結部31〜3n-1に設けられ、連結部31〜3n-1の上下方向の加速度a1〜an-1を検出する。加速度センサ90は、台車40と対応した位置として車体21の前側に設けられ、台車40の位置で車体21の上下方向の加速度a0を検出する。加速度センサ9nは、台車4nと対応した位置として車体2nの後側に設けられ、台車4nの位置で車体2nの上下方向の加速度anを検出する。これらの加速度センサ90〜9nは、台車40〜4nの直上位置で連結部31〜3n-1や車体21,2nの上下方向の加速度a0〜anを検出し、これらの加速度a0〜anに応じた検出信号を出力する。以下では、加速度センサ90〜9nを総称するときには、加速度センサ9iという。
例えば車体2iを第1の車体とし、車体2iの後方に隣接された車体2i+1を第2の車体とする。このとき、加速度センサ9i-1と加速度センサ9iは、後述する制御装置10のi番車体振動演算部12iと共に、車体2iの振動を検出する第1の振動検出手段を構成する。また、加速度センサ9iと加速度センサ9i+1は、制御装置10のi+1番車体振動演算部12i+1と共に、車体2i+1の振動を検出する第2の振動検出手段を構成する。このように、加速度センサ9iは、第1,第2の振動検出手段の一部を構成する。なお、第2の車体は、第1の車体の後方に配置されたものに限らず、第1の車体の前方に配置されてもよい。
制御装置10は、例えばマイクロコンピュータ等により構成され、その入力側には加速度センサ9iが接続されている。また、制御装置10の出力側には、各台車4iの上下動ダンパ7のアクチュエータ7Aが接続されている。そして、制御装置10は、加速度センサ9iからの検出信号に基づいて各台車4iの上下動ダンパ7の減衰力指令信号となるi番台車制御力指令uiを生成し、これらの上下動ダンパ7の減衰力を可変に制御する。
図4に示すように、制御装置10は、AD変換器、フィルタ処理部等からなり加速度センサ9iの検出信号から加速度aiを取得する前処理部(図示せず)を備えると共に、加速度aiに基づいてアクチュエータ7Aの指令値に応じたi番台車制御力指令uiを出力する振動制御部11を備える。
振動制御部11は、加速度センサ9iの検出値となる加速度aiに基づいて車体2iの振動を演算するi番車体振動演算部12iと、i番車体振動演算部12iによって算出された車体2iの振動に基づいて各台車4iの上下動ダンパ7へのi番台車制御力指令uiを算出する制御力指令演算部13とを備える。このとき、i番車体振動演算部12iは、加速度センサ9i-1からの検出信号と加速度センサ9iからの検出信号とに基づいて、車体2iの振動を演算する。このため、振動制御部11は、n両の車体21〜2nに対応して1〜n番車体振動演算部121〜12nを備える。以下では、1〜n番車体振動演算部121〜12nを総称するときには、i番車体振動演算部12iという。
制御力指令演算部13は、後述の制御側に従って、i番台車制御力指令uiを算出する。そして、制御力指令演算部13によって算出したi番台車制御力指令uiはi番台車電流出力部14iに入力され、i番台車電流出力部14iはi番台車制御力指令uiに応じた指令電流を台車4iの上下動ダンパ7のアクチュエータ7Aに供給する。これにより、車体2iのピッチングとバウンシングによる振動が減衰され、車体2iの乗り心地を向上させることができる。以下では、1〜n番台車電流出力部140〜14nを総称するときには、i番台車電流出力部14iという。このような制御に対して、最もシンプルな構成として、車体側の連結部直上に加速度センサを配置し、連結部直上の車体の上下方向の加速度を取得し、その加速度変動が小さくなるように連結部直下の上下動ダンパを制御する構成が考えられる。しかし、この構成では車体のピッチングやバウンシング等の運動モードを考慮していないため、乗り心地の改善効果が小さいと考えられる。
ここで、鉄道車両1における車体2iの振動モードの概念を説明する。図5は車体2iのピッチングモードを概念的に示す図である。また、図6は車体2iのバウンシングモードを概念的に示す図であり、図7はバウンシングしている車体2i-1,2i+1とピッチングしている車体2iが複合されたモードを概念的に示す図である。図5ないし図7では、バウンシングとピッチングのモードをそれぞれ独立して図示したが、実際の車体2iではこれらのモードは合成される。
次に、前述した構成を有する鉄道車両1において、加速度センサ9iの出力に基づいて、各台車4iの上下動ダンパ7の減衰力を制御するときの制御則について説明する。
制御装置10での減衰力指令(i番台車制御力指令ui)の算出に当っては、1つの車体2iをバウンシングモード、ピッチングモードの2自由度でモデル化し、編成両数nの車両としては2×nの自由度で4×n次の状態方程式を用いて制御則を導出する。
状態方程式の算出方法について説明する。図8は、本実施の形態における鉄道車両1をシミュレーションするために作成したモデル図である。図8中の左側が本モデルの進行方向Aであり、進行方向A(前進方向)にX軸、車体2iの上下方向にZ軸,車体2iの左右方向にY軸を取っている(図3参照)。本モデルでは、車体2iの弾性振動は考慮せず、車体2iと台車4iはいずれも剛体として扱う。
モデリングで用いる主な記号は表1の通りである。なお、特に注記しない限り、iは号車番号を意味し、またi号車の後方の台車4iの台車番号をiとする。即ち、1号車の後方の台車41の台車番号は1となり、1号車の前方の台車40の台車番号は0となる。
また、式中のドットは、時間tによる1階微分(d/dt)を意味する。ドットが2つであれば2階微分(d2/dt2)を意味する。さらに、全ての車体2iの車体長は、いずれも等しいものとし(L1=L2=…=Ln=L)、空気ばね5の剛性は、全ての台車4iで等しいものとする(k1=k2=…=kn=k)。
Figure 2015009696
さらに、i番車体振動演算部12iは、以下の数1の式に基づいて、車体2iの振動としての車体2iの中心位置での上下方向の加速度(d2Bi/dt2)を求めると共に、数2の式に基づいてピッチング角加速度(d2θi/dt2)を求める。
Figure 2015009696
Figure 2015009696
全ての1〜n番車体振動演算部121〜12nは、同様な演算処理を行う。例えば車体2iを第1の車体とし、車体2i+1を第2の車体としたときには、加速度(d2Bi/dt2)、ピッチング角加速度(d2θi/dt2)が第1の車体(車体2i)の振動に相当し、加速度(d2Bi+1/dt2)、ピッチング角加速度(d2θi+1/dt2)が第2の車体(車体2i+1)の振動に相当する。
なお、i番車体振動演算部12iは、積分演算等を行うことによって、加速度(d2Bi/dt2)に基づいて、車体2iの中心位置での上下方向の速度(dzBi/dt)と変位zBiを求めることができ、ピッチング角加速度(d2θi/dt2)に基づいて、車体2iの中心位置でのピッチング角速度(dθi/dt)とピッチング角度θiを求めることができる。
次に、i号車に関して、結合力Fi、牽引力Ti、相対回転によって生じる力Friを次のように数式化する。なお、結合力Fiは、i番目の台車4i(i番台車)と車体2iとの間の結合力である。牽引力Tiは、i号車後方(i番目の台車4iの直上)に加わる牽引力である。相対回転によって生じる力Friは、車体2iと車体2i+1との間の相対回転によって生じる力である。
i番目の台車4iと車体2iとの間の結合力Fiは、図9に示すように表される。このとき、車体2iと台車4iとの間の上下方向の結合力Fiは、空気ばね5の張力と上下動ダンパ7の減衰力の和として、次式のように求められる。
Figure 2015009696
ここで、i号車とi+1号車の連結部3i(連接部)にかかる結合力Fiは、i号車の車体2iの後端部に加わる力fi(i)と、i+1号車の前端部に加わる力fi(i+1)とを用いて、次のように表現できる。但し、f(b)は、台車番号aの連結部3aに加わる力のうちb番目の車体2b側に加わる分力を表している。
Figure 2015009696
次に、i号車後方(i番目の台車4iの直上)に加わる牽引力Tiは、図10のように表される。このとき、i号車の車体2i(i番目の台車4iの直上)に加わる牽引力Tiは、車体2iが前方に加速するときの車体2iの前後慣性力により、数5の式のように求められる。なお、数5の式では、転がり摩擦は無視している。
Figure 2015009696
このとき、牽引力TiのZ方向成分をTziとおくと、Z方向成分Tziは、以下の数6の式で表すことができる。
Figure 2015009696
なお、分散動力式の車両では各車体2iが動力を持ち、車体2i間に牽引力Tiが生じないため、登坂や加速に関わらずTzi=0となる。また、ブレーキが各台車4iに搭載されている場合は、集中動力・分散動力に拘らず、減速時はTzi=0と仮定できる。即ち、集中動力式車両の登坂中や加速中にのみ、Tzii≠0となる。
次に、車体2iと車体2i+1との間の相対回転によって生じる力Friは、図12のように表される。ここで、図11に示すように、i号車がピッチングモードで運動するときに、ばね成分krと減衰成分crによってi号車とi+1号車の車体2i,2i+1の相対回転を抑える向きに働く力は、i号車とi+1号車との間の連結部3iの周囲で、i号車の前端部(i−1番目の台車4i-1の連結部3i-1)に車体2iに直角に働く力fri-1(i)と、i+1号車の後端部(i+1番目の台車4i+1の連結部3i+1)に車体2i+1に直角に働く力fri+1(i+1)との和で表される。但し、fra(b)は、台車番号aの連結部3aのb番目の車体2b側に加わる分力を表している。このとき、力fri-1(i),fri+1(i+1)は、次式のように表される。
Figure 2015009696
このため、車体の相対回転によって生じる力Friは、数8の式のように求められる。
Figure 2015009696
ここで、鉄道車両1の車体2iでは、ピッチング角度θiは十分に小さいため、以下のように近似する。
Figure 2015009696
また、平地を等速走行すると仮定する。このため、車体2iの中心には前後方向の加速度が生じないものとし(d2Bi/dt2=0)、かつZ方向成分Tziも発生しないものとする(Tzi=0)。このとき、車体2iの上下方向の運動方程式は、数10の式のようになる。また、車体2iの回転方向の運動方程式は、数11の式のようになる。
Figure 2015009696
Figure 2015009696
そして、これらの運動方程式により、4×n個の状態量を持ち、n+1個の外乱入力とn+1個の制御入力をもつ次の状態方程式を得ることができる。
Figure 2015009696
但し、状態ベクトルx、外乱入力w、制御入力u(i番台車制御力指令ui)は、以下に示す通りである。
Figure 2015009696
Figure 2015009696
Figure 2015009696
続いて、この状態方程式を用いて、LQ制御を例に挙げて制御則を導出する。この場合、例えば状態方程式に対して次の式で表せる評価関数Jを最小にするように、状態フィードバックKを与えてあげればよい。
Figure 2015009696
Figure 2015009696
このとき得られる状態フィードバックKは、次のようなn行4×n列の行列で表される。このとき、GAは上下方向の速度(dzBi/dt)に対する制御ゲイン行列を示し、GBは上下方向の変位zBiに対する制御ゲイン行列を示し、GCはピッチング角速度(dθi/dt)に対する制御ゲイン行列を示し、GDはピッチング角度θiに対する制御ゲイン行列を示している。
Figure 2015009696
Figure 2015009696
Figure 2015009696
Figure 2015009696
Figure 2015009696
以上の制御則によれば、制御対象を編成全体の多自由度振動とし、車体2i同士の干渉を考慮して各上下動ダンパ7の制御力を決定するため、鉄道車両1の編成全体の乗り心地を向上することができる。このとき、状態フィードバックKは、前述のLQ制御に限らず、LQG制御やH∞等の各種制御理論から求めてよい。
また、以上のシステムを実現するに当って、加速度センサ9iによって検出したi番台車4i直上の加速度aiを用いて、状態ベクトルxの加速度成分(d2Bi/dt2,d2θi/dt2)を求めるものとした。しかし、本発明はこれに限らず、状態量はこれらの加速度センサ9iの検出結果(情報)から求めてもよく、適当な状態オブザーバを設計して推定してもよい。
次に、本実施の形態による乗り心地改善の効果について説明する。鉄道車両1の乗り心地においては、車体2iのヨーやスウェー等の左右方向の振動加速度や、車体2iのロール・ピッチング・バウンシング等の上下方向の振動加速度、さらには曲線走行中に生じる左右定常加速度や加減速時に生じる前後加速度のような比較的低周波の加速度が乗り心地に影響する。
狭いトンネルに高速で侵入する車両や、軌道の通り狂いが多い区間を走る車両では左右動の乗り心地が特に問題となるが、このような車両では左右方向のアクティブサスペンションが広く普及しており近年は乗り心地が改善されている。また、ローリングと左右並進、ヨーイングの練成も左右の乗り心地に影響するが、これらも左右方向のアクティブサスペンションと車体傾斜装置(振り子装置も含む)の併用により乗り心地が改善されている。このように、左右方向の乗り心地が向上した結果、相対的に上下方向の軌道狂いに起因する上下の乗り心地が目立つようになってきている。
また、トンネルが広い、トンネルが少ない、直線が多い、軌道の通り狂いが少ない、または軌道の高低狂いが大きい区間を走る車両では、従来から上下の乗り心地が目立っていた。
連接列車である鉄道車両1では、車体2i間は連結部3iで上下方向に剛に結合されており、隣の車体2i-1,2i+1の上下振動が自身の車体2iの上下振動に強い影響を与える。これにより、連接台車41〜4n-1によって繋がる全ての車体21〜2nが結び付きを持つ。上下動ダンパ7はこれらの車体21〜2nの振動吸収を担うから、上下動ダンパ7に自身の車体2iの振動を抑える減衰力を発生させるだけでは、車体2iの振動を十分に抑えることができなかった。
これに対し、本実施の形態では、制御装置10は、全ての車体21〜2nの振動の検出値に基づいて台車4iのアクチュエータ7Aの指令値となるi番台車制御力指令uiを算出する。このため、連接台車41〜4n-1によって繋がる全ての車体21〜2nが結び付きを持つときでも、車体21〜2nの相互の振動の影響を考慮して台車4iの上下動ダンパ7を制御することができる。この結果、n両の車体2iを備えた連接列車となる鉄道車両1全体で、車体2iの振動を抑制することができ、乗り心地を改善することができる。
また、鉄道車両1は、連結部3i-1に設けた加速度センサ9i-1によって車体2iの加速度ai-1を検出し、連結部3i+1に設けた加速度センサ9i+1によって車体2i+1の加速度ai+1を検出し、連結部3iに設けた加速度センサ9iによって連結部3iの加速度aiを検出する。このため、加速度センサ9i-1による加速度ai-1の検出値と加速度センサ9iによる加速度aiの検出値とに基づいて車体2iの振動を演算することができると共に、加速度センサ9i+1による加速度ai+1の検出値と加速度センサ9iによる加速度aiの検出値とに基づいて車体2i+1の振動を演算することができる。
なお、第1の実施の形態では、単一の制御装置10に、全ての加速度センサ90〜9nと、全ての台車40〜4nの上下動ダンパ7とを接続した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図13に示す第1の変形例による鉄道車両21のように、加速度情報や上下動ダンパ7の制御指令を通信等のデジタル信号に乗せて車両間で共有してもよい。この場合、制御装置22は、n+1個の子機230〜23nと、1個の親機24とによって構成する。子機230〜23nは、例えば各上下動ダンパ7の直近に位置して、加速度センサ90〜9nの検出信号をそれぞれ取得し、その情報を通信線25に載せる。また、子機230〜23nは、通信線25上の制御力情報(i番台車制御力指令ui)に従って、上下動ダンパ7のアクチュエータ7Aに減衰力指令としての指令電流を出力する。親機24は、n号車分の加速度情報を通信線25から取得し、前述の制御則に従って、各上下動ダンパ7に必要な制御力(i番台車制御力指令ui)を演算する。親機24は、その演算結果を通信線25に載せて子機230〜23nに伝達する。
次に、図14および図15は本発明の第2の実施の形態を示している。第2の実施の形態の特徴は、制御装置は、2両分の車体の振動に基づいて連接台車の制御力を演算することにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第2の実施の形態による鉄道車両31は、第1の実施の形態による鉄道車両1とほぼ同様に、車体2i、連結部3i、台車4i、上下動ダンパ7、加速度センサ9i、制御装置32i等を備える。
制御装置32iは、例えばマイクロコンピュータ等を用いて第1の実施の形態による制御装置10と同様に構成される。但し、鉄道車両31は、台車4iの台数に対応して合計n+1個の制御装置320〜32nを備える。これらの制御装置320〜32nは、台車40〜4nの上下動ダンパ7をそれぞれ別個に制御する。以下では、制御装置321〜32nを総称するときには、制御装置32iという。
制御装置32iの出力側には、台車4iの上下動ダンパ7のアクチュエータ7Aが接続されている。制御装置32iの入力側には、加速度センサ9i-1,9i,9i+1が接続されている。そして、制御装置32iは、3個の加速度センサ9i-1,9i,9i+1からの検出信号に基づいて台車4iの上下動ダンパ7の減衰力指令信号となるi番台車制御力指令uiを生成し、これらの上下動ダンパ7の減衰力を可変に制御する。
図15に示すように、制御装置32iは、AD変換器、フィルタ処理部等からなり加速度センサ9i-1,9i,9i+1の検出信号から加速度ai-1,ai,ai+1を取得する前処理部(図示せず)を備えると共に、加速度ai-1,ai,ai+1に基づいてアクチュエータ7Aの指令値に応じたi番台車制御力指令uiを出力する振動制御部33を備える。
振動制御部33は、加速度センサ9i-1,9iの検出値となる加速度ai-1,aiに基づいて車体2iの振動を演算するi番車体振動演算部34iと、加速度センサ9i,9i+1の検出値となる加速度ai,ai+1に基づいて車体2i+1の振動を演算するi+1番車体振動演算部34i+1と、これらの車体振動演算部34i,34i+1によって算出された車体2i,2i+1の振動に基づいて台車4iの上下動ダンパ7へのi番台車制御力指令uiを算出する制御力指令演算部35とを備える。
このとき、車体振動演算部34i,34i+1は、第1の実施の形態によるi番車体振動演算部12iとほぼ同様に構成される。このため、車体振動演算部34i,34i+1は、数1および数2の式に基づいて、車体2i,2i+1の振動を演算する。また、制御力指令演算部35は、後述の制御側に従って、i番台車制御力指令uiを算出する。
そして、制御力指令演算部35によって算出したi番台車制御力指令uiはi番台車電流出力部14iに入力され、i番台車電流出力部14iはi番台車制御力指令uiに応じた指令電流を台車4iの上下動ダンパ7のアクチュエータ7Aに供給する。これにより、車体2iのピッチングとバウンシングによる振動が減衰され、車体2iの乗り心地を向上させることができる。
次に、前述した構成を有する鉄道車両31において、加速度センサ9i-1,9i,9i+1の出力に基づいて、各台車4iの上下動ダンパ7の減衰力を制御するときの制御則について説明する。
第2の実施の形態による制御則は、基本的には第1の実施の形態と同様である。但し、以下のように、状態フィードバックKを近似する点で、第1の実施の形態とは異なる。
第1の実施の形態において、数18ないし数22の式に示す各種の制御理論により求めた状態フィードバックKに着目する。最適フィードバック等の制御則により求めた状態フィードバックKは、主に行列の対角要素周辺のゲインが大きく、非対角要素のゲインは対角行列から遠ざかるほど小さい。そのことに注目し、非対角要素うち、対角要素から離れたゲインを0に近似し、例えば状態フィードバックKを次のように近似する。
Figure 2015009696
Figure 2015009696
Figure 2015009696
Figure 2015009696
Figure 2015009696
このとき、i番台車4iの上下動ダンパ7に発生させる制御力は次の漸化式で表現される。
Figure 2015009696
上記の漸化式に注目すると、i番台車4iの上下動ダンパ7に発生させる制御力はi号車(車体2i)とi+1号車(車体2i+1)の運動のみにより決まる。即ち、制御装置32iを各ダンパ7の直近に配置し、各制御装置32iは前記漸化式に従って自身の車両(車体2i)と隣の車両(車体2i+1)の加速度情報のみから制御力を決定させる。この場合、加速度センサ9iや上下動ダンパ7と制御装置32iとの間を引き回す信号線の長さは、例えば2両分程度のように短く済むのに加え、各制御装置32iの演算量も少なくなる。このため、第1の実施の形態と同等の性能をシンプルな構成で得ることができる。
次に,上記制御則における振動制御効果として、車体2iのバウンシングのPSDのシミュレーション結果を図16に示し、車体2iのピッチングのPSDを図17に示す。図16および図17において、実線は、第2の実施の形態を適用した場合のPSDを示している。破線は、第1の比較例として、アクティブな制御を行わないパッシブな油圧ダンパを適用した場合のPSDを示している。一点鎖線は、第2の比較例として、連結部3i直上の車体2iの上下方向の加速度を取得し、その加速度変動が小さくなるように連結部3i直下の上下動ダンパ7を制御した場合のPSDを示している。図16および図17に示すように、例えば人間が感じ易い1〜2Hz周辺の周波数帯域において、第2の実施の形態では、パッシブダンパを用いた場合や連結部3i直上の振動だけに基づいて上下動ダンパ7を制御した場合に比べて、バウンシングとピッチングの両方を低減できることが分かる。
かくして、第2の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、第1の実施の形態では、単一の制御装置10に対してn両の車体2i中に配置したn+1個の加速度センサ9iの配線と、n+1個の上下動ダンパ7の制御線を引き込むことになる。この結果、配線が複雑になる、配線にノイズが乗り易くなる、アナログ信号の精度が保てない等の種々の課題が生じる。
一方、図13に示す第1の変形例では、加速度情報や上下動ダンパ7の制御指令を通信などのデジタル信号に乗せて車両間で共有する。この構成の場合、子機230〜23nでの加速度取得と通信での加速度情報送信、親機24での加速度情報受信と制御演算および制御力指令送信、子機230〜23nでの制御力指令受信と上下動ダンパ7への電流出力のそれぞれで遅れが発生する。通信ケーブル(通信線25)は百メートル以上にわたるノイズ環境での伝送が必要なため高速化が難しい。
さらに、第1の実施の形態のように、編成全体を制御対象と捕らえると、制御対象の状態量が多く演算量が膨大になるから、4×n個の状態量を扱う状態演算は高性能なマイコンが必要となる。このような制約の中で、遅れなく乗り心地制御演算を実現するシステムは、高価なシステムとなる。
これに対し、第2の実施の形態では、制御装置32iは、台車4iを挟んで前方に設けられた車体2iの振動と後方に設けられた車体2i+1の振動とに基づいて、台車4iの上下動ダンパ7のアクチュエータ7Aの指令値となるi番台車制御力指令uiを演算する。このため、加速度センサ9i-1,9i,9i+1や上下動ダンパ7と制御装置32iとの間を接続するケーブルの長さは2両分程度で済むから、配線の簡略化やノイズの低減を図ることができる。これに加えて、乗り心地制御演算を簡略化することができるから、製造コストの低減を図ることができる。
次に、図18は本発明の第3の実施の形態を示している。第3の実施の形態の特徴は、制御装置は、路面勾配の変化のような緩やかな加速度変化の成分を取り除いて、アクチュエータの指令値を算出することにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第2の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第3の実施の形態による制御装置41iは、第2の実施の形態による制御装置32iとほぼ同様に構成される。このため、制御装置41iは、i番車体振動演算部34i、i+1番車体振動演算部34i+1および制御力指令演算部35からなる振動制御部33を有する。また、制御装置41iは、加速度センサ9iの検出信号から加速度aiを取得する前処理部42を備える。この前処理部42は、加速度取得部42A、ローパスフィルタ42B(以下、LPF42Bという)、ハイパスフィルタ42C(以下、HPF42Cという)、位相補償器42Dを有する。
加速度取得部42Aは、AD変換器等によって構成され、加速度センサ9iの検出信号をデジタル信号に変換して加速度aiを取得する。LPF42Bは、その遮断周波数が例えばサンプリング周波数の1/2以下の値に設定され、加速度aiの入力に重畳する高周波ノイズを除去する。HPF42Cは、その遮断周波数が車体2iのバウンシングとピッチングの共振周波数のうち低周波側のものよりも低い値に設定され、バウンシングとピッチングの周波数成分は残し、路面状況の変化に伴う緩やかな加速度変化の成分を除去する。
車体2iのバウンシングとピッチングの共振点は、例えば1〜2Hz程度の周波数で発生する。一方、登坂や降坂に伴うオフセット成分は、例えば0.5Hz以下の周波数になる。このため、HPF42Cの遮断周波数は、バウンシングとピッチングの共振周波数とオフセット成分の周波数との間の値として、例えば0.5Hz程度に設定される。なお、HPF42Cの遮断周波数は、上述したものに限らず、実際の車両を走行させたときの振動等を考慮して、実験的に決められる。
位相補償器42Dは、LPF42BおよびHPF42Cによって、望ましい位相特性が制御周波数周辺で得られない場合に、位相特性を改善する。LPF42B、HPF42C、位相補償器42Dは、デジタル信号処理に基づくデジタルフィルタ等によって構成される。以上の前処理部42から出力される加速度aiの検出値に基づいて、振動制御部33は、i番台車制御力指令uiを演算し、i番台車電流出力部14iに出力する。
かくして、第3の実施の形態でも、第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、加速度センサ9iを用いた乗り心地制御では、制御装置41iは車体2iのピッチング角速度の変化や上下方向の速度の変化が少なくなるように制御力指令を生成する。このため、第2の実施の形態による制御では、鉄道車両31が登坂路線に差し掛かる瞬間、登坂路線から抜ける瞬間、降坂路線に差し掛かる瞬間、降坂路線から抜ける瞬間、ないしは1編成の一部の車両は登坂状態にあり、一部の車両は降坂状態にある瞬間に、車体2iの動き(ピッチング角速度の変化や上下方向の速度の変化)を妨げる制御力指令が生成される。
この制御力指令は車体2iを伸び上がらせる、または縮み込ませる、または前のめりや後ろのめりに傾かせようとする指令であり、この指令が乗り心地制御指令に重畳することで、結果として坂道に差し掛かる瞬間の乗り心地を悪化させる。また、登坂中や降坂中の加減速や、車体2iを傾けての曲線通過中は、車体2iの上下方向の加速度aiにオフセットが現れて、乗り心地に影響を与える。
これに対し、第3の実施の形態では、HPF42Cによって、路面勾配の変化のような緩やかな加速度変化の成分を取り除くから、ピッチングやバウンシングによる加速度aiのみに制御を与えることができ、登坂路線や降坂路線での乗り心地を改善することができる。
なお、第3の実施の形態は、第2の実施の形態に適用した場合について説明したが、第1の実施の形態に適用してもよい。
次に、図19は本発明の第4の実施の形態を示している。第4の実施の形態の特徴は、制御装置は、隣合う2つの車体の重量に応じて制御ゲインを切り換えることにある。なお、第4の実施の形態では、前述した第2の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第4の実施の形態による制御装置51iは、第2の実施の形態による制御装置32iとほぼ同様に構成される。制御装置51iは、加速度センサ9iの検出信号から加速度aiを取得する前処理部52を備える。この前処理部52は、加速度取得部52A、ローパスフィルタ52B(以下、LPF52Bという)、ハイパスフィルタ52C(以下、HPF52Cという)、位相補償器52Dを有する。
加速度取得部52Aは、AD変換器等によって構成され、加速度センサ9iの検出信号をデジタル信号に変換して加速度aiを取得する。LPF52Bは、車体2iのバウンシングとピッチングの周波数よりも高周波側のノイズ等を除去する。HPF52Cは、車体2iのバウンシングとピッチングの周波数よりも低周波側のノイズ等や不要な信号を除去する。位相補償器52Dは、LPF52BおよびHPF52Cによって、望ましい位相特性が制御周波数周辺で得られない場合に、位相特性を改善する。
また、制御装置51iは、タンク水位取得部53、i号車重量バランス演算部54i、i+1号車重量バランス演算部54i+1を備える。タンク水位取得部53は、AD変換器等によって構成されると共に、i号車上水タンク水量計55i、i号車下水タンク水量計56i、i+1号車上水タンク水量計55i+1、i+1号車下水タンク水量計56i+1に接続される。タンク水位取得部53は、i号車の上水タンクの水量Qaiと下水タンクの水量Qbiを取得すると共に、i+1号車の上水タンクの水量Qai+1と下水タンクの水量Qbi+1を取得する。
i号車重量バランス演算部54iは、i号車のタンクの水量Qai,Qbiに基づいてi号車重量バランスを演算し、バランスイナーシャと車体2iの重量に応じた信号を出力する。
i+1号車重量バランス演算部54i+1は、i+1号車のタンクの水量Qai+1,Qbi+1に基づいてi+1号車重量バランスを演算し、バランスイナーシャと車体2i+1の重量に応じた信号を出力する。
制御装置51iは、第2の実施の形態による振動制御部33と同様な振動制御部57を有する。このため、振動制御部57は、第2の実施の形態によるi番車体振動演算部34i、i+1番車体振動演算部34i+1、制御力指令演算部35とほぼ同様な、i番車体振動演算部58i、i+1番車体振動演算部58i+1、制御力指令演算部59を有する。これに加えて、振動制御部57は、複数種類(例えばM種類)の制御ゲインGAi,i(1)〜GAi,i(M),GAi,i+1(1)〜GAi,i+1(M),GCi,i(1)〜GCi,i(M),GCi,i+1(1)〜GCi,i+1(M)を格納したメモリ60と、重量バランス演算部54i,54i+1からの出力される信号に基づいて、メモリ60内に格納された制御ゲインGAi,i(1)〜GAi,i(M),GAi,i+1(1)〜GAi,i+1(M),GCi,i(1)〜GCi,i(M),GCi,i+1(1)〜GCi,i+1(M)から1種類を選択するパラメータ選択部61とを有する。そして、パラメータ選択部61は、選択した1種類の制御ゲインGAi,i(m),GAi,i+1(m),GCi,i(m),GCi,i+1(m)を制御ゲインGAi,i,GAi,i+1,GCi,i,GCi,i+1として制御力指令演算部59に与える。
このとき、パラメータ選択部61は、例えばi号車とi+1号車のうちi号車の方が重いときには、重い車両の制御ゲインGAi,iを大きくし、軽い車両の制御ゲインGAi,i+1を小さくする。また、パラメータ選択部61は、i号車とi+1号車のi号車の方がピッチング方向のイナーシャが大きいときには、イナーシャの大きい車体2iのピッチング角度θiに対する制御ゲインGCi,iを大きくし、イナーシャの小さい車体2iのピッチング角度θiに対する制御ゲインGCi,i+1を小さくする。
なお、重量やイナーシャと制御ゲインGAi,i,GAi,i+1,GCi,i,GCi,i+1との関係は、これに限らず、車両を実際に走行させたときの車体2iの振動に基づいて、車体2iの振動が低減できる最適な関係を決定する。また、上下方向の速度(dzBi/dt)に対する制御ゲインGAi,i,GAi,i+1の種類数と、ピッチング角速度(dθi/dt)に対する制御ゲインGCi,i,GCi,i+1の種類数とは、同数である必要はなく、互いに異なる数でもよい。
そして、制御力指令演算部59は、前処理部52から加速度aiの検出値が入力されると、パラメータ選択部61によって選択された制御ゲインを用いて、i番台車制御力指令uiを演算し、i番台車電流出力部14iに出力する。
かくして、第4の実施の形態でも、第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、第2の実施の形態における制御ゲインGAi,j,GBi,j,GCi,j,GDi,jは、車体2iの重量や車体2i間の結合剛性が走行中に変化しないことを前提にすれば、これらは予めチューニングした固定値になる。しかし、汽動車での積載燃料の消費や、寝台列車での浄水・汚水のバランス変化、車両毎の乗車率の違い等によって重量バランスが崩れる可能性がある。
これに対し、第4の実施の形態では、車両の重量バランスの変化を考慮した複数種類の制御ゲインGAi,j(1)〜GAi,j(M),GCi,j(1)〜GCi,j(M)を用意し、例えば制御ゲインGAi,iと制御ゲインGAi,i+1の比率をi号車とi+1号車の車体重量の違いによって切り替えたり、制御ゲインGCi,iと制御ゲインGCi,i+1の比率をi号車とi+1号車のイナーシャの違いによって切り換える。
具体的には、i号車とi+1号車の車体重量が異なる場合は、車両のバウンシングに対する制御ゲインGAi,i,GAi,i+1のうち車重が重たい側の制御ゲインを大きくする。また、i号車とi+1号車のピッチング方向のイナーシャが異なる場合は、車両のピッチング角度θiに対する制御ゲインGCi,i,GCi,i+1
のうちイナーシャの大きい車体2i,2i+1のピッチング角度θiに対する制御ゲインを大きくする。これにより、車体2iの重量やイナーシャが変化したときでも、これらに応じた制御ゲインGAi,j,GCi,jを選択して、車体2iの振動を抑えることができる。
なお、バウンシングとピッチングの制御ゲインのバランス、即ち制御ゲインGAi,j〜GDi,jのバランスは適宜変更してよい。
また、第4の実施の形態では、上水タンク水量計55i,55i+1および下水タンク水量計56i,56i+1によって計測した上水タンクの水量Qai,Qai+1と下水タンクの水量Qbi,Qbi+1を取得し、これらによる浄水・汚水のバランスに基づいて、車体2iの重量バランスの変化として重量やイナーシャの変化を検出した。しかし、本発明はこれに限らず、重量バランスの変化は、例えば燃料消費による重量変化の場合は走行時間や燃料計によって検出してもよく、乗車率の違いは枕ばねの初期変位等によって検出してもよい。さらに、車体2iの重量やイナーシャを直接的に計測してもよい。
また、第4の実施の形態には、第2の実施の形態による振動制御部33と同様な振動制御部57を備える構成としたが、第1の実施の形態による振動制御部11を適用してもよい。また、第4の実施の形態は、第3の実施の形態と組み合わせてもよい。
次に、図20は本発明の第5の実施の形態を示している。第5の実施の形態の特徴は、制御装置は、車両速度に応じて制御ゲインを切り換えることにある。なお、第5の実施の形態では、前述した第4の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第5の実施の形態による制御装置71iは、第4の実施の形態による前処理部52を備える。これに加えて、制御装置71iは、速度情報取得部72を備える。速度情報取得部72は、例えば車両内の通信線73に接続され、通信線73から車両速度を取得する。なお、速度情報取得部72は、通信線73からの信号に限らず、例えば速度センサ等からの信号によって車両速度を取得してもよい。
制御装置71iは、第2の実施の形態による振動制御部33と同様な振動制御部74を有する。このため、振動制御部74は、第2の実施の形態によるi番車体振動演算部34i、i+1番車体振動演算部34i+1、制御力指令演算部35とほぼ同様な、i番車体振動演算部75i、i+1番車体振動演算部75i+1、制御力指令演算部76を有する。これに加えて、振動制御部74は、第4の実施の形態によるメモリ60、パラメータ選択部61とほぼ同様な、メモリ77、パラメータ選択部78を有する。
ここで、メモリ77には、複数種類(例えばM種類)の制御ゲインGAi,i(1)〜GAi,i(M),GAi,i+1(1)〜GAi,i+1(M),GCi,i(1)〜GCi,i(M),GCi,i+1(1)〜GCi,i+1(M)を格納する。パラメータ選択部78は、速度情報取得部72からの出力される信号に基づいて、メモリ77内に格納された制御ゲインGAi,i(1)〜GAi,i(M),GAi,i+1(1)〜GAi,i+1(M),GCi,i(1)〜GCi,i(M),GCi,i+1(1)〜GCi,i+1(M)から1種類を選択する。そして、パラメータ選択部78は、選択した1種類の制御ゲインGAi,i(m),GAi,i+1(m),GCi,i(m),GCi,i+1(m)を制御ゲインGAi,i,GAi,i+1,GCi,i,GCi,i+1として制御力指令演算部76に与える。
このとき、パラメータ選択部78は、例えば車両速度が速いときには、制御ゲインGAi,i,GAi,i+1,GCi,i,GCi,i+1を大きくし、車両速度が遅いときには、制御ゲインGAi,i,GAi,i+1,GCi,i,GCi,i+1を小さくする。なお、上下方向の速度(dzBi/dt)に対する制御ゲインGAi,i,GAi,i+1の種類数と、ピッチング角速度(dθi/dt)に対する制御ゲインGCi,i,GCi,i+1の種類数とは、同数である必要はなく、互いに異なる数でもよい。
そして、制御力指令演算部76は、前処理部52から加速度aiの検出値が入力されると、パラメータ選択部78によって選択された制御ゲインを用いて、i番台車制御力指令uiを演算し、i番台車電流出力部14iに出力する。
かくして、第5の実施の形態でも、第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。また、軌道の上下狂いの空間周波数が大きなピークを持たない場合には、車両の走行速度が速くなるに従って車両の乗り心地が低下する。この場合でも、第5の実施の形態では、車両速度に応じて制御ゲインGAi,i,GCi,iを変化させるから、車両の速度変化に伴う乗り心地の低下を抑制することができる。
なお、第5の実施の形態には、第2の実施の形態による振動制御部33と同様な振動制御部74を備える構成としたが、第1の実施の形態による振動制御部11を適用してもよい。また、第5の実施の形態は、第3ないし第4の実施の形態と組み合わせてもよい。
次に、図21は本発明の第6の実施の形態を示している。第6の実施の形態の特徴は、制御装置は、車両の登坂中や加速中に制御ゲインを切り換えることにある。なお、第6の実施の形態では、前述した第4の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第6の実施の形態による制御装置81iは、第4の実施の形態による前処理部52を備える。これに加えて、制御装置81iは、進行方向取得部82、勾配角度取得部83、前後加速度取得部84を備える。進行方向取得部82は、例えば車両内の通信線85に接続され、通信線85から車両の進行方向を取得する。勾配角度取得部83は、例えば車両の勾配を検出する角度計86に接続され、車両の傾きを取得する。前後加速度取得部84は、例えば前後方向の加速度センサ87に接続され、前後方向の加速度を取得する。
なお、進行方向取得部82は、車両の速度センサによって進行方向を取得してもよい。勾配角度取得部83は、GPSや車両の運行管理センタ等による車両の地点情報に基づいて、車両の傾きを取得してもよい。前後加速度取得部84は、車両の速度情報に微分処理を行うことによって、前後方向の加速度を取得してもよい。
制御装置81iは、第2の実施の形態による振動制御部33と同様な振動制御部88を有する。このため、振動制御部88は、i番車体振動演算部34i、i+1番車体振動演算部34i+1、制御力指令演算部35とほぼ同様な、i番車体振動演算部89i、i+1番車体振動演算部89i+1、制御力指令演算部90を有する。これに加えて、振動制御部88は、第4の実施の形態によるメモリ60、パラメータ選択部61とほぼ同様な、メモリ91、パラメータ選択部92を有する。
ここで、メモリ91には、複数種類(例えばM種類)の制御ゲインGAi,i(1)〜GAi,i(M),GAi,i+1(1)〜GAi,i+1(M),GCi,i(1)〜GCi,i(M),GCi,i+1(1)〜GCi,i+1(M)を格納する。パラメータ選択部92は、進行方向取得部82、勾配角度取得部83および前後加速度取得部84からの出力される信号に基づいて、メモリ91内に格納された制御ゲインGAi,i(1)〜GAi,i(M),GAi,i+1(1)〜GAi,i+1(M),GCi,i(1)〜GCi,i(M),GCi,i+1(1)〜GCi,i+1(M)から1種類を選択する。そして、パラメータ選択部92は、選択した1種類の制御ゲインGAi,i(m),GAi,i+1(m),GCi,i(m),GCi,i+1(m)を制御ゲインGAi,i,GAi,i+1,GCi,i,GCi,i+1として制御力指令演算部90に与える。
ここで、第1の実施の形態では、平地を等速走行すると仮定し、加速度(d2Bi/dt2)=0、即ちTzi=0として運動方程式を解いた。しかし、集中動力式車両のように進行方向前方の機関車の牽引のみで駆動する車両では、登坂中や加速中は、牽引力は次式で表される(図22参照)。
Figure 2015009696
但し、数29の式中でgは重力加速度を示し、θrは路面の勾配で下り勾配のときに正とする。第1の実施の形態で述べたように、牽引力Tiのz方向成分Tziは、前述した数6の式のように表される。
即ち、登坂中や加速中は先頭台車40に近いほどピッチング時に働く上下力Tziが大きくなることを意味する。この力は、i号車とi+1号車が逆相にピッチングしたときに、車体2iのピッチングを妨げる方向に働く。このため、登坂中や加速中は先頭台車40に近いほどピッチング振動が少ない。
この点を踏まえて、パラメータ選択部92は、例えば車両が登坂中や加速中のときには、先頭に近い連接台車41〜4nほどピッチングの制御ゲインGCi,i,GCi,i+1を低くして、制御装置81iのターゲットとする周波数帯を高めに設定する。同様に、パラメータ選択部92は、例えば車両が登坂中や加速中か否かに応じて、バウンシングの制御ゲインGAi,i,GAi,i+1も切り換える。
なお、上下方向の速度(dzBi/dt)に対する制御ゲインGAi,i,GAi,i+1の種類数と、ピッチング角速度(dθi/dt)に対する制御ゲインGCi,i,GCi,i+1の種類数とは、同数である必要はなく、互いに異なる数でもよい。
そして、制御力指令演算部90は、前処理部52から加速度aiの検出値が入力されると、パラメータ選択部92によって選択された制御ゲインを用いて、i番台車制御力指令uiを演算し、i番台車電流出力部14iに出力する。
かくして、第6の実施の形態でも、第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。また、車両が登坂中や加速中のときには、これらの状態に応じて制御ゲインGAi,i,GAi,i+1,GCi,i,GCi,i+1を切り換えるから、登坂中や加速中でも最適な乗り心地制御を実現することができる。
なお、分散動力式の車両では各車体2iが動力を持ち、車体2i間に牽引力Tiが生じないため、登坂や加速に関わらずTzi=0となる。また、ブレーキが各台車4iに搭載されている場合は、集中動力・分散動力に拘らず、減速時はTzi=0と仮定できる。即ち、集中動力式車両の登坂中や加速中にのみ、第6の実施の形態は適用される。
また、第6の実施の形態には、第2の実施の形態による振動制御部33と同様な振動制御部88を備える構成としたが、第1の実施の形態による振動制御部11を適用してもよい。また、第6の実施の形態は、第3ないし第5の実施の形態と組み合わせてもよい。
次に、図23は本発明の第7の実施の形態を示している。第7の実施の形態の特徴は、制御装置は、先頭台車の制御ゲインを他の連接台車の制御ゲインと異なる値に設定したことにある。なお、第7の実施の形態では、前述した第2の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第7の実施の形態による鉄道車両101では、連接台車41〜4n-1によって連結されたn両の車体21〜2nは、機関車102によって牽引される。このとき、機関車102と車体21〜2n等からなる客車(1号車〜n号車)とは、切り離しが可能である。このため、1号車の先頭台車40は、連接台車とならず、車体21の端部(前端部)に位置しない。
機関車102と1号車とは、前後方向では剛で接続されるものの、上下方向に相対変位が可能な柔で接続される。この場合、0番台車40は、1号車の車重の1/2を支持することになる。一方、1番台車41は、連接台車となるため、1号車の車重の1/2と2号車の車重の1/2との和を支持することになる。即ち、0番台車40に加わる上下力は、0番台車40と1番台車41の取付点間の距離が短いことを考慮しても、他の連接台車41〜4n-1と比較して小さい。
従って、鉄道車両101は、第2の実施の形態による制御装置32iとほぼ同じ制御装置103iを備えるものの、先頭台車40用の制御装置1030は、他の連接台車41〜4n-1用の制御ゲインに比べて、先頭台車40用の制御ゲインを低く設定する。
また、最後尾台車4nに加わる上下力も、先頭台車40と同様に、他の連接台車41〜4n-1と比較して小さい。このため、最後尾台車4n用の制御装置103nは、他の連接台車41〜4n-1用の制御ゲインに比べて、最後尾台車4n用の制御ゲインを低く設定する。
かくして、第7の実施の形態でも、第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。また、先頭台車40や最後尾台車4nの制御ゲインを他の連接台車41〜4n-1の制御ゲインよりも低く設定したから、制御装置1030,103nは、台車40,4nに加わる上下力に応じた制御力指令u0,unを演算することができ、鉄道車両101の乗り心地を向上することができる。
なお、第7の実施の形態では、機関車102と1号車が柔に接続されるものとした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図24に示す第2の変形例による鉄道車両111のように、機関車112と1号車は、上下方向に相対変位が不能な剛で接続されてもよい。
この場合、0番台車40には、1号車の車体21の上下力に加えて、機関車112の上下力が加わる。一般に、機関車112の質量は、客車と比較して大きい。このため、0番台車40に加わる上下力は、他の台車41〜4nと比較して大きい。この点を考慮して、第2の変形例による鉄道車両111は、第2の実施の形態による制御装置32iとほぼ同じ制御装置113iを備える。このとき、先頭台車40用の制御装置1130は、先頭台車40の制御ゲインを他の台車41〜4nの制御ゲインよりも高く設定する。
また、第7の実施の形態では、客車1号車は機関車102に接続されるものとした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図25に示す第3の変形例による鉄道車両121のように、機関車に牽引されない車両に適用してもよい。
モータ等からなる動力装置122が各客車に分散して配置されている鉄道車両121では、客車の先頭台車40(0番台車)は、車両の先頭台車になる。この場合、0番台車40は1号車の車重の1/2のみを支持することになり、1番台車41は1号車の車重の1/2と2号車の車重の1/2との和を支持することになる。一方、先頭車両(1号車)は、運転台が配置されるため、他の客車と車体重量や台車間距離が異なる可能性が高い。この点を考慮して、第3の変形例による鉄道車両121では、第2の実施の形態による制御装置32iとほぼ同じ制御装置123iを備える。このとき、先頭台車40用の制御装置1230は、これらの影響を総合的に考慮して、先頭台車40の制御ゲインを他の連接台車41〜4n-1の制御ゲインとは異なる値に設定する。
例えば、0番台車40に加わる上下力が他の連接台車41〜4n-1に比較して小さいときには、先頭台車40の制御ゲインを低く設定する。逆に、運転台等の影響によって、0番台車40に加わる上下力が他の連接台車41〜4n-1に比較して大きいときには、先頭台車40の制御ゲインを低く設定する。
また、第7の実施の形態では、最後尾台車4nに加わる上下力が他の連接台車41〜4n-1に比較して小さいことを考慮し、最後尾台車4nの制御ゲインを低く設定するものとした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図26に示す第4の変形例による鉄道車両131のように、最後尾台車4nの制御ゲインを異なる値に設定してもよい。
高速に走行する車両の場合、空気力外乱の影響によって最後尾の車両の乗り心地が悪化する傾向がある。この点を考慮して、第3の変形例による鉄道車両131では、制御装置1320〜132nのうち制御装置132nは、最後尾台車4nの制御ゲインを、他の連接台車41〜4n-1の制御ゲインとは異なる値(例えば高い値)に設定してもよい。具体的な制御ゲインの値は、車両を実際に走行させたときの振動等の検出結果に基づき、適宜設定されるものである。この場合、鉄道車両131は、機関車によって牽引されるものでもよく、第3の変形例のように、機関車に牽引されないものでもよい。
また、第7の実施の形態および第2〜第4の変形例は、第2の実施の形態に適用した場合について説明したが、第1の実施の形態に適用してもよい。さらに、第7の実施の形態は、第3ないし第6の実施の形態と組み合わせてもよい。
次に、図27および図28は本発明の第8の実施の形態を示している。第8の実施の形態の特徴は、制御装置は、隣合う2つの車体の振動を、一方の車体の周囲に設けたセンサの検出値に基づいて演算することにある。なお、第8の実施の形態では、前述した第2の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第8の実施の形態による鉄道車両141は、第2の実施の形態による鉄道車両1とほぼ同様に、車体2i、連結部3i、台車4i、上下動ダンパ7、加速度センサ9i、制御装置143i等を備える。これに加えて、隣合う車体2iと車体2i+1との間の前後方向の相対変位を検出する車体間変位センサ142iを備える。
車体間変位センサ1420は、1号車の車体21と2号車の車体22との間に設けられ、これらの間の前後方向の相対変位xb1,2を検出する。車体間変位センサ142n-1は、n−1号車の車体2n-1とn号車(最後尾車)の車体2nとの間に設けられ、これらの間の前後方向の相対変位xbn-1,nを検出する。これらの車体間変位センサ1420〜142n-1は、隣合う車体間距離となる前後方向の相対変位xbi,i+1に応じた検出信号を出力する。以下では、車体間変位センサ1420〜142n-1を総称するときには、車体間変位センサ142iという。車体間変位センサ142iは、i号車とi+1号車の連結部3iから上方向に距離hだけ離れた位置に取付けられる。
制御装置143iは、加速度センサ9i-1,9iの検出信号から加速度ai-1,aiを取得すると共に、車体間変位センサ142iの検出信号から相対変位xbi,i+1を取得する前処理部(図示せず)を備える。これに加えて、制御装置143iは、加速度ai-1,aiおよび相対変位xbi,i+1に基づいてアクチュエータ7Aの指令値に応じたi番台車制御力指令uiを出力する振動制御部144を備える。
振動制御部144は、加速度センサ9i-1,9iの検出値となる加速度ai-1,aiに基づいて車体2iの振動を演算するi番車体振動演算部145iと、i番車体振動演算部145iの演算結果と車体間変位センサ142iの検出値となる相対変位xbi,i+1とに基づいて車体2i+1の振動を演算するi+1番車体振動演算部145i+1と、これらの車体振動演算部145i,145i+1によって算出された車体2i,2i+1の振動に基づいて台車4iの上下動ダンパ7へのi番台車制御力指令uiを算出する制御力指令演算部146とを備える。このとき、制御力指令演算部146は、第2の実施の形態による制御力指令演算部35とほぼ同様に構成される。
そして、制御力指令演算部146によって算出したi番台車制御力指令uiはi番台車電流出力部14iに入力され、i番台車電流出力部14iはi番台車制御力指令uiに応じた指令電流を台車4iの上下動ダンパ7のアクチュエータ7Aに供給する。これにより、車体2iのピッチングとバウンシングによる振動が減衰され、車体2iの乗り心地を向上させることができる。
次に、i番車体振動演算部145iとi+1番車体振動演算部145i+1によって車体2i,2i+1の振動を演算する演算方法について説明する。
車体間変位センサ142iによって検出した相対変位xbi,i+1は、車体間変位センサ142iと連結部3iとの間の距離hを用いて、次のように定義される。このとき、相対変位xbi,i+1は、i号車とi+1号車のピッチング角度θi,θi+1が等しい場合に0となる。
Figure 2015009696
ピッチング角度θi,θi+1はいずれも小さいから、次のように近似することができる。
Figure 2015009696
このため、車体間変位センサ142iの出力(相対変位xbi,i+1)から、i号車とi+1号車の相対角度(θi−θi+1)が次の換算式で求められる。
Figure 2015009696
本実施の形態では、i号車のピッチング角加速度(d2θi/dt2)は、数33の式で求める。
Figure 2015009696
このため、i+1号車のピッチング角加速度(d2θi+1/dt2)は、次のように求める。
Figure 2015009696
さらに、i号車とi+1号車の上下加速度(d2Bi/dt2),(d2Bi+1/dt2)は、加速度センサ9i-1で取得した加速度ai-1と、加速度センサ9iで取得した加速度aiとに基づいて、次式で求まる。
Figure 2015009696
Figure 2015009696
以上の演算によって、本実施の形態では、i号車の加速度ai-1,aiとi号番台車4i直上の車体間変位xbi,i+1だけから、i号車とi+1号車のピッチングとバウンシングを求めることができる。このとき、加速度aiは、i号車の上下加速度(d2Bi/dt2)とピッチング角加速度(d2θi/dt2)によって表すことができる。このため、i+1号車のピッチングとバウンシングは、i号車のピッチングおよびバウンシングと、車体間変位xbi,i+1によって求めることができる。
このとき、加速度センサ9i-1と加速度センサ9iは、制御装置143iのi番車体振動演算部145iと共に、車体2iの振動を検出する第1の振動検出手段を構成する。また、第1の振動検出手段および車体間変位センサ142iは、制御装置143iのi+1番車体振動演算部145i+1と共に、車体2i+1の振動を検出する第2の振動検出手段を構成する。
なお、i+1番車体振動演算部145i+1は、第1の振動検出手段の検出値を用いることなく、加速度センサ9i-1、加速度センサ9iの検出値である加速度ai-1,aiと、車体間変位センサ142iの検出値である車体間変位xbi,i+1とを、数34および数36の式に代入することによって、車体2i+1の振動を演算してもよい。
かくして、第8の実施の形態でも、第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。また、第8の実施の形態では、自分の車両のみの配線で、第2の実施の形態と同様に、自分の車体2iと隣の車体2i+1の振動を抑える制御が可能である。このため、制御装置143iの演算量も少なく、第2の実施の形態に近い制御効果をよりシンプルな構成で得ることができる。
なお、第8の実施の形態では、車体間変位センサ142iは前後方向の相対変位xbi,i+1を検出し、車体間の相対角度(θi−θi+1)を算出するものとした。しかし、本発明はこれに限らず、車体間変位センサは、車体間の相対角度(θi−θi+1)を直接的に検出してもよい。
また、第8の実施の形態では、車体2iは前端部と後端部に設けた加速度センサ9i-1,9iによってピッチングやバウンシング等の車体2iの振動を検出したが、加速度センサ9i-1,9iの位置や加速度の検出方向はこれに限らず、適宜変更してもよい。
即ち、第8の実施の形態では、隣合う車体2iと車体2i+1とで、これらの間の相対角度と一方の車体2iの運動が検出できれば、他方の車体2i+1の運動を算出することができ、前述した制御の適用が可能である。
また、第8の実施の形態は、第3ないし第7の実施の形態と組み合わせてもよい。
次に、図29は本発明の第9の実施の形態を示している。第9の実施の形態の特徴は、制御装置は、車体が単独で存在したときの台車の制御力に基づいて連接台車の制御力を演算することにある。なお、第9の実施の形態では、前述した第2の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第9の実施の形態による制御装置151iは、加速度センサ9i-1,9i,9i+1の検出信号から加速度ai-1,ai,ai+1を取得する前処理部(図示せず)を備える。これに加えて、制御装置151iは、加速度ai-1,ai,ai+1に基づいてアクチュエータ7Aの指令値に応じたi番台車制御力指令uiを出力する振動制御部152を備える。
振動制御部152は、i番車体振動演算部153i、i+1番車体振動演算部153i+1、制御力指令演算部154を有する。
i番車体振動演算部153iは、第2の実施の形態によるi番車体振動演算部34iとほぼ同様に構成され、加速度センサ9i-1,9iの検出値となる加速度ai-1,aiに基づいて車体2iの振動を演算する。i+1番車体振動演算部153i+1は、第2の実施の形態によるi番車体振動演算部34i+1とほぼ同様に構成され、加速度センサ9i,9i+1の検出値となる加速度ai,ai+1に基づいて車体2i+1の振動を演算する。
制御力指令演算部154は、車体2i,2i+1の振動に基づいてi番台車制御力指令uiを演算する。この制御力指令演算部154は、i号車制御力指令演算部155i、i+1号車前側制御力指令演算部155i+1、加算部156を有する。
i号車制御力指令演算部155iは、車体2iの前部と後部に台車4iF,台車4iRが設けられた非連接な独立した車両を仮定したときに、これらの台車4iF,台車4iRによって車体2iの振動を低減するための制御力指令uiF,uiRを算出する。具体的には、i号車制御力指令演算部155iは、車体2iの振動に基づいて、車体2iの前部に仮想的に設けた台車4iFの上下動ダンパ7へのi号車前側制御力指令uiFを算出する。同様に、i号車制御力指令演算部155iは、車体2iの振動に基づいて、車体2iの後部に仮想的に設けた台車4iRの上下動ダンパ7へのi号車後側制御力指令uiRを算出する。
i+1号車制御力指令演算部155i+1は、車体2i+1の前部と後部に台車4i+1F,台車4i+1Rが設けられた非連接な独立した車両を仮定したときに、これらの台車4i+1F,台車4i+1Rによって車体2iの振動を低減するための制御力指令ui+1F,ui+1Rを算出する。具体的には、i+1号車制御力指令演算部155i+1は、車体2i+1の振動に基づいて、車体2i+1の前部に仮想的に設けた台車4i+1Fの上下動ダンパ7へのi+1号車前側制御力指令ui+1Fを算出する。同様に、i+1号車制御力指令演算部155i+1は、車体2i+1の振動に基づいて、車体2i+1の後部に仮想的に設けた台車4i+1Rの上下動ダンパ7へのi+1号車後側制御力指令ui+1Rを算出する。
加算部156は、i号車制御力指令演算部155iによるi号車後側制御力指令uiRと、i+1号車制御力指令演算部155i+1によるi+1号車前側制御力指令ui+1Fとを加算して、i号車とi+1号車の間に設けた連接台車4iの上下動ダンパ7へのi番台車制御力指令uiを算出する。
そして、制御力指令演算部154によって算出したi番台車制御力指令uiはi番台車電流出力部14iに入力され、i番台車電流出力部14iはi番台車制御力指令uiに応じた指令電流を台車4iの上下動ダンパ7のアクチュエータ7Aに供給する。これにより、車体2iのピッチングとバウンシングによる振動が減衰され、車体2iの乗り心地を向上させることができる。
次に、制御力指令演算部154による制御則について説明する。
まず、i号車の車体2iの乗り心地制御について考える。図30に示すように、車体2iが単独で存在し、かつ車体2iの前部と後部に仮想的に台車4iF,4iRが存在し、前部台車4iFと後部台車4iRにはそれぞれに上下動ダンパ7がついており、これらの制御力はuiF,uiRとする。
そのとき、i号車制御力指令演算部155iは、i号車の車体2iの上下変位zBiとピッチング角度θiとに基づいて、i号車の前部台車4iFの上下動ダンパ7の制御力uiFと、i号車の後部台車4iRの上下動ダンパ7の制御力uiRとは、次のように求める。
Figure 2015009696
ここで、ゲインAiF〜DiF,AiR〜DiRは、例えばi号車車体2iのピッチングとバウンシングに対するスカイフック制御やLQG制御等により決定する。
同様に、i+1号車制御力指令演算部155i+1は、i+1号車の前部台車4i+1Fの上下動ダンパ7の制御力ui+1Fと、i+1号車の後部台車4i+1Rの上下動ダンパ7の制御力ui+1Rとを、次のように求める。
Figure 2015009696
ここで、連接台車4iにおいては、i号車の後部台車4iRとi+1号車の前部台車4i+1Fとを兼ねる。このため、制御力指令演算部154の加算部156は、以下の数39の式に示すように、i号車の後部台車4iRの制御力uiRとi+1号車の前部台車4i+1Fの制御力ui+1Fとの和によって、i番台車4iの制御力uiを求める。
Figure 2015009696
以上の数37ないし数39の式の関係をまとめると、以下の数40の式が得られる。
Figure 2015009696
この数40の式は、第2の実施の形態による数28の漸化式と同じ形である。即ち、第9の実施の形態は、第2の実施の形態による制御ゲインGAi,i,GAi,i+1,GBi,i,GBi,i+1,GCi,i,GCi,i+1,GDi,i,GDi,i+1を以下のように置き換えたことと同じである。
Figure 2015009696
従って、第9の実施の形態では、数39の式によって求めた制御力uiで、第2の実施の形態に近い振動抑制効果を得ることができる。これに加えて、第9の実施の形態では、前述した高次の最適フィードバックの計算を行うことなく、制御パラメータを決めることができる。
かくして、第9の実施の形態でも、第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。また、第9の実施の形態では、高次の最適フィードバックの計算を行う必要がないため、制御装置151iの演算量を低減することができる。
なお、第9の実施の形態は、第3ないし第8の実施の形態と組み合わせてもよい。
次に、図31および図32は本発明の第10の実施の形態を示している。第10の実施の形態の特徴は、制御装置は、4両分の車体の振動に基づいて連接台車の制御力を演算することにある。なお、第10の実施の形態では、前述した第2の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第10の実施の形態による鉄道車両161は、第2の実施の形態による鉄道車両31とほぼ同様に、車体2i、連結部3i、台車4i、上下動ダンパ7、加速度センサ9i、制御装置162i等を備える。
制御装置162iは、加速度センサ9i-2,9i-1,9i,9i+1,9i+2の検出信号から加速度ai-2,ai-1,ai,ai+1,ai+2を取得する前処理部(図示せず)を備える。これに加えて、制御装置162iは、加速度ai-2,ai-1,ai,ai+1,ai+2に基づいてアクチュエータ7Aの指令値に応じたi番台車制御力指令uiを出力する振動制御部163を備える。
振動制御部163は、i−1番車体振動演算部164i-1、i番車体振動演算部164i、i+1番車体振動演算部164i+1、i+2番車体振動演算部164i+2、制御力指令演算部165を有する。
このとき、車体振動演算部164i-1,164i,164i+1,164i+2は、第1の実施の形態によるi番車体振動演算部12iとほぼ同様に構成される。このため、車体振動演算部164i-1,164i,164i+1,164i+2は、数1および数2の式に基づいて、車体2i-1,2i,2i+1,2i+2の振動を演算する。従って、i番車体振動演算部164i-1は、加速度センサ9i-2,9i-1の検出値となる加速度ai-2,ai-1に基づいて車体2i-1の振動を演算する。i番車体振動演算部164iは、加速度センサ9i-1,9iの検出値となる加速度ai-1,aiに基づいて車体2iの振動を演算する。i+1番車体振動演算部164i+1は、加速度センサ9i,9i+1の検出値となる加速度ai,ai+1に基づいて車体2i+1の振動を演算する。i+2番車体振動演算部164i+2は、加速度センサ9i+1,9i+2の検出値となる加速度ai+1,ai+2に基づいて車体2i+2の振動を演算する。
制御力指令演算部165は、これらの車体振動演算部164i-1,164i,164i+1,164i+2によって算出された車体2i-1,2i,2i+1,2i+2の振動に基づいて台車4iの上下動ダンパ7へのi番台車制御力指令uiを算出する。そして、制御力指令演算部165によって算出したi番台車制御力指令uiはi番台車電流出力部14iに入力され、i番台車電流出力部14iはi番台車制御力指令uiに応じた指令電流を台車4iの上下動ダンパ7のアクチュエータ7Aに供給する。これにより、車体2iのピッチングとバウンシングによる振動が減衰され、車体2iの乗り心地を向上させることができる。
次に、前述した構成を有する鉄道車両161において、加速度センサ9i-2,9i-1,9i,9i+1,9i+2の出力に基づいて、各台車4iの上下動ダンパ7の減衰力を制御するときの制御則について説明する。
第10の実施の形態による制御則は、基本的には第2の実施の形態と同様である。但し、以下のように、状態フィードバックKを近似する点で、第2の実施の形態とは異なる。
Figure 2015009696
Figure 2015009696
Figure 2015009696
Figure 2015009696
Figure 2015009696
このとき、i番台車4iの上下動ダンパ7に発生させる制御力uiは次の漸化式で表現される。
Figure 2015009696
上記の漸化式に注目すると、i番台車4iの上下動ダンパ7に発生させる制御力uiはi−1号車、i号車、i+1号車およびi+2号車の運動のみにより決まる。即ち、制御装置162iを各ダンパ7の直近に配置し、制御装置162iは、前述した漸化式に従って、自身の車両(車体2i)と隣の車両(車体2i+1)と、更にその両隣の車両(車体2i-1,2i+2)の加速度情報から制御力uiを決定する。この場合、鉄道車両161を引き回す配線の線長が4両分と長くなるが、制御装置162iの性能は、第1の実施の形態のように、全ての車両(車体21〜2n)の振動を考慮した場合の性能に近付いたものとなる。
かくして、第10の実施の形態でも、第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。また、第10の実施の形態では、台車4iを挟んで前方と後方に2両ずつ合計4両分の車体2i-1,2i,2i+1,2i+2の振動に基づいて、台車4iの制御力uiを演算するから、全ての車両(車体21〜2n)の振動を考慮した場合に近い振動抑制効果を得ることができる。
なお、第10の実施の形態では、4両分の車体2i-1,2i,2i+1,2i+2の振動に基づいて、台車4iの制御力uiを演算した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば6両分の車体の振動に基づいて、台車4iの制御力uiを演算してもよく、8両分以上の車体の振動に基づいて、台車4iの制御力uiを演算してもよい。また、偶数車両の振動に限らず、3両以上の奇数車両の振動に基づいて、台車4iの制御力uiを演算してもよい。即ち、n両の車体21〜2nのうち制御対象となる台車4iから離れた少なくとも1両分の車体の振動を省いて、台車4iの制御力uiを演算すればよい。このとき、制御力uiの演算において省く車体は、台車4iの制御力uiの影響が少ない車体として、台車4iから遠くに位置するものを優先する。
さらに、第10の実施の形態は、第3ないし第9の実施の形態と組み合わせてもよい。
次に、図33および図34は本発明の第11の実施の形態を示している。第11の実施の形態の特徴は、連接台車には、前方の車体と後方の車体との間に別個に上下動ダンパを設けたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第2の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第11の実施の形態による鉄道車両171は、第2の実施の形態による鉄道車両31とほぼ同様に、車体2i、連結部3i、台車4i、上下動ダンパ172iF,172iR、加速度センサ9i、制御装置173i等を備える。
上下動ダンパ172iFは、シリンダ装置を構成し、台車4iの前方で右側と左側にそれぞれ位置して、車体2iと台車4iとの間に設けられる。上下動ダンパ172iFは、上下動ダンパ7と同様に構成され、アクチュエータ7Aを備える。上下動ダンパ172iFのアクチュエータ7Aには、制御装置173iによってi番台車前側制御力指令uiFに応じた制御信号(指令電流)が供給される。これにより、上下動ダンパ172iFの減衰力は、制御信号に従って可変に制御される。
上下動ダンパ172iRは、シリンダ装置を構成し、台車4iの後方で右側と左側にそれぞれ位置して、車体2i+1と台車4iとの間に設けられる。上下動ダンパ172iRは、上下動ダンパ7と同様に構成され、アクチュエータ7Aを備える。上下動ダンパ172iRのアクチュエータ7Aには、制御装置173iによってi番台車後側制御力指令uiRに応じた制御信号(指令電流)が供給される。これにより、上下動ダンパ172iFの減衰力は、制御信号に従って可変に制御される。
制御装置173iは、第2の実施の形態による制御装置32iとほぼ同様に構成され、振動制御部33を備える。但し、制御装置173iは、振動制御部33から出力されるi番台車制御力指令uiをi番台車前側制御力指令uiFとi番台車後側制御力指令uiRとに分離させる分離部174を備える。
ここで、第11の実施の形態では、台車4iは、上下動ダンパ172iF,172iRを用いて、台車4iの前側の車体2iと後側の車体2i+1をそれぞれ直接支持する。この場合、上下動ダンパ172iF,172iRがそれぞれ別の制御力を出力すると、台車4iに対しては台車4iをピッチングさせるようなモーメントが加わり台車4iの接地性を損ね、制動距離に影響を与える可能性がある。
そこで、前側と後側の上下動ダンパ172iF,172iRには均一の制御力指令を与えることが望ましい。連接列車では、車体間が上下方向に剛に繋がっているため、前側と後側の上下動ダンパ172iF,172iRのストローク速度・量は、ほぼ一致する。このことから、前側と後側の上下動ダンパ172iF,172iRが同一の減衰係数となるように指令を与えれば、それぞれのダンパがほぼ同じ減衰力を発生する。
以上の点を考慮して、分離部174は、前側と後側の上下動ダンパ172iF,172iRに与える制御力指令uiF,uiRはそれぞれi番台車制御力指令uiの1/2の値にする。i番台車前側制御力指令uiFはi番台車前側電流出力部175iFに入力され、i番台車後側制御力指令uiFはi番台車後側電流出力部175iRに入力される。これらの電流出力部175iF,175iRは制御力指令uiF,uiRに応じた指令電流を台車4iの上下動ダンパ172iF,172iRに供給する。
かくして、第11の実施の形態でも、第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、第11の実施の形態では、台車4iと連結部3iとの間に空気ばね5を設ける構成としたが、図35に示す第5の変形例による鉄道車両181のように、台車4iと車体2i,2i+1との間に別個に空気ばね5を設けてもよい。
また、第11の実施の形態は、第1の実施の形態に適用してもよく、第3ないし第10の実施の形態と組み合わせてもよい。
次に、図36は本発明の第12の実施の形態を示している。第12の実施の形態の特徴は、制御装置は、車体のロールに対しても振動抑制制御を行うことにある。なお、第12の実施の形態では、前述した第2の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第12の実施の形態による制御装置191iは、第2の実施の形態による制御装置32iとほぼ同様に構成され、振動制御部33を備える。これに加えて、制御装置191iは、車体2i,2i+1のロールを抑制するための制御力指令uirollL,uirollRを出力するロール振動制御部192と、i番台車制御力指令uiと制御力指令uirollLとに基づいてi番台車左側制御力指令uimixLを演算する左側制御力指令演算部193Lと、i番台車制御力指令uiと制御力指令uirollRとに基づいてi番台車右側制御力指令uimixRを演算する右側制御力指令演算部193Rとを備える。ロール振動制御部192は、例えば車体2i,2i+1の左右方向の両側に設けた加速度センサ(図示せず)によって車体2i,2i+1のロールを検出する。
ここで、i番台車制御力指令uiは、台車4iの左側と右側の上下動ダンパ7の制御力の合計値である。このため、制御力指令演算部193L,193Rは、i番台車4iの左側の上下動ダンパ7に対するi番台車左側制御力指令uimixLと、i番台車4iの右側の上下動ダンパ7に対するi番台車右側制御力指令uimixRとを次式に基づいてそれぞれ求める。
Figure 2015009696
Figure 2015009696
i番台車左側制御力指令uimixLはi番台車左側電流出力部194iLに入力され、i番台車右側制御力指令uimixRはi番台車右側電流出力部194iRに入力される。これらの電流出力部194iL,194iRは、制御力指令uimixL,uimixRに応じた指令電流を、台車4iの左側の上下動ダンパ7と右側の上下動ダンパ7とにそれぞれ供給する。
かくして、第12の実施の形態でも、第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。第12の実施の形態では、車体2iのピッチングやバウンシングに加えて、ロールの抑制も行うことができる。
なお、第12の実施の形態では、数48および数49の式ではロールと上下の重みをほぼ同一としたが、これらの足し算の重みは適宜に変更してよい。
また、第12の実施の形態では、制御対象をバウンシングとピッチングの2自由度の振動にロールを加えた3自由度にしたが、本発明はこれに限らない。例えば車体のロールやヨー、台車の運動を追加して運動方程式を高次化したものに対して制御装置を構成し、上下以外の振動モードの抑制もしつつ、その上で、本発明を適用して乗り心地を制御してもよい。
また、第12の実施の形態は、第1の実施の形態に適用してもよく、第3ないし第11の実施の形態と組み合わせてもよい。
また、前記各実施の形態では、連接台車4iは、2両の車体2i,2i+1を連結する連結部3iに設けるものとした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図37に示す第6の変形例による鉄道車両201のように、連結部3iとは別個の位置に連接台車202iを設けてもよい。この場合、連接台車202iは、例えば車体2iのうち隣接する車体2i+1側である車体2iの後端部に位置して、その下側に取付けられ、空気ばね5等のバネ部材を介して車体2i等を支持する。また、連接台車4iは4個の車輪6を備えるものとしたが、連接台車202iのように、2個の車輪6を備えたものでもよい。
また、前記各実施の形態では、上下動ダンパ7がセミアクティブダンパである場合を例に挙げて説明したが、これに代えて、アクティブダンパ(電気アクチュエータ、油圧アクチュエータのいずれか)を用いるようにしてもよい。アクティブダンパを用いる場合には、より効果的に乗り心地を向上させることができる。
さらに、前記各実施の形態では、制御装置10,22,32i,41i,51i,71i,81i,103i,113i,123i,132i,143i,151i,162i,173i,191iは、バウンシングやピッチングのように、車体2iの上下方向の振動を抑制するものとしたが、車体2iの左右方向の振動を抑制してもよい。
次に、前記各実施の形態に含まれる発明について記載する。本発明によれば、制御装置は、第1の車体の振動を検出する第1の振動検出手段の検出値と、第2の車体の振動を検出する第2の振動検出手段の検出値とに基づいてアクチュエータの指令値を算出する。このため、連接台車によって繋がる複数の車体が結び付きを持つときでも、車体の相互の振動の影響を考慮して台車の上下動ダンパを制御することができる。この結果、複数の車体を備えた連接列車全体で、車体の振動を抑制することができ、乗り心地を改善することができる。
本発明によれば、第1の車体および/または第2の車体には、1台または複数台の車体をさらに追加して連結し、制御装置は、追加された車体のうち連結部から離れた少なくとも1台の車体の振動を省いてアクチュエータの指令値を算出する。このため、例えば全ての車体の振動に基づいて振動の制御を行う場合に比べて、各種のセンサや上下動ダンパと制御装置との間を接続するケーブルの長さを短くすることができ、配線の簡略化やノイズの低減を図ることができる。これに加えて、乗り心地制御演算を簡略化することができるから、製造コストの低減を図ることができる。
本発明によれば、連接台車と第2の車体との間に設けられ、他のアクチュエータによって作動力を調整可能な他のシリンダ装置をさらに備え、制御装置は、第1の振動検出手段の検出値と、第2の振動検出手段の検出値とに基づいて前記他のアクチュエータの指令値を算出する。これにより、第1の車体および第2の車体と連接台車との間にそれぞれ別個のシリンダ装置が設けられているときでも、制御装置は、これらのシリンダ装置の作動力を調整して、連接列車の乗り心地を向上させることができる。
本発明によれば、制御装置は、第1の振動検出手段の検出値と第2の振動検出手段の検出値とから、第1,第2の車体のバウンシングおよびピッチングの共振点よりも低周波の成分を除去するハイパスフィルタを備える。このため、例えば路面勾配の変化のような緩やかな加速度変化の成分を、第1,第2の振動検出手段の検出値から取り除くことができ、ピッチングやバウンシング等の振動のみに制御を与えることができる。この結果、登坂路線や降坂路線でシリンダ装置が不要な作動力を発生させることがなく、登坂路線等での乗り心地を改善することができる。
本発明によれば、第1の車体と第2の車体との間の車体間変位を検出する車体間変位センサをさらに備え、第2の振動検出手段は、第1の振動検出手段の検出値と前記車体間変位センサの検出値とに基づいて前記第2の車体の振動を演算する。このため、第1の車体に周囲に設けた第1の振動検出手段および車体間変位センサによって、第1,第2の車体の振動を検出することができる。
1,21,31,101,111,121,131,141,161,171,181,201 鉄道車両
i 車体
i 連結部
i 台車(連接台車)
5 空気ばね(バネ部材)
6 車輪
7,172iF,172iR 上下動ダンパ(シリンダ装置)
7A アクチュエータ
i 加速度センサ
10,22,32i,41i,51i,71i,81i,103i,113i,123i,132i,143i,151i,162i,173i,191i 制御装置
42C,52C ハイパスフィルタ
61,78,92 パラメータ選択部
142i 車体間変位センサ
202i 連接台車

Claims (5)

  1. 第1の車体と、
    前記第1の車体と隣接する第2の車体と、
    前記第1の車体と前記第2の車体との間を駆動力が伝達可能となるように連結する連結部と、
    少なくとも前記第1の車体の前記第2の車体側においてバネ部材を介して支持する連接台車と、
    前記連接台車と前記第1の車体との間に設けられ、アクチュエータによって作動力を調整可能なシリンダ装置と、
    前記アクチュエータを制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記第1の車体の振動を検出する第1の振動検出手段の検出値と、前記第2の車体の振動を検出する第2の振動検出手段の検出値とに基づいて前記アクチュエータの指令値を算出することを特徴とするサスペンション制御装置。
  2. 前記第1の車体および/または前記第2の車体には、1台または複数台の車体をさらに追加して連結し、
    前記制御装置は、追加された前記車体のうち前記連結部から離れた少なくとも1台の車体の振動を省いて前記アクチュエータの指令値を算出してなる請求項1に記載のサスペンション制御装置。
  3. 前記連接台車と前記第2の車体との間に設けられ、他のアクチュエータによって作動力を調整可能な他のシリンダ装置をさらに備え、
    前記制御装置は、前記第1の振動検出手段の検出値と、前記第2の振動検出手段の検出値とに基づいて前記他のアクチュエータの指令値を算出してなる請求項1または2に記載のサスペンション制御装置。
  4. 前記制御装置は、前記第1の振動検出手段の検出値と前記第2の振動検出手段の検出値とから、前記第1,第2の車体のバウンシングおよびピッチングの共振点よりも低周波の成分を除去するハイパスフィルタを備えてなる請求項1ないし3のいずれかに記載のサスペンション制御装置。
  5. 前記第1の車体と前記第2の車体との間の車体間変位を検出する車体間変位センサをさらに備え、
    前記第2の振動検出手段は、前記第1の振動検出手段の検出値と前記車体間変位センサの検出値とに基づいて前記第2の車体の振動を演算してなる請求項1ないし4のいずれかに記載のサスペンション制御装置。
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